JP5120519B2 - 光源装置 - Google Patents
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Description
LCDパネルを使う方式は、1枚式と3枚式があるが、いずれの方式であっても、光源からの放射光を3色(RGB)に分離して、LCDパネルにおいて画像情報に対応させた光を透過調整して、その後、パネルを透過した3色を合成させてスクリーン上に投射させる方式である。
一方、DLPを使う方式は、光源からの放射光をRGBの領域が分割形成された回転フィルターを介して、空間変調素子(光変調デバイスともいい、具体的にはDMD素子などをいう)などを時分割で照射し、このDMD素子で特定の光を反射させてスクリーンに照射するものである。DMD素子とは、1画素ごとに対応する小さな鏡を数百万個敷き詰めたものであって、一つ一つの小さな鏡の向きを制御することで光の投射が制御される。
DLP方式は、LCD方式に比較して、光学系が簡易であるとともに3枚ものLCDパネルを使う必要がないことから装置全体が小型簡易化するメリットがある。
また、このショートアーク型水銀ランプは、スクリーンに投射される画像を明るくするために、回転楕円面形状の凹面反射鏡の中に組み込まれる。凹面反射鏡を使うことで、ショートアーク型水銀ランプから四方八方に放射される光を集束させて、限られた面積のスクリーンに効率よく照射できるからである。
プロジェクター装置に対して小型化が要求されると、当然に、プロジェクター装置の中に組み込まれる、ショートアーク型水銀ランプおよび凹面反射鏡などによって構成される光源装置も小型化が要求される。
その一方で、当然ではあるが、このような寸法、形状の制約を受けたとしても、ショートアーク型水銀ランプの放射光の利用効率を低下させることはできない。
さらに、反射鏡より出射された光の光路修正機能を有するレンズ42により構成される技術が示されている。
このショートアーク型水銀ランプのアーク方向と光軸が一致するとともに、第一焦点が概ね前記電極間に形成された状態で当該ショートアーク型水銀ランプを取り囲むよう配置された回転楕円面からなる主反射鏡と、
該主反射鏡の開口部を取り囲むように配置されるとともに、該ショートアーク型水銀ランプから該主反射鏡の開口側へ直接放射された光を該主反射鏡に向けて再び反射させるための副反射鏡と、
前記副反射鏡に形成された、該主反射鏡から反射した光が通過するための開口部と、
よりなる光源装置において、
前記主反射鏡は、前記ショートアーク型水銀ランプの放射光のうち、紫外光と可視光を反射するが赤外光を透過するものであり、
前記副反射鏡は、前記ショートアーク型水銀ランプの放射光のうち、紫外光と可視光を反射するものであり、
該主反射鏡からの反射光のうち可視光を透過するが紫外光を反射する波長選択性光学部材が、該主反射鏡の第二焦点位置と該副反射鏡との間の位置に配置されていることを特徴とする。
上記の光源装置は、さらに、前記副反射鏡の入射側の開口径の大きさが、前記主反射鏡の開口径より大きいことを特徴とする。
(1)ショートアーク型水銀ランプから放射される光のうち紫外光がショートアーク型水銀ランプの発光部に戻されることにより、ショートアーク型水銀ランプの発光を高めることができる。これは、紫外光がランプ内の水銀蒸気に吸収されることにより、発光部が全体として高温に維持されるからである。
(2)ショートアーク型水銀ランプから放射される光のうち可視光は、直接電極に戻る場合は電極が局所的に高温化して損耗するという問題を生じるが、本発明では、紫外光と同様にアーク中の水銀蒸気を加熱する作用を発揮し、結果としてショートアーク型水銀ランプの発光を高める効果が得られ、さらに、ショートアーク型水銀ランプに戻った可視光の一部は、ショートアーク型水銀ランプの発光部の容器壁及び発光部の容器内壁付近に存在する、アーク部におけるよりも温度の低い水銀蒸気を加熱するので、これにより、当該ショートアーク型水銀ランプの発光を高める効果が得られる。
具体的構成を、図面を用いて説明する。
光源装置は、ショートアーク型水銀ランプ10、主反射鏡20、および副反射鏡30より構成される。主反射鏡20は、ショートアーク型水銀ランプ10を取り囲むように配置されており、ショートアーク型水銀ランプ10のアーク方向、すなわち、電極の先端同士を結ぶ方向と、主反射鏡20の光軸Zは一致している。また、主反射鏡20は、電極間のほぼ中心位置を、第一焦点とする回転楕円面構造であり、副反射鏡30はランプ発光部の球面形状に対応して球面状構造に形成されている。
そして、波長選択性光学部材40の光進行方向の前方に、液晶パネルやDLP用回転色フィルターが配置されてプロジェクターが構成される。
ショートアーク型水銀ランプ10の放射光には、可視光(VIS)、赤外光(IR)、紫外光(UV)が含まれている。可視光(VIS)の波長域は概ね400nm〜700nmであり、赤外光(IR)の波長域は概ね700nm以上であり、紫外光(UV)の波長域は概ね400nm以下とした。図では、反射鏡やレンズに入射する光を実線で示し、レンズを透過し放射される可視光(VIS)を一点鎖線で示し、赤外光(IR)を点線で示している。
ランプ放射光のうち、副反射鏡30に達した光53は、副反射鏡30において、可視光(VIS)と紫外光(UV)を反射して、赤外光(IR)を透過させる。
次に、主反射鏡20に達した光55は、主反射鏡20において、可視光(VIS)と紫外光(UV)を反射して、赤外光(IR)を透過させる。光55は、ショートアーク型水銀ランプ10から直射する光もあるが、副反射鏡30で反射した光も含んでいる。
さらに、波長選択性光学部材40に達した光51は、この波長選択性光学部材40において、可視光(VIS)を透過して、紫外光(UV)を反射する。反射した紫外光(UV)は、主反射鏡20を介して、再びショートアーク型水銀ランプ10に戻される。なお、波長選択性光学部材40に達した光51のうち、赤外光(IR)も干渉膜43により反射される。
発光部11の内部には水銀蒸気が充満している。ここで、発光部11に戻ってくる戻り光52,54のうち紫外光(UV)を水銀蒸気が吸収することで、発光部11の温度が昇温する。一方、戻り光52,54に含まれる可能性のある赤外光(IR)は、ショートアーク型水銀ランプの発光部の容器内壁付近に存在する、アーク部よりも温度の低い水銀蒸気に吸収されて当該水銀蒸気の温度が上昇すると共に、容器の管壁の温度も上昇する。これによりショートアーク型水銀ランプの発光が強められる。
発光部11あるいは水銀蒸気に吸収されなかった紫外光と赤外光は、電極間の空間を通り抜け、ショートアーク型水銀ランプを通過する。このため、局所的に電極を高温化させることはなく、これによる電極損耗を避けることができる。電極の空間を通り抜けた戻り光52,54のうち紫外光は、再び主反射鏡20及び副反射鏡30に反射されてショートアーク型水銀ランプの発光部に戻され、ショートアーク型水銀ランプの発光を強めることに寄与する。一方、赤外光は電極間の空間を抜けた後、主反射鏡20に反射されることなく透過し、反射鏡外部へと放出される。紫外光と同様に、主反射鏡20と副反射鏡30の間を繰り返し反射させて発光部11に戻すことが有益とも思われるが、電極間の空間を抜けた赤外光は徐々に最初の光路と違う方向に進んでいき、電極を直接加熱してしまうことになるので、一度電極間の空間を通過した赤外光は、主反射鏡を通し、反射鏡外へと放出するのが好ましい。
この例の副反射鏡30は、アルミへら絞り、プレス加工、切削加工などにより製作され、図1の例と同じ形状の回転反射面を有する。硼珪酸硝子を基材として使用した場合は、反射部材である干渉膜を設ける必要があるが、アルミニウムで製作される本実施例では、基材をそのまま使用しても、ショートアーク型水銀ランプからの発せられる全波長の光を反射することができる。この状況が本図の反射光53で示されている。反射面に何も加工せずに使用することも可能であるが、反射面の保護のためアルマイト処理を施して使用することもできる。この場合においても、ショートアーク型水銀ランプから発せられる全波長の光を反射することができる。さらには、硼珪酸硝子を基材として使用した場合と同じく、干渉膜による反射膜を形成することも問題なく行える。また、副反射鏡30をアルミニウムにすることで、硼珪酸硝子の基材の厚みが4mm程度になるのに対しアルミニウムのそれは1mm程度と非常に薄く、軽くすることができ、強度にも問題なく利用でき、薄くしたことにより、同じ外径であったとしても、出射光の光を妨げない副反射鏡の開口側寸法を大きくすることができ、捕捉できる光束を多くすることができる。
また、同様に、図1に示される構成により、主反射鏡20、副反射鏡30、波長選択性光学部材40のレンズ41について、波長300nm〜400nmの紫外光を反射する構成の本発明の光源装置によれば、紫外光を透過する従来の光源装置と比較して、光出力が10%改善していることが確認された。
2a 半球部
2b 突起
2c 軸部
11 発光部
12a,12b 封止部
13,13a,13b 電極
14a,14b 外部リード
15a,15b 導電用金属箔
20 主反射鏡
21 基材
22 反射部
24 首部
25 耐熱接着剤
30 副反射鏡
31 基材
32 干渉膜
40 波長選択性光学部材
41,42 レンズ
43,44 干渉膜
51,53,55 光
52,54 戻り光
Claims (11)
- 一対の電極を有する発光部とこの発光部の両端に設けられた封止部よりなるショートアーク型水銀ランプと、
このショートアーク型水銀ランプのアーク方向と光軸が一致するとともに、第一焦点が概ね前記電極間に形成された状態で当該ショートアーク型水銀ランプを取り囲むよう配置された回転楕円面からなる主反射鏡と、
該主反射鏡の開口部を取り囲むように配置されるとともに、該ショートアーク型水銀ランプから該主反射鏡の開口側へ直接放射された光を該主反射鏡に向けて再び反射させるための副反射鏡と、
前記副反射鏡に形成された、該主反射鏡から反射した光が通過するための開口部と、
よりなる光源装置において、
前記主反射鏡は、前記ショートアーク型水銀ランプの放射光のうち、紫外光と可視光を反射するが赤外光を透過するものであり、
前記副反射鏡は、前記ショートアーク型水銀ランプの放射光のうち、紫外光と可視光を反射するものであり、
該主反射鏡からの反射光のうち可視光を透過するが紫外光を反射する波長選択性光学部材が、該主反射鏡の第二焦点位置と該副反射鏡との間の位置に配置されていることを特徴とする光源装置。 - 前記副反射鏡は、前記ショートアーク型水銀ランプの放射光のうち、赤外光を透過するものであることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
- 前記副反射鏡は、アルミニウム材によって構成されたことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
- 前記波長選択性光学部材は、その入射面が、前記主反射鏡からの光が垂直に入射するように構成され、当該入射面に、可視光を透過し紫外光を反射する膜を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の光源装置。
- 前記波長選択性光学部材は、その入射面が平面であり、当該入射面に、可視光を透過し紫外光を反射する膜を有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の光源装置。
- 前記副反射鏡は球面反射鏡から構成されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の光源装置。
- 前記主反射鏡の開口径と、前記副反射鏡の入射側の開口径の大きさが、ほぼ一致することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の光源装置。
- 前記副反射鏡の入射側の開口径の大きさは、前記主反射鏡の開口径より大きいことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の光源装置。
- 前記副反射鏡の入射側の開口部が前記主反射鏡の開口部に連続しており、前記主反射鏡の光軸を含む平面で切断した断面において、前記電極間の中心から前記副反射鏡と前記主反射鏡の境界部に向けて引いた仮想線と、前記主反射鏡の光軸とのなす角をXとしたとき、30°≦ X ≦90°の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の光源装置。
- 前記ショートアーク型水銀ランプは、電極の先端に突起が形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の光源装置。
- 請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の光源装置を備えることを特徴とするプロジェクター。
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