JP2010182612A - 光源装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 十分に高い機械的強度、放熱性、内表面における高い平滑性を有し、軽量な凹面反射鏡を具え、高い光放射性能が安定して得られる小型の光源装置およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】 光源装置は、少なくともニッケル、コバルト、バナジウムの酸化物を含む金属酸化物が含有されたガラス層とアルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金よりなる金属基体とが、アルミニウムの酸化物とガラス層に含有される金属酸化物とを含有する接合領域を介して接合され、更に、ガラス層の内表面に誘電体多層膜が形成されてなり、ガラス層の軟化点が400℃以上、ガラス層の厚みが40〜500μmである凹面反射鏡が、高圧放電ランプを取り囲むよう設けられてなる。この光源装置は、ガラス層を構成するガラス層部材を作製した後、溶融された金属材料を用いて金属基体を形成することにより凹面反射鏡を作製する工程を有する製造方法により得られる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、高圧放電ランプおよび当該高圧放電ランプを取り囲む凹面反射鏡よりなる光源装置およびその製造方法に関する。
例えば液晶プロジェクタ装置や、DMD(登録商標)を使用したDLP(登録商標)装置等に代表されるプロジェクタ装置においては、小型化が強く求められており、これに応じて、光源装置の小型化が求められている。
このようなプロジェクタ装置に使用される光源装置は、例えば、高圧放電ランプと該高圧放電ランプからの放射光を反射する反射鏡とにより構成されているが、当該反射鏡においては、(イ)高圧放電ランプの点灯時圧力が超高圧になるため、万一、ランプが破損した場合であっても、反射鏡自体が破損することのないよう十分に高い機械的強度を有すること、および、(ロ)反射鏡および高圧放電ランプの熱が効率よくプロジェクタ装置筐体の外部に放出されるよう十分に高い放熱性を有することが求められる。
このような要請に対して、例えば、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とした合金、あるいはステンレスのいずれかからなる金属基体と、この金属基体の内表面に形成された、ニッケル、コバルト、バナジウム、銅、ジルコニウム、カルシウム、マンガン、モリブデンのうちの少なくとも1つ以上の金属に由来する金属酸化物が含有されたガラス層と、このガラス層の内表面に設けられた誘電体多層膜層とからなる反射鏡が提案されている(特許文献1参照)。
そして、このような構成の反射鏡を具えた光源装置によれば、反射鏡が金属基体を具えていることにより、反射鏡自体が十分に高い強度および十分に高い放熱性を有するものとなり、しかも、ニッケル、コバルト、バナジウム、銅、ジルコニウム、カルシウム、マンガン、モリブデンのうちの少なくとも1つ以上の金属に由来する金属酸化物が含有されたガラス層によって、不要な赤外域の光を吸収して当該吸収した光を熱として金属基体を介して放出することがきるため、液晶デバイス等の劣化を防止することができる、とされている。
そして、上記構成の反射鏡は、予め所望の形状に形成した金属基体の内表面に、熱間プレスまたはブローイングによってガラス層を形成し、ガラス層の内表面に誘電体多層膜を形成することにより作製されることが記載されている。
特開2006−156341号公報
而して、近年においては、光源装置のさらなる軽量化を図るために、反射鏡を軽量化することが求められている。
しかしながら、上記構成の反射鏡において、金属基体をアルミニウムまたはアルミニウムを主成分とした合金により構成することにより反射鏡の軽量化を図った場合には、熱間プレスまたはブローイングによってガラス層を形成すると、ガラス層の内表面に凹凸ができてしまい、十分な平滑性が得られないこと、また、ガラス層の厚みを1mm以下にすることが困難であり、十分な放熱性を有するものとして構成することができないことが判明した。
すなわち、例えば、ガラス層を熱間プレスにより形成する場合には、図5(A)に示すように、ニッケル、コバルト、バナジウム、銅、ジルコニウム、カルシウム、マンガン、モリブデンのうちの少なくとも1つ以上の金属に由来する金属酸化物が含有されたガラス65Aを、アルミニウムまたはアルミニウム合金よりなる金属基体60の凹面状の内表面60Aに塗布し、図5(B)に示すように、矢型70とリング型71と基体保持機構(図示せず)とを具えた熱間プレス機に、ガラス65Aを塗布した金属基体60の内表面60Aが上向き状態になるように取り付け、図5(C)に示すように、金属基体60およびリング型71をガラス65Aの軟化点以上の温度に加熱すると共に、別途加熱しておいた矢型70を下降させてガラス65Aをプレスし、そのままの状態で、ガラス65Aの軟化点より低い温度に下降するまで放置し、その後、図5(D)に示すように、矢型70を取り出すことにより、金属基体60の内表面60Aにガラス層65が形成されるが、ガラス層65の内表面651の平滑性を十分に高いものとするためには、加熱時において、ガラス65Aが十分に軟らかくなっていることが必要とされる。
しかしながら、例えば、金属基体60の構成材料としてアルミニウムを用い、軟化点が400℃であるガラス65Aを用いる場合を考えると、ガラス65Aを成形するに際しての加熱温度は、金属基体60を構成するアルミニウムの融点による制約を受けるため、アルミニウムの融点未満の温度、例えば500℃程度にしか設定することができず、従って、ガラス65Aを十分に軟化した状態となるよう加熱することができないため、得られるガラス層65の内表面651に凹凸が残ってしまう、という問題がある。
一方、軟化点の低いガラス65A、例えば軟化点が150℃であるものであれば、加熱温度が500℃程度であっても、十分に軟化した状態となるよう加熱することができて十分に高い平滑性を得ることができるが、このような反射鏡では、高圧放電ランプからの照射熱によってガラス層65がその軟化点に達して変形してしまうことがあり、実用に供さない。
ここに、ガラス65Aの「軟化点」とは、JIS工業用語辞典(第5版)に規定されているように、直径0.055〜0.075cm、長さ約23.5cmの均一なガラス棒の上部10cmの部分を毎分5℃の温度上昇速度で加熱したとき、自重で毎分0.1cmの速度でのびる温度(粘度が4.5×106 Pa・sになる温度)、すなわち、ガラス65Aが軟らかくなり始める温度をいう。
また、ガラス層65を熱間プレスにより形成する場合には、ガラス65Aを介して金属同士(矢型71および金属基体60)を加熱しながら押圧するので、金属同士が接触して変形し、これによって破損することを防止するため、金属間に位置されるガラス65Aは、1mm以上の厚みとする必要があり、従って、高圧放電ランプの点灯時に、高圧放電ランプから受けた照射熱の金属基体60への熱移動性がガラス層65によって阻害され、十分な放熱性を得ることができない、という問題がある。
また、ガラス層をブローイングにより形成する場合には、図6(A)に示すように、例えばアルミダイキャスト等で作製された金属基体60をその凹面状の内表面60Aを上向き状態で配置し、図6(B)に示すように、ニッケル、コバルト、バナジウム、銅、ジルコニウム、カルシウム、マンガン、モリブデンのうち少なくとも1つ以上の金属の酸化物が含有された、例えば1000℃程度に加熱されたガラス溶融塊65Bをブローイング装置に付属の吹き込み管75の先端につけて金属基体60内に挿入し、図6(C)に示すように、引き込み管75内に空気(Air)などを吹き込み、ガラス溶融塊65Bをブローイングにより膨らませて金属基体60の内表面60Aに密着させ、ガラスの軟化点より低い温度まで冷却されるよう放置し、その後、図6(D)に示すように、ブローイング装置から金属基体60を取り出し、不要な箇所のガラスを除去することにより、金属基体60の内表面60Aにガラス層65が形成される。
しかしながら、金属基体60の内表面60Aに密着させた状態のガラス溶融塊65Bにおいては、有機溶媒が含まれており、当該有機溶媒がガラスの肉厚中から蒸発されるときに、表面に凹凸が形成され、凹凸が残されたまま、冷却されてガラス層65が形成されるため、ガラス層65の内表面651に十分な平滑性が得られないという問題がある。
また、ガラス層65をブローイングにより形成する場合には、ガラス溶融塊65Bをブローイングにより膨らませるに際して、ガラス溶融塊65Bの破裂を防止するために、十分な厚みをもって金属基体60の内表面60Aに密着させる必要があり、結局、形成されるガラス層65の厚みが例えば1mm以上と大きくなってしまい、十分な放熱性を得ることができない、という問題がある。
以上のように、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とした合金よりなる金属基体に、熱間プレスまたはブローイングによってガラス層を形成する場合には、反射鏡を十分な平滑性および十分な放熱性を有するものとして構成することができない、という問題がある。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、十分な機械的強度を有すると共に軽量化が図られ、しかも、十分に高い放熱性および内表面において十分に高い平滑性を有する反射鏡を具えてなり、高い光放射性能を安定して得ることのできる小型の光源装置を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、上記光源装置を確実に作製することのできる光源装置の製造方法を提供することにある。
本発明の光源装置は、高圧放電ランプおよび当該高圧放電ランプを取り囲む凹面反射鏡よりなる光源装置において、
前記凹面反射鏡は、少なくともニッケル、コバルト、バナジウムの酸化物を含む金属酸化物が含有されたガラス層と、当該ガラス層の外表面において、アルミニウムの酸化物と前記ガラス層に含有される金属に由来する金属酸化物とを含有する接合領域を介して当該ガラス層と接合された、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金よりなる金属基体と、当該ガラス層の内表面に設けられた誘電体多層膜とにより構成されており、
前記ガラス層の軟化点が400℃以上であり、厚みが40〜500μmであることを特徴とする。
本発明の光源装置の製造方法は、高圧放電ランプおよび当該高圧放電ランプを取り囲む凹面反射鏡よりなる光源装置の製造方法において、
少なくともニッケル、コバルト、バナジウムの酸化物を含む金属酸化物が含有された、シリカおよびアルミナを主成分とする混濁液を焼成して得られる成形品をその軟化点より低い温度まで冷却することによりガラス層部材を作製する工程と、
前記ガラス層部材を鋳型内にセットし、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金よりなる溶融された金属材料を、当該ガラス層部材の外表面と鋳型の内表面との間に形成される成形用空間内に流し込み、その後、当該金属材料の融点より低い温度まで冷却することにより、アルミニウムの酸化物と前記ガラス層部材に含有される金属に由来する金属酸化物とを含有する接合領域を介して前記ガラス層部材と接合された金属基体を形成する工程と
を有することを特徴とする。
本発明に係る凹面反射鏡は、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金よりなる金属基体を具えていることにより、基本的には、高圧放電ランプが破損しても破損することのない十分な機械的強度を有するものでありながら、軽量化が図られたものとして構成することができ、しかも、ガラス層の軟化点が400℃以上であり、ガラス層の厚みが40〜500μmであることにより、高圧放電ランプに対する十分な耐熱性および優れた放熱性を有するものとなると共に、金属基体とガラス層とがアルミニウムの酸化物と前記ガラス層に含有される金属に由来する金属酸化物とを含有する接合領域を介して接合されるよう作製されることにより、ガラス層の内表面において十分に高い平滑性が得られてこの表面上に形成される誘電体多層膜は所期の反射性能を有するものとなる。
従って、このような凹面反射鏡を具えてなる光源装置によれば、凹面反射鏡の所期の機能が確実に得られるので、高い光放射性能を安定して得ることができると共に、装置全体を小型化することができる。
また、ガラス層に含有された少なくともニッケル、コバルト、バナジウムの酸化物を含む金属酸化物の作用によって、不要な赤外域の光が吸収されて反射鏡前方へ放出しないので、プロジェクタ装置の光源として用いられる場合には、例えば液晶デバイス等を劣化させることなく、所期の性能を安定して得ることができる。
本発明の光源装置の製造方法によれば、ガラス層部材が、金属基体を構成する溶融金属によって、当該ガラス層部材の軟化点に対して十分に高い温度で加熱されて十分に軟化された状態を得ることができるので、得られるガラス層の内表面に、十分に高い平滑性を得ることができると共にガラス層の厚みを薄くすることができ、従って、所期の機能を有する凹面反射鏡を確実に得ることができて所期の性能を有する光源装置を確実に作製することができる。
本発明の光源装置の一実施例における構成の概略を示す説明用断面図である。 図1に示す光源装置における凹面反射鏡の断面構造を示す拡大断面図である。 本発明の光源装置における凹面反射鏡の製造方法において、ガラス層部材の作製工程の概略を示す図である。 本発明の光源装置における凹面反射鏡の製造方法において、金属基体の形成工程の概略を示す図である。 従来の光源装置における凹面反射鏡の製造方法において、ガラス層を熱間プレスによって作製する場合の作製工程の概略を示す図である。 従来の光源装置における凹面反射鏡の製造方法において、ガラス層をブローイングによって作製する場合の作製工程の概略を示す図である。
図1は、本発明の光源装置の一実施例における構成の概略を示す説明用断面図である。
この光源装置10は、高圧水銀放電ランプ11と、当該高圧水銀放電ランプ11からの放射光を反射してその反射光を開口部を介して投射する凹面反射鏡20と、当該凹面反射鏡20の開口部を覆うよう接着剤31などにより固定されて設けられた、透光性を有する板状の耐熱ガラスよりなる前面ガラス30とを具備しており、凹面反射鏡20と前面ガラス30とによって形成される空間内に、高圧水銀放電ランプ11が収容されてなる、いわゆる密閉構造を有するものである。
高圧水銀放電ランプ11は、発光空間を形成する略楕円状の発光管部12と、その両端に連続して管軸方向外方伸びるロッド状の封止部13A,13Bとを有する、例えばシリカガラスよりなる放電容器を具えてなり、発光管部12内には、陰極15と陽極16とが互いに対向して配置されていると共に、点灯始動ガスとして希ガスと、当該発光管部12の内壁の黒化抑制のためのハロゲンと、発光物質として水銀とが封入されている。
水銀の封入量は、点灯時における水銀蒸気圧が150気圧以上となる量、例えば0.15mg/mm3 以上とされている。水銀の封入量は、温度条件によっても異なるが、所望の水銀蒸気圧に応じて適宜変更することができる。
希ガスは、点灯始動性を改善するためのものであって、例えばアルゴンガスが5kPa〜50kPa程度、例えば13kPaの量で封入されている。
ハロゲンガスは、ハロゲンサイクルを利用して高圧水銀放電ランプ11の寿命を延ばすと共に発光管部12の破損および失透を防止するためのものであって、その封入量は、例えば10-6〜10-1μmol/mm3 の範囲内において、高圧水銀放電ランプ11の仕様に応じて適宜調整される。
凹面反射鏡20は、凹状であって集光空間を形成する集光部21と、この集光部21の光照射方向前方側の開口部に形成された、凹面反射鏡20の光軸に垂直な面方向に突出するフランジ部22と、集光部21の光照射方向後方側に連続して光軸方向に伸びる筒状頸部23とを有し、高圧水銀放電ランプ11の一方の封止部13Aが筒状頸部23内に挿通されて高圧水銀放電ランプ11の管軸が凹面反射鏡20の光軸と一致するよう配置され、この状態において、一方の封止部13Aの外周面と筒状頸部23の内周面との間に形成される間隙に充填された接着剤32によって固定されている。
この凹面反射鏡20は、図2に示すように、少なくともニッケル、コバルト、バナジウムの酸化物を含む金属酸化物が含有されたガラス層25と、このガラス層25の外表面において、アルミニウムの酸化物とガラス層25に含有される金属に由来する金属酸化物とを含有する接合領域26を介してガラス層25と接合された、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金よりなる金属基体27と、ガラス層25の内表面に設けられた誘電体多層膜28とにより構成されている。
金属基体27の肉厚は、例えば1〜3mmであることが好ましい。金属基体27が上記範囲の厚みを有するものであることにより、凹面反射鏡20に、高い放熱性が得られると共に、点灯状態の高圧水銀放電ランプ11が破損した場合の衝撃に耐えうる十分な強度が得られるものでありながら、軽量化が図られる。
金属基体27をアルミニウムを主成分とする合金により構成する場合には、軽量化のため、例えば比重が2.7g/cm3 以下であるものが用いられることが好ましい。
ガラス層25の軟化点は400℃以上とされており、これにより、高圧水銀放電ランプ11の点灯時において高圧水銀放電ランプ11からの照射熱を吸収したときにおいても、軟化が抑制されてその内表面の高い平滑性を維持することができて所期の光放射性能を安定して得ることができる。
ガラス層25に含有された、ニッケル、コバルト、バナジウムの酸化物以外の金属酸化物としては、例えば、クロム、銅、ジルコニウム、カルシウム、マンガン、モリブデンのうちの少なくとも1種以上の金属の酸化物、および、ガラス母材に含有されたナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属の酸化物を例示することできる。
これら金属酸化物の含有量は、シリカおよびアルミナを主成分とするガラス母材に対して総量で40〜70wt%であることが好ましく、これにより、ガラス層25は、高圧水銀放電ランプ11から放射される不要な赤外域の光、例えば2700nm以上の光を吸収する機能を確実に有するものとなると共に、400℃以上の軟化点を有するものとなる。これに対して、金属酸化物の含有量が40wt%未満である場合には、400℃以上の軟化点を有するものとすることができず、高圧水銀放電ランプ11に対する十分な耐熱性を得ることができなくなり、一方、金属酸化物の含有量が70wt%を超える場合には、ガラス層25の内表面において十分に高い平滑性を得ることができなくなる。
ガラス層25の厚みは40〜500μmとされており、これにより、ガラス層25に吸収された熱を金属基体27に好適に伝熱することができて十分に高い放熱性を得ることができる。これに対して、ガラス層25の厚みを40μm未満とすると、ガラス層25を均一な厚みで形成することが困難であるため、所期の熱吸収機能を確実に得ることができなくなり、一方、ガラス層25の厚みを500μmより大きくすると、吸収された熱の金属基体27への熱移動性が低下するため、ガラス層25の内部において生ずる温度差に起因して、クラックが生じやすくなる。
誘電体多層膜28は、例えば、酸化ニオブ(Nb2 5 )層およびシリカ(SiO2 )層が交互に積層されてなる厚さ0.5〜10μmの多層膜からなるものであって、主として赤外線領域および紫外線領域の光を透過し、かつ可視光を反射する機能を有する。
また、誘電体多層膜28は、酸化ニオブ(Nb2 5 )層およびシリカ(SiO2 )層に替えてシリカ(SiO2 )層およびチタニア(TiO2 )層が交互に積層されてなるものであってもよい。
この凹面反射鏡20における誘電体多層膜28の表面の平滑度は、例えば算術平均粗さ(Ra)で、例えば50nm以下である。
以下、上記構成の凹面反射鏡の製造方法について説明する。
上記凹面反射鏡20は、先ず、所望の形状のガラス層部材を成形した後(ガラス層部材作製工程)、このガラス層部材の外表面に金属基体を形成し(金属基体作製工程)、その後、ガラス層部材の内表面に誘電体多層膜を形成することにより、得られる。
〔ガラス層部材作製工程〕
図3は、本発明の光源装置における凹面反射鏡の製造方法において、ガラス層部材の作製工程の概略を示す図である。
このガラス層部材作製工程においては、図3(A)に示すように、アルミナ(Al2 3 )及びシリカ(SiO2 )などの非晶質を主成分とする混濁液(釉薬)25Aを容器35内に入れると共に、形成すべきガラス層部材の凹面状の内表面を成形する成形面41Aを有する凸部41を具えた、例えばステンレス鋼よりなる凹面形状形成用の金型40を用意し、図3(B)に示すように、金型40の凸部41を混濁液25A中に浸漬させた後、金型40を静かに引き上げることにより混濁液25Aを塗布する。
混濁液25Aは、例えば、ナトリウム酸化物やカリウム酸化物が含まれたフリットガラスおよび水ガラス(ガラス母材)と、上述の金属酸化物を細かく粉砕したものとに、水を加えたものである。
混濁液25Aの塗布量(形成すべきガラス層部材の厚み)は、混濁液25Aの粘性(水とその他の材料の比率)を調整することにより、調整することができ、例えば混濁液25Aの粘性を低くすることにより、混濁液25Aの塗布量を少なくすることができるので、ガラス層部材を40〜500μmといった厚みの薄いものとすることができる。
混濁液25Aの組成の一例を示すと、SiO2 が30wt%、Al2 3 が20wt%であり、NaOが20wt%、NiOが5wt%以上、CoOが5wt%以上、VOが3wt%以上であり、CuOが15wt%、MnOが1wt%以上、MgO,KOおよびCaOが1wt%であり、金属酸化物の含有量が50wt%である。
次いで、金型40の凸部41に塗布された混濁液25Aの焼成処理を行うが、このままの状態で、高温で加熱処理を行うと、混濁液25Aに含まれる水分が突沸してガラス層部材を形成することができないため、例えば100〜150℃に設定した炉内で例えば10分間程度保持する乾燥処理を行った後、図3(C)に示すように、少なくとも形成すべき金属基体を構成する金属材料の融点以上の温度例えば800℃に設定した炉45内にて、乾燥処理した混濁液251を金型40と共に、例えば5分間程度加熱することにより焼成し、その後、炉45内から取り出して常温環境下で冷却することにより、図3(D)に示すように、ガラス層部材25Bおよび金型40の両者の熱膨張係数の差によって、ガラス層部材25Bが金型40から取り外され、以って、所望の形状を有するガラス層部材25Bが得られる。
このようにして得られたガラス層部材25Bは、上記乾燥処理において混濁液25Aに含まれる水分が蒸発するときに形成された凹凸が残されたままの状態で焼成処理が行われて得られたものであるため、誘電体多層膜が形成される凹面状の内表面は平滑性の低いものであるが、後述の金属基体作製工程において平滑化されるので、ガラス層部材作製工程において形成されるガラス層部材の内表面の平滑性が低くても、実際上、問題はない。
〔金属基体作製工程〕
図4は、本発明の光源装置における凹面反射鏡の製造方法において、金属基体の形成工程の概略を示す図である。
この金属基体作製工程においては、図4(A)に示すように、上記ガラス層部材作製工程において得られたガラス層部材25Bの凹面状の内表面に対応する成形面51Aを有する凸部51を具えた内表面側鋳型50およびこの内表面側鋳型50と対をなす外表面側鋳型55と、外表面側鋳型55の内部空間に、溶融された金属材料27Aを供給する溶融金属供給手段58とを具えたダイキャストマシンを用意し、図4(B)に示すように、ガラス層部材25Bを外表面側鋳型55内にセットすると共に内表面側鋳型50をその凸部51の成型面51Aがガラス層部材25Bの内表面に密接状態となるよう外表面側鋳型55に対接させる。このとき、ガラス層部材25Bの外表面と外表面側鋳型55の内表面との間には、金属基体成形用空間Sが形成されている。
ここに、金属材料27Aは、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金が例えば700℃程度で加熱されて溶融されたものである。
次いで、図4(C)に示すように、溶融金属供給手段58におけるピストン59によって金属材料27Aを押圧して金属基体成形用空間S内に隙間なく流し込むことにより、ガラス層部材が軟化されて内表面側鋳型50の成形面51Aに向かって押し付けられ、これにより、内表面側鋳型50における成形面51Aの凸面形状が良好に転写されることによってガラス層部材25Bの内表面における凹凸が解消(平滑化)されると共に、ガラス層部材25Bの外表面側においては、金属材料27A中にガラス酸化物が侵入して、アルミニウムの酸化物が形成される。
その後、一定時間、この状態を保持することにより鋳型を介して放熱させて金属材料27Aの融点より低い温度にまで冷却することにより、ガラス層部材25Bおよび金属材料27Aの形状を安定させてガラス層25および金属基体27を形成し、図4(D)に示すように、ガラス層25と金属基体27とがアルミニウムの酸化物およびガラス層部材に含まれる金属の酸化物に由来する金属酸化物が含有された接合領域を介して一体に接合された一体物20Aが得られる。
このようにして得られた一体物20Aにおける凹面(内表面)の底部に、貫通孔231を形成することにより筒状頸部23を形成し、更に、一体物20Aの内表面における所定の領域に、例えば成膜装置を用いて、Nb2 5 層とSiO2 層とを交互に形成することにより誘電体多層膜28を所定の厚みで形成し、以って、図2に示す断面構造を有する凹面反射鏡20を得ることができる。
而して、上記凹面反射鏡20の製造方法によれば、ガラス層部材25Bが、金属基体27を構成する溶融された金属材料によって、当該ガラス層部材25Bの軟化点に対して十分に高い温度で加熱されて十分に軟化された状態を得ることができるので、得られるガラス層25の内表面に、研磨処理を施す必要のない十分に高い平滑性を得ることができると共にガラス層25の厚みを薄くすることができ、従って、得られる凹面反射鏡20は所期の機能を有するものとなる。
すなわち、上記方法により得られる凹面反射鏡20によれば、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金よりなる金属基体27を具えていることにより、基本的には、高圧水銀放電ランプ11の破損による衝撃に耐えうる十分な機械的強度を有するものでありながら、軽量化が図られたものとして構成することができ、しかも、ガラス層25の軟化点が400℃以上であり、ガラス層25の厚みが40〜500μmであることにより、高圧水銀放電ランプ11に対する十分な耐熱性および優れた放熱性を有するものとして構成することができると共に、金属基体27とガラス層25とがアルミニウムの酸化物とガラス層25に含有される金属に由来する金属酸化物とを含有する接合領域26を介して接合される上記特定の方法によって作製されることにより、ガラス層25の内表面において十分に高い平滑性を得ることができて誘電体多層膜28に優れた反射性能を得ることができる。
従って、このような凹面反射鏡20を具えてなる光源装置10によれば、凹面反射鏡20の所期の機能を確実に得ることができるので、高い光放射性能を安定して得ることができると共に、装置全体を小型化することができる。
また、ガラス層25に含有された少なくともニッケル、コバルト、バナジウムの酸化物を含む金属酸化物の作用によって、不要な赤外域の光が吸収されて反射鏡前方へ放出しないので、プロジェクタ装置の光源として用いられる場合には、例えば液晶デバイス等を劣化させることなく、所期の性能を安定して得ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
例えば、凹面反射鏡の製造方法における各工程の、処理温度および処理時間などの処理条件は、目的に応じて適宜に変更することができ、また、ガラス層を形成するための混濁液の組成についても、上記実施例において例示したものに限定されず、適宜変更することができる。
10 光源装置
11 高圧水銀放電ランプ
12 発光管部
13A,13B 封止部
15 陰極
16 陽極
20 凹面反射鏡
20A 一体物
21 集光部
22 フランジ部
23 筒状頸部
231 貫通孔
25 ガラス層
25A 混濁液(釉薬)
251 乾燥処理した混濁液
25B ガラス層部材
26 接合領域
27 金属基体
27A 金属材料
28 誘電体多層膜
30 前面ガラス
31,32 接着剤
35 容器
40 金型
41 凸部
41A 成形面
45 炉
50 内表面側鋳型
51 凸部
51A 成形面
55 外表面側鋳型
58 溶融金属供給手段
59 ピストン
60 金属基体
60A 内表面
65 ガラス層
65A ガラス
65B ガラス溶融塊
651 内表面
70 矢型
71 リング型
75 吹き込み管
S 金属基体成形用空間

Claims (2)

  1. 高圧放電ランプおよび当該高圧放電ランプを取り囲む凹面反射鏡よりなる光源装置において、
    前記凹面反射鏡は、少なくともニッケル、コバルト、バナジウムの酸化物を含む金属酸化物が含有されたガラス層と、当該ガラス層の外表面において、アルミニウムの酸化物と前記ガラス層に含有される金属に由来する金属酸化物とを含有する接合領域を介して当該ガラス層と接合された、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金よりなる金属基体と、当該ガラス層の内表面に設けられた誘電体多層膜とにより構成されており、
    前記ガラス層の軟化点が400℃以上であり、厚みが40〜500μmであることを特徴とする光源装置。
  2. 高圧放電ランプおよび当該高圧放電ランプを取り囲む凹面反射鏡よりなる光源装置の製造方法において、
    少なくともニッケル、コバルト、バナジウムの酸化物を含む金属酸化物が含有された、シリカおよびアルミナを主成分とする混濁液を焼成して得られる成形品をその軟化点より低い温度まで冷却することによりガラス層部材を作製する工程と、
    前記ガラス層部材を鋳型内にセットし、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金よりなる溶融された金属材料を、当該ガラス層部材の外表面と鋳型の内表面との間に形成される成形用空間内に流し込み、その後、当該金属材料の融点より低い温度まで冷却することにより、アルミニウムの酸化物と前記ガラス層部材に含有される金属に由来する金属酸化物とを含有する接合領域を介して前記ガラス層部材と接合された金属基体を形成する工程と
    を有することを特徴とする光源装置の製造方法。
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