JP2004055319A - メタルハライドランプおよび照明装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】包囲部1aの両端に連通した小径筒部1bを備えて一体的に成形された透光性セラミックス放電容器1と、小径筒部1bに挿通されて先端が透光性セラミックス放電容器1の包囲部に臨んでいる一対の電極2、2と、先端が電極2の基端部に接続し、少なくとも中間部が透光性セラミックス放電容器1に封着し、かつ、基端が透光性セラミックス放電容器1から外部に露出した導入導体3と、ハロゲン化ナトリウム、ハロゲン化タリウム、ハロゲン化ジスプロシウムおよびハロゲン化セシウムを含み、ハロゲン化セシウムの構成比が6質量%以上のハロゲン化物、水銀および希ガスを含んでいて、透光性セラミックス放電容器1内に封入された放電媒体とを具備している。
【選択図】図4
Description
【発明の属する技術分野】本発明は、透光性セラミックス放電容器を備えたメタルハライドランプおよびこれを用いた照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】発光管の放電容器の構成材料に透光性セラミックスを用いたことにより、高効率、高演色および長寿命なメタルハライドランプが実現し、さらに加えて定格ランプ電力70W以上の高圧放電ランプにおいては水銀灯安定器適合形のものも開発されている。この種の高圧放電ランプにおいて、高効率、高演色を実現するには、発光管の最冷部温度をなるべく高い値にする必要があり、そのためには透光性セラミックス放電容器の点灯中の温度を十分に高める必要がある。
【0003】
透光性セラミックス放電容器の構成材料であるセラミックスは、従来から用いられてきた石英ガラスのように軟化、溶融による加工ができないので、封止のために、放電空間を包囲する包囲部の両端から小径筒部を管軸方向に延長させ、小径筒部内に電極軸を周囲にわずかな隙間を形成しながら挿通し、小径筒部の端部側で封止するという特有の封止構造が採用されている。そして、封止は、小径筒部の端部において、フリットガラスを施与し、加熱して溶融、固化させることにより、導入導体と小径筒部との間の隙間をフリットガラスが埋めて行なうようにした構成を採用しているものが多い。このメタルハライドランプでは、最冷部は小径筒部の中のわずかな隙間に進入した液相状態で滞溜する放電媒体の表層部付近に形成される。
【0004】
また、従来の透光性セラミックス放電容器を備えた定格ランプ電力70W以上のメタルハライドランプにおいては、その透光性セラミックス放電容器が円筒状部分と円盤状部分とパイプ状部分とを焼き嵌めした構造(従来技術1)が多い。この透光性セラミックス放電容器は、円筒状部分と円盤状部分とが放電空間を包囲する包囲部を、またパイプ状部分が小径筒部を、それぞれ形成する。
【0005】
一般に、包囲部および小径筒部を有する透光性セラミックス放電容器においては、最冷部の温度は、電極からの伝導熱および輻射熱と、包囲部を経由して伝導するアークからの伝導熱とのバランスで決定する。そして、放電ランプの点灯方向を変えた場合、電極からの伝導熱および輻射熱はほぼ一定であるが、包囲部を経由して伝導するアークからの熱量が大きく変化する。
【0006】
ところが、従来技術1のような焼き嵌め構造の透光性セラミックス放電容器の場合、包囲部と小径筒部との間の焼き嵌め部分において、熱抵抗が大きくなる。その結果、包囲部を経由するアークからの伝導熱による影響が相対的に少ない。なお、焼き嵌め構造の透光性セラミックス放電容器としては、特開平10−144261号公報に記載されているように、内面が楕円球形状の包囲部と小径筒部とを別体に仮焼結し、包囲部の両端に形成した肉厚段部の中心孔に小径筒部を挿入してから、本焼結して一体化したものもある。(従来技術2)
しかし、従来技術1および2は、その構造上リークや破裂に対する信頼性が低いという問題ある。また、焼き嵌め構造の場合、透光性セラミックス放電容器の小形化には不向きであり、ランプ電力が10〜50W程度の小形の透光性セラミックス放電容器を製作しにくい。
【0007】
これに対して、特開平9−147803、同11−204086号公報などに見られるように、球形またはこれ類似した楕円球形の包囲部と小径筒部とを鋳込み成形などにより一体的に成形した透光性セラミックス放電容器も知られている。(従来技術3)
一体成形した透光性セラミックス放電容器はその構造上リークや破裂に対する信頼性が高いという特長がある。また、透光性セラミックス放電容器の大きさによる制約がないので、各種ランプ電力の高圧放電ランプに適応することができる。さらに、放電容器全体にわたり熱的に連続性があり、したがって包囲部から小径筒部への熱伝導が良好に行なわれるので、最冷部の温度を高くしやすいため、高発光効率および高演色性のメタルハライドランプを得ることができる。
【0008】
一方、透光性セラミックス放電容器を備えたメタルハライドランプにおいては、Na、Tl、Dy、Tm、Ho、CaおよびCeなどのハロゲン化物が用いられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、一体成形した透光性セラミックス放電容器を備えたメタルハライドランプにおいては、点灯直後にランプ電圧が上昇して、放電の立ち消えを起こしやすいという問題がある。これは、一体成形の透光性セラミックス放電容器の場合、熱抵抗が焼き嵌め構造の透光性セラミックス放電容器に比較して小さいことが起因し、最冷部温度が急激に上昇するからである。そうして、ランプ電圧は、一時的に目標ランプ電圧より30〜35V程度高くなる。
【0010】
本発明は、点灯直後に放電の立ち消えが起こりにくいメタルハライドランプおよびこれを用いた照明装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を達成するための手段】
請求項1の発明のメタルハライドランプは、放電空間を包囲する包囲部および包囲部の両端に連通した小径筒部を備えて一体的に成形された透光性セラミックス放電容器と;透光性セラミックス放電容器の小径筒部に挿通されているとともに先端が透光性セラミックス放電容器の包囲部に臨んでいる一対の電極と;先端が電極の基端部に接続し、少なくとも中間部が透光性セラミックス放電容器に封着し、かつ、基端が透光性セラミックス放電容器から外部に露出した導入導体と;ハロゲン化ナトリウム、ハロゲン化タリウム、ハロゲン化ジスプロシウムおよびハロゲン化セシウムを含み、ハロゲン化セシウムの構成比が6質量%以上のハロゲン化物、水銀および希ガスを含んでいて、透光性セラミックス放電容器内に封入された放電媒体と;を具備していることを特徴としている。
【0012】
本発明および以下の各発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は次による。本発明の高圧放電ランプは、上記のように透光性セラミックス放電容器、一対の電極、導入導体および放電媒体を構成要素としている。以下、構成要素ごとに説明する。
【0013】
<透光性セラミックス放電容器について> 「透光性セラミックス放電容器」とは、単結晶の金属酸化物たとえばサファイヤと、多結晶の金属酸化物たとえば半透明の気密性アルミニウム酸化物、イットリウム−アルミニウム−ガーネット(YAG)、イットリウム酸化物(YOX)と、多結晶非酸化物たとえばアルミニウム窒化物(AlN)のような光透過性および耐熱性を備えた材料からなる放電容器を意味する。なお、「透光性」とは、放電によって発生した光を透過して外部に導出できる程度に光透過性であることをいい、透明ばかりでなく、光拡散性であってもよい。そして、少なくとも包囲部が透光性を備えていればよく、要すれば小径筒部は遮光性であってもよい。
【0014】
また、透光性セラミックス放電容器は、放電空間を包囲する包囲部と包囲部の端部に連通して配設された小径筒部とを備えている。そして、包囲部と小径筒部とは、一体的な成形により一体化されている。したがって、焼き嵌めによる材料断面の不均質構造がない。包囲部は、その内部に放電空間を包囲するために、包囲部の内面を連続的な曲面に形成することが許容される。さらに、包囲部内部の主要部を球状の中空にすることができる。なお、包囲部の「主要部」とは、小径筒部と接している側の端部近傍を除いた残余の大部分であって、放電による発光が主として透過する部分をいう。
【0015】
次に、小径筒部は、その内部に後述する電極および電極に接続する導入導体が挿通し、電極の周囲にキャピラリーと称するわずかな隙間を形成して、その内部に最冷部が形成されるとともに、透光性セラミックス放電容器を封止するのに寄与する。なお、小径筒部の断面は、好ましくはほぼ円形である。なお、上述した構成の透光性セラミックス放電容器において、その最小肉厚tminおよび最大肉厚tmaxの肉厚比tmin/tmaxを0.1以上、かつ、0.75以下に規制することができる。また、最大肉厚の位置は、包囲部小径筒部との境界部近傍が同様に最も無理がない。
【0016】
また、透光性セラミックス放電容器の全長Lは、投入されるランプ電力Wとの関係があり、W/Lが下式を満足するように設定することにより、良好な高圧放電ランプを得ることができる。
【0017】
0.5<L/W<1.8
なお、L/Wが0.5未満であると、透光性セラミックス放電容器のシール部にリークが発生しやすくなる。また、L/Wが1.8を超えると、最冷部温度を維持することが困難になる。
【0018】
さらに、透光性セラミックス放電容器の点灯中の外表面における最高温度が1000〜1200℃になるように設計されているのが好ましい。
【0019】
<一対の電極について> 一対の電極は、透光性セラミックス放電容器の小径筒部の内面との間にわずかな隙間を形成しながら小径筒部内に挿通されているとともに先端が透光性放電容器の包囲部に臨んでいる。また、電極は、タングステン、ドープドタングステン、モリブデン、サーメットなどの導電性にして、かつ、耐火性の物質を単体で、または適宜組み合わせて用いて形成することができる。さらに、電極は、好ましくは細長い電極軸部および電極軸部の先端部に配設される電極主部から構成することができる。この場合、電極主部は、電極軸の先端に配設されて主として陰極およびまたは陽極として作用する部分であり、電極の先端部を構成する。また、電極主部は、その表面積を大きくして放熱を良好にするために、必要に応じてタングステンのコイルを巻装することができなくなる。
【0020】
さらに、電極は、上述のように、その先端部が、包囲部内を臨む位置にあるが、「包囲部内を臨む」とは、包囲部内に位置している態様と、包囲部内に連通している小径筒部内に位置している態様とを含む概念である。また、電極の中間部は、透光性放電容器の小径筒部の内面との間になるべく均一なわずかな隙間すなわちキャピラリーを形成するために、一定の太さであることが望ましい。さらに、電極の中間部に純タングステン、レニウム、タングステンーレニウム合金またはドープドタングステンのコイルを巻装することが許容される。これにより、電極が小径筒部に対してセンタリングしやすくなる。電極の基端部は、透光性放電容器に対して所要の相対的な位置に固定するとともに、外部から電流を導入するために機能する導入導体の先端に溶接などにより固着されることによって電気的および機械的に支持される。なお、溶接に際して熱的に緩衝するなどの目的のために、モリブデン、サーメットなどの部材を導入導体の先端部に配設として電極の基端との間に当該部材を介在させることができる。
【0021】
<導入導体について> 導入導体は、電極間に電圧を印加するとともに、電極に電流を供給し、かつ、透光性セラミックス放電容器を封止するために機能する導体で、先端が電極の基端部に接続し、基端が透光性放電容器の外部に露出している。なお、「透光性放電容器の外部に露出している」とは、透光性放電容器から外部へ突出していてもよいし、また突出していなくてもよいが、外部から給電できる程度に外部に臨んでいることを意味する。
【0022】
また、導入導体は、その熱膨張係数が透光性セラミックスのそれと近似している導電性金属であるニオブ、タンタル、チタン、ジルコニウム、ハフニウムおよびバナジウムなどを用いることができる。透光性セラミックス放電容器の材料にアルミナセラミックスなどのアルミニウム酸化物を用いる場合、ニオブおよびタンタルは、平均熱膨張係数がアルミニウム酸化物とほぼ同一であるから、封止に好適である。イットリウム酸化物およびYAGの場合も差が少ない。窒化アルミニウムを透光性セラミックス放電容器に用いる場合には、導入導体にジルコニウムを用いるとよい。また、導入導体に用いる上記の金属は、水素、酸素透過性を有しているので、所望により透光性セラミックス放電容器の内部に残存している不純ガスを排出するのに寄与させることもできる。
【0023】
さらに、導入導体は、これを支持することにより、高圧放電ランプ全体を支持するのに利用してもよい。
【0024】
さらにまた、導入導体をニオブなどの封着性金属の棒状体、パイプ状体やコイル状体などによって構成することができる。この場合、ニオブなどは酸化性が強いので、高圧放電ランプを大気に通じた状態で点灯する場合には、耐酸化性の導体を導入導体にさらに接続するとともに、導入導体が大気に接触しないようにたとえばシールなどによって被覆する必要がある。
【0025】
<放電媒体について> 放電媒体は、少なくとも後述する発光金属のハロゲン化物、始動ガスおよび水銀を含み、点灯中約1気圧以上の圧力を呈するように透光性セラミックス放電容器内に封入される。
【0026】
発光金属の金属ハロゲン化物として、ナトリウムNa、タリウムTl、ジスプロシウムDyおよびセシウムCsのハロゲン化物を必須成分として封入する。さらに、任意成分としてツリウムTm、ホルミウムHo、カルシウムCaおよびセリウムCeなどの一種または複数種のハロゲン化物を添加することができる。ただし、上記必須成分のうちハロゲン化セシウムは、ハロゲン化物全体の6質量%以上でなければならない。なお、ハロゲン化物全体の封入量が6質量%未満であると、後述する理由により本発明の目的を達成することができないので、不可である。放電媒体中の金属ハロゲン化物を構成するハロゲンとしては、主としてヨウ素を用いるのがよい。所望により、臭素を適量添加することができ、これにより包囲部の黒化が抑制されて、光束維持率が向上する。すなわち、金属ハロゲン化物の総量に対して3〜35質量%、好適には5〜15質量%の割合で金属臭化物を添加することにより、光束維持率が向上する。
【0027】
また、希ガスは、好適にはアルゴンを用いることができる。また、その封入圧は、一般的には8〜67kPa、好適には10〜40kPa、最適には約20kPa程度である。アルゴンの封入圧が8kPa未満になると、パッシェン曲線からも理解できるように放電開始が困難になる。また、67kPaを超えると、始動電圧が高くなり、放電開始時に投入されるグロー電力が大きくなり、包囲部の黒化が顕著になる。
【0028】
<その他の構成について> 本発明の必須構成要件ではないが、以下の構成を必要に応じて適宜付加することにより、高圧放電ランプの製造が容易になったり、機能が充実したりする。
【0029】
1 外管について 外管を用いる場合、その内部に収納される透光性セラミックス放電容器、一対の電極および放電媒体を備えた高圧放電ランプが発光管として作用する。そして、外管を含めて高圧放電ランプが構成される。また、外管は、発光管を機械的に保護し、発光管の作動温度を所望の範囲に維持する場合に用いることができる。外管内は、必要に応じて排気されて真空ないし低圧または不活性ガスたとえば希ガスや窒素を封入することができる。外管には適当な透光性、気密性、耐熱性および加工性を備えている材料たとえば硬質ガラスを用いて構成することができる。
【0030】
また、外管には透光性セラミックス放電容器および導入導体の封止のために用いているセラミックス封止用コンパウンドのシールとの相対的な熱的関係において、所定の条件を満足するようにその材料、封止構造およびサイズなどを設定する。
【0031】
さらに、外管を気密に封止する場合は、片封止および両端封止のいずれの構造をも所望により採用することができる。なお、「片封止」とは、外管の一端にのみピンチシール部が形成されていて、他端が封止部を形成しないで閉塞されている構造をいう。これに対して、「両端封止」とは、外管の両端にピンチシール部が形成されている構造をいう。なお、外管が片封止構造であると、高圧放電ランプを反射鏡と組み合わせて使用する場合に、その光軸に高圧放電ランプの軸を一致させるのに好適である。また、両端封止構造は、反射鏡の光軸と高圧放電ランプの軸とを直交した状態に配置させるのに好適である。
【0032】
2 始動器について 高圧放電ランプをたとえば水銀灯安定器を用いて始動し、かつ、安定に点灯するように構成するために、始動器を内蔵することができる。始動器は、電源投入時に急速なスイッチング動作を行い、これによって安定器から高電圧パルスを発生させて高圧放電ランプに印加して始動を促進するように作用する。急速なスイッチング動作を行うために、始動器はグロースタータ、バイメタルスイッチまたは非線形コンデンサなどのスイッチング手段を備えている。
【0033】
3 始動補助導体について 高圧放電ランプの始動電圧を一層低下させるために、透光性セラミックス放電容器の外側に近接して始動補助導体を配設することができる。すなわち、始動補助導体は、基端を一方の電極と同電位の個所に接続し、中間を透光性セラミックス放電容器の包囲部に近接させながら先端を他方の電極に近接した位置まで延在させる。
【0034】
<本発明の作用について> 本発明の高圧放電ランプにおいては、ハロゲン化物の中にハロゲン化セシウムを含んでいることにより、一体的に成形された透光性セラミックス放電容器を備えたメタルハライドランプにおいて、点灯直後の急激で、かつ、一時的なランプ電圧の上昇が目標ランプ電力に対して10〜15V程度に抑制される。その結果、放電の立ち消えを防止することができる。ただし、ハロゲン化セシウムの封入量がハロゲン化物全体の6質量%未満であると、点灯直後のランプ電圧上昇の抑制効果が十分でない。
【0035】
これに対して、ハロゲン化セシウムのハロゲン化物全体に占める構成比が6質量%以上の領域においては、構成比の増加に応じてランプ電圧抑制効果が大きくなる。しかし、ハロゲン化セシウムの構成比が増加するにしたがって発光効率が低下傾向を示すので、適当な構成比範囲に止めるのが好ましい。
【0036】
また、上述したように点灯直後の急激で、しかも、一時的なランプ電圧の上昇を抑制できるので、本発明は、ランプ電圧の低い水銀灯安定器適形のメタルハライドランプに好適である。
【0037】
請求項2の発明のメタルハライドランプは、放電空間を包囲する包囲部および包囲部の両端に連通した小径筒部を備えて一体的に成形された透光性セラミックス放電容器と、透光性セラミックス放電容器の小径筒部に挿通されているとともに先端が透光性セラミックス放電容器の包囲部に臨んでいる一対の電極と、先端が電極の基端部に接続し、少なくとも中間部が透光性セラミックス放電容器に封着し、かつ、基端が透光性セラミックス放電容器から外部に露出した導入導体と、ハロゲン化ナトリウム、ハロゲン化タリウム、ハロゲン化ジスプロシウムおよびハロゲン化セシウムを含み、ハロゲン化セシウムの構成比が6質量%以上のハロゲン化物、水銀および希ガスを含んでいて、透光性セラミックス放電容器内に封入された放電媒体と、を備えた発光管と;発光管を気密に収納している外管と;外管の内部に配設されて始動時に発光管に印加する高電圧パルスを発生させる始動器と;を具備していることを特徴としている。
【0038】
本発明は、水銀安定器適合形の構成を備えたメタルハライドランプを規定している。すなわち、メタルハライドランプは、透光性セラミックス放電容器と、一対の電極と、導入導体と、放電媒体とを備えた発光管を外管の内部に収納するとともに、外管内に始動器を配設している。水銀安定器適合形のメタルハライドランプの場合、ランプ電圧は、定格ランプ電力に応じてたとえば115〜130Vに設定される。なお、上記の構成に加えて透光性セラミックス放電容器の外側に近接して始動補助導体を配設すると効果的である。
【0039】
請求項3の発明のメタルハライドランプは、請求項1または2記載のメタルハライドランプにおいて、ハロゲン化物は、ハロゲン化セシウムの構成比が6〜10質量%であることを特徴としている。
【0040】
本発明は、ハロゲン化セシウムの好適な構成比を規定している。すなわち、ハロゲン化セシウムのハロゲン化物全体に占める構成比が上記の範囲内であれば、十分なランプ電圧抑制効果が得られるとともに、発光効率の低下もわずかで済む。したがって、実用的なメタルハライドランプを得ることができる。なお、ハロゲン化セシウムのハロゲン化物全体に占める構成比が12質量%以上になると、ランプ電圧抑制効果は飽和傾向を示す。また、発光効率は、ハロゲン化セシウムの構成比にほぼ比例する関係にある。
【0041】
請求項4の発明の照明装置は、照明装置本体と;照明装置本体に配設された請求項1ないし3のいずれか一記載の高圧放電ランプと;交流電源および高圧放電ランプの間に直列に介在して、高圧放電ランプを安定に点灯する安定器と;を具備していることを特徴としている。
【0042】
本発明において、照明装置は、高圧放電ランプの発光を何らかの目的で用いるあらゆる装置を含む広い概念である。たとえば、照明器具、画像投射装置、光化学装置などに適用することができる。
【0043】
「照明装置本体」とは、上記照明装置から高圧放電ランプを除いた残余の部分をいう。なお、照明装置が照明器具である場合においては、その照明装置本体に安定器およびランプソケットを備えていて、そのランプソケットに高圧放電ランプを装着するようにした構成にすることができる。しかし、安定器は、照明器具から離間した位置に別置きにすることもできる。
【0044】
安定器は、高圧放電ランプの構成に応じて専用形安定器および水銀灯安定器のいずれをも用いることができる。なお、高圧放電ランプは、いずれのタイプの安定器にも適合するように構成することができる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0046】
図1は、本発明のメタルハライドランプの第1の実施形態を示す縦断面図である。図において、メタルハライドランプMLは、定格ランプ電力220W用として好適な構造であり、透光性セラミックス放電容器1、電極2、2、一対の導入導体3、3、一対のシール4、4および透光性セラミックス放電容器1の内部に封入された放電媒体を備えている。
【0047】
<透光性セラミックス放電容器1> 透光性セラミックス放電容器1は、透光性アルミナセラミックスからなり、包囲部1aおよび包囲部1aの両端に連通して配設された一対の小径筒部1b、1bを備えている。そして、小径筒部1b、1bおよび包囲部1aは、鋳込み成形により一体化されている。
【0048】
包囲部1aは、2つの球体が、その一部が互いに重なるように軸方向に離間して、両端部の半球状の部分を形成し、半球状の部分の間を緩やかに外側へ膨らむ曲線で結んでなるほぼ俵形の形状をなしている。
【0049】
一対の小径筒部1bは、それぞれパイプ状をなし、先端が対応する包囲部1aの半球状部分の中央部に接続している。なお、包囲部1aおよび小径筒部1bの境界部は、その内外両面が曲面によって形成されている。
【0050】
<一対の電極2、2> 電極2は、ドープドタングステンからなり、細長い軸部2aおよび先端コイル部2bを備えている。細長い軸部2aは、小径筒部1b内に挿通されている。先端コイル部2bは、包囲部1a内に突出している。そして、軸部2aと小径筒部1bの内面との間にわずかな隙間gが形成されている。
【0051】
<一対の導入導体3、3> 一対の導入導体3、3は、それぞれニオブ棒状体3aおよびサーメット棒状体3bからなる。ニオブ棒状体3aは、その先端が小径筒部1b内に挿入されるとともに、基端が小径筒部1bから外部へ突出している。サーメット棒状体3bは、モリブデン−アルミナセラミックスの焼結体からなり、その先端に電極2の細長い軸部2aの基端部が溶接などにより接続されている
<一対のシール4、4> 一対のシール4、4は、いずれもセラミックス封止用コンパウンドを溶融し、固化することにより形成されている。そして、透光性セラミックス放電容器1の小径筒部1bの端面側の部分と、これに対向する導入導体3、3と、の間に介在して透光性セラミックス放電容器1を気密に封止していて、いわゆる導入導体挿入封止構造を提供するとともに、導入導体3、3が透光性セラミックス放電容器1の内部に露出しないように小径筒部1b、1c内に挿入されている部分の全体を被覆している。そうして、以上の封止により、電極2、2を透光性セラミックス放電容器1の所定の位置に固定している。
【0052】
また、シール4、4を形成するには、透光性セラミックス放電容器1を縦位置にセットし、さらにセラミックス封止用コンパウンドのリング状フリットガラス(図示しない。)を封止しようとする小径筒部1bの端面の上に載置して、リング状ペレットを加熱して溶融させて導入導体3および小径筒部1bの内面の間の隙間に進入させ、小径筒部1b内に挿入されている部分の導入導体3の全体を被覆するとともに、さらに電極2、2の細長い軸部2aの基端部をも被覆する。
【0053】
<放電媒体> 放電媒体は、始動ガスおよびバッファガスとしてアルゴンを、発光金属としての下記金属のハロゲン化物、ならびにバッファ蒸気としての水銀からなり、透光性セラミックス放電容器1内に封入されている。なお、金属ハロゲン化物および水銀は、蒸発する分より過剰に封入されているので、その一部が安定点灯時に小径筒部1b、1b内に形成されるわずかな隙間g内に液相状態で滞留している。そして、下側の小径筒部1b内に液相状態で滞留している放電媒体の表層部付近に最冷部が形成される。
【0054】
ハロゲン化物は、ハロゲン化ナトリウム、ハロゲン化タリウム、ハロゲン化ジスプロシウムおよびハロゲン化セシウムを含み、ハロゲン化セシウムの構成比が6質量%以上になっている。
【実施例】
図2は、一体的に成形された透光性セラミックス放電容器を備えたメタルハライドランプにおいて、ハロゲン化セシウムのハロゲン化物全体に対する構成比がそれぞれ異なる場合の点灯直後におけるランプ電圧の実際の変化を示すグラフである。図において、横軸は点灯時間(分)を、縦軸はランプ電圧(V)を、それぞれ示す。また、曲線Aはハロゲン化セシウムの構成比が6質量%、曲線Bは同じく10質量%、曲線Cは同じく0質量%である。
【0055】
図から理解できるように、ハロゲン化セシウムの構成比が本発明の範囲であれば、点灯直後のランプ電圧の一時的な上昇が120V以下であり、実用上差し支えない程度に低く抑制される。これに対して、ハロゲン化セシウムが含まれていない場合には、点灯直後のランプ電圧の一時的な上昇が140Vに達し、放電の立ち消えが生じ得る値になっている。
【0056】
図3は、一体的に成形された透光性セラミックス放電容器を備えたメタルハライドランプにおいて、ハロゲン化セシウムのハロゲン化物全体に対する構成比の変化に対するランプ効率およびランプ電圧抑制値の関係を示すグラフである。図において、横軸はハロゲン化セシウム構成比(質量%)を、縦軸は左側がランプ効率(相対値)を、右側がランプ電圧抑制値(V)を、それぞれ示す。また、曲線Dはランプ効率、曲線Eはランプ電圧抑制値である。なお、「ランプ効率」とは、ハロゲン化セシウム構成比が0%のときのランプ効率を100%とするハロゲン化セシウムを封入したときのランプ効率の相対値である。また、「ランプ電圧抑制値」とは、ハロゲン化セシウム構成比が0%のときの点灯直後の一時的に上昇したランプ電圧と、ハロゲン化セシウムを封入したときの同様なランプ電圧との差電圧である。
【0057】
図から理解できるように、ハロゲン化セシウムの構成比が増加するのに伴って、ランプ効率は比例的に低下する。これに対して、ランプ電圧抑制値はハロゲン化セシウムの構成比が12質量%以上になると飽和傾向を示す。このことから、ハロゲン化セシウムの構成比が6質量%以上であれば、点灯直後にランプ電圧が一時的に上昇するのを抑制することができ、またハロゲン化セシウムの構成比が6〜10質量%の範囲であれば、点灯直後にランプ電圧が一時的に上昇するのを抑制するとともに、ランプ効率の低下を少なくできることが分る。
【0058】
図4および図5は、本発明のメタルハライドランプの第2の実施形態を示し、図4は正面図、図5はメタルハライドランプの内部の電気接続およびメタルハライドランプ点灯回路を示す回路図である。図において、図1と同一部分については同一符号を付して説明は省略する。本実施形態は、口金付の外管12、始動器15および始動補助導体16を備えている点で異なる。
【0059】
すなわち、メタルハライドランプMLは、発光管11、外管12、口金13、支持構体14、始動器15、始動補助導体16、ゲッタ17および保護チューブ18を備えて構成されている。また、メタルハライドランプ点灯回路は、200V商用交流電源ASとメタルハライドランプMLとの間に水銀灯安定器Bが直列に介在することによって構成されている。
【0060】
<発光管11> 発光管11は、図1に示すメタルハライドランプにより構成されている。
【0061】
<外管12> 外管12は、硬質ガラスからなり、中央部に紡錘状の膨出部、上端にネック部、下端に短円筒状の頭部を有するBT形の形状をなしていて、ネック部にフレアステム12aを封着して備えている。フレアステム12aは、一対の導入線12a1、12a2を気密に導入している。
【0062】
<口金13> 口金3は、E39形口金であり、外管2のネック部に固着され、外管12から外部へ露出した一対の導入線12a1、12a2の一方がシェル部に、他方がセンターコンタクトに、それぞれ接続している。
【0063】
<支持構体14> 支持構体14は、第1および第2の支持導体14a、14b、第1のブリッジ導体14c、絶縁子14d、14e、第2のブリッジ導体14fおよびスプリング片14g、14hからなる。
【0064】
第1および第2の支持導体14a、14bは、縦長のコ字状をなしていて、フレアステム12aに封着されている導入線12a1、12a2に、その上部が溶接されることによって電気的に接続し、かつ機械的に支持されている。そして、第1および第2の支持導体14a、14bに第1および第2のブリッジ導体14c、14fを介してそれらの間に発光管11が支持されている。
【0065】
スプリング片14g、14hは、第1および第2の支持導体14a、14bの下端部の両側に溶接され、外管12の下端にある短円筒状の頭部の内面に弾性的に接触している。これにより、第1および第2の支持導体14a、14bの下端部が外管12に対して支持されている。
【0066】
<始動器15> 始動器15は、グロースタータ15a、バイメタル接点15b、接続導体15c、15d、抵抗器15e、絶縁子15f、15gおよび金属リング15hを備えて構成され、発光管11に並列接続している。
【0067】
グロースタータ15aは、グロー放電容器、一対の電極、放電媒体、外部導入線15a1、15a2を備えて構成されている。グロー放電容器は、Fe2O3を少なくして希ガス放電による波長300nm以下の紫外線を実質的に透過する軟質ガラスからなり、T形バルブおよびフレアステムを封着して製作されている。一対の電極は、バイメタル板からなり、基端がフレアステムの内部導入線の先端に溶接されて、互いに離間対向しているが、加熱されたときに互いに接近する方向に偏倚して接触する。グロー放電容器内には、イオン化媒体としてアルゴンが封入されている。
【0068】
外部導入線15a1、15a2は、その一対が互いに離間した状態でグロー放電容器のピンチシール部内に封止されたジュメット線に接続して、グロー放電容器から外部へ突出している。そして、外部導入線15a1は第1の支持導体14aに接続され、外部導入線15a2は接続導体15cに接続されている。
【0069】
バイメタル接点15bは、その基端が接続導体15dに溶接され、自由端が接続導体15cに接離する。
【0070】
接続導体15c、15dは、絶縁子15f、15gを介して互いに絶縁関係に第2の支持導体14bに固着されている。接続導体15dは、さらに第1のブリッジ導体14bに溶接されている。
【0071】
抵抗器15eは、その一端が導入線12a2に接続し、他端が接続導体15dを介してバイメタル接点15bに接続している。
【0072】
金属リング15hは、第1の支持導体14aに溶接されるとともに、グロースタータ15aを包持している。
【0073】
<始動補助導体16> 始動補助導体16は、発光管11の始動を補助するために配設されている。すなわち、発光管11は、前述のように一対の電極を備えていて、補助電極を備えていないが、始動補助導体16を備えている。始動補助導体16は、金属細線からなり、図において下端が第1の支持導体14aに溶接され、先端が放電容器11aの包囲部11a近接されている。
【0074】
<ゲッタ17> ゲッタ17は、外管12内を清浄化するもので、第1および第2の支持導体14a、14bの上部に溶接されている。
【0075】
<回路動作> 水銀灯安定器Blを介してメタルハライドランプMLを200V商用交流電源ASに接続すると、メタルハライドランプMLの外管12の内部に配設されている始動器15が既知のように作動して、水銀灯安定器Blが高電圧パルス電圧を発生する。高電圧パルス電圧は、発光管11の一対の電極2、2間および図6において下方の電極2と始動補助導体16との間に印加されるとともに、放電媒体が始動器15の作動により発生する紫外線によって励起されているので、発光管11内の放電媒体が容易に絶縁破壊して点灯する。点灯すると、電極2、2間にランプ電圧が現れて、始動器15に印加される電圧が低下するので、点灯中始動器15は再動作しない。
【0076】
図6は、本発明の照明装置の一実施形態としての埋込ダウンライトを示す一部中央断面正面図である。図において、図4と同一部分については同一符号を付して説明は省略する。
【0077】
本実施形態の埋込ダウンライトは、埋込ダウンライト本体21およびメタルハライドランプMLからなる。なお、水銀灯安定器(図示しない。)は、埋込ダウンライト本体21から離間した位置に別置きとする構成である。
【0078】
埋込ダウンライト本体21は、支持枠21a、ランプソケット21b、反射鏡21c、反射鏡支持金具21dおよび化粧枠21eを備えている。
【0079】
支持枠21aは、環状枠21a1およびコ字状枠21a2からなる。環状枠21a1は、その下部外周に係止フランジfを備えていて、図示しない取付手段により天井ボードの取付穴BBに嵌合した状態で配設される。係止フランジfは、環状枠21a1を天井ボードの取付穴BBに嵌合した際に、天井ボードに当接する。コ字状枠21a2は、環状枠21a1の上に跨座するように環状枠21a1に固定されている。
【0080】
ランプソケット21bは、支持枠21aにおいて、そのコ字状枠21a2の上部下面の中央に配設されている。
【0081】
反射鏡21cは、その反射面が回転放物面形状をなしていて、頂部中央にランプ挿入口を、また、下面に投光開口を、それぞれ有している。そして、投光開口が環状枠21a1内に位置する。
【0082】
反射鏡支持金具21dは、ランプソケット21bの両側に位置して反射鏡21cのランプ挿入口に隣接する部位をコ字状枠21a2に固定している。
【0083】
化粧枠21eは、環状枠21a1に取り付けられていて、天井ボードの取付穴BBの体裁を整える。
【0084】
メタルハライドランプMLは、図4に示すのと同じものであり、天井ボードの下方からランプソケットに装着することができる。
【0085】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、包囲部の両端に連通した小径筒部を備えて一体的に成形された透光性セラミックス放電容器と、小径筒部に挿通されて先端が透光性放電容器の包囲部に臨んでいる一対の電極と、先端が電極の基端部に接続し、少なくとも中間部が透光性放電容器に封着し、かつ、基端が透光性放電容器から外部に露出した導入導体と、ハロゲン化ナトリウム、ハロゲン化タリウム、ハロゲン化ジスプロシウムおよびハロゲン化セシウムを含み、ハロゲン化セシウムの構成比が6質量%以上のハロゲン化物、水銀および希ガスを含んでいて、透光性セラミックス放電容器内に封入された放電媒体とを具備していることにより、点灯直後に放電の立ち消えが起こりにくいメタルハライドランプを提供することができる。
【0086】
請求項2の発明によれば、包囲部の両端に連通した小径筒部を備えて一体的に成形された透光性セラミックス放電容器、小径筒部に挿通されて先端が透光性セラミックス放電容器の包囲部に臨んでいる一対の電極、先端が電極の基端部に接続し、少なくとも中間部が透光性セラミックス放電容器に封着し、かつ、基端が透光性セラミックス放電容器から外部に露出した導入導体、ならびにハロゲン化ナトリウム、ハロゲン化タリウム、ハロゲン化ジスプロシウムおよびハロゲン化セシウムを含み、ハロゲン化セシウムの構成比が6質量%以上のハロゲン化物、水銀および希ガスを含んでいて、透光性セラミックス放電容器内に封入された放電媒体を備えた発光管と、発光管を気密に収納している外管と、外管の内部に配設されて始動時に発光管に印加する高電圧パルスを発生させる始動器とを具備していることにより、点灯直後に放電の立ち消えが起こりにくい水銀灯安定器適合形のメタルハライドランプを提供することができる。
【0087】
請求項3の発明によれば、加えてハロゲン化物は、ハロゲン化セシウムの構成比が6〜10質量%であることにより、十分なランプ電圧抑制効果が得られるとともに、発光効率の低下もわずかで済むメタルハライドランプを提供することができる。
【0088】
請求項4の発明によれば、照明装置本体と、照明装置本体に配設された請求項1ないし3のいずれか一記載の高圧放電ランプと、交流電源および高圧放電ランプの間に直列に介在して、高圧放電ランプを安定に点灯する安定器とを具備していることにより、請求項1ないし3の効果を有する照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のメタルハライドランプの第1の実施形態を示す縦断面図
【図2】一体的に成形された透光性セラミックス放電容器を備えたメタルハライドランプにおいて、ハロゲン化セシウムのハロゲン化物全体に対する構成比がそれぞれ異なる場合の点灯直後におけるランプ電圧の実際の変化を示すグラフ
【図3】一体的に成形された透光性セラミックス放電容器を備えたメタルハライドランプにおいて、ハロゲン化セシウムのハロゲン化物全体に対する構成比の変化に対するランプ効率およびランプ電圧抑制値の関係を示すグラフ
【図4】本発明のメタルハライドランプの第2の実施形態を示す正面図
【図5】同じくメタルハライドランプの内部の電気接続およびメタルハライドランプ点灯回路を示す回路図
【図6】本発明の照明装置の一実施形態としての埋込ダウンライトを示す一部中央断面正面図
【符号の説明】
1…透光性セラミックス放電容器、1a…包囲部、1b…小径筒部、3…導入導体11…発光管、12…外管、14…支持構体、15…始動器、16…始動補助導体、ML…メタルハライドランプ
Claims (4)
- 放電空間を包囲する包囲部および包囲部の両端に連通した小径筒部を備えて一体的に成形された透光性セラミックス放電容器と;
透光性セラミックス放電容器の小径筒部に挿通されているとともに先端が透光性セラミックス放電容器の包囲部に臨んでいる一対の電極と;
先端が電極の基端部に接続し、少なくとも中間部が透光性セラミックス放電容器に封着し、かつ、基端が透光性セラミックス放電容器から外部に露出した導入導体と;
ハロゲン化ナトリウム、ハロゲン化タリウム、ハロゲン化ジスプロシウムおよびハロゲン化セシウムを含み、ハロゲン化セシウムの構成比が6質量%以上のハロゲン化物、水銀および希ガスを含んでいて、透光性セラミックス放電容器内に封入された放電媒体と;
を具備していることを特徴とするメタルハライドランプ。 - 放電空間を包囲する包囲部および包囲部の両端に連通した小径筒部を備えて一体的に成形された透光性セラミックス放電容器と、透光性セラミックス放電容器の小径筒部に挿通されているとともに先端が透光性セラミックス放電容器の包囲部に臨んでいる一対の電極と、先端が電極の基端部に接続し、少なくとも中間部が透光性セラミックス放電容器に封着し、かつ、基端が透光性セラミックス放電容器から外部に露出した導入導体と、ハロゲン化ナトリウム、ハロゲン化タリウム、ハロゲン化ジスプロシウムおよびハロゲン化セシウムを含み、ハロゲン化セシウムの構成比が6質量%以上のハロゲン化物、水銀および希ガスを含んでいて、透光性セラミックス放電容器内に封入された放電媒体と、を備えた発光管と;
発光管を気密に収納している外管と;
外管の内部に配設されて始動時に発光管に印加する高電圧パルスを発生させる始動器と;
を具備していることを特徴とするメタルハライドランプ。 - ハロゲン化物は、ハロゲン化セシウムの構成比が6〜10質量%であることを特徴とする請求項1または2記載のメタルハライドランプ。
- 照明装置本体と;
照明装置本体に支持された請求項1ないし3のいずれか一記載のメタルハライドランプと;
メタルハライドランプを付勢する点灯回路と;
を具備していることを特徴とする照明装置。
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WO2005078765A1 (ja) * | 2004-02-12 | 2005-08-25 | Gs Yuasa Corporation | セラミックメタルハライドランプ、その使用法及び照明器具 |
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WO2010076725A1 (en) * | 2008-12-30 | 2010-07-08 | Koninklijke Philips Electronics, N.V. | Metal halide lamp with ceramic discharge vessel |
-
2002
- 2002-07-19 JP JP2002210650A patent/JP2004055319A/ja active Pending
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US9773659B2 (en) | 2008-12-30 | 2017-09-26 | Philips Lighting Holding B.V. | Metal halide lamp with ceramic discharge vessel |
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