JP2006019150A - 光源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】機械的強度は高く、可視光を良好に放射できるとともに、反射鏡内部を効果的に冷却できる光源装置を提供することである。
【解決手段】高圧放電ランプ10と凹面反射鏡20よりなる。凹面反射鏡20は、銅、鉄あるいはこれらの合金よりなる基体と、この基体の内表面に設けられた熱線吸収機能と反射面平滑機能を有する中間層40と、この中間層40上に設けられた誘電体多層膜よりなる可視光反射層50からなり、高圧放電ランプ10の封止部12近傍に配置された冷却部31と、この冷却部に繋がって凹面反射鏡の内部に取り付けられたし支持部32よりなる封止部冷却手段30を有することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】高圧放電ランプ10と凹面反射鏡20よりなる。凹面反射鏡20は、銅、鉄あるいはこれらの合金よりなる基体と、この基体の内表面に設けられた熱線吸収機能と反射面平滑機能を有する中間層40と、この中間層40上に設けられた誘電体多層膜よりなる可視光反射層50からなり、高圧放電ランプ10の封止部12近傍に配置された冷却部31と、この冷却部に繋がって凹面反射鏡の内部に取り付けられたし支持部32よりなる封止部冷却手段30を有することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
この発明は高圧放電ランプとその凹面反射鏡よりなる光源装置に関する。特に、発光管内に0.15mg/mm3以上の水銀が封入されて点灯時の水銀蒸気圧が超高圧となる超高圧水銀ランプを光源とした液晶ディスプレイ装置やDMD(デジタルミラーデバイス)を使ったDLP(デジタルライトプロセッサ)などのプロジェクター装置に使われる光源装置に関する。
投射型プロジェクター装置は、矩形状のスクリーンに対して、均一にしかも十分な演色性をもって画像を照明させることが要求される。このため、光源としては、水銀や金属ハロゲン化物を封入させたメタルハライドランプが使われている。また、このようなメタルハライドランプも、最近では、より一層の小型化、点光源化が進められ、また電極間距離の極めて小さいものが実用化されている。
このような背景のもと、最近では、メタルハライドランプに代わって、今までにない高い水銀蒸気圧、例えば150気圧、を持つランプが提案されている。これは、水銀蒸気圧をより高くすることで、アークの広がりを抑える(絞り込む)とともに、より一層の光出力の向上を図るというものである。
このような超高圧放電ランプは、例えば、特開平2−148561号、特開平6−52830号、特許第2980882号に開示されている。
このような超高圧放電ランプは、例えば、特開平2−148561号、特開平6−52830号、特許第2980882号に開示されている。
一方、プロジェクター装置に使用する光源装置は、光源ランプからの放射光を光軸方向に効率よく反射させて、液晶表示パネルなどの被照射領域に照射する必要がある。光源装置は、通常、ショートアーク型放電ランプと、この放電ランプから放射される光を平行光に変換するための凹面反射鏡が採用される。
近年、液晶プロジェクター装置やDMDを使ったDLP装置は小型化が強く求められ、これに応じて、光源装置も小型化が求められている。また、被照射物である液晶表示パネル自体も小型化されていることも、光源装置の小型化が要請される理由の一つである。
近年、液晶プロジェクター装置やDMDを使ったDLP装置は小型化が強く求められ、これに応じて、光源装置も小型化が求められている。また、被照射物である液晶表示パネル自体も小型化されていることも、光源装置の小型化が要請される理由の一つである。
光源装置は、以下の性能が強く求められる。
第一に、反射鏡自身の強度が高いことである。放電ランプは点灯時の内圧が超高圧(例えば、150気圧以上)であるから、万一、放電ランプが破損した場合に、その影響が光源装置外部に及ばないようにするためである。
第二に、反射鏡およびその内部の放電ランプを良好に冷却できることである。放電ランプの点灯時温度が極めて高いことから反射鏡も極めて高温になるからである。従って、反射鏡の熱伝導度を高くするとともに、反射鏡の外部に冷却風を当てることで内部を容易に冷却できることが必要になる。
特開平2−148561号
特開平6−52830号
特許第2980882号
第一に、反射鏡自身の強度が高いことである。放電ランプは点灯時の内圧が超高圧(例えば、150気圧以上)であるから、万一、放電ランプが破損した場合に、その影響が光源装置外部に及ばないようにするためである。
第二に、反射鏡およびその内部の放電ランプを良好に冷却できることである。放電ランプの点灯時温度が極めて高いことから反射鏡も極めて高温になるからである。従って、反射鏡の熱伝導度を高くするとともに、反射鏡の外部に冷却風を当てることで内部を容易に冷却できることが必要になる。
この発明が解決しようとする課題は、上記3つの要求を全て満たす光源装置を提供することである。
上記課題を解決するために、この発明の光源装置は、高圧放電ランプとこの高圧放電ランプを取り囲む凹面反射鏡よりなる。そして、凹面反射鏡は、金属(例えば、銅、鉄あるいはこれらの合金)よりなる基体と、この基体の内表面に設けられた熱線吸収機能と反射面平滑機能を有する中間層と、この中間層上に設けられた誘電体多層膜よりなる可視光反射層からなり、前記高圧放電ランプの封止部近傍に配置された冷却部と、この冷却部に繋がって凹面反射鏡の内部に取り付けられたし支持部よりなる封止部冷却手段を有することを特徴とする。
また、中間層は、銅の酸化物を含有する熱吸収機能と、反射面を形成し平滑機能を具えたガラス質層からなることを特徴とする。
また、高圧放電ランプは、放電容器内に0.15mg/mm3以上の水銀が封入されることを特徴とする。
また、封止部冷却手段の冷却部は、前記高圧放電ランプの陰極側の封止部に配置したことを特徴とする。
また、封止部冷却手段の冷却部は、前記高圧放電ランプの陰極に相当する位置に配置することを特徴とする。
また、封止部冷却手段の冷却部は、前記高圧放電ランプの封止部表面と空間的に離れて配置することを特徴とする。
また、高圧放電ランプは、放電容器内に0.15mg/mm3以上の水銀が封入されることを特徴とする。
また、封止部冷却手段の冷却部は、前記高圧放電ランプの陰極側の封止部に配置したことを特徴とする。
また、封止部冷却手段の冷却部は、前記高圧放電ランプの陰極に相当する位置に配置することを特徴とする。
また、封止部冷却手段の冷却部は、前記高圧放電ランプの封止部表面と空間的に離れて配置することを特徴とする。
本発明の光源装置は、反射鏡の基体金属を金属によって構成することで、機械的強度を高めて耐破損性を向上できるとともに、反射鏡内部を概略密閉構造にしても効果的に冷却することができる。金属としては、銅、鉄あるいはこれらの合金を採用できる。
また、反射鏡内部にシリカを主成分とする中間層を設けることで可視光反射層を反射鏡の基体金属に密着することができる。従って、反射特性のあまり高くない銅、鉄あるいはこれらの合金を基体金属として採用しても十分な可視光を放射することが可能となり、プロジェクター装置に好適に採用することができる。
また、放電ランプの封止部、特に陰極側封止部には封止部冷却手段が設けられるので、放電ランプで発生する高熱を冷却手段により伝導させて凹面反射鏡で効果的に冷却することができる。
また、反射鏡内部にシリカを主成分とする中間層を設けることで可視光反射層を反射鏡の基体金属に密着することができる。従って、反射特性のあまり高くない銅、鉄あるいはこれらの合金を基体金属として採用しても十分な可視光を放射することが可能となり、プロジェクター装置に好適に採用することができる。
また、放電ランプの封止部、特に陰極側封止部には封止部冷却手段が設けられるので、放電ランプで発生する高熱を冷却手段により伝導させて凹面反射鏡で効果的に冷却することができる。
図1は本発明の光源装置を説明するための概略構成図を示す。
光源装置は、ショートアーク型超高圧放電ランプ10(以後、単に「放電ランプ」ともいう)と、この放電ランプ10を取り囲む凹面反射鏡20より構成され、凹面反射鏡20の光軸Lと放電ランプ10のアーク方向がほぼ一致するとともに、放電ランプ10のアーク輝点が凹面反射鏡20の第一焦点に一致するように配置されている。
光源装置は、ショートアーク型超高圧放電ランプ10(以後、単に「放電ランプ」ともいう)と、この放電ランプ10を取り囲む凹面反射鏡20より構成され、凹面反射鏡20の光軸Lと放電ランプ10のアーク方向がほぼ一致するとともに、放電ランプ10のアーク輝点が凹面反射鏡20の第一焦点に一致するように配置されている。
放電ランプ10の放電容器は、大略球状の発光部11と、この発光部11の両端に続くロッド状の封止部12a、12bより構成されており、発光部11内には一対の電極が対向配置している。放電ランプ10の封止部12aは凹面反射鏡20の頂部21の開口に挿入されて、封止部12aの先端の口金が接着剤13を介して凹面反射鏡20の頂部21に取り付けられている。封止部12aの先端からは給電リード14aが突出しており、給電線15aを介して図示略の給電装置と電気的に接続される。一方、封止部12b側にも先端に給電リード14bが突出しており給電線15bが凹面反射鏡20の開口を介し外部に伸びて給電装置に接続する。
凹面反射鏡20の頂部21の外側には、例えば、セラミックス材料などから構成される支持部材16が配置されており、凹面反射鏡20は接着剤により支持部材16に固定される。
凹面反射鏡20は、後述するが、銅(Cu)、鉄(Fe)などの金属より構成される。
凹面反射鏡20の頂部21の外側には、例えば、セラミックス材料などから構成される支持部材16が配置されており、凹面反射鏡20は接着剤により支持部材16に固定される。
凹面反射鏡20は、後述するが、銅(Cu)、鉄(Fe)などの金属より構成される。
図2は図1のA−A断面図を示す。図1と図2より封止部冷却手段30について説明する。封止部12bには、支持部31と冷却部32より構成される封止部冷却手段30が取り付けられる。
封止部冷却手段30は、銅などの金属部材もしくは窒化アルミニウムなどのセラミックスよりなり、支持部31の先端は凹面反射鏡20の内面に、溶接やネジ止めにより接合している。
支持部31の他端にはリング状の冷却部32を有する。冷却部32は、封止部12bの高熱を輻射により吸収するもので、支持部31、凹面反射鏡20を介して放熱することができる。凹面反射鏡20の外面には冷却ファンなどにより強制空冷される。
封止部冷却手段30は、銅などの金属部材もしくは窒化アルミニウムなどのセラミックスよりなり、支持部31の先端は凹面反射鏡20の内面に、溶接やネジ止めにより接合している。
支持部31の他端にはリング状の冷却部32を有する。冷却部32は、封止部12bの高熱を輻射により吸収するもので、支持部31、凹面反射鏡20を介して放熱することができる。凹面反射鏡20の外面には冷却ファンなどにより強制空冷される。
冷却部32はリング状である必要はなく、封止部12bを効果的に冷却できれば形状、構造に限定されるものではない。しかし、図示のように封止部12bから空隙を設けるよう構成することで、封止部12bが過度に冷却されてしまうことを防止できる。また、放電ランプ10は、本来、光軸Lに一致するように設計されて凹面反射鏡20に取り付けられるが、実際には、放電ランプ10が光軸Lから傾いて取り付けられることもあり、この場合に冷却部32をリング状にするとともに封止部12bとの間に空隙を設けることは利点がある。
ここで、通常、凹面反射鏡はガラスで構成されるため、金属部材からなる支持部材を接合することは容易なことではない。一方、本願発明では、凹面反射鏡20が金属部材から構成されることから、支持部31を凹面反射鏡20の内面に接合することが可能となり、これにより、放電ランプの封止部を極めて効率よく冷却することができる。
封止部冷却部材30について、数値例を紹介すると、支持部31は厚さ0.5mm、冷却部32は厚さ0.5mm程度である。
ここで、通常、凹面反射鏡はガラスで構成されるため、金属部材からなる支持部材を接合することは容易なことではない。一方、本願発明では、凹面反射鏡20が金属部材から構成されることから、支持部31を凹面反射鏡20の内面に接合することが可能となり、これにより、放電ランプの封止部を極めて効率よく冷却することができる。
封止部冷却部材30について、数値例を紹介すると、支持部31は厚さ0.5mm、冷却部32は厚さ0.5mm程度である。
凹面反射鏡20は全体が概略お椀状の楕円集光鏡であって、頂部21と反射部22と前面開口部23より構成される。反射部22の内面には、後述する中間層40と可視光反射層50が形成されており、所望の可視波長域の光を反射するとともに、それ以外の光、例えば赤外光を透過させて反射部22に吸収される。
前面開口部23には、例えば、ホウ珪酸ガラスなどからなる光透過性の前面ガラス2423が枠部材25を介して装着される。
前面ガラス24を設けることで凹面反射鏡20の内部をほぼ密閉構造にできる。このため、万一、放電ランプ10が破損した場合などにおいて、破片が散乱することを防止できる。
前面ガラス24を設けると、凹面反射鏡20の内部はより高温となり、また、反射鏡内部に直接冷却風を供給することが困難となる。この点において、本願発明のように封止部冷却手段を設けることは大きな技術的意義を有する。
なお、凹面反射鏡の外部であって、凹面反射鏡の前面に実質的に前面ガラスに相当する光学部材が配置される場合などは、当該反射鏡に前面ガラスを取り付ける必要はない。
さらに、前面ガラス24を取り付ける場合に、反射鏡20の内部を完全に密閉構造とするのではなく、一部に冷却用開口を設けることもできる。この冷却用開口は、例えば枠部材25に形成したり、反射部22の一部に切り欠きとして設けることもできる。
前面開口部23には、例えば、ホウ珪酸ガラスなどからなる光透過性の前面ガラス2423が枠部材25を介して装着される。
前面ガラス24を設けることで凹面反射鏡20の内部をほぼ密閉構造にできる。このため、万一、放電ランプ10が破損した場合などにおいて、破片が散乱することを防止できる。
前面ガラス24を設けると、凹面反射鏡20の内部はより高温となり、また、反射鏡内部に直接冷却風を供給することが困難となる。この点において、本願発明のように封止部冷却手段を設けることは大きな技術的意義を有する。
なお、凹面反射鏡の外部であって、凹面反射鏡の前面に実質的に前面ガラスに相当する光学部材が配置される場合などは、当該反射鏡に前面ガラスを取り付ける必要はない。
さらに、前面ガラス24を取り付ける場合に、反射鏡20の内部を完全に密閉構造とするのではなく、一部に冷却用開口を設けることもできる。この冷却用開口は、例えば枠部材25に形成したり、反射部22の一部に切り欠きとして設けることもできる。
凹面反射鏡20は、銅(Cu)により構成したり、鉄(Fe)により構成したり、あるいはこれらの合金より構成される。通常、プロジェクター装置に使われる反射鏡のようにホウ珪酸ガラス、結晶化ガラス、セラミックス材料から構成されるものとは相違している。
また、凹面反射鏡20の反射部22の内面には、可視光反射層50がコーティングされており、可視光反射層50と反射部22の間に中間層40が設けられる。
放熱効果を期待する場合には、鉄より銅により凹面反射鏡を構成することが好ましい。
また、凹面反射鏡20の反射部22の内面には、可視光反射層50がコーティングされており、可視光反射層50と反射部22の間に中間層40が設けられる。
放熱効果を期待する場合には、鉄より銅により凹面反射鏡を構成することが好ましい。
凹面反射鏡20を銅、鉄あるいはこれらの合金より構成する理由は、第一に反射鏡の強度を強くするためである。凹面反射鏡20をこれら金属により構成することで、万一、放電ランプが破損した場合にも反射鏡自体が連鎖的に破損することを防止できる。また、放電ランプの破片や残骸を反射鏡内部で確保できるとともに、反射鏡外部に配置する他の周辺機器への悪影響を防止できる。特に、前記したように前面ガラスを設けて密閉タイプを形成する光源装置の場合は、凹面反射鏡内部が高温になりやすいため、反射鏡の機械的強度を高めて破損対策を強めることは大きな意味がある。
銅合金について、一例をあげると、銅−亜鉛(Cu―Zn)系合金、銅−ニッケル系合金(Cu−Ni)系合金、銅−ニッケル−亜鉛系合金(Cu−Ni−Zn)などが採用できる。
鉄合金について、一例をあげると、ステンレス鋼(オーステナイト系、フェライト系、マルテンサイト系)、クロムモリブデン鋼などが採用できる。
銅合金について、一例をあげると、銅−亜鉛(Cu―Zn)系合金、銅−ニッケル系合金(Cu−Ni)系合金、銅−ニッケル−亜鉛系合金(Cu−Ni−Zn)などが採用できる。
鉄合金について、一例をあげると、ステンレス鋼(オーステナイト系、フェライト系、マルテンサイト系)、クロムモリブデン鋼などが採用できる。
銅、鉄あるいはこれらの合金は、一般的特性として反射特性が優れておらず、また、反射膜を直接塗布したり、コーティングを施すことが困難である。このため、一般照明やその他の分野においては使用できるかもしれないが、映像表示に使うプロジェクター装置の反射鏡材料としては不向きであるとされてきた。
しかしながら、本発明の光源装置は、熱線吸収機能と反射面平滑化機能を有する中間層を使うということで、従来不向きとされていた問題を解決することができ、反射特性の優れた可視光反射層を極めて精度良くコーティングできるようになったわけである。
つまり、本願発明の光源装置は、中間層の採用という新規な発明とともに、それに併せて反射鏡材料を改良するものであり、これにより、反射特性を衰えさせることなく光取り出し効率を従来レベルに維持できるととともに、かつ、反射鏡の機械的強度を画期的に高めることができ、さらに、凹面反射鏡内部や放電ランプを効果的に冷却できるという点に大きな特徴を有している。
しかしながら、本発明の光源装置は、熱線吸収機能と反射面平滑化機能を有する中間層を使うということで、従来不向きとされていた問題を解決することができ、反射特性の優れた可視光反射層を極めて精度良くコーティングできるようになったわけである。
つまり、本願発明の光源装置は、中間層の採用という新規な発明とともに、それに併せて反射鏡材料を改良するものであり、これにより、反射特性を衰えさせることなく光取り出し効率を従来レベルに維持できるととともに、かつ、反射鏡の機械的強度を画期的に高めることができ、さらに、凹面反射鏡内部や放電ランプを効果的に冷却できるという点に大きな特徴を有している。
中間層は、例えばシリカを主成分とする材料からなり、凹面反射鏡20の内表面に形成される。この中間層は、銅、鉄あるいはこれらの合金からなる反射鏡の基体金属と可視光反射層との接合をする接着剤的な役割を担うものである。
具体的には、中間層は、反射鏡を構成する基体金属との接着性向上にあり、基体金属が熱的に膨張や収縮を起こしたとしても、反射鏡内面に形成された各層が影響を受けて、同様に浮き上がったり、剥がれ落ちたりしない。また、金属酸化物を含むことから熱を吸収する機能を持ち、これにより反射鏡に対して冷却風を吹き付けることで当該反射鏡を良好に冷却できるという利点がある。また、可視光反射層を塗布するための下地でもあり、基体金属の種類に関わらず、可視光反射層を塗布させることである。
中間層の膜の厚さは、例えば、1mm以下とされるが、500μm以下であることが好ましく、特に200〜300μmであることが好ましい。
中間層の厚さが1mmを超えると、中間層を構成する材料と、基体金属を構成する金属との熱膨張率の差に起因して当該中間層にクラックが入るおそれがあるからである。
中間層の厚さが1mmを超えると、中間層を構成する材料と、基体金属を構成する金属との熱膨張率の差に起因して当該中間層にクラックが入るおそれがあるからである。
中間層は、原液を反射鏡内面に塗布したあと、加熱処理および乾燥処理をすることで装着できる。原液は、シリカ(SiO2)を主成分として、長石、炭酸カリウム、硝酸ナトリウム、酸化コバルト、酸化ニッケルなどの混合物からなる。この混合物を溶融して、固化することでガラス質フリットを生成することができ、このガラス質フリットを粉砕した後、その粉を水などに混合することで調整される。
反射鏡内面への塗布は、例えば、スプレー法、浸漬法(ディッピング法)などにより行なわれる。
反射鏡内面への塗布は、例えば、スプレー法、浸漬法(ディッピング法)などにより行なわれる。
ここで、反射鏡の基体金属の候補として、反射特性の優れたアルミニウムも考えられる。しかしながら、アルミニウムは融点が660℃程度と、銅、鉄あるいはこれらの合金に比べて極端に低い。このため中間層の加熱温度が当該温度を超えると反射鏡自体の変形を導くことから加熱温度は極端に制限されてしまう。この加熱温度の制限こそが中間層の反射鏡への完全は塗布を妨げる原因となり、歪みや不所望な変形を導いてしまう。
本願発明は、反射鏡の基体金属の材料として、中間層が反射鏡の内面に歪みなどを生じることなく滑らかに形成できるように、高温加熱処理に耐えられる銅、鉄あるいはこれらの合金を採用したことが特徴である。これにより、高い反射特性が確保できるとともに、銅、鉄あるいはこれらの合金の高い熱伝導性により、反射鏡外部の冷却風を流すことによる反射鏡内部の冷却効果は著しく高いものがある。
本願発明は、反射鏡の基体金属の材料として、中間層が反射鏡の内面に歪みなどを生じることなく滑らかに形成できるように、高温加熱処理に耐えられる銅、鉄あるいはこれらの合金を採用したことが特徴である。これにより、高い反射特性が確保できるとともに、銅、鉄あるいはこれらの合金の高い熱伝導性により、反射鏡外部の冷却風を流すことによる反射鏡内部の冷却効果は著しく高いものがある。
以上のように本発明の光源装置は、第一に反射鏡の基体金属を銅、鉄あるいはこれらの合金によって構成することで、機械的強度を高めて耐破損性を向上できる。第ニに反射鏡内部にシリカを主成分とする中間層を設けることで可視光反射層を反射鏡の基体金属に密着することができる。従って、反射特性のあまり高くない銅、鉄あるいはこれらの合金を基体金属として採用しても十分な可視光を放射することが可能となり、プロジェクター装置に好適に採用することができる。第三に、反射鏡内部に封止部冷却手段を設けることで反射鏡内部、特に封止部を効果的に冷却することができる。
ることなく設けることができ、結果として可視光反射層の同様に設けることができる。
ることなく設けることができ、結果として可視光反射層の同様に設けることができる。
図3は本発明の光源装置に使われる高圧放電ランプの全体構成を示す。
放電ランプ10は、石英ガラスからなる放電容器によって形成された大略球形の発光部11を有し、この発光部11内には、陽極2と陰極3が互いに対向するよう配置している。また、発光部11の両端部から伸びるよう各々封止部12が形成され、これらの封止部12には、通常モリブデンよりなる導電用金属箔4が、例えばシュリンクシールにより気密に埋設されている。金属箔4の一端は陽極2あるいは陰極3が接合しており、金属箔4の他端は外部リード16が接合している。
陰極3の先端にはコイル3aが巻きつけられる。このコイル3aはタングステンからなり、強固に巻き付けるかあるいは溶着させて構成する。コイル3aは点灯始動時は表面の凹凸効果により始動の種(始動開始位置)として機能するとともに、点灯後は表面の凹凸効果と熱容量によって放熱機能を担っている。
放電ランプ10は、石英ガラスからなる放電容器によって形成された大略球形の発光部11を有し、この発光部11内には、陽極2と陰極3が互いに対向するよう配置している。また、発光部11の両端部から伸びるよう各々封止部12が形成され、これらの封止部12には、通常モリブデンよりなる導電用金属箔4が、例えばシュリンクシールにより気密に埋設されている。金属箔4の一端は陽極2あるいは陰極3が接合しており、金属箔4の他端は外部リード16が接合している。
陰極3の先端にはコイル3aが巻きつけられる。このコイル3aはタングステンからなり、強固に巻き付けるかあるいは溶着させて構成する。コイル3aは点灯始動時は表面の凹凸効果により始動の種(始動開始位置)として機能するとともに、点灯後は表面の凹凸効果と熱容量によって放熱機能を担っている。
発光部11には、水銀と、希ガスと、ハロゲンガスが封入されている。
水銀は、必要な可視光波長、例えば、波長360〜780nmという放射光を得るためのもので、0.25mg/mm3以上封入されている。この封入量は、温度条件によっても異なるが、点灯時150気圧以上で極めて高い蒸気圧となる。また、水銀をより多く封入することで点灯時の水銀蒸気圧200気圧以上、300気圧以上という高い水銀蒸気圧の放電ランプを作ることができ、水銀蒸気圧が高くなるほどプロジェクター装置に適した光源を実現することができる。
希ガスは、例えば、アルゴンガスが約13kPa封入され、点灯始動性を改善する。
ハロゲンは、沃素、臭素、塩素などが水銀その他の金属との化合物の形態で封入する。ハロゲンの封入量は、例えば、10−6〜10−2μmol/mm3の範囲から選択できるものであって、その機能はハロゲンサイクルを利用した長寿命化であるが、本発明の放電ランプのように極めて小型で高い内圧を有するものは、このようなハロゲンを封入することは放電容器の破損、失透の防止という作用があると考えられる。
水銀は、必要な可視光波長、例えば、波長360〜780nmという放射光を得るためのもので、0.25mg/mm3以上封入されている。この封入量は、温度条件によっても異なるが、点灯時150気圧以上で極めて高い蒸気圧となる。また、水銀をより多く封入することで点灯時の水銀蒸気圧200気圧以上、300気圧以上という高い水銀蒸気圧の放電ランプを作ることができ、水銀蒸気圧が高くなるほどプロジェクター装置に適した光源を実現することができる。
希ガスは、例えば、アルゴンガスが約13kPa封入され、点灯始動性を改善する。
ハロゲンは、沃素、臭素、塩素などが水銀その他の金属との化合物の形態で封入する。ハロゲンの封入量は、例えば、10−6〜10−2μmol/mm3の範囲から選択できるものであって、その機能はハロゲンサイクルを利用した長寿命化であるが、本発明の放電ランプのように極めて小型で高い内圧を有するものは、このようなハロゲンを封入することは放電容器の破損、失透の防止という作用があると考えられる。
このような放電ランプの数値例を示すと、例えば、発光部の外径はφ6.0〜15.0mmの範囲から選ばれて例えば9.5mm、電極間距離は0.5〜2.0mmの範囲から選ばれて例えば1.5mm、発光管内容積は40〜300mm3の範囲から選ばれて例えば75mm3である。点灯条件は、例えば、管壁負荷0.8〜2.0W/mm2範囲から選ばれて例えば1.5W/mm2というものであり、定格電圧80V、定格電力200Wである。
また、この放電ランプは、小型化するプロジェクター装置などに内蔵されるものであり、全体構造が極めて小型化される一方で高い光量が要求される。したがって、発光部内の熱的条件は極めて厳しいものとなる。
そして、放電ランプは、プロジェクター装置やオーバーヘッドプロジェクターのようなプレゼンテーション用機器に搭載され、演色性の良い放射光を提供する。
また、この放電ランプは、小型化するプロジェクター装置などに内蔵されるものであり、全体構造が極めて小型化される一方で高い光量が要求される。したがって、発光部内の熱的条件は極めて厳しいものとなる。
そして、放電ランプは、プロジェクター装置やオーバーヘッドプロジェクターのようなプレゼンテーション用機器に搭載され、演色性の良い放射光を提供する。
本発明は封止部に対して冷却手段を設けることを特徴としている。放電ランプは熱的に厳しい条件で点灯するからである。また、封止部のうち、特に、金属箔と電極の溶接部を冷却することを特徴とする。この溶接部分が熱により損耗しやすいからである。
また、上記のような封入水銀量の大きい放電ランプ(水銀ランプ)にあっては、放電ランプを消灯させると電極に水銀が集まりやすい特性を有する。電極は金属であり冷えやすいからである。このため、放電ランプは消灯状態では電極に液体状の水銀が付着した状態になりやすい。
一方、放電ランプを点灯始動させる際は、水銀が付着している電極は電子が放出されやすい。従って、放電ランプが直流点灯型の場合は、陽極に水銀が付着するよりも陰極に水銀を付着させたほうが点灯始動が容易であるという利点を有する。
本願発明においては、陰極側封止部に冷却手段を設けた場合は、上記のように点灯中の冷却だけではなく、消灯時の水銀の付着方向を誘導するという意味において効果を有する。
一方、放電ランプを点灯始動させる際は、水銀が付着している電極は電子が放出されやすい。従って、放電ランプが直流点灯型の場合は、陽極に水銀が付着するよりも陰極に水銀を付着させたほうが点灯始動が容易であるという利点を有する。
本願発明においては、陰極側封止部に冷却手段を設けた場合は、上記のように点灯中の冷却だけではなく、消灯時の水銀の付着方向を誘導するという意味において効果を有する。
凹面反射鏡20の数値例を示すと、内容積は103〜106mm3の範囲から選択されて、例えば9×104mm3、反射部の基体金属の厚みは、1〜3mmの範囲から選択されて、例えば2mm、前面開口径はφ10〜150mmの範囲から選択されて、例えば50mm、前面開口から頂部先端までの軸方向の長さは10〜150mmの範囲から選択されて、例えば35mmである。
前面ガラス24の数値例を示すと、厚さが1〜5mmの範囲から選択されて、例えば3mmである。
前面ガラス24の数値例を示すと、厚さが1〜5mmの範囲から選択されて、例えば3mmである。
上記実施例では直流点灯型の放電ランプについて説明したが、交流点灯型放電ランプにも適用することができる。
放電ランプは、超高圧水銀ランプに限定されず、メタルハライドランプ、キセノンランプ、低圧放電ランプ、無電極放電ランプなどに採用することができる。
放電ランプは、超高圧水銀ランプに限定されず、メタルハライドランプ、キセノンランプ、低圧放電ランプ、無電極放電ランプなどに採用することができる。
10 放電ランプ
20 凹面反射鏡
21 頂部
22 反射部
30 封止部冷却手段
31 支持部
32 冷却部
40 中間層
50 可視光反射層
20 凹面反射鏡
21 頂部
22 反射部
30 封止部冷却手段
31 支持部
32 冷却部
40 中間層
50 可視光反射層
Claims (6)
- 高圧放電ランプと、この高圧放電ランプを取り囲む凹面反射鏡よりなる光源装置において、
前記凹面反射鏡は、金属製の基体と、この基体の内表面に設けられた熱線吸収機能と反射面平滑機能を有する中間層と、この中間層上に設けられた誘電体多層膜よりなる可視光反射層からなり、
前記高圧放電ランプの封止部近傍に配置された冷却部と、この冷却部に繋がって当該凹面反射鏡の内部に取り付けられた支持部よりなる封止部冷却手段を有することを特徴とする光源装置。 - 前記中間層は、銅の酸化物を含有する熱吸収層と、この熱吸収層の上に重なるように形成されたガラス質層からなることを特徴とする請求項1の光源装置。
- 前記高圧放電ランプは、放電容器内に0.15mg/mm3以上の水銀が封入されることを特徴とする請求項1記載の光源装置。
- 前記封止部冷却手段の冷却部は、前記高圧放電ランプの陰極側の封止部に配置したことを特徴とする請求項1記載の光源装置。
- 前記封止部冷却手段の冷却部は、前記高圧放電ランプの陰極に相当する位置に配置することを特徴とする請求項4記載の光源装置。
- 前記封止部冷却手段の冷却部は、前記高圧放電ランプの封止部表面と空間的に離れて配置することを特徴とする請求項1記載の光源装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004196332A JP2006019150A (ja) | 2004-07-02 | 2004-07-02 | 光源装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
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JP2006019150A true JP2006019150A (ja) | 2006-01-19 |
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ID=35793223
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JP2004196332A Withdrawn JP2006019150A (ja) | 2004-07-02 | 2004-07-02 | 光源装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2006019150A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007287435A (ja) * | 2006-04-14 | 2007-11-01 | Ushio Inc | 放電ランプおよび放電ランプ装置 |
JP2012125202A (ja) * | 2010-12-16 | 2012-07-05 | Ehime Univ | 集魚灯装置、イカ釣り漁船及びイカ釣り漁法 |
JP2013012389A (ja) * | 2011-06-29 | 2013-01-17 | Ushio Inc | 光源素子 |
-
2004
- 2004-07-02 JP JP2004196332A patent/JP2006019150A/ja not_active Withdrawn
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