JP2006244735A - 高圧放電ランプおよび光学機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】
ショートアーク形でありながらランプ電圧が水銀入りにおけるのと同等の高い値となる水銀フリー化された高圧放電ランプおよびこれを備えた光学機器を提供する。
【解決手段】
高圧放電ランプは、内部に放電空間を有する透光性の気密容器1と、気密容器に封装されて電極間距離が2mm以下で放電空間に臨む一対の電極2と、ツリウム(Tm)ハロゲン化物、亜鉛(Zn)ハロゲン化物および希ガスを含み、かつ、亜鉛(Zn)ハロゲン化物は気密容器内に封入されている全ての金属ハロゲン化物に対して20〜90質量%未満であり、水銀を本質的に含まないで構成されて気密容器内に封入しているイオン化媒体とを具備し、ランプ電圧Vl(V)と電極間距離D(mm)の比Vl/Dが下式を満足することを特徴としている。
20<Vl/D<100
【選択図】
図2
ショートアーク形でありながらランプ電圧が水銀入りにおけるのと同等の高い値となる水銀フリー化された高圧放電ランプおよびこれを備えた光学機器を提供する。
【解決手段】
高圧放電ランプは、内部に放電空間を有する透光性の気密容器1と、気密容器に封装されて電極間距離が2mm以下で放電空間に臨む一対の電極2と、ツリウム(Tm)ハロゲン化物、亜鉛(Zn)ハロゲン化物および希ガスを含み、かつ、亜鉛(Zn)ハロゲン化物は気密容器内に封入されている全ての金属ハロゲン化物に対して20〜90質量%未満であり、水銀を本質的に含まないで構成されて気密容器内に封入しているイオン化媒体とを具備し、ランプ電圧Vl(V)と電極間距離D(mm)の比Vl/Dが下式を満足することを特徴としている。
20<Vl/D<100
【選択図】
図2
Description
本発明は、水銀を本質的に含まないショートアーク形の高圧放電ランプおよびこれを備えた光学機器に関する。
水銀(Hg)フリーの高圧放電ランプにおいて、水銀代替材料であるヨウ化亜鉛(ZnI2)の封入量を規制することが知られている(特許文献1参照。)。特許文献1は、ヨウ化亜鉛(ZnI2)を気密容器の単位内容積(1cc)当たり2〜6mgに規制する旨記載している。このときの主発光金属はヨウ化スカンジウム(ScI3)とヨウ化ナトリウム(NaI)である。また、特許文献1には、ヨウ化亜鉛(ZnI2)の封入は、水銀フリーの高圧放電ランプにおいて、適正ランプ電圧確保に効果があるが、ランプ電圧上昇とともに効率低下を伴う旨記載されている。
また、主発光金属としてナトリウム(Na)、タリウム(Tl)およびジスプロシウム(Dy)を用い、副成分としてホルミウム(Ho)、ツリウム(Tm)およびインジウム(In)を封入し、水銀代替材料としてアルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)および鉄(Fe)を封入する発明が知られている(特許文献2参照。)。特許文献2は、基本的に水銀入りの高圧放電ランプに関するものであるが、上記水銀代替材料を封入することにより、水銀フリー化した高圧放電ランプの記載も存在している。
特開2003−303571号公報
特開2004−055140号公報
特許文献1の記載によれば、実用的な効率維持を優先すると、ヨウ化亜鉛(ZnI2)の封入量は上記範囲に限定され、結果として水銀入り高圧放電ランプの約半分のランプ電圧到達に留まる。このため、所要のランプ電力を投入するためにはランプ電流を増加させる必要があるので、これに対応するためには電極軸径の拡大を要し、その結果電極封着部の気密維持が困難になったり、また点灯回路が大きくなり回路設計の困難度が増したりするなど、高圧放電ランプの水銀フリー化による弊害を生じる。
また、特許文献2においては、水銀フリーの高圧放電ランプについての記述が僅かで実用上有益な水銀フリーの高圧放電ランプについての具体的な記述がなされていない。
本発明者の研究によれば、特許文献1の記載とは相違して水銀代替材料としてのヨウ化亜鉛の増量は条件次第では有益であることを見出した。すなわち、亜鉛ハロゲン化物は、ツリウムハロゲン化物との共存下において、その封入比率が20質量%未満でのランプ電圧上昇と比較して、20質量%以上の領域ではより明確なランプ電圧上昇が見られるようになることが分かった。さらに、40質量%以上の領域では、特に顕著なランプ電圧上昇が見られる。
本発明は、本発明者による上記知見に基づいてなされたものである。
本発明は、ショートアーク形でありながらランプ電圧が水銀入りにおけるのと同等の高い値となる水銀フリー化された高圧放電ランプおよびこれを備えた光学機器を提供することを目的とする。
第1の発明の高圧放電ランプは、内部に放電空間を有する透光性の気密容器と;気密容器に封装されて電極間距離が2mm以下で放電空間に臨む一対の電極と;ツリウム(Tm)ハロゲン化物、亜鉛(Zn)ハロゲン化物および希ガスを含み、かつ、亜鉛(Zn)ハロゲン化物は気密容器内に封入されている全ての金属ハロゲン化物に対して20〜90質量%未満であり、水銀を本質的に含まないで構成されて気密容器内に封入しているイオン化媒体と;を具備し、ランプ電圧Vl(V)と電極間距離D(mm)の比Vl/Dが下式を満足することを特徴としている。
20<Vl/D<100
以下、第1の発明における高圧放電ランプの採用し得る各構成要素の実施態様について説明する。なお、以下の説明は、該当する範囲内において、後述するその他の発明に対しても適用される。
以下、第1の発明における高圧放電ランプの採用し得る各構成要素の実施態様について説明する。なお、以下の説明は、該当する範囲内において、後述するその他の発明に対しても適用される。
〔気密容器について〕 本発明において、気密容器が透光性であるとは、放電によって発生した所望波長域の可視光を外部に導出することを意味する。気密容器は、透光性を有していて、高圧放電ランプの通常の作動温度に十分耐える耐火性を有する材料であれば、どのようなもので作られていてもよい。例えば、石英ガラスや透光性セラミックスなどを用いることができる。なお、透光性セラミックスとしては、透光性アルミナ、イットリウム−アルミニウム−ガーネット(YAG)、イットリウム酸化物(YOX)と、多結晶非酸化物、例えばアルミニウム窒化物(AlN)などの多結晶または単結晶のセラミックスなどを用いることができる。なお、必要に応じて、気密容器の内面に耐ハロゲン性または耐金属性の透明性被膜を形成するか、気密容器の内面を改質することが許容される。
また、気密容器は、その内部に放電空間を有している。そして、放電空間を包囲するために、気密容器は、包囲部を備えている。包囲部は、その内部が適当な形状、例えば球状、楕円球状、紡錘状などの形状をなしている。放電空間の容積は、高圧放電ランプの定格ランプ電力、電極間距離などに応じてさまざまな値が選択され得る。例えば、液晶プロジェクタ用ランプの場合、0.1cc以下にすることができる。
また、包囲部の両端に一対の封止部を備えていることが許容される。一対の封止部は、包囲部を封止するとともに、電極の軸部がここに支持され、かつ、点灯回路から電流を電極へ気密に導入するのに寄与する手段であり、一般的には包囲部の両端に配設されている。気密容器の材質が石英ガラスの場合、電極を封装し、かつ、点灯回路から電流を電極へ気密下で導入するために、好適には封止部の内部に適当な気密封止導通手段として封着金属箔を気密に埋設している。なお、封着金属箔は、封止部の内部に埋設されて封止部が気密容器の包囲部の内部を気密に維持するために、封止部と協働しながら電流導通導体として機能するための手段であり、気密容器が石英ガラスからなる場合、材料としてはモリブデン(Mo)が最適である。封着金属箔を封止部に埋設する方法は、特段限定されないが、例えば減圧封止法、ピンチシール法およびこれらの組み合わせ法などの中から適宜選択して採用することができる。
一方、気密容器が透光性セラミックスからなる場合の封止手段としては、例えば高融点フリットガラスを透光性セラミックスと導入導体の間に流し込んで封止するフリット封着や高融点フリットガラスに代えて金属を用いる金属封着などを用いることができる。また、気密容器の封止部を所要の比較的低い温度に保持しながら気密容器内に形成される放電空間の最冷部温度を所望の比較的高い温度に維持するために、包囲部に連通する小径筒部を形成することができる。この構造の場合、封止部は小径筒部の端部部分に配設されるとともに、小径筒部内に電極軸を延在させて電極軸と小径筒部の内面との間にキャピラリーラリーと称される僅かな隙間を小径筒部の軸方向に沿って形成する。
〔一対の電極について〕 一対の電極は、本発明の特徴のある前提的構成であり、気密容器に封装されて放電空間に離間して臨むように配設される。そして、一対の電極の間に形成される電極間距離は、2mm以下、好適には1mm以下である。しかし、プロジェクション用途などで高い集光性が要求される場合は、電極間距離が小さい方がよく、例えば0.5mmのものであってもよいが、電極間に放電を生起させるのであるから、電極間距離0mmは含まない。
また、電極の構成材としては、耐火性で、導電性の金属、例えば純タングステン(W)、ドープ剤(例えばスカンジウム(Sc)、アルミニウム(Al)、カリウム(K)およびケイ素(Si)などのグループから選択された一種または複数種)を含有するドープドタングステン、酸化トリウムを含有するトリエーテッドタングステン、レニウム(Re)またはタングステン−レニウム(W−Re)合金などを用いて形成することができる。
さらに、小形の高圧放電ランプの場合、直棒状の線材や先端部に径大部を形成した線材を電極として用いることができる。中形ないし大形の電極の場合、電極軸の先端部に電極構成材そ同種材料のコイルを巻回したりすることができる。なお、一対の電極は、交流で作動する場合、同一構造とするが、直流で作動する場合、一般に陽極は温度上昇が激しいから、陰極より放熱面積の大きい、したがって主部が太いものを用いることができる。
〔イオン化媒体について〕 イオン化媒体は、第1の発明における特徴的構成部分であるが、ツリウム(Tm)ハロゲン化物、亜鉛(Zn)ハロゲン化物および希ガスを含んでいる点において、その他の発明と共通している。
(ツリウム(Tm)ハロゲン化物について) ツリウム(Tm)ハロゲン化物は、可視光を高効率で発光すると同時にランプ電圧を高めるのにも寄与する。本発明において、ツリウム(Tm)ハロゲン化物の封入量は、それ単体では特段限定されない。ツリウムハロゲン化物のハロゲンとしては、適度の反応性を有していることからヨウ素が好適であるが、所望により臭素および塩素のいずれかでもよく、またヨウ素、臭素および塩素のうち所望の二種以上を用いてもよい。さらに、ツリウムは、その発光のピークが視感度曲線のピークに一致するので、発光効率を向上させるのに極めて効果的な発光金属である。
(亜鉛ハロゲン化物について) 亜鉛ハロゲン化物は、主としてランプ電圧を形成する金属ハロゲン化物として封入される。この点については既知であるが、本発明においては気密容器内に封入されるイオン化媒体中20〜95質量%、好適には40〜90質量%の比率で封入される点に特徴がある。このように亜鉛ハロゲン化物を高い封入比率で封入していることにより、ランプ電圧が顕著に高くなるとともに、ツリウムハロゲン化物との共存下において発光効率の低下が比較的少ない。これに対して、封入比率が20質量%未満であると、明確なランプ電圧の向上が見られない。特に40質量%以上の比率で封入すると、驚くべきことに顕著なランプ電圧の上昇が現れる。また、封入比率が95質量%を超えると、相対的にツリウムハロゲン化物の封入比率が低下しすぎるために、可視光発光が低減する。
(希ガスについて) 希ガスは、主として緩衝ガスおよび始動ガスとして作用する。そして、アルゴン(Ar)、ネオン(Ne)およびキセノン(Xe)などのグループの一種を単独で、または複数種を混合して封入することができる。希ガスは、その封入圧力が1気圧以上になると初期光束の増大に寄与して光束立ち上がり特性が向上する。したがって、希ガスの封入圧力は、高圧放電ランプの用途に応じて適宜設定することができる。
希ガスの中でもキセノンは、その原子量が他の希ガスより大きいため、熱伝導率が相対的に小さいので、これを1気圧以上、好適には5気圧以上封入することにより、点灯直後のランプ電圧形成に寄与するとともに、ハロゲン化物の蒸気圧が低い段階で白色の可視光発光を行い、光束立ち上がりに寄与する。
〔数式:20<Vl/D<100について〕 左記数式において、比Vl/Dは、単位電極間距離当たりのランプ電圧を意味する。上記比が上記数式の範囲内であれば、ショートアーク形の高圧放電ランプとして十分実用に耐える。しかしながら、上記比が20V/mm以下であると、ランプ電圧が低すぎ、ランプ電流が増加し、電極の巨大化に伴い封止気密性維持が困難になったり、点灯回路の設計が困難になったりして不都合となる。また、上記比が100V/mm以上の場合には、最冷部を含む発光管が過剰に高い温度を必要とし、気密信頼性や管壁反応によりランプ特性に悪影響を与える。万一、これらを防止できたとしても、蒸気圧が過剰に高く、再点弧電圧上昇や放電アークの揺らぎなど高圧放電ランプに不都合を生じる。
本発明においては、以上説明したツリウムハロゲン化物、所定封入比率の亜鉛ハロゲン化物および希ガスを含み、かつ、上記数式を満足することを前提として、さらに以下に示すその他の金属ハロゲン化物を添加して封入することが許容される。
1.(その他の希土類金属ハロゲン化物について) ツリウムハロゲン化物以外の主として可視光発光を行う希土類金属のハロゲン化物として、プラセオジム(Pr)、セリウム(Ce)、ホルミウム(Ho)およびサマリウム(Sm)からなる希土類金属の一種または複数種の希土類金属ハロゲン化物を前記主発光金属ハロゲン化物であるツリウムハロゲン化物に添加して封入することが許容される。
上記希土類金属は、ツリウムハロゲン化物に次いで発光金属として有用であり、ツリウムハロゲン化物に添加することが許容される。また、上記希土類金属は、そのいずれも視感度特性曲線のピーク波長付近で無数の輝線スペクトルを有するため、発光効率向上に寄与することができる。
2.(その他の主として発光用の金属のハロゲン化物について) 上記以外の主として可視光発光用の金属のハロゲン化物として、タリウム(Tl)または/およびインジウム(In)のハロゲン化物を封入することが許容される。これらの金属ハロゲン化物は、所望の演色性および/または色温度などを得るなどの目的で副成分として選択的に封入することが許容される。
3.(その他の主としてランプ電圧形成用の金属ハロゲン化物について) 主としてランプ電圧形成用のハロゲン化物として例えばマグネシウム(Mg)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、アルミニウム(Al)、アンチモン(Sb)、ベリリウム(Be)、レニウム(Re)、ガリウム(Ga)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)およびハフニウム(Hf)からなるグループから選択された一種または複数種の金属のハロゲン化物を亜鉛ハロゲン化物に添加することが許容される。
(水銀) 第1の発明において、水銀(Hg)は、全く含まないのが環境負荷物質削減のために好ましいことであるが、不純物程度に含んでいても許容される。
〔その他の構成について〕 本発明においては、以下の構成を所望により選択的に付加することができる。
1.(外管) 気密容器、一対の電極および放電媒体を備えた構成部分を発光管として、外管の内部に配設することができる。外管は、任意所望の形状および大きさにすることができる。また、外管の内部を外部に対して気密にしてもよいし、外気に連通させてもよい。前者の場合、必要に応じてアルゴン、窒素などの不活性ガスを封入することができる。さらに、外管は、石英ガラス、硬質ガラスや軟質ガラスなどの透光性材料を用いて形成することができる。
2.(反射ミラー) 気密容器を反射ミラー内の所定の位置に固定的に配設することができる。なお、反射ミラーには、ガラス基体の内面に赤外線透過・可視光反射形のダイクロイックミラーを形成したものを用いることができる。
〔本発明の作用について〕 本発明においては、イオン化媒体が主として可視光発光を行うツリウム(Tm)ハロゲン化物および全ての金属ハロゲン化物に対して20〜95質量%の亜鉛ハロゲン化物を含んでいることにより、気密容器内に封装された一対の電極間に形成される電極間距離が2mm以下のショートアーク形の高圧放電ランプであるにもかかわらず、亜鉛ハロゲン化物の封入比率を上記のように高めることによって、驚くべきことにランプ電圧が明確に高められる。
また、これに加えて、ツリウム(Tm)ハロゲン化物が亜鉛ハロゲン化物と協働してランプ電圧を高める作用が生じるために、ショートアーク形の高圧放電ランプのランプ電圧を所要の値、例えば80V程度まで高く設定することが可能になる。なお、ツリウムは、そのイオン化ポテンシャルがナトリウムなどアルカリ金属に比較して高く、ツリウムハロゲン化物の封入がランプ電圧低下要因にならないばかりでなく、亜鉛ハロゲン化物との共存下においては、封入量に比例してランプ電圧を高くする作用がある。
そうして、ランプ電圧が高くなれば、所要のランプ電力を投入するに当たりランプ電流の増加を回避しやすくなるので、電極や気密容器の設計が容易になるとともに、点灯回路も小形で、しかも安価になる。
したがって、第1の発明によれば、高圧放電ランプをプロジェクション用とすることができ、しかも水銀フリーのため、環境負荷の問題がない。
次に、高圧放電ランプの発光は、ツリウムハロゲン化物を主として発光金属のハロゲン化物の主成分として封入した場合、ツリウムの発光が支配的になる。ツリウムの発光は、視感度曲線のピーク波長の555nm付近で多くの輝線スペクトルを有しているので、全体として高い発光効率が得られる。
また、本発明において、高圧放電ランプの定格ランプ電力は、広範囲の値の中から自由に設定することができ、例えば数kW以下の任意の値に設定することができる。用途においてもプロジェクション用に限定されるものではなく、多様であることを許容する。したがって、定格ランプ電力および用途に応じて適当な形状および大きさの気密容器および適当な値のイオン化媒体の封入量とすることができる。
第2の発明の高圧放電ランプは、内部に放電空間を有する透光性の気密容器と;気密容器に封装されて電極間距離が2mm以下で放電空間に臨む一対の電極と;ツリウム(Tm)ハロゲン化物および亜鉛(Zn)ハロゲン化物を含み、かつ、亜鉛(Zn)ハロゲン化物とツリウム(Tm)ハロゲン化物の質量和が全ての金属ハロゲン化物に対して50〜95質量%を占めていて、水銀を本質的に含まないで構成されて気密容器内に封入しているイオン化媒体と;を具備し、ランプ電圧Vl(V)と電極間距離D(mm)の比Vl/Dが下式を満足することを特徴としている。
20<Vl/D<100
第2の発明は、亜鉛(Zn)ハロゲン化物とツリウム(Tm)ハロゲン化物の質量和を気密容器内に封入している全ての金属ハロゲン化物に対する比率で所定値範囲に規定することにより、イオン化媒体の主成分としている点において第1の発明と異なる。すなわち、亜鉛(Zn)ハロゲン化物とツリウム(Tm)ハロゲン化物の質量和の上記比率は、イオン化媒体に関して高圧放電ランプのランプ電圧に対して支配的な要素となっている。そして、上記比率の範囲内であれば、ショートアーク形の高圧放電ランプにおいて、所望の高いランプ電圧を得ることができる。しかしながら、上記比率が50質量%未満であると、ランプ電圧の上昇が飽和するとともに所望の高いランプ電圧を得ることができなくなる。また、上記比率が95質量%超であると、所望の演色性および/または色温度などを得る場合に都合が悪くなる。
第2の発明は、亜鉛(Zn)ハロゲン化物とツリウム(Tm)ハロゲン化物の質量和を気密容器内に封入している全ての金属ハロゲン化物に対する比率で所定値範囲に規定することにより、イオン化媒体の主成分としている点において第1の発明と異なる。すなわち、亜鉛(Zn)ハロゲン化物とツリウム(Tm)ハロゲン化物の質量和の上記比率は、イオン化媒体に関して高圧放電ランプのランプ電圧に対して支配的な要素となっている。そして、上記比率の範囲内であれば、ショートアーク形の高圧放電ランプにおいて、所望の高いランプ電圧を得ることができる。しかしながら、上記比率が50質量%未満であると、ランプ電圧の上昇が飽和するとともに所望の高いランプ電圧を得ることができなくなる。また、上記比率が95質量%超であると、所望の演色性および/または色温度などを得る場合に都合が悪くなる。
第2の発明における一実施態様として、亜鉛(Zn)ハロゲン化物を気密容器内に封入されている全ての金属ハロゲン化物に対して20〜90質量%未満とすることができる。これにより、第1の発明の作用、効果をも得ることができる。
第2の発明の他の実施態様として、亜鉛(Zn)ハロゲン化物の質量をAとし、ツリウム(Tm)ハロゲン化物の質量をBとしたとき、A/Bが下式を満足するように構成することが許容される。
0.6<A/B<2.5
本実施態様は、亜鉛(Zn)ハロゲン化物とツリウム(Tm)ハロゲン化物の好適な封入比率範囲を規定している。そ画像化するに伴ってランプ電圧が高くなり、また発光効率が低下していくものの、上記数式に示す範囲内であれば、亜鉛(Zn)ハロゲン化物とツリウム(Tm)ハロゲン化物が協働して所望の高いランプ電圧を形成するとともに、所望量の可視光を得ることができる。しかしながら、A/Bが0.6以下であると、所望の高いランプ電圧が得られなくなる。また、A/Bが2.5以上であると、実用に耐え得る可視光が得られなくなる。
本実施態様は、亜鉛(Zn)ハロゲン化物とツリウム(Tm)ハロゲン化物の好適な封入比率範囲を規定している。そ画像化するに伴ってランプ電圧が高くなり、また発光効率が低下していくものの、上記数式に示す範囲内であれば、亜鉛(Zn)ハロゲン化物とツリウム(Tm)ハロゲン化物が協働して所望の高いランプ電圧を形成するとともに、所望量の可視光を得ることができる。しかしながら、A/Bが0.6以下であると、所望の高いランプ電圧が得られなくなる。また、A/Bが2.5以上であると、実用に耐え得る可視光が得られなくなる。
第3の発明の高圧放電ランプは、内部に放電空間を有する透光性の気密容器と;気密容器に封装されて電極間距離が2mm以下で放電空間に臨む一対の電極と;ツリウム(Tm)ハロゲン化物、亜鉛(Zn)ハロゲン化物および希ガスを含み、かつ、亜鉛(Zn)ハロゲン化物が最大封入比率であり、水銀を本質的に含まないで構成されて気密容器内に封入しているとともに、全ての金属ハロゲン化物の総量が気密容器の単位内容積(1cc)当たり12mg以上のイオン化媒体と;を具備し、ランプ電圧Vl(V)と電極間距離D(mm)の比Vl/Dが下式を満足することを特徴としている。
20<Vl/D<100
第3の発明は、亜鉛(Zn)ハロゲン化物の封入比率および封入量を所定範囲内に規定している点で第1および2の発明と異なる。そして、上記2条件を同時に満足することにより、ランプ電圧が高くなる。これに対して、亜鉛ハロゲン化物が最大封入比率でないか、亜鉛ハロゲン化物の封入量が12mg未満であると、ランプ電圧を所望の程度に高くすることができない。
第3の発明は、亜鉛(Zn)ハロゲン化物の封入比率および封入量を所定範囲内に規定している点で第1および2の発明と異なる。そして、上記2条件を同時に満足することにより、ランプ電圧が高くなる。これに対して、亜鉛ハロゲン化物が最大封入比率でないか、亜鉛ハロゲン化物の封入量が12mg未満であると、ランプ電圧を所望の程度に高くすることができない。
第3の発明における第1の実施態様として、亜鉛(Zn)ハロゲン化物を気密容器内に封入されている全ての金属ハロゲン化物に対して20〜90質量%未満とすることができる。これにより、第1の発明の作用、効果をも得ることができる。
第3の発明における第2の実施態様として、亜鉛(Zn)ハロゲン化物とツリウム(Tm)ハロゲン化物の質量和が全ての金属ハロゲン化物に対して50〜95質量%を占めているように構成することができる。これにより、第2の発明の作用、効果をも得ることができる。
第3の発明における第3の実施態様として、上記第1および第2の実施態様をともに備えた構成とすることができる。これにより、第1および第2の発明の作用、効果をも得ることができる。
第1ないし第3の発明およびそれらの実施態様において、以上説明したイオン化媒体の中で好ましい実施態様の一つとして以下の構成を採用することができる。すなわち、全ての金属ハロゲン化物を形成する金属のイオン化ポテンシャルが5.4eV以上であるように構成する。このように構成することにより、発光効率が一層大きくなる。次に、本発明において気密容器の内部にハロゲン化物として封入し得る主な金属のイオン化ポテンシャル(eV)を金属元素記号の後にある括弧の中に示す。
(1)主として発光を行う金属:Tm(6.18)、Pr(5.42)、Ce(5.47)、Sm(5.63)、In(5.786)、Tl(6.108)
(2)主としてランプ電圧形成に寄与する金属:Al(5.986)、Zn(9.394)、Mg(7.644)、Fe(7.87)、Co(7.864)、Cr(6.765)、Ni(7.635)、Mn(7.432)、Sb(8.642)、Bi(7.287)、Re(9.323)、Ga(5.999)、Ti(6.84)、Zr(6.837)、
Hf(7)
これに対して、Na(イオン化ポテンシャル5.14eV)、Li(5.392)などのアルカリ金属は、そのイオン化ポテンシャルが5.40eV未満であり、封入量が多くなるほどランプ電圧が低下する。したがって、本態様においては、アルカリ金属は、実質的に含まないようにするものである。しかし、下記目的として10質量%未満、好適には5質量%程度のアルカリ金属を単体またはハロゲン化物にして封入することができる。可視光増加による発光効率向上を目的としたNaの封入や放電アークの安定化および/または発光管温度分布最適化を目的としたCs(イオン化ポテンシャル3.894eV)の封入などを許容する。
(1)主として発光を行う金属:Tm(6.18)、Pr(5.42)、Ce(5.47)、Sm(5.63)、In(5.786)、Tl(6.108)
(2)主としてランプ電圧形成に寄与する金属:Al(5.986)、Zn(9.394)、Mg(7.644)、Fe(7.87)、Co(7.864)、Cr(6.765)、Ni(7.635)、Mn(7.432)、Sb(8.642)、Bi(7.287)、Re(9.323)、Ga(5.999)、Ti(6.84)、Zr(6.837)、
Hf(7)
これに対して、Na(イオン化ポテンシャル5.14eV)、Li(5.392)などのアルカリ金属は、そのイオン化ポテンシャルが5.40eV未満であり、封入量が多くなるほどランプ電圧が低下する。したがって、本態様においては、アルカリ金属は、実質的に含まないようにするものである。しかし、下記目的として10質量%未満、好適には5質量%程度のアルカリ金属を単体またはハロゲン化物にして封入することができる。可視光増加による発光効率向上を目的としたNaの封入や放電アークの安定化および/または発光管温度分布最適化を目的としたCs(イオン化ポテンシャル3.894eV)の封入などを許容する。
本発明の光学機器は、画像投影機構を備えた光学機器本体と;光学機器本体に画像投影用光源として配設された請求項1ないし5のいずれか一記載の高圧放電ランプと;を具備していることを特徴としている。
本発明において、光学機器とは、第1ないし第3の発明の高圧放電ランプを光源として備えた画像投影機構を備えた機器を意味し、例えば液晶プロジェクタ、オーバーヘッドプロジェクタなどがこれに該当する。また、光学機器本体とは、光学機器から高圧放電ランプを除いた残余の部分を意味する。
第1ないし第3の発明によれば、ショートアーク形でありながらランプ電圧が水銀入りにおけるのと同等の高い値となる水銀フリー化された高圧放電ランプおよびこれを備えた光学機器を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
図1および図2は、本発明の高圧放電ランプを実施するための一形態を示し、図は全体の概念的断面図、図2は発光管の拡大正面図である。本形態は、本発明の一適用例としての液晶プロジェクタ用の高圧放電ランプである。図において、高圧放電ランプHDLは、発光管IT、反射鏡、接続導体CC、口金Bおよび給電線W1、W2を具備している。なお、単位電極間距離当たりのランプ電圧は、20V/mmより多く、かつ、100V/mmより小さく設定される。
発光管ITは、気密容器1、一対の電極2、2、封着金属箔3、外部リード線4およびイオン化媒体を備えている。
気密容器1は、石英ガラスからなり、包囲部1aおよび一対の封止部1bを備えている。包囲部1aは、中空で外形がほぼ球状に成形されてなり、内部に細長いほぼ楕円球状の放電空間1cが形成されている。放電空間1cの内容積は、0.1cc以下である。一対の封止部1b、1bは、包囲部1aの両端に一体に形成されていて、内部に後述する封着金属箔3が埋設されている。
一対の電極2、2は、タングステン線からなり、先端部および中間部の一部が放電空間1c内に露出している。また、電極2の基端部が封止部1bに埋設された後述する封着金属箔3に溶接されるとともに、中間部が封止部1bに緩く支持されることによって気密容器1の所定の位置に配設されている。
封着金属箔3は、モリブデン箔からなり、気密容器1の封止部1b内に気密に埋設されている。
外部リード線4は、先端が封着金属箔3に溶接され、基端が封止部1bから外部へ導出されている。
イオン化媒体は、金属ハロゲン化物5および希ガスを含み、水銀を本質的に含まない。
金属ハロゲン化物5は、ツリウム(Tm)ハロゲン化物および亜鉛(Zn)ハロゲン化物を主成分として封入されている。ツリウム(Tm)ハロゲン化物は、主として所望の発光を行うとともにランプ電圧の形成にも寄与する。亜鉛(Zn)ハロゲン化物は、主としてランプ電圧の形成に寄与する。
また、イオン化媒体は、上記に加えて次の条件の少なくともいずれか一つを満足するように調整されている。
(1)亜鉛(Zn)ハロゲン化物が、気密容器1内に封入される全ての金属ハロゲン化物に対して20〜90質量%未満である。
(2)亜鉛(Zn)ハロゲン化物およびツリウム(Tm)ハロゲン化物の質量和が気密容器1内に封入される全ての金属ハロゲン化物に対して50〜95質量%を占めている。また、好ましくは亜鉛ハロゲン化物の封入量Aおよびツリウムハロゲン化物の封入量Bの封入比率A/Bが数式0.6<A/B<2.5を満足する。
(3)気密容器1内に封入される全ての金属ハロゲン化物の総量が気密容器1の単位内容積(1cc)当たり12mg以上である。
(1)亜鉛(Zn)ハロゲン化物が、気密容器1内に封入される全ての金属ハロゲン化物に対して20〜90質量%未満である。
(2)亜鉛(Zn)ハロゲン化物およびツリウム(Tm)ハロゲン化物の質量和が気密容器1内に封入される全ての金属ハロゲン化物に対して50〜95質量%を占めている。また、好ましくは亜鉛ハロゲン化物の封入量Aおよびツリウムハロゲン化物の封入量Bの封入比率A/Bが数式0.6<A/B<2.5を満足する。
(3)気密容器1内に封入される全ての金属ハロゲン化物の総量が気密容器1の単位内容積(1cc)当たり12mg以上である。
反射鏡Mは、回転2次曲面を有する椀形状をなし、ガラス基体の内表面に反射面が形成され、中心軸に沿って発光管ITを支持し、さらに前面開口部が透明硝子板6で閉鎖されている。なお、反射面は、赤外光透過・可視光形のダイクロイック反射膜からなる。そして、反射鏡Mの内部において、その中心軸上に発光管ITを後述する口金Bを介して支持している。
接続導体CCは、その一端が反射鏡Mの開口端側に位置する発光管ITから導出された外部リード線4に接続し、他端が反射鏡Mを貫通して、その外面に固着した中継端子tに接続している。
口金Bは、発光管ITの一端に装着され、発光管ITから反射鏡Mの頂部側へ導出される図示されていない外部リード線に接続するとともに、反射鏡Mの頂部外面に固着されることによって発光管ITを上記のように支持する。
給電線W1、W2は、ワイヤハーネスなどからなり、給電線W1が中継端子tに接続し、給電線W2が口金Bに接続することによって図示されていない点灯回路と高圧放電ランプHDLとの間を接続する。
次に、図3ないし図6を参照しながら本発明の前提とする構成において、亜鉛ハロゲン化物の全ての金属ハロゲン化物に対する封入比率ならびに亜鉛ハロゲン化物の封入量Aおよびツリウムハロゲン化物の封入量Bの質量比A/Bと、ランプ電圧および発光効率との関係について説明する。
図3は、全ての金属ハロゲン化物に対する亜鉛ハロゲン化物の封入比率の変化と電位傾度の関係を示すグラフである。図において、横軸はZn(亜鉛)ハロゲン化物の封入比率(質量%)を、縦軸は電位傾度(V/mm)を、それぞれ示す。
図から明らかなように、電位傾度したがってランプ電圧は、亜鉛ハロゲン化物の封入比率にほぼ正比例し、封入比率が20質量%以上であれば、電極間距離1mm当たり約21V以上を得ることができる。
図4は、全ての金属ハロゲン化物に対する亜鉛ハロゲン化物の封入比率の変化と発光効率の関係を示すグラフである。図において、横軸はZn(亜鉛)ハロゲン化物の封入比率(質量%)を、縦軸は発光効率(lm/W)を、それぞれ示す。
図から明らかなように、発光効率は、亜鉛ハロゲン化物の封入比率の変化に対しておおよそ13%前後にピークを有するもののいずれの封入比率においても高い発光効率を示し、またその変化も緩やかである。
図5は、亜鉛ハロゲン化物/ツリウムハロゲン化物と電位傾度の関係を示すグラフである。図において、横軸は亜鉛ハロゲン化物/ツリウムハロゲン化物(質量比)を、縦軸は電位傾度(V/mm)を、それぞれ示す。
図から明らかなように、亜鉛ハロゲン化物/ツリウムハロゲン化物(質量比)が大きいほど電位傾度が高くなるが、大きくなるにしたがって飽和傾向を示し、亜鉛ハロゲン化物/ツリウムハロゲン化物(質量比)が0.6以上であれば、20V/mmの電位傾度を得ることができる。
図6は、亜鉛ハロゲン化物/ツリウムハロゲン化物と発光効率の関係を示すグラフである。図において、横軸は亜鉛ハロゲン化物/ツリウムハロゲン化物(質量比)を、縦軸は発光効率(lm/W)を、それぞれ示す。
図から明らかなように、亜鉛ハロゲン化物/ツリウムハロゲン化物(質量比)が大きくなるにしたがって発光効率が低下し、しかも上記の比が大きくなるにしたがってその傾向が顕著になるが、亜鉛ハロゲン化物/ツリウムハロゲン化物の質量比が2.5未満であれば、70lm/Wの発光効率を維持することができる。
気密容器 :最大内径6.5mm、石英ガラス製
一対の電極 :軸径0.45mm、電極間距離2.0mm、なお、電極先端を溶融させて 半球状に整形した。
イオン化媒体:ZnI2−TlI−TmI3=4mg(57:7:36)、
()内の数字は封入比率(質量%)、Xe1.32MPa
電気特性 :ランプ電圧70V、ランプ電流2.19A、ランプ電力150W
ランプ特性 :全光束9000lm、発光効率60lm/W、色温度5700K、
平均演色評価数Ra82
一対の電極 :軸径0.45mm、電極間距離2.0mm、なお、電極先端を溶融させて 半球状に整形した。
イオン化媒体:ZnI2−TlI−TmI3=4mg(57:7:36)、
()内の数字は封入比率(質量%)、Xe1.32MPa
電気特性 :ランプ電圧70V、ランプ電流2.19A、ランプ電力150W
ランプ特性 :全光束9000lm、発光効率60lm/W、色温度5700K、
平均演色評価数Ra82
イオン化媒体:ZnI2−TlI−TmI3−CsI=4mg(57:7:31:5)、
()内の数字は封入比率(質量%)、Xe1.32MPa
その他の仕様は実施冷と同じ。
電気特性 :ランプ電圧65V、ランプ電流2.36A、ランプ電力150W
ランプ特性 :全光束8200lm、発光効率55lm/W、色温度5200K、
平均演色評価数Ra84
図7は、本発明の光学機器の一形態としての液晶プロジェクタを示す概念的断面図である。図において、21は高圧放電ランプ、22は液晶表示手段、23は画像制御手段、24は光学系、25は高圧放電ランプ点灯装置、26は本体ケース、27はスクリーンである。
()内の数字は封入比率(質量%)、Xe1.32MPa
その他の仕様は実施冷と同じ。
電気特性 :ランプ電圧65V、ランプ電流2.36A、ランプ電力150W
ランプ特性 :全光束8200lm、発光効率55lm/W、色温度5200K、
平均演色評価数Ra84
図7は、本発明の光学機器の一形態としての液晶プロジェクタを示す概念的断面図である。図において、21は高圧放電ランプ、22は液晶表示手段、23は画像制御手段、24は光学系、25は高圧放電ランプ点灯装置、26は本体ケース、27はスクリーンである。
高圧放電ランプ21は、図1に示す本発明の高圧放電ランプにおける一形態である。
液晶表示手段22は、投射すべき画像を液晶によって表示するもので、その背面から高圧放電ランプ21によって照明される。
画像制御手段23は、液晶表示手段22を駆動および制御するもので、要すればテレビジョン受信機能をも備えることができる。
光学系24は、液晶表示手段22を通過した光をスクリーン27に投射する。
高圧放電ランプ点灯装置25は、高圧放電ランプ21を点灯する。
本体ケース26は、以上の各要素21〜26を収納する。
1…気密容器、1a…包囲部、1b…封止部、1c…放電空間、2…電極、3…封着金属箔、4…外部リード線、5…金属ハロゲン化物、B…口金、IT…発光管、M…反射鏡
Claims (7)
- 内部に放電空間を有する透光性の気密容器と;
気密容器に封装されて電極間距離Dが2mm以下で放電空間に臨む一対の電極と;
ツリウム(Tm)ハロゲン化物、亜鉛(Zn)ハロゲン化物および希ガスを含み、かつ、亜鉛(Zn)ハロゲン化物は気密容器内に封入されている全ての金属ハロゲン化物に対して20〜90質量%未満であり、水銀を本質的に含まないで構成されて気密容器内に封入しているイオン化媒体と;
を具備し、ランプ電圧Vl(V)と電極間距離D(mm)の比Vl/Dが下式を満足することを特徴とする高圧放電ランプ。
20<Vl/D<100 - 内部に放電空間を有する透光性の気密容器と;
気密容器に封装されて電極間距離が2mm以下で放電空間に臨む一対の電極と;
ツリウム(Tm)ハロゲン化物、亜鉛(Zn)ハロゲン化物および希ガスを含み、かつ、亜鉛(Zn)ハロゲン化物とツリウム(Tm)ハロゲン化物の質量和が全ての金属ハロゲン化物に対して50〜95質量%を占めていて、水銀を本質的に含まないで構成されて気密容器内に封入しているイオン化媒体と;
を具備し、ランプ電圧Vl(V)と電極間距離D(mm)の比Vl/Dが下式を満足することを特徴とする高圧放電ランプ。
20<Vl/D<100 - 亜鉛(Zn)ハロゲン化物の質量をAとし、ツリウム(Tm)ハロゲン化物の質量をBとしたとき、A/Bが下式を満足することを特徴とする請求項2記載の高圧放電ランプ。
0.6<A/B<2.5 - 内部に放電空間を有する透光性の気密容器と;
気密容器に封装されて電極間距離Dが2mm以下で放電空間に臨む一対の電極と;
ツリウム(Tm)ハロゲン化物、亜鉛(Zn)ハロゲン化物および希ガスを含み、かつ、亜鉛(Zn)ハロゲン化物が最大封入比率であり、水銀を本質的に含まないで構成されて気密容器内に封入しているとともに、全ての金属ハロゲン化物の総量が気密容器の単位内容積(1cc)当たり12mg以上のイオン化媒体と;
を具備し、ランプ電圧Vl(V)と電極間距離D(mm)の比Vl/Dが下式を満足することを特徴とする高圧放電ランプ。
20<Vl/D<100 - イオン化媒体は、そのイオン化ポテンシャルが5.40eV以上であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一記載の高圧放電ランプ。
- イオン化媒体は、全ての金属ハロゲン化物に対して10質量%未満のアルカリ金属を含んでいることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一記載の高圧放電ランプ。
- 画像投影機構を備えた光学機器本体と;
光学機器本体に画像投影用光源として配設された請求項1ないし6のいずれか一記載の高圧放電ランプと;
を具備していることを特徴とする光学機器。
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