JP2008158145A - 反射防止膜及びその反射防止膜を備えた光学物品 - Google Patents
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Abstract
【課題】可視光線の波長域から赤外線の一部の波長域までの間における反射防止機能を有することにより、赤外線の一部の波長域における過剰な温度上昇を抑制することが可能な反射防止膜、およびその反射防止膜を備えた光学物品を提供する。
【解決手段】反射防止膜1は、ガラス基材2の両面に、SiO2よりなる低屈折率層と、Ta2O5よりなる高屈折率層とが交互に積層された、8層〜22層の範囲の多層膜よりなり、多層膜の最上層に低屈折率層が形成され、最上層に形成された低屈折率層の光学膜厚は、設計波長をλ=550nmとして、0.28λ〜0.35λの範囲であり、かつ最上層に形成される低屈折率層を除く下層の多層膜の光学膜厚が、0.02λ〜0.25λの範囲である。このガラス基材2の両面に形成された反射防止膜1は、ランプ装置100の保護ガラス30として用いることができる。
【選択図】図2
【解決手段】反射防止膜1は、ガラス基材2の両面に、SiO2よりなる低屈折率層と、Ta2O5よりなる高屈折率層とが交互に積層された、8層〜22層の範囲の多層膜よりなり、多層膜の最上層に低屈折率層が形成され、最上層に形成された低屈折率層の光学膜厚は、設計波長をλ=550nmとして、0.28λ〜0.35λの範囲であり、かつ最上層に形成される低屈折率層を除く下層の多層膜の光学膜厚が、0.02λ〜0.25λの範囲である。このガラス基材2の両面に形成された反射防止膜1は、ランプ装置100の保護ガラス30として用いることができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、可視光線から赤外線の一部波長域までの光に対して反射防止機能を有する反射防止膜、およびその反射防止膜を備えた光学物品に関する。
レンズなどの光学物品は、一般的に、表面反射の防止を目的に誘電体多層膜よりなる反射防止(AR:anti-reflective)膜が設けられて使用されている。反射防止膜は、光学物品の多機能化の進展とともに、例えばオートフォーカスを備えたカメラなどに、可視光線からLED(Light Emitting Diode)などから発せられる近赤外線の波長域までの光に対して反射防止機能を有する広帯域反射防止膜が設けられるようになってきている。
こうした広帯域反射防止膜として、ガラス基材側から数えて第1,3,5,7層にTiO2を、第2,4,6層にSiO2を、第8層にMgF2を蒸着し、800nm〜900nmの波長における反射率が0.2%以下、400nm〜700nmの波長における反射率が最大0.8%以下になる広帯域反射防止膜が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
こうした広帯域反射防止膜として、ガラス基材側から数えて第1,3,5,7層にTiO2を、第2,4,6層にSiO2を、第8層にMgF2を蒸着し、800nm〜900nmの波長における反射率が0.2%以下、400nm〜700nmの波長における反射率が最大0.8%以下になる広帯域反射防止膜が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
こうした可視光線から900nm程度の近赤外線の波長域までの反射防止機能を有する従来の広帯域反射防止膜は、これよりもさらに長い波長域においては、反射率が高くなってしまう特性を有する。
近年、例えば、プロジェクタの光源装置などのように、発熱を伴う発光源の近傍に配置される光学物品が数多く用いられている。これら光学物品には、可視光線の波長域(400nm〜700nm)の反射防止機能の他に、発熱の原因となる赤外線の波長域における過剰な温度上昇を抑制することにより、長寿命化が図られた環境配慮型の光学物品が求められている。
近年、例えば、プロジェクタの光源装置などのように、発熱を伴う発光源の近傍に配置される光学物品が数多く用いられている。これら光学物品には、可視光線の波長域(400nm〜700nm)の反射防止機能の他に、発熱の原因となる赤外線の波長域における過剰な温度上昇を抑制することにより、長寿命化が図られた環境配慮型の光学物品が求められている。
本発明は、こうした事情に鑑みてなされたもので、可視光線の波長域(400nm〜700nm)から赤外線の一部の波長域(700nm〜3000nm程度)までの間における反射防止機能を有することにより、赤外線の一部の波長域における過剰な温度上昇を抑制することが可能な反射防止膜、およびその反射防止膜を備えた光学物品を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の反射防止膜は、透明光学部材上に形成される反射防止膜であって、前記反射防止膜は、低屈折率層と高屈折率層とが交互に積層された多層膜よりなり、前記多層膜の最上層に前記低屈折率層が形成され、前記最上層に形成される低屈折率層の光学膜厚は、設計波長をλ=550nmとして、0.28λ〜0.35λの範囲であり、かつ前記最上層に形成される低屈折率層を除く下層の多層膜の光学膜厚が、0.02λ〜0.25λの範囲であることを特徴とする。
本発明によれば、透明光学部材上に低屈折率層と高屈折率層とが交互に積層された多層膜よりなる反射防止膜は、形成された多層膜の最上層に低屈折率層が形成され、その低屈折率層の光学膜厚が、設計波長をλ=550nmとして、0.28λ〜0.35λの範囲であり、かつ最上層に形成される低屈折率層を除いた下層の光学膜厚が、0.02λ〜0.25λ程度の範囲であることにより、波長が400nm〜3000nmの可視光の波長域を含む一部の赤外光の波長域における低反射率を備えた優れた反射防止特性を得ることができる。
本発明に係る反射防止膜において、前記反射防止膜は、前記低屈折率層が二酸化珪素(SiO2)層よりなり、前記高屈折率層が酸化タンタル(Ta2O5)層、二酸化ジルコニウム(ZrO2)層、五酸化ニオブ(Nb2O5)層、酸化ハフニウム(HfO2)層のうちのいずれかよりなり、8層〜22層の多層膜であるのが好ましい。
これによれば、透明光学部材上に低屈折率層と高屈折率層とが交互に積層された多層膜よりなる反射防止膜は、低屈折率層が二酸化珪素(SiO2)層よりなり、高屈折率層が酸化タンタル(Ta2O5)層、二酸化ジルコニウム(ZrO2)層、五酸化ニオブ(Nb2O5)層、酸化ハフニウム(HfO2)層のうちのいずれかよりなる、8層〜22層の多層膜であることにより、波長が400nm〜3000nmの可視光の波長域を含む一部の赤外光の波長域における低反射率を備えた優れた反射防止特性を得ることができる。
これによれば、透明光学部材上に低屈折率層と高屈折率層とが交互に積層された多層膜よりなる反射防止膜は、低屈折率層が二酸化珪素(SiO2)層よりなり、高屈折率層が酸化タンタル(Ta2O5)層、二酸化ジルコニウム(ZrO2)層、五酸化ニオブ(Nb2O5)層、酸化ハフニウム(HfO2)層のうちのいずれかよりなる、8層〜22層の多層膜であることにより、波長が400nm〜3000nmの可視光の波長域を含む一部の赤外光の波長域における低反射率を備えた優れた反射防止特性を得ることができる。
本発明に係る光学物品は、石英ガラス、酸化ホウ素を含む珪ホウ酸ガラスまたは結晶核形成剤を含む耐熱結晶化ガラスよりなる透明光学部材上に、上述したような反射防止膜が形成されたことを特徴とする。
これによれば、石英ガラス、酸化ホウ素を含む珪ホウ酸ガラスまたは結晶核形成剤を含む耐熱結晶化ガラスよりなる透明光学部材上に、低屈折率層と高屈折率層とが交互に積層された8層〜22層の多層膜よりなり、多層膜の最上層に低屈折率層が形成され、その低屈折率層の光学膜厚が、設計波長をλ=550nmとして、0.28λ〜0.35λの範囲であり、かつ最上層に形成された低屈折率層を除いた下層の光学膜厚が、0.02λ〜0.25λ程度の範囲である反射防止膜が形成された光学物品は、可視光線の波長域の反射防止機能の他に、発熱を伴う発光源などの近傍に配置されても、発熱の原因となる一部の赤外線の波長域の赤外光による過剰な温度上昇を抑制することができる。例えば、光学物品がプロジェクタの光源装置などの発光管あるいは保護ガラスの場合に、光源装置内部の異常な温度上昇を防ぎ、発光管の黒化や失透、あるいは破壊することを抑制した長寿命化を可能とする環境配慮型の光源装置を得ることができる。
本発明に係る光学物品において、前記光学物品は、少なくとも400nm〜3000nmの範囲の可視光線を含む赤外線の波長域において用いられるのが好ましい。
これによれば、少なくとも400nm〜3000nmの範囲の可視光線を含む赤外線の波長域において用いられる光学物品は、光学物品に上述したような反射防止膜が形成されていることにより、可視光線の波長域の反射防止機能に加えて、発熱の原因となる一部の赤外線の波長域の赤外光による過剰な温度上昇を抑制することができる。
これによれば、少なくとも400nm〜3000nmの範囲の可視光線を含む赤外線の波長域において用いられる光学物品は、光学物品に上述したような反射防止膜が形成されていることにより、可視光線の波長域の反射防止機能に加えて、発熱の原因となる一部の赤外線の波長域の赤外光による過剰な温度上昇を抑制することができる。
以下、本発明における実施形態を説明する。
なお、本発明の反射防止膜は、可視光線の波長域(400nm〜700nm)から赤外線の一部の波長域(700nm〜3000nm程度)までの間における反射防止機能を有し、可視光の反射を防止するとともに、赤外光による過剰な温度上昇を抑制することが可能な多層膜である。したがって、本発明の反射防止膜は、可視光および赤外光に曝され、高温になる透明光学部材に設けられ、例えば、発熱を伴う発光源の近傍に配置される光学物品などに好ましく用いることができる。
なお、本発明の反射防止膜は、可視光線の波長域(400nm〜700nm)から赤外線の一部の波長域(700nm〜3000nm程度)までの間における反射防止機能を有し、可視光の反射を防止するとともに、赤外光による過剰な温度上昇を抑制することが可能な多層膜である。したがって、本発明の反射防止膜は、可視光および赤外光に曝され、高温になる透明光学部材に設けられ、例えば、発熱を伴う発光源の近傍に配置される光学物品などに好ましく用いることができる。
図1は、本発明の反射防止膜の膜構成を示す断面模式図である。
図1において、反射防止膜1は、光を透過する透明光学部材としてのガラス基材2の一方の面上に、ガラス基材2の表面から順に、高屈折率層と低屈折率層との誘電体多層膜が交互に積層されて、第1層〜第N層の多層膜が形成されている。
図1において、反射防止膜1は、光を透過する透明光学部材としてのガラス基材2の一方の面上に、ガラス基材2の表面から順に、高屈折率層と低屈折率層との誘電体多層膜が交互に積層されて、第1層〜第N層の多層膜が形成されている。
形成される多層膜の層数、すなわちN層の値は、8層〜22層の範囲に形成される。よって、最上層には低屈折率層が形成される。
形成される多層膜の層数が8層未満の場合には、目的とする光学特性(反射率)が得られない。また、22層を超える場合には、多くの成膜時間や成膜工数を費やしても光学特性の向上がみられない。
形成される多層膜の層数が8層未満の場合には、目的とする光学特性(反射率)が得られない。また、22層を超える場合には、多くの成膜時間や成膜工数を費やしても光学特性の向上がみられない。
高屈折率層および低屈折率層を形成する膜材料には耐熱性に優れたものが用いられる。高屈折率材料としては、酸化タンタル(Ta2O5)、二酸化ジルコニウム(ZrO2)、五酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化ハフニウム(HfO2)のうちのいずれか一つを選択することができる。低屈折率材料としては、二酸化珪素(SiO2)を好ましく用いることができる。
また、反射防止膜1は、最上層に形成される低屈折率層の光学膜厚((屈折率:n)×(物理膜厚:d))の値が、設計波長をλ=550nmとして、0.28λ〜0.35λ程度の範囲である。さらに、低屈折率層よりなる最上層の下層に形成される高屈折率層および低屈折率層の光学膜厚ndの値は、設計波長をλ=550nmとして、0.02λ〜0.25λ程度の範囲の薄い層である。光学膜厚の値が0.02λ未満の場合には、光学特性への影響が著しく低下するとともに、反射防止膜1が成膜されるガラス基材または既成膜層の表面に均一に成膜することも困難となる。
反射防止膜1の成膜には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの物理蒸着法(PVD法)、あるいは化学蒸着法(CVD法)などを採用することができる。
高屈折率層および低屈折率層をスパッタリング法により成膜する場合は、例えば、マグネトロンスパッタリング装置内に2Pa〜5Pa程度の圧力のアルゴンを導入し、電界で加速したアルゴンイオンを成膜される膜材料のターゲットに照射して行われる。
なお、膜構成の詳細は、後述する実施例において説明する。
なお、膜構成の詳細は、後述する実施例において説明する。
ガラス基材2は、それぞれの光学物品を構成する基材であり、耐熱性に優れた石英ガラス、酸化ホウ素を含む硼硅酸ガラスまたは結晶核形成剤を含む耐熱結晶化ガラスなどの耐熱ガラスが用いられる。これらの耐熱ガラスの反射率はいずれも3.5%程度である。
酸化ホウ素を含む硼硅酸ガラスは、一般にパイレックス(登録商標)と呼ばれる耐熱ガラスが挙げられる。パイレックス(登録商標)は、アルカリ含有量が少なく、線膨張係数を低減するために酸化ホウ素が添加され、500℃程度の使用温度に耐える優れた耐熱性を備えている。また、結晶核形成剤を含む耐熱結晶化ガラスは、一般にネオセラム(登録商標)と呼ばれる耐熱ガラスが挙げられる。ネオセラム(登録商標)は、ジルコニアなどの結晶核形成剤を含む特殊組成のガラスを溶解、成形したのちに熱処理をし、極めて低熱膨張係数の微細結晶を析出させて、700℃程度の使用温度に耐える非常に優れた耐熱性を備えている。
以上に述べたようなガラス基材2を含む反射防止膜1は、例えば、データプロジェクタやプロジェクションテレビなどの投射型映像装置に配設されたランプ装置のように、発熱を伴う発光源の近傍に配置され、可視光および赤外光に曝される光学物品に応用することにより、可視光の反射防止を図るとともに、発熱の原因となる赤外線の波長域における過剰な温度上昇を抑制することが可能である。
以下、実施形態に係る反射防止膜1を応用したランプ装置100について説明する。図2は、ランプ装置100の概略構成を示す断面図である。
以下、実施形態に係る反射防止膜1を応用したランプ装置100について説明する。図2は、ランプ装置100の概略構成を示す断面図である。
ランプ装置100はAC型の放電ランプであり、発光管10と、反射鏡20と、保護ガラス30を備えている。
発光管10は、高圧水銀ランプであり、石英ガラスなどによって形成され、楕円球状のバルブ部11と、バルブ部11の両側にバルブ部11から連続して形成された一対の封止部13a,13bとを有する。バルブ部11は、楕円球状の放電空間部を有し、内部には水銀、アルゴンガスなどの希ガスおよび少量のハロゲンなどが封入され、放電用電極12a,12bが封入されている。
発光管10は、高圧水銀ランプであり、石英ガラスなどによって形成され、楕円球状のバルブ部11と、バルブ部11の両側にバルブ部11から連続して形成された一対の封止部13a,13bとを有する。バルブ部11は、楕円球状の放電空間部を有し、内部には水銀、アルゴンガスなどの希ガスおよび少量のハロゲンなどが封入され、放電用電極12a,12bが封入されている。
封止部13a,13bには、放電用電極12a,12bが先端に形成されたタングステンなどからなる電極軸12A,12Bと、電極軸12A,12Bに導通する導体であるモリブデンなどからなる金属箔14a,14bが密封され、金属箔14a,14bからは電力供給用リード(線または端子)15a,15bが、封止部13a,13bの各終端面から引き出されている。また、封止部13aの端部には、漏光の防止などを目的に口金16が設けられている。
このように構成された発光管(高圧水銀ランプ)10は、放電用電極12a,12b間にアーク放電を起こすことによってバルブ部11の内部に封入された水銀が発光する。この水銀の発光の際に、バルブ部11内部の温度上昇に伴って封入された水銀蒸気圧が上昇し、平衡状態においてバルブ部11の内部は、150気圧〜200気圧程度に達する。
こうした発光管10は、バルブ部11内部の高い水銀蒸気圧により、アーク領域の広がりを抑えて点光源化を図るとともに、光出力を向上することができるが、点灯時間の経過とともに、熱蒸発した電極軸12A,12Bを形成するタングステンなどが発光管10内面に付着(黒化)したり、石英ガラスが結晶化(失透)して、ランプ寿命の末期には照度が低下したり、バルブ部11にクラックなどの破損が生じ、場合によっては破壊することがある。
反射鏡20は、回転放物面状や回転楕円面状に形成された凹面状の反射面21Aを有する反射基部21と、発光管10の一方の封止部13aを挿入して固定するための筒部22を備える。
筒部22は反射面21Aおよび反射基部21の中心から反射面21Aの反対側に延長された筒状体であり、その内側に反射面21Aの回転中心と同軸の貫通孔22Aを有している。反射基部21と筒部22は、通常、耐熱ガラスによって一体的に漏斗状に形成されている。
筒部22は反射面21Aおよび反射基部21の中心から反射面21Aの反対側に延長された筒状体であり、その内側に反射面21Aの回転中心と同軸の貫通孔22Aを有している。反射基部21と筒部22は、通常、耐熱ガラスによって一体的に漏斗状に形成されている。
こうした反射鏡20の筒部22の貫通孔22Aに、発光管10のバルブ部11の封止部13aが、反射鏡20の反射面21A側から挿入されて、接着剤40により固着されている。固着する接着剤40としては、シリカ系やアルミナ系の無機接着剤が用いられる。
保護ガラス30は、例えば、パイレックス(登録商標)からなるガラス基材2の両面上に上述した反射防止膜1が設けられて、反射鏡20の前面開口部に固着されている。この保護ガラス30は、発光管10が破壊した場合に、そのガラス破片や封入されている水銀を、ランプ装置100内に留め、外に飛散するのを防ぐとともに、発光管10から射出される発熱の原因となる一部の赤外線の波長域の赤外光を低反射率(高透過率)で透過し、ランプ装置100内部の過剰な温度上昇を抑制する機能を有する。
このように構成されたランプ装置100は、発光管10の放電用電極12aと放電用電極12bとの間にアーク放電を起こし発光させると、バルブ部11から光を射出する。バルブ部11から射出された射出光は、反射鏡20で反射されて反射鏡20の前面開口部に固着された保護ガラス30の方に向かう。なお、ランプ装置100の点灯中における発光管10の表面温度は、電力により異なるが500℃〜1000℃程度に達する。また、ランプ装置100の点灯中における保護ガラス30の表面温度は、300℃〜400℃程度である。
保護ガラス30では、ガラス基材2の両面上に設けられた反射防止膜1において、発光管10のバルブ部11から射出された可視光線の波長域(400nm〜700nm)から赤外線の一部の波長域(700nm〜3000nm程度)までの間における反射防止機能により、可視光および赤外線を低反射率(高透過率)で透過し、発光管10を含むランプ装置100全体の過剰な温度上昇を抑制することができる。
次に、本実施形態に基づく反射防止膜の膜構成の実施例および比較例を説明する。
以下に説明する実施例および比較例は、いずれも、上記したランプ装置100を構成する保護ガラス30のパイレックス(登録商標)(屈折率:1.47)よりなるガラス基材2の両面に、高屈折率層を形成する高屈折率材料としてTa2O5(屈折率:2.15)、低屈折率層を形成する低屈折率材料としてSiO2(屈折率:1.46)を用いて反射防止膜を形成した。反射防止膜の形成方法は、いずれも上記実施形態において説明した方法により行った。したがって、以下の実施例および比較例は、ガラス基材2の表面に形成された反射防止膜の膜構成のみ、具体的に説明する。
以下に説明する実施例および比較例は、いずれも、上記したランプ装置100を構成する保護ガラス30のパイレックス(登録商標)(屈折率:1.47)よりなるガラス基材2の両面に、高屈折率層を形成する高屈折率材料としてTa2O5(屈折率:2.15)、低屈折率層を形成する低屈折率材料としてSiO2(屈折率:1.46)を用いて反射防止膜を形成した。反射防止膜の形成方法は、いずれも上記実施形態において説明した方法により行った。したがって、以下の実施例および比較例は、ガラス基材2の表面に形成された反射防止膜の膜構成のみ、具体的に説明する。
(実施例1)
ガラス基材2上に、第1層として、Ta2O5よりなる高屈折率層が成膜され、第1層の上面に第2層としてSiO2よりなる低屈折率層が成膜される。以降、Ta2O5よりなる高屈折率層とSiO2よりなる低屈折率層とが順次、交互に積層され、8層の誘電体多層膜からなる反射防止膜を形成した。したがって、最上層の第8層には、SiO2よりなる低屈折率層が形成される。以後、形成された多層膜を反射防止膜51と示す。
形成された反射防止膜51の膜構成とその光学膜厚ndを、表1に示す。なお、設計波長λは550nmであり、以後に示す実施例および比較例においても同様である。
ガラス基材2上に、第1層として、Ta2O5よりなる高屈折率層が成膜され、第1層の上面に第2層としてSiO2よりなる低屈折率層が成膜される。以降、Ta2O5よりなる高屈折率層とSiO2よりなる低屈折率層とが順次、交互に積層され、8層の誘電体多層膜からなる反射防止膜を形成した。したがって、最上層の第8層には、SiO2よりなる低屈折率層が形成される。以後、形成された多層膜を反射防止膜51と示す。
形成された反射防止膜51の膜構成とその光学膜厚ndを、表1に示す。なお、設計波長λは550nmであり、以後に示す実施例および比較例においても同様である。
(実施例2)
ガラス基材2上に、第1層として、Ta2O5よりなる高屈折率層が成膜され、第1層の上面に第2層としてSiO2よりなる低屈折率層が成膜される。以降、Ta2O5よりなる高屈折率層とSiO2よりなる低屈折率層とが順次、交互に積層され、16層の誘電体多層膜からなる反射防止膜を形成した。したがって、最上層の第16層には、SiO2よりなる低屈折率層が形成される。以後、形成された多層膜を反射防止膜52と示す。
形成された反射防止膜52の膜構成とその光学膜厚ndを、表2に示す。
ガラス基材2上に、第1層として、Ta2O5よりなる高屈折率層が成膜され、第1層の上面に第2層としてSiO2よりなる低屈折率層が成膜される。以降、Ta2O5よりなる高屈折率層とSiO2よりなる低屈折率層とが順次、交互に積層され、16層の誘電体多層膜からなる反射防止膜を形成した。したがって、最上層の第16層には、SiO2よりなる低屈折率層が形成される。以後、形成された多層膜を反射防止膜52と示す。
形成された反射防止膜52の膜構成とその光学膜厚ndを、表2に示す。
(実施例3)
ガラス基材2上に、第1層として、Ta2O5よりなる高屈折率層が成膜され、第1層の上面に第2層としてSiO2よりなる低屈折率層が成膜される。以降、Ta2O5よりなる高屈折率層とSiO2よりなる低屈折率層とが順次、交互に積層され、22層の誘電体多層膜からなる反射防止膜を形成した。したがって、最上層の第22層には、SiO2よりなる低屈折率層が形成される。以後、形成された多層膜を反射防止膜53と示す。
形成された反射防止膜53の膜構成とその光学膜厚ndを、表3に示す。
ガラス基材2上に、第1層として、Ta2O5よりなる高屈折率層が成膜され、第1層の上面に第2層としてSiO2よりなる低屈折率層が成膜される。以降、Ta2O5よりなる高屈折率層とSiO2よりなる低屈折率層とが順次、交互に積層され、22層の誘電体多層膜からなる反射防止膜を形成した。したがって、最上層の第22層には、SiO2よりなる低屈折率層が形成される。以後、形成された多層膜を反射防止膜53と示す。
形成された反射防止膜53の膜構成とその光学膜厚ndを、表3に示す。
(比較例1)
比較例1は、従来より一般的に用いられている4層よりなる反射防止膜である。ガラス基材2上に、第1層として、Ta2O5よりなる高屈折率層が成膜し、第1層の上面に第2層としてSiO2よりなる低屈折率層を成膜し、さらにTa2O5よりなる第3層、SiO2よりなる第4層の多層膜である。以後、形成された多層膜を反射防止膜54と示す。
形成された反射防止膜54の膜構成とその光学膜厚ndを、表4に示す。
比較例1は、従来より一般的に用いられている4層よりなる反射防止膜である。ガラス基材2上に、第1層として、Ta2O5よりなる高屈折率層が成膜し、第1層の上面に第2層としてSiO2よりなる低屈折率層を成膜し、さらにTa2O5よりなる第3層、SiO2よりなる第4層の多層膜である。以後、形成された多層膜を反射防止膜54と示す。
形成された反射防止膜54の膜構成とその光学膜厚ndを、表4に示す。
以上の実施例1〜3および比較例1において得られた反射防止膜51〜54の反射防止性能の確認を行った。
反射防止性能の確認は、保護ガラス30に形成された各反射防止膜の分光反射率の測定を行った。あわせて、それぞれの反射防止膜が形成された保護ガラス30が組み込まれたランプ装置100と、保護ガラス30が組み込まれない状態のランプ装置100との点灯状態における発光管10の表面温度の上昇具合の確認を行った。反射防止膜の分光反射率特性の確認には分光反射率計を用い、発光管10の表面温度の確認には放射温度計を用いて行った。
反射防止性能の確認は、保護ガラス30に形成された各反射防止膜の分光反射率の測定を行った。あわせて、それぞれの反射防止膜が形成された保護ガラス30が組み込まれたランプ装置100と、保護ガラス30が組み込まれない状態のランプ装置100との点灯状態における発光管10の表面温度の上昇具合の確認を行った。反射防止膜の分光反射率特性の確認には分光反射率計を用い、発光管10の表面温度の確認には放射温度計を用いて行った。
なお、保護ガラス30に形成された反射防止膜の可視光の波長域における平均反射率は、概ね1%以下、赤外光の波長域における平均反射率は概ね10%以下が好ましい。また、赤外光の波長域におけるより好ましい平均反射率は、ガラス基材2の反射率程度(3.5%程度)である。
図3は、実施例1〜3および比較例1における反射防止膜の分光反射率特性を示すグラフであり、グラフの横軸は波長(nm)、縦軸は反射率(%)を示す。
図3中に示す曲線Aは、反射防止膜51(実施例1)の分光反射率を示し、曲線Bは反射防止膜52(実施例2)、曲線Cは反射防止膜53(実施例3)、曲線Dは反射防止膜54(比較例1)の分光反射率スペクトルを示す。
図3中に示す曲線Aは、反射防止膜51(実施例1)の分光反射率を示し、曲線Bは反射防止膜52(実施例2)、曲線Cは反射防止膜53(実施例3)、曲線Dは反射防止膜54(比較例1)の分光反射率スペクトルを示す。
なお、分光反射率特性は、400nm〜3000nmの範囲の可視光から一部の赤外光の間の波長域について行った。測定範囲を3000nmまでとしたのは、パイレックス(登録商標)あるいは石英ガラスなどの耐熱ガラスが、透過する光に対して透明な状態を保持できる波長範囲が2700nm〜3500nm程度迄であり、それよりも長い波長に対しては吸収率が大きくなり、発熱で不透過な状態になり、本来のランプ機能を発揮することができないためである。
図3において、曲線Aに示す反射防止膜51は、可視光の波長域(400nm〜700nm)における平均反射率は略1%以下であり、赤外光の波長域(700nm〜3000nm)における最大反射率は8%以下(7.3%)であり、平均反射率は6.4%程度である。
また、保護ガラス30が組み込まれたランプ装置100の発光管10の表面温度は、保護ガラス30での熱線(赤外線)の反射により、保護ガラス30が無い状態と比較して、50℃程度、上昇した。
また、保護ガラス30が組み込まれたランプ装置100の発光管10の表面温度は、保護ガラス30での熱線(赤外線)の反射により、保護ガラス30が無い状態と比較して、50℃程度、上昇した。
曲線Bに示す反射防止膜52は、可視光の波長域における平均反射率は略1%であり、赤外光の波長域における最大反射率は7%以下(6.8%)であり、平均反射率は3.4%程度である。また、発光管10の表面温度の温度上昇は、30℃程度であった。
曲線Cに示す反射防止膜53は、可視光の波長域における平均反射率は略1%であり、赤外光の波長域における最大反射率は7%以下(6.2%)であり、平均反射率は3.3%程度である。また、発光管10の表面温度の温度上昇は、25℃程度であった。
曲線Cに示す反射防止膜53は、可視光の波長域における平均反射率は略1%であり、赤外光の波長域における最大反射率は7%以下(6.2%)であり、平均反射率は3.3%程度である。また、発光管10の表面温度の温度上昇は、25℃程度であった。
曲線Dに示す反射防止膜54(比較例1)は、可視光の波長域における平均反射率は略0.5%以下と良好であるが、赤外光の波長域における最大反射率は19%以上(19.4%)であり、平均反射率は15%程度である。また、発光管10の表面温度の温度上昇は、100℃程度であった。
また、実施例1〜3に示す反射防止膜51〜53は、SiO2よりなる最上層の下層に形成された高屈折率層および低屈折率層の光学膜厚ndの値は、0.02λ〜0.25λ程度の範囲の薄い層である。
また、実施例1〜3に示す反射防止膜51〜53は、SiO2よりなる最上層の下層に形成された高屈折率層および低屈折率層の光学膜厚ndの値は、0.02λ〜0.25λ程度の範囲の薄い層である。
次に、反射防止膜1の最上層に形成されるSiO2よりなる低屈折率層の光学膜厚ndの下限値の確認を行った。
試料として、実施例1に示した8層よりなる反射防止膜51を比較対照として、以下に示す3種類の試料を作成し、各反射防止膜の分光反射率特性を確認した。
試料として、実施例1に示した8層よりなる反射防止膜51を比較対照として、以下に示す3種類の試料を作成し、各反射防止膜の分光反射率特性を確認した。
3種類の試料は、いずれも実施例1における反射防止膜51と同様に、パイレックス(登録商標)よりなるガラス基材2の両面に、第1層として、Ta2O5よりなる高屈折率層を成膜し、以降、SiO2よりなる低屈折率層とTa2O5よりなる高屈折率層とを順次、交互に積層して、最上層にSiO2の低屈折率層よりなる8層の反射防止膜を形成した。
また、3種類の試料の最上層に形成されたSiO2の低屈折率層の光学膜厚ndは、設計波長λを550nmとして、0.280λ、0.250λ、0.200λの3種類の反射防止膜を施した。
光学膜厚ndが0.280λのSiO2の低屈折率層が最上層に形成された反射防止膜55の膜構成とその光学膜厚ndを、表5に示す。
光学膜厚ndが0.280λのSiO2の低屈折率層が最上層に形成された反射防止膜55の膜構成とその光学膜厚ndを、表5に示す。
図4は、最上層に形成された低屈折率層の光学膜厚が異なる反射防止膜の分光反射率特性を示すグラフである。グラフの横軸は波長(nm)、縦軸は反射率(%)を示す。
図4中に示す曲線aは、実施例1における反射防止膜51の分光反射率を示し、図3中に示す曲線Aと同じである。曲線bは反射防止膜55(最上層に形成されたSiO2の光学膜厚ndが0.280λ)、曲線cは反射防止膜56(0.250λ)、曲線dは反射防止膜57(0.200λ)の分光反射率スペクトルを示す。
図4中に示す曲線aは、実施例1における反射防止膜51の分光反射率を示し、図3中に示す曲線Aと同じである。曲線bは反射防止膜55(最上層に形成されたSiO2の光学膜厚ndが0.280λ)、曲線cは反射防止膜56(0.250λ)、曲線dは反射防止膜57(0.200λ)の分光反射率スペクトルを示す。
図4において、曲線bに示す最上層に形成されたSiO2の光学膜厚ndが0.280λよりなる反射防止膜55は、実施例1における反射防止膜51に比較して、赤外光の波長域における最大反射率は、略1%程度高いが、前記ランプ装置100などに用いる場合には問題とならない範囲である。
曲線cに示すSiO2の光学膜厚ndが0.250λよりなる反射防止膜56については、可視光の波長域における反射率は極めて低いが、赤外光の波長域における最大反射率は10%以上である。
曲線dに示すSiO2の光学膜厚ndが0.200λよりなる反射防止膜57については、赤外光の波長域における最大反射率は9%程度であるが、可視光の波長域における反射率が高く、反射防止膜としての性能が著しく劣る。
曲線dに示すSiO2の光学膜厚ndが0.200λよりなる反射防止膜57については、赤外光の波長域における最大反射率は9%程度であるが、可視光の波長域における反射率が高く、反射防止膜としての性能が著しく劣る。
なお、反射防止膜1の最上層に形成されるSiO2よりなる低屈折率層の光学膜厚ndの下限値の確認は、試料として、実施例1に示した8層よりなる反射防止膜51を比較対照とした場合についてのみ説明したが、実施例2に示した第16層よりなる反射防止膜52、および実施例3に示した第22層よりなる反射防止膜53の場合であっても、説明は省略するが、ほぼ同様の結果が得られた。
以上の実施例および比較例、ならびに反射防止膜1の最上層に形成されるSiO2よりなる光学膜厚ndの下限値の確認結果から、ガラス基材2上に低屈折率層(SiO2層)と高屈折率層(Ta2O5)とが交互に積層された多層膜よりなる反射防止膜1は、最上層に低屈折率層が形成された8層〜22層(実施例1〜実施例3)の範囲の多層膜よりなり、最上層に形成された低屈折率層の光学膜厚ndが、設計波長をλ=550nmとして、0.28λ(反射防止膜55)〜0.35λ(反射防止膜52)の範囲であり、かつ最上層を除いた下層の光学膜厚ndが、0.02λ〜0.25λ程度の範囲の薄い層であることにより、可視光の波長域(400nm〜700nm)における平均反射率が略1%、赤外光の波長域(700nm〜3000nm)における平均反射率は6.4%程度の反射防止特性が得られる。そのうち特に、22層の多層膜より形成される反射防止膜53(実施例3)は、可視光の波長域における平均反射率が略1%、赤外光の波長域における最大反射率が7%以下(平均反射率が3.3%程度)の低反射率を備えた優れた反射防止特性を得ることができる。
また、こうした反射防止膜1を施した保護ガラス30をランプ装置100に用いた場合には、保護ガラス30での優れた反射防止機能により発光管10から射出される熱線(赤外線)を低反射率(高透過率)で透過することで、ランプ装置100内部の異常な温度上昇を防ぎ、発光管10の表面温度の上昇を50℃程度以下に抑え、発光管10の黒化や失透、あるいは破壊することを抑制し、長寿命化が図られた環境配慮型のランプ装置100を得ることができる。また、反射防止膜1が形成された保護ガラス30を用いたランプ装置100は、反射防止膜1に代えて保護ガラス面に赤外光を吸収する材料よりなるフィルタなどを用いた場合に比べて、フィルタの熱線(赤外線)吸収による温度上昇が少なく、保護ガラスの熱損傷が生じにくい効果も有する。
以上に説明した本実施形態において、反射防止膜1をランプ装置100の保護ガラス30に用いた場合で説明したが、発光管10(バルブ部11および封止部13a,13b、図2参照)の表面に形成して用いることができる。反射防止膜1を光を射出する発光管10の表面に直接施すことにより、ランプ装置100内部の異常な温度上昇を効率的に抑え、発光管10の黒化や失透、あるいは破壊をより抑制することが可能となる。発光管10の表面への反射防止膜1の成膜方法は、成膜装置内に発光管10の長手方向をターゲットに対向配置して、例えば串焼きのように発光管10を所定の速度で回転させてながら行うことができる。
なお、発光管10は高圧水銀ランプに限定されず、他のランプ、例えばメタルハライドランプやキセノンランプなどの場合であってもよい。また、反射防止膜1は、ランプ装置100の保護ガラス30や発光管10の他に、ランプ装置100の近傍に配置して用いられる集光用のインテグレータレンズなどにも適用することができる。
また、本実施形態において、高屈折率層を形成する材料に、酸化タンタル(Ta2O5)を用いた場合で説明したが、酸化タンタルに代えて二酸化ジルコニウム(ZrO2)、五酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化ハフニウム(HfO2)のうちのいずれかの材料を用いてもよい。その場合であっても、同様の反射防止特性が得られる。
また、反射防止膜1は、ランプ装置100の保護ガラス30のガラス基材2の両面に形成された場合で説明したが、ガラス基材2の一方の面に形成された場合あっても良い。その場合には発光管10側の面、すなわちランプ装置100の内面側の面に形成されるのが好ましい。
また、反射防止膜1は、ランプ装置100の保護ガラス30のガラス基材2の両面に形成された場合で説明したが、ガラス基材2の一方の面に形成された場合あっても良い。その場合には発光管10側の面、すなわちランプ装置100の内面側の面に形成されるのが好ましい。
1…反射防止膜、2…ガラス基材、10…発光管、30…保護ガラス、100…ランプ装置。
Claims (4)
- 透明光学部材上に形成される反射防止膜であって、
前記反射防止膜は、低屈折率層と高屈折率層とが交互に積層された多層膜よりなり、
前記多層膜の最上層に前記低屈折率層が形成され、
前記最上層に形成される低屈折率層の光学膜厚は、設計波長をλ=550nmとして、0.28λ〜0.35λの範囲であり、かつ前記最上層に形成される低屈折率層を除く下層の多層膜の光学膜厚が、0.02λ〜0.25λの範囲であることを特徴とする反射防止膜。 - 請求項1に記載の反射防止膜において、
前記反射防止膜は、前記低屈折率層が二酸化珪素(SiO2)層よりなり、前記高屈折率層が酸化タンタル(Ta2O5)層、二酸化ジルコニウム(ZrO2)層、五酸化ニオブ(Nb2O5)層、酸化ハフニウム(HfO2)層のうちのいずれかよりなり、
8層〜22層の範囲の多層膜であることを特徴とする反射防止膜。 - 石英ガラス、酸化ホウ素を含む珪ホウ酸ガラスまたは結晶核形成剤を含む耐熱結晶化ガラスよりなる透明光学部材上に、
請求項1または2に記載の反射防止膜が形成されたことを特徴とする光学物品。 - 請求項3に記載の光学物品において、
前記光学物品は、少なくとも400nm〜3000nmの範囲の可視光線を含む赤外線の波長域において用いられることを特徴とする光学物品。
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-
2006
- 2006-12-22 JP JP2006345368A patent/JP2008158145A/ja not_active Withdrawn
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