JP3054663B2 - 多層膜反射鏡 - Google Patents
多層膜反射鏡Info
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- JP3054663B2 JP3054663B2 JP6218596A JP21859694A JP3054663B2 JP 3054663 B2 JP3054663 B2 JP 3054663B2 JP 6218596 A JP6218596 A JP 6218596A JP 21859694 A JP21859694 A JP 21859694A JP 3054663 B2 JP3054663 B2 JP 3054663B2
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- multilayer
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、投光照明などに使用さ
れる多層膜反射鏡、特に、冷光鏡を基体とする多層膜反
射鏡の改善に関する。
れる多層膜反射鏡、特に、冷光鏡を基体とする多層膜反
射鏡の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、硬質ガラスなどからなる凹面を有
する反射基板上に高屈折率材料の薄膜と低屈折率材料の
薄膜とを交互に積層した多層膜を備えた、いわゆる冷光
鏡を基体とする多層膜反射鏡は、投影器・店舗照明・医
療用照明などの光源として多く使用されている。この多
層膜反射鏡は、多層膜において、可視光を反射し、長波
長の赤外域の光線を透過させることにより、照明された
被照明物を熱線によって加熱することを少なくし、かつ
光源からの熱線が多層膜を通過する際には、吸収によっ
て基板が加熱されない特徴を有し、また、積層される材
料の屈折率の比が大きいほど高い反射率と広い反射域と
なるという特性を有している。
する反射基板上に高屈折率材料の薄膜と低屈折率材料の
薄膜とを交互に積層した多層膜を備えた、いわゆる冷光
鏡を基体とする多層膜反射鏡は、投影器・店舗照明・医
療用照明などの光源として多く使用されている。この多
層膜反射鏡は、多層膜において、可視光を反射し、長波
長の赤外域の光線を透過させることにより、照明された
被照明物を熱線によって加熱することを少なくし、かつ
光源からの熱線が多層膜を通過する際には、吸収によっ
て基板が加熱されない特徴を有し、また、積層される材
料の屈折率の比が大きいほど高い反射率と広い反射域と
なるという特性を有している。
【0003】ここで、一般的に多層膜に使用される物質
の組合わせと屈折率との関係を表1に示す。
の組合わせと屈折率との関係を表1に示す。
【0004】
【表1】 表1に示すような多層膜は凹面を有する反射基板上に積
層して形成されるために、10-1Pa(パスカル)級の
圧力を有する気体雰囲気中で蒸着を行なう、いわゆるガ
ス散乱蒸着法により多層膜が反射基板上に均一に被着さ
れる。
層して形成されるために、10-1Pa(パスカル)級の
圧力を有する気体雰囲気中で蒸着を行なう、いわゆるガ
ス散乱蒸着法により多層膜が反射基板上に均一に被着さ
れる。
【0005】また、表1の多層膜は、硫化亜鉛(Zn
S)と弗化マグネシウム(MgF2 )との薄膜を交互に
積層させたZnS/MgF2 交互層、あるいは硫化亜鉛
と酸化珪素(SiO2 )との薄膜を交互に積層させたZ
nS/SiO2 交互層などの、いわゆるソフトコート膜
と、酸化チタン(TiO2 )と酸化珪素との薄膜を交互
に積層させたTiO2 /SiO2 交互層、あるいは酸化
チタンと弗化マグネシウムとの薄膜を交互に積層させた
TiO2 /MgF2 交互層などの、いわゆるハードコー
ト膜とに分類される。これらの多層膜は使用される用途
によりそれぞれ選択されている。
S)と弗化マグネシウム(MgF2 )との薄膜を交互に
積層させたZnS/MgF2 交互層、あるいは硫化亜鉛
と酸化珪素(SiO2 )との薄膜を交互に積層させたZ
nS/SiO2 交互層などの、いわゆるソフトコート膜
と、酸化チタン(TiO2 )と酸化珪素との薄膜を交互
に積層させたTiO2 /SiO2 交互層、あるいは酸化
チタンと弗化マグネシウムとの薄膜を交互に積層させた
TiO2 /MgF2 交互層などの、いわゆるハードコー
ト膜とに分類される。これらの多層膜は使用される用途
によりそれぞれ選択されている。
【0006】例えば、ソフトコート膜のうち、ZnS/
MgF2 交互層は耐湿性には優れているが、耐熱性に劣
るので、熱負荷が低く、長寿命である低出力・長寿命型
ハロゲンランプに適用され、また、ZnS/SiO2 交
互層は耐熱性には優れているが、耐湿性に劣るので、熱
負荷が高く、短寿命である高出力・短寿命型ハロゲンラ
ンプに適用されている。
MgF2 交互層は耐湿性には優れているが、耐熱性に劣
るので、熱負荷が低く、長寿命である低出力・長寿命型
ハロゲンランプに適用され、また、ZnS/SiO2 交
互層は耐熱性には優れているが、耐湿性に劣るので、熱
負荷が高く、短寿命である高出力・短寿命型ハロゲンラ
ンプに適用されている。
【0007】一方、ハードコート膜のうち、TiO2 /
SiO2 交互層は耐湿性・耐熱性に優れており、熱負荷
が高く、長寿命である光源、例えば、メタルハライドラ
ンプや高出力・長寿命型ハロゲンランプに適用され、ま
た、TiO2 /MgF2 交互層はTiO2 /SiO2 交
互層に比べ、耐熱性においてやや劣るものの、ソフトコ
ート膜より耐湿性・耐熱性に優れており、熱負荷が高
く、長寿命である高出力・長寿命型ハロゲンランプに適
用されている。
SiO2 交互層は耐湿性・耐熱性に優れており、熱負荷
が高く、長寿命である光源、例えば、メタルハライドラ
ンプや高出力・長寿命型ハロゲンランプに適用され、ま
た、TiO2 /MgF2 交互層はTiO2 /SiO2 交
互層に比べ、耐熱性においてやや劣るものの、ソフトコ
ート膜より耐湿性・耐熱性に優れており、熱負荷が高
く、長寿命である高出力・長寿命型ハロゲンランプに適
用されている。
【0008】ここで、上記各多層膜の耐湿性・耐熱性に
ついての評価結果を表2に示す。表2の耐湿性は反射基
板に被膜された多層膜を温度50℃、湿度90%の雰囲
気中に放置した場合の多層膜の剥離発生時間を示し、ま
た、耐熱性は多層膜が多層膜反射鏡のランプ点灯による
熱負荷300℃および350℃における多層膜の剥離発
生時間を示している。
ついての評価結果を表2に示す。表2の耐湿性は反射基
板に被膜された多層膜を温度50℃、湿度90%の雰囲
気中に放置した場合の多層膜の剥離発生時間を示し、ま
た、耐熱性は多層膜が多層膜反射鏡のランプ点灯による
熱負荷300℃および350℃における多層膜の剥離発
生時間を示している。
【0009】
【表2】 しかるに、近年、光源の高出力化・長寿命化に伴なっ
て、使用される用途を選択しないで、全ての光源の反射
鏡として、TiO2 /SiO2 交互層かTiO2/Mg
F2 交互層のハードコート膜を使用するようになってき
ている。
て、使用される用途を選択しないで、全ての光源の反射
鏡として、TiO2 /SiO2 交互層かTiO2/Mg
F2 交互層のハードコート膜を使用するようになってき
ている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、TiO
2 /SiO2 交互層は、表2に示すように、TiO2 /
MgF2 交互層に比べ、耐湿性において劣るという欠点
を有し、かつ、表1に示すように、屈折率の比が小さい
ので、TiO2 /MgF2 交互層と同程度の光学特性を
保持するためには、多層膜の積層数を50%多くする必
要があり、コストが高くなるという欠点を有している。
2 /SiO2 交互層は、表2に示すように、TiO2 /
MgF2 交互層に比べ、耐湿性において劣るという欠点
を有し、かつ、表1に示すように、屈折率の比が小さい
ので、TiO2 /MgF2 交互層と同程度の光学特性を
保持するためには、多層膜の積層数を50%多くする必
要があり、コストが高くなるという欠点を有している。
【0011】また、TiO2 /MgF2 交互層は耐湿性
に優れている反面、耐熱性においてTiO2 /SiO2
交互層に比べて劣るという欠点を有している。
に優れている反面、耐熱性においてTiO2 /SiO2
交互層に比べて劣るという欠点を有している。
【0012】このため、TiO2 /SiO2 交互層と同
程度の耐熱性を有するとともにTiO2 /MgF2 交互
層と同程度の耐湿性を有し、かつ多層膜の積層数がTi
O2/MgF2 交互層と同程度であるハードコート膜が
要望されている。
程度の耐熱性を有するとともにTiO2 /MgF2 交互
層と同程度の耐湿性を有し、かつ多層膜の積層数がTi
O2/MgF2 交互層と同程度であるハードコート膜が
要望されている。
【0013】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、耐湿性と耐熱性に優れ、かつ、光源の用途を選ばな
い多層膜反射鏡を提供することを目的とする。
で、耐湿性と耐熱性に優れ、かつ、光源の用途を選ばな
い多層膜反射鏡を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、凹面を有する反射基板上に酸化チタンと
弗化ストロンチウムを交互に積層させた後、300℃以
上の温度にて焼成処理して多層膜を形成したことを特徴
とする。
成するために、凹面を有する反射基板上に酸化チタンと
弗化ストロンチウムを交互に積層させた後、300℃以
上の温度にて焼成処理して多層膜を形成したことを特徴
とする。
【0015】
【作用】本発明の多層膜反射鏡は上記のように構成した
ので、高出力化・長寿命化の光源に十分適合した優れた
耐湿性と耐熱性を有した多層膜が形成され、光源の用途
を選ばずに、全ての光源の反射鏡として使用可能であ
る。
ので、高出力化・長寿命化の光源に十分適合した優れた
耐湿性と耐熱性を有した多層膜が形成され、光源の用途
を選ばずに、全ての光源の反射鏡として使用可能であ
る。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
する。
【0017】図1は本発明の一実施例の多層膜反射鏡の
断面を示す図で、同図において、1は反射基板、例えば
ハロゲンランプ用反射鏡の硬質ガラスからなる反射基板
であり、その一面を拡開させた回転放物状の凹面2 で形
成されている。この凹面2 の中央には光源としてハロゲ
ンランプ3 が装着され、さらに、凹面2 の上面には多層
膜4 が、例えばガス散乱蒸着法により被着され多層膜反
射鏡5 が形成される。多層膜反射鏡5 に被着されている
多層膜4 により、ハロゲンランプ3 から出射される可視
光は反射されて被照明物に照射され、また、熱線は多層
膜反射鏡5 、つまり多層膜4 と反射基板1 を透過して反
射基板1 の後方に放射される。
断面を示す図で、同図において、1は反射基板、例えば
ハロゲンランプ用反射鏡の硬質ガラスからなる反射基板
であり、その一面を拡開させた回転放物状の凹面2 で形
成されている。この凹面2 の中央には光源としてハロゲ
ンランプ3 が装着され、さらに、凹面2 の上面には多層
膜4 が、例えばガス散乱蒸着法により被着され多層膜反
射鏡5 が形成される。多層膜反射鏡5 に被着されている
多層膜4 により、ハロゲンランプ3 から出射される可視
光は反射されて被照明物に照射され、また、熱線は多層
膜反射鏡5 、つまり多層膜4 と反射基板1 を透過して反
射基板1 の後方に放射される。
【0018】多層膜4 は高屈折率材料Hとして酸化チタ
ン(TiO2 :屈折率n=2.3)を採用し、低屈折率
材料Lとして弗化マグネシウム(MgF2 :n=1.3
8)の屈折率に近い種々の材料を抽出し、それらから弗
化ストロンチウム(SrF2:n=1.32)を選択し
て採用した。
ン(TiO2 :屈折率n=2.3)を採用し、低屈折率
材料Lとして弗化マグネシウム(MgF2 :n=1.3
8)の屈折率に近い種々の材料を抽出し、それらから弗
化ストロンチウム(SrF2:n=1.32)を選択し
て採用した。
【0019】すなわち、低屈折率材料Lの候補として、
弗化リチウム(LiF:n=1.36)、弗化バリウム
(BaF2 :n=1.32)、氷晶石(Na3 Al
F6 :n=1.36)、SrF2 、弗化ナトリウム(N
aF:n=1.30)、および弗化カルシウム(CaF
2 :n=1.40)を抽出し、それぞれの材料とTiO
2との多層膜4 を反射基板1 上に以下の条件で被着し
た。
弗化リチウム(LiF:n=1.36)、弗化バリウム
(BaF2 :n=1.32)、氷晶石(Na3 Al
F6 :n=1.36)、SrF2 、弗化ナトリウム(N
aF:n=1.30)、および弗化カルシウム(CaF
2 :n=1.40)を抽出し、それぞれの材料とTiO
2との多層膜4 を反射基板1 上に以下の条件で被着し
た。
【0020】多層膜4 の光学的膜厚は1/4λ設計と
し、膜構成は反射基板1 ・(HL)6Hλ1 ・(LH)4
λ2 ・空気の21層構成とした。ここで、λ1 とλ2
はそれぞれ設計波長で、λ1 =600nm、λ2 =45
0nmであり、設計波長λ1 で高屈折率材料Hと低屈折
率材料Lを交互に6回、さらに、高屈折率材料Hを1層
付加して13層とし、次に、設計波長λλ2 で低屈折率
材料Lと高屈折率材料Hを交互に4回、計8層積層し
て、合計21層構成とした。
し、膜構成は反射基板1 ・(HL)6Hλ1 ・(LH)4
λ2 ・空気の21層構成とした。ここで、λ1 とλ2
はそれぞれ設計波長で、λ1 =600nm、λ2 =45
0nmであり、設計波長λ1 で高屈折率材料Hと低屈折
率材料Lを交互に6回、さらに、高屈折率材料Hを1層
付加して13層とし、次に、設計波長λλ2 で低屈折率
材料Lと高屈折率材料Hを交互に4回、計8層積層し
て、合計21層構成とした。
【0021】これらの多層膜4 はガス散乱蒸着法によっ
て、 (1) 真空度 2.67×10-1〜1.07×10-3P
a (2) 散乱ガス アルゴン(Ar) (3) 基板温度 250〜300℃ (4) 蒸発源 エレクトロンビーム(電子銃) の蒸着条件で成膜し、蒸着処理後に、電気炉中にて30
0℃以上、例えば400℃・1時間の熱処理を施した。
て、 (1) 真空度 2.67×10-1〜1.07×10-3P
a (2) 散乱ガス アルゴン(Ar) (3) 基板温度 250〜300℃ (4) 蒸発源 エレクトロンビーム(電子銃) の蒸着条件で成膜し、蒸着処理後に、電気炉中にて30
0℃以上、例えば400℃・1時間の熱処理を施した。
【0022】このように成膜された各種多層膜4 につい
て、耐湿性試験、耐熱性試験、および光学特性の測定を
行ない、その結果を表3に示す。耐湿性試験は温度50
℃、湿度90%の雰囲気中に放置した場合の多層膜4 の
剥離発生時間、および耐熱性試験はハロゲンランプ3 点
灯による熱負荷300℃および350℃における多層膜
4 の剥離発生時間をそれぞれ示し、また、光学特性は反
射率90%以上の反射域の幅を示している。
て、耐湿性試験、耐熱性試験、および光学特性の測定を
行ない、その結果を表3に示す。耐湿性試験は温度50
℃、湿度90%の雰囲気中に放置した場合の多層膜4 の
剥離発生時間、および耐熱性試験はハロゲンランプ3 点
灯による熱負荷300℃および350℃における多層膜
4 の剥離発生時間をそれぞれ示し、また、光学特性は反
射率90%以上の反射域の幅を示している。
【0023】
【表3】 表3に示す試験・測定の結果、TiO2 /SrF2 交互
層を用いることにより、多層膜4 はTiO2 /SiO2
交互層と同程度の耐熱性とTiO2 /MgF2交互層と
同程度の耐湿性を有し、かつ、膜の積層数がTiO2 /
MgF2 交互層と同程度であるハードコート膜が成膜さ
れることが判明した。また、TiO2 /MgF2 交互層
の分光透過率特性を図2に示すが、図2に示すように、
反射率90%以上の反射域の幅はTiO2 /MgF2 交
互層と同程度であり、同様の光学特性を有していること
が判明した。
層を用いることにより、多層膜4 はTiO2 /SiO2
交互層と同程度の耐熱性とTiO2 /MgF2交互層と
同程度の耐湿性を有し、かつ、膜の積層数がTiO2 /
MgF2 交互層と同程度であるハードコート膜が成膜さ
れることが判明した。また、TiO2 /MgF2 交互層
の分光透過率特性を図2に示すが、図2に示すように、
反射率90%以上の反射域の幅はTiO2 /MgF2 交
互層と同程度であり、同様の光学特性を有していること
が判明した。
【0024】上記した試験・測定の結果に基づいて、M
gF2 の屈折率に近い屈折率を有し、低屈折率材料Lと
して抽出された種々の材料からSrF2 を選択し、多層
膜4としてTiO2 /SrF2 交互層を採用した。
gF2 の屈折率に近い屈折率を有し、低屈折率材料Lと
して抽出された種々の材料からSrF2 を選択し、多層
膜4としてTiO2 /SrF2 交互層を採用した。
【0025】なお、蒸着処理後に、多層膜4 を電気炉中
にて300℃以上の温度にて熱処理を施し硬化するよう
にしたが、これは光源のハロゲンランプ3 の点灯の際の
熱負荷が300℃以上であり、300℃未満で硬化され
た多層膜4 はこの熱負荷に耐えることができないためで
ある。
にて300℃以上の温度にて熱処理を施し硬化するよう
にしたが、これは光源のハロゲンランプ3 の点灯の際の
熱負荷が300℃以上であり、300℃未満で硬化され
た多層膜4 はこの熱負荷に耐えることができないためで
ある。
【0026】上記実施例によれば、多層膜4 としてTi
O2 /SrF2 交互層を採用することにより、耐湿性と
耐熱性に優れた多層膜反射鏡5 が得られ、高出力化・長
寿命化の光源に十分適合することができる。
O2 /SrF2 交互層を採用することにより、耐湿性と
耐熱性に優れた多層膜反射鏡5 が得られ、高出力化・長
寿命化の光源に十分適合することができる。
【0027】次に、TiO2 /SrF2 交互層を採用し
た多層膜4 をハロゲンランプ3 より熱負荷が高いメタル
ハライドランプに適用し、TiO2 /SiO2 交互層と
TiO2 /MgF2 交互層と比較した例を示す。
た多層膜4 をハロゲンランプ3 より熱負荷が高いメタル
ハライドランプに適用し、TiO2 /SiO2 交互層と
TiO2 /MgF2 交互層と比較した例を示す。
【0028】膜構成としては、 (1) TiO2 /SrF2 、TiO2 /SiO2 、TiO
2 /MgF2 (2) 反射基板1 ・(HL)6 Hλ1 ・(LH)4 λ2 ・
空気の21層構成 λ1 =600nm、λ2 =450nm であり、また、蒸着条件としては、 (1) 真空度 2.67×10-1〜1.07×10-3P
a (2) 散乱ガス アルゴン(Ar) (3) 基板温度 250〜300℃ (4) 蒸発源 エレクトロンビーム(電子銃) であり、蒸着処理後に、電気炉中にて400℃・1時間
の熱処理を施した。
2 /MgF2 (2) 反射基板1 ・(HL)6 Hλ1 ・(LH)4 λ2 ・
空気の21層構成 λ1 =600nm、λ2 =450nm であり、また、蒸着条件としては、 (1) 真空度 2.67×10-1〜1.07×10-3P
a (2) 散乱ガス アルゴン(Ar) (3) 基板温度 250〜300℃ (4) 蒸発源 エレクトロンビーム(電子銃) であり、蒸着処理後に、電気炉中にて400℃・1時間
の熱処理を施した。
【0029】上記条件で成膜された3種類の多層膜4 に
ついて、耐湿性試験、耐熱性試験、および光学特性の測
定を行ない、その結果を表4に示す。耐湿性試験は温度
50℃、湿度90%の雰囲気中に放置した場合の多層膜
4 の剥離発生時間、および耐熱性試験はメタルハライド
ランプ点灯による熱負荷350℃および450℃におけ
る多層膜4 の剥離発生時間をそれぞれ示し、また、光学
特性は反射率90%以上の反射域の幅を示している。
ついて、耐湿性試験、耐熱性試験、および光学特性の測
定を行ない、その結果を表4に示す。耐湿性試験は温度
50℃、湿度90%の雰囲気中に放置した場合の多層膜
4 の剥離発生時間、および耐熱性試験はメタルハライド
ランプ点灯による熱負荷350℃および450℃におけ
る多層膜4 の剥離発生時間をそれぞれ示し、また、光学
特性は反射率90%以上の反射域の幅を示している。
【0030】
【表4】 表4に示す試験・測定の結果、TiO2/SrF2交互
層を用いた多層膜4はTiO2/SiO2交互層と同程
度の耐熱性とTiO2/MgF2交互層と同程度の耐湿
性を有するとともに、TiO2/MgF2交互層と同程
度の光学特性を有しており、ハロゲンランプ3より熱負
荷が高いメタルハライドランプにも十分適用できること
が判明した。
層を用いた多層膜4はTiO2/SiO2交互層と同程
度の耐熱性とTiO2/MgF2交互層と同程度の耐湿
性を有するとともに、TiO2/MgF2交互層と同程
度の光学特性を有しており、ハロゲンランプ3より熱負
荷が高いメタルハライドランプにも十分適用できること
が判明した。
【0031】上記他の実施例によれば、多層膜4 として
TiO2 /SrF2 交互層を採用することにより、耐湿
性と耐熱性に優れ、かつ、光源の用途を選ばない多層膜
反射鏡5 を得ることができる。
TiO2 /SrF2 交互層を採用することにより、耐湿
性と耐熱性に優れ、かつ、光源の用途を選ばない多層膜
反射鏡5 を得ることができる。
【0032】なお、上記実施例では、多層膜4 の形成方
法をガス散乱蒸着法としたが、これに限らず、イオンプ
レーティング法、イオンアシスト法など他の形成方法で
あってもよい。
法をガス散乱蒸着法としたが、これに限らず、イオンプ
レーティング法、イオンアシスト法など他の形成方法で
あってもよい。
【0033】また、本発明は上記実施例に限定されるこ
となく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々
変形可能なことは勿論である。
となく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々
変形可能なことは勿論である。
【0034】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の多層膜反
射鏡によれば、凹面を有する反射基板上に酸化チタンと
弗化ストロンチウムを交互に積層させた後、300℃以
上の温度にて焼成処理して多層膜を形成したことによ
り、耐湿性と耐熱性に優れた多層膜が形成され、高出力
化・長寿命化の光源に十分適合することができるととも
に、光源の用途を選ばず、全ての光源の反射鏡として適
用することができる。
射鏡によれば、凹面を有する反射基板上に酸化チタンと
弗化ストロンチウムを交互に積層させた後、300℃以
上の温度にて焼成処理して多層膜を形成したことによ
り、耐湿性と耐熱性に優れた多層膜が形成され、高出力
化・長寿命化の光源に十分適合することができるととも
に、光源の用途を選ばず、全ての光源の反射鏡として適
用することができる。
【図1】本発明の一実施例の多層膜反射鏡の断面を示す
図である。
図である。
【図2】TiO2 /SrF2 交互層の分光透過率特性を
示す曲線図である。
示す曲線図である。
1 …反射基板 2 …凹面 4 …多層膜 5 …多層膜反射鏡
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F21V 7/22 G02B 5/00 - 5/28
Claims (1)
- 【請求項1】 凹面を有する反射基板上に酸化チタンと
弗化ストロンチウムを交互に積層させた後、300℃以
上の温度にて焼成処理して多層膜を形成したことを特徴
とする多層膜反射鏡。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6218596A JP3054663B2 (ja) | 1994-09-13 | 1994-09-13 | 多層膜反射鏡 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6218596A JP3054663B2 (ja) | 1994-09-13 | 1994-09-13 | 多層膜反射鏡 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0883506A JPH0883506A (ja) | 1996-03-26 |
JP3054663B2 true JP3054663B2 (ja) | 2000-06-19 |
Family
ID=16722443
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6218596A Expired - Fee Related JP3054663B2 (ja) | 1994-09-13 | 1994-09-13 | 多層膜反射鏡 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3054663B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2211395A3 (en) * | 2009-01-23 | 2015-11-25 | Everlight Electronics Co., Ltd. | Light emitting diode package structure and method thereof |
-
1994
- 1994-09-13 JP JP6218596A patent/JP3054663B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2211395A3 (en) * | 2009-01-23 | 2015-11-25 | Everlight Electronics Co., Ltd. | Light emitting diode package structure and method thereof |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0883506A (ja) | 1996-03-26 |
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