本発明に係る粉砕機の実施形態を図1〜図25に基づいて説明する。
図4に本発明に係る粉砕機を示す。この粉砕機は、被粉砕物を投入する投入口122を備えた箱体160と、この箱体160に収納された粉砕機本体K(図2参照)とを備える。箱体160は、粉砕機本体Kが収納される上部収納部160aと、粉砕物収納部を構成する下部収納部160bとを備える。上部収納部160aは、前壁11と、後壁12と、左右壁13a、13bと、上壁14とを備え、上端コーナ部に傾斜壁15が設けられ、この傾斜壁15に投入口22が設けられている。なお、この傾斜壁15には図示省略したが、この粉砕機の操作を行う各種のスイッチ類が配置される。被粉砕物とは、紙類、カセットテープなどの磁気テープ式記録媒体、光学式記録媒体、基板類等の種々の製品である。
下部収納部160bは、前面扉16a、16bと、後壁17と、左右壁18a、18bと、底壁19とを備える。各前面扉16a、16bには取っ手105,105が付設され、各前面扉16a、16bを揺動させることによって、下部収納部160bを開閉させることができる。この下部収納部160bに、後述する粉砕物収納部を構成する収納ケースが収納されている。なお、底壁19にはキャスター106が付設され、粉砕機の移動を可能としている。
粉砕機本体Kは、図2と図3に示すように、粉砕室26を構成するケーシング21と、このケーシング21の粉砕室26に配設される粉砕手段27とを備える。ケーシング21は、ケーシング本体31と、このケーシング本体31の開口部(側方開口部)40を塞ぐ蓋部材32とを備える。また、ケーシング本体31内の上壁31aには、被粉砕物投入用のホッパ33が付設され、このホッパ33に、投入路構成体110(図1参照)が収容されている。
投入路構成体110は、図1と図5に示すように、矩形貫孔111が形成された鍔部112と、鍔部112から垂下される前壁113と、鍔部112から垂下される後壁114と、鍔部112から垂下される左右の側壁115a、115bと、側壁115a、115bの後方上下方向中間部を連結する連結壁116とを備える。
ホッパ33は、箱体160の傾斜壁15に対向する傾斜状の上壁33aを有し、この上壁33aに、前記投入路構成体110が挿入される挿入孔117が設けられている。この場合、投入路構成体110の鍔部112が上壁33aに係止することになり、この係止状態で図示省略のボルト部材等の固着具にて投入路構成体110の鍔部112とホッパ33の上壁33aに固定する。なお、鍔部112の上面には、矩形リング状の弾性材からなるクッション材118が配置され、このクッション材118が箱体160の傾斜壁15の内面に当接している。
また、投入路構成体110の前壁113は、上部材113aと下部材113bとを備え、下部材113bが奥側に配置されて、上部材113aと下部材113bとの間に段差部113cが設けられている。投入路構成体110の後壁114は、鍔部112の矩形貫孔111の後辺から垂下される第1壁114aと、この第1壁114aの下端から後方側に直角に折れ曲がる第2壁114bと、この第2壁114bから下方に直角に折れ曲がる第3壁114cと、この第3壁114cの下端から前壁113と略平行となるように折れ曲がる第4壁114dとを備える。
このため、前壁113と後壁114と左右の側壁115a、115bとで投入路120が構成される。また、箱体160の傾斜壁15の設けられる矩形状の開口部121と、投入路構成体110の鍔部112の矩形貫孔111と、クッション材118の矩形貫孔118a等で、投入路120の投入口122を構成することになる。
投入路120の投入口122は投入口蓋部材125にて塞がれる。すなわち、投入口蓋部材125は、その基端縁(投入口122の前辺側の長辺)125aが枢軸124を介して枢着される矩形状の平板体からなり、弾性部材127の弾性力にて図5(a)の矢印E方向に押圧され、その先端縁(反枢軸側の長辺部)125bが後壁114の第2壁114bに内方から当接する。これによって、投入口122が閉状態となる。この閉状態から図5(b)の矢印F方向の外力(弾性部材127の弾性力よりも大きい外力)を投入口蓋部材125に付与すれば、投入口蓋部材125は、枢軸124を中心に矢印F方向に揺動して、投入口122が開状態となる。
ところで、投入口蓋部材125が水平に配置された状態で投入口122が閉状態となる。このため、前壁113は鉛直方向に対して所定角度で傾斜することになって、投入路120が斜め方向に傾斜している。
投入路120の内部には、内部蓋部材128と、この内部蓋部材128よりも奥側(下方)の奥部蓋部材129とが配置されている。内部蓋部材128は、上端縁部130aが投入路内で枢結されて投入路閉状態と投入路開状態との変位が可能な平板状の本体板130と、この本体板130を投入路閉状態とする錘部131とを備える。
すなわち、その本体板130は、側壁115a,115bに横架されて後壁114の下端縁近傍に配設される軸部材132にその上端縁部130aが固着されて、軸部材132の軸心を中心に図5(a)に示すように、矢印G、H方向に揺動可能とされる。また、錘部131は、断面矩形状の肉厚の板部材からなり、その上端縁が軸部材132に固着される。この場合、本体板130と錘部131とが側面視において、所定角度(例えば、45°程度)を成すように配置されている。
このため、本体板130と錘部131とがバランスして、本体板130の下端縁130b(下方の長辺)が前壁113の下部材113bの内面に当接した状態となる。このため、投入路120が閉状態となる。また、この閉状態において、本体板130を下方への押圧力を付与すれば、図5(c)に示すように、本体板130は軸部材132の軸心に矢印H方向に揺動して、投入路120が開状態となる。
奥部蓋部材129は、上端縁部135aが投入路120内で枢結された揺動板135にて構成される。すなわち、内部蓋部材128の軸部材132よりも奥側において側壁115a,115bに横架された軸部材133に上端縁部135aが固着される。このため、自由状態では、奥部蓋部材129は鉛直方向に沿って配置されて、矢印I、J方向に軸部材133の軸心を中心に揺動する。
ところで、後述するように、粉砕室26は投入路120の延長線上に開口している。このため、奥部蓋部材129が鉛直状態を維持している自由状態では、粉砕室26から飛散してくる粉砕物が投入路内へ侵入するのを防止できる。しかも、奥部蓋部材129は鉛直方向に沿って配置されて、矢印I、J方向に軸部材133の軸心を中心に揺動するので、投入口122から投入された被粉砕物が、この奥部蓋部材129に達すれば、奥部蓋部材129を奥側へ押圧することができ、この被粉砕物の通過を許容する。
また、投入路構成体110を箱体160に収容した場合、図1に示すように、連結壁116が鉛直方向に沿って配置されることになる。このような連結壁116に、ゴムや樹脂等の可撓性の材質からなる邪魔板98を付設している。すなわち、邪魔板98は矩形平板体からなり、その上辺部98aが連結壁116と押さえ板137とで挟持され、図示省略のボルト部材等の固着具を介してこの連結壁116に取り付けられる。このため、邪魔板98は鉛直方向に沿って配置されることになる。
ところで、粉砕室26は、図2に示すように、粉砕手段27が配置される本体室26aと、投入路120の下部(下流部)に連通される案内路20を備える。この案内路20の案内面20aが前記投入路120の前壁113に連続して形成され、ほぼ同一の傾斜角度で傾斜している。すなわち、投入路120からの被粉砕物が案内面20aに沿って本体室26aに案内される。この場合、邪魔板98は図2に示すように、粉砕室26の案内路20において垂下され、粉砕室26内部から飛散してくる粉砕物が投入路内へ侵入するのを防止できる。
図2と図3に示すように、粉砕手段27は、回転軸45と、この回転軸45から径方向に突出するハンマー部材29と、ケーシング21内に前記ハンマー部材29の外径側に配設される固定刃47とを備える。すなわち、図3に示すように、回転軸45にはその長手方向に沿って所定ピッチに配置される円板48が設けられるとともに、円板48間にスペーサ49が介在され、この円板48とスペーサ49とで各ハンマー部材29が挟まれた状態で、ボルト・ナット結合にて回転軸45とハンマー部材29とが一体化される。
この場合、ハンマー部材29(第1ハンマー部材29a)は、図6から図8に示すように、基端縁に凹部50が形成された断面扁平矩形の棒状体からなり、その一方の長辺の先端側に刃部(粉砕刃)52が形成されている。また、凹部50の近傍には貫通孔53が設けられている。
そして、各円板48に貫孔(図示省略)が設けられ、図3に示すように、円板48とスペーサ49とで各第1ハンマー部材29(29a)が挟まれた状態で、円板48に貫孔、ハンマー部材29の貫通孔53、及びスペーサ49に、一方の外側の円板48の外方から図示省略のボルト部材を挿通し、他方の外側の円板48から外方へ突出したボルト部材のねじ端部にナット部材55(図2参照)を螺着することになる。この際、ハンマー部材29aの凹部50が回転軸45の外周面に嵌合している。
図3に示すように、回転軸45の軸方向に沿って4個のハンマー部材29(29a)を配置することによって、ハンマー部材集合体を構成し、図2に示すように、このハンマー部材集合体を周方向に沿って90度ピッチで4個配置されている。
また、ケーシング21の両面側には、支持脚56、57が配置され、この支持脚56、57に軸受部材58、59を介して回転自在に回転軸45の端部が支持されている。そして、回転軸45の一方の端部が、ベルト部材を有する連動機構60を介して図示省略の駆動用モータの出力軸に連結されている。このため、駆動用モータが駆動することによって、この駆動用モータの駆動力が連動機構60を介して回転軸45に伝達されて回転する。
ところで、各固定刃47は、図3に示すように、第1刃61と、第2刃62と、第1刃61と第2刃62とを連結する連結片部63とからなるコの字状体にて構成され、複数の固定刃47が平板状保持用プレート64および円弧状保持用プレート65(図9と図10参照)に固着される。この場合、平板状保持用プレート64はケーシング21の上壁31aの下面に固着される。また、平板状保持用プレート64に固着される各固定刃47(47a)は、連結片部63および平板状保持用プレート64に挿通されるボルト部材67がケーシング21の上壁31aに螺合される。この際、この平板状保持用プレート64に固着された複数の固定刃47は、下方、つまり粉砕室26に突出する。なお、上壁31a側の第1刃61と第2刃62は、図2に示すようにその刃先28が開口部40側を向いている。
また、ハンマー部材29(29a)は、前記したように回転軸45の軸心廻りに回転するので、ハンマー部材29の先端縁は回転時に円軌跡を描くことになる。そこで、前記円弧状保持用プレート65は、この円軌跡に沿った(対向)した曲率半径となる円弧形状からなる。そして、ケーシング21には、この円軌跡の外径側にこの円軌跡に沿ったプレート嵌合溝66(図15参照)が形成され、このプレート嵌合溝66に円弧状保持用プレート65が嵌合される。なお、プレート嵌合溝66は、前壁31bと後壁31cとにそれぞれ形成される円弧溝からなる。
円弧状保持用プレート65に取り付けられる固定刃47(47b)も、その各連結片部
63がボルト部材67を介してこの円弧状保持用プレート65に固着される。なお、円弧状保持用プレート65は、図9と図10に示すように、基板部70と、この基板部70の内面(固定刃47が突出する側の面)の両短辺側に配置される短辺枠71a、71bと、基板部70の内面の両長辺側に配置される長辺枠72a、72bとからなる。そして、一方の長辺枠72a側に1個の固定刃47bが配置され、他方の長辺枠72b側に2個の固定刃47bが配置されている。
この場合、円弧状保持用プレート65を一対備え、円弧状保持用プレート65間に図11と図12に示すような排出用プレート73が配置される。このため、排出用プレート73はハンマー部材29の先端縁の円軌跡に対応する円弧状体とされ、多数の排出孔(パン
チ孔)74が設けられている。そして、排出用プレート73はプレート嵌合溝66に嵌合されて回転軸45の下方に配置される。すなわち、円弧状保持用プレート65間において下部排出口23は形成され、この下部排出口23に排出用プレート73が配置されている。
ところで、案内路20の下流側(下部側)には、図2に示すように、被粉砕物を粉砕室26側へ浮き上がらせるガイド体75が配置されている。このガイド体75は、図11と図12に示すように、円弧状保持用プレート76に一体的に固着されている。この場合も、円弧状保持用プレート76は、固定刃47を保持する円弧状保持用プレート65と同様、ハンマー部材29の先端縁の円軌跡に沿った(対向)した曲率半径となる円弧形状からなる。
また、ガイド体75はそのプレートの幅方向に延びるブロック片からなり、その上端縁には、傾斜面77が形成されている。ガイド体75は円弧状保持用プレート76に長手方向に沿って所定ピッチで4個配設されている。そして、この円弧状保持用プレート76が前記プレート嵌合溝66に嵌合されることによって、ガイド体75が案内路20の下流側(下部側)に配置される。
この場合、案内路20の下流側から開口部40に向かって、ガイド体75、固定刃47b、排出用プレート73、固定刃47bと順次配置されている。そして、ハンマー部材29の回転時には、各ハンマー部材29の刃部52は、ガイド体75の間を通過するとともに、上壁31a側の固定刃47aの第1刃61と第2刃との間を通過する。また、プレート嵌合溝66側においては、内側の3本のハンマー部材29の刃部52が固定刃47bの第1刃61と第2刃との間を通過し、外側の2本のハンマー部材29の刃部52が外側の固定刃47bの外側を通過する。なお、一対の円弧状保持用プレート65が配置された状態では、各固定刃47bはその刃先68がガイド体75側を向く。
ところで、開口部40は正面視において約120度をなし、前壁31bの縦方向開口端及び斜め方向開口端にそれぞれ鍔部80、81が設けられ、後壁31cの縦方向開口端及び斜め方向開口端にそれぞれ鍔部82、83が設けられている。なお、前壁31bの上下方向中間部、及び反開口端部にはリブ84、85が設けられている。
蓋部材32は、前壁87と後壁88と周壁89とを備え、その下端部がヒンジ部90にてケーシング21の本体31に矢印C、Dのように揺動可能に枢結されている。周壁89は前方から見て、ヒンジ部90から立ち上がる第1壁89aと、第1壁89aに連設される第2壁89bと、第2壁89bに連設される第3壁89cと、第3壁89cに連設される第3壁89dとを備える。
このように、前壁87は扇形状であって、ケーシング21の前壁31bの縦方向開口端面に対応する第1端面、ケーシング21の前壁31bの斜め方向開口端に対応する第2端
面にはそれぞれ鍔部91,92が設けられている。後壁88も扇形状であって、ケーシング21の後壁31cの縦方向開口端面に対応する第1端面、ケーシング21の後壁31cの斜め方向開口端に対応する第2端面にはそれぞれ鍔部(図示省略)が設けられている。
このため、図2の実線で示すように、蓋部材32を、前壁87の鍔部91、92をケーシング21の前壁31bの鍔部80、81に当接させることができるとともに、後壁88の鍔部をケーシング21の後壁31cの鍔部82、83に当接させることができる。
このように、当接させた状態が蓋部材32による閉状態となる。そして、この閉状態では、プレート嵌合溝66の開口部40側の開口端が塞がれ、このプレート嵌合溝66に嵌合している各プレート65,73、76の開口部側への抜けが防止される。また、各プレート65,73、76の反開口部側への抜けは、プレート嵌合溝66の反開口部端によって規制される。このため、蓋部材32による閉状態で、各プレート65,73、76を定位置に固定することができる。
また、蓋部材32の周壁89の内面には、複数の粉砕補助用凸部95が設けられている。ここで、粉砕補助用凸部95とは、断面正方形乃至矩形状の水平方向に延びるバーであり、周壁89の内面に所定ピッチで周壁89に沿って配置されている。なお、蓋部材32には開閉操作を行うための取手99が設けられている。
次に前記のように構成した粉砕機を使用した粉砕方法を説明する。図1や図5(a)に示すように、投入口122が投入口蓋部材125にて塞がれている状態であるので、被粉砕物にて投入口蓋部材125を内方へ押圧するか、または使用者が投入口蓋部材125を内方へ押圧するかして、投入口122を図5(b)等に示すように開状態とする。これによって、投入口122から被粉砕物を投入路120に投入する。この状態では、内部蓋部材128にて投入路120が閉状態となっている。このため、粉砕室26の粉砕物がこの投入路120に侵入したとしても、この内部蓋部材128にて投入口122側への飛散を防止できる。
また、被粉砕物が内部蓋部材128に到達すれば、被粉砕物にて内部蓋部材128が下方へ押圧されて、図5(c)の矢印H方向に揺動して、被粉砕物の通過を許容する。内部蓋部材128を被粉砕物が通過する際には、被粉砕物は投入口122を通過しており、投入口蓋部材125が弾性部材127の弾性力にて図5(a)に示すように閉状態に戻る。このため、内部蓋部材128が開状態となっても、投入口蓋部材125が閉状態に戻っているので、投入口122から粉砕物が飛び出ることがない。
そして、被粉砕物が内部蓋部材128を通過して、奥部蓋部材129に差し掛かれば、奥部蓋部材129は揺動自在であるので、この被粉砕物に押されてこの奥部蓋部材129における被粉砕物の通過を許容する。その後は、案内路20に案内されて粉砕室26の本体室26aに供給される。この際、回転軸45を回転させてハンマー部材29を図2の矢印A方向に回転させておく。
被粉砕物が本体室26aの入口部に設けられたガイド体75によって、被粉砕物は粉砕室26側へ浮き上がる。すなわち、案内傾斜面20aに沿って下降してきた被粉砕物が、このガイド体75を傾斜面77にガイドされて、案内傾斜面20aから浮き上がる。このため、回転しているハンマー部材29にて、被粉砕物を打撃しかつ刃先で切断する。そして、切断片をハンマー部材29が巻き込んで、下部排出口側の固定刃47bと、上壁31a側の固定刃47aとで、切断片をさらに細かく切断し、解すなどの処理を行う。このこのように、ガイド体75を設けることによって、被粉砕物を浮き上げることができるので、被粉砕物がシート状のものである場合、被粉砕物が壁面に付着することを防止して、ハンマー部材29による粉砕を可能とできる。
また、ハンマー部材29の先端縁が蓋部材32の粉砕補助用凸部95の近傍を通過し、このハンマー部材29の先端縁と粉砕補助用凸部95とで切断片が擦りつぶされ、粉砕物となる。粉砕物は下部排出口23に設けられた排出用プレート73の排出孔74から、このケーシング21の下部、つまり箱体160の下部収納部160bに配置された収納ケース(図示省略)に排出される。
ところで、被粉砕物が粉砕室26に進入する際に、回転しているハンマー部材29に被粉砕物がかみ込むことになって、ハンマー部材29にて被粉砕物がはじき飛ばされにくくなる。
しかしながら、邪魔板98が図2に示すように、粉砕室26の案内路20において垂下されているので、被粉砕物がたとえは弾き飛ばされても、この邪魔板98によって被粉砕物が粉砕室26に戻される。
このため、被粉砕物がカセットテープのようなプラスチックブロック体であっても、前記紙類等のシート状体のように、回転しているハンマー部材29にて、この被粉砕物を打撃しかつ刃先で切断する。そして、切断片をハンマー部材29が巻き込んで、下部排出口側の固定刃47と、上壁31a側の固定刃47とで、切断片をさらに細かく切断し、解すなどの処理を行い、さらに、ハンマー部材29の先端縁と粉砕補助用凸部95とで切断片を擦りつぶし、粉砕物となる。
本発明では、自由状態では投入口122は投入口蓋部材125にて塞がれている。この状態で、弾性部材127の弾性力に抗して投入口蓋部材125を押圧すれば、投入口122が開状態となって、被粉砕物の投入が可能となる。また、自由状態では、内部蓋部材128はその自重により投入路内部を塞いでいるが、投入口開状態で投入路120に入った被粉砕物がこの内部蓋部材128に達すれば、この被粉砕物によって押圧されて開状態となって、被粉砕物が粉砕室26に投入されることになる。
すなわち、被粉砕物の投入口120の投入状態では、投入口蓋部材125は開状態となっているが、内部蓋部材128にて投入路122が塞がれているので、粉砕室26からの粉砕物がこの投入路120を介して外部へ流出しない。また、被粉砕物が内部蓋部材128を通過する際には、投入口120においては被粉砕物が通過した後であるので、投入口蓋部材125にて投入口120が閉状態となっており、粉砕物がこの投入口120を介して外部へ流出しない。
このように本発明では、被粉砕物が粉砕室26に投入される際には、被粉砕物の投入が許容されるが、内部蓋部材128又は投入口蓋部材125にて投入路120が塞がれることになる。このため、粉砕室26にて粉砕されてなる粉砕物の投入口122からの流出が防止され、この粉砕機の外装および粉砕機設置室を粉砕物にて汚すことが極めて少なくなって、清潔性を維持でき、作業者は快適に作業できるとともに、清掃の容易化を図ることができる。
特に、奥部蓋部材129を設けることによって、粉砕物が内部蓋部材128を通過してこの内部蓋部材128が開状態であるときに、投入口蓋部材125が人為的に開状態とされていたとしても、奥部蓋部材129にて、粉砕物の投入路120への戻りを規制することができる。すなわち、粉砕室26側から粉砕物の飛散があれば、飛散物が奥部蓋部材129の裏面129aに当たることになる。そしてこの衝突によって押圧力が付与された場合、奥部蓋部材129は、矢印I方向に揺動することになり、図5(c)の仮想線で示すように、その下端部135bが投入路構成体110の前壁113の下端縁に当接する。これによって、投入路120はその下方において塞がれる。このため、粉砕物の投入口122を介した外部への流出防止作用の向上を図ることができる。しかも、奥部蓋部材129は被粉砕物の粉砕室26への投入を許容でき、この奥部蓋部材129によって粉砕室26への投入を邪魔されない。
内部蓋部材128は、その上端縁部130aが投入路内で枢結されて投入路閉状態と投入路開状態との変位が可能な平板状の本体板130と、この本体板130を投入路閉状態とする錘部131とを備えたもので構成できる。すなわち、錘部131の重さで、本体板130を投入路閉状態となるように揺動させることができ、被粉砕物が内部蓋部材128を通過すれば、この被粉砕物に押圧されて本体板130が開状態となる。
奥部蓋部材129は、上端縁部135aが投入路内で枢結された揺動板135にて構成することができる。すなわち、自由状態では、揺動板135は鉛直状態を維持でき、これによって、粉砕物の投入路120への戻りを規制することができる。また、奥部蓋部材129を被粉砕物が通過すれば、被粉砕物に押されて被粉砕物の通過を許容する。
また、前記粉砕機によれば、案内路20の下流側に設けられるガイド体75にて被粉砕物が粉砕室26側に浮きあがらせることができ、ハンマー部材29に被粉砕物を接触させることができる。すなわち、被粉砕物が粉砕室26の内面に付着することがなくなって、被粉砕物を安定して粉砕することができる。
粉砕物は排出用プレート73の孔部74から外部(下方)へ排出するので、この孔部74の径よりも大きな粉砕物は排出されないで、粉砕室26に留まり、さらにハンマー部材29と固定刃47によって粉砕される。このため、孔部74の孔径以下に粉砕された粉砕物のみを外部へ排出することができる。また、固定刃47及びガイド体75はそれぞれ円弧状保持用プレート65,76に付設され、その取り扱い性に優れる。
ケーシング21のプレート嵌合溝66に固定刃47及びガイド体75をそれぞれ円弧状保持用プレート65,76に装着することによって、排出用プレート73と、固定刃47及びガイド体75のプレート65,76とをケーシング21に装着することができ、固定刃47やガイド体75等のセットが容易となる。しかも、プレート65,76の装着作業をケーシング21に設けられた開口部40を介して行うことができる。開口部40を蓋部材32にて閉状態とすることによって、プレート嵌合溝66に装着された各プレート65,76を固定することができる。
このため、開口部40を開状態として、ケーシング21のプレート嵌合溝66に固定刃47及びガイド体75をそれぞれ円弧状保持用プレート65,76に嵌合させて、蓋部材32を閉状態とすれば、固定刃47やガイド体75等と定位置にセットすることができる。また、セットした状態から蓋部材32を開状態とすれば、各プレート65,76の固定状態が解除され、排出用プレート73と、固定刃47及びガイド体75のプレート65,76の取り出しが可能となる。
したがって、固定刃47やガイド体75等のメンテナンスや取替え作業を短時間かつ確実に行うことができ、この粉砕機を長期に亘って安定した使用が可能となり、ランニングコスト低減に寄与する。
また、ハンマー部材29と固定刃47とで被粉砕物を粉砕するので、柔らかい帳簿などの紙類であっても、硬い基板等であっても粉砕可能であり、種々の情報(個人情報等)を記憶している記憶媒体を再生不能な状態まで粉砕できる。しかも、既存のシュレッダーで紙を粉砕した場合、紙の繊維が細かく切断されるため、リサイクル性に劣るが、本発明の粉砕機で紙を粉砕した場合、紙の繊維が比較的残り、リサイクル性に優れる。
図16は円弧状保持用プレート65に付設される固定刃47b(150)の変形例である。この固定刃47bは、図17と図18に示すように、矩形状の基部140と、この基部140の両端部(長辺側端部)から立設される一対の比較的肉厚の立ち上がり壁141、141とを備える。基部140にはボルト孔142が形成されている。このボルト孔142は、大径部142aと、この大径部142aに連通される貫通孔142bとからなる。そして、このボルト孔142にボルト部材(図示省略)が挿入されてプレート65に螺着される。
この場合、円弧状保持用プレート65には、上方側に2つの固定刃150A,150Bと、この固定刃150A,150Bとの間に配設される下方の固定刃150Cとを備える。立ち上がり壁141、141の側辺に刃部143、143が設けられている。この刃部143が上方を向くように配置されている。また、刃部143の刃先143aは基部140側から立上り壁141の先端側に向かって後方に傾斜するテーパとなっている。すなわち、この刃先143a(図18等参照)は、ハンマー部材9の先端縁が回転時に描く円軌跡に対応する円弧面の径方向に対して傾斜した状態となる。なお、固定刃150A,150Bの位置決めブロック145にて位置決めされている。
このような固定刃150では剛性が大となり、しかも、刃部143の刃先143aがテーパとなっているので、安定して粉砕を可能とする。
なお、平板状保持用プレート64に固着される固定刃47aに図19に示すような固定刃150D、150Eを使用してもよい。これらの固定刃150D、150Eは前記固定刃150A,150B、150Cと同様であるので、これらの説明を省略する。
次に図20と図21は、排出用プレート73の変形例を示し、この排出用プレート73は、粉砕物が通過する多数の孔部155を有する円弧状平板体の本体部156と、粉砕室に円弧方向に沿って設けられたプレート嵌合溝66に嵌合するガイド部157とを備える。
この排出用プレート73は、図20と図21に示すように、粉砕物が通過する多数の孔部155を有する円弧状平板体の本体部156と、粉砕室26の内側面に円弧方向に沿って設けられた一対の嵌合溝165(図22参照)に嵌合するガイド部157とを備える。このガイド部157を円弧状平板体の本体部156の側縁から垂下されるとともに円弧方向に沿ってその高さ寸法が変化するテーパ状とされている。すなわち、ガイド部157は、ケーシング本体31の開口部(側方開口部)40側の高さをH1とし、ケーシング本体31の内部側の高さをH2とした場合に、H1>H2となっている。
また、プレート嵌合溝165は、図22に示すように、外径側受面部166と、内径側受面部167とを有し、外径側受面部166と内径側受面部167との間の間隔(嵌合溝の上下幅寸法)が円弧方向に沿って変化するテーパ状とされている。このため、ケーシング本体31の開口部(側方開口部)40を介して排出用プレート73は粉砕室26に出し入れ可能となっている。なお、排出用プレート73が粉砕室26に装着された状態(ガイド部157が嵌合溝165に嵌合した状態)では、本体部156は、ハンマー部材29の先端縁の円軌跡に沿った(対向)した曲率半径となる円弧形状となっている。
前記排出用プレート73では、孔部155の孔径以下に粉砕された粉砕物のみを外部へ排出することができる。このため、被粉砕物を所望の大きさまで粉砕でき、粉砕機としての性能の向上を図ることができ、紙類、磁気テープ式記録媒体、光学式記録媒体、基板等の種々の情報媒体等を安定して粉砕できる。
排出用プレート73を引き出す場合、高さ寸法大側を引き出せば、反引き出し側の高さ寸法が小さくなって、この高さ寸法小側が高さ寸法大側へ引き出されることになる。このため、図21の仮想線で示すように、嵌合溝165とガイド部157との間に順次隙間ができて、その引き出しの容易化を図ることができる。排出用プレート73及び粉砕室の清掃の容易化を図ることができる。
特に、蓋部材32を設けることによって、排出用プレート73の外部への引き出し作業、及び、外部からの排出用プレート73の挿入作業の容易化を図ることができ、作業性に優れた粉砕機となる。また、ガイド部157の高さ寸法は、蓋部材が装着される粉砕室の開口部側を高くすことによって、より一層排出用プレート73を出し入れ作用の容易化を図ることができる。
ところで、ハンマー部材29としては図22から図24に示すようなものであってもよい。この場合のハンマー部材(第2ハンマー部材)29bは、先端側に平板ハンマー部100を有し中央に粉砕刃101を有するものである。このハンマー部材29bにおいても、基端縁に回転軸45の外周面に嵌合する凹部50が形成されているとともに、この凹部50の近傍には、このハンマー部材29bの取り付け用の貫通孔53が設けられている。
このため、このハンマー部材29bにおいても、簡単にかつ短時間に回転軸45に取り付けることができ、回転軸45と一体に回転することができる。特に、このハンマー部材29を使用することによって、先端側の平板ハンマー部100にて被粉砕物を打撃できて破砕できる。また、粉砕室26の中央部においてハンマー部材29b等に絡まるテープ等を切断(せん断)することができる。
従って、この図22から図24に示すハンマー部材29bはカセットテープ類を粉砕するのに最適となる。なお、前記図6から図8に示すハンマー部材29aであっても、カセットテープ類の粉砕が可能であり、また、図22から図24に示すハンマー部材29bであっても、紙類の粉砕も可能である。
各ハンマー部材29a,29bの取付け・取外しを簡単かつ短時間で行うことができるので、図22等に示すハンマー部材29bと、図6等に示すハンマー部材29aとを揃えておき、粉砕する被粉砕物に応じてハンマー部材29を交換するようにできる。
ハンマー部材29を複数種揃えることによって、被粉砕物の種類に応じてハンマー部材29を交換できる。このため、被粉砕物は粉砕するのに最適なハンマー部材29にて粉砕することができ、粉砕機としての粉砕精度が向上する。
このように、前記粉砕機では、被粉砕物としては、基板(電子部品等が実装された基板)、カセットテープなどの磁気テープ式記録媒体、光学式記録媒体、紙等の種々のものが可能である。すなわち、この粉砕機では、硬いもの(例えば、基盤)から柔らかいもの(例えば、紙類)まで、一台で粉砕することができる。このため、従来では、投入する被粉砕物に材質、形状、大きさ、硬さ等によって、使用する粉砕機は選定されていたが、この粉砕機を用いれば、硬いものから柔らかいものまで幅の広い用途の粉砕を一台で可能となる。したがって、設備費用の低減を図ることができるとともに、ランニングコストも下がり、全体として処理費用も安くなって、個人情報の保護及びリサイクル性に優れる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、前記実施形態では、自由状態で奥部蓋部材129が投入路120を塞いでない状態であるが、この自由状態で奥部蓋部材129が投入路構成体110の前壁113に当接して塞ぐ状態であってもよい。また、奥部蓋部材129を省略したものであってもよく、逆に、投入口蓋部材125と内部蓋部材128と奥部蓋部材129とに加えてさらに別の蓋部材を付設するものであってもよい。内部蓋部材128を奥部蓋部材129のように揺動板135等で構成しても、奥部蓋部材129を内部蓋部材128のように平板状の本体部と錘部とを備えたもので構成してもよい。投入口蓋部材125を閉状態とする弾性部材127としては、投入口蓋部材125を閉状態とする方向(図5(a)の矢印E方向)に弾性的を押圧できるものであれば、種々のバネ部材を使用することができる。投入口122の形状、大きさ等は、被粉砕物が投入できる範囲で種々変更できる。
ハンマー部材集合体の数、および各ハンマー部材集合体のハンマー部材29の数の増減は任意である。一枚のプレート64、65に配置される固定刃47の数の増減も任意である。さらに、プレート嵌合溝66に嵌合されるプレート65の数やプレート65の周方向長さも任意に設定できる。
固定刃47を固定するプレート65にも排出孔を設け、この排出孔から製品室(粉砕物収納室)に粉砕物を排出するようにしてもよい。また、この場合の排出孔や排出用プレートの排出孔74としては、円形孔にかぎらず、楕円孔、三角形孔、および矩形孔等の形状のものを採用でき、さらには、スリット孔等であってもよい。
前記実施形態では、蓋部材32に粉砕補助用凸部95を配置していたが、この粉砕補助用凸部95を省略しても、この粉砕補助用凸部95に代えて固定刃47を配置するようにしてもよい。
さらに、ハンマー部材29の回転数としても、被粉砕物の種類等に応じて変更でき、この際、粉砕初期と粉砕終期とで回転数を変化させてもよい。この場合、粉砕初期においては低速とし、その後、次第に高速化したり、粉砕初期において低速で所定時間運転し、その後中速に切り替えて、この中速を所定時間運転し、次に高速に切り替えて、この高速を所定時間運転したりすることができる。
排出プレート73の孔部155の形状、大きさ、数等は、粉砕物収納部へ排出する粉砕物に粒径等に応じて種々変更でき、また、孔部155としては、同一形状及び同一大きさとすることなく、異なる形状や異なる大きさのものがあってもよい。ガイド部157の高さ寸法の変位量も、排出プレート73の出し入れ性を考慮して種々変更できる。
図17と図18等にて示され固定刃は剛性が大であるので、案内路20に設け、この案内路20に投入される被粉砕物をこの固定刃150にて粉砕するようにしてもよい。また、各部位に配置される固定刃150の数や配置ピッチとしては、ハンマー部材の回転を損なわない範囲で種々変更することができる。