JP4517986B2 - 光源装置及び光源装置の製造方法 - Google Patents

光源装置及び光源装置の製造方法 Download PDF

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Description

この発明は高圧放電ランプとその凹面反射鏡よりなる光源装置に関する。特に、発光管内に0.25mg/mm以上の水銀が封入されて点灯時の水銀蒸気圧が超高圧となる超高圧水銀ランプを光源とした液晶ディスプレイ装置やDMDTM(デジタルミラーデバイス)を使ったDLPTM(デジタルライトプロセッサ)などのプロジェクタ装置に使われる光源装置に関する。
投射型プロジェクタ装置は、矩形状のスクリーンに対して、均一にしかも十分な演色性をもって画像を照明させることが要求される。このため、光源としては、水銀や金属ハロゲン化物を封入させたメタルハライドランプが使われている。また、このようなメタルハライドランプも、最近では、より一層の小型化、点光源化が進められ、また電極間距離の極めて小さいものが実用化されている。
このような背景のもと、最近では、メタルハライドランプに代わって、今までにない高い水銀蒸気圧、例えば150気圧、を持つランプが提案されている。これは、水銀蒸気圧をより高くすることで、アークの広がりを抑え、絞り込むとともに、より一層の光出力の向上を図るというものである。
このような超高圧放電ランプは、例えば、特開平2−148561号公報、特開平6−52830号公報に開示されている。
一方、プロジェクタ装置に使用する光源装置は、光源ランプからの放射光を光軸方向に効率よく反射させて、液晶表示パネルなどの被照射領域に照射する必要がある。光源装置は、通常、ショートアーク型放電ランプと、この放電ランプから放射される光を平行光に変換するための凹面反射鏡が採用される。
近年、液晶プロジェクタ装置やDMDを使ったDLP装置は小型化が強く求められ、これに応じて、光源装置も小型化が求められている。また、被照射物である液晶表示パネル自体も小型化されていることも、光源装置の小型化が要請される理由の一つである。
このようなプロジェクタ用等の投射光源に使用される、ランプの光を集光する反射鏡の材質は、高温下にさらされるため、高耐熱材料である、ガラスまたはセラミックスであった。しかしながら、ガラスまたはセラミックスは金属に比べ熱伝導性が悪く、反射鏡を小型化した場合、反射鏡内に冷却風を積極的に導入してランプおよび反射鏡を冷却する必要がある。また、放電ランプは点灯時の内圧が超高圧(例えば、150気圧以上)であるから、万一、放電ランプが破損した場合に、反射鏡も破損する恐れがある。
一方、セラミックスの機械的強度の欠点を補う、耐熱性のある金属製反射鏡は、プロジェクタ用等の投射光源には適していなかった。それは、金属反射鏡は熱線(赤外線)を反射面で反射鏡前方に放射し、液晶デバイス等を劣化させるからであった。しかし、最近、特開2004−170877号公報にあるように、金属製反射鏡としてアルミニウム(Al)を反射体ベース1とし、その内面にホウケイ酸ガラスのセラミックコーティング3をし、そのセラミックコーティング3内にニッケル・鉄スピネル系黒顔料を添加する技術が開示されている。図3にその実施例図を示す。
この開示技術は、金属製反射鏡がプロジェクタ用等で使用される可能性を提示したものであるが、アルミニウムの基体の上にガラス層を有し、該ガラス層内にニッケル・鉄スピネル系黒顔料を含有させ、放電ランプから放射される赤外線をこの黒顔料が減衰させる。
原理としては赤外線が顔料の粒に次々に当たり減衰していくものである。顔料を使って赤外線を減衰させるには、行程距離が必要であり、セラミックコーティング3の厚みが必要になる。セラミックコーティング3の厚みがあると金属基体との界面で熱膨張差により剥離に到る恐れもある。あるいは、このセラミックコーティング3の表面に多重干渉膜4を付けているが、多重干渉膜をつける前にセラミックコーティング3の表面を研磨する場合がある。その研磨の際に表面に顔料の粒が露出してセラミックコーティング3の表面が荒れる恐れがある。
特開平2−148561号公報 特開平6−52830号公報 特開2004−170877号公報
そこで、この発明が解決しようとする課題は、放電ランプの点灯時圧力が超高圧になるため、ランプ破損時にランプを覆っている反射鏡自体が破損してしまわない強度を確保すること、反射鏡およびランプの熱を効率よくプロジェクタ筐体外に放出されることという2つの条件を満たすために金属反射鏡を用い、従来にない優れた赤外吸収性能を有し、金属基体に密着したガラス層が付属した金属製凹面反射鏡を備えた光源装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、高圧放電ランプと、この高圧放
電ランプを取り囲む凹面反射鏡よりなる光源装置において、前記凹面反射鏡が、アルミニ
ウムまたはアルミニウムを主成分とした合金、あるいはステンレスのいずれかからなる金
属基体と、この金属基体の内表面に形成された、ニッケル、コバルト、バナジウム、銅、
ジルコニウム、カルシウム、マンガン、モリブデンのうち少なくとも1つ以上の金属の酸
化物が含有された硼珪酸ガラスからなるガラス層と、該ガラス層の上に設けられた誘電体多層膜層とからなり、前記ガラス層中に含有される前記金属酸化物の総量がガラス母材に対して1〜30wt% であることを特徴とする光源装置とするものである。
請求項に記載の発明は、前記ガラス層は、凹面状の金属基体の内表面に前記ガラス層
の材料を配置し、その後、熱間プレスにより形成されてなることを特徴とする請求項1記載の光源装置とするものである。
請求項に記載の発明は、前記ガラス層は凹面状の金属基体の内表面に溶融したガラス
材料を吹き付けるブローイングにより形成されてなることを特徴とする請求項1記載の光源装置とするものである。
請求項に記載の発明は、前記誘電体多層膜は酸化ジルコニウムとフッ化マグネシウム
とが交互積層されたものであることを特徴とする請求項1 乃至請求項のいずれかに記載の光源装置とするものである。
請求項に記載の発明は、高圧放電ランプと、この高圧放電ランプを取り囲む凹面反射
鏡よりなる光源装置の製造方法において、前記凹面反射鏡が、アルミニウムまたはアルミ
ニウムを主成分とした合金、あるいはステンレスのいずれかからなる金属基体からなり、
前記金属基体の凹面状の内表面に、ニッケル、コバルト、バナジウム、銅、ジルコニウム
、カルシウム、マンガン、モリブデンのうち少なくとも1つ以上の金属の酸化物が含有さ
れたガラスを塗布する工程と、前記金属基体の凹面状の内表面を上向きにした状態で、前
記ガラスの軟化点以上に当該金属基体を加熱する工程と、前記金属基体の凹面状の内表面
に、加熱された矢型を挿入して軟化したガラスをプレスする工程と、前記矢型を前記金属
基体の凹面状の内表面に挿入した状態でガラスの軟化点より低い温度になるまで放置する
工程と、前記矢型を前記金属基体の凹面状の内面より取り出す工程により製造されること
を特徴とする。
請求項に記載の発明は、高圧放電ランプと、この高圧放電ランプを取り囲む凹面反射
鏡よりなる光源装置の製造方法において、前記凹面反射鏡が、アルミニウムまたはアルミ
ニウムを主成分とした合金、あるいはステンレスのいずれかからなる金属基体とからなり
、前記金属基体の凹面上の内表面を上向き状態にする工程と、ニッケル、コバルト、バナ
ジウム、銅、ジルコニウム、カルシウム、マンガン、モリブデンのうち少なくとも1つ以
上の金属の酸化物が含有されたガラス溶融塊を前記金属基体の凹面状の内表面の内側に挿
入する工程と、前記ガラス溶融塊をブローイングにより膨らませて、前記金属基体の凹面
状の内表面にガラスを密着させる工程と、前記金属基体の凹面状の内表面に密着させたガ
ラスをガラスの融点より低い温度まで放置する工程により製造されることを特徴とする。
本発明によれば、ランプが破損しても反射鏡基体が破損せず、ランプを構成するガラス等が漏れ落ちることがない。
ランプの熱を効率よく放散させることが可能なため、積極的に冷却風を取り込んでランプを冷却することが不要となる。
ニッケル、コバルト、バナジウム、銅、ジルコニウム、カルシウム、マンガン、モリブデンのうち少なくとも1つ以上の金属の酸化物が含有されたガラス層は不要な赤外域の光を吸収し、反射鏡前方へ放出しない。
特に、ガラス層中に含有される金属酸化物の総量はガラス母材に対して1〜30wt%であれば、ガラス層は不要な赤外域の光を吸収する効果を良好に奏する。しかし、1wt%未満であると不要な赤外域の光を吸収し、反射鏡前方へ放出しないという機能が十分に働かず、30wt%を超えると、下地の金属基体との熱膨張率の違いが顕著になり、ガラス層の金属基体からの剥離が生じる。
また、ガラス層が熱間プレスにより形成された反射鏡は高い平滑度を有して形成され、ガラス層の上に形成される誘電体多層膜もガラスの高い平滑度を有して形成されることから、反射鏡の設計値どおりにランプの光を反射鏡前方へ反射できる。
また、ガラス層がブローイング(吹きつけ)により形成された反射鏡の場合は、ガラス層形成がブローイングを一回行うことで完了し、製作が非常に簡便とすることができる。また、反射鏡基体が金型となり、金型費用を発生することなく製作することが可能である。
そして、誘電体多層膜が酸化ジルコニウムとフッ化マグネシウムの積層からなる場合は、低屈折率材としてフッ化マグネシウム(MgF2)、高屈折率材として酸化ジルコニウム(ZrO2)を交互に積層してなる誘電多層膜であって、積層全体の厚みが1〜3μmであって、830nmより長い波長の光及び380nmより短い光を透過し可視光を反射する機能を有する。耐熱温度は300℃程度であり、SiO2とTiO2よりなる積層膜の耐熱温度500℃に比べ低いが、金属を基体とした反射鏡の運転温度は300℃未満であり、十分耐えうる。金属基体と積層された膜の膨張差により膜剥がれやひび割れが発生する。膨張差が大きいほどそれらは顕著に現れる。金属基体上に製膜される積層膜は、金属基体により近い膨張率が望まれるわけであるが、ZrO2とMgF2により積層された積層膜の方が剥がれやひび割れが起こり難いといえる。製造面においても、ZrO2とMgF2による積層膜の方が容易に製作されるので好ましい。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の光源装置の構成の一例を示す説明用断面図である。
この光源装置10は、光源である高圧水銀放電ランプ40と、この高圧水銀放電ランプ40が収容され、当該高圧水銀放電ランプ40からの放射光を反射してその反射光を開口部を介して投射する凹面反射鏡20と、当該凹面反射鏡20の開口部を塞ぐよう設けられた透光性を有する前面ガラス19とを具備しており、凹面反射鏡20と前面ガラス19とによって形成される空間内に、高圧水銀放電ランプ40が収容されてなる、いわゆる密閉構造を有するものである。
この光源装置10は、図1に示されるように、高圧水銀放電ランプ40の管軸が水平状態とされた状態で使用される。
具体的に、光源装置10は、凹状であって集光空間を形成する集光部201を具え、当該集光部201の後端(図1において右端)に続いて光軸方向後方に伸びる筒状頸部25とよりなる金属基体21の内表面に、ガラス層22を介して誘電体多層膜層23が形成された凹面反射鏡20を備えており、この凹面反射鏡20の開口部には、金属基体21における前方外縁部24に接着剤37などにより固定された、透光性を有する板状の耐熱ガラスよりなる前面ガラス19が設けられている。
この高圧水銀放電ランプ40の後端(図1において右端)が金属基体21における筒状頸部25に挿通されて接着剤37などによって固着された状態で固定されている。なお、高圧水銀放電ランプへの給電配線などは省略してある。
高圧水銀放電ランプ40は、発光空間を形成する略楕円状の放電容器42と、その両端に続いて管軸方向外方、すなわち、光軸方向前方および後方に伸びるロッド状の封止管部43A、43Bとよりなる。例えば当該放電容器42は、シリカガラス製であって、発光空間内には、互いに対向するよう陰極44と陽極45とが配置されている。
そして、放電容器42内には、点灯始動ガスとして希ガスと、当該放電容器42の内壁の黒化抑制のためのハロゲンと、発光物質として水銀とが封入されている。
高圧水銀放電ランプ40においては、放電容器42内における水銀の封入量は、0.25mg/mm3以上であることが好ましい。
水銀の封入量が0.25mg/mm3以上であることにより、高圧水銀ランプ40に高い輝度が得られることから、光源装置10に一層高い光放射性能を得ることができる。
上記の光源装置10において、凹面反射鏡20における金属基体21を構成する金属としては、熱伝導率(300℃)が233W/k・mであるアルミニウムや、そのアルミニウムを主成分とする合金が好適である。また、熱伝導率(300℃)は19W/k・m程度であるが易加工性からステンレスも本発明においては適する材質である。
金属基体21は、最小肉厚部において例えば2mm以上の厚みを有するものであることが好ましい。金属基体21が上記範囲の厚みを有するものであることにより、凹面反射鏡20に、高い放熱性が得られると共に、点灯状態の高圧水銀放電ランプ40が破損した場合の衝撃に耐えうる十分な強度が得られる。
図2に図1に示す光源装置の凹面反射鏡の断面を示す。金属基体21の集光部201に形成されるガラス層22は、その表面上に誘電体多層膜層23が形成される支持層であり、金属基体21と誘電体多層膜層23との一体性が得られるものである。そして、本発明においては、ガラス層22が熱間プレスあるいはブローイングにより形成されると、誘電体多層膜層23を形成すべき表面の表面平滑性が容易に得られるが、さらに非常に高い集光効率が求められる場合には、ガラス層22を研磨することによって更に表面平滑性を向上し、これにより、一層高い集光効率を得ることができる。本発明の光源装置におけるガラス層22は顔料を含有していないので、研磨しても良好な平滑面とすることができるのである。
ガラス層22の厚さは、100〜1000μmであることが好ましい。これは100μm未満であると均一な膜厚にすることが困難になるからであり、1000μmを超えるとガラス層22を構成する材料と、金属基体21を構成する金属との熱膨張率の差に起因して当該ガラス層22にクラックが生じるおそれがある。なお、ガラスの熱伝導を考慮すると、ガラス層の厚みは100〜500nmであれば更に好ましい。
ガラス層22の表面上に形成される誘電体多層膜層23は、例えば酸化ジルコニウム(ZrO2)層およびフッ化マグネシウム(MgF2)層が交互に積層されてなる厚さ0.5〜10μmの多層膜からなるものであって、主として赤外線領域および紫外線領域の光を透過し、かつ可視光を反射する機能を有するものである。なお、酸化ジルコニウム(ZrO2)層およびフッ化マグネシウム(MgF2)層に替えてシリカ(SiO2)層およびチタニア(TiO2)としてもよい。
このようなガラス層22を有する構成の凹面反射鏡20は、例えばへら絞り加工、切削加工、プレス加工、ダイキャストなどの手法によって金属よりなる所望の形状の金属基体を得る。ダイキャストによってアルミニウムよりなる所望の形状の金属基体を得、当該金属基体の集光部の内表面に、ガラスをスプレー法などによって塗布し、熱間プレスにより、金属基体の内表面に、厚さ300μmのガラス層を形成し、更に、得られたガラス層におけるガラス質層の表面に蒸着法により、酸化ジルコニウム(ZrO2)層およびフッ化マグネシウム(MgF2)層とを交互に積層した誘電体多層膜層を形成することによって凹面反射鏡を作製した。
ガラス層の形成方法において説明する。まず、熱間プレスにより形成する場合は、図4の(a)〜(d)に示すようにガラス層は形成される。
(1)細かく粉砕した、ニッケル、コバルト、バナジウム、銅、ジルコニウム、カルシウム、マンガン、モリブデンのうち少なくとも1つ以上の金属の酸化物が総量でガラス母材に対して1〜30wt%含有されたガラス22Aをアルミニウムまたはアルミニウム合金の凹面状の金属基体21の内表面に塗布する。具体的一例をあげれば、酸化ニッケル(NiO)および酸化コバルト(CoO)をそれぞれ10wt%、合計で20wt%含有したものである。
金属基体21は、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とした合金、あるいはステンレスのいずれかからなるものである。
金属基体21の内表面は素地のままか、もしくはサンドブラスト等により積極的に荒らした面とするのが望ましい。ガラスの塗布を容易にするため、酢酸ブチル等の有機溶媒をガラスにまぜ、凹面の金属基体21内面にディッピングまたはスプレーにて塗布して図4(a)の状態にする。塗布する厚みは例えば、400μmである。また、ガラスの組成の一例をあげれば、SiO2・H3BO3・NHCO3に微量成分、例えばKNO3、LiCO3、BaCO3が入っている。有機溶媒としては酢酸ブチル以外には例えばステアリン酸も使用できる。
(2)図4(b)に示すように矢型とリング型と基体保持機構とからなる熱間プレス機に、ガラスを塗布した反射鏡の金属基体21の凹面状の内表面が上向き状態になるように取り付ける。リング型31はガラスが溢れ出すのを防ぐためのものである。ガラス22Aを金属基体21ごと加熱し、ガラスの軟化点に到達させる。ガラス22Aの軟化点が450℃であれば、加熱温度は500℃であり、保持時間は5秒間である。反射面形状を転写し、ガラスを密着させる役目である矢型30も、反射鏡の金属基体21と同じ温度になるように別途加熱しておき、熱平衡に達したところで矢型を下降させガラス22Aをプレスする。その際に、酢酸ブチル等の有機溶媒は飛散し、ガラス22Aが軟化する。
(3)図4(c)に示すようにガラス22Aの形状が安定するガラスの軟化点より低い温度、例えば440℃に下降するまで放置する。
(4)図4(d)に示すように、矢型30を金属基体21の凹面状の内表面より取り出し完成する。
本発明の光源装置の凹面反射鏡上に形成されるガラス層は赤外線を吸収する機能を有するが、それには以下のメカニズムが推測される。
硼珪酸ガラスに酸化ニッケル(NiO)、酸化コバルト(CoO)、酸化マンガン(MnO)等を溶け込ませた場合、これらの金属酸化物は不定比化合物となり、一種の半導体になる。不定比化合物とは、例えばニッケル(Ni)と酸素(O)の比率が1:1とならず、Niの場合ではOよりもNiのほうがわずかに少ない状態で結合し、ホール(正孔)が形成されたのと同じ状態になる。このホールを使い電子が移動できる状態となる。導体である金属に光が当たった場合、金属中の自由電子の分極により、光は金属中に入り込むことができず、反射されたことになる。金属固有の色があるが、これは金属個々に分極する速度すなわち周波数(光の波長)に依存するためである。絶縁体では極めて遅く、金属では非常に速い。半導体(本件の不定比化合物が相当)では、絶縁体と金属の両者の中間の挙動を示すことが推測される。
ガラスの吸収特性においては、2700nm以上の光は殆ど透過せずガラスで吸収される。本発明において、硼珪酸ガラスにNiO、CoO、MnO等を溶け込ませた場合、これらの金属酸化物は不定比化合物を含んだ半導体と同じ特性をもち、可視光および近赤外光(400〜2700nm)が吸収され、2700nm以上の光は硼珪酸ガラス自体に吸収されるのであろう。すなわち、ガラス中のNiO、CoO、MnO等の不定比化合物を溶解させたガラスを金属に貼り付けた場合、半導体としてのホール(正孔)が現れ、自由電子が伝導体に供給され、フェルミ準位が上がり、縮退半導体になるため、波長の増大とともに急激に吸収が起こることが推測される。吸収された光は熱として金属側に流れ出し、金属基体で放熱されるということであろう。
次にガラス層のもう一種類の形成方法において説明する。それはブローイングにより形成する場合であるが、図5の(a)〜(d)に示すようにガラス層は形成される。
(1)図5の(a)に示すように反射鏡の金属基体21をアルミダイキャスト等で成形する。
金属基体21は、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とした合金、あるいはステンレスのいずれかからなるものである。
(2)図5の(b)に示すように、ニッケル、コバルト、バナジウム、銅、ジルコニウム、カルシウム、マンガン、モリブデンのうち少なくとも1つ以上の金属の酸化物が含有されたガラスが溶けた、例えば1200℃のガラス溶融塊22Bを不図示のブローイング装置に取り付け、該ブローイング装置に付属の吹き込み管50の先端につけ、凹面状の内表面が上向き状態になっている金属基体21の内側に挿入する。
(3)次に、図5の(c)に示すように、引き込み管50内に空気(air)などを吹き込み、ガラス溶融塊をブローイングにより膨らませてガラス22を金属基体21の凹面状の内表面に密着させる。31はリング型であり、金属基体21の外へガラス22が吹き出ないようにする。その後、ガラス22をガラスの融点より低い温度まで冷却し、例えば440℃まで放置する。
(4)そして、図5の(d)に示すように、ブローイング装置から金属基体を取り出し、不要な箇所のガラスを除去する。
以上のような光源装置10においては、凹面反射鏡20が金属よりなる金属基体21を有するものであることから、当該凹面反射鏡20に優れた放熱性が得られ、例えば通風孔などを介して冷却風を流通させることなく、当該光源装置10の構成要素である凹面反射鏡20および高圧水銀放電ランプ40などが過熱されることを抑制することができるため、高圧水銀放電ランプ40の放電容器31に失透が生じる、あるいは高圧水銀放電ランプ40自体が破損するなどの弊害を伴うことなく、水銀の封入量が0.25mg/mm3以上である、高い輝度を有する高圧水銀放電ランプ40を光源として好適に用いることができる。
また、凹面反射鏡20の内表面において、誘電体多層膜層がガラス層によって支持されていることから、誘電体多層膜層に高い耐久性が得られると共に、この誘電体多層膜層がガラス層によって平滑化された表面上に形成されていることから、当該誘電体多層膜層に優れた反射性能が得られ、高圧水銀放電ランプ40からの放射光を高い効率で凹面反射鏡20の開口部から投射することができる。
従って、光源装置10によれば、装置全体が小型化されてなる、凹面反射鏡20と前面ガラス19とによって形成される密閉状態の空間内に高圧水銀放電ランプ40が収容されてなる構成を有するものであっても、高圧水銀放電ランプ40に白濁、黒化などが生じるなどの弊害を伴うことなく優れた演色性および高い強度を有する光を放射することができるため、安定的な高い光放射性能を得ることができる。
以上のような光源装置10は、液晶プロジェクタ装置における液晶パネルを照明する照明光源として好適に用いることができる。
そして、光源装置10においては、その用途に応じて、高圧水銀放電ランプ40は、直流型、交流型のいずれのものであってもよい。
更に、光源装置10は、高圧水銀放電ランプ40を、その管軸が凹面反射鏡20の光軸と一致するように装着するという配置方法に特に限定されるものではなく、適宜に設計することができる。
また、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とした合金の場合は、凹面の金属基体の外面側に放熱フィンを一体形成することもできる。
なお、凹面反射鏡の内面の最上層は、可視光反射、紫外線、赤外線透過の誘電多層膜よりなる。例えば酸化ジルコニウム(ZrO2)層およびフッ化マグネシウム(MgF2)層が交互に積層されてなる、全体で厚さ0.5〜2μmの誘電体多層膜からなるものであって、主として赤外線領域および紫外線領域の光を透過するとともに、可視光を反射する機能を有している。各層の厚さは、例えば100〜200nmであって、例えば30層形成される。
なお、この最上層の表面の平滑度は計測してみると算術平均粗さ(Ra)が200nm以下であった。これは、熱間プレスまたはブローイングによって形成された下地層であるガラス層が、そのような高い平滑度を有するということであり、反射鏡の設計値どおりにランプの光を反射鏡前方へ反射できるものとなる。
本発明の光源装置の一実施例における構成の概略を示す説明用断面図である。 図1に示す光源装置の凹面反射鏡の断面を示す。 従来技術の光源装置の一例における構成の概略を示す断面図である。 本発明の光源装置の凹面反射鏡に形成されるガラス層の形成手順を示す図である。 本発明の光源装置の凹面反射鏡に形成されるガラス層の他の形成手順を示す図である。
符号の説明
1 反射体ベース
2 光源ランプ
3 セラミックコーティング
4 多重干渉膜
5 放熱フィン
6 光源装置
10 光源装置
19 前面ガラス
20 凹面反射鏡
21 金属基体
22 ガラス層
22A ガラス
22B ガラス溶融塊
23 誘電体多層膜層
24 前方外縁部
25 筒状頸部
30 矢型
31 リング型
37 接着剤
40 高圧水銀放電ランプ
42 放電容器
43A、43B 封止管部
44 陰極
45 陽極
50 吹き込み管
201 集光部

Claims (6)

  1. 高圧放電ランプと、この高圧放電ランプを取り囲む凹面反射鏡よりなる光源装置において、
    前記凹面反射鏡が、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とした合金、あるいはステンレスのいずれかからなる金属基体と、この金属基体の内表面に形成された、ニッケル
    、コバルト、バナジウム、銅、ジルコニウム、カルシウム、マンガン、モリブデンのうち
    少なくとも1つ以上の金属の酸化物が含有された硼珪酸ガラスからなるガラス層と、該ガラス層の上に設けられた誘電体多層膜層とからなり、
    前記ガラス層中に含有される前記金属酸化物の総量がガラス母材に対して1〜30wt% であることを特徴とする光源装置。
  2. 前記ガラス層は、凹面状の金属基体の内表面に前記ガラス層の材料を配置し、その後、
    熱間プレスにより形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  3. 前記ガラス層は凹面状の金属基体の内表面に溶融したガラス材料を吹き付けるブローイ
    ングにより形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  4. 前記誘電体多層膜は酸化ジルコニウムとフッ化マグネシウムとが交互積層されたもので
    あることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の光源装置。
  5. 高圧放電ランプと、この高圧放電ランプを取り囲む凹面反射鏡よりなる光源装置の製造
    方法において、
    前記凹面反射鏡が、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とした合金、あるいはス
    テンレスのいずれかからなる金属基体からなり、
    前記金属基体の凹面状の内表面に、ニッケル、コバルト、バナジウム、銅、ジルコニウ
    ム、カルシウム、マンガン、モリブデンのうち少なくとも1つ以上の金属の酸化物が含有
    されたガラスを塗布する工程と、
    前記金属基体の凹面状の内表面を上向きにした状態で、前記ガラスの軟化点以上に当該
    金属基体を加熱する工程と、
    前記金属基体の凹面状の内表面に、加熱された矢型を挿入して軟化したガラスをプレス
    する工程と、
    前記矢型を前記金属基体の凹面状の内表面に挿入した状態でガラスの軟化点より低い温
    度になるまで放置する工程と、
    前記矢型を前記金属基体の凹面状の内面より取り出す工程
    により製造されることを特徴とする光源装置の製造方法。
  6. 高圧放電ランプと、この高圧放電ランプを取り囲む凹面反射鏡よりなる光源装置の製造
    方法において、
    前記凹面反射鏡が、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とした合金、あるいはス
    テンレスのいずれかからなる金属基体とからなり、
    前記金属基体の凹面上の内表面を上向き状態にする工程と、
    ニッケル、コバルト、バナジウム、銅、ジルコニウム、カルシウム、マンガン、モリブ
    デンのうち少なくとも1つ以上の金属の酸化物が含有されたガラス溶融塊を前記金属基体
    の凹面状の内表面の内側に挿入する工程と、
    前記ガラス溶融塊をブローイングにより膨らませて、前記金属基体の凹面状の内表面に
    ガラスを密着させる工程と、
    前記金属基体の凹面状の内表面に密着させたガラスをガラスの融点より低い温度まで放
    置する工程
    により製造されることを特徴とする光源装置の製造方法。
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