JP4279122B2 - 高圧放電ランプおよび照明装置 - Google Patents

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Description

本発明は、発光管内に希土類金属を含むハロゲン化物を封入した高圧放電ランプおよびこの放電ランプを用いた照明装置に関する。
高圧放電ランプ、たとえばメタルハライドランプは、道路、広場や競技場などの広域照明用をはじめ店舗や車両などの照明用の他、オーバヘッドプロジェクタや液晶プロジェクタなどの光学機器用の光源として広く使用されている。
メタルハライドランプは、発光管内に金属ハロゲン化物、水銀および希ガスを封入した放電ランプであって、封入金属原子のスペクトル線や金属ハロゲン化物の分子スペクトルの発光を利用して、水銀ランプなどに比べて高い発光効率、相関色温度や演色性を得ることができるランプである。
このメタルハライドランプの発光金属としては、Hgの他にNa、In、Tl、Li、Csなどの金属あるいはDy、Ho、Tm、Sc、Nd、Ceなどの希土類金属がヨウ素や臭素などのハロゲン化物として発光管内に封入され、高い発光特性を呈するよう構成されている。
しかし、たとえば高い発光効率が得られても他の発光特性が低いとか、逆に演色性など他の発光特性は高いが効率が低いとかあるいはランプの点灯方向によって効率が異なるなど、一つのランプで効率、演色性および寿命などの複数の特性に優れた数値を呈する放電ランプがなかなか得られなかった。
そして、近時、小形化がはかれ高効率や演色性などの発光特性に優れるとともに長寿命が得られるメタルハライドランプが出現している。
たとえば、透光性セラミックス容器からなる発光管内に、希土類金属ハロゲン化物とハロゲン化ナトリウムを含む金属ハロゲン化物を、ハロゲン化ナトリウムが希土類金属ハロゲン化物に対し重量比で10〜100%となる量添加(DyI3 55wt%:NaI30wt%:TlI15wt%)して封入した高圧放電ランプで、発光効率が96Lm/W、色温度が4100K(3500〜5000K)、演色性も平均演色評価数(Ra)が95という高い発光特性を呈するとともに垂直点灯と水平点灯での立ち消え電圧の差が小さくなることが特許文献1に記載されている。
しかし、この特許文献1に準拠してランプを試作しその特性を測定したところ、文献1に実施例として記載されている定格電力と相違する電力のランプによっては、所望の発光特性が得られないものがあった。
一方、この特許文献1に記載の高圧放電ランプでは、ランプ構造に対する寸法や封入金属ハロゲン化物の蒸発を決定するための温度(最冷点)を決定するための寸法などの記載がないため、選択する希土類ハロゲン化物の種類によっては、記載の特性が得られない懸念がある。
また、封入する金属ハロゲン化物の比率を規制することによって、色温度の安定性および良好な演色性を呈するランプが特許文献2などに記載されている。しかし、この特許文献2によれば、電力が30〜40Wのランプで管壁負荷20〜26W/cm2 、色温度2800〜3700Kであるが、本発明が目標とする発光効率を得ることができない。
さらに、透光性セラミックス容器からなる発光管内に、セリウムハロゲン化物(20〜69wt%)、ナトリウムハロゲン化物(30〜79wt%)、タリウムハロゲン化物およびインジウムハロゲン化物(TlとInのハロゲン化物の合計量が1〜20wt%)を組み合わせて封入(全体で100wt%)したメタルハライドランプで、高い発光効率(117Lm/W以上)と光束維持率の低下抑制がはかれることが特許文献3に記載されている。
しかし、この特許文献3に準拠し試作したランプは、高い発光効率および光束維持率を呈するが、ランプの発光色が著しく緑色となってしまうとともに平均演色評価数が75以下となってしまい、店舗用や屋外照明用といった用途には不向きであった。
特許第3293499号公報 特開平7−130331号公報 特開2003−16998号公報
そこで、本発明者等は、諸種の発光金属材料やその割合、封入量などについて選択や確認を行い、種々の発光特性において優れた成績が得られる材料を見出だすことができた。
本発明は、発光金属材料およびその封入割合を規制することにより、所望の効率(90Lm/W以上)、相関色温度(2000〜4500K)、演色性(平均演色評価数(Ra)75〜90)や寿命および点灯方向による相関色温度の変化が小さいなどの種々の発光特性が優れたメタルハライドランプなどの高圧放電ランプおよびこの放電ランプを装着した照明装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明の高圧放電ランプは、放電空間を形成する膨出部の両端に設けられた膨出部より内径が小さい一対の小径筒状部を有する透光性セラミックス放電容器、この放電容器の各小径筒状部内に気密封止された導入導体およびこの導入導体に接続され小径筒状部内に延在しているとともに膨出部内に先端を臨ませた少なくとも一対の電極、上記放電容器内に封入された金属ハロゲン化物および始動ガスを含む放電媒体とからなる発光管と、内部にこの発光管を管軸に沿って配設するとともに気密閉塞された外管と、この外管の端部に封止され、上記発光管の導入導体に電気的に接続するとともに発光管を保持する一対の給電部材とを具備した高圧放電ランプにおいて、上記発光管内に封入された金属ハロゲン化物がNa、Tl、In、Tmのハロゲン化物と、CeまたはPrの少なくとも一種を含む希土類金属のハロゲン化物とからなり、これら金属ハロゲン化物の総封入量に対しNaのハロゲン化物が10〜60wt%、Tlのハロゲン化物が5〜15wt%、Inのハロゲン化物が0.1〜10wt%、Tmのハロゲン化物が1〜40wt%の割合であることを特徴としている。
この発明の高圧放電ランプは、発光金属材料として、青色領域(450nm付近)に発光ピークを呈するInと、緑色領域(535nm付近)に発光ピークを呈するTlと、赤色領域(590nm付近)に発光ピークを呈するNaのハロゲン化物および青緑色領域(450〜530nm付近)に比較的多数の発光ピークを呈するTmと、緑色領域(500〜550nm付近)に比較的多数の発光ピークを呈するCeまたは緑色領域(480〜530nm付近)に比較的多数の発光ピークを呈するPrの少なくとも一種とからなる希土類金属のハロゲン化物を各適量封入している。
すなわち、本発明はNa、Tl、In、Tmのハロゲン化物と、CeまたはPrなどの希土類金属のハロゲン化物との封入量(比率)を規制して封入することにより、高い効率や演色性などの発光特性が得られる。
すなわち、上記発光金属の封入により可視領域に連続した発光スペクトルが得られるとともに、Inは青色発光により光色の調整の作用をなし、また、Tlは光色の調整と効率を高める作用をなし、また、Naは効率を高め立ち消え電圧を低下し点灯方向変動特性を改善する作用をなし、また、Tmは効率および演色性を高めるなどの作用をなし、さらに、CeおよびPrは効率を高めるなどの作用を奏する。
そして、上記ハロゲン化物の総封入量(mg)に対する、Naのハロゲン化物の封入量が10wt%未満であると動作中のアークが不安定になり立ち消えを生じるなどの不具合があり、また、封入量が60wt%を超えると赤色発光が強くなり過ぎ所望の色温度が得られないなどの不具合があり、色バランスを考慮すると10〜30wt%程度が好ましかった。
また、上記ハロゲン化物の総封入量(mg)に対する、Inのハロゲン化物の封入量が0.1wt%未満であると青色発光が不足して所望の発光色が得られないなどの不具合があり、また、封入量が10wt%を超えると青色発光が強くなり過ぎて発光効率が低下するなどの不具合があり、色バランスを考慮すると0.5〜8wt%程度が好ましかった。
また、上記ハロゲン化物の総封入量(mg)に対する、Tlのハロゲン化物の封入量が5wt%未満であると所望の発光効率が得られないなどの不具合があり、また、封入量が15wt%を超えると緑色発光が強くなり過ぎて発光色が緑色になるなどの不具合があり、色バランスを考慮すると7〜12wt%程度が好ましかった。
さらに、上記ハロゲン化物の総封入量(mg)に対する、Tmのハロゲン化物の封入量が1wt%未満であると演色性(Ra)が75未満となるなどの不具合があり、また、封入量が40wt%を超えると所望の発光色が得られないなどの不具合があり、色バランスを考慮すると5〜38wt%程度が好ましかった。
そして、各発光金属の封入比率が上記規制値範囲内であれば、色温度が2000〜4500K、演色性(Ra)が75以上で発光効率が高められるなど種々の発光特性にバランスのとれた品質の向上した高圧放電ランプを提供できる。
本発明および以下の各発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は次による。
発光管の放電容器を形成する材料としては、サファイヤ、アルミニウム酸化物(アルミナ)、イットリウム−アルミニウム−ガーネットの酸化物(YAG)、イットリウム酸化物(YOX)やアルミニウム窒化物(AlN)などのセラミックスからなる透光性、耐熱性やハロゲン化物からの耐蝕性が高いものを用いることができる。
放電容器の形状は、円筒形や中央部が膨出した長円形、球形やあるいはこれら形状の複合体などをなし、その両端または一端を直接あるいは端部に接続した小径の筒状体を気密に閉塞した封止部が形成してある。この封止部は、端部を金属製、セラミックス製やサーメット製などの栓体あるいは耐熱性接着剤などの充填剤で閉塞することができる。
また、上記の透光性とは、放電によって発生した光を透過して外部に放出できる程度の光透過性を有し、透明に限らず、光拡散性であってもよい。また、容器端部の小径筒状部など放電による放射を主としていない部分は、遮光性であってもよい。
また、本発明において、ランプの定格によっても異なり制限されるものではないが、放電容器の放電空間を形成する長円形、球形や円筒形などをなす部分の内径は4〜30mm程度、内部の全長は30〜90mm程度、内容積は0.02〜5.0cc、好ましくは0.2〜4.5cc程度のものを用いることができる。
さらに、ランプ電力Wとこの放電容器の内表面積cm2 との関係を示す管壁負荷は、電力が10〜40W程度のランプでは26W/cm2 以上、50W程度〜500W未満のランプでは23W/cm2 以上、500〜1000W程度のランプでは13W/cm2 以上がよい。
電極は、容器内において少なくとも一対が対峙するよう電極軸が放電容器両端の封止部や小径筒状部内を挿通して封装されており、材料としてはタングステンWまたはドープドタングステンを用いている。電極の先端部は、表面積を大きくして放熱を良好にするために、必要に応じて上記材料からなるコイルを巻装することができる。
また、電極基端の電極軸部は、放電容器に対して電極を所定の位置に固定するとともに、外部から電流を導入するために機能し、その基端部は導入導体の先端に溶接などによって固着することで電気的および機械的に支持されている。
また、導入導体は、電極に接続してこれを支持し電極に放電電流を供給するとともに容器に固定される機能を有し、放電容器端部の栓体の内外に接続あるいは栓体内を貫通したり、また、小径筒状部内にガラスシール材で気密に封止されていたりして、放電容器の端部から外部に直接または他の接続導体を介して導出され、発光管を支持するのに利用される。
セラミックス放電容器では、この導入導体の材料としては、ニオブNb、タンタルTa、チタンTi、ジルコニウムZr、ハフニウムHfやバナジウムVなどの封着性金属を用いて、棒状体、パイプ状体やコイル状体などに形成されている。そして、その選択はセラミックス放電容器の材料の熱膨張係数などに応じ適宜選ぶことができる。
放電媒体は、発光金属としてナトリウムNa、タリウムTl、インジウムInおよびツリウムTm、セリウムCe、プラセオジムPrなどの希土類金属を主成分とするハロゲン化物および必要に応じアマルガムを含む水銀Hgが封入されるが、カルシウムCa、セシウムCs、リチウムLi、マグネシウムMg、ルビジウムRbやその他の金属のハロゲン化物が少量含まれるのは構わない。また、ハロゲンとしては、よう素I、臭素Br、塩素Clまたはフッ素Fのいずれか一種または複数種を用いることができる。
また、封入された金属ハロゲン化物の総封入量の90wt%以上、好ましくは95wt%以上がNa、Tl、InおよびTmのハロゲン化物であれば、放射する分光分布に大きな影響を及ぼさず所望の安定した発光特性が得られ好ましい。
また、この金属ハロゲン化物の封入量は、容器内容積1cc当たり2〜20mg程度であるが、発光特性あるいはランプ電力や放電容器の内容積などに応じて決められる。
また、始動および緩衝ガスとしてアルゴンArやネオンNeなどの希ガスが8kPa〜80kPa(パスカル)程度封入され、点灯中約500kPa程度以上の圧力を呈する。なお、この希ガスの封入圧力が8kPa未満であると、パッシェン曲線にもあるように放電開始が困難になり、また、80kPaを超えると始動電圧が高くなって、口金の耐圧を超えてしまう。
外管は、石英ガラス、ほうけい酸ガラスなどの硬質ガラスや半硬質ガラスなどのガラスあるいはセラミックスからなる透光性および耐熱性を有する材料で形成されたA形、AP形、B形、BT形、ED形、R形、T形などをなし、端部の開口部から上記発光管を保持したマウントを入れ、この開口部をバーナで加熱し溶融閉塞してマウントを封止した封止部が形成されている。なお、上記封止部は、T(直管)形などの外管の場合は両端に形成されていてもよい。また、この外管内は真空雰囲気が望ましい。
給電部材は、1本の単独材料で形成できればよいが、封止部内に封止られる部分はガラスとの気密性やなじみがよい材料を要することから、外管内の給電線部分、封止部の封着部材部分、外管外に導出した外部リード部分など複数の材料を接続して構成するのが妥当で、材料、寸度などの形態は発光管の品種、電力、重量、外管材料などに合わせ適宜選べばよい。
また、端部に小径筒状部を有する放電容器の場合、内部に配設された電極軸と対向する小径筒状部の外面側にコイル状部を巻装し、このコイル状部を内部の電極軸と反対電位側に接続してランプ始動時の補助電極とすることにより、ランプの始動を容易にすることができる。
また、上記給電部材の外管内給電線部分は、モリブデンMoやタングステンWなどの金属材料からなり、発光管両端の導入導体に電気的に接続して給電を行うとともに発光管や中管を管軸に沿って配設保持する支持部材を兼ねている。
また、外管内の給電線などに、外管内を清浄にするジルコニウムZr−アルミニウムAl合金などのゲッタを設けておくことは構わない。
また、発光管を囲繞して容器と同様なセラミックスあるいは石英ガラスや硬質ガラスからなる耐熱透光性の材料からなる中管を設けることができる。この中管により、発光管の保温が行え発光金属を容易に作用させて高効率化や高演色化など発光特性の向上がはかれるとともに万一の発光管容器破損時の防護をなす。また、発光管および中管を電位のかからない部材に支持させることにより、点灯時に光電子作用により発光管容器内からNaイオンなどが抜け出すことを防ぎ、ランプの発光効率の低下を抑制できる。
また、点灯始動時、発光管に向け始動補助のため紫外線照射を行うように外管内に紫外線源を配設しておいてもよい。
さらに、本発明の高圧放電ランプは、定格電力が10〜1000Wのものに適用して点灯方向を制限することなく発光特性が高められる。なお、この定格電力が10〜1000Wとは、定格が10〜1000W級のランプのことで、±の裕度を有する。
請求項2の発明の高圧放電ランプは、上記発光管内に封入された金属ハロゲン化物の総封入量に対しCeまたはPrの少なくとも一種を含むハロゲン化物の封入量が20wt%以下であることを特徴としている。
Na、Tl、In、Tmのハロゲン化物にCeまたはPrの少なくとも一種を含ませることにより、緑色領域のスペクトル増加によって発光効率を高めることができる。
また、その封入量は金属ハロゲン化物の総封入量に対し20wt%以下で、20wt%を超えると緑色の強い発光色となって好ましくない。
なお、金属ハロゲン化物の総封入量Mに対する上記Tmを含むCeまたはPrの希土類金属のハロゲン化物の総封入量Rの重量比率R/Mが0.65(65%)以上になると、希土類金属ハロゲン化物は電離電圧が低いためアークが不安定になって立ち消えなどの不具合を生じる。
請求項3の発明の高圧放電ランプは、上記発光管内に封入された金属ハロゲン化物の総封入量に対し3〜20wt%のCa、Cs、Li、Mg、Rbのうちの少なく一種を含むハロゲン化物が封入され、かつ、上記希土類金属のハロゲン化物の総封入量R(モル)に対するCa、Cs、Li、Mg、Rbのうちの少なくとも一種を含むハロゲン化物の総封入量A(モル)の比率A/Rが0.5未満であることを特徴としている。
Na、Tl、In、TmやCeまたはPrのハロゲン化物の他、Ca、Cs、Li、Mg、Rbのうちから選ばれたハロゲン化物を添加するとともに各材料の封入量(wt%)を規制したものであって、Ca、Cs、Li、Mg、Rbなどを追加することにより、アークの安定がはかれるなどの作用を奏する。
そして、上記ハロゲン化物の総封入量(mg)に対する、Ca、Cs、Li、Mg、Rbなどのハロゲン化物の封入量が3wt%未満であると立ち消えを生じるなどの不具合があり、また、封入量が20wt%を超えると赤外発光の増加により発光効率が低下するなどの不具合があり、実用上は5〜15wt%程度が好ましかった。
また、このとき希土類金属のハロゲン化物の総封入量R(モル)に対するCa、Cs、Li、Mg、Rbなどのハロゲン化物の総封入量A(モル)の比率A/Rが0.5(50%)を超えると発光効率が低下して90Lm/Wを下回るなどの不具合があり、A/Rの好ましい比率は0.1〜0.25(10〜25%)程度であった。
請求項4の発明の高圧放電ランプは、上記発光管を内部に配設した外管内は、133Pa以下の雰囲気圧であることを特徴としている。
外管内を低圧雰囲気とすることにより、内部に対流が起こらず過度な発光管温度の低下を防ぐことができる。
この外管内部に133Paを超える圧力の気体の存在があると、外管内において不所望な放電が生起する虞があり好ましくない。
請求項5の発明の高圧放電ランプは、上記発光管を囲じょうして設けられた中管、紫外線領域220〜370nmにおける分光透過率が75%以上石英ガラスからなることを特徴としている。
発光管を透光性の石英ガラス管やセラミックス管からなる円筒形状をなす中管で囲うことによって、内部の発光管の温度を上げてランプの発光特性を左右する最冷部の温度を高め発光効率を向上することができる。
中管として、紫外線領域220〜370nmにおける分光透過率が75%以上、好ましくは紫外線領域260〜340nmにおける分光透過率が90%以上の石英ガラスを用いることができる。
また、中管として可視光領域(380〜780nm)における透過率が約91%紫外線領域(220〜370nm)を遮断する石英ガラス管を用いた場合と、同じく可視光領域における透過率が約92%紫外線領域を透過する石英ガラスを用いた場合とでは、可視光領域における透過率が約1%程度しか差がないのに、紫外線を透過する石英ガラス管の方が発光効率が5〜15%程度向上した。
請求項6の発明の照明装置は、照明装置本体と、この照明装置本体に設けられた請求項1ないし5のいずれか一に記載の高圧放電ランプと、この高圧放電ランプを点灯させる点灯回路手段とを具備していることを特徴としている。
高圧放電ランプは、矩形波点灯回路装置またはチョークコイル式やトランス式などの磁気励起式の安定器点灯回路装置を用い点灯させることができる。
たとえば高圧放電ランプを、電圧波形が100Hz〜1kHzの矩形波で、かつ、安定器からの2次開放電圧が150〜400Vで点灯できる。この場合に100Hz未満の周波数の点灯では、点灯時にアークにちらつきが発生する。また、1kHzを超える周波数の点灯では、音響共鳴現象によるアークの揺れが発生するとともに点灯経過に伴う光束の低下、すなわち光束維持率の低下が大きい。
また、2次開放電圧が150〜400Vで点灯され、150V未満の始動では、グロー放電からアーク放電に移行できないという不具合があり、400Vを超える点灯では電極への印加電圧が高すぎるため発光管に黒化を生じるという不具合がある。
なお、上記照明装置本体とは、上記照明装置から高圧放電ランプおよび点灯回路手段を除いた筐体、反射鏡、透光性カバーやレンズなどの残余の部分をいうがこれら部材全部が必須のものではない。
本発明において、照明装置は、高圧放電ランプの発光を何らかの目的で用いるあらゆる装置を含む広い概念である。たとえば、電球形高圧放電ランプ、照明器具、移動体用前照灯、光ファイバー用光源装置、画像投射装置、光化学装置、指紋判別装置などに適用することができる。
請求項1の発明によれば、発光金属をNa、Tl、In、Tmと、CeまたはPrなどの希土類金属のハロゲン化物を主成分として、これらを所定の重量比率で発光管内に封入したことにより、電力、発光効率、相関色温度、平均演色評価数(演色性)、色度偏差や寿命など種々の発光特性や電気特性が、ランプの点灯姿勢に拘らず変化量が小さく安定した発光をなす品質の向上したメタルハライドランプなどの高圧放電ランプを提供することができた。
請求項2の発明によれば、CeまたはPrのハロゲン化物の発光管内への封入量を規制することにより、発光効率の向上がはかれた高圧放電ランプを提供することができた。
請求項3の発明によれば、Ca、Cs、Li、Mg、Rbなどのうちから選ばれたハロゲン化物の発光管内への封入量を規制することにより、アークを安定させるとともに寿命経過に伴う光束の低下すなわち光束維持率の改善がはかれるなどの効果を奏する高圧放電ランプを提供することができた。
請求項4の発明によれば、外管内の雰囲気圧を規制することにより、内部に対流が起こらず発光管温度の低下を防いで、発光特性の向上がはかれた高圧放電ランプを提供することができた。
請求項5の発明によれば、中管内の発光管の温度を上げてランプの発光特性を左右する最冷部の温度を高め発光効率の向上がはかれた高圧放電ランプを提供することができた。
請求項6の発明によれば、上記請求項1ないし5に記載の効果を奏する高圧放電ランプを備えているので、諸発光特性や電気特性に優れた照明器具などの照明装置を提供することができた。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の高圧放電ランプの実施形態を示す概略正面図、図2は図1中の発光管部分を示す拡大断面正面図である。
図において、高圧放電ランプL1は、発光管1A、この発光管1Aを囲繞する中管3、この発光管1Aと中管3を支持するとともに給電をなす一対の給電部材4A,4Bを内部に収容した外管5およびこの外管5の端部に設けられた口金6を主体として構成されている。
発光管1Aは、略球状をなしている膨出部11の両端に連続的な曲面によって繋った小径筒状部12a,12bを連設した透光性セラミックスからなる放電容器1を備え、この放電容器1の小径筒状部12a,12bの先端内を貫通して、電極2A,2Bに接続したNbからなる線状の導入導体23a,23bがガラスシール剤13,13により気密に封止られた上下対称構造をしている。
また、上記各電極2A,2Bは、小径筒状部12a,12b内に位置して上記導入導体23a,23bにモリブデン線を巻回したコイル状部25a,25bを介し互いに突合せ溶接し、先端側を膨出部11に臨ませたタングステン線からなる電極軸21およびこの電極軸21の先端にタングステン細線を巻装したコイル状部22から構成されている。
なお、このとき小径筒状部12a,12b内を貫通する電極軸21と小径筒状部12a,12b内壁面との隙間は0.1mm以下となっていて、隙間が大きい場合は、電極軸21にモリブデンなどの細線からなるコイルを巻装して隙間を小さくしてもよく、このコイルの外側面が小径筒状部12a,12bの内面と接触していてもよい。また、上記電極軸21の先端のコイル状電極22は必須のものではなく、電極軸21の先端が電極作用を行うものであってもよい。
また、この発光管1Aの放電容器1内には、放電媒体としてアルゴンArなどを含む始動および緩衝ガスならびに発光金属としての金属ハロゲン化物と水銀とが封入されている。
この金属ハロゲン化物は、よう化ナトリウムNaIがMNamg、よう化タリウムTlIがMTlmg、よう化インジウムInIがMInmg、よう化ツリウムTmI3 がMTmmg、よう化セリウムCeIがMCemgで、総封入量がMmg(=MNamg+MTlmg+MInmg+MTmmg+MCemg)である。
このときの各ハロゲン化物間の封入重量比率は下記の通りである。全金属ハロゲン化物の総封入量Mに対して、Inのハロゲン化物が10〜60wt%、Tlのハロゲン化物が5〜15wt%、Inのハロゲン化物が0.1〜10wt%、Tmのハロゲン化物が1〜40wt%、Ceのハロゲン化物が20wt%以下の重量割合で調整して封入されている。また、水銀は放電容器1の内容積当り3〜25mg/ccの割合で封入されている。
そして、上記において、Ceのハロゲン化物に代わりあるいはCeのハロゲン化物とともにCeと同様な発光効率を向上させる作用を呈するPrのハロゲン化物を金属ハロゲン化物の総封入量Mに対して、20wt%以下封入することは差し支えない。
また、上記金属ハロゲン化物にCa、Cs、Li、Mg、Rbのうちから選ばれた少なくとも一種のハロゲン化物を金属ハロゲン化物の総封入量Mmgに対して3〜20wt%を添加封入するようにしてもよい。このCa、Cs、Li、Mg、Rbのハロゲン化物は、アークを安定させるとともに寿命経過に伴う光束の低下すなわち光束維持率を改善するなどの作用を奏する。
なお、このCa、Cs、Li、Mg、Rbのハロゲン化物の封入量が3wt%未満であると寿命経過に伴う光束の低下が著しいなどの不具合があり、また、20wt%を超えると発光効率が低下するなどの不具合が生じて好ましくない。
また、図3は上記Ca、Cs、Li、Mg、RbのうちのたとえばCsのハロゲン化物(よう化物)の封入量MCsを変化させた場合の発光効率を示すグラフで、横軸に金属ハロゲン化物(よう化物)の総封入量M(=MNamg+MTlmg+MInmg+MTmmg+MCemg+MCsmg)に対するCsのハロゲン化物(よう化物)の封入量MCsの重量比率MCs/M(%)を、縦軸に発光効率(Lm/W)を対比させたものである。
この重量比率MCs/Mが小さい値ほど発光効率は高くなるが、3%以下となるとランプの立ち消えを生じることがあり、また、14%を超えると発光効率(Lm/W)が目標の90Lm/Wより低下する不具合があって、ばらつきなどを考慮すると3〜10%程度が好ましい。
また、外管5は石英ガラスなどで形成された一端(図において上側)側が閉塞されたBT形をなし、他端(下部)側の開口部から上記発光管1Aを保持したマウントを入れ、この開口部をバーナで加熱しマウントのステム4sを溶着して閉塞した封止部51が形成してある。また、外管5内は封止部51形成後に排気管(図示しない。)を介し排気された真空雰囲気にしてあり、その圧力は133Pa以下とされている。
一対の給電部材4A,4Bは、上記マウントのステム4Sに気密封着された封着線から延出した内部リード線41a,41bの一端側に接続され外管5内に延在するモリブデン線などからなる給電線42a,42b部分と、他端側に接続され外管5外に延在するモリブデン線などからなる外部リード(図示しない。)部分と、この一方の給電線42aに設けられた上記発光管1Aや中管3の支持部材43a,43bとで構成されている。
上記一方の給電線42aは略V字形に形成した先端側が離間して並行するよう折曲され、延伸したその先端部がBT形をなす外管5の頂部内壁と弾性的に当接するよう配設されている。また、この並行する給電線42aの中間部には金属板やセラミックス板などを円盤状や帯状などに成形した、ここでは円盤状の支持部材43a,43bが間隔を隔て直接に溶接などの手段で接続したり、固定部材44,…を介し取り着けられ、給電線42a、42a間を強固に保持した構成をなしている。
そして、発光管1Aは放電容器1の小径筒状部12a,12bが、離間した円盤状の支持部材43a,43bの中央に形成した透孔内に挿入して支持されるとともに支持部材43a,43b間に中管3がこの発光管1Aを囲繞した状態で固定部材44,…などを介し配設固定されている。
また、一方の給電線42aに接続した支持部材43aと導入導体23aとが導電線45を介し接続してあり、また、略L字形に折曲げ延伸した他方の給電線42bは先端部に接続した導電線46を介し導入導体23bと接続してある。
したがって、この給電部材4A,4Bの外管5内に延在する給電線42a,42b部分は、発光管1A両端の導入導体23a,23bと電気的に接続して給電を行うとともに発光管1Aを管軸に沿って配設保持している。
そして、この外管5の封止部51には、品種や用途に応じて口金6が被冠して設けられるとともに口金6の端子部に外部リード線が接続されメタルハライドランプを構成する高圧放電ランプL1が完成する。
この放電ランプL1は、口金6部がソケットに装着され、たとえば図示しない100Hz〜1kHzの矩形波点灯回路装置から通電されると、口金6、給電部材4A,4Bを介し発光管1Aの導入導体23a,23bを経て電極2A,2Bに電圧が印加され先端の電極コイル22,22間で放電を生起し、安定した点灯が行える。
本発明は、発光管内に封入する発光金属としてのハロゲン化物に特徴を有する。すなわち、Na、Tl、Inに、TmおよびCeやPrの希土類金属のハロゲン化物を用い、かつ、その封入重量比率を規制することによって達成できたものである。
また、上記実施の形態ではハロゲン化物のハロゲン元素としてよう素Iを用いたが、本発明は臭素Br、塩素Clやフツ素Fなど他のハロゲン元素であってもよく、また、複数種のハロゲン元素からなるものであっても差支えない。
また、図4および図6は本発明の高圧放電ランプL2,L3の他の実施の形態を示す正面図で、図中上述した図1および図2に示す放電ランプL1と同一部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図4に示す高圧放電ランプL2は、ランプ定格電力が280〜440Wたとえば400Wで、図2に示す発光管1Aを収容する外管5がT(直管)形をなし、図1と同様に一端側の封止部(図示しない。)にマウントのステム4sが封止され、発光管1Aはこのステム4sの内部リード線41a,41bに接続した給電部材4A,4Bを兼ねる給電線42aに支持されるとともに給電線42a,42bと接続している。
さらに詳述すると上記外管5は、硬質ガラスからなる外径が約65mm、全長が約250mmに形成され、内部に実施例2と同形の透光性セラミックス製の最大外径が約22mm、全長が約80mmの放電容器1を有する発光管1Aが収容されている。なお、発光管1Aを囲繞して設けられた中管3は必須のものではないが、発光管1Aの外面より2mm以上の間隙を隔て配設するのが好ましい。また、外管5内には給電線42a,42bに接続支持させた紫外線発生源7が発光管1Aに近接して配設されている。
この紫外線発生源7は、図5に拡大して示すように外径約4mm、内径約2mm、長さ約20mmの略円筒状をした石英ガラスからなる紫外線透過性の気密容器71の端部に形成した封止部72内に外径約0.75mmのモリブデン線からなる封着線兼用のリード線73が気密封止され、気密容器71内において幅約1.5mm、厚さ約30μm、長さ約8mmの箔状の内部導電部材を構成する電極74が接続してある。また、この気密容器71内にはアルゴンなどの希ガスが約1300Paの圧力で封入されている。
この紫外線透過性の気密容器71の外周部には、外径が約0.4mmの鉄−ニッケル合金からなる外部導電部材75が約4回螺旋状に巻回(図9においては巻回状態は省略。)してある。また、この外部導電部材75の一端側75bおよび上記封着線兼用のリード線73の封止部72から導出した他端側73aが、給電線42a,42bにそれぞれ接続してある。
そして、上記紫外線発生源7内の内部導電部材74と外部導電部材75とは容量結合された状態であって、形成される静電容量は約0.5pFとしてある。
そして、このような構成の高圧放電ランプL2は、安定器などを有する点灯回路装置に接続したソケット(図示しない。)に口金6部を装着し通電される。
この点灯回路装置に接続された放電ランプL2は、始動時、口金6に電気的に接続した内部リード線41a,41bを介し給電部材4A,4Bを兼ねる給電線42a,42bを介し発光管1A内にある電極2A,2Bおよび給電線42a,42bに並列的に接続した紫外線発生源7のリード線73と外部導電部材75に高圧パルスが印加される。
この高圧パルスの印加によって、容量結合されその間隔が小さい紫外線発生源7の内部導電部材74と外部導電部材75との間で放電破壊が起こる。
すなわち、発光管1A内にある電極2A,2B間に比べインピーダンスの低い紫外線発生源7の内部導電部材を構成する電極74と外部導電部材75間に放電が生起する。この放電により紫外線透過性の気密容器71内に紫外線が発生するとともにこの気密容器71を透過して紫外線が外部に放射される。
本発明においては、発光管1Aに近接して配設した紫外線発生源7から、発光管1A内の電極2A,2B間に向けて紫外線が放射される結果、紫外線により上記電極2A,2B間の放電が促進されて、発光管1Aを約1秒の極めて短時間のうちに容易に始動するとともに、その後は安定した点灯を持続させることができる。
そして、紫外線発生源7の内部導電部材74と外部導電部材75とで形成される静電容量を約0.5pF程度とすると、インピーダンス成分が小さくなって高圧パルス発生時により多くの漏れ電流が流れるようになり、紫外線の放射量を増すことができ、始動が容易となる。
本発明は、このように外管5形状が変わった構造の場合でも、諸発光特性は上記実施の形態の放電ランプL1と同等で同様な作用効果を呈する。また、放電ランプL2自体およびこのランプL2を収容する照明器具などのコンパクト化がはかれる利点がある。
また、上記放電ランプL2に限らないが、メタルハライドランプなどハロゲン化物を封入したランプは、ハロゲンによる電子吸着作用により初期電子が不足して始動特性がよくないということがあるが、上記紫外線発生源7などの始動補助手段を付加した場合は、ランプの始動特性をさらに向上できる。
また、図6に示す高圧放電ランプL3は、図2に示す発光管1Aを収容する外管5が石英ガラスからなるT(直管)形をなし、両端に発光管1Aから導出した導入導体23a,23bと接続したモリブデン箔52,52が気密封止された圧潰封止部51,51を備えた構造をなし、諸発光特性は上記実施の形態のランプL1と同様な作用効果を呈する。
図7は、たとえば上記高圧放電ランプL1が用いられた本発明に係わる照明装置8を示す一部断面正面図である。この照明装置8は天井91に埋め込み設置される埋込形照明装置で、天井91側に取り付けられる器具(装置)本体92を有し、この器具(装置)本体92内に設けられたソケット93に上記高圧放電ランプL1の口金6が装着される。また、この器具(装置)本体92内にはランプL1の放射光を下方に反射させる反射鏡94が配設され、この反射鏡94の開口側を覆ってガラスなどからなるカバー部材やレンズなどからなる制光体95が配設されている。
そして、上記高圧放電ランプL1は、器具(装置)本体92やあるいはこの本体92とは別置された安定器などを有する点灯装置と電気的に接続され、この点灯装置からの給電により点灯することができる。
なお、照明装置も上記実施の形態に限らず、他の構造や用途をなすものであってもよく、点灯方式も矩形波点灯回路装置を用いるものに限らず、チョークコイル式やトランス式などの磁気励起式の安定器を用いるものであってもよい。
図1および図2に示すものと同構成の高圧放電ランプであって、以下の仕様で製作し諸発光特性を測定した。
ランプは定格電力が250W、発光管1Aは透光性アルミナセラミックス製で、全長約60mm、膨出部11の外径約16.6mm、内径約14.0mmで内容積約1.5cc、管壁負荷約25〜29W/cm2 、小径筒状部12a,12bの外径約3.0mm、内径約1.2mmで、この発光管1Aの容器1は可視光領域の分光透過率が約92%の紫外線透過性の石英ガラスからなる中管3でほぼ全体を囲ってある。
電極2A,2Bは、タングステンからなる電極軸21の外径約0.6mm、長さ約8mmで、電極コイル状部22は外径約0.2mmのタングステン線を密ピッチで約3ターン巻回され、両者の電極間距離約15mmである。
導入導体23a,23bは、Nbから形成され、外径が約0.9mm、長さが約12mm、Mo線を巻回したコイル状部25a,25bは、外径が約0.9mm、長さが約12mmである。
放電媒体としては、始動および緩衝ガスとしてアルゴンを約20kPaと、ハロゲン化物がNaI−TlI−InI−TmI3 −CeI3 の組成で約56wt%−約6.5wt%−約4.5wt%−約10wt%−約24wt%の割合で約6mgおよび水銀Hg約14mgとが封入してある。
また、外管5は硬質ガラスからなるBT形で、最大部外径約116mm、最大部内径約114mm(肉厚約1.0mm)、全長約250mm(口金6を含む全長は約250mm)で、内部は約100Paの真空状態としてある。
また、上記実施例1の放電ランプL1などとの比較用として、
ハロゲン化物を除く他の構成を同じとした放電ランプを製作した。表1において比較例は公知のランプが用いているハロゲン化物で、NaI−TlI−InI−CeI3 を約56wt%−約6.5wt%−約4.5wt%−約34wt%の割合で封入したランプである。
図1および図2に示すものと同構成、同定格の高圧放電ランプであって、実施例1のランプL1とは封入する金属ハロゲン化物の組成のみが異なる仕様で製作したランプである。
ランプは定格電力が250Wで、放電媒体としハロゲン化物がNaI−TlI−InI−TmI3 −CeI3 の組成で約29wt%−約9.5wt%−約3.5wt%−約15wt%−約43wt%の割合で約6mgおよび水銀Hg約14mgとが封入してある。
図1および図2に示すものとほぼ同構成で実施例1および2の定格電力250Wに比べて、電力が約1.4倍の定格電力400Wの同種の放電ランプを製造し諸発光特性を測定した。
発光管1Aは透光性アルミナセラミックス製で、全長約80mm、膨出部11の外径約22mm、内径約20mmで内容積約4.0cc、管壁負荷約25〜29W/cm2 、小径筒状部12a,12bの外径約3.5mm、内径約1.5mmである。
電極2A,2Bは、タングステンWからなる電極軸21の外径約0.7mm、長さ約8mmで、電極コイル状部22は外径約0.3mmのタングステン線を密ピッチで約4ターン巻回され、両者の電極間距離約19mmである。
導入導体23a,23bは、Nbから形成され、外径が約1.4mm、長さが約15mm、Mo線を巻回したコイル状部25a,25bは、外径が約1.4mm、長さが約18mmである。
放電媒体としては、始動およびバッファガスとしてアルゴンを約53kPaと、NaI−TlI−InI−TmI3 −CeI3 のハロゲン化物が約29wt%−約9.5wt%−約4.5wt%−約40wt%−約17wt%の割合で約14mgおよび水銀Hg約30mgとが封入してある。
また、外管5は石英ガラスからなるBT形で、最大部外径約116mm、最大部内径約114mm(肉厚約1.0mm)、全長約300mmで、この発光管1Aの容器1は中管3でほぼ全体を囲ってある。
実施例3のランプと同構成、同定格の高圧放電ランプであって、実施例3のランプL1とは封入する金属ハロゲン化物の組成のみが異なる仕様で製作したランプである。
ランプは定格電力が400Wで、放電媒体としハロゲン化物がNaI−TlI−InI−TmI3 −CeI3 の組成で約29wt%−約9.5wt%−約3.5wt%−約49wt%−約8wt%の割合で約14mgおよび水銀Hg約30mgとが封入してある。
実施例3のランプと同構成、同定格の高圧放電ランプであって、実施例3および実施例4のランプL1とは封入する金属ハロゲン化物の組成のみが異なる仕様で製作したランプである。
ランプは定格電力が400Wで、放電媒体としハロゲン化物がNaI−TlI−InI−TmI3 −CeI3 −CsIの組成で約42wt%−約11wt%−約3wt%−約22wt%−約17wt%−約5wt%の割合で約14mgおよび水銀Hg約30mgとが封入してある。
そして、上記実施例1〜5のランプは表1中に示すように全光束(Lm)、効率(Lm/W)、相関色温度(K)、色偏差(d.u.v)および平均演色評価数(演色性:Ra)などの発光特性が目標とする範囲内にあることが確認できた。
表1の実施例1〜5および比較例の各試料につき各5本のランプを、100時間点灯後、管壁負荷約25〜29W/cm2 で動作させ測定した諸特性の平均値である。
Figure 0004279122
表1から明らかなように、本発明のランプは、効率、相関色温度、色偏差(d.u.v)および平均演色評価数(演色性:Ra)などの諸発光特性が、ランプの点灯方向に拘らず本発明が目標とする範囲内に入り、一般照明用として好適な白色光を放射できる。
これに対し、比較例のランプは、色温度(K)の値は高いが、平均演色評価数(演色性:Ra)の値が低いとともに色偏差(d.u.v)が目標とする−0.005〜0.01を外れるなどの不具合があった。
なお、表1中には特に寿命についてのデータが記述されていないが、実施例も比較例もほぼ同等であったので省略してある。
また、本発明が適用できるランプは定格電力が10〜1000W級のもので、表2に本発明が規制したハロゲン化物の封入条件を満たした代表品種について製作した本発明ランプの諸特性表であって、いずれの品種も所望の特性が得られることが確認できた。
Figure 0004279122
本発明の高圧放電ランプの実施形態を示す概略正面図である。 図1中の発光管部分を示す拡大断面正面図である。 発光管に封入された金属ハロゲン化物の総封入量Mに対するCs(MCs)の封入重量比率MCs/M%(横軸)と、効率Lm/W(縦軸)とを対比したグラフである。 本発明の高圧放電ランプの他の実施形態を示す概略正面図である。 図4中の外管内に封装された紫外線発生源を示す拡大正面図である。 本発明の高圧放電ランプの他の実施形態を示す概略正面図である。 本発明の照明装置の実施形態を示す一部断面正面図である。
符号の説明
L1,L2,L3:高圧放電ランプ(メタルハライドランプ)、 1A:発光管、 1:放電容器、 11:膨出部、 12a,12b:小径筒状部、 2A,2B:電極、 23a,23b:導入導体、 4A,4B:給電部材、 6:中管、 8:照明装置、 82:器具(装置)本体、

Claims (6)

  1. 放電空間を形成する膨出部の両端に設けられた膨出部より内径が小さい一対の小径筒状部を有する透光性セラミックス放電容器、この放電容器の各小径筒状部内に気密封止された導入導体およびこの導入導体に接続され小径筒状部内に延在しているとともに膨出部内に先端を臨ませた少なくとも一対の電極、上記放電容器内に封入された金属ハロゲン化物および始動ガスを含む放電媒体とからなる発光管と;
    内部にこの発光管を管軸に沿って配設するとともに気密閉塞された外管と;
    この外管の端部に封止され、上記発光管の導入導体に電気的に接続するとともに発光管を保持する一対の給電部材とを具備した高圧放電ランプにおいて、
    上記発光管内に封入された金属ハロゲン化物がNa、Tl、In、Tmのハロゲン化物と、CeまたはPrの少なくとも一種を含む希土類金属のハロゲン化物とからなり、これら金属ハロゲン化物の総封入量に対しNaのハロゲン化物が10〜60wt%、Tlのハロゲン化物が5〜15wt%、Inのハロゲン化物が0.1〜10wt%、Tmのハロゲン化物が1〜40wt%の割合であることを特徴とする高圧放電ランプ。
  2. 上記発光管内に封入された金属ハロゲン化物の総封入量に対しCeまたはPrの少なくとも一種を含むハロゲン化物の封入量が20wt%未満であることを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプ。
  3. 上記発光管内に封入された金属ハロゲン化物の総封入量に対し3〜20wt%のCa、Cs、Li、Mg、Rbのうちの少なく一種を含むハロゲン化物が封入され、かつ、上記希土類金属のハロゲン化物の総封入量R(モル)に対するCa、Cs、Li、Mg、Rbのうちの少なくとも一種を含むハロゲン化物の総封入量A(モル)の比率A/Rが0.5未満であることを特徴とする請求項1または2に記載の高圧放電ランプ。
  4. 上記発光管を内部に配設した外管内は、133Pa以下の雰囲気圧であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一に記載の高圧放電ランプ。
  5. 上記発光管を囲じょうして設けられた中管、紫外線領域220〜370nmにおける分光透過率が75%以上石英ガラスからなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一に記載の高圧放電ランプ。
  6. 照明装置本体と;
    この照明装置本体に設けられた請求項1ないし5のいずれか一に記載の高圧放電ランプと;
    この高圧放電ランプを点灯させる点灯回路手段と;
    を具備していることを特徴とする照明装置。
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