JP4516004B2 - 磁気記憶装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気記憶装置の製造方法に係り、特に磁気抵抗効果素子を用いた磁気記憶装置の製造方法に関する。
近年、新しい原理に基づいて情報を記録する固体メモリが多数提案されているが、中でも、固体磁気メモリとして、トンネル磁気抵抗(TMR:Tunneling Magnetoresistive)効果を利用した磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM:Magnetoresistive Random Access Memory)(例えば、特許文献1〜3)が脚光を浴びている。また、新規書き込み方式としてスピン注入効果あるいはスピン蓄積効果を利用したMRAM(例えば、非特許文献1、非特許文献2)も高記録密度および高記録容量を可能にするため脚光を浴びてきている。MRAMは、データをMTJ(Magnetic Tunnel Junction)素子の磁化状態により記憶する点に特徴を有する。
MTJ素子は、例えば、磁化方向が固着された磁化固着層を含む下部電極層と、磁化方向が変化する磁化記録層を含む上部電極層と、下部電極層と上部電極層との間に挟まれたトンネルバリア層とにより構成される。このようなMTJ素子を有するMRAMの製造方法においては、上部電極層を先にパターニングし、その後、下部電極層をパターニングする。このために、下部電極層は、上部電極層とのアライメント誤差を考慮して、サイズを大きくする必要がある。
実際には、256Mbit以上の記憶容量を有するMRAMを作製するには、セルサイズの縮小化が必須である。しかしながら、上述した製造方法では、大容量化に向けたセルサイズの微細化は不可能であり、256Mbitを超えるようなMRAMの製造には適用できない。
特開2002−170376号公報 米国特許第6,545,906号明細書 米国特許第6,081,445号明細書 C. Slonczewski, "Current-driven ecitation of magnetic multilayers", JORNAL OF MAGNETISM AND MAGNETIC MATERIALS, VOLUME 159, 1996, p.L1-L7 L. Berger, "Emission of spin waves by a magnetic multilayer traversed by a current", PHYSICAL REVIEW B, VOLUME 54, NUMBER 13, 1996, p9353-9358
本発明は、磁気抵抗効果素子を含むメモリセルのサイズを縮小することができ、さらに製造工程数を低減させることが可能な磁気記憶装置の製造方法を提供する。
本発明の第1の視点に係る磁気記憶装置の製造方法は、半導体基板にスイッチング素子を形成する工程と、前記スイッチング素子上に、第1の絶縁層を形成する工程と、前記第1の絶縁層内に、前記スイッチング素子に電気的に接続されたコンタクトプラグを形成する工程と、前記コンタクトプラグおよび前記第1の絶縁層上に、下部電極層、非磁性層および上部電極層が順に積層された磁気抵抗効果素子を形成する工程と、前記上部電極層上に、第1の方向に延在する第1のマスク層を形成する工程と、前記上部電極層を前記第1のマスク層を用いてエッチングする工程と、前記上部電極層および前記非磁性層上に保護膜を形成する工程と、前記保護膜上に第2のマスク層を形成する工程と、前記第2のマスク層上で前記上部電極層および前記下部電極層の上方に、前記第1の方向に直交する第2の方向に延在しかつ短辺の長さが前記上部電極層の長辺の長さより小さいレジスト層を形成する工程と、前記第2のマスク層を前記レジスト層を用いてエッチングし、前記レジスト層と同じ形状の延在部と、前記上部電極層の側部に側壁部とを形成する工程と、前記レジスト層を除去する工程と、前記非磁性層および前記下部電極層を、前記延在部および前記側壁部を用いてエッチングする工程とを具備する。
本発明の第2の視点に係る磁気記憶装置の製造方法は、半導体基板にスイッチング素子を形成する工程と、前記スイッチング素子上に、第1の絶縁層を形成する工程と、前記第1の絶縁層内に、前記スイッチング素子に電気的に接続されたコンタクトプラグを形成する工程と、前記コンタクトプラグおよび前記第1の絶縁層上に、下部電極層、非磁性層および上部電極層が順に積層された磁気抵抗効果素子を形成する工程と、前記上部電極層上に、第1の方向に延在する第1のマスク層を形成する工程と、前記上部電極層を前記第1のマスク層を用いてエッチングする工程と、前記上部電極層および前記非磁性層上に保護膜を形成する工程と、前記保護膜上に第2のマスク層を形成する工程と、前記第1の方向に延在するように、前記第2のマスク層上で前記上部電極層および前記下部電極層の上方にレジスト層を形成する工程と、前記第1の方向に直交する第2の方向における前記レジスト層の幅が前記上部電極層の幅より小さくなるように、前記レジスト層をスリミングする工程と、前記第2のマスク層を前記レジスト層を用いてエッチングし、前記レジスト層と同じ形状の延在部と、前記上部電極層の側部に側壁部とを形成する工程と、前記レジスト層を除去する工程と、前記非磁性層および前記下部電極層を、前記延在部および前記側壁部を用いてエッチングする工程とを具備する。
本発明によれば、磁気抵抗効果素子を含むメモリセルのサイズを縮小することができ、さらに製造工程数を低減させることが可能な磁気記憶装置の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有する要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るMRAMの平面図である。図2は、図1に示したII−II線に沿ったMRAMの断面図である。なお、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)回路に相当するFEOL(Front End Of Line)部は既に形成されており、図2にはBEOL(Back End Of Line)部のみが示されている。FEOL部は、半導体基板にトランジスタ等を形成する素子形成工程により形成された回路である。BEOL部は、配線を形成する配線工程(MTJ形成工程を含む)により形成された回路である。
MRAMは、複数の磁気抵抗効果素子10を備えている。磁気抵抗効果素子10は、上部電極層16/トンネルバリア層15/下部電極層14が積層された積層構造を有する。なお、積層膜の記載は、上の層から順に記載している。以下の積層膜の記載についても同様である。
下部電極層14は、磁化方向が固着された磁化固着層(ピン層)を含む。上部電極層16は、印加される磁場により磁化方向が変化し、かつ情報を記録する磁化記録層(フリー層)を含む。磁化記録層は、強磁性体により構成される。磁化固着層は、例えば、強磁性層と反強磁性層とから構成される。そして、反強磁性層と強磁性層との交換結合を利用して、磁化固着層の磁化方向が一方向に固着されている。
トンネルバリア層(非磁性層)15は、例えば絶縁体から構成される。トンネルバリア層15としては、(100)面配向MgO、(110)面配向MgO、(111)面配向MgO、およびアモルファスAlO等が用いられる。このように、磁気抵抗効果素子10は、例えば、磁化固着層、トンネルバリア層および磁化記録層からなるMTJ(Magnetic Tunnel Junction)素子である。なお、MTJ素子の代わりに、例えば、2つの磁性層とこれら磁性層に挟まれた金属層(金属中間層)とからなるGMR(Giant Magneto Resistive)素子を用いてもよい。この場合の金属中間層材料としては、Cu、Au、Ag、Al、Mg等が用いられる。
MTJ素子10は、ワード線WLおよびビット線BLの交点付近に配置されている。ワード線WLは、MTJ素子10の下方で、Y方向に延在するように設けられている。ビット線BLは、MTJ素子10の上方で、X方向に延在するように設けられている。MTJ素子10は、磁化容易軸方向(長辺方向)がワード線WLの延在方向に向くように配置されている。また、上部電極層16のアスペクト比は、通常の面内磁化膜を有するMRAMの場合は2程度であり、垂直磁化膜を用いたMRAMの場合は1程度となることもある。
MTJ素子10の上部電極層16は、コンタクトプラグ24を介してビット線BLに接続されている。MTJ素子10の下部電極層14には、コンタクトプラグ13が接続されている。また、下部電極層14は、コンタクトプラグ13の上面の一部に接触するように設けられている。すなわち、下部電極層14は、コンタクトプラグ13の上面の一部からワード線WLの上方へ延在するように設けられている。
コンタクトプラグ13は、BEOL部に含まれるスイッチング素子に電気的に接続されている。スイッチング素子としては、MOSトランジスタ等が用いられる。また、コンタクトプラグ13は、上部電極層16のX方向に隣接して配置されている。換言すると、コンタクトプラグ13は、上部電極層16の短辺方向に隣接して配置されている。また、コンタクトプラグ13は、隣接する2本のワード線WLの間で、かつビット線BLの下方に配置されている。なお、スピン注入書き込み型MRAMの場合においては、ワード線WLが存在しない。
図1において、MTJ素子10を含むメモリセルは、ピン層を含む下部電極層(BE:base electrode)14とコンタクトプラグ13とにより概略外形サイズが規定される。すなわち、メモリセルのX方向の長さは、図1に示したX1で規定される。メモリセルのY方向の長さは、図1に示したY1で規定される。
リソグラフィやエッチング技術等によって決まる最小加工寸法をF(Minimum Feature Size)とすると、X1=3F、Y1=2Fとなる。さらに、X方向およびY方向にそれぞれ隣接するメモリセルとのピッチをFとすると、図1に示したメモリセルのサイズは、12F(=4F×3F)となる。
12Fセルは、MTJ素子10の短辺方向とMTJ素子10の上方に形成されるビット線BLの延在方向とが概略平行となるレイアウトを有する。これは、従来のMRAMセルのレイアウトとそれらの位置関係はほぼ同等である。
本実施形態のセルレイアウトにおける特徴は、下部電極層14がコンタクトプラグ13上に重なる領域が、セルフアライメントで合わせこむことにより合わせずれなしとなるか、あるいは合わせずれを許容する程度に下部電極層14が小さく形成されていることである。
後述する本実施形態の製造プロセスを用いることにより上記目的は達成され、下部電極層14がコンタクトプラグ13の上面領域の少なくとも一部と重なることで、MTJ素子10とコンタクトプラグ13とが電気的に接続される。12Fセルサイズを逸脱しないために、コンタクトプラグ13の領域を超える下部電極層14は形成されない。
また、下部電極層14は、上部電極層16の周辺に大きな余裕を設けて形成されず、セルフアライメントにより下部電極層14の平面形状が上部電極層16の平面形状より大きくかつ最小の余裕を有するように形成される。
次に、図1に示したMRAMの製造方法について説明する。なお、半導体基板上に形成されたFEOL部(スイッチング素子を含む)の製造方法については省略する。
図3および図4に示すように、FEOL部(図示せず)上に、絶縁層11−1を例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法により形成する。次に、絶縁層11−1内に、書き込み配線層(WL)12を形成する。次に、書き込み配線層12および絶縁層11−1上に、絶縁層11−2を例えばCVD法により形成する。次に、絶縁層11−1,11−2内に、FEOL部(具体的には、スイッチング素子)に電気的に接続されたコンタクトプラグ13を形成する。ここで、図3および図4において、スピン注入書き込み型MRAMの場合は、書き込み配線(WL)12は、不要であるので形成されない。
次に、絶縁層11−2およびコンタクトプラグ13の上面を、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法により、0.5nm以下にまで平滑化する。これにより、絶縁層11−2およびコンタクトプラグ13上に形成されるMTJ素子は、5nm以下にまで平坦化することが可能となる。
次に、絶縁層11−2およびコンタクトプラグ13上に、例えばDCマグネトロンスパッタ法によりMTJ膜(上部電極層16/トンネルバリア層15/下部電極層14が積層された積層膜)を形成する。なお、上部電極層16は、例えば、メタルマスク層/キャップ層/フリー層が積層された積層膜から構成される。
次に、上部電極層16上に、ストッパー層17およびMTJ用ハードマスク18を、例えばCVD法により形成する。ハードマスク18としては、例えばSiOが用いられる。ストッパー層17とハードマスク18とは、選択比が大きくなるように(エッチング速度が異なるように)、材料が選択される。ストッパー層17は、ハードマスク18をエッチングする際のストッパーとして用いられ、例えばSiNが用いられる。次に、ハードマスク18上にレジスト層19を形成し、このレジスト層19をフォトリソグラフィにより所望の形状にパターニングする。
次に、図5および図6に示すように、ハードマスク18を、レジスト層19をマスクとして例えばRIE(Reactive Ion Etching)法によりエッチングする。次に、レジスト層19を酸素アッシングにより除去し、その後ストッパー層17を、ハードマスク18をマスクとして上部電極層16の表面までRIE法によりエッチングする。
次に、図7および図8に示すように、上部電極層16(メタルマスク層/キャップ層/フリー層)を、ハードマスク18をマスクとしてRIE法によりエッチングする。この時、トンネルバリア層15の一部もエッチングされている。これは、2次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)およびX線光電子分光法(XPS:X-Ray Photoelectron Spectroscopy)により、Al元素の残留が確認された。
次に、図9および図10に示すように、トンネルバリア層15およびハードマスク18上に、保護膜20およびBEエッチング用ハードマスク21を順に例えばCVD法により堆積する。保護膜20とハードマスク21とは、選択比が大きくなるように、材料が選択される。保護膜20としては、例えばSiNが用いられる。ハードマスク21としては、例えばSiOが用いられる。
次に、図11および図12に示すように、ハードマスク21上にレジスト層22を形成し、このレジスト層22をフォトリソグラフィにより所望の形状にパターニングする。この時、レジスト層22が上部電極層16の上方からX方向に延在して下部電極層14の上方に達するようにパターニングを行う。さらに、レジスト層22は、コンタクトプラグ13の上方に達するように形成される。なお、レジスト層22をフォトリソグラフィにより所望の形状にパターニングする場合、レジスト層22のパターニング後に、レジストスリミング工程を追加することにより、さらに小さなサイズの上部電極を形成することが可能となる。
ここで、12Fセルの場合、下部電極層14の幅(Y方向の長さ)は、2Fで規定される幅を確保できる。しかしながら、レジスト層22においては、そのレジスト層22の幅(Y方向の長さ)は2F未満になるように設定される。従って、図中のように上部電極層16の長辺の長さよりもレジスト層22の幅は必然的に狭くなる。
また、ハードマスク21は、上部電極層16上の一部にしか形成されない。換言すると、レジスト層22は、上部電極層16をY方向に横断するように形成されない。これは、規定どおりのセルサイズ(12F)を達成するためには必須となる。
次に、図13および図14に示すように、ハードマスク21を保護膜20の表面まで、レジスト層22をマスクとして例えばRIE法によりエッチングする。この時、保護膜20は、エッチングのストッパー層として用いられる。それと同時に、上部電極層16の側面(具体的には、上部電極層16の側面に設けられた保護膜20の側面)には、この側面を包囲するように、絶縁体(SiO)からなる側壁部21Aが形成される。
また、保護膜20は、トンネルバリア層15および下部電極層14上にも形成されている。保護膜20は、ハードマスク21のエッチング工程において、その下のトンネルバリア層15や下部電極層14を保護する役割を果たす。この保護膜20が無い場合、ハードマスク21のRIE法(塩素やフッ素系のガスを用いる)によるエッチング工程において、下部電極層14のエッジ部がダメージを受ける。その後にHO系の後処理を行うと、このエッジ部が酸化されるなどして、下部電極層14のエッジ部からの漏洩磁場の影響が問題となる。すなわち、メモリセル間で漏洩磁場の影響の程度が異なり、セル間で書き込み等の特性にバラツキが生じてしまう。しかし、本実施形態では、これらの問題を回避することが可能である。同様に、上部電極層16の側面上に形成された保護膜20は、上部電極層16を保護する役割を果たす。
次に、図15および図16に示すように、レジスト層22を酸素アッシングにより除去する。ここで、側壁部21Aのサイズは、図16に示されるように、高さ(wall−h)、幅(wall−w)および角度(wall−angle)で規定される。ピン層からの漏洩磁場の影響を小さくするためには、wall−wは5nm以上が好ましい。これにより、ピン層のエッジ部からの急峻な漏洩磁場の影響を回避できる。
wall−hは、上部電極層16の厚さ、ハードマスク21の厚さおよびハードマスク21のエッチング条件により、制御される。wall−angleは、側壁部21A形成時は、70度以下であることが好ましい。これは、BEエッチング時にBE材料の再付着層が、側壁部21Aの側面に付着するのを防止するためである。従って、BEエッチング後の側壁部21Aのwall−angleが50°以下になるように初期角度を調整する必要がある。
次に、図17および図18に示すように、保護膜20、トンネルバリア層15および下部電極層14を絶縁層11−2の上面まで、ハードマスク21および側壁部21Aをマスクとして例えばRIE法によりエッチングする。この時、上部電極層16上のハードマスク18が部分的にエッチングされ、上部電極層16上に段差が生じることになる。また、下部電極層14は、コンタクトプラグ13の上面の一部に接触するように形成される(図2参照)。なお、このエッチング工程は、イオンミリングを用いてもよい。この場合、不活性化ガス(Ar等)の雰囲気中でエッチングレートを低下させて行うことで、下部電極層14のエッジ部がダメージを受けないようにエッチングすることが好ましい。
次に、図19および図20に示すように、MTJ素子10とビット線BLとの絶縁を確保するために、MTJ素子10上に、層間絶縁層23を例えばHDP(High Density Plasma)−CVD法により形成する。これにより、上部電極層16および下部電極層14の段差を層間絶縁層23形成時に緩和することができる。
次に、図21および図22に示すように、層間絶縁層23の上面を、例えばCMP法により研磨および平坦化する。次に、図23および図24に示すように、上部電極層16の上面を露出する開口部を形成し、この開口部に導電体を埋め込んでコンタクトプラグ24を形成する。なお、このコンタクト形成工程は、上記図22の工程において上部電極層16の上面を露出する場合には不要となる。
次に、図25および図26に示すように、コンタクトプラグ24および層間絶縁層23上に導電層を堆積し、この導電層をパターニングしてY方向に延在するビット線25を形成する。その後、SiN等からなる保護膜をウェハ全面に形成し、この保護膜上にビット線25に電気的に接続された電極パッド部のコンタクトを形成する。
以上詳述したように本実施形態によれば、側壁部21Aを用いて下部電極層14をエッチングすることで、下部電極層14のサイズを縮小することができる。これにより、メモリセルのサイズを縮小することができる。また、側壁部21Aのサイズを調整することで、下部電極層14のサイズを調整することができる。
さらに、セルフアライメントで下部電極層14をパターニングすることができるため、非常に少ない工程数でセルサイズが縮小されたMRAMを製造することができる。
また、下部電極層14は、コンタクトプラグ13の上面の一部のみに接触するように形成されている。すなわち、メモリセルのX方向の一方の端部は、コンタクトプラグ13により規定される。これにより、メモリセルのX方向のサイズを縮小することができる。
また、上部電極層16上にストッパー層17を形成しているため、下部電極層14をエッチングする際に上部電極層16がエッチングされるのを防止することができる。
これらの効果から、本実施形態の製造方法を用いることにより、サイズが12Fのメモリセルを形成することができる。これにより、高密度かつ大容量のMRAMを製造することが可能となる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、セルサイズが9FのMRAMを製造するための実施形態である。
図27は、本発明の第2の実施形態に係るMRAMの平面図である。図28は、図27に示したXXVIII−XXVIII線に沿ったMRAMの断面図である。
9Fセルの作製において、書き込み配線層12とコンタクトプラグ13とのスペースは、実質的にはなく、セルフアライメントで形成される。例えば、書き込み配線層12の両側面上に側壁層26を形成する。側壁層26としては、例えばSiNが用いられる。
次に、層間絶縁層(SiO)を形成し、層間絶縁層の上面をCMP法により平坦化する。次に、層間絶縁層上に、書き込み配線層12とスペースを空けずにコンタクトプラグ13形成予定領域を露出するレジスト層をフォトリソグラフィにより形成する。
次に、FEOL部(具体的には、スイッチング素子)に達するように、レジスト層をマスクとしてRIE法により層間絶縁層をエッチングして、層間絶縁層内に開口部を形成する。この時、側壁層26のSiNと層間絶縁層のSiOとのエッチング時の選択比は、SiN:SiO=1:10以上となるため、SiOのみが選択的にエッチングされる。
次に、開口部に例えば金属を埋め込んで、層間絶縁層内にコンタクトプラグ13を形成する。これにより、書き込み配線層12とコンタクトプラグ13とは、側壁層26により絶縁性を確保することが可能となる。その他の製造方法は、第1の実施形態と同様であるため、図面および説明を省略する。
本実施形態では、メモリセルのX方向の長さX1=2F、メモリセルのY方向の長さY1=2Fとなる。従って、X方向およびY方向にそれぞれ隣接するメモリセルとのピッチを考慮して、図27に示したメモリセルのサイズは、9F(=3F×3F)となる。
この9Fセルは、第1の実施形態で示した12Fセルと同様に、MTJ素子の長辺方向がワード線WLの延在方向と平行で、ビット線BLとは直交するレイアウトである。従って、9FセルのMRAMは、従来のMRAMの設計を変更せずに製造することができるというメリットがある。
以上詳述したように本実施形態によれば、第1の実施形態よりさらにセルサイズが小さい9Fセルを有するMRAMを製造することができる。その他の効果は、第1の実施形態と同じである。
(第3の実施形態)
第2の実施形態は、セルサイズが8FのMRAMを製造するための実施形態である。
図29は、本発明の第3の実施形態に係るMRAMの平面図である。図30は、図29に示したXXX−XXX線に沿ったMRAMの断面図である。
第3の実施形態のMTJ素子10(具体的には、上部電極層16)は、ビット線BLの延在方向であるX方向に延在するように配置される。すなわち、MTJ素子10の長辺方向とMTJ素子10の上方に設けられるビット線BLとが概略平行な位置関係を有する。従って、従来型のレイアウトとは、MTJ素子10の上下に形成されるビット線BLおよびワード線WLの位置関係が90度異なるレイアウトとなる。
下部電極層14は、コンタクトプラグ13の上面の一部に接触するように設けられている。さらに、コンタクトプラグ13上の下部電極層14の幅は、コンタクトプラグ13の幅よりも小さくなるように設定される。これにより、コンタクトプラグ13上に形成する下部電極層14を、セルフアライメントで形成することができる。
本実施形態では、メモリセルのX方向の長さX1=3F、メモリセルのY方向の長さY1=1Fとなる。従って、X方向およびY方向にそれぞれ隣接するメモリセルとのピッチを考慮して、図29に示したメモリセルのサイズは、8F(=4F×2F)となる。
次に、図29及び図30に示したMRAMの製造方法について説明する。MTJ膜を形成するまでの工程は、第1の実施形態と同じである。図31および図32に示すように、上部電極層16上に、所望の形状(すなわち、上部電極層16の最終的な平面形状と同じ形状)を有するストッパー層17およびMTJ用ハードマスク18をフォトリソグラフィおよびRIE法により形成する。
次に、図33および図34に示すように、上部電極層16(メタルマスク層/キャップ層/フリー層)を、ハードマスク18をマスクとしてRIE法によりエッチングする。このようにして、X方向に延在し、アスペクト比が例えば2程度の上部電極層16を形成する。
次に、図35および図36に示すように、トンネルバリア層15およびハードマスク18上に、保護膜20およびBEエッチング用ハードマスク21を順に例えばCVD法により堆積する。
次に、図37および図38に示すように、ハードマスク21上にレジスト層22を形成し、このレジスト層22をフォトリソグラフィによりパターニングする。この時、レジスト層22が上部電極層16の上方からX方向に延在して下部電極層14の上方に達するようにパターニングを行う。
さらに、レジスト層22の幅(Y方向の長さ)は、上部電極層16および下部電極層14の幅(Y方向の長さ)より小さく設定される。ここで、上部電極層16および下部電極層14の幅が共に1Fに設定されるため、レジスト層22の幅を1Fより小さくするには、通常の1回のフォトリソグラフィでは限界である。従って、1Fの幅を有するレジスト層22を形成した後、このレジスト層22のスリミング工程が追加される。
具体的には、加熱可能なステージ上にウェハが搬送され、Oラジカル、Oプラズマあるいはオゾンを照射することにより、レジスト層22を縮小させる。これにより、1回のフォトリソグラフィでは達成できない、1Fより小さい幅を有するレジスト層22のパターニングが可能となる。
また、ハードマスク21は、上部電極層16上の一部にしか形成されない。換言すると、レジスト層22は、上部電極層16をY方向に横断するように形成されない。
次に、図39および図40に示すように、ハードマスク21を保護膜20の表面まで、レジスト層22をマスクとして例えばRIE法によりエッチングする。この時、上部電極層16の側面(具体的には、上部電極層16の側面上に設けられた保護膜20の側面)には、この側面を包囲するように図示したようなSiOによる側壁部21Aが形成される。側壁部21Aのサイズは、第1の実施形態と同じように制御される。
次に、図41および図42に示すように、レジスト層22を酸素アッシングにより除去する。次に、図43および図44に示すように、保護膜20、トンネルバリア層15および下部電極層14を絶縁層11−2の上面まで、ハードマスク21および側壁部21Aをマスクとして例えばRIE法によりエッチングする。この時、上部電極層16上のハードマスク18が部分的にエッチングされ、上部電極層16上に段差が生じることになる。
次に、図45および図46に示すように、MTJ素子10とビット線BLとの絶縁を確保するために、MTJ素子10上に、層間絶縁層23を例えばHDP(High Density Plasma)−CVD法により形成する。これにより、上部電極層16および下部電極層14の段差を層間絶縁層23形成時に緩和することができる。
次に、図47および図48に示すように、層間絶縁層23の上面を、例えばCMP法により研磨および平坦化する。その後、上部電極層16上に、この上部電極層16に電気的に接続されたコンタクトプラグ24を形成する。そして、コンタクトプラグ24および層間絶縁層23上に、Y方向に延在するビット線25を形成する。
以上詳述したように本実施形態によれば、ビット線BLの延在方向に延在し、かつセルサイズを縮小したMTJ素子を形成することができる。
また、ハードマスク21上に、MTJ素子10(具体的には、上部電極層16)の幅より小さい幅を有するレジスト層22を形成することができる。従って、トンネルバリア層15および下部電極層14をエッチングする際に、上部電極層16の側面に側壁部21Aを形成することが可能となる。これにより、MTJ素子10の長辺方向をビット線BLの延在方向と平行にした場合でも、下部電極層14のサイズを縮小することができる。
また、本実施形態の製造方法を用いることにより、第2の実施形態よりさらにセルサイズが小さい8Fセルを有するMRAMを製造することができる。これにより、高密度かつ大容量のMRAMを製造することが可能となる。その他の効果は、第1の実施形態と同じである。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で、構成要素を変形して具体化できる。また、実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を構成することができる。例えば、実施形態に開示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよいし、異なる実施形態の構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の第1の実施形態に係るMRAMの平面図。 図1に示したII−II線に沿ったMRAMの断面図。 本発明の第1の実施形態に係るMRAMの製造工程を示す平面図。 図3に示したIV−IV線に沿ったMRAMの製造工程を示す断面図。 図3に続くMRAMの製造工程を示す平面図。 図5に示したVI−VI線に沿ったMRAMの製造工程を示す断面図。 図5に続くMRAMの製造工程を示す平面図。 図7に示したVIII−VIII線に沿ったMRAMの製造工程を示す断面図。 図7に続くMRAMの製造工程を示す平面図。 図9に示したX−X線に沿ったMRAMの製造工程を示す断面図。 図9に続くMRAMの製造工程を示す平面図。 図11に示したXII−XII線に沿ったMRAMの製造工程を示す断面図。 図11に続くMRAMの製造工程を示す平面図。 図13に示したXIV−XIV線に沿ったMRAMの製造工程を示す断面図。 図13に続くMRAMの製造工程を示す平面図。 図15に示したXVI−XVI線に沿ったMRAMの製造工程を示す断面図。 図15に続くMRAMの製造工程を示す平面図。 図17に示したXVIII−XVIII線に沿ったMRAMの製造工程を示す断面図。 図17に続くMRAMの製造工程を示す平面図。 図19に示したXX−XX線に沿ったMRAMの製造工程を示す断面図。 図19に続くMRAMの製造工程を示す平面図。 図21に示したXXII−XXII線に沿ったMRAMの製造工程を示す断面図。 図21に続くMRAMの製造工程を示す平面図。 図23に示したXXIV−XXIV線に沿ったMRAMの製造工程を示す断面図。 図23に続くMRAMの製造工程を示す平面図。 図25に示したXXVI−XXVI線に沿ったMRAMの製造工程を示す断面図。 本発明の第2の実施形態に係るMRAMの平面図。 図27に示したXXVIII−XXVIII線に沿ったMRAMの断面図。 本発明の第3の実施形態に係るMRAMの平面図。 図29に示したXXX−XXX線に沿ったMRAMの断面図。 本発明の第3の実施形態に係るMRAMの製造工程を示す平面図。 図31に示したXXXII−XXXII線に沿ったMRAMの製造工程を示す断面図。 図31に続くMRAMの製造工程を示す平面図。 図33に示したXXXIV−XXXIV線に沿ったMRAMの製造工程を示す断面図。 図33に続くMRAMの製造工程を示す平面図。 図35に示したXXXVI−XXXVI線に沿ったMRAMの製造工程を示す断面図。 図35に続くMRAMの製造工程を示す平面図。 図37に示したXXXVIII−XXXVIII線に沿ったMRAMの製造工程を示す断面図。 図37に続くMRAMの製造工程を示す平面図。 図39に示したXL−XL線に沿ったMRAMの製造工程を示す断面図。 図39に続くMRAMの製造工程を示す平面図。 図41に示したXLII−XLII線に沿ったMRAMの製造工程を示す断面図。 図41に続くMRAMの製造工程を示す平面図。 図43に示したXLIV−XLIV線に沿ったMRAMの製造工程を示す断面図。 図43に続くMRAMの製造工程を示す平面図。 図45に示したXLVI−XLVI線に沿ったMRAMの製造工程を示す断面図。 図45に続くMRAMの製造工程を示す平面図。 図47に示したXLVIII−XLVIII線に沿ったMRAMの製造工程を示す断面図。
符号の説明
10…磁気抵抗効果素子、11…絶縁層、12…書き込み配線層、13…コンタクトプラグ、14…下部電極層、15…トンネルバリア層、16…上部電極層、17…ストッパー層、18…MTJ用ハードマスク、19…レジスト層、20…保護膜、21…BEエッチング用ハードマスク、21A…側壁部、22…レジスト層、23…層間絶縁層、24…コンタクトプラグ、25…ビット線、26…側壁層。

Claims (8)

  1. 半導体基板にスイッチング素子を形成する工程と、
    前記スイッチング素子上に、第1の絶縁層を形成する工程と、
    前記第1の絶縁層内に、前記スイッチング素子に電気的に接続されたコンタクトプラグを形成する工程と、
    前記コンタクトプラグおよび前記第1の絶縁層上に、下部電極層、非磁性層および上部電極層が順に積層された磁気抵抗効果素子を形成する工程と、
    前記上部電極層上に、第1の方向に延在する第1のマスク層を形成する工程と、
    前記上部電極層を前記第1のマスク層を用いてエッチングする工程と、
    前記上部電極層および前記非磁性層上に保護膜を形成する工程と、
    前記保護膜上に第2のマスク層を形成する工程と、
    前記第2のマスク層上で前記上部電極層および前記下部電極層の上方に、前記第1の方向に直交する第2の方向に延在しかつ短辺の長さが前記上部電極層の長辺の長さより小さいレジスト層を形成する工程と、
    前記第2のマスク層を前記レジスト層を用いてエッチングし、前記レジスト層と同じ形状の延在部と、前記上部電極層の側部に側壁部とを形成する工程と、
    前記レジスト層を除去する工程と、
    前記非磁性層および前記下部電極層を、前記延在部および前記側壁部を用いてエッチングする工程と
    を具備することを特徴とする磁気記憶装置の製造方法。
  2. 半導体基板にスイッチング素子を形成する工程と、
    前記スイッチング素子上に、第1の絶縁層を形成する工程と、
    前記第1の絶縁層内に、前記スイッチング素子に電気的に接続されたコンタクトプラグを形成する工程と、
    前記コンタクトプラグおよび前記第1の絶縁層上に、下部電極層、非磁性層および上部電極層が順に積層された磁気抵抗効果素子を形成する工程と、
    前記上部電極層上に、第1の方向に延在する第1のマスク層を形成する工程と、
    前記上部電極層を前記第1のマスク層を用いてエッチングする工程と、
    前記上部電極層および前記非磁性層上に保護膜を形成する工程と、
    前記保護膜上に第2のマスク層を形成する工程と、
    前記第1の方向に延在するように、前記第2のマスク層上で前記上部電極層および前記下部電極層の上方にレジスト層を形成する工程と、
    前記第1の方向に直交する第2の方向における前記レジスト層の幅が前記上部電極層の幅より小さくなるように、前記レジスト層をスリミングする工程と、
    前記第2のマスク層を前記レジスト層を用いてエッチングし、前記レジスト層と同じ形状の延在部と、前記上部電極層の側部に側壁部とを形成する工程と、
    前記レジスト層を除去する工程と、
    前記非磁性層および前記下部電極層を、前記延在部および前記側壁部を用いてエッチングする工程と
    を具備することを特徴とする磁気記憶装置の製造方法。
  3. 前記レジスト層は、前記コンタクトプラグの上方に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気記憶装置の製造方法。
  4. 前記下部電極層は、前記コンタクトプラグの上面の一部に接触することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁気記憶装置の製造方法。
  5. 前記保護膜および前記第2のマスク層は、絶縁体からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の磁気記憶装置の製造方法。
  6. 前記保護膜および前記第2のマスク層は、エッチング速度が異なることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の磁気記憶装置の製造方法。
  7. 前記上部電極層と前記第1のマスク層との間に、前記第1のマスク層をエッチングする際のストッパーとして機能するストッパー層を形成する工程をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の磁気記憶装置の製造方法。
  8. 前記非磁性層および前記下部電極層をエッチングする工程の後に、
    前記磁気抵抗効果素子上に第2の絶縁層を形成する工程と、
    前記第2の絶縁層上に前記上部電極層に電気的に接続されたビット線を形成する工程と
    をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の磁気記憶装置の製造方法。
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