JP4514234B2 - 粉砕機 - Google Patents
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Description
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、粉砕機において、1対の壁の相対位置が不用意にずれることを防止することにある。
また、一方の可動側壁についての支軸と、他方の可動側壁についての支軸とを、1対の可動側壁の対向方向に近接して配置することができ、これらの支軸を回転刃の中心軸線の略真下に配置できる。その結果、可動側壁を開くときに、可動側壁の上端部が一旦上側に動く量を、ゼロまたはゼロに近い値にできる。その結果、可動側壁を開く際に、可動側壁を、回転刃などの他の部材に接触することを防止できる。
さらに、支軸の少なくとも一部を段部に配置しているので、支軸をより下側に配置できる結果、可動側壁を開き始めたときにおける、可動側壁の上端部の上下方向における変位量を少なくできる。これにより、可動側壁を開くときに、可動側壁が回転刃に接触することをより確実に防止できる。
このような構成によると、ベース壁および固定側壁が互いに面接触していることにより、互いの位置決め精度をより高くできる。また、ベース壁および固定側壁の互いの連結の剛性を、より高くできる。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の発明において、前記ベース壁は、前記固定側壁とは別体に形成され、前記ベース壁と前記固定側壁とを互いに固定する固定部材を備え、前記固定側壁は、前記固定部材が配置されている固定部分が、その周辺に対して肉厚に形成されていることを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、ベース壁および固定側壁が互いに面接触していることにより、互いの位置決め精度をより高くできる。また、ベース壁および固定側壁の互いの連結の剛性を、より高くできる。
図2および図4に示すように、ベース壁15は、各固定側壁11,12とは別体に形成された板状の部材であり、第1および第2固定側壁11,12の後述する下端部27間において、回転刃3よりも下方に配置されており、かつ、第1および第2可動側壁13,14よりも下方に配置されている。
このベース壁15は、上下方向Dに肉厚に形成された本体90と、本体90から前後方向Cに突出形成される薄肉のブラケット部91と、本体90の左右両端の下端部からそれぞれ突出形成される、薄肉のフランジ部92とを備えている。
排出孔29は、前後方向Cにおける本体90の中央において、平面視矩形状に開口形成されており、左右方向Bに相対的に長く、かつ、前後方向Cに相対的に短い。
排出孔29における前後方向Cの両端部には、段部30,31が形成されている。具体的には、ベース壁15における排出孔29の内周面の、前端部および後端部の上端部を除く部分が排出孔29の内側に突出しており、これにより、段部30,31が形成されている。各段部30,31は、平面視矩形状に形成されて上側を向いている。各段部30,31は、本体90を左右方向Bに貫いている。
ストッパ部76は、各可動側壁13,14が開いた場合に、可動側壁13,14の後述する第1部分71を受けるためのものであり、各側部93の上面84に突出形成された、平面視矩形状の部分である。
前側の側部93の各ストッパ部76は、第1可動側壁13の後述する第1部分71の外側面78の近傍に位置しており、後側の側部93の各ストッパ部76は、第2可動側壁14の後述する第1部分71の外側面78の近傍に位置している。
逃げ部77は、各可動側壁13,14の後述する第2部分72との接触を回避するためのものであり、前側の側部93のストッパ部76間に配置されているとともに、後側の側部93のストッパ部76間に配置されている。
図2および図6に示すように、ベース壁15の各接合面34は、第1および第2固定側壁11,12の後述する接合面36と面接触するためのものであり、左右方向Bと直交する平坦な面に形成されている。図6に示すように、左右方向Bに沿って投影した場合において、各接合面34は、略矩形状をなしており、前端部および後端部が、前後方向Cの中央部に対して上側に突出した形状をなしている(図6において、一方の接合面34のみを点線で図示)。
左側のフランジ部92の接合面35は、第1固定側壁11の後述する連結部28の接合面37に面接触しており、右側のフランジ部92の接合面35は、第2固定側壁12の後述する連結部28の接合面37に面接触している。
図2および図5に示すように、各固定側壁11,12の内側面16は、左右方向Bとは直交して平坦に延びており、前後方向Cに相対的に短く、かつ、上下方向Dに相対的に長く延びる略矩形状をなしている。
各回転軸挿通孔50は、対応する固定側壁11,12の上下方向Dにおける中間部44に、回転軸6と同心に貫通形成されている。これらの回転軸挿通孔50に、回転軸6が挿通されている。
各連結部28は、連結部28の上方に位置する肉薄部43と比べて肉厚に形成されており、外側面が肉薄部43よりも左右方向Bの外側に膨出している。
図2および図4に示すように、各連結部28は、接合面36,37と、ねじ挿通孔39と、支軸挿通凹部22,23とを備えている。
接合面37は、各連結部28の下端面に形成された、上下方向Dに直交する平坦な面である。各接合面37は、各フランジ部92の対応する接合面35の形状に合致する形状をなしており、この対応する接合面35に面接触することにより接合されている。
各ねじ挿通孔39および対応するねじ孔40に、ベース壁15と対応する固定側壁11,12とを互いに固定する固定部材としてのねじ部材38が挿通されている。各ねじ部材38のねじ軸41は、対応するねじ挿通孔39に挿通されるとともに、対応するねじ孔40に螺合されている。
支軸挿通凹部22,23は、後述する支軸19を保持するものであり、各連結部28の内側面16の一部を窪ませることにより形成されている。各支軸挿通凹部22,23は、各連結部28の4つのねじ挿通孔39のうちの、左右方向Bの外側に配置された2つのねじ挿通孔39の間において、前後方向Cに間隔を隔てて配置されている。
各可動側壁13,14の上端部68は、それらの閉鎖状態において、下側に進むに従い互いに近接するように傾斜しており、中間部69および下端部70は、上端部68よりも緩い傾斜角度をもって傾斜しつつ、下側に延びている。
各第1部分71は、細破砕刃57の外周面に対向するように配置されている。各第1部分71の内側面73は、細破砕刃57の外周面に近接している上端側が、回転刃3の中心軸線Gを中心とする略円弧状の面とされており、中間側から下端側にかけては、下方に進むに従い、互いに近接するように傾斜している。
第1可動側壁13の第2部分72、および第2可動側壁14の第2部分72は、それぞれ、粗破砕刃56の数に対応して、たとえば、2箇所に設けられており、対応する粗破砕刃56にそれぞれ対向している。左右方向Bに投影したとき、第1可動側壁13の第2部分72、および第2可動側壁14の第2部分72は、全体として、回転刃3の中心軸線Gを中心とする円弧状の溝67を区画するように形成されており、粗破砕刃56が回転しているときの移動軌跡のうち、固定刃4およびバックプレート5よりも下方側の領域を取り囲んでいる。
同様に、第2可動側壁14の第2部分72は、第2可動側壁14の第1部分71の内側面73からハウジング2の内側に突出しているとともに、第2可動側壁14の第1部分71の外側面78からハウジング2の外側に膨出している。
各可動側壁13,14の下端部70には、支軸19が挿通される支軸挿通孔21が形成されている。支軸挿通孔21は、軸線方向Aと略平行に延びる円筒形状に形成されており、各第1および第2可動側壁13,14の下端部70を貫通している。なお、各可動側壁13,14の下端部70は、支軸挿通孔21を取り囲むように断面略円形状に膨出して形成されている。
各支軸19は、それぞれ、対応する段部30,31に配置されている。本実施形態において、上下方向Dにおける各支軸19の略半分が、排出孔29内に配置されている。なお、上下方向Dにおける各支軸19の全部が、排出孔29内に配置されるようにしてもよい。
上記の構成により、各可壁13,14は、支軸19を支点部材として、支軸19の回りを揺動することができる。この揺動操作は、把持部18を把持した状態で行うことができる。
レバー部材80は、先端部が膨出した棒状の部材であり、略水平に延びている。このレバー部材80は、各固定側壁11,12の上端において、前端部および後端部のそれぞれに配置されており、基端部が、上下方向Dに延びる軸部81を介して、対応する固定側壁11,12に回動可能に支持されている。
各レバー部材80の中間部は、対応する切欠82を挿通しており、レバー部材80の先端部に膨出形成された引掛り部83が、対応する可動側壁13,14の上端部68,69の外側面に係合している。
図1および図2に示すように、第1軸受ユニット7は、第1固定側壁11の外側面45側に突出形成されている。この第1軸受ユニット7は、回転軸6の後述する小径部52を支持するためのものであり、第1固定側壁11に固定され、回転軸6の小径部52を取り囲むハウジング46と、ハウジング46に収容されて回転軸6の小径部52を回転自在に支持する軸受47,48とを含んでいる。
モータ9の出力軸(図示せず)は、たとえば、かさ歯車機構などの直交軸歯車機構(図示せず)を用いて、回転軸6の小径部52に動力伝達可能に連結されており、モータ9によって回転軸6が回転駆動される。
大径部53は、ハウジング2内に収容されており、小径部52よりも、大きい直径を有している。第1固定側壁11における回転軸挿通孔50の内周面と、大径部53の一端の外周面との間には、これら内周面と外周面との間を塞ぐ環状のキャップ部材54が配置されている。キャップ部材54と大径部53とは、同行回転可能に連結されている。
粗破砕刃56は、固定刃4の後述する粗刃部62と協働して、比較的大きな形状の被粉砕物を破砕するものであり、たとえば、左右に間隔をあけて2箇所に設けられている。各粗破砕刃56は、モータ9の駆動に伴う、回転軸6の所定の回転方向Eへの回転に伴い、回転方向Eに回転する。
各粗破砕刃56において、歯部58は、回転方向Eに180°の間隔を隔てて配置されている。図7に示すように、回転刃3を左右方向Bに投影したとき、左側の粗破砕刃56の回転方向Eにおける位相と、右側の粗破砕刃56の回転方向Eにおける位相とは、90°異なるようにされている。
各細破砕刃57は、モータ9の駆動に伴う、回転軸6の所定の回転方向Eへの回転に伴い、回転方向Eに回転する。各細破砕刃57は、キャップ部材54と左側の粗破砕刃56との間に配置されているとともに、各粗破砕刃56間に配置されており、さらに、右側の粗破砕刃56とキャップ部材55との間に配置されている。
図1および図7を参照して、固定刃4は、粗破砕刃56および細破砕刃57の先端部59,61が下側を向いているときに、これらの先端部59,61に近接するように配置されており、第2可動側壁14の上端部68に固定されている。この固定刃4は、上方から下方に進むに従い、後側から前側に傾斜して延びる板状をなしており、粗刃部62と、細刃部63と、凸部64とを備えている。
細刃部63は、固定刃4の上面に設けられたエッジ部分であり、各細破砕刃57に対応する位置に設けられている。細刃部63は、左右方向Bに沿って複数設けられており、対応する細破砕刃57の歯部60の先端部61に対して、径方向Fに近接して対向するように配置されている。
次にこの粉砕機1についての動作を説明する。
被粉砕物を粉砕する場合、まず、モータ9をオンにする。これにより、モータ9の出力軸に連結された回転軸6および回転刃3が、回転方向Eに回転する。
図1および図6を参照して、粉砕機1の定期点検や清掃などのメンテナンスのために、第1および第2可動側壁13,14を開く場合には、まず、各レバー部材80を破線で示すように対応する軸部81回りに略90°回動させ、各レバー部材80と対応する第1および第2可動側壁13,14との係合を解除する。
なお、仮に、排出孔29の前後方向Cの両端部よりも前後方向Cの外側に、かつ、前後方向Cに投影したときに回転刃3と上下方向Dに重なるように支軸19’を配置した場合、2点鎖線で示すように、この支軸19’に支持される各可動側壁13’,14’の第2部分72’の対向面97’の上端部の移動軌跡H’は、図8のようになる。この場合、各可動側壁13’,14’は、開くときに、大きく上側に進む。これにより、各可動側壁13’,14’を開く際に、各可動側壁13’,14’の第2の部分72’が細破砕刃57に接触してしまう。
これにより、ハウジング2内が、前後方向Cにおける両側方に開放され、回転刃3の点検や、ハウジング2の内部の清掃などを行うことができる。
次いで、各レバー部材80を対応する軸部81回りに回動し、中間部を各可動側壁13,14の対応する切欠82にそれぞれ挿通する。これにより、各レバー部材80の引掛り部83が、対応する可動側壁13,14の上端部68の外側面に係合し、各可動側壁13,14の回動が規制される。
また、第1および第2固定側壁11,12の相対位置が不用意にずれないようにできるので、これら第1および第2固定側壁11,12の相対位置を精度よく設定することができる。
さらに、左右方向Bに投影したときに、支軸19は、回転刃3の下方において、排出孔29における前後方向Cの両端部に配置されている。これにより、各支軸19を、前後方向Cに近接して配置でき、これらの支軸19を、回転刃3の中心軸線Gの略真下に配置できる。
さらに、ベース壁15の排出孔29の前後方向Cの両端部に形成された段部30,31に、支軸19の少なくとも一部が配置されている。これにより、支軸19をより下側に配置できる。その結果、各可動側壁13,14を開き始めたときにおける、各可動側壁13,14の上端部68の上下方向Dにおける変位量を少なくできる。これにより、各可動側壁13,14を開くときに、第2部分72が回転刃3の細破砕刃57に接触することをより確実に防止できる。
さらに、第1および第2固定側壁11,12を、ベース壁15で連結しているので、支軸19によってこれらの固定側壁11,12同士を連結する必要がない。したがって、支軸19を介した、第1および第2可動側壁13,14の、第1および第2固定側壁11,12への取付作業を容易に行うことができる。
たとえば、ベース壁15と、第1固定側壁11と第2固定側壁12とを、単一の部材を用いて一体的に形成してもよい。また、支軸19の左端部を、第1固定側壁11を貫通するねじ部材に螺合するとともに、右端部を、第2固定側壁12を貫通するねじ部材に螺合することにより、支軸19を支持してもよい。
2 ハウジング
3 回転刃
4 固定刃
11 第1固定側壁
12 第2固定側壁
13 第1可動側壁
14 第2可動側壁
15 ベース壁
19 支軸
28 連結部(固定部分)
29 排出孔
30 段部
31 段部
34 (ベース壁の)接合面
35 (ベース壁の)接合面
36 (固定側壁の)接合面
37 (固定側壁の)接合面
38 ねじ部材(固定部材)
56 粗破砕刃
57 細破砕刃
71 第1部分
72 第2部分
76 ストッパ部
77 逃げ部
A 軸線方向
B 左右方向(1対の固定側壁の対向方向)
C 前後方向(1対の可動側壁の対向方向)
F 径方向
G 中心軸線(回転中心)
Claims (4)
- 被粉砕物を協働して粉砕する回転刃および固定刃と、
前記回転刃および前記固定刃を収容するハウジングとを備え、
前記ハウジングは、前記回転刃を前記回転刃の軸線方向に挟んで配置される1対の固定側壁と、前記1対の固定側壁の各内側面間に配置され、前記固定刃を支持し、前記回転刃と略平行に延びる支軸の回りを揺動可能な1対の可動側壁と、前記回転刃よりも下方の位置において前記1対の固定側壁間に配置され、前記1対の可動側壁の対向方向において前記回転刃の長さよりも長い幅を有し、前記1対の固定側壁にそれぞれ接合されるベース壁と
を有し、
前記ベース壁は、前記1対の固定側壁の各内側面に接合されるようにして前記1対の固定側壁の両方に固定され、
前記ベース壁には、回転刃の真下に配置され、粉砕された被粉砕物を前記ハウジング内から排出するための排出孔が貫通形成され、
前記1対の固定側壁の対向方向に投影したときに、ベース壁の上部には、前記1対の可動側壁の対向方向において前記排出孔の両端に配置され、下方に窪む段部がそれぞれ形成されており、
前記回転刃の下方において、前記段部に前記支軸の少なくとも一部が配置されていることを特徴とする、粉砕機。 - 前記ベース壁は、前記固定側壁とは別体に形成され、
前記固定側壁に形成された接合面と、前記ベース壁に形成された接合面とが互いに面接触していることを特徴とする、請求項1に記載の粉砕機。 - 前記回転刃は、細破砕刃と、前記回転刃の回転中心から径方向に沿って前記細破砕刃よりも遠くまで延びる粗破砕刃とを備え、
前記可動側壁は、前記細破砕刃に対向する第1部分と、前記粗破砕刃に対向する第2部分とを備え、
前記第2部分は、前記第1部分に対して前記ハウジングの外側に膨出しており、
前記ベース壁は、前記可動側壁が開いた場合に、前記第1部分を受けるストッパ部と、前記第2部分との接触を回避するように窪む逃げ部とを備えていることを特徴とする、請求項1または2に記載の粉砕機。 - 前記ベース壁は、前記固定側壁とは別体に形成され、
前記ベース壁と前記固定側壁とを互いに固定する固定部材を備え、
前記固定側壁は、前記固定部材が配置されている固定部分が、その周辺に対して肉厚に形成されていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の粉砕機。
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