JP2003331781A - メタルハライドランプおよび点灯装置ならびに照明器具 - Google Patents

メタルハライドランプおよび点灯装置ならびに照明器具

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JP2003331781A
JP2003331781A JP2002137101A JP2002137101A JP2003331781A JP 2003331781 A JP2003331781 A JP 2003331781A JP 2002137101 A JP2002137101 A JP 2002137101A JP 2002137101 A JP2002137101 A JP 2002137101A JP 2003331781 A JP2003331781 A JP 2003331781A
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arc tube
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metal
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Makoto Hashimoto
誠 橋本
Daisuke Takayama
大輔 高山
Takahito Kashiwagi
孝仁 柏木
Toshihiko Ishigami
敏彦 石神
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水銀、ハロゲン化物およびスカンジウムメタ
ルを封入した石英ガラスからなる発光管バルブの、白濁
による発光特性の低下防止ならびに寿命中のランプ電圧
の上昇抑制をはかったメタルハライドランプおよびこの
ランプの点灯装置ならびに照明器具を提供することを目
的とする。 【解決手段】 バルブ40内に電極5a,5bを設け内
部に希ガス、水銀、ナトリウムハロゲン化物、スカンジ
ウムハロゲン化物およびスカンジウムメタルを含む放電
媒体を封入した発光管4と、この発光管4を囲繞したシ
ュラウド6と、発光管4およびシュラウド6を支持した
サポート部材7a,7bと、これらを収容封装した外管
バルブ1とを備えた定格ランプ電力Wが0.7〜1kW
級のランプにおいて、上記放電媒体中のスカンジウムメ
タルの量S(mg/cc)と、定格電力W(kW)との
関係S/Wが、0.001≦S/W≦0.045を満足
するメタルハライドランプLおよびこのランプLの点灯
装置ならびに照明器具9Aである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スカンジウムメタ
ルを含むハロゲン化物を封入した発光管を、外管バルブ
内に封装したメタルハライドランプおよびこのランプの
点灯装置ならびにランプを装着した照明器具に関する。
【0002】
【従来の技術】メタルハライドランプは、透光性の石英
ガラスやアルミナなどのセラミックスからなるバルブ内
に対向して電極を配設するとともに、内部に放電媒体と
して水銀などとナトリウム、スカンジウム、ディスプロ
シウム、ネオジウム、スズ、ツリウムやセリウムなどの
ハロゲン化メタルおよび始動用の希ガスを封入した発光
管を、外管バルブに封装して構成されている。
【0003】このメタルハライドランプは、発光管内の
両電極間で発生する放電の作用により封入した水銀やハ
ロゲン化メタルなどの発光材料を発光させているが、点
灯中の原子密度と温度が相当に高いためその発光スペク
トルは種々な波長範囲に及び、高効率、高演色性が得ら
れることから省エネルギー光源として注目され、店舗、
ホール、ビル施設、工場施設、スポーツ施設や道路など
の各種照明用として多く用いられている。
【0004】そして、このメタルハライドランプの中で
も、発光材料として水銀、ヨウ化ナトリウムおよびヨウ
化スカンジウムを封入したランプは、汎用の水銀灯安定
器を用いることができることから経済的であり、また、
ナトリウムが590nm付近の波長域を、また、スカン
ジウムが可視光全域にわたる多数の線スペクトルの発光
をなすことから、他のハロゲン化物を封入したランプに
比べてさらに高い効率が得られるという特長を有する。
【0005】しかし、このメタルハライドランプでは、
イオン化されたNa+ が発光管表面の負電位に引かれ、
残され遊離したヨウ素によって、寿命中期においてラン
プ電圧の上昇を招くという不具合があり、水銀とハロゲ
ン化物のほかに、さらに発光管バルブの内容積1cc当
り0.05〜0.07mg程度のスカンジウムメタルを
封入している。
【0006】このスカンジウムメタルの封入により、ス
カンジウムがヨウ化スカンジウムScI3 として遊離ヨ
ウ素を吸着するので立ち消えなどを防止できるが、点灯
時に所定の発光特性を得るためには発光管バルブを他の
発光材料を封入した発光管に比べ高い温度としなければ
ならなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、点灯時、発光
管バルブの温度が約850℃を超えると、バルブの石英
ガラスを形成するシリカSiO2 とスカンジウムメタル
とが反応して、バルブの内面に白濁を生じ透明なバルブ
の光透過率を悪化して、発光特性が低下する問題があっ
た。
【0008】そこで、本発明者等は、発光管バルブの温
度やスカンジウムメタルの封入量などと、この白濁の発
生要因について種々究明し検討した結果、本発明を完成
するに至った。すなわち、発光管バルブの温度を下げれ
ば白濁は防止できるが、発光特性の低下を来すので採用
できず、スカンジウムメタルの封入量を規制することに
より諸種の効果が得られることが分った。
【0009】本発明は、発光材料として水銀、ナトリウ
ムとスカンジウムのハロゲン化物およびスカンジウムメ
タルを封入した石英ガラスからなる発光管バルブの、白
濁による発光特性の低下防止ならびに寿命中のランプ電
圧の上昇抑制をはかったメタルハライドランプおよびこ
のランプの点灯装置ならびに照明器具を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
のメタルハライドランプは、透光性石英ガラスからなる
発光管バルブ内に少なくとも一対の電極を対向して設け
るとともに内部に希ガス、水銀、ナトリウムハロゲン化
物、スカンジウムハロゲン化物およびスカンジウムメタ
ルを含む放電媒体を封入した発光管と、この発光管を囲
繞した耐熱透光性部材からなる円筒状のシュラウドと、
上記発光管およびシュラウドを支持したサポート部材
と、上記発光管、シュラウドおよびサポート部材を収容
封装した外管バルブとを具備した定格ランプ電力Wが
0.7〜1kW級のメタルハライドランプにおいて、上
記発光管バルブ内に封入された放電媒体中のスカンジウ
ムメタルの量S(mg/cc)と、ランプの定格電力W
(kW)との関係S/Wが、0.001≦S/W≦0.
045 の条件を満足することを特徴とする。
【0011】本発明は、ナトリウムに侵され難い材料か
らなる発光管バルブ内に電極を配設するとともに内部に
希ガス、水銀、ナトリウムハロゲン化物、スカンジウム
ハロゲン化物およびスカンジウムメタルを含む放電媒体
を封入した発光管を備えた定格ランプ電力が0.7〜1
kW級のメタルハライドランプで、上記スカンジウムメ
タルの量S(mg/cc)と、ランプの定格電力W(k
W)との関係S/W値を規制したものである。
【0012】すなわち、上記スカンジウムメタルの封入
量が多すぎると、過剰のスカンジウムメタルとバルブ組
成のシリカSiO2 とが反応して、バルブ内表面に白濁
を生じバルブの光透過率を悪くして発光効率を低下させ
る。
【0013】そして、定格ランプ電力が0.7〜1kW
級のランプにおいて、上記封入量S(mg/cc)をラ
ンプ電力W(kW)で除した、すなわち、ランプ電力1
kW当りの封入量S(mg/cc)を規制したものであ
る。
【0014】この封入量係数S/W値の上限が0.04
5(mg/cc/kW)で、この上限を超えると200
0時間点灯後の光束維持率が許容される65%以下とな
る短寿命となる。また、下限の0.001(mg/cc
/kW)未満であるとナトリウムイオンの抜け出しによ
る発光効率の低下があり、封入量係数は0.001〜
0.045(mg/cc/kW)の範囲内、好ましくは
ばらつきなどを考慮すると0.01〜0.04(mg/
cc/kW)の範囲がよかった。
【0015】また、発光管を囲繞してシュラウドを設け
たことにより、発光管を保温してランプの高効率化や高
演色化など発光特性の向上がはかれるとともに、万一、
発光管バルブが破損しガラス片が飛散しても、シュラウ
ドがこれを阻止ないしは衝撃を緩和して外管バルブに及
ぼす応力を低減して、外管バルブの破損を防止して安全
性も高められる。
【0016】また、本発明が適用されるメタルハライド
ランプは、定格ランプ電力が0.7kW〜1kW級の範
囲のもので、この範囲を外れた電力のランプでも多少の
作用効果を奏するが、定格ランプ電力が約0.5kW以
下の小出力のものでは発光管容積が小さくシュラウドを
用いなくても電極間隔の短縮などで、発光管が十分保温
されるので除外される。
【0017】また、定格ランプ電力が1.5kW程度の
ものでも同様な作用効果が得られるが、1.5kWを越
える大電力のランプでは始動や点灯維持の問題から2次
電圧の低い水銀灯用の安定器を用いることができない虞
がある。
【0018】なお、本発明ならびに以下の各発明におい
て、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は
次による。
【0019】本発明のメタルハライドランプは、希ガス
および水銀、ハロゲン化ナトリウム、ハロゲン化スカン
ジウム、スカンジウムメタルを含む発光材料が封入され
たメタルハライドランプであって、上記材料のほかに他
のハロゲン化物、たとえばヨウ化ディスプロシウム(D
yI3 )やヨウ化スズ(SnI2 )あるいはヨウ化セシ
ウム(CsI)などの材料がともに封入されていてもよ
い。また、スカンジウムメタルは板状や粒状にして封入
することができる。
【0020】この発光管バルブ内に封入される放電媒体
の具体的材料やその量(圧力)は、ランプの定格、特性
や用途などに応じて適宜上述した材料の中から選択して
決めることができる。
【0021】発光管バルブを形成する材料としては、透
光性石英ガラスを用いることにより、発光特性、耐熱
性、耐蝕性や電気絶縁性などを満足できる。また、発光
管バルブの形状は、円筒形、長円形や球形などの単一形
状や複合形状をしたものからなる。発光管バルブの端部
に形成される封止部の形態は圧潰封止やシュリンク(焼
き絞り)封止を採用することができる。また、発光管バ
ルブの封止部内に封止られる導入導体は金属箔に限ら
ず、金属線であっても差支えない。さらに、発光管内に
設けられる電極は、少なくとも一対であって、補助電極
の有無は問わない。
【0022】また、メタルハライドランプは、発光管温
度の関係で、発光管が外管バルブ内に封装された二重管
(シュラウドを含むと三重管)などの多重管構造をして
いるのが好ましく、最外となる外管バルブ内部が大気雰
囲気でもよいが、不活性ガスまたは窒素ガス雰囲気ある
いは真空雰囲気とすることができる。
【0023】すなわち、外管バルブ内に不活性ガスまた
は窒素ガスを低圧封入するか真空雰囲気とすることによ
り、点灯時に高温となる発光管構成部材、サポート部材
やステム構成部材の酸化などを防止するとともにランプ
の再始動時間を短縮したり、万一の外管バルブ破損時の
破裂を防止できる。
【0024】また、シュラウド(透光性中空管)は、上
記発光管バルブと同様な耐熱透光性ガラス材料やアルミ
ナやマグネシアなどからなる耐熱透光性セラミックス材
料を用いることができ、肉厚が1〜3mm程度の円筒形
状をなし発光管バルブのほぼ全長を覆って設けておけ
ば、最冷部が発光管のどの箇所に生じても保温する作用
を奏するので、他のメタルハライドランプの発光材料よ
り高温が要求されるスカンジウムを封入した発光管を適
切に保温でき所定の波長の発光が行える。
【0025】また、シュラウド(中空管)の表面に蛍光
体膜、光拡散膜、紫外線の反射膜や遮断膜などの被膜ま
たは光拡散用の凹凸面などを形成しておいても、あるい
は外周に耐熱性のセラミックスなどの無機繊維からなる
線状やメッシュ状の補強体を巻装しておても差支えな
い。また、このシュラウド(中空管)は、万一の発光管
バルブの破裂時にガラス片などの飛散を防護する作用を
有する。
【0026】また、発光管およびシュラウド(中空管)
を、電位のかからないサポート部材に支持させることに
より、点灯時に光電子作用によって発光管バルブ内から
ナトリウムイオンなどが抜け出すことを防ぎ、ランプの
発光効率の低下を防止できる。
【0027】すなわち、ハロゲン化ナトリウムなどを封
入したメタルハライドランプでは、点灯時に発光管から
放射された紫外線が導電体に照射されると光電子が導電
体から放出され、この光電子が拡散により発光管バルブ
の外表面に付着し、発光管を負に帯電させる。この石英
ガラスからなるメタルハライドランプの発光管バルブ
は、酸化ケイ素の格子間距離が発光管内のナトリウムイ
オンよりも大きいため、正に帯電したナトリウムイオン
は上記発光管外表面の負の光電子による電位に引かれて
発光管バルブを通過して発光管外へ消失する。このた
め、発光管内のナトリウム量が減少するので、ランプの
発光効率が低下するとともに発光管内に過剰の遊離ハロ
ゲンが増えるのでランプ電圧が上昇していたが、このよ
うな現象を防ぐことができる。
【0028】なお、発光管から発光金属が抜け出ない構
成の放電ランプにおいては、発光管およびシュラウド
(中空管)をサポート部材を導電体としても用いた電位
がかかる構成としたものであっても差支えない。
【0029】さらに、放電ランプの点灯姿勢は水平、鉛
直はもちろん傾斜した姿勢であっても、発光管の端部を
保温できる状態に保てれば同様な作用効果を奏すること
ができる。
【0030】本発明の請求項2に記載の点灯装置は、交
流電源と、この電源に接続された2次電圧が210Vま
たは220Vの安定器を有する安定点灯手段と、この安
定点灯手段の出力端に接続された上記請求項1に記載の
メタルハライドランプとを具備していることを特徴とす
る。
【0031】本発明の点灯装置は、上記請求項1に記載
したメタルハライドランプを汎用の水銀灯安定器を用い
点灯しても立ち消えを抑制できる作用を奏する。
【0032】また、用いられる安定器としては定格電圧
が100Vまたは200V、2次電圧が210Vまたは
220Vであるが、これら数値は定格値であり多少の変
動は許容される。
【0033】本発明の請求項3に記載の照明器具は、器
具本体と、この器具本体内に配設された上記請求項1に
記載のメタルハライドランプと、このランプに接続した
安定点灯手段とを具備していることを特徴とする。
【0034】器具本体に、上記請求項1に記載の作用を
有するメタルハライドランプを組み込んでいるので、光
束低下などが小さく高い発光特性を呈するとともにラン
プ交換などのメンテナンスが容易な照明器具を提供でき
る。
【0035】また、この照明器具は、器具内に安定点灯
手段を備えていても、器具外に安定点灯手段を設けラン
プと接続されているものであってもよい。この照明器具
は、店舗、ホール、ビル施設、工場施設、スポーツ施設
や道路などの照明用として、高い発光特性を呈すること
ができる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下,本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は本発明に係るメタルハライ
ドランプの概略を示す正面図である。
【0037】この図1においてメタルハライドランプL
は、外管バルブ1の一端部にはステム2が封止され、こ
のステム2にサポート部材7a,7bなどを介し発光管
4およびこの発光管4を囲繞したシュラウド(透光性中
空管)6を支持させた構成となっている。
【0038】これら各部分を詳述すると、外管バルブ1
はホウケイ酸ガラスなどの透光性の硬質ガラスからな
り、中央部に膨出部11を有するとともに図示下部側の
閉塞されたトップ部12および上部側のネック部13に
小径部分を有するいわゆるBT型に形成されている。こ
のネック部13側にはステム2が封止られた封止部(図
示しない。)を有し、この封止部を覆ってE型の口金3
が取付けられている。
【0039】また、この外管バルブ1内に封装された発
光管4は、透光性気密容器を形成する円筒直管(T)形
の石英ガラスからなる発光管バルブ40の両端部に圧潰
封止部4a,4bを有し、このバルブ40内には対向し
てタングステンWやモリブデンMoからなる一対の主電
極5a,5bおよび一方の主電極5aの近傍に補助電極
5sが設けられている。
【0040】上記圧潰封止部4a,4b内にはリボン状
のモリブデンからなる金属箔51,51および51sが
気密に封止られていて、この金属箔51,51および5
1sの内寄りには上記電極5a,5b,5sが、バルブ
40の外寄りにはモリブデン線などからなる外部導入線
52,52および52sがそれぞれ溶接やかしめ止めな
どの手段で接続されている。
【0041】また、上記発光管バルブ40内には、放電
媒体として水銀(Hg)、ヨウ化ナトリウム(Na
I)、ヨウ化スカンジウム(ScI3 )、スカンジウム
(Sc)メタルおよびアルゴン(Ar)などの希ガスが
封入してある。
【0042】また、シュラウド(中空管)6は、耐熱透
光性の石英ガラスからなる上下端部が開口した円筒形状
をなし、内部の発光管4と所定の間隔を隔てて配設され
ている。
【0043】なお、ネック部13側のサポート部材7a
は、上記ステム2のガラス管21に巻装したバンド部材
72に締結などの手段で固定したり、ステム2に植設さ
れた導入線21,22とは別の外部導入線を有しないサ
ポート線などに固定して支持されるようにしてもよい。
【0044】外管バルブ1内における上記発光管4およ
びシュラウド(中空管)6の支持は、上記外管バルブ1
のトップ部12およびネック部13側に配設されるモリ
ブデンやステンレスなどの線材や板状体を略コ字形に成
形したサポート部材7a,7bの開口部に封止部4a,
4bを位置させて、帯状の金属板からなるバンド部材7
1,71で封止部4a,4bを挟み溶接などの手段で接
続することにより発光管4を固定している。
【0045】また、シュラウド(中空管)6は、シュラ
ウド(中空管)6の端面とほぼ同形のリング状に打ち抜
き複数箇所に起立片61,…を設けた保持板60を両端
部に当て起立片61,…を起立させてシュラウド(中空
管)6の端部を外側から抑えたり内外面の両側から挟む
ようにするとともに一部の起立片61,…をサポート部
材7a,7bやバンド部材71,71に溶接などの手段
で接続することにより固定させている。
【0046】また、サポート部材7bの側面に金属製の
羽根状の弾性部材73,73を設け、(この弾性部材7
3,73はネック部13側のサポート部材7aにも設け
てもよい。)この弾性部材73,73がバルブ1のトッ
プ部12内周面に弾性当接するとともに、発光管4自体
も主柱として作用して外管バルブ1の中心軸上にあるよ
う支持されている。
【0047】また、外管バルブ1内および電源からの電
気的接続は、図2に示す回路構成となっている。すなわ
ち、ステム2の一方の導入線21は給電線74、外部導
入線52を介し一方の主電極5aと接続し、ステム2の
他方の導入線22は発光管バルブ40と遠ざかるよう湾
曲して離した細線からなる給電線75、外部導入線52
を介し他方の主電極5bと接続している。また、発光管
4の上下の主電極5a,5bと並列的に始動補助回路が
接続されている。
【0048】この始動補助回路は、始動用の点灯管(グ
ロースタータ)81、バイメタルスイッチ82、抵抗8
3を直列接続し、点灯管81とバイメタルスイッチ82
との接続部から限流抵抗84を介し補助電極5sに接続
したものからなる。なお、図中、88は交流電源、89
は安定器などを有する安定点灯手段で、これら部品で点
灯回路を構成している。また、点線内は放電ランプLの
外管バルブ1内に封装された部品である。
【0049】したがって、この実施の形態では発光管4
およびシュラウド(中空管)6は、電位のかからないサ
ポート部材7a,7bに支持されている。
【0050】そして、図1に示すBT型の外管バルブ1
内に発光管4を収容した二重管構造のメタルハライドラ
ンプLは、鉛直や水平状態あるいは傾斜状態で点灯され
る。
【0051】このメタルハライドランプLをソケットに
装着して、電源88から点灯回路装置89を介し通電す
ると、外管バルブ1内に設けた点灯管81などの始動補
助回路が作用して、発光管4の一方の主電極5aとこの
主電極5aとほぼ並行に近接して設けた補助電極5sと
の間で放電が生起し、点灯管81内のバイメタルの接点
開放時のキック電圧によりこの放電が左右の主電極5
a,5b間の放電となってランプLが点灯し発光する。
【0052】このランプLの点灯が継続すると、発光管
4からは可視光線とともに熱(赤外)線が四方八方へと
放射され、放電熱によって発光管4が昇温する。そし
て、発光管4に近接するとともに囲繞して配設したシュ
ラウド(中空管)6によって放熱が遮蔽されるため、発
光管バルブ40はさらに昇温する。
【0053】すなわち、この温度上昇は発光管バルブ4
0の全体に及び、バルブ40内に封入したヨウ化スカン
ジウムをはじめ発光材料がよく蒸発して所望の蒸気圧が
得られて発光効率や演色性を高めることができる。
【0054】つぎに、本発明のメタルハライドランプL
の具体的な実施例を説明する。
【0055】このメタルハライドランプLは、定格ラン
プ電力が0.7kWで、ランプ全長(外管バルブ+口金
部)が約370mm、最大外径(膨出部)が約150m
mのBT型をなす外管バルブ1内に、円筒状をなす全長
が約125mm、外径が約29mm、内容積が約39.
3ccのバルブ40内に、主電極5a,5bの先端間の
間隔が約65mmで内部に放電媒体として水銀が約90
mg、ヨウ化ナトリウムが約7mg、ヨウ化スカンジウ
ムが約33mg、スカンジウムメタルが約1.0mg
(S/W=0.03639)およびアルゴンガスが約2
kPa封入された発光管4を、約53kPaの窒素ガス
とともに封装し、さらに発光管4を囲み全長が約98m
m、肉厚tが約2.0mm、内径が約41mmの透光性
中空管6が設けられている。
【0056】そして、この本発明の実施例構成のメタル
ハライドランプLおよび同定格の従来のランプ(実施例
と異なる構成はスカンジウムメタルを約1.5mg(S
/W=0.05459)封入してある。)とを、定格電
圧が100Vまたは200Vで2次電圧が210Vまた
は220Vの安定器を備えた安定点灯手段を介し点灯さ
せた。
【0057】本発明のメタルハライドランプL(10個
の平均)は、発光効率が約100Lm/W、2000時
間点灯後の光束維持率が約70%で、従来のランプに対
して、2000時間点灯後の光束維持率に約10%の向
上がみられた。
【0058】また、定格ランプ電力が1kWで、ランプ
全長(外管バルブ+口金部)が約390mm、最大外径
(膨出部)が約180mmのBT型をなす外管バルブ1
内に、円筒状をなす全長が約165mm、外径が約33
mm、内容積が約62.7ccのバルブ40内に、主電
極5a,5bの先端間の間隔が約80mmで内部に放電
媒体として水銀が約120mg、ヨウ化ナトリウムが約
10mg、ヨウ化スカンジウムが約50mg、スカンジ
ウムメタルが約2.5mg(S/W=0.03987)
およびアルゴンガスが約1kPa封入された発光管4
を、約53kPaの窒素ガスとともに封装し、さらに発
光管4を囲み全長が約122mm、肉厚tが約2.0m
m、内径が約46mmの透光性中空管6が設けられてい
る。
【0059】そして、この定格ランプ電力が1kWの上
記本発明のランプLおよび同定格の従来のランプ(実施
例と異なる構成はスカンジウムメタルを約3.0mg
(S/W=0.04783)封入してある。)とを、定
格電圧が100Vまたは200Vで2次電圧が210V
または220Vの安定器を備えた安定点灯手段を介し点
灯させた。
【0060】本発明のメタルハライドランプL(10個
の平均)は、発光効率が約100Lm/W、2000時
間点灯後の光束維持率が約74%で、従来のランプに対
して、2000時間点灯後の光束維持率に約10%の向
上がみられた。
【0061】そして、本発明は、スカンジウムメタルの
封入量を従来ランプより減少させたことにより、スカン
ジウムと石英ガラス製バルブ40を形成するシリカSi
2との反応によるバルブ内面に生じる白濁がないかあ
っても僅かでバルブ40の光透過率の低下が少ない。ま
た、スカンジウムメタルを封入しておくことにより、ナ
トリウムイオンが抜け遊離したヨウ素をスカンジウムが
吸着することで、ランプが立ち消えする電圧の上昇など
を起こさない。
【0062】また、上記ランプLは、定格電圧が100
Vまたは200Vで2次電圧が210Vまたは220V
の汎用の水銀灯点灯用安定器を備えた安定点灯手段を用
い点灯できるので、格別の専用安定器を必要とせず経済
性に優れた点灯回路を提供できる。
【0063】また、このメタルハライドランプLは、発
光管4やシュラウド(中空管)6を支持するサポート部
材7a,7bを電気的接続に利用していないので電位が
かかっておらず、発光管4他端側の主電極5bへの給電
は遠く離した細線からなる給電線75であり、点灯時に
光電子作用によって発光管バルブ40内からナトリウム
イオンなどが抜け出すことを防止できる。
【0064】したがって、点灯経過に伴う光束の低下が
少なく光束維持率が高められるとともにナトリウム減少
によるランプ電圧の上昇を来す短寿命を防げる、発光特
性および寿命特性の向上がはかれるメタルハライドラン
プLを提供できる。
【0065】また、発光管4を囲繞してシュラウド(中
空管)6を設けたことにより、万一、発光管バルブ40
が破損しガラス片が飛散しても、これを阻止ないしは衝
撃を緩和して外管バルブ1に及ぶ応力を低減できて、外
管バルブ1の破損を防止して安全上も大いに寄与でき
る。
【0066】そして、本発明者等は上記スカンジウムメ
タルの単位内容積当りの封入量S(mg/cc)とラン
プ電力W(kW)との関係、すなわち、封入量Sをラン
プ電力Wで除した、ランプ電力1kW当りの封入量係数
(mg/cc/kW)を規制することにより、上記効果
が得られることが分かった。
【0067】すなわち、ランプ電力Wが0.7kW級と
1kW級のメタルハライドランプについて、スカンジウ
ムメタルの単位内容積当りの封入量(mg/cc)を種
々変化させてランプLを組み立て、2000時間点灯後
の光束維持率を調査した。
【0068】そして、封入量係数が0.045(mg/
cc/kW)を超えると、2000時間点灯後の許容さ
れる光束維持率が65%以下となる短寿命となり、ま
た、逆に封入量係数が0.001(mg/cc/kW)
未満であるとナトリウムイオンの抜け出しによる発光効
率の低下があり、封入量係数は0.001〜0.045
(mg/cc/kW)の範囲内、好ましくはばらつきな
どを考慮すると0.005〜0.042(mg/cc/
kW)程度の範囲がよかった。
【0069】因みに、上記実施例に示す定格ランプ電力
0.7kWの本発明のメタルハライドランプLの封入量
係数S/Wが0.0363(mg/cc/kW)である
のに対して従来ランプは0.0546(mg/cc/k
W)であり、また、定格ランプ電力1.0kWの本発明
のメタルハライドランプLの封入量係数S/Wが0.0
399(mg/cc/kW)であるのに対して従来ラン
プは0.0478(mg/cc/kW)であった。
【0070】図3および図4は本発明に係わるメタルハ
ライドランプLを装着した照明器具9A,9Bの実施の
形態の概略を示す正面図と縦断面図である。
【0071】この図3において照明器具9Aは、天井面
などへの取付部をなす基台91にソケット9Sが取着さ
れているとともにこのソケット9Sを囲みガード92が
設けられている。そして、このガード92の下端には金
属板やほうろう製の円錐状をし内面に反射面が形成され
た反射笠などの反射体9Rが固定され、上記ソケット9
Sに放電ランプLの口金3が装着されることにより保持
と電気的な接続がなされる。
【0072】なお、この実施の形態では上記基台91、
ガード92および反射体9Rなどで器具本体を構成して
いる。また、ランプの点灯回路装置および電源スイッチ
(図示しない。)は器具本体とは別の所に設けられてい
る。
【0073】このような照明器具9Aは、たとえばスポ
ーツ施設の天井面に反射体9Rの開口部側を下方に向け
て取付けられ、電源スイッチを入れることにより安定器
を有する安定点灯手段からソケット9Sを介して放電ラ
ンプLに通電される。
【0074】そして、この反射体9R内で口金3側を上
方(ベースアップ)にした鉛直状態にあるランプLが点
灯されると、ランプLからの可視光は反射面で反射さ
れ、あるいは直接に開口部を透過して、被照射物である
コートやグランド面を照射して所定の照度が得られる。
【0075】また、図4は、道路照明用などの照明器具
9Bで、平面がほぼ長円形状の器具本体93を有し、こ
の器具本体93の基端には支柱であるポールPに取り付
けるためのポール支持部94が設けられている。また、
器具本体93の先端側には下面に向けた開口が形成さ
れ、器具本体93の内部にはこの開口に対向して反射体
9Rが取り付けられているとともにソケット9Sを固定
した取付板95が設けられている。
【0076】また、開口にはほぼ半球状の硬質ガラス製
の透光性カバーとしてのグローブ96が枠体97に保持
されて器具本体93の先端側に設けられた蝶番98によ
り開閉可能に取付けられ、器具本体93の基端側に設け
られたラッチ99にて枠体97が器具本体93に保持さ
れる。なお、器具本体93または枠体97には両者が閉
塞した状態で水密にシールするパッキング(図示しな
い。)が取り付けられている。
【0077】そして、この器具本体93内のソケット9
Sに上記実施の形態に示したメタルハライドランプLを
装着して、ほぼ水平状態で点灯させると、ランプLから
の可視光は反射体9Rで反射され、あるいは直接にグロ
ーブ96に到達し、このグローブ96を透過して、被照
射物である路面を照射して所望の照度が得られる。
【0078】したがって、本発明の実施の形態に係わる
上記照明器具9A,9Bは、装着されたメタルハライド
ランプLの点灯経過後の光束低下が小さく高い発光特性
および長寿命が得られるので、ランプL交換などのメン
テナンスが容易な照明器具9A,9Bを提供できる。
【0079】また、本発明に係わる照明器具は、上記図
3および図4に示す用途や構造のものに限らず、各種の
用途や用途に応じた構造を有するものに適用でき、ラン
プの点灯方向も鉛直や水平状態に限らず、傾斜状態で点
灯する器具にももちろん適用できる。
【0080】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、スカンジウム
メタルの封入量を規制したことにより、バルブ内面にシ
リカSiO2 との反応により生じる白濁を防止して光透
過率の悪化が小さく、点灯経過に伴う光束維持率の低下
が少ないとともにナトリウム減少によるランプ電圧の上
昇を来す短寿命となることが防げる、発光特性および寿
命特性の向上がはかれたメタルハライドランプを提供で
きる。
【0081】また、発光管を囲繞してシュラウド(中空
管)を設けたことにより、発光管の保温が行えスカンジ
ウムメタルを容易に作用させるとともに、万一、発光管
バルブが破損しガラス片が飛散しても、これを阻止ない
しは衝撃を緩和して外管バルブに及ぶ応力を低減して、
バルブの破損を防止して安全上も大いに寄与したメタル
ハライドランプを提供できる。
【0082】請求項2の発明によれば、上記請求項1に
記載したメタルハライドランプを汎用の水銀灯安定器を
用い点灯しても立ち消えを抑制でき経済性に優れた点灯
装置を提供できる。
【0083】請求項3の発明によれば、上記請求項1に
記載の効果を有するメタルハライドランプを組み込んで
いるので、メンテナンスが容易で安価に維持することと
ができる照明器具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るメタルハライドランプの実施の形
態を示す正面図である。
【図2】本発明に係るメタルハライドランプの点灯回路
を示す概略回路図である。
【図3】本発明に係わるメタルハライドランプを装着し
た照明器具の実施の形態の概略を示す正面図である。
【図4】本発明に係わるメタルハライドランプを装着し
た照明器具の他の実施の形態の概略を示す縦断面図であ
る。
【符号の説明】
L:メタルハライドランプ 1:外管バルブ 4:発光管 40:発光管バルブ 4a,4b:封止部 5a,5b:電極 6:シュラウド(透光性中空管) 89:安定点灯手段 9A,9B:照明器具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 41/18 H05B 41/18 310C 310 310D F21Y 101:00 // F21Y 101:00 F21S 5/00 H (72)発明者 柏木 孝仁 東京都品川区東品川四丁目3番1号 東芝 ライテック株式会社内 (72)発明者 石神 敏彦 東京都品川区東品川四丁目3番1号 東芝 ライテック株式会社内 Fターム(参考) 3K083 AA00 AA45 AA76 BA23 CA00 CA06 CA33 5C015 QQ03 QQ14 QQ54 5C039 HH02 HH05 5C043 AA02 CC03 CD05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性石英ガラスからなる発光管バルブ
    内に少なくとも一対の電極を対向して設けるとともに内
    部に希ガス、水銀、ハロゲン化ナトリウム、ハロゲン化
    スカンジウムおよびスカンジウムメタルを含む放電媒体
    を封入した発光管と;この発光管を囲繞した耐熱透光性
    部材からなる円筒状のシュラウドと;上記発光管および
    シュラウドを支持したサポート部材と;上記発光管、シ
    ュラウドおよびサポート部材を収容封装した外管バルブ
    と;を具備した定格電力Wが0.7〜1kW級のメタル
    ハライドランプにおいて、上記発光管バルブ内に封入さ
    れた放電媒体中のスカンジウムメタルの量S(mg/c
    c)と、ランプの定格電力W(kW)との関係S/W
    が、下記条件を満足することを特徴とするメタルハライ
    ドランプ。 0.001≦S/W≦0.045
  2. 【請求項2】 交流電源と;この電源に接続された2次
    電圧が210Vまたは220Vの安定器を有する安定点
    灯手段と;この安定点灯手段の出力端に接続された上記
    請求項1に記載のメタルハライドランプと;を具備して
    いることを特徴とする点灯装置。
  3. 【請求項3】 器具本体と;この器具本体内に配設され
    た上記請求項1に記載のメタルハライドランプと;この
    ランプに接続した安定点灯手段と;を具備していること
    を特徴とする照明器具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006001166A1 (ja) * 2004-06-29 2006-01-05 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. メタルハライドランプ、およびこれを用いた照明装置
EP1786021A1 (en) * 2005-11-09 2007-05-16 Osram Sylvania, Inc. Metal halide arc discharge lamp with shroud of reduced mass
JP2012204115A (ja) * 2011-03-25 2012-10-22 Iwasaki Electric Co Ltd ランプ

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