JP2004170877A - 反射体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光源ランプの周辺温度を低下させることにより、光源装置の寿命や信頼性を向上させ、強制冷却なしに冷却できる低価格の反射体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】熱伝導性に優れるアルミニウム又はグラファイトを用いて形成される略半球状殻形の反射体ベース1を備え、反射体ベース1の内部の可視光反射面にセラミックコーティング3を施すとともに、セラミックコーティング3の表面に多重干渉膜4を蒸着し、反射体ベース1の可視光反射面と相反する外面には、複数の放熱フィン5を一体形成する。そして、反射体ベース1を、光の可視光を反射し、赤外放射を多重干渉膜4により透過するダイクロイック反射鏡とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射体及びその製造方法に関し、より詳しくは、光学機器用、映像機器用、工学用光学装置等の高圧放電ランプの反射鏡及びコールド・ミラーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来における照明光学系の光源装置は、通常、液晶プロジェクタ用のメタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、写真現像用のハロゲンランプ、紫外線硬化用の工業用の紫外線ランプ、映写用のキセノンランプからなる光源ランプと、この光源ランプから放射された光を反射する回転方物面、回転楕円面を有する反射鏡とを備えている。また、光源ランプから放射される強い熱線から液晶バルブ素子等を保護するコールド・ミラーを有することもある。
この種の光源装置は、高輝度化(高ワット化)に伴う発熱量の増加と、反射鏡の小型化に基づく冷却能力(反射鏡の表面積の減少)の低下により、光源ランプと反射鏡の温度が高くなるので、送風システムの強制冷却により反射鏡の表面を冷却し、光源ランプ周辺の温度上昇を抑制するようにしている。
【0003】
従来の光源装置の代表例として高圧水銀ランプを図4に示すと、この種の高圧水源ランプは、硬質ガラスや結晶化ガラス等の耐熱ガラスの凹面に多重干渉膜が形成された反射鏡10を備え、この反射鏡10には、陰極‐陽極間のアーク放電により封印された水銀原子を励起して発光する光源ランプ2が装着されており、反射鏡10の開口した前部には、防爆用の前面板11が選択的に装着されるとともに、反射鏡10の後部には、強制冷却用のファン12が間隔をおいて設置されている。
光源ランプ2は入力に対してエネルギー変換するが、このエネルギー変換の配分は、可視光30%、赤外放射50%、紫外光10%、その他電極、発光管等の損失10%程度である。
【0004】
光源ランプ2からの可視光と赤外放射とは、反射鏡10の多重干渉膜により分離され、可視光が反射鏡10で反射されて光源ランプ2の前面に照射され、赤外放射が反射鏡10を透過してその一部が反射鏡10に吸収され、熱に変換される。また、光源ランプ2からの遠赤外放射(波長3.0μm以上)は、反射鏡ガラスの特性から遠赤外領域で透過率が急激に減少するので、大部分が反射鏡10に吸収されて熱変換される。熱変換された反射鏡10の熱は、反射鏡10のガラス肉厚を伝導して熱留である反射鏡10の表面から強制冷却、自然対流、放射により、大気中に熱輸送される。
【0005】
以上のことから窺い知ることができるように、光源装置の冷却は、光源ランプ2と反射鏡10を所定の温度に保つために必要であり、反射鏡10からの熱輸送(冷却)がきわめて重要となる。
なお、光源ランプ2と反射鏡10の冷却手段として、反射鏡10の材料を熱伝導率の良い材料にする技術(特許文献1参照)、反射鏡10と同じガラス材料により放熱フィンを一体化する技術(特許文献2参照)が提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001‐125194号公報
【特許文献2】
特開平9‐55109号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、光源ランプ2と反射鏡10の冷却手段に関する上記光源装置は、強制的な送風システムを設置することを前提としたものである。係る強制冷却は、光源装置の熱伝導率が自然対流、放射を利用した場合の10倍もの冷却効果があるが、経費、消費電力、騒音が増大し、しかも、構成の複雑化を招くという大きな問題がある。このため、光源装置には、自然対流や放射を利用して冷却効果を高め、強制冷却と同程度の冷却効果の得られる簡易な構成が求められる。
【0008】
次に、高圧水銀ランプの自然対流、放射による熱移動の形態を図5に基づいて説明する。
同図に示す反射鏡10の熱量Qは、反射鏡10で分離された赤外放射の一部が反射鏡10内で吸収された熱量と遠赤外放射による熱量との合計である。200Wランプの反射鏡10に対する熱輸送量は、140Wであり、その内、約90Wが反射鏡10に熱吸収される。熱量Qは、反射鏡10の肉厚Lを熱伝導することにより発生する温度上昇値Δtと、反射鏡10の表面より自然対流及び放射により除去される熱量につりあう温度上昇値Δtとに分けられる。温度上昇値Δtは、熱伝導率により定まる値で、熱伝導率が大きくなれば、温度上昇値が小さく、かつ各部の温度分布が小さくなる。
【0009】
しかしながら、自然対流や放射により決定される温度上昇値Δtは、表面の空気温度による熱伝達係数、放射率、表面積、形状等により定まる値であり、熱伝導率の影響を蒙ることがない。したがって、自然対流や放射を利用する熱冷却の場合、反射鏡10の熱輸送効率を高めるために反射鏡10の熱伝導率を大きくしたり、反射鏡10の赤外透過率を高めたり、あるいは反射鏡10の表面積を大きくしなければならない。
【0010】
また、特許文献1において、反射鏡10の熱量が同一であるならば、温度上昇値Δtは、熱伝導率が大きくなるにしたがい温度上昇値が小さく、かつ各部の温度分布差が小さくなる。
しかし、本来、反射鏡10により透過していた赤外放射は、多重干渉膜の蒸着された不透明な反射鏡10の場合、反射鏡面でセラミック固有の放射率(吸収率)により一部が反射して光源ランプ2側に戻り、残部がセラミック内で吸収されて熱蓄積される。
【0011】
例えば、熱伝導率の良いSiOの放射率は、公知の資料によると、0.66であり、約30%が反射し、約70%がセラミックの反射鏡10に熱蓄積され、その熱量が加算される。反射鏡10の総熱量は、200Wランプの場合、約40Wが追加されて約130Wにもなるため、反射鏡10の温度上昇値Δt、温度上昇値Δtがさらに上昇してしまうこととなる。また、多重干渉膜4のない反射鏡10の場合、反射鏡10で可視光と共に赤外放射も反射されるので、照射物にも熱的に大きな影響を与えることとなる。
【0012】
さらに、特許文献2において、熱量Qに対して放熱フィンを設ければ、自然対流、放射による熱移動量が増加し、温度上昇値Δtは低下する。しかしながら、その反面、放熱フィンを設ける場合には、放熱フィンの先端部までの熱移動距離Lが長くなるので、ガラス材の熱伝導率が小さい分、温度上昇値Δtの上昇を招くという問題が生じる。さらにまた、ガラス加工においては、表面積を増加させるため、可能な限り薄肉の放熱フィン形状が求められるが、粘性の高いガラス材の加工作業では、薄肉加工が実に困難なので、期待する表面積を確保することは難しいといえる。
【0013】
本発明は、上記に鑑みなされたもので、光源ランプの周辺温度を低下させることにより、光源装置の寿命や信頼性を向上させ、強制冷却なしに冷却することのできる低価格の反射体及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、上記課題を達成するため、光の可視光を反射し、赤外放射を透過するものであって、
熱伝導性のアルミニウムとグラファイトの一方を用いて形成される反射体ベースを備え、この反射体ベースの可視光反射面にセラミックコーティングを施すとともに、このセラミックコーティングの表面に多重干渉膜を形成し、反射体ベースの可視光反射面と相反する面には放熱フィンを一体形成したことを特徴としている。
なお、反射体ベースを、光の可視光を反射し、赤外放射を多重干渉膜により透過するダイクロイック反射鏡とすることができる。
また、反射体ベースを、光の可視光を反射し、赤外放射を多重干渉膜により透過するコールド・ミラーとすることができる。
【0015】
また、本発明においては、上記課題を達成するため、光の可視光を反射し、赤外放射を透過する反射体の製造方法であって、
熱伝導性のアルミニウムとグラファイトの一方を用いて反射体ベースを形成し、この反射体ベースの可視光反射面と相反する面に、放熱フィンを一体形成する工程と、反射体ベースの可視光反射面にセラミックコーティングを施してその表面には多重干渉膜を形成する工程とを含んでなることを特徴としている。
なお、アルミニウムを用いて反射体ベースを形成する場合に、セラミックコーティングを、シリコン‐ボロン‐ナトリウム(Si‐B‐Na)を主成分としたホウケイ酸ガラスとし、屈伏点(ガラス転移点)を下げる添加剤(パラジウム等)と赤外放射を高めるニッケル‐鉄スピネル系黒顔料とをそれぞれ添加して500〜600℃で焼成することができる。
【0016】
また、アルミニウムを、マグネシウム(Mg)を含有しない板材、鋳造材、ダイカスト材とすることができる。
また、グラファイトを用いて反射体ベースを形成する場合に、セラミックコーティングを、シリコン‐ボロン‐ナトリウムを主成分とした透明なホウケイ酸ガラスとし、無酸素状態で1000〜1300℃で焼成してグラファイトの酸化を抑制することもできる。
さらに、セラミックコーティングの厚さを、放射に関する表層の厚さ、鏡面仕上げのための研磨代を含め、100μm以上とすることも可能である。
【0017】
本発明によれば、放熱効果を高めるため、熱伝導性のアルミニウム又はグラファイトを用いて反射体ベースを形成し、この反射体ベースの可視光反射面にセラミックコーティングを施すとともに、このセラミックコーティングに多重干渉膜を形成するので、ガラス製の反射鏡に比べ、セラミックコーティングの層を100〜200μmの薄い範囲にすることができ、1/10程度とすることができる。したがって、図5に示した温度上昇値Δtを1/10程度とすることができる。
また、反射体ベースの可視光反射面と相反する面に、熱伝導性に優れる放熱フィンを一体形成するので、放熱フィン内での温度分布が少なく、表面積が拡大するので、温度上昇値Δtが小さくなる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明すると、本実施形態における反射体は、図1に示す反射体ベース1を備え、この反射体ベース1の内面である可視光反射面にセラミックコーティング3を焼成するとともに、このセラミックコーティング3の露出面である表面に多重干渉膜4を蒸着し、反射体ベース1の可視光反射面と相反する外面には、複数の放熱フィン5を一体的に突出形成し、反射体ベース1を、光の可視光を反射し、赤外放射を多重干渉膜4により透過するダイクロイック反射鏡とするようにしている。
【0019】
反射体ベース1は、熱伝導性に優れるアルミニウムあるいはグラファイト材を用いて略半球状殻形に形成され、内部中心には、陰極‐陽極間のアーク放電により封印された水銀原子を励起して発光する光源ランプ2が挿着されるとともに、内部の可視光反射面が湾曲して回転方物面、回転楕円面に形成されており、光源ランプ2から放射された光を反射して平行、あるいは一点に集光するよう機能する。
【0020】
次に、図2は本発明の他の実施形態を示すもので、この場合には、熱伝導性に優れるアルミニウムあるいはグラファイト材を用いて反射体ベース1を断面略板形に形成し、この反射体ベース1の平坦な表面である可視光反射面にセラミックコーティング3を焼成するとともに、このセラミックコーティング3の露出面である表面に多重干渉膜4を蒸着し、反射体ベース1の可視光反射面と相反する裏面には、複数の放熱フィン5を一体的に突出形成し、反射体ベース1を、入射した光の可視光を反射し、赤外放射を多重干渉膜4により透過するコールド・ミラーとするようにしている。その他の部分については、上記実施形態と略同様である。
【0021】
図1において、光源ランプ2から放射された光は、反射体ベース1の多重干渉膜4により可視光、赤外光、紫外光に分離され、可視光が反射して平行光、あるいは集光した光として反射体ベース1の開口した前部から出射される。赤外光は、反射体ベース1の多重干渉膜4を透過して黒色のセラミックコーティング3に入射し、エネルギーの一部が吸収されるとともに、エネルギーの残部が反射される。この比率は、セラミックコーティング3の材質や表面状態等により定まる放射率に依存する。
なお、紫外光は、多重干渉膜4、セラミックコーティング3、反射体ベース1で透過、反射、吸収されるが、殆ど熱に寄与することはない。
【0022】
放射率は、波長が約7μm以上では色彩にあまり左右されないが、それ以外の近赤外領域では色彩に左右され、黒色が最も放射エネルギーを多く吸収する。反射体ベース1がアルミニウム製の場合には、セラミックコーティング材がNi‐Feスピネル系黒顔料等を添加した黒色コーティングであり、反射体ベース1がグラファイト製の場合には、グラファイト自体の放射率が0.97と高いことから、コーティングは透明である。セラミックコーティング3の素材としては、後行程の蒸着や低温焼成が可能で、放射率の高い(0.85〜0.95(100℃))ホウケイ酸ガラスを選定し、厚さについては、放射に関する表層の厚さである20μm以上(金属の場合)を確保することができ、焼成後の気泡有無、密着性、平面の平滑性等から100μm以上の厚さを選定している。
【0023】
セラミックコーティング3で吸収された放射エネルギーは熱エネルギーに変換され、その熱エネルギーは、セラミックコーティング3に伝導されて反射体ベース1の熱留の表面から熱対流、放射により空気中に熱輸送される。図5の関係式から熱輸送を向上させるため、本実施形態においては、反射体ベース1の可視光反射面と反対側の外面に、表面積を増大させる略羽根状の複数の放熱フィン5を一体形成しており、各放熱フィン5の先端部まで熱伝導させるため熱伝導率の高いアルミニウム材、あるいはグラファイト材を選定している。
【0024】
光源ランプ2の発光管から熱放射される熱量は、受熱体であるセラミックコーティング3と多重干渉膜4との熱量と、反射体ベース1の外表面から大気に熱放射される熱量と平衡状態となる。この平衡状態において、セラミックコーティング3と多重干渉膜4の熱量につりあう温度上昇値がそれらの耐熱温度以下になるように反射体ベース1の熱輸送が大きくなるように表面積と投影面積とが設計される。
【0025】
図2の反射体は、図1と同様の構成・加工であり、光源から放射された入射光を反射する際に可視光と赤外放射とに分離し、赤外放射熱を反射体ベース1から大気中に熱輸送するコールド・ミラーである。
【0026】
次に、図3に基づいて反射体の製造方法について説明すると、先ず、熱伝導性に優れるアルミニウム又はグラファイトを用いて反射体ベース1と放熱フィン5とを一体形成するが、このアルミニウム又はグラファイトの加工については、複雑な曲面形状、放熱フィン5の形状、金型、治具、数量等を考慮して最適な加工方法を選択する。アルミニウム素材に関しては、板材、低圧の鋳造材、ダイカスト材等、反射体の形状、価格等により選定することが可能であるが、いずれの場合においても、アルミニウム素材とセラミックコーティング3とが遊離マグネシウムの影響により焼成後に剥げ落ちる「スポーリング」と呼ばれる問題を防止するため、成分的にMg(マグネシウム)を含まないことが重要である。
【0027】
グラファイトは天然黒鉛と人造黒鉛とがあり、天然黒鉛は六方晶系、三方晶系の結晶体であり、炭素6員環が連なる層状構造により軸方向によって熱伝導率、熱膨張係数が大きく異なる性質を有する。これに対し、人造黒鉛は、軸方向を有しないので、天然黒鉛に比べて特性が落ちるものの、機械的強度に優れ、加工に適しているといえる。
【0028】
反射体ベース1を形成したら、反射体ベース1の可視光反射面にセラミックコーティング3を焼成形成するが、この形成方法については、スプレー方法、ディッピングに代表される湿式法、静電気を利用する塗布方法等があげられる。反射体ベース1がアルミニウム製の場合には、アルミニウムとの密着性を向上させるため、強アルカリの釉薬を使用し、コーティングについては、蒸着を必要とする片面あるいは全面に塗布される。これに対し、反射体ベース1がグラファイト製の場合、グラファイト自体が脆く、黒鉛粉末が飛散するため、防止を兼ねて全面にコーティングを施すと良い。
【0029】
セラミックコーティング3の焼成温度については、アルミニウムの融点が約660℃であるため、それ以下の温度で焼成することが必要である。そこで、ホウケイ酸ガラスにパラジウム(Pd)等の添加剤を添加し、素材の屈伏点(ガラス転移点)を500℃以下(最適温度450℃前後)に下げ、焼成温度を600℃以下(最適温度550℃前後)とする。これに対し、グラファイトを用いる場合の焼成温度は1300℃であり、焼成雰囲気は、グラファイトの酸化を防止するため、酸素不足状態で焼成する還元焼成を行う。
なお、焼成されたセラミックコーティング3の面は、凹凸が10μm以下と比較的滑らかではあるが、光学の反射面としては不十分であるから、鏡面研磨仕上げを施すと良い。
【0030】
セラミックコーティング3の表面研磨仕上げが終了したら、セラミックコーティング3の表面に光の可視光を反射し、赤外放射を透過する多重干渉膜4を蒸着し、これにより構成の簡素な反射体を製造することができる。蒸着には、弗化マグネシウム(MgF)‐酸化チタン(TiO)等が用いられる。
【0031】
上記によれば、ガラスを用いた従来の反射鏡10に代わり、熱伝導性に優れるアルミニウム又はグラファイトを用いて反射体ベース1自体を直接形成し、この反射体ベース1に放射率の良いセラミックコーティング3を施すとともに、セラミックコーティング3の表面に多重干渉膜4を蒸着するので、光源ランプ2からの強烈な放射光を可視光と赤外放射とに分離し、赤外放射熱を速やかに熱伝導させ、放熱フィン5により熱輸送することができる。したがって、光源ランプ2の周辺温度を低減させ、光源装置の寿命や信頼性を著しく向上させることができ、しかも、強制冷却なしでの冷却と低価格化とを実現することができる。
【0032】
また、光源ランプ2からの熱輸送が良好になるので、光源ランプ2に対する反射鏡面の接近が可能となり、光源装置の小型化を図ることができる。また、反射体ベース1の製造に加工の容易なアルミニウムを使用すれば、ガラスでは複雑な形状の加工が困難であるという従来の問題を解消することができ、比較的自由に設計することが可能になる。さらに、反射体ベース1の外部がアルミニウム又はグラファイト製なので、漏れ可視光や赤外放射光を遮断することができ、光源ランプ2周辺に対する光漏れを抑制防止して製品の著しい品質向上を図ることができる。
【0033】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、光源ランプの周辺温度を低下させて光源装置の寿命や信頼性を向上させることができるという効果がある。また、強制冷却なしで冷却することのできる安価な反射体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る反射体の実施形態におけるダイクロイック反射鏡を示す模式断面説明図である。
【図2】本発明に係る反射体の他の実施形態におけるコールド・ミラーを示す模式断面説明図である。
【図3】本発明に係る反射体の製造方法の実施形態を示す製造工程説明図である。
【図4】従来の高圧水銀ランプを示す模式断面説明図である。
【図5】従来における高圧水銀ランプの自然対流、放射による熱移動の形態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 反射体ベース
2 光源ランプ
3 セラミックコーティング
4 多重干渉膜
5 放熱フィン
10 反射鏡

Claims (8)

  1. 光の可視光を反射し、赤外放射を透過する反射体であって、
    熱伝導性のアルミニウムとグラファイトの一方を用いて形成される反射体ベースを備え、この反射体ベースの可視光反射面にセラミックコーティングを施すとともに、このセラミックコーティングの表面に多重干渉膜を形成し、反射体ベースの可視光反射面と相反する面には放熱フィンを一体形成したことを特徴とする反射体。
  2. 反射体ベースを、光の可視光を反射し、赤外放射を多重干渉膜により透過するダイクロイック反射鏡とした請求項1記載の反射体。
  3. 反射体ベースを、光の可視光を反射し、赤外放射を多重干渉膜により透過するコールド・ミラーとした請求項1記載の反射体。
  4. 光の可視光を反射し、赤外放射を透過する反射体の製造方法であって、
    熱伝導性のアルミニウムとグラファイトの一方を用いて反射体ベースを形成し、この反射体ベースの可視光反射面と相反する面に、放熱フィンを一体形成する工程と、反射体ベースの可視光反射面にセラミックコーティングを施してその表面には多重干渉膜を形成する工程とを含んでなることを特徴とする反射体の製造方法。
  5. アルミニウムを用いて反射体ベースを形成する場合に、セラミックコーティングを、シリコン‐ボロン‐ナトリウムを主成分としたホウケイ酸ガラスとし、屈伏点を下げる添加剤と赤外放射を高めるニッケル‐鉄スピネル系黒顔料とをそれぞれ添加して500〜600℃で焼成する請求項4記載の反射体の製造方法。
  6. アルミニウムを、マグネシウムを含有しない板材、鋳造材、ダイカスト材とする請求項4又は5記載の反射体の製造方法。
  7. グラファイトを用いて反射体ベースを形成する場合に、セラミックコーティングを、シリコン‐ボロン‐ナトリウムを主成分とした透明なホウケイ酸ガラスとし、無酸素状態で1000〜1300℃で焼成してグラファイトの酸化を抑制する請求項4記載の反射体の製造方法。
  8. セラミックコーティングの厚さを100μm以上とする請求項4ないし7いずれかに記載の反射体の製造方法。
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