JP2009136741A - 粉砕機 - Google Patents

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Abstract

【課題】粉砕機において、構造を複雑化させずに強度向上を図り、粉砕能力を高める。また開閉壁を十分に開けられるようにして、メンテナンス作業の迅速且つ簡単化を図る。
【解決手段】前後固定壁10他と左右開閉壁12,13とを有したケーシング2と、前後固定壁10他間に支持された回転軸3と、回転軸3上に設けられた細刃4及び粗刃5とを有したものとさせ、左右開閉壁12,13に、固定細刃とその下方の落下通路28、及び固定粗刃と粗粉砕物を投入口15側まで持ち回る粗刃ガイド35とを形成させる。左右開閉壁12,13は前後固定壁10他に架設した1本の開閉軸25で開閉自在に共通枢支させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、粉砕機に関するものである。
樹脂成型品の製作時に発生するランナーやスプルなど、種々の不要品を粉砕処理するための粉砕機として、箱形のケーシング内に回転軸が水平架設され、この回転軸に対し軸方向に並んで細刃とこの細刃より長い粗刃とが設けられ、回転軸の回転と共にこれら各刃と咬合して破断乃至粉砕作用を生じる固定刃がケーシング内に設けられたものがある。この種の粉砕機では、固定刃周辺の清掃や詰まり除去等のメンテナンスのため、ケーシングの一部を開閉可能にしていることがある。
例えば、ケーシングにおける前後一対の壁を固定壁としたうえで、前部固定壁の左下隅と後部固定壁の左下隅に対し各別個に支点軸を設けて、これら前後の支点軸間で左側の壁の下端を揺動自在に保持させると共に、前部固定壁の右下隅と後部固定壁の右下隅に対し各別個に支点軸を設けて、これら前後の支点軸間で右側の壁の下端を揺動自在に保持させるようにした構造が知られている(例えば、特許文献1等参照)。
この構造の場合、左右の壁は、それらの上端を左右外方へ倒したり起こしたりする方向で揺動開閉自在な開閉壁となっている。なお、ケーシングに箱形の剛性を持たせるために、前後の固定壁間をタイロッドで連結補強してあった。
このタイロッドは、左右の開閉壁を開いたときの開き過ぎを防止するような下受け位置(開度の制限位置)に配置されている。なお、固定壁の下部には基台(粉砕機を所定高さに設置するためのベースフレーム)が設けられていたので、開閉壁が基台にぶつからないようにする作用をも奏していると推測される。
このようにタイロッドと支点軸とを各別に設けていること(タイロッドより左右方向の内側に支点軸を配置すること)は、開閉壁に設けた固定刃と、粗刃や細刃との噛み合わせを確実にさせるために必要な措置であると、理由付けされていた。
特開2006−55797号公報
前記のように、前部固定壁と各開閉壁の前部下端とを前側の支点軸で支持させ、後部固定壁と各開閉壁の後部下端とを後側の支点軸で支持させる構造を採用すると、開閉壁自体は前後方向で離れた2点支持状態となる。すなわち、開閉壁の壁中央を支持するものは何もない(支点軸が通っていない)状態にある。
しかし、開閉壁に設けられた固定刃にはその前後方向全般にわたり、粗刃や細刃による破断乃至粉砕作用による加工応力が作用するため、開閉壁は壁中央に外膨れ方向の撓みが誘発され、結果、固定刃と粗刃又は固定刃と細刃とによる加工(破断乃至粉砕)能力にムラが生じ、能力低下に繋がっていた。
また、タイロッドやその下部の基台が邪魔となって開閉壁を十分に開くことができず、固定刃、粗刃、細刃を十分に露出させることができないために清掃やメンテナンスがやり難いということがあった。それ故、開閉壁を取り除ける構造(比較的容易に分解と組み立てができる構造)が必要になると共に、清掃やメンテナンス時には、この構造を利用していちいち開閉壁を取り除く手間が必要になっていた。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであって、構造の複雑化を招来することなく強度向上を図り、もって粉砕能力を高められるようにすると共に、開閉壁を十分に開くことができるようにしてメンテナンス作業の迅速且つ簡単化を図れるようにした粉砕機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。
即ち、本発明に係る粉砕機1は、前後一対の固定壁10,11と左右一対の開閉壁12,13とを有していて上部に投入口15が下部に排出口16がそれぞれ形成されたケーシング2と、このケーシング2内で前記前後固定壁10,11に回転自在に支持された回転軸3と、この回転軸3上に設けられた細刃4及びこの細刃4より長い粗刃5とを有している。
そして前記左右開閉壁12,13には、前記細刃4と咬合する固定細刃33とその下方の落下通路28とが形成されるとともに、前記粗刃5と咬合する固定粗刃32と粗粉砕物を投入口15側まで持ち回る粗刃ガイド35とが形成され、前記左右一方の開閉壁12,13の前記固定細刃33及び固定粗刃32は前記細刃4及び粗刃5と咬合して投入物を粉砕可能に形成されており、前記左右開閉壁12,13は回転軸3の直下でそれと平行に前記前後固定壁10,11に架設された1本の開閉軸25に左右方向開閉自在に共通枢支されている。
このように左右の開閉壁12,13を、回転軸3の直下にそれと平行に架設した1本の開閉軸25で共通枢支させる構成としており、開閉軸25は、左右の開閉壁12,13における前後方向全部にわたって沿接した状態となっている。
そのため、開閉軸25を介して左右の開閉壁12,13が構造体を構成する状態となって強度向上に繋がり、もって、粗刃5と固定粗刃32との間で生ずる破断作用や細刃4と固定細刃33との間で生ずる粉砕作用が原因で、左右開閉壁12,13の壁中央が外膨れ方向に撓むようなことはない。
その結果、粗刃5と固定粗刃32又は細刃4と固定細刃33による破断乃至粉砕能力にムラは生じず、能力が低下することもない。
前記粗刃5、固定粗刃32及び粗刃ガイド35は前記回転軸3に沿って間隔をおいて2組設けられ、かつ前記細刃4、固定細刃33及び落下通路28は各組の固定粗刃32を挟むように3組設けられ、前記左右各開閉壁12,13の各組の粗刃ガイド35には下方へ突出して前記開閉軸25に共通枢支された軸受部36A,36Bが形成されている。
このように左右開閉壁12,13の粗刃ガイド35に対し、その下方へ突出する状態で開閉軸25用の軸受部36A,36Bを設けると、左右開閉壁12,13の強度が益々高められることになる。
また、左右開閉壁12,13に対し、最も変形応力が発生する粗刃5と固定粗刃32との咬合位置近傍で、軸受部36A,36Bを介して開閉軸25に支持される構造となるので、左右開閉壁12,13の変形防止にとって最も効果的と言える。
更に、回転軸3の軸方向において、両端側に細刃4が配置され、それらの内隣にそれぞれ粗刃5が配置され、更に粗刃5と粗刃5との間(回転軸3の中央)に細刃4が配置される構造となることで、粗刃ガイド35の配置も回転軸3の中央寄りとなり、開閉壁12,13の強度向上には一層好適となる。
前記前後固定壁10,11は左右上部同士が左右一対の上部桟24で着脱自在に連結され、かつ下部同士が前記開閉軸25で着脱自在に連結されており、前記左右各開閉壁12,13はその上部が前記上部桟24に着脱自在に装着され、前記ケーシング2の左右側方及び下方には左右開閉壁12,13の上部を前記細刃4より下方まで開放可能にするスペースが形成されている。
このように、ケーシング2の左右側方及び下方に所定のスペースを形成させることで、左右の開閉壁12,13における開き角度を大きく確保できることになる。そのため、左右の開閉壁12,13を開いたときに、固定粗刃32、固定細刃33、粗刃5、細刃4及び粗刃ガイド35等を十分に露出させることができるようになり、清掃やメンテナンスが迅速且つ簡単に行えるようになる。
本発明に係る粉砕機では、構造の複雑化を招来することなく強度向上が図られ、もって粉砕能力を高められる。また、構造簡潔にしつつも開閉壁を十分に開くことができるようになり、メンテナンス作業の迅速且つ簡単化が図られている。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1乃至図11は、本発明に係る粉砕機1の一実施形態を示している。この粉砕機1は、ケーシング2と、このケーシング2内で略水平状態に設けられた回転軸3と、この回転軸3に設けられた細刃4及び粗刃5とを有している。
ケーシング2は、前後一対の固定壁10,11と左右一対の開閉壁12,13とを有して上下が貫通した箱形に形成されており、上部に投入口15が、下部に排出口16が、それぞれ形成されている。
このようなケーシング2の内部に対し、回転軸3は両固定壁10,11間を架け渡されるように設けられており、各固定壁10,11に設けられた軸受部20,21により回転自在に保持されるようになっている。そして一方の固定壁10には、回転軸3を回転駆動するモータ23が連結されている。
なお以下の説明では、モータ23が連結された固定壁10を「前部固定壁」、他方の固定壁11を「後部固定壁」と言い、後部固定壁11から前部固定壁10を見て左側(図1の左側)の開閉壁12を「左部開閉壁」、右側(図1の右側)の開閉壁13を「右部開閉壁」と言う。
前部固定壁10と後部固定壁11とは、左上部同士、及び右上部同士が左右一対の上部桟24でボルト結合等によって着脱自在に連結され、下部同士が、回転軸3の直下でそれと平行するように前後固定壁10,11間に架設された1本の開閉軸25でボルト結合等によって着脱自在に連結されている。
細刃4及び粗刃5は、いずれも回転軸3の外周面で径方向に突出して、回転方向の一方側(図例では後部固定壁11から前部固定壁10を見た状態で反時計回りとなる方向)へ刃先を向けて設けられている。細刃4は回転軸3の径方向に沿った突出が小さく形成されたものであり、粗刃5は細刃4より長く突出して形成されたものである。これら細刃4及び粗刃5は、回転軸3と一体回転する。
図4に示すように、本実施形態において細刃4は、回転軸3のまわりで複数が連続して突出しノコ刃状を呈しつつ、軸方向でも所定の周隙間26(図7参照)を挟みながら多数が並んで設けられ、全体として円柱状(ドラム型)の回転刃を呈するようになっている(以下、「細刃4によるドラム型回転刃」と言う)。
これに対して粗刃5は、回転軸3まわりの相反する2箇所(180°位置)に設けられ、全体がZ字状の扁平な回転刃を呈するようになっている(以下、「粗刃5による扁平型回転刃」と言う)。
またケーシング2内において、粗刃5による扁平型回転刃は、回転軸3の略中央部で所定間隔をおいた2箇所に設けられており、細刃4によるドラム型回転刃は、粗刃5の相互間に挟まれた中央箇所と、両粗刃5の軸配置に対する前側及び後側の計3箇所に設けられている。
左右の開閉壁12,13は、回転軸3より上部で上広がりのテーパを有してホッパー部27を形成させており、その上端にできる左右方向で広口の開口を、前記した投入口15とさせている。
またこれら左右の開閉壁12,13は、回転軸3に近接した位置でホッパー部27の下端として絞り込まれた部分を、そのまま回転軸3の下方へ向けてストレートに垂下することにより、細刃4によるドラム型回転刃に個別に対応する落下通路28を形成させており、その下端にできる左右方向で細口の開口を、前記した排出口16とさせている。
なお、左右の開閉壁12,13は、ホッパー部27及び落下通路28の形成のため、それぞれ「く」字状に折曲した断面形状に形成されているため、前端及び後端には、補強リブ29が形成されて高剛性化が図られている(図5及び図6参照)。
左右の開閉壁12,13のうち、回転する粗刃5がホッパー部27内を通過する方向において二次側となる方の開閉壁(本実施形態では左部開閉壁12)には、粗刃5と咬み合って投入物を破砕する固定粗刃32と、細刃4と咬み合って投入物を更に細かく粉砕する固定細刃33とが形成されている。
これら固定粗刃32や固定細刃33は、粗刃5や細刃4を通過させるための角形の切欠を設けると共に、粗刃5や細刃4と各切欠の内面とのギャップを小さくし、且つ各切欠の開口縁部に焼き入れをしたり硬い素材(特殊鋼、工具鋼、チタンなど)で形成させたり、或いは各切欠の開口縁部に硬質チップを固着させたりしたものである。
前記したように粗刃5による扁平型回転刃は、回転軸3に沿った2箇所に設けられているため、固定粗刃32も、互いに所定間隔をおいて2箇所設けられている。また細刃4によるドラム型回転刃は、回転軸3に沿った3箇所に設けられているため、固定細刃33も、互いに所定間隔をおいて3箇所設けられている。
本実施形態では、1本の帯板形状の位置決め部材38と、回転軸3に沿って3分割されたプレート34とをそれぞれボルト40により左部開閉壁12の上部に固定しており、プレート34の回転軸3に対向する下縁に固定細刃33を形成し、中央のプレート34の両端とこれと対向する前後のプレート34の側端とに刃部を設けて固定粗刃32を形成している。
前記プレート34は3分割せずに一体成形することも可能であるが、分割型の方が製作が簡単であり、固定粗刃32の成形も容易になる。また、前記位置決め部材38は板幅の異なるものを使用することにより、また、左部開閉壁12又はプレート34との間にシムを介在させることにより、固定粗刃32及び固定細刃33を粗刃5及び細刃4に対して遠近位置可能となり、咬み合わせの調整ができる。
固定粗刃32及び固定細刃33は、ボルト40を緩め取ることで左部開閉壁12から取り外すことができ、交換やメンテナンスに便利となっている。
更に左右の開閉壁12,13には、粗刃5と固定粗刃32との咬合によって発生した粗粉砕物を投入口15側まで持ち回るようにすべく、粗刃ガイド35が形成されている。この粗刃ガイド35は、粗刃5が固定粗刃32との咬合後、ホッパー部27内から出て回転軸3の下側を通り、またホッパー部27内へ戻ってくるまでの回転領域に対し、それを下から覆うような袋形に形成されたものである。
この粗刃ガイド35は、左部開閉壁12に設けられたガイド半体35Aと、右部開閉壁13に設けられたガイド半体35Bとを、ケーシング2の左右中央で突き合わせ状に接合させることで形成される。
図2に示すように、左部開閉壁12のガイド半体35A及び右部開閉壁13のガイド半体35Bには、それぞれ下方へ突出する軸受部36A,36Bが設けられており、これら軸受部36A,36Bにはそれぞれ軸通孔37A,37Bが形成されている。
これら軸通孔37A,37Bを軸方向で合致させた状態で、開閉軸25を串刺し状に貫通させることで、これら軸受部36A,36Bが開閉軸25で共通枢支される状態(開閉軸25が支点)となって、左右の開閉壁12,13が揺動自在に保持されるようになっている。
なお図6に示すように、右部開閉壁13には、固定粗刃32及び固定細刃33を形成させたプレート34の代わりに、スクレーパ41を設けておけばよい。このスクレーパ41は一体成形でもよいが3分割されており、中央スクレーパ41の両側縁と前後スクレーパ41の対向側縁との間に粗刃5を通過させる粗刃通孔42が形成され、各分割スクレーパ41の下縁に細刃4を通過させる細刃通孔43が形成されている。
このスクレーパ41の上側にも位置決め部材38が配置されており、両者は、右部開閉壁13の外側から挿入されるボルト44により、右部開閉壁13に固定する構造としてある。従って、スクレーパ41は回転軸3に対して位置調整したり、右部開閉壁13から取り外すことができ、交換やメンテナンスに便利となっている。
スクレーパ41を、固定粗刃32及び固定細刃33を形成させたプレート34と交換すると共に、細刃4及び粗刃5の取付向き(回転方向)を逆にすることで、回転軸3の回転方向を逆にして使用することも可能となる。
左右の開閉壁12,13の上部には連結用プレート45がボルト46により固定されている。この連結用プレート45は、ケーシング2の上部桟24に対してその外側面に当接する高さまで上方へ張り出したものとなっており、この張り出し部分には、レバー台47が溶接などにより固着されている。
このレバー台47には雄ネジを有するクランプレバー48が回動自在に保持されており、このクランプレバー48を回動操作して、雄ネジを左右の開閉壁12,13の内側に設けられたネジ孔(図示略)に螺合することにより、左右の開閉壁12,13が上部桟24に着脱自在に装着される。
なお、連結用プレート45の下端部は下方へ張り出しており、ホッパー部27の側部外面との間に手掛け用の隙間が生じるようになっている。このため、左右の開閉壁12,13を開くときに、連結用プレート45の下端部へ手を掛けることができ、操作が至便となっている。
前記したように左右の開閉壁12,13は、ホッパー部27及び落下通路28の形成のため、断面「く」字状であり、前後の固定壁10,11間には、上部桟24及び開閉軸25を除いては連結する部材は何もない。すなわち、ケーシング2の左右側方及び下方には、左右の開閉壁12,13の上部を細刃4より下方まで開放可能にするスペースが形成されていることになり、左右の開閉壁12,13は十分な開度が確保されている。
このような構成を具備した本発明の粉砕機1では、モータ23の始動で回転軸3を回転させることにより、ケーシング2内で細刃4及び粗刃5が回転する。
そこで、樹脂成型品の製作時に発生するランナーやスプルなどの投入物を投入口15からホッパー部27へ向けて投入すると、大きく突出している粗刃5が投入物を固定粗刃32へ引き込むようになる。
そして投入物は粗刃5と固定粗刃32との咬合により細かく破砕され、破砕された粗粉砕物は、粗刃5に随伴して粗刃ガイド35内を投入口15側まで持ち回られる状態となる。またこの粗粉砕物は細刃4と固定細刃33との咬合により更に細かく粉砕され、落下通路28を介して排出口16から落下排出される。
なお、左右の開閉壁12,13では、それらの前後方向全部にわたって開閉軸25が沿接した状態となっているため、開閉軸25を介して左右の開閉壁12,13が構造体を構成することで強度が向上している。
また、開閉軸25用の軸受部36A,36Bが、粗刃ガイド35(左右の開閉壁12,13におけるガイド半体35A,35B)に設けられているため、左右開閉壁12,13の強度向上は益々高められている。
これら軸受部36A,36Bに関しては、左右開閉壁12,13に対して最も変形応力が発生する粗刃5と固定粗刃32との咬合位置近傍を、開閉軸25に支持させていることになるので、左右開閉壁12,13の変形防止にとって最も効果的と言える。
これらのことから、粗刃5と固定粗刃32との間で生ずる破断作用や、細刃4と固定細刃33との間で生ずる粉砕作用が原因で、左右開閉壁12,13の壁中央が外膨れ方向に撓むようなことはない。その結果、破断乃至粉砕能力にムラは生じず、能力が低下することもない。
このようにして粉砕を行った後、ケーシング2内の清掃、乃至固定粗刃32や固定細刃33の詰まり除去など、各種メンテナンスを行うには、モータ23を停止後、左右の開閉壁12,13に設けられた全てのクランプレバー48を揺動操作して係合状態を解除し、左部開閉壁12は左方へ、右部開閉壁13は右方へと、開閉軸25を支点とさせてそれぞれ揺動開放させる。
ケーシング2において、その左右側方及び下方には何もないスペースが確保されているので、左右の開閉壁12,13はそれらの開き角度が大きく、従って固定粗刃32や固定細刃33はもとより、粗刃5や細刃4を十分に露出させることができる。そのため、それらに対する清掃やメンテナンスが迅速且つ簡単に行えるものである。
ところで、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
例えば、回転軸3のまわり(周方向)において設ける粗刃5や細刃4の数や、回転軸3の軸方向において設ける粗刃5や細刃4の数、粗刃5や細刃4の径方向突出長さ、刃形状などは、粉砕しようとする投入物の素材や大きさ、要求される処理能力、粉砕の程度(細かさ)などに応じて適宜変更することができる。
左右の開閉壁12,13は、前後方向で複数に分割されたもの(開閉軸25に対する枢支は同軸とする)としてもよい。
投入物の材質(要するに粉砕機としての用途)は何ら限定されない。
図3のA−A線断面図である。 図3のB−B線断面図である。 本発明に係る粉砕機の一実施形態を示した斜視図である。 粗刃及び細刃と回転軸との取付関係を判りやすく示した斜視図である。 左右の開閉壁を示した斜視図である。 左右の開閉壁についてそれらの内面が現れるように示した斜視図である。 細刃と固定細刃との咬合関係を判りやすく示した斜視図である。 図6の矢符C方向から見た左部開閉壁を示した矢視図である。 図6の矢符D方向から見た左部開閉壁を示した矢視図である。 図9のE−E線断面図である。 図8のF−F線矢視図である。
符号の説明
1 粉砕機
2 ケーシング
3 回転軸
4 細刃
5 粗刃
10 前部固定壁
11 後部固定壁
12 左部開閉壁
13 右部開閉壁
15 投入口
16 排出口
24 上部桟
25 開閉軸
28 落下通路
32 固定粗刃
33 固定細刃
35 粗刃ガイド
36A,36B 軸受部

Claims (3)

  1. 前後一対の固定壁(10,11)と左右一対の開閉壁(12,13)とを有していて上部に投入口(15)が下部に排出口(16)がそれぞれ形成されたケーシング(2)と、このケーシング(2)内で前記前後固定壁(10,11)に回転自在に支持された回転軸(3)と、この回転軸(3)上に設けられた細刃(4)及びこの細刃(4)より長い粗刃(5)とを有し、
    前記左右開閉壁(12,13)には、前記細刃(4)と咬合する固定細刃(33)とその下方の落下通路(28)とが形成されるとともに、前記粗刃(5)と咬合する固定粗刃(32)と粗粉砕物を投入口(15)側まで持ち回る粗刃ガイド(35)とが形成され、前記左右一方の開閉壁(12,13)の前記固定細刃(33)及び固定粗刃(32)は前記細刃(4)及び粗刃(5)と咬合して投入物を粉砕可能に形成されており、
    前記左右開閉壁(12,13)は回転軸(3)の直下でそれと平行に前記前後固定壁(10,11)に架設された1本の開閉軸(25)に左右方向開閉自在に共通枢支されていることを特徴とする粉砕機。
  2. 前記粗刃(5)、固定粗刃(32)及び粗刃ガイド(35)は前記回転軸(3)に沿って間隔をおいて2組設けられ、かつ前記細刃(4)、固定細刃(33)及び落下通路(28)は各組の固定粗刃(32)を挟むように3組設けられ、
    前記左右各開閉壁(12,13)の各組の粗刃ガイド(35)には下方へ突出して前記開閉軸(25)に共通枢支された軸受部(36A,36B)が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の粉砕機。
  3. 前記前後固定壁(10,11)は左右上部同士が左右一対の上部桟(24)で着脱自在に連結され、かつ下部同士が前記開閉軸(25)で着脱自在に連結されており、
    前記左右各開閉壁(12,13)はその上部が前記上部桟(24)に着脱自在に装着され、
    前記ケーシング(2)の左右側方及び下方には左右開閉壁(12,13)の上部を前記細刃(4)より下方まで開放可能にするスペースが形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の粉砕機。
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