JP4333212B2 - 光源装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロジェクター装置の照明装置として好適に用いられる光源装置に関し、更に詳しくは水銀封入量が多い高圧水銀放電ランプが収容され、前面開口部に前面ガラスが設けられた凹面反射鏡を備えた光源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、液晶プロジェクター装置の照明光源としては、図4に示すように、例えば石英ガラス製の放電容器56を有してなる高圧水銀放電ランプ55よりなる光源と、この高圧水銀放電ランプ55を収容し、当該高圧水銀放電ランプ55から放射される光を前方に投射する開口部を有するガラス製の基体を備えてなる凹面反射鏡52と、当該凹面反射鏡52の開口部に設けられた透光性を有する前面ガラス58とを備えてなり、点灯状態の高圧水銀放電ランプ55が破損するなどの不具合を起こした場合に、放電容器56のガラス破片などが飛散することを前面ガラス58によって防止することのできる構成を有する光源装置50が用いられている。
【0003】
このような光源装置50においては、凹面反射鏡52として、ガラス製の基体の内表面に可視光反射層が形成されてなるものが用いられており、凹面反射鏡52の基体としては、高圧水銀放電ランプ55が破損するなどの不具合を起こした場合に、凹面反射鏡52が破壊されることを防止するために、例えば4mm以上の厚みを有するものが用いられている。
また、凹面反射鏡52には、当該凹面反射鏡52および前面ガラス58によって囲繞された凹面反射鏡52の内部空間に冷却風を流通させるための通風孔59A、59Bが形成されており、これにより、動作中の光源装置50における高圧水銀放電ランプ55および凹面反射鏡52などの冷却が行われている。
【0004】
近年、光源装置においては、より一層の小型化および高効率化が要請されていることから、凹面反射鏡を小型化すると共に、高圧水銀放電ランプの放電容器の温度分布を均一化することによって高効率化することが検討されている。
【0005】
しかしながら、前面ガラスを有する凹面反射鏡による密閉構造の光源装置においては、凹面反射鏡の基体を構成するガラスの熱伝導率が小さいことが一因となり、動作中において、凹面反射鏡の内部空間が高温となって高圧水銀放電ランプや凹面反射鏡などの構成要素が過熱された状態となる結果、例えば高圧水銀放電ランプに白濁、黒化などが生じやすくなり、最悪の場合には高圧水銀放電ランプが破損する、という問題がある。
また、密閉状態の凹面反射鏡の内部空間が高温となった場合には、基体を構成するガラスの熱伝導率が小さいため温度分布が不均一となり、当該内部空間内において対流が発生することから、例えば光源装置を高圧水銀放電ランプの管軸が水平となる状態で使用した場合には、高圧水銀放電ランプの上方部分と下方部分との温度差が大きくなって当該上方部分が異常に高温となり、それに起因して放電容器に失透が生じる、あるいは高圧水銀放電ランプ自体が破損するなど問題が生じる。
【0006】
更に、高圧水銀放電ランプの破損に伴ってガラス製の基体を有する凹面反射鏡が破壊されることを防止するために基体の厚みを一層大きくした場合には、光源装置の動作中における凹面反射鏡の内表面側と外表面側とに大きな温度差が生じ、これに起因して凹面反射鏡自体にクラックが生じてしまうという問題が生じる。
【0007】
また、凹面反射鏡としては、基体を大きな熱伝導率を有する金属により構成することも提案されているが(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)、このような凹面反射鏡においては、可視光反射層として好ましい誘電体多層膜を十分な耐久性をもって形成することができない、という問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、小型であっても安定的な高い光放射性能を有する光源装置を提供することにある。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−006906号公報
【特許文献2】
特開平5−144309号公報
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の光源装置は、希ガス、ハロゲンおよび水銀が封入された放電容器内に一対の電極が対向配置されてなる高圧水銀放電ランプと、この高圧水銀放電ランプが収容され、当該高圧水銀放電ランプからの放射光を反射してその反射光を開口部を介して投射する凹面反射鏡と、当該凹面反射鏡の開口部に設けられた透光性を有する前面ガラスとを具備する光源装置において、
前記凹面反射鏡が、金属よりなる基体と、当該基体の内表面に設けられた中間層と、当該中間層上に設けられた誘電体多層膜層よりなる可視光反射層とからなり、
前記高圧水銀放電ランプは、放電容器内に0.25mg/mm 3 以上の水銀が封入されているものであり、
前記凹面反射鏡と前記前面ガラスとによって形成される密閉状態の空間内に前記高圧水銀放電ランプが収容されており、
前記高圧水銀放電ランプにおける放電容器の最大外径をdとし、前記凹面反射鏡の第1焦点位置における内径をIとするとき、I/dの値が3.5以下で1.5以上であることを特徴とする。
【0013】
【作用】
本発明の光源装置によれば、凹面反射鏡が金属よりなる基体を有してなるものであることから、凹面反射鏡に優れた放熱性が得られ、当該光源装置の構成要素が過熱されることを抑制することができる。そのため、光源として高い輝度を有する高圧水銀放電ランプを用いても安定的な出力を得ることができる。更には、可視光反射層が中間層上に設けられており、当該中間層が可視光反射層の支持層として作用することから、当該可視光反射層に高い耐久性が得られ、その結果、優れた反射性能が得られる。
従って、本発明の光源装置によれば、小型であっても安定的な高い光放射性能を得ることができる。
【0014】
また、本発明の光源装置においては、凹面反射鏡と高圧水銀放電ランプとを特定の配置状態で配置することにより、点灯状態の高圧水銀放電ランプの一部分のみが異常に高温となることを確実に抑制することができるため、光源として高い輝度が得られる高圧水銀放電ランプを好適に用いることができ、これにより、一層高い光放射性能を安定的に得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の光源装置の構成の一例を示す説明用断面図である。
この光源装置10は、光源である高圧水銀放電ランプ30と、この高圧水銀放電ランプ30が収容され、当該高圧水銀放電ランプ30からの放射光を反射してその反射光を開口部を介して投射する凹面反射鏡20と、当該凹面反射鏡20の開口部を塞ぐよう設けられた透光性を有する前面ガラス19とを具備しており、凹面反射鏡20と前面ガラス19とによって形成される空間内に、高圧水銀放電ランプ30が収容されてなる、いわゆる密閉構造を有するものである。
この光源装置10は、図1に示されるように、高圧水銀放電ランプ30の管軸が水平状態とされた状態で使用される。
【0016】
具体的に、光源装置10は、凹状であって集光空間を形成する集光部21と、この集光部21の前端(図1において左端)21Aに続いて光軸方向前方にその先端が内向するよう傾斜して伸びる前側カバー23と、この前側カバー23の前端(図1において左端)において開口部を形成する前方外縁部24と、当該集光部21の後端(図1において右端)21Bに続いて光軸方向後方に伸びる筒状頸部25とよりなる基体20Aの内表面に、中間層を介して可視光反射層が形成された凹面反射鏡20を備えており、この凹面反射鏡20の開口部には、基体20Aにおける前方外縁部24に接着剤などにより固定された、透光性を有する板状の耐熱ガラスよりなる前面ガラス19が設けられている。
この例においては、凹面反射鏡20には、通風孔は形成されておらず、また、集光部21における外表面から当該凹面反射鏡20の光軸方向後方に突出して伸びる放熱用フィン29が設けられている。
【0017】
そして、凹面反射鏡20と前面ガラス19とによって囲繞された、凹面反射鏡20の内部空間内に、高圧水銀放電ランプ30が、当該高圧水銀放電ランプ30の管軸と凹面反射鏡20の光軸とが一致するように略水平に配置され、この高圧水銀放電ランプ30の後端(図1において右端)が基体20Aにおける筒状頸部25に挿通されて接着剤37などによって固着された状態で固定されている。
図1において、12は、その一端が高圧水銀放電ランプ30のリード棒35Bに電気的に接続されている外部リード線であり、15は、その中央に貫通孔15Aを有する絶縁部材である。この絶縁部材15の貫通孔15Aには、略棒状の接続端子16が挿入されており、当該接続端子16には外部リード線12の他端に電気的に接続されている。
【0018】
高圧水銀放電ランプ30は、発光空間を形成する略楕円状の放電容器31と、その両端に続いて管軸方向外方、すなわち、光軸方向前方および後方に伸びるロッド状の封止管部33A、33Bとよりなる。例えば当該放電容器31は、シリカガラス製であって、発光空間内には、互いに対向するよう陰極と陽極とが配置されている。
図1において、35A、35Bは、各々、リード棒であり、38は、リード棒35Bと外部リード線12とを電気的に接続する接続部材である。
【0019】
そして、放電容器31内には、点灯始動ガスとして希ガスと、当該放電容器31の内壁の黒化抑制のためのハロゲンと、発光物質として水銀とが封入されている。
【0020】
高圧水銀放電ランプ30においては、放電容器31内における水銀の封入量は、0.25mg/mm3 以上であることが好ましい。
水銀の封入量が0.25mg/mm3 以上であることにより、高圧水銀ランプ30に高い輝度が得られることから、光源装置10に一層高い光放射性能を得ることができる。
【0021】
上記の光源装置10において、凹面反射鏡20における基体20Aは、金属よりなるものとされる。
基体20Aを構成する金属としては、熱伝導率が3.2W/k・m以上のもの、好ましくは50W/k・m以上のものが用いられ、具体的には、例えば熱伝導率が233W/k・mであるアルミニウム、熱伝導率が56W/k・mである鉄、熱伝導率が381W/k・mである銅などが挙げられる。
基体20Aとしては、アルミニウムよりなるものが好ましく用いられる。
【0022】
基体20Aは、最小肉厚部において例えば2mm以上の厚みを有するものであることが好ましい。
基体20Aが上記範囲の厚みを有するものであることにより、凹面反射鏡20に、高い放熱性が得られると共に、点灯状態の高圧水銀放電ランプ30が破損した場合の衝撃に耐えうる十分な強度が得られる。
【0023】
基体20Aの集光部21および前側カバー23における内表面に形成される中間層は、その表面上に可視光反射層が形成される支持層であり、基体20Aと可視光反射層との一体性が得られるものであればよく、例えばシリカを主成分とするガラス質層よりなるもの、あるいは熱吸収層とガラス質層との積層体よりなるもの、または基体を研磨し、その表面に高耐熱アルマイト処理を施してアルマイト層を得、更にその上に高耐熱性樹脂層を設けることにより得られる平滑層よりなるものが挙げられる。この平滑層は、アルマイト層を有するものに限定されず、アルマイト層に代えて他の金属酸化物層を有するものであってもよい。
ここに、熱吸収層とは、例えば厚さ1〜500μmのシリカを主成分とし、凹面反射鏡の基体を構成する金属の酸化物(以下、「特定の金属酸化物」ともいう。)を含有する層であって、熱吸収性能を有するものである。
【0024】
そして、中間層がガラス質層を有するものである場合には、可視光反射層を形成すべき表面の表面平滑性が容易に得られるが、非常に高い集光効率が求められる場合には、ガラス質層を研磨することによって更に表面平滑性を向上し、これにより、一層高い集光効率を得ることができる。
【0025】
中間層を形成するガラス質層の厚さは、通常、1mm以下とされるが、500μm以下であることが好ましく、特に200〜300μmであることが好ましい。
ガラス質層の厚さが1mmを超える場合には、ガラス質層を構成する材料と、基体20Aを構成する金属との熱膨張率の差に起因して当該ガラス質層にクラックが生じるおそれがある。
【0026】
中間層の表面上に形成される可視光反射層は、例えばシリカ(SiO2 )層およびチタニア(TiO2 )層が交互に積層されてなる厚さ0.5〜10μmの誘電体多層膜からなるものであって、主として赤外線領域および紫外線領域の光を透過し、かつ可視光を反射する機能を有するものである。
【0027】
このようなガラス質層を中間層として有する構成の凹面反射鏡20は、例えば絞り加工、切削加工、プレス加工、ダイキャストなどの手法によって金属よりなる所望の形状の基体20Aを得、当該基体20Aにおける所定の内表面に、ガラス質層形成用懸濁液を塗布し、例えば温度150℃で加熱して乾燥することによって得られた塗膜を焼結処理することによってガラス質層を形成し、更に、得られたガラス質層の表面に、蒸着法などによってシリカ層と、チタニア層とを交互に積層して可視光反射層を形成することにより製造することができる。
【0028】
ガラス質層形成用懸濁液は、石英ガラスを主成分とし、その他の成分として、長石、炭酸カリウム、硝酸ナトリウム、酸化コバルト、酸化ニッケルなどを含有する混合物を溶融し、それを固化することによりガラス質フリットを得、このガラス質フリットを粉砕した後、その粉を水などに混合することによって調整される。
また、ガラス質層形成用懸濁液の塗布方法としては、例えばスプレー法、浸漬法(ディッピング法)などが挙げられる。
【0029】
ガラス質層を形成するための焼結処理は、基体20Aを構成する金属の種類、ガラス質層形成用懸濁液の組成などによって異なるが、最高加熱温度を、例えば550℃として、1〜5分間加熱する条件で行われる。
このような焼結条件による焼結処理によれば、基体20Aを構成する金属が熱拡散することによって中間層として熱吸収層とガラス質層との積層体よりなるものを得ることができる。
また、熱吸収層とガラス質層との積層体は、ガラス質層形成用懸濁液中に適宜の割合の特定の金属酸化物を混合し、この懸濁液と通常の懸濁液とを順に基体に塗布して焼結処理することによって形成することもできる。
【0030】
光源装置10においては、図1に示すように、高圧水銀放電ランプ30における放電容器31の最大外径をdとし、凹面反射鏡20の第1焦点位置における内径をIとするとき、I/dの値が3.5以下であることが好ましく、特に1.5以上で3.5以下であることが好ましい。
【0031】
I/dの値が3.5を超える場合には、光源装置10の動作中において、凹面反射鏡20の内部空間に対流が発生し、点灯状態の高圧水銀放電ランプ30の最も高温となりやすい部分(図1において上方部分であり、以下、「最高温部分」ともいう。)が異常に高温となって最も低温となりやすい部分(図1において下方部分であり、以下、「最低温部分」ともいう。)との温度差が大きくなる。そのため、高圧水銀放電ランプに封入されているすべての水銀を蒸発した状態とした場合には最高温部分が異常な高温となり白濁等の不具合が発生する。
【0032】
また、I/dの値を1.5未満とするためには、少なくとも凹面反射鏡20および高圧水銀放電ランプ30のいずれか一方を特殊な形状のものとしなければならず、光源装置10を容易に作製することができなくなる。
具体的な例として、I/dの値が1.5未満である条件を満たす光源装置としては、例えば図2に示すように、凹面反射鏡40として、その後方部が球面ミラー形状であって前方部が楕円ミラー形状である集光部41を有する、いわゆるダブルミラー構造のものを用いる必要がある。
【0033】
以上のような光源装置10においては、凹面反射鏡20が金属よりなる基体20Aを有するものであることから、当該凹面反射鏡20に優れた放熱性が得られ、例えば通風孔などを介して冷却風を流通させることなく、当該光源装置10の構成要素である凹面反射鏡20および高圧水銀放電ランプ30などが過熱されることを抑制することができるため、高圧水銀放電ランプ30の放電容器31に失透が生じる、あるいは高圧水銀放電ランプ30自体が破損するなどの弊害を伴うことなく、水銀の封入量が0.25mg/mm3 以上である高い輝度を有する高圧水銀放電ランプ30を、光源として好適に用いることができる。
また、凹面反射鏡20の内表面において、可視光反射層が中間層であるガラス質層によって支持されていることから、可視光反射層に高い耐久性が得られると共に、この可視光反射層がガラス質層によって平滑化された表面上に形成されていることから、当該可視光反射層に優れた反射性能が得られ、高圧水銀放電ランプ30からの放射光を高い効率で凹面反射鏡20の開口部から投射することができる。
従って、光源装置10によれば、装置全体が小型化されてなる、凹面反射鏡20と前面ガラス19とによって形成される密閉状態の空間内に高圧水銀放電ランプ30が収容されてなる構成を有するものであっても、高圧水銀放電ランプ30に白濁、黒化などが生じるなどの弊害を伴うことなく優れた演色性および高い強度を有する光を放射することができるため、安定的な高い光放射性能を得ることができる。
【0034】
光源装置10においては、I/dの値が3.5以下であることにより、光源装置10の動作中において、点灯状態の高圧水銀放電ランプ30の最高温部分と、最低温部分とに大きな温度差が生じることを抑制することができるため、高圧水銀放電ランプ30として水銀の封入量が大きいものを好適に用いることや、高圧水銀放電ランプ30に大きな電力を投入することなどができる。従って、光源装置10においては、光源である高圧水銀放電ランプ30に高い輝度が得られることから、一層高い光放射性能を得ることができる。
【0035】
実際上、アルミニウム製の基体20Aを有してなる凹面反射鏡20を備えてなり、I/dの値が3.5以下である光源装置10においては、0.25mg/mm3 以上の水銀が封入されている高圧水銀放電ランプ30の最低温部分の温度を、水銀が確実に蒸発状態とされる温度(例えば850℃)とした場合であっても、最高温部分の温度が、放電容器31に失透が生じる、あるいは高圧水銀放電ランプ30自体が破損するなどの問題の発生が顕著となる温度(例えば1050℃)を超えることがない。
なお、凹面反射鏡として、ガラス製の基体を備えてなる光源装置においては、高圧水銀放電ランプの最低温部分の温度を、封入されている水銀が確実に蒸発状態とされる温度以上とした場合には、放電容器に失透が生じる、あるいは高圧水銀放電ランプ自体が破損するなどの問題が高い割合で生じてしまう。
【0036】
以上のような光源装置10は、液晶プロジェクター装置における液晶パネルを照明する照明光源として好適に用いることができる。
そして、光源装置10においては、その用途に応じて、高圧水銀放電ランプ30は、直流型、交流型のいずれのものであってもよい。
更に、光源装置10は、高圧水銀放電ランプ30を、その管軸が凹面反射鏡20の光軸と一致するように装着するという配置方法に特に限定されるものではなく、適宜に設計することができる。
【0037】
以上、本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明は上記の例に限定されるものではなく、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、凹面反射鏡においては、中間層として形成されたガラス質層の上に再度ガラス層を設けることにより超平滑面を形成することもできる。
この場合には、可視光反射層が形成される表面が極めて平滑化された状態となるため、優れた反射性能を有する可視光反射層を形成することができ、これにより、光源装置に一層高い光放射性能が得られる。
【0038】
また、光源装置は、図3に示すように、高圧水銀放電ランプ30に、放電容器31および封止管部33Bの外周に沿って高圧水銀放電ランプ30の管軸方向に伸び、一端にリード棒35Bが電気的に接続され、他端に外部リード線12が電気的に接続されているサポータ本体39Aと、当該サポータ本体39Aを支持するための支持用バンド39B、39Bとにより構成されるサポータ39が装着されてなるものであってもよい。この場合には、外部リード線12を取り回す際に高圧水銀ランプ30にかかる応力を緩和することができる。
【0039】
本発明の作用効果を確認するため、次の実験を行った。
【0040】
〔実験例1〕
高圧水銀放電ランプとして、図1に示されている構成を有し、最大外径12mmの石英ガラス製の放電容器を有し、当該放電容器内に、水銀0.275mg/mm3 と、希ガスとしてアルゴンと、ハロゲンとして臭素とが封入されてなる、定格電力200Wの直流点灯用の高圧水銀放電ランプ(以下、「高圧水銀放電ランプ(1)」ともいう。)を用意し、この高圧水銀放電ランプ(1)との関係において、I/dの値が表1に示す数値となる形状を有する凹面反射鏡を作製した。作製された凹面反射鏡の形状を図番によって表1に示す。
【0041】
<凹面反射鏡の作製例>
ダイキャストによってアルミニウムよりなる所望の形状の基体を得、当該基体の集光部および前面カバーに係る内表面に、後述する懸濁液(A)をスプレー法によって塗布し、温度150℃で加熱して乾燥することによって得られた塗膜を、最高加熱温度を550℃として5分間加熱する焼結処理を行うことにより、基体の内表面に、厚さ10μmの熱吸収層および厚さ200μmのガラス質層がこの順に積層されてなる中間層を形成し、更に、得られた中間層におけるガラス質層の表面に蒸着法により、シリカ(SiO2 )層と、チタニア(TiO2 )層とを交互に積層した可視光反射層を形成することによって凹面反射鏡を作製した。
【0042】
<ガラス質層形成用懸濁液の調整例>
石英ガラス32質量%と、長石16質量%と、炭酸カリウム9.6質量%と、硝酸ナトリウム4.7質量%と、酸化コバルト1質量%と、酸化ニッケル0.3質量%とを含む混合物を温度1400℃で溶融し、この溶融物を固化することによりガラス質フリットを得、このガラス質フリットを粉砕した後、当該ガラス質フリットの粉100gを、珪石粉10g、シリカゲル1.5g、ベンナイト0.5g、亜硝酸ソーダ0.2gおよび水50gよりなる混合物に添加して混合し、ボールミルを用いて分散粒子の粒子径が200メッシュ以下となるよう処理することにより、ガラス質層形成用懸濁液(「懸濁液(A)」ともいう。)を調整した。
【0043】
<動作テスト>
作製した各々の凹面反射鏡に、予め用意した高圧水銀放電ランプ(1)を、当該高圧水銀放電ランプ(1)の管軸と、凹面反射鏡の光軸とが一致するように略水平に配置し、この高圧水銀放電ランプ(1)の後端を筒状頸部において接着剤を用いて固着することによって固定した後、この凹面反射鏡に接着剤を用いて板状の耐熱ガラスよりなる前面ガラスを装着することによって実験用光源装置を作製した。
作製した実験用光源装置の各々を、高圧水銀放電ランプ(1)の管軸が水平となる状態で動作状態とし、動作開始から10分間経過後の高圧水銀放電ランプ(1)の最高温部分(図1において上方部分)の温度(以下、「上部温度」ともいう。)および当該高圧水銀放電ランプ(1)の最低温部分(図1において下方部分)の温度(以下、「下部温度」ともいう。)を測定し、この上部温度と下部温度との温度差ΔTを算出した。結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
Figure 0004333212
【0045】
以上の実験からは、I/dの値が3.5以下であることにより、点灯状態の高圧水銀放電ランプの上方に位置する最高温部分と、下方に位置する最低温部分とに、200℃以上の大きな温度差が生じることを抑制することができることが理解される。
また、I/dの値を1.5未満とするためには、凹面反射鏡として、図2に示されるようなダブルミラー構造を有するものを用いる必要があることが理解される。
【0046】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明がこれによって制限されるものではない。
【0047】
<実施例1>
図1に示されている構成に従い、凹面反射鏡と、高圧水銀放電ランプと、前面ガラスとを備えた光源装置(以下、「光源装置(1)」ともいう。)を作製した。
この光源装置(1)を構成する凹面反射鏡は、第1焦点距離が7mm、第1焦点位置における内径が28mmであって、ダイキャストによって熱伝導率233W/k・mのアルミニウムよりなる所望の形状の基体を得、当該基体の集光部および前側カバーに係る内表面に、懸濁液(A)をスプレー法によって塗布し、温度150℃で加熱して乾燥することによって得られた塗膜を、最高加熱温度を550℃として5分間加熱する焼結処理を行うことにより、基体の内表面に、厚さ10μmの熱吸収層および厚さ200μmのガラス質層がこの順に積層されてなる中間層を形成し、更に、得られた中間層におけるガラス質層の表面に蒸着法により、シリカ(SiO2 )層と、チタニア(TiO2 )層とを交互に積層した可視光反射層を形成することによって作製したものである。
また、高圧水銀放電ランプは、最大外径11.5mmの石英ガラス製の放電容器を有し、当該放電容器内に、水銀0.275mg/mm3 と、希ガスとしてアルゴンと、ハロゲンとして臭素とが封入されてなる、定格電力200Wの直流点灯用のランプである。
また、前面ガラスは、耐熱ガラスよりなる平板である。
【0048】
作製した光源装置(1)を、高圧水銀放電ランプの管軸が水平となる状態で動作状態とし、動作開始から10分間経過後の高圧水銀放電ランプの最高温部分(図1において上方部分)の温度(上部温度)および当該高圧水銀放電ランプの最低温部分(図1において下方部分)の温度(下部温度)を測定し、この上部温度と下部温度との温度差ΔTを算出した。結果を表2に示す。
また、動作中において、高圧水銀放電ランプを観察したところ、放電容器に失透の発生がないことが確認された。
【0049】
<比較例1>
比較例1としては、凹面反射鏡として、基体が熱伝導率1.9W/k・mの石英ガラスよりなり、当該基体の内表面に直接可視光反射層が形成されてなるものを用いたこと以外は実施例1と同様の構成を有する光源装置(以下、「比較用光源装置(1)」ともいう。)を作製し、この比較用光源装置(1)を、実施例1の光源装置(1)と同様の条件にて動作状態とし、上部温度と下部温度との温度差ΔTを算出した。結果を表2に示す。
また、動作中において、高圧水銀放電ランプを観察したところ、放電容器に失透が発生していることが確認された。
【0050】
【表2】
Figure 0004333212
【0051】
【発明の効果】
本発明の光源装置によれば、凹面反射鏡が金属よりなる基体を有してなるものであることから、凹面反射鏡に優れた放熱性が得られ、当該光源装置の構成要素が過熱されることを抑制することができる。そのため、光源として高い輝度を有する高圧水銀放電ランプを用いても安定的な出力を得ることができる。更には、可視光反射層が中間層上に設けられており、当該中間層が可視光反射層の支持層として作用することから、当該可視光反射層に高い耐久性が得られ、その結果優れた反射性能が得られる。
従って、本発明の光源装置によれば、小型であっても安定的な高い光放射性能を得ることができる。
【0052】
また、本発明の光源装置においては、凹面反射鏡と高圧水銀放電ランプとを特定の配置状態で配置することにより、点灯状態の高圧水銀放電ランプの一部分のみが異常に高温となることを確実に抑制することができるため、光源として高い輝度が得られる高圧水銀放電ランプを好適に用いることができ、これにより、一層高い光放射性能を安定的に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光源装置の構成の一例を示す説明用断面図である。
【図2】本発明の光源装置における凹面反射鏡の構成の他の例を示す説明用断面図である。
【図3】本発明の光源装置の構成の更に他の例を示す説明用断面図である。
【図4】従来の光源装置の構成の一例を示す説明用断面図である。
【符号の説明】
10 光源装置
12 外部リード線
15 絶縁部材
15A 貫通孔
16 接続端子
19 前面ガラス
20 凹面反射鏡
20A 基体
21 集光部
21A 前端
21B 後端
23 前側カバー
24 前方外縁部
25 筒状頸部
29 放熱用フィン
30 高圧水銀放電ランプ
31 放電容器
33A、33B 封止管部
35A、35B リード棒
37 接着剤
38 接続部材
39 サポータ
39A サポータ本体
39B 支持用バンド
40 凹面反射鏡
41 集光部
50 光源装置
52 凹面反射鏡
55 高圧水銀放電ランプ
56 放電容器
58 前面ガラス
59A、59B 通風孔

Claims (1)

  1. 希ガス、ハロゲンおよび水銀が封入された放電容器内に一対の電極が対向配置されてなる高圧水銀放電ランプと、この高圧水銀放電ランプが収容され、当該高圧水銀放電ランプからの放射光を反射してその反射光を開口部を介して投射する凹面反射鏡と、当該凹面反射鏡の開口部に設けられた透光性を有する前面ガラスとを具備する光源装置において、
    前記凹面反射鏡が、金属よりなる基体と、当該基体の内表面に設けられた中間層と、当該中間層上に設けられた誘電体多層膜層よりなる可視光反射層とからなり、
    前記高圧水銀放電ランプは、放電容器内に0.25mg/mm 3 以上の水銀が封入されているものであり、
    前記凹面反射鏡と前記前面ガラスとによって形成される密閉状態の空間内に前記高圧水銀放電ランプが収容されており、
    前記高圧水銀放電ランプにおける放電容器の最大外径をdとし、前記凹面反射鏡の第1焦点位置における内径をIとするとき、I/dの値が3.5以下で1.5以上であることを特徴とする光源装置。
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