JP2012198997A - ロングアーク型メタルハライドランプ及び光照射装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ロングアーク型メタルハライドランプにおいて、発光管の外表面上に、その全長に亘って略一定幅に形成された紫外光に対して反射性を備えた反射膜を有し、反射膜はシリカ粒子を主成分として構成されている。またタルハライドランプと反射ミラーを備えた光照射装置において、反射ミラーは冷却風用の開口が形成されてなり、メタルハライドランプは、発光管の外表面上に反射ミラーの開口に対向した領域に紫外光に対して反射性を備えた反射膜を有し、該反射膜はシリカ粒子を主成分として構成されている。
【選択図】 図1
Description
図5は、上記光照射装置の一例を示す説明図である。
メタルハライドランプ10は長尺の石英ガラスからなる発光管11を備え、内部に一対の電極が対向配置されている。発光管11の内部には水銀、鉄、ハロゲン及びその他の金属が封入されている。ランプ10の背面(図において上部)には、ランプ10から放射された光をワークWに向けて反射する反射ミラー20が配置されており、メタルハライドランプ10の下方に配置されたワークWであるガラス基板に対して、ランプから放射された光が照射されるように構成されている。
ランプ10から放射された光を反射するためのミラー20は、中心部に相当する位置がランプの長さ方向全長にわたって開口しており、通風口52が形成されて冷却風が流過可能となっている。通風口52の上部には、例えばダクト55と吸引ファン(不図示)が取り付けられており、吸引によってランプ下方から上部に向かって気流が形成されるようになる。これにより、ランプ10の側面及びランプ10の上部近傍を通過して通風口52に気流が流れ込み、ランプのなかで最も加熱するランプ上側の面が効率よく冷却されるようになる。
しかしながら、このようなランプ背面に通風口52が形成された装置では、前記通風口52と対向する発光管11表面から放射された光は、通風口52に抜けて利用されることがない。すなわち、効率が悪くなるという問題が潜在的にある。
また、上記装置では、液晶パネル基板の大型化が進み、一辺が1000mmを超える大型の基板を処理する装置が要求されることから、光源となるメタルハライドランプは長尺化が進んでいる。この結果、個々のランプに投入される電力もまた大きなものとなってきており、ランプを常にフル点灯した状態で装置を駆動すると、エネルギー的にロスが大きく、効率が悪いことが問題となっている。
このような事情に鑑み、近時、ワーク搬送中の被処理の間、ランプに投入する電力値を下げて点灯することで、ランプのONの動作を瞬時に行えるよう、ランプを待機状態に維持し、全体として省電力化を図るといった方法が採用されている。
反射膜として蒸着膜を用いると発光管が800℃を超えるような過熱状態で使用されるため、蒸着物質が揮発して最終的になくなってしまう。
また更に本発明に係る光照射装置は、ロングアーク型メタルハライドランプと、このメタルハライドランプを覆う略樋状の反射ミラーと、このメタルハライドランプおよび反射ミラーを通風により冷却する冷却機構とよりなる光照射装置において、前記反射ミラーは、当該光照射装置の光出射方向と対向する位置に冷却風用の開口が形成され、前記メタルハライドランプは、その発光管の外表面上であって前記反射ミラーの開口に対向した領域に紫外光に対して反射性を備えた反射膜を有し、前記反射膜はシリカ粒子を主成分として構成されていることを特徴とする。
シリカ粒子からなる反射膜はアルミナ粒子からなる反射膜に比べ、波長400nm以上の反射が劣るため、不要である可視光〜赤外光領域の反射を抑えられるようになり、ランプの温度上昇を抑制することができる。従って、シリカ反射膜によりランプから放射された光を効率よくワークに向けて放射することができると共に、紫外光を主に反射するのでランプの過熱を防止できて、反射膜の剥れ、更には黒化を抑制して高い照度維持率を実現することができる、メタルハライドランプ及び光照射装置を提供することができる。
図1は本発明に係るメタルハライドランプであり、発光管の管軸に沿って切断した断面図である。
図2は本発明に係るメタルハライドランプを光照射装置に組み込んだ状態を説明する図であり、(A)発光管の管軸に対して垂直方向に切断した断面図、(B)反射膜近傍を拡大して示す説明図である。なお、メタルハライドランプが搭載される光照射装置の全体の構成について、先に示した図5の構成と同様であり、ここでは図5を参照し、同符号を用いて説明する。
図5において、光照射装置50は、上部に形成された通気孔52、ランプ配置用空間53、及び、下方に開口する光照射口54が形成された略箱型形状のランプハウス51を具えている。ランプハウス51は、上部に排気ファン(不図示)が設置され、通気口52に連通するダクト55が設けられている。ランプ配置用空間53には、メタルハライドランプ10の発光領域L(発光長)の大きさと同等またはそれ以上の長さを有すると共に楕円面反射面を有する樋状の反射ミラー20がその第1焦点の位置がメタルハライドランプ10の発光部を構成するランプ中心と一致する状態で配置されている。
同図に示されるように、波長約300〜400nmの波長領域においては曲線(A),(B)共、反射率は95%を超えるような高いものとなっている。しかしながら、可視領域から赤外領域の波長帯の光では、曲線(A),(B)は、波長が長くなるに従い差異が大きくなっている。すなわち、曲線(A)では、波長が長い光では徐々に反射率が低下しており、これに対して曲線(B)の場合、波長が長くなるに従って徐々に上昇しており、反射率は格段に高いものとなっている。
従って(A)のシリカ粒子からなる反射膜を使用すると、主要な波長300〜450nm領域の光に対して高い反射率で反射することができ、一方、被処理物の処理に不要な可視ないし赤外領域の光については、低い反射率で反射することができるようになる。この結果、紫外光をメタルハライドランプの発光管を通過させることができ、ワーク側に取り出すことが可能になる共に、可視光〜赤外光の光は発光管に戻る量が少なく、ランプの過熱を防止することができるようになる。
なお、反射膜17は、シリカ粒子を主成分とするものであれば他の反射性の粒子を含む状態であっても構わない。なお本発明において、反射膜はシリカ粒子を主成分として構成されているとは、反射膜の構成割合において50vol%以上の割合でシリカ粒子を含んでいるという意味である。シリカ粒子以外の反射性の粒子の例としては、アルミナ、マグネシア、ジルコニア、チタニアなどである。
すなわち、メタルハライドランプにおいて、通気孔に対応する領域、すなわち、反射ミラーによって反射されない領域に反射膜が形成されているので、ランプから放射された光を、効率よく利用することができるという既存の効果に加えて、反射膜がシリカ粒子からなるものであるので、紫外領域の光については高い反射率を維持しつつ、実質的に不要となる紫外領域以外の光についてアルミナよりも反射率が低いことによって、可視光〜赤外光の反射が抑制されて、発光管の過熱が抑制される。
この結果、メタルハライドランプの冷却が間欠的に生じる場合であっても、発光管の過熱が抑制されて、反射膜が熱で剥がれ落ちたり、発光管を構成するシリカガラスと封入物である鉄(Fe)とが反応して発光管が黒化したりするという問題を回避できるようになる。
以下、以上説明した本願発明の構成に類似するサンプルを作製し、実際にメタルハライドランプ装置を動作させたときと同様の温度状態を擬似的に形成して、発光管に設けた反射膜の耐熱性がどのような程度であるか性能について検証を行った。
まず、基材として発光管を構成するものと同じ材質、すなわち石英管を使用し、この表面に反射膜を形成したサンプルを作製した。具体的には、外径26mmの石英管の外表面上に、膜厚およそ100μmになるようにシリカ粒子又はアルミナ粒子を膜付けして作製した。
このサンプルを合計10個作製し、電気炉を用いて昇温、冷却のサイクルを加えることにより膜剥れの耐久性を確認した。
温度サイクルの条件は、800℃キープを30分、0℃キープ30分を1サイクルとし、これを100サイクル繰り返すことによった。
テストの前後においてサンプルの重量を測定し、重量変化率から剥れが発生したか否かを検証した。
重量変化率(%)=(テスト前の重量−テスト後の重量)÷テスト前の重量×100
11 発光管
11a 封止部
12,13 電極
14 反射膜
20 反射ミラー
21 通風口
W ワーク
50 光照射装置
51 ランプハウス
52 通気口
53 ランプ配置空間
54 光照射口
55 ダクト
Claims (2)
- ロングアーク型メタルハライドランプにおいて、
円筒状の石英ガラスからなる発光管の内部に、発光物質として鉄が封入され、
前記メタルハライドランプは、前記発光管の外表面上に、当該発光管の全長に亘って略一定幅に形成された紫外光に対して反射性を備えた反射膜を有し、
前記反射膜はシリカ粒子を主成分として構成されている
ことを特徴とするロングアーク型メタルハライドランプ。
- ロングアーク型メタルハライドランプと、このメタルハライドランプを覆う略樋状の反射ミラーと、
このメタルハライドランプおよび反射ミラーを通風により冷却する冷却機構とよりなる光照射装置において、
前記反射ミラーは、当該光照射装置の光出射方向と対向する位置に冷却風用の開口が形成され、
前記メタルハライドランプは、その発光管の外表面上であって前記反射ミラーの開口に対向した領域に紫外光に対して反射性を備えた反射膜を有し、
前記反射膜はシリカ粒子を主成分として構成されている
ことを特徴とする光照射装置。
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