JP5152553B2 - アルミダイカスト製車両用灯具部品の防錆処理方法、及び、アルミダイカスト製車両用灯具部品 - Google Patents

アルミダイカスト製車両用灯具部品の防錆処理方法、及び、アルミダイカスト製車両用灯具部品 Download PDF

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Description

本発明は、アルミダイカスト製車両用灯具部品の防錆処理方法、及び、アルミダイカスト製車両用灯具部品に関し、特にクロメート処理又はジルコニウム処理を行うことなく低コストでアルミダイカスト製車両用灯具部品の防錆処理を行うための技術に関する。
従来、耐熱性と配光制御精度の観点から、車両用灯具においてアルミダイカスト製の部品が用いられている。このアルミダイカスト製車両用灯具部品として、例えば、プロジェクタータイプの前照灯内に配置され、すれ違いビームのカットオフラインを形成しつつ道路情報の標識看板を照らすオーバーヘッド配光を制御するための反射面を有するシェードがある。
図5は、従来のシェードの一般的な製造工程を説明するための工程図である。
図5に示すように、従来のシェードは、ダイカストマシンを用いてシリコンを含むアルミ合金(JIS記号ADC12により特定されるダイカスト用合金)を射出成形する工程(ステップS100)、その射出成形されたシェードのバリ取り(ブラスト処理等)を行う工程(ステップS101)、油脂類等除去のため、そのバリ取り後のシェードを洗浄溶剤灯で脱脂する工程(ステップS102)、水洗工程(ステップS103)、その水洗されたシェードの防錆処理(クロメート処理(例えば特許文献1)又はジルコニウム処理(例えば特許文献2))を行う工程(ステップS104)、水洗工程(ステップS105)、湯洗工程(ステップS106)、乾燥工程(ステップS107)等を経て形成される。なお、バリ取り工程(ステップS101)と脱脂工程(ステップS102)の間に、表面の反射率を向上させる目的でバレル研磨工程(ステップS108)を設けることがある。
特開2005−171296号公報 特許第3437023号公報
しかしながら、防錆処理であるクロメート処理又はジルコニウム処理は、いずれも、重金属塩類、酸類を使用した表面処理であり、浸漬時間、温度、薬液濃度、PH等の工程管理、多段水洗槽を含む特殊処理設備や、重金属塩類、酸類等による公害防止のための排水処理設備を設けなければならず、コストが増大するという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、クロメート処理又はジルコニウム処理を行うことなく低コストでアルミダイカスト製車両用灯具部品の防錆処理を行うことを目的とする。
本発明は上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ダイカスト法を用いて鋳造された少なくともシリコンを含むアルミ合金製車両用灯具部品を280℃以上で5時間以上加熱することにより、前記アルミ合金製車両用灯具部品表層のシリコンを酸化させ、表面の酸化シリコン層および酸化アルミニウム層を4Åより厚く形成し、前記加熱を行う前のアルミ合金製車両用灯具部品に比べて、反射率を高く、且つ、滑らかな表面とすることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、少なくともシリコンを含むアルミ合金製車両用灯具部品を加熱することのみにより、アルミ合金製車両用灯具部品表層に防錆効果を発揮する酸化シリコン層を形成するので、従来のようにクロメート処理又はジルコニウム処理を行うことなく、アルミ合金製車両用灯具部品の防錆処理を行うことが可能となる。
また、少なくともシリコンを含むアルミ合金製車両用灯具部品を加熱することのみにより、アルミ合金製車両用灯具部品の反射率を、クロメート処理又はジルコニウム処理を行ったものより向上させることが可能となる。
さらに、本発明によれば、コスト低減、及び、環境汚染防止の効果を奏することが可能となる。すなわち、従来のようにクロメート処理又はジルコニウム処理を行わないので、クロメート処理やジルコニウム処理のように、薬液の浸漬時間、温度、濃度、PH等の工程管理、多段水洗槽を含む特殊処理設備や、重金属塩類、酸、アルカリ類の公害防止のための廃水処理設備や、これらの設備に必要なランニングコストが不要となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記アルミ合金製車両用灯具部品を280℃以上で5時間以上加熱することを特徴とする。
また、請求項に記載の発明によれば、防錆効果を発揮するのに好適な厚みの酸化シリコン層を形成することが可能となる。
請求項に記載の発明は、少なくともシリコンを含むアルミ合金により形成される車両用灯具部品において、その表層に280℃以上で5時間以上の熱処理により形成した酸化シリコン層および酸化アルミニウム層が4Åより厚く形成されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、アルミダイカスト製車両用灯具部品表層に防錆効果を発揮する酸化シリコン層が形成されているので、クロメート処理又はジルコニウム処理を行ったアルミダイカスト製車両用灯具部品とほぼ同等の防錆効果を発揮することが可能となる。また、アルミダイカスト製車両用灯具部品の反射率を、クロメート処理又はジルコニウム処理を行ったものより向上させることが可能となる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記シリコンを含むアルミ合金は、JIS記号ADC12により特定されるダイカスト用合金であることを特徴とする。
これは、シリコンを含むアルミ合金の例示である。本発明のシリコンを含むアルミ合金はこれに限定されない。例えば、シリコンを含むアルミ合金は、JIS記号ADC10により特定されるダイカスト用合金であってもよい。
請求項に記載の発明は、請求項2又は3に記載の発明において、前記酸化シリコン層は10Å以上の厚みを有することを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、クロメート処理又はジルコニウム処理を行ったアルミダイカスト製車両用灯具部品とほぼ同等の防錆効果を発揮することが可能となる。
請求項5に記載の発明は、請求項2から4のいずれかに記載の発明において、前記アルミダイカスト製車両用灯具部品は、前記熱処理を行う前の反射率に比べて、高反射率、且つ、なめらかな表面を有することを特徴とする。
本発明によれば、クロメート処理又はジルコニウム処理を行うことなく低コストでアルミダイカスト製車両用灯具部品の防錆処理を行うことが可能となる。
以下、本発明の一実施形態であるアルミダイカスト製車両用灯具部品の防錆処理方法について図面を参照しながら説明する。以下、アルミダイカスト製車両用灯具部品として図1に示すシェード10を例に説明する。
図1は、本発明の一実施形態である防錆処理方法により防錆処理されたシェード10の斜視図である。図2は、図1に示したシェード10が配置された前照灯20の例である。
図2に示すように、シェード10は、プロジェクタータイプの前照灯20内に配置され、上端面12ですれ違いビームのカットオフラインを形成するための部品である。シェード10は、道路情報の標識看板を照らすオーバーヘッド配光を制御するための反射板11を備えている。なお、前照灯20には、白熱電球、HID、LED等の光源21、反射面として機能するリフレクター22、レンズ23等も配置されている。
このシェード10は次のように製造される。
図3は、シェード10の製造工程を説明するための工程図である。
図3に示すように、シェード10は、ダイカストマシンを用いてシリコンを含むアルミ合金(本実施形態ではJIS記号ADC12により特定されるダイカスト用合金)を射出成形する工程(ステップS1)、その射出成形されたシェード10のバリ取り(ブラスト処理等)を行う工程(ステップS2)、油脂類等を除去する目的でそのバリ取り後のシェード10を洗浄溶剤等で脱脂する工程(ステップS3)、その脱脂後のシェード10に対して防錆処理(熱処理)を行う工程(ステップS4)を経て形成される。なお、バリ取り工程(ステップS2)と脱脂工程(ステップS3)の間に、表面の反射率を向上させる目的でバレル研磨工程(ステップS5)を設けることがある。また、脱脂工程(ステップS3)は、必須の工程ではなく、必要に応じて設けられる。ダイカスト用合金(JIS記号ADC12)の化学成分は、Cuが1.5〜3.5%、Siが9.6〜12.0%、Mgが0.3%以下、Znが1.0%以下、Feが1.3%以下、Mnが0.5%以下、Niが0.5%以下、Snが0.2%以下、Alが残部である。
次に、防錆処理(熱処理)を行う工程(ステップS4)について説明する。
防錆処理(熱処理)を行う工程(ステップS4)では、例えば一般の乾燥炉(恒温槽)を用いて、シェード10全体を加熱する(好ましくは280℃×5時間加熱、より好ましくは280℃×24時間加熱、さらに好ましくは280℃以上×24時間以上加熱)。
本出願の発明者は、この防錆処理(熱処理)したシェード10表面を、XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)を用いて深さ方向に元素分析を行った。
その結果、上記防錆処理(熱処理)を行ったシェード10表層のシリコン及びアルミニウムが酸化して酸化シリコン層及び酸化アルミニウム層を形成していることを確認した(図4及び表1参照)。図4は、上記異なる条件(280℃×24時間加熱、280℃×5時間加熱)で加熱した各シェード10表面及び熱処理無しのシェード10表面を、XPSを用いて深さ方向に元素分析を行った分析結果を表す図である。
Figure 0005152553
この表1によれば、防錆処理として、より長時間(上記例では5時間よりも長時間の24時間)加熱を行った方のシェード10の酸化シリコン層及び酸化アルミニウム層の厚みが増加することを確認できる。
また、本出願の発明者は、後述の測定・比較・分析等(実施例1〜3)を行った結果、この酸化シリコン層及び酸化アルミニウム層が形成されたシェード10が、クロメート処理又はジルコニウム処理を行ったシェード10とほぼ同等の防錆効果(以下耐食性ともいう)を発揮することを確認した(下記表3参照)。
また、酸化シリコン層及び酸化アルミニウム層が形成されたシェード10の反射板11の反射率が、クロメート処理又はジルコニウム処理を行ったシェード10の反射板11の反射率より向上していることも確認した(下記表2、表4参照)。
以上説明したように、本実施形態によれば、防錆処理(熱処理)を行う工程(ステップS4)において、シェード10を加熱する(好ましくは280℃×5時間加熱、より好ましくは280℃×24時間加熱、又は、280℃以上×24時間以上加熱)ことのみにより、シェード10表層に酸化シリコン層及び酸化アルミニウム層を形成するので、従来のようにクロメート処理又はジルコニウム処理を行うことなく、シェード10の防錆処理を行うことが可能となる。
また、本実施形態によれば、防錆処理(熱処理)を行う工程(ステップS4)において、シェード10を加熱する(好ましくは280℃×5時間加熱、より好ましくは280℃×24時間加熱、又は、280℃以上×24時間以上加熱)ことのみにより、シェード10の反射板11の反射率を、クロメート処理又はジルコニウム処理を行ったシェード10の反射板11の反射率より向上させることが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、従来のようにクロメート処理又はジルコニウム処理を行わないので、コスト低減、及び、環境汚染防止の効果を奏することが可能となる。すなわち、クロメート処理やジルコニウム処理のように、薬液の浸漬時間、温度、濃度、PH等の工程管理、多段水洗槽を含む特殊処理設備や、重金属塩類、酸、アルカリ類の公害防止のための廃水処理設備や、これらの設備に必要なランニングコストが不要となる。また、本実施形態によれば、一般の300℃までの乾燥炉(恒温槽)を用いて防錆処理を行うことが可能である。
次に、変形例について説明する。
本実施形態では、アルミダイカスト製車両用灯具部品として図1に示すシェード10を例に説明したが、本発明はこれに限定されない。アルミダイカスト製車両用灯具部品として他の部品を用いてもよい。
また、本実施形態では、シリコンを含むアルミ合金としてJIS記号ADC12により特定されるダイカスト用合金を例に説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、シリコンを含むアルミ合金としてJIS記号ADC10により特定されるダイカスト用合金を用いてもよい。
また、本実施形態では、防錆効果を発揮させるための防錆処理の好ましい条件として、280℃×24時間、280℃×5時間のみ明示したが、これら二つの条件のみを明示したのは主として時間的制約が理由であるから、本発明はこれらに限定されない。下記表5から明らかなように、防錆効果を発揮させるための防錆処理の好ましい条件として、より高温(280℃以上)で、かつ、より長時間(好ましくは5時間以上、より好ましくは24時間以上)を採用することが可能である。これによっても、クロメート処理又はジルコニウム処理を行ったシェード10とほぼ同等あるいはそれ以上の防錆効果を発揮することを期待できる。
次に、シェード10に対して行った防錆処理(熱処理)の実施例について具体的に説明する。
〈実施例1〉
本実施例1では、射出成形後、#1500サンドペーパーによりバリ取りした四つのシェード10を用いた。本実施例1では、防錆処理として、一般の乾燥炉(恒温槽)を用いて、一つのシェード10全体を加熱した(280℃×24時間加熱)。性能比較用として、二つのシェード10については、それぞれ、三価クロメート処理(ディップソール株式会社製ALT610を用いた)を行い、ジルコニウム処理(日本ペイント株式会社製アルサーフ315を用いた)を行った。残りの一つのシェード10は、未処理(熱処理、三価クロメート処理、ジルコニウム処理のいずれの処理も行っていない)である。
そして、上記防錆処理を行ったシェード10(の反射板11)表面(酸化シリコン層及び酸化アルミニウム層が形成されている)、上記クロメート処理を行ったシェード10(の反射板11)表面、上記ジルコニウム処理を行ったシェード表面10(の反射板11)、及び、未処理のシェード10(の反射板11)表面を、反射率計(TR−1100AD(東京電色技術センター)入射角45°)を用いて測定した。
この測定結果(比較例)は次の表2の通りである。
Figure 0005152553
この表2によれば、上記防錆処理(熱処理)を行った(酸化シリコン層及び酸化アルミニウム層が形成された)シェード10の反射板11の反射率が、クロメート処理又はジルコニウム処理を行ったシェード10の反射板11の反射率より向上することを確認できる。また、三価クロメート処理又はジルコニウム処理を行ったシェード10表面の反射率は、未処理のシェード10表面の反射率と比較して10〜15%低下している。しかし、本実施例1の防錆処理(熱処理)を行ったシェード10表面の反射率は、未処理のシェード10表面の反射率と比較して低下しておらず、むしろ2〜3%向上している。
この反射率向上の原因を突き止めるべく、本出願の発明者は、異なる条件で加熱した(280℃×24時間加熱、280℃×5時間加熱)シェード10表面と熱処理無しのシェード10表面を、電子顕微鏡を用いて観察した。
その結果、熱処理無しのシェード10表面よりも、上記加熱したシェード10表面の方がより緻密な表面(段差や窪みがより少ないなめらかな表面)を有することを確認した。また、280℃×5時間加熱するよりも、280℃×24時間加熱の方がより緻密な表面(段差や窪みがより少ないなめらかな表面)を有することを確認した。
この観察結果からみて、熱処理したシェード10表面がより緻密な状態に変化したことが反射率の向上に寄与していると考えられる。
次に、上記防錆処理を行ったシェード10表面(酸化シリコン層及び酸化アルミニウム層が形成されている)、上記クロメート処理を行ったシェード10表面、上記ジルコニウム処理を行ったシェード10表面、及び、未処理のシェード10表面に対してJISH8502に規定する中性塩水噴霧試験(48時間)を行い、白錆面積率を測定した。
この測定結果(比較例)は次の表3の通りである。
Figure 0005152553
この表3によれば、上記防錆処理(熱処理)を行った(酸化シリコン層及び酸化アルミニウム層が形成された)シェード10が、クロメート処理又はジルコニウム処理を行ったシェード10とほぼ同等の防錆効果を発揮することを確認できる。
〈実施例2〉
本実施例2では、射出成形後、亜鉛ショットブラストによりバリ取りした四つのシェード10を用いた。本実施例2では、防錆処理として、一般の乾燥炉(恒温槽)を用いて、一つのシェード10全体を加熱した(280℃×24時間加熱)。性能比較用として、二つのシェードについては、それぞれ、三価クロメート処理(ディップソール株式会社製ALT610を用いた)を行い、ジルコニウム処理(日本ペイント株式会社製アルサーフ315を用いた)を行った。残りの一つのシェード10は、未処理(熱処理、三価クロメート処理、ジルコニウム処理のいずれの処理も行っていない)である。
そして、上記防錆処理を行ったシェード10(の反射板11)表面(酸化シリコン層及び酸化アルミニウム層が形成されている)、上記クロメート処理を行ったシェード10(の反射板11)表面、上記ジルコニウム処理を行ったシェード表面10(の反射板11)、及び、未処理のシェード10表面を、反射率計(TR−1100AD(東京電色技術センター)入射角45°)を用いて測定した。
この測定結果(比較例)は次の表4の通りである。
Figure 0005152553
この表4によれば、亜鉛ショットブラストによりバリ取りした場合であっても実施例1と同様、上記防錆処理(熱処理)を行った(酸化シリコン層及び酸化アルミニウム層が形成された)シェード10の反射板11の反射率が、クロメート処理又はジルコニウム処理を行ったシェード10の反射板11の反射率より向上することを確認できる。また、三価クロメート処理又はジルコニウム処理を行ったシェード10表面の反射率は、未処理のシェード10表面の反射率と比較して10〜15%低下する。しかし、本実施例1の防錆処理(熱処理)を行ったシェード10表面の反射率は、未処理のシェード10表面の反射率と比較して低下しておらず、むしろ2〜3%向上する。
この反射率向上の原因を突き止めるべく、本出願の発明者は、異なる条件で加熱した(280℃×24時間加熱、280℃×5時間加熱)シェード10表面と熱処理無しのシェード10表面を、電子顕微鏡を用いて観察した。
その結果、熱処理無しのシェード10表面よりも、上記加熱したシェード10表面の方がより緻密な表面(段差や窪みがより少ないなめらかな表面)を有することを確認した。また、280℃×5時間加熱するよりも、280℃×24時間加熱の方がより緻密な表面(段差や窪みがより少ないなめらかな表面)を有することを確認した。
この観察結果からみて、熱処理したシェード10表面がより緻密な状態に変化したことが反射率の向上に寄与していると考えられる。
次に、上記防錆処理を行ったシェード10表面(酸化シリコン層及び酸化アルミニウム層が形成されている)、上記クロメート処理を行ったシェード10表面、上記ジルコニウム処理を行ったシェード10表面、及び、未処理のシェード10表面に対してJISH8502に規定する中性塩水噴霧試験(48時間)を行い、白錆面積率を測定した。
この測定結果(比較例)は上記表3と同様であった(表省略)。
〈実施例3〉
本実施例3では、射出成形後、#1500サンドペーパーによりバリ取りした四つのシェード10を用いた。本実施例3では、防錆処理として、一般の乾燥炉(恒温槽)を用いて、三つのシェード10全体をそれぞれ異なる条件で加熱した(280℃×24時間加熱、280℃×5時間加熱、180℃×24時間加熱)。性能比較用として、残りの一つのシェード10は、未処理(本実施例の熱処理を行っていない)である。
そして、上記防錆処理を行った三つのシェード10表面(酸化シリコン層及び酸化アルミニウム層が形成されている)、及び、未処理のシェード10表面に対してJISH8502に規定する中性塩水噴霧試験(48時間)を行い、白錆面積率を測定した。
この測定結果(比較例)は次の表5の通りである。
Figure 0005152553
この表5によれば、防錆処理として、シェード10をより高温(280℃以上)で、かつ、より長時間(好ましくは5時間以上、より好ましくは24時間以上)加熱しても、クロメート処理又はジルコニウム処理を行ったシェード10とほぼ同等あるいはそれ以上の防錆効果を発揮することを期待できることが理解できる。
また、この表5によれば、280℃×24時間加熱の方が、280℃×5時間加熱よりも防錆効果が向上することを確認できる。これは、主として280℃×24時間加熱により形成される酸化シリコン層の厚み(20〜40Å)の方が、280℃×5時間加熱により形成される酸化シリコン層の厚み(4〜10Å)よりも厚いことに起因していると考えられる(表1参照)。あるいは、280℃×24時間加熱により形成される酸化アルミニウム層の厚み(10〜20Å)の方が、280℃×5時間加熱により形成される酸化アルミニウム層の厚み(4Å)よりも厚いことも影響していると考えることもできる。あるいは、熱処理したシェード10表面がより緻密な状態に変化したことも影響していると考えることもできる。
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。これらの記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
本発明の一実施形態である防錆処理方法により防錆処理されたシェード10の斜視図である。 図1に示したシェード10を配置した前照灯20の例である。 アルミダイカスト製車両用灯具部品の製造工程を説明するための工程図である。 異なる条件で加熱した各シェード10表面を、XPSを用いて深さ方向に元素分析を行った分析結果を表す図である。 従来のアルミダイカスト製車両用灯具部品の製造工程を説明するための工程図である。
符号の説明
10…シェード、11…反射板、20…前照灯、21…光源、22…リフレクター、23…レンズ

Claims (5)

  1. ダイカスト法を用いて鋳造された少なくともシリコンを含むアルミ合金製車両用灯具部品を280℃以上で5時間以上加熱することにより、前記アルミ合金製車両用灯具部品表層のシリコンを酸化させ、表面の酸化シリコン層および酸化アルミニウム層を4Åより厚く形成し、
    前記加熱を行う前のアルミ合金製車両用灯具部品に比べて、反射率を高く、且つ、なめらかな表面とすることを特徴とするアルミダイカスト製車両用灯具部品の防錆処理方法。
  2. 少なくともシリコンを含むアルミ合金により形成される車両用灯具部品において、
    その表層に280℃以上で5時間以上の熱処理により形成した酸化シリコン層および酸化アルミニウム層が4Åより厚く形成されていることを特徴とするアルミダイカスト製車両用灯具部品。
  3. 前記シリコンを含むアルミ合金は、JIS記号ADC12により特定されるダイカスト用合金であることを特徴とする請求項に記載のアルミダイカスト製車両用灯具部品。
  4. 前記酸化シリコン層は10Å以上の厚みを有することを特徴とする請求項2又は3に記載のアルミダイカスト製車両用灯具部品。
  5. 前記アルミダイカスト製車両用灯具部品は、前記熱処理を行う前の反射率に比べて、高反射率、且つ、なめらかな表面を有することを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載のアルミダイカスト製車両用灯具部品。
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