JP2003077419A

JP2003077419A - 高圧放電ランプおよび照明器具

Info

Publication number: JP2003077419A
Application number: JP2001264299A
Authority: JP
Inventors: Daisuke Takayama; 大輔高山; Takahito Kashiwagi; 孝仁柏木; Makoto Hashimoto; 誠橋本; Toshihiko Ishigami; 敏彦石神
Original assignee: Toshiba Lighting and Technology Corp
Current assignee: Toshiba Lighting and Technology Corp
Priority date: 2001-08-31
Filing date: 2001-08-31
Publication date: 2003-03-14

Abstract

(57)【要約】【課題】既存の防飛被膜を用いてバルブが小形化され
たり高出力化されても外管バルブのガラス片の飛散を防
止できる高圧放電ランプおよびこの放電ランプを用いた
照明器具を提供することを目的とする。【解決手段】発光管バルブ４０の端部内に少なくとも
一対の電極５ａ，５ｂを対向して設けるとともに内部に
放電媒体を封入した発光管４と、中央部に膨出部１１
を、両端部側に小径部を有するとともに一端に封止部が
形成された内部に管軸に沿い発光管４Ａを配設するとと
もに内部に不活性ガスまたは窒素ガスを封入した外管バ
ルブ１と、この外管バルブ１の封止部側端部に設けられ
た口金３と、上記外管バルブ１の封止部寄りの表面に形
成した熱線反射膜と８、上記外管バルブ１上の表面に形
成した防飛被膜７とを備えている高圧放電ランプＬ１お
よびこの放電ランプＬ１を用いた照明器具９である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、発光管を封装した
外管バルブ上の外表面にフッ素樹脂からなる防飛被膜を
形成した高圧放電ランプおよびこの放電ランプを用いた
照明器具に関する。

【０００２】

【従来の技術】高圧放電ランプ、たとえばメタルハライ
ドランプはコンパクトで、高効率、高演色が得られるこ
とから店舗、商店街、ホールやスポーツ施設等で照明用
光源として使用されている。

【０００３】この高圧放電ランプは、高効率、高演色を
得るため発光管を小形化して温度を高めるとともに酸化
を防止するため、この発光管を不活性ガスや窒素あるい
は真空雰囲気とした外管バルブ内に封装した二重ガラス
管構造としてある。

【０００４】そして、放電ランプは外管バルブの端部に
接合された口金部を、高所に設けられた照明器具内のソ
ケットに装着して、その保持と電気的接続がなされて点
灯する。近時、この照明器具は、簡素化と取り付けの容
易さから開放型の器具が多く用いられるようになってき
ている。

【０００５】そこで、この放電ランプを特に店舗照明用
等として使用する場合、ランプに衝撃が加わったり、発
光管が破裂すること等の原因で外管バルブが万一破損し
ても、ガラスの破片が飛散落下しないよう、外管バルブ
の外表面にフッ素樹脂（たとえば特開平３−２９５１４
７号公報等に記載）等の材料で防飛被膜を形成すること
が行われている。

【０００６】このように外管の表面に防飛被膜を被覆し
ておけば、外管バルブの機械的強度を高めることができ
るとともに、万一外管バルブが破損してもガラス破片の
飛散を防ぐことができる。

【０００７】また、防飛被膜を形成しても高出力のラン
プにおいては外管バルブ破損の危険があることから、発
光管を囲み中空筒を設けるとともに外管バルブ内に封入
する窒素の封入圧力を下げることがたとえば特開平２０
００−９０８７９号公報等に開示されている。

【０００８】しかし、この種放電ランプの高効率化や高
演色化の要望は強く、さらに発光特性の向上をはかるた
め発光管に高い負荷をかけると、発光管はもとより外管
バルブの温度上昇を招く。この防飛被膜の形成材料のう
ちもっとも耐熱温度が高いフッ素樹脂で約２６０℃位が
使用限度であり、現在構成のランプではランプ電力が４
００Ｗ程度までのランプに適用するのが限界であった。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上述し
た放電ランプの高効率化や高演色化にともなったりある
いは高出力のランプ等、さらに外管バルブの温度上昇に
対処できる防飛手段について種々検討した結果、本発明
を完成するに至った。

【００１０】なお、本発明に類似した公知例として特開
平９−２５９８１９号公報がある。すなわち、この公報
には内面に金属反射膜を形成したリフレクター形（Ｒ
形）の外管バルブ内に、発光管およびこの発光管を囲み
中空筒を設けるとともに外管バルブ内に封入する希ガス
の封入圧力を規制し、かつ、バルブの表面にフッ素樹脂
等からなる被膜を形成した放電ランプが開示されてい
る。

【００１１】そして、この公報によれば、発光管が破裂
した場合に、形状上、上記リフレクター形（Ｒ形）およ
びボール形（Ｇ形）の外管バルブが破損し易く、この形
状の外管バルブへの対応であって、上記反射膜との関係
については何等の記載もない。

【００１２】本発明は、既存の防飛被膜を用いてバルブ
が小形化されたり高出力化されても外管バルブのガラス
片の飛散を防止できる高圧放電ランプおよびこの放電ラ
ンプを用いた照明器具を提供することを目的とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１に記載
の高圧放電ランプは、透光性高シリカガラスまたは透光
性セラミックからなる発光管バルブの端部内に少なくと
も一対の電極を対向して設けるとともに内部に放電媒体
を封入した発光管と、一端に封止部が形成された内部に
管軸に沿い発光管を配設した外管バルブと、この外管バ
ルブの封止部側端部に設けられた口金と、上記外管バル
ブの点灯時に上部となる表面に形成した熱線反射膜と、
上記外管バルブ上の表面に形成した防飛被膜とを具備し
ていることを特徴とする。

【００１４】この放電ランプは点灯が継続すると、放電
熱によって発光管が高温状態となり、発光管からは可視
光線とともに熱（赤外）線が四方八方へと放射され、外
管バルブも昇温する。そして、このランプでは、外管バ
ルブに点灯時上方となる側の表面に熱線反射膜が形成し
てあるので、この熱線反射膜部分に入射した熱（赤外）
線および可視光線はバルブのトップ部や膨出部方面に反
射されて外管バルブ外へと放射される。

【００１５】たとえば封止（ネック）部側が上方のベー
スアップの状態で点灯する場合は、この熱（赤外）線お
よび可視光線の放射が外管バルブのトップ部側が多くな
り、トップ部側の温度は少々上昇するが許容範囲内であ
り、また、熱線反射膜を形成していないランプに比べ封
止（ネック）部側の温度が低下する。すなわち、熱線反
射膜を併せ設けることにより、点灯時の外管バルブの表
面温度を低下させることができた。

【００１６】また、封止（ネック）部側が下方のベース
ダウンの状態で点灯する場合は、外管バルブのトップ部
側に形成した熱線反射膜部分で、封止（ネック）部側に
熱（赤外）線および可視光線の反射があり、可視光線の
放射が少々阻害されるがこのランプの点灯器具に設けた
反射鏡によってある程度はカバーできる。また、熱線反
射膜を、高低の屈折率が異なる物質を多層形成した光干
渉膜からなる可視光透過赤外線反射膜等とすることによ
り解消することもできる。

【００１７】なお、本発明ならびに以下の各発明におい
て、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は
次による。

【００１８】本発明が適用できる高圧放電ランプは、メ
タルハライドランプ、ショートアークメタルハライドラ
ンプ、水銀ランプ、高圧ナトリウムランプ等の高圧金属
蒸気放電ランプや希ガスが高圧封入された高圧ガス放電
ランプ等で、発光管が外管バルブ内に封装された二重管
等の多重管構造をしている。

【００１９】この発光管バルブ内に封入される放電媒体
としては、水銀、金属ハロゲン化物等の発光金属、希ガ
ス等が用途や特性等に応じて適宜選択して用いられる。

【００２０】本発明の高圧放電ランプは、口金側が上方
（ベースアップ）の点灯であっても下方（ベースダウ
ン）の点灯であってもよい発光管が垂直状態で点灯さ
れ、その許容範囲は垂直±３０°であればよかった。

【００２１】また、発光管バルブを形成する材料として
は、石英ガラス、ホウケイ酸ガラスやアルミノシリケー
トガラス等の酸化ケイ素を主成分とする透光性高シリカ
ガラスあるいはアルミナ、イットリア、マグネシア、ル
ビーやサファイア等からなる透光性セラミックを用いる
ことにより、発光特性、耐熱性、耐蝕性や電気絶縁性等
を満足できる。

【００２２】また、外管バルブ上の表面に形成した防飛
被膜とは、防飛被膜がバルブ外表面や熱線反射被膜の外
表面上にあることを表す。

【００２３】また、発光管バルブの封止部内に封止られ
る導入導体は金属箔に限らず、金属線であっても差支え
ない。

【００２４】さらに、発光管内に設けられる電極は、少
なくとも一対であって、補助電極の有無は問わない。

【００２５】本発明の請求項２に記載の高圧放電ランプ
は、外管バルブの内部に不活性ガスまたは窒素ガスが封
入されていることを特徴とする。

【００２６】外管バルブ内に不活性ガスまたは窒素ガス
を封入することにより、点灯時に高温となる発光管構成
部材、サポート部材やステム構成部材の酸化等を防止す
るとともにランプの再始動時間を短縮したり、万一の外
管バルブ破損時の爆縮を防止したりする等の作用を奏す
る。

【００２７】本発明が適用される外管バルブの形状は、
中央部に膨出部を有するとともに少なくとも口金が設け
られる封止（ネック）部側は熱反射が有効に行える回転
楕円形状をなしているのが好ましい。なお、この回転楕
円形状とは類似している回転楕円形状を含む。

【００２８】本発明の請求項３に記載の高圧放電ランプ
は、熱線反射膜が、アルミニウム、クロム、銀等の金属
膜または金属酸化物膜からなることを特徴熱線反射膜の
形成材料としては、アルミニウム、クロム、銀等の金属
または酸化ケイ素や酸化チタン等の金属酸化物からなる
白色物質あるいは酸化ケイ素と酸化チタン等の高低屈折
率物質を多層積層して形成した光干渉膜等を用いること
ができ、熱（赤外）線のほか可視光線を併せ反射する材
料であれば発光特性も向上できる。また、被膜の形成は
蒸着や塗布により行うことができる。

【００２９】また、熱線反射膜の形成は外管バルブの点
灯時上方となる側の回転楕円形状部の１０〜５０％程度
の面積（回転楕円形状部の全長が２０ｃｍ程度のバルブ
で、幅４〜１０ｃｍ）程度でよかった。

【００３０】また、熱線反射膜の形成面は外管バルブの
内外いずれの表面でもよいが、反射膜を金属材料で形成
する場合、光電子作用を生じさせないよう外面側に形成
することを許容する。

【００３１】本発明の請求項４に記載の高圧放電ランプ
は、防飛被膜が、フッ素樹脂からなることを特徴とす
る。

【００３２】現在、最高耐熱度を有するフッ素樹脂を用
いることにより対処して、高温に耐えることができる。

【００３３】また、防飛被膜材料の粉末中に酸化チタン
や酸化亜鉛等の粉末を混合して、被膜を形成すれば防飛
作用と紫外線阻止作用とを奏する等、防飛被膜材料と他
の作用を奏する材料とを予め混合しておいて形成するよ
うにしてもよい。本発明の請求項５に記載の照明器具
は、器具本体と、この器具本体内に配設された上記請求
項１ないし４のいずれか一に記載の高圧放電ランプと、
この高圧放電ランプに接続した点灯回路装置とを具備し
ていることを特徴とする。

【００３４】上記請求項１ないし４に記載の作用を有す
る高圧放電ランプを組み込んでいるので、ランプ点灯時
の温度が低下して防飛被膜の劣化が少なく、万一、外管
バルブが破損してもガラス片を飛散させることがなく安
全性が高まる。

【００３５】この照明器具は、器具内に点灯回路装置を
備えていても、器具外に点灯回路装置を設けランプと接
続されているものであってもよい。

【００３６】また、この照明器具は放電ランプを垂直状
態で点灯して、店舗、ホール、地下街、オフィスやスポ
ーツ施設等の照明用として用いることができる。

【００３７】

【発明の実施の形態】以下，本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図１は本発明に係る高圧金属蒸気
放電ランプとして、メタルハライドランプＬ１の概略を
示す正面図である。

【００３８】図１において１はホウケイ酸ガラス等の硬
質ガラスで形成された外管バルブで、中央部に膨出部１
１を有するとともに上下両側は回転楕円形状をなし、図
示下部側の閉塞されたトップ部１２および上部側のネッ
ク部１３に小径部分を有するいわゆるＢＴ形に形成され
ている。このネック部１３側にはステム２が封止られた
封止部（図示しない。）を有し、この封止部を覆ってＥ
形の口金３が取付けられている。

【００３９】また、４Ａは上記外管バルブ１内に封装さ
れた発光管で、透光性気密容器を形成する直管形の透光
性高シリカガラス（石英ガラス）からなる発光管バルブ
４０の両端部に圧潰した封止部４ａ，４ｂを有し、この
バルブ４０内には対向して一対の主電極５ａ，５ｂおよ
び一方の主電極５ａの近傍に補助電極５ｓが設けられて
いる。

【００４０】また、上記封止部４ａ，４ｂ内にはリボン
状のモリブデンＭｏからなる金属箔４１，４１および４
１ｓが気密に封止られていて、この金属箔４１，４１お
よび４１ｓの内寄りには上記電極５ａ，５ｂ，５ｓが、
バルブ４０の外寄りにはモリブデンＭｏ線等からなる外
部リードがそれぞれ溶接やかしめ止め等の手段で接続さ
れているとともに封止部４ａ，４ｂ外に導出されてい
る。

【００４１】そして、発光管バルブ４０内には、放電媒
体として所定量の水銀と金属ハロゲン化物およびアルゴ
ン等の不活性ガスが封入してある。この金属ハロゲン化
物としては、よう素や臭素等のハロゲンと、ジスプロシ
ウムＤｙ、ホルミウムＨｏ、ツリウムＴｍ等の希土類金
属とが封入され、発光効率、色温度等の特性向上をはか
っている。

【００４２】外管バルブ１内におけるこの発光管４Ａの
支持は、上記外管バルブ１のトップ部１２およびネック
部１３側に配設されるモリブデンＭｏ線や板体を略コ字
形に成形したサポート部材６ａ，６ｂの開口部に封止部
４ａ，４ｂを位置させて、帯状の金属板からなるバンド
部材６１，６１で封止部４ａ，４ｂを挟持し、ネック部
１２側のサポート部材６ａを上記ステム２に気密植設さ
れた一方の導入線２１に溶接等の手段で接続することに
より行われている。

【００４３】また、このままでは支持が完全ではなく、
サポート部材６ｂの側面に金属製の羽根状の弾性部材６
２，６２を設け、この弾性部材６２，６２がバルブ１の
トップ部１２内面に弾性当接するとともに、発光管４Ａ
自体も主柱として作用して外管バルブ１の中心軸上にあ
るよう支持されている。

【００４４】また、外管バルブ１内における電気的接続
は、ステム２の一方の導入線２１はサポート部材６ａ、
給電片６３を介し一方の主電極５ａと接続し、ステム２
の他方の導入線２２は給電線６４、外部リードを介し他
方の主電極５ｂと接続するとともに抵抗６９を介し補助
電極５ｓと接続している。

【００４５】また、この外管バルブ１の外表面にはフッ
素樹脂からなる膜厚が６０〜１５０ｎｍ、たとえば１０
０ｎｍ程度の防飛被膜７が形成してあるとともにネック
部１３側の回転楕円面形状を有する部分の内表面にはア
ルミニウムＡｌからなる熱線反射膜８（斜線部分）が蒸
着等の手段で形成してある。

【００４６】この防飛被膜７の形成は、まず、外管バル
ブ１の外表面にプライマー層を形成し、このプライマー
層の表面にフッ素樹脂の粉末を静電塗装により塗布し
て、これをたとえば３５０℃で焼成することにより得る
ことができる。

【００４７】そして、図１に示す高圧金属蒸気放電ラン
プＬ１は、ＢＴ型の外管バルブ１内に発光管４Ａを収容
した二重管構造のメタルハライドランプＬ１として、Ｅ
形の口金３が上方側または下方側にある垂直の状態で点
灯される。

【００４８】このメタルハライドランプＬ１を図１に示
す口金３が上方側の状態でソケットに装着して点灯回路
装置を介し通電すると、まず、発光管４Ａの上方の主電
極５ａとこの主電極５ａとほぼ並行に近接して設けた補
助電極５ｓとの間で放電が生起し、この放電が上下方の
主電極５ａ，５ｂ間の放電となってランプＬ１は点灯し
発光する。

【００４９】このランプＬ１の点灯が継続すると、放電
熱によって発光管４Ａが高温状態となり、発光管４Ａか
らは可視光線とともに熱（赤外）線が四方八方へと放射
され、外管バルブ１も昇温する。そして、このランプＬ
１ではネック部１３側の回転楕円面形状を有する部分に
熱線反射膜８が形成してあるので、この熱線反射膜８部
分に入射した熱（赤外）線および可視光線はトップ部１
２や膨出部１１方面に反射して外管バルブ１外へと放射
される。

【００５０】この熱（赤外）線および可視光線の放射が
外管バルブ１のトップ部１２側が多くなると、トップ部
１２側の温度は少々上昇するが許容範囲内であり、ま
た、熱線反射膜８を形成していないランプに比べネック
部１３側の温度が低下する。

【００５１】すなわち、放電ランプＬ１の外管バルブ１
の表面にたとえばフッ素樹脂からなる防飛被膜７を形成
するとともに熱線反射膜８を併せ設けることにより、点
灯時の外管バルブ１の表面温度を低下させることができ
た。

【００５２】この垂直状態で点灯するメタルハライドラ
ンプＬ１は、上述したように点灯時、外管バルブ１の表
面に形成した熱（赤外）線反射膜８よって、熱（赤外）
線および可視光線が反射されてトップ部１２側からラン
プＬ１外へと放射されるので、外管バルブ１の表面温度
が熱（赤外）線反射膜８を形成していないランプに比べ
て場所によっても異なるが熱（赤外）線反射膜８を形成
した部分で最大約３０℃、平均で１〜２℃程度温度を下
げることができた。

【００５３】したがって、防飛被膜７の耐熱温度が高ま
るわけではないが、防飛被膜の劣化が低減でき万一バル
ブが破損してもガラス片の飛散を抑止して安全性の向上
がはかれる。また、ランプの高効率化や高演色化等をは
かるため発光管が小形化される場合等に対応できる。ま
た、従来、温度が高く対応できなかったランプ電力が高
いランプにも適用が可能となる。

【００５４】たとえば図２に、熱線反射膜８を形成した
図１に示すランプ電力７００Ｗのメタルハライドランプ
Ｌ１と、熱線反射膜８を形成していない従来の同電力の
ランプとの、ベースダウンでほぼ垂直な状態で点灯した
場合の、外管バルブ１の各部温度を対比したグラフであ
る。

【００５５】図２の外管バルブ１の１ポイントは約２ｃ
ｍで、熱線反射膜８を約８ｃｍの幅で形成した。Ａ線は
本発明品、Ｂ線は熱反射膜が形成していない従来品であ
る。この図２から明らかなようにように、本発明品は最
高温度を約３０℃下げられることが確認できた。

【００５６】また、図３は本発明に係わる他の実施の形
態の高圧金属蒸気放電ランプＬ２を示す正面図である。
この放電ランプはセラミックメタルハライドランプＬ２
であって、透光性のＢＴ形の外管バルブ１内に透光性セ
ラミックからなるバルブ４０で形成した発光管４Ｂを備
えた二重管構造をなしている。

【００５７】この外管バルブ１は、中央部に膨出部１１
を有するとともに上下のトップ部１２およびネック部１
３は回転楕円形状をなし徐々に細径化されたいわゆるＢ
Ｔ形に形成されている。

【００５８】また、発光管４Ｂは、封入した発光金属に
よる侵蝕を防ぐためバルブ４０が透光性のアルミナ等の
セラミックから形成され、両端は電極（図示しない。）
に接続した給電体４２が気密に閉塞されている。

【００５９】そして、発光管４Ｂの支持は、ステム２に
植設された一方のリード線２１に溶接等の手段で一端側
を接続し、他端側を外管バルブ１のトップ部１２の内方
に弾性的に保持させた枠状のサポート部材６ｃに梯子状
に給電片６３，６３ａを直接およびガラス等の絶縁体６
５，６５を介して接続し、この給電片６３，６３ａに発
光管４Ｂ端部の給電体４２を溶接等により固定するとと
もに電気的に接続して、外管バルブ１のほぼ中心軸上に
沿って発光管４Ｂを配設している。

【００６０】また、他方のリード線２２と上記給電片６
３ａとは給電線６４を介し電気的に接続している。

【００６１】また、この外管バルブ１の外表面にはフッ
素樹脂からなる膜厚がたとえば１００ｎｍ程度の防飛被
膜７が形成してあるとともにネック部１３側の回転楕円
面形状を有する部分の内表面にはアルミニウムＡｌから
なる熱線反射膜８（斜線部分）が蒸着等の手段で形成し
てある。

【００６２】そして、図３に示す高圧金属蒸気放電ラン
プＬ２は、外管バルブ１内に発光管４Ｂを収容した二重
管構造のメタルハライドランプＬ２として、Ｅ形の口金
３側が上方側または下方側にある垂直の状態で点灯され
る。

【００６３】この発光管４Ｂ、サポート部材の種類や構
造等あるいは外管バルブ１の形状等が変わった場合で
も、熱線反射膜８を形成することにより、上記実施の形
態と同様な作用効果を奏する放電ランプＬ２を提供でき
る。

【００６４】また、図４は本発明に係わる高圧金属蒸気
放電ランプを装着したスポーツ施設照明用等の高天井用
の照明器具９の実施の形態の概略を示す縦断面図であ
る。

【００６５】この図４において照明器具９は、天井面等
への取付部をなす基台９１にソケット９２が取着されて
いるとともにこのソケット９２を囲みガード９３が設け
られている。そして、このガード９３の下端には金属板
やほうろう製の円錐状をし内面に反射面が形成された反
射笠９４が固定され、上記ソケット９２に放電ランプＬ
１の口金３が装着されることにより保持と電気的な接続
がなされる。

【００６６】なお、この実施の形態では上記基台９１、
ガード９３および反射笠９４等で器具本体を構成してい
る。また、ランプの点灯回路装置および電源スイッチ
（図示しない。）は器具本体とは別の所に設けられてい
る。

【００６７】このような照明器具９は、たとえばスポー
ツ施設の天井面に反射笠９４の開口部側を下方に向けて
取付けられ、電源スイッチを入れることにより点灯回路
装置、ソケットを介して放電ランプＬ１に通電される。

【００６８】そして、この反射笠９４内で口金３側を上
方（ベースアップ）にした垂直状態にあるランプＬ１が
点灯されると、ランプＬ１からの可視光は反射面で反射
され、あるいは直接に開口部を透過して、被照射物であ
るコートやグランド面を照射して所定の照度が得られ
る。

【００６９】したがって、ランプの高効率化や高演色化
等をはかるため発光管を小形化した場合や従来、温度が
高く対応できなかったランプ電力が高いランプにも適用
が可能となる。また、耐温度への許容性も高めることが
でき安全性が向上できるので、器具の開口部に前面ガラ
ス等の飛散防止の手段を省くことが可能な照明器具を提
供できる。

【００７０】

【発明の効果】請求項１の発明によれば、外管バルブの
表面に防飛被膜を形成するとともに熱線反射膜を併せ設
けることにより、点灯時の外管バルブの表面温度を低下
させることができ、防飛被膜の劣化が低減できる安全性
の向上がはかれるとともにランプの高効率化や高演色化
等をはかる場合やランプ電力が高いランプにも適用が可
能となる等の種々の利点を有する高圧金属蒸気放電ラン
プを提供できる。

【００７１】請求項２の発明によれば、外管バルブにガ
スを封入した場合、外管バルブ内の対流により、特に上
方の温度が上昇する虞があるものでもフッ素樹脂を塗布
できる。

【００７２】請求項３の発明によれば、熱線反射膜の形
成材料を限定することにより耐熱性にすぐれ、熱（赤
外）線はもちろん可視光線を併せ有効方向へ反射させる
ことができる。

【００７３】請求項４の発明によれば、防飛被膜にフッ
素樹脂を用いることにより、高温に耐えるランプを提供
することができる。

【００７４】請求項５の発明によれば、上記請求項１な
いし４に記載の効果を有する高圧放電ランプを組み込ん
でいるので、ランプ点灯時の温度が低下して防飛被膜の
劣化が少なく、万一、外管バルブが破損してもガラス片
を飛散させることがなく安全性が高まる照明器具を提供
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係わる高圧金属蒸気放電ランプの実施
の形態を示す概略正面図である。

【図２】本発明に係わる高圧金属蒸気放電ランプと従来
の高圧金属蒸気放電ランプとの、点灯時における外管バ
ルブの各部温度を対比したグラフである。

【図３】本発明に係わる高圧金属蒸気放電ランプの他の
実施の形態を示す正面図である。

【図４】本発明に係わる照明器具の実施の形態の概略を
示す一部断面正面図である。

【符号の説明】

Ｌ１：高圧金属蒸気放電ランプ（メタルハライドラン
プ）Ｌ２：高圧金属蒸気放電ランプ（セラミックメタルハラ
イドランプ）１：外管バルブ４Ａ，４Ｂ：発光管４０：発光管バルブ４ａ，４ｂ：封止部５ａ，５ｂ：主電極７：防飛被膜８：熱線反射被膜９：照明器具

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者橋本誠東京都品川区東品川四丁目３番１号東芝ライテック株式会社内 (72)発明者石神敏彦東京都品川区東品川四丁目３番１号東芝ライテック株式会社内Ｆターム(参考） 5C043 AA01 AA12 AA20 CC03 CD05 DD31 DD36 EA17 EB12

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】透光性高シリカガラスまたは透光性セラ
ミックからなる発光管バルブの端部内に少なくとも一対
の電極を対向して設けるとともに内部に放電媒体を封入
した発光管と；一端に封止部が形成された内部に管軸に
沿い発光管を配設した外管バルブと；この外管バルブの
封止部側端部に設けられた口金と；上記外管バルブの点
灯時に上部となる表面に形成した熱線反射膜と；上記外
管バルブ上の表面に形成した防飛被膜と；を具備してい
ることを特徴とする高圧放電ランプ。
【請求項２】外管バルブの内部に不活性ガスまたは窒
素ガスが封入されていることを特徴とする請求項１に記
載の高圧放電ランプ。
【請求項３】熱線反射膜が、アルミニウム、クロム、
銀等の金属膜または金属酸化物膜からなることを特徴と
する請求項１に記載の高圧放電ランプ。
【請求項４】防飛被膜が、フッ素樹脂からなることを
特徴とする請求項１に記載の高圧放電ランプ。
【請求項５】器具本体と；この器具本体内に配設され
た上記請求項１ないし４のいずれか一に記載の高圧放電
ランプと；この高圧放電ランプに接続した点灯回路装置
と；を具備していることを特徴とする照明器具。