JP4513449B2 - 画像通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ネットワーク通信を用いてアカウントを入力可能な画像通信装置に関する。
近年、画像通信装置においては、LAN等のネットワークに接続することで、画像通信装置のファクシミリ機能などの各種機能を、他のコンピュータからネットワークを介して利用できるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
一般に、このような画像通信装置においては、利用権限を有するユーザのみが機能を利用できるように、利用前の段階でアカウント及びパスワードの入力をユーザに対して要求して、ユーザ認証を行うようになっている。
特開2003−69649号公報
ところで、上記のようにネットワークを介してユーザ認証を行う画像通信装置では、アカウントと環境設定とを関連付けておき、アカウントごとに固有の環境をユーザに提供することが考えられる。例えば、通信履歴を示す通信ログをアカウントごとに管理しておき、その時点で利用しているユーザのアカウントに応じた通信ログのみをユーザに提供すれば、利便性を非常に高くすることができる。
しかしながら、ネットワークを介して利用する場合にのみユーザに固有の環境を提供すると、画像通信装置をネットワークを介して利用する場合と直接的に操作して利用する場合とで環境が異なるため、ユーザが違和感を感じる可能性がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ネットワークを介して画像通信装置を利用する場合と、直接的に操作して画像通信装置を利用する場合とのいずれであっても、ユーザに同一の環境を提供できる画像通信装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、画像通信装置であって、環境設定の情報を各アカウントに対応させて記憶する記憶手段と、ネットワーク通信と装置本体の操作部とのいずれを用いてもアカウントが入力可能とされ、これらのいずれを用いて入力されたかにかかわらず、入力されたアカウントに対応する環境設定を前記記憶手段から読出して、前記画像通信装置の機能部の動作環境を設定する制御手段と、を備え、前記制御手段は、さらに、i)登録された各アカウントに対応する専用の通信ログを、専用ログとして、ii) ゲストログインしたユーザを含む全てのアカウントの通信ログを、共用ログとして、それぞれ前記記憶手段に登録するとともに、正規ログインしたユーザは、対応する前記専用ログと、前記共用ログと、のいずれも閲覧可能とされている。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の画像通信装置において、前記制御手段は、所定の共有アカウントが入力されたとき、ユーザ認証を行うことなく前記機能部を能動化する。
また、請求項3の発明は、請求項1に記載の画像通信装置において、前記記憶手段は、前記機能部が実現可能な複数の機能のそれぞれを能動化するか否かを示す利用許可設定を前記各アカウントに対応させて記憶し、前記制御手段は、入力されたアカウントに対応する利用許可設定に従って前記複数の機能を選択的に能動化する。
請求項1ないし3の発明によれば、ネットワークを介して利用する場合と、直接的に操作して利用する場合とのいずれであっても、入力されたアカウントの環境設定に従って動作するため、同一の環境を提供することができる。
また、特に請求項2の発明によれば、利用権限のないユーザであっても、共有アカウントの入力により、画像通信装置を使用できる。
また、特に請求項3の発明によれば、入力アカウントの利用許可設定に従って機能が選択的に能動化されるため、画像通信装置の各機能に関してアカウントに応じて利用制限を行うことができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。最初に、本明細書において使用する用語について説明する。
「利用権限」 …画像通信装置の機能を利用するためのユーザの権限。
「ユーザ認証」 …利用権限を有するユーザか否かを確認する手続。
「ログイン」 …ユーザが画像通信装置の機能を利用できる状態にすること。
「アカウント」 …利用権限のあるユーザを識別するIDコード。「ユーザ認証」には、「アカウント」と「パスワード」とが要求される。
「共有アカウント」…画像通信装置の機能を一時的に利用する権限を示す、特定のユーザに関連付けられない特殊アカウント。ゲストアカウント。
「正規ログイン」 …利用権限を有するユーザであることが確認済でのログイン。
「ゲストログイン」…利用権限を有するユーザであることが未確認でのログイン。
「環境」 …ユーザインターフェースの状態等の動作内容や、使用するデータなどによって達成される状況のこと。
「環境設定」 …ユーザインターフェースの状態等の動作内容や、使用するデータなどを規定する各種設定。つまり、「環境」を規定する各種設定。
「能動化」 …画像通信装置の機能を有効にして利用可能な状態とすること。アクティブ化。
<1.ネットワークの概要>
図1は、本発明の実施の形態に係る画像通信装置1が適用されるネットワークシステム100の一例を示す図である。
図に示すようにネットワークシステム100は、画像通信装置1と、メールサーバ22と、複数のクライアント端末23とを備えており、これらがローカルエリアネットワーク(以下、「LAN」という。)2によって接続されている。また、LAN2は、ルータ装置21を介してインターネット3にも接続される。クライアント端末23は、CPU、RAM、ROM、ハードディスク、ディスプレイ及びキーボード等を有する一般的なコンピュータで構成される。このようなネットワーク構成により、画像通信装置1は、LAN2やインターネット3に接続された他の通信端末との間で、データの送受信を行うことが可能となっている。
また、画像通信装置1には公衆電話交換網(PSTN)4も接続されており、画像通信装置1はアナログの公衆電話交換網4を介して、データの送受信を行うことも可能となっている。
本実施の形態の画像通信装置1は、ファクシミリ機能、コピー機能、スキャナ機能、プリンタ機能などの複数の機能を有する複合機(MFP)として構成されている。以下、画像通信装置1のファクシミリ機能、コピー機能、スキャナ機能及びプリンタ機能を総称して「主機能」という。
ファクシミリ機能は、相手先装置との間で画像データを送受信する機能である。データ送信の際の相手先装置は、データ送信先に設定される「電話番号」あるいは「電子メールアドレス」(以下、総称して「宛先情報」という。)により特定される。データ送信先に「電話番号」が設定されたときは、画像通信装置1は、公衆電話交換網(PSTN)4を利用するG3ファクシミリ装置として機能する。一方、データ送信先に「電子メールアドレス」が設定されたときは、画像通信装置1は、インターネット3(及びLAN2)を利用するインターネットファクシミリ装置として機能する。
コピー機能は、紙媒体の原稿の内容を画像データとして取得し、その画像データを印刷用紙に印刷することで原稿の内容を複写する機能である。また、スキャナ機能は紙媒体の原稿の内容を画像データとして取得する機能であり、プリンタ機能はデータを印刷用紙に印刷する機能である。
画像通信装置1の主機能を含む各種機能は、画像通信装置1の直接的な操作のみならず、クライアント端末23の操作によりネットワークを介して利用することも可能である。画像通信装置1を直接的に操作した場合は、主機能のうちファクシミリ機能、コピー機能及びスキャナ機能を利用できる。一方、ネットワークを介する場合は、主機能のうちファクシミリ機能、スキャナ機能及びプリンタ機能を利用できる。ファクシミリ機能及びスキャナ機能は、直接的に操作する場合と、ネットワークを介する場合との双方で利用できる。
画像通信装置1は、ユーザが直接的に操作して利用する場合と、ネットワークを介して利用する場合とのいずれであっても、利用する前の段階で、ユーザ認証を行うようになっている。ユーザ認証では、アカウント及びパスワードの入力をユーザに対して要求し、ユーザから入力されたアカウント及びパスワードの組み合わせが予め登録されたものと一致すると、当該ユーザは利用権限を有するユーザであると確認される(ユーザ認証の結果が肯定的となる。)。
画像通信装置1を日常的に利用することが想定される個人やグループには、それぞれ利用権限が予め与えられ、固有のアカウントが付与される。このようにして特定の個人やグループに関連付けられたアカウントは、画像通信装置1内に登録される。
ユーザは、ユーザ認証を経てその結果が肯定的であるときに、画像通信装置1にログインできる(正規ログイン)。これにより、通常は、利用権限を有するユーザのみが、画像通信装置1の機能を利用できるようになっている。ただし、利用権限の無いユーザであっても、画像通信装置1の機能を一時的に利用できるように、画像通信装置1では共有アカウントも設定されている。共有アカウントに関してはユーザ認証は行われないため、共有アカウントを入力したときはパスワードを入力せずとも、ユーザは画像通信装置1にログインできる(ゲストログイン)。ただし、ゲストログインしたユーザが利用できる機能は、正規ログインしたユーザが利用できる機能よりも制限的なものとされる。
<2.画像通信装置の構成>
図2は、画像通信装置1の概略構成を示すブロック図である。図2に示すように、画像通信装置1は、装置全体を制御するための主制御部(CPU)10を備えている。画像通信装置1の各処理部は、この主制御部10に対してバスライン9を介して電気的に接続される。これにより、各処理部は、主制御部10の制御下において動作するとともに、処理部同士の間でのデータやコマンドの送受信も可能となっている。
操作パネル8は、ユーザインタフェースとなる処理部であり、ユーザーに対して各種情報を与える表示部81と、ユーザ操作を受け付ける操作部82とを備えている。表示部81は、タッチパネル機能を有する液晶ディスプレイで構成されており、各種情報を表示するとともに、ユーザ操作を受け付けることも可能となっている。操作部82は、各種のユーザ操作を受け付けるために必要な、確定ボタン、数字ボタン、ワンタッチボタン及び短縮ボタン等の各種のボタンから構成されている。画像通信装置1の機能が直接的な操作により利用される場合は、この操作パネル8を介して操作がなされる。
画像読取部83は、CCD等のラインセンサによって紙媒体の原稿を走査して読み取り、当該原稿に係る画像データを取得する処理部である。画像データは、例えば、白黒の2値のデータとして取得される。この画像読取部83により、スキャナ機能、並びに、ファクシミリ機能及びコピー機能における画像取得機能が実現される。
印刷部84は、電子写真方式等によって画像データ等を印刷用紙に印刷する処理部である。この印刷部84により、プリンタ機能、並びに、ファクシミリ機能及びコピー機能における画像印刷機能が実現される。
NCU(ネットワーク制御回路)85及びファックスモデム86は、G3ファクシミリ装置としての通信機能を実現する処理部である。すなわち、NCU85は、公衆電話交換網4の直流ループの閉結及び開放などの動作を行うハードウェア回路であり、必要に応じてファックスモデム86を公衆電話交換網4に接続する。また、ファックスモデム86は、G3ファクシミリ通信用の画像データを変調及び復調する。画像通信装置1がG3ファクシミリ装置として機能する場合には、NCU85及びファックスモデム86により、相手先装置との間で画像データの送受信がなされる。
LANインターフェース87は、クライアント端末23との通信機能、及び、インターネットファクシミリ装置としての通信機能を実現する処理部である。すなわち、LANインターフェース87は、主制御部10及び各処理部をLAN2に接続するためのインターフェース回路であり、プロトコル変換などの処理を行う。
画像通信装置1の機能が、クライアント端末23からネットワークを介して利用される場合には、各種のコマンドがLANインターフェース87により受信されると共に、コマンドに応じた各種のデータがLANインターフェース87から送信される。また、画像通信装置1がインターネットファクシミリ装置として機能する場合には、LANインターフェース87により、画像メールが添付された電子メールがメールサーバ22との間で送受信される。この電子メールはさらに、インターネット3上の多数のメールサーバを経由して相手先装置との間で送受信される。
ROM5は、各種の固定的なデータやプログラムなどを記憶する記憶装置である。主制御部10の各種機能は、ROM5に記憶されたプログラムに従って演算処理を行うことによりソフトウェア的に実現される。この主制御部10の機能には、ユーザ認証を行う機能、主機能を選択的に能動化する機能、及び、環境設定に従って主機能を動作させる機能などが含まれている。
画像メモリ6は、主として画像データを記憶する記憶装置であり、DRAMなど、読出及び書込のいずれも可能なメモリで構成される。画像読取部83によって取得された画像データや、ファクシミリ機能によって受信された画像データは、この画像メモリ6に格納される。
画像メモリ6には、画像データを管理するために複数の画像フォルダ61が設けられており、画像データはいずれかの画像フォルダ61に格納される。画像通信装置1では、登録されたアカウントごとに専用の画像フォルダ(以下、「専用フォルダ」という。)が設けられる。また、これら専用フォルダとは別に、全てのアカウントに共通して用いられる共用の画像フォルダ(以下、「共用フォルダ」という。)も設けられる。
正規ログインしたユーザにより取り扱われた画像データは、当該ユーザのアカウントに対応する専用フォルダに格納される。一方で、ゲストログインしたユーザにより取り扱われた画像データは共用フォルダに格納される。正規ログインしたユーザは、専用フォルダに格納された画像データとともに、共用フォルダに格納された画像データも取り扱うことが可能とされる。しかしながら、ゲストログインしたユーザは、共用フォルダに格納された画像データのみを取り扱うことが可能とされる。
データメモリ7は、適宜変更される各種のデータを記憶する記憶装置であり、フラッシュメモリやMRAMなどの読出及び書込のいずれも可能な不揮発性のメモリで構成される。データメモリ7には、複数の電話帳データ71、及び、複数の通信ログ72が記憶される。
電話帳データ71は、ファクシミリ機能の一部の機能である電話帳機能において使用されるデータであり、データ送信先の候補となる複数の宛先情報が登録されている。ユーザが直接的に操作して画像通信装置1を利用する場合は、ワンタッチボタンを押下するなどの所定の操作を行うと電話帳データ71から宛先情報が呼び出され、呼び出された宛先情報がデータ送信先に設定される。一方、ユーザがネットワークを介して画像通信装置1を利用する場合は、クライアント端末23の画面に表示される所定のコマンドボタンを押下することで電話帳データ71から宛先情報が呼び出され、呼び出された宛先情報がデータ送信先に設定される。
画像通信装置1では、登録されたアカウントごとに専用の電話帳データ(以下、「専用電話帳」という。)が作成される。また、専用電話帳とは別に、全てのアカウントに共通して用いられる共用の電話帳データ(以下、「共用電話帳」という。)も作成される。正規ログインしたユーザは、専用電話帳の宛先情報とともに、共用電話帳の宛先情報も呼び出すことが可能とされる。しかしながら、ゲストログインしたユーザは、共用電話帳の宛先情報のみを呼び出すことが可能とされる。
通信ログ72は、ファクシミリ機能によりなされた画像データの送受信に係る通信履歴を記録したものであり、画像データを送信あるいは受信した日時、相手先装置の識別情報、及び、画像データのページ数等が記録されている。ユーザが直接的に操作して画像通信装置1を利用する場合は、操作パネル8において所定の操作を行うと通信ログ72の通信履歴を閲覧できる。一方、ユーザがネットワークを介して画像通信装置1を利用する場合は、クライアント端末23の画面に表示される所定のコマンドボタンを押下することで、通信ログ72の通信履歴を閲覧できる。
画像通信装置1では、登録されたアカウントごとに専用の通信ログ(以下、「専用ログ」という。)が作成される。また、専用ログとは別に、全てのアカウントに共通して用いられる共用の通信ログ(以下、「共用ログ」という。)も作成される。
正規ログインしたユーザに係る通信履歴は、当該ユーザのアカウントに対応する専用ログに記録される。一方で、ゲストログインしたユーザに係る通信履歴は共用ログに記録される。正規ログインしたユーザは、専用ログの通信履歴とともに、共用ログの通信履歴も閲覧することが可能とされる。しかしながら、ゲストログインしたユーザは、共用ログの通信履歴のみを閲覧することが可能とされる。
<3.アカウントの管理テーブル>
データメモリ7にはまた、アカウントを管理するための3つの管理テーブル、すなわち、認証テーブル73、環境テーブル74及び利用許可テーブル75が記憶されている。
認証テーブル73は、ユーザ認証に用いるための管理テーブルであり、図3に示すように、各レコード73Rごとにアカウントとパスワードとを対応付けたテーブル形式となっている。ユーザ認証においては、アカウントとパスワードとの組み合わせが、認証テーブル73に登録された内容と一致するか否かが確認される。共有アカウント(GUEST)に関してはユーザ認証はなされないため、認証テーブル73において、共有アカウントに対応するパスワードは登録されていない。
環境テーブル74は、アカウントごとの環境設定を示す管理テーブルである。図4は、環境テーブル74の一例を示す図である。図に示すように、環境テーブル74は、各レコード74Rごとに、一のアカウントとそれに対する固有の環境設定とを関連付けたテーブル形式となっている。すなわち、環境テーブル74では、「アカウント」に対して、「画像フォルダ」「電話帳データ」「通信ログ」「発信元名称」及び「メールアカウント」等の環境設定の項目が関連付けられている。
「画像フォルダ」にはアカウントの専用フォルダの識別名称、「電話帳データ」にはアカウントの専用電話帳の識別名称、「通信ログ」にはアカウントの専用ログの識別名称がそれぞれ格納される。前述のように、これら専用フォルダ、専用電話帳及び専用ログはそれぞれアカウントに固有のものである。
また、「発信元名称」には、G3ファクシミリ機能において画像データに付与する発信元特定する名称が格納される。さらに、「メールアカウント」には、インターネットファクシミリ機能において、電子メールに使用するメールアカウントが記載される。これら「発信元名称」及び「メールアカウント」もそれぞれ、アカウントに固有の内容とされる。共有アカウント以外のこれらのアカウントに関しての項目の内容は、適宜ユーザにより変更可能とされている。
また、共有アカウント(GUEST)に関しては、環境テーブル74において、デフォルトの環境設定(初期設定)が関連付けられている。なお、環境設定の項目は、図4に示すものに限定されず、例えば、G3ファクシミリ機能の画質、表示フォントの種類など、他の項目が存在してよい。
利用許可テーブル75は、主機能のそれぞれを能動化するか否かを示す利用許可設定をアカウントごとに示す管理テーブルである。画像通信装置1では、ユーザがログインする前の時点では、全ての主機能が非能動化されており(無効とされ)、ユーザがログインした時点で主機能が選択的に能動化される(有効とされる)。利用許可設定は、ログインした時点で、主機能のいずれを能動化するかを示すものである。したがって、利用許可テーブル75は、アカウントごとに、主機能のそれぞれの利用を許可するか否かを示すデータに相当する。
図5は、利用許可テーブル75の一例を示す図である。図に示すように、利用許可テーブル75は、各レコード75Rごとに、一のアカウントとそれに対する固有の利用許可設定とを関連付けたテーブル形式となっている。すなわち、利用許可テーブル75では、「アカウント」に対して、「ファクシミリ」「コピー」「プリンタ」及び「スキャナ」の機能に係る項目が関連付けられており、これらの各項目には当該機能を能動化するか否かが設定されている。具体的には、レコード75Rの各項目には、機能を能動化する(利用を許可する)ときは「可」、能動化しない(利用を許可しない)ときは「不可」が設定される。このような利用許可設定に従って主機能が選択的に能動化される。
図5に示すように、本実施の形態では、共有アカウント(GUEST)に関してはファクシミリ機能のみを能動化する設定がなされ、共有アカウント(GUEST)以外のアカウントに関しては全ての主機能を能動化する設定がなされている。すなわち、ゲストログインしたユーザが利用できる機能はファクシミリ機能のみとなり、正規ログインしたユーザが利用できる機能よりも制限されることとなる。
<4.直接的な操作による利用>
次に、ユーザが画像通信装置1を直接的に操作して画像通信装置1を利用する場合の画像通信装置1の動作の流れについて説明する。図6は、画像通信装置1を直接的に操作して利用する場合における画像通信装置1の動作の流れを示す図である。
まず、ユーザ認証を行うために、表示部81において、アカウント及びパスワードの入力を促す画面が表示される(ステップS11)。ユーザは、この画面を参照しつつ操作部82やタッチパネルとしての表示部81を操作することで、アカウント及びパスワードを入力することができる。
入力の後、操作部82の確定ボタンが押下されると、次に、入力されたアカウントが共有アカウントであるか否かが主制御部10により確認される(ステップS12)。
共有アカウントでない場合は(ステップS12にてNo)、続いて、入力されたアカウント、パスワード及び認証テーブル73に基づいて、主制御部10によりユーザ認証がなされる(ステップS13)。ユーザ認証の結果が否定的な場合は(ステップS14にてNo)、処理はステップS11に戻る。
一方、ユーザ認証の結果が肯定的な場合は(ステップS14にてYes)、続いて、入力されたアカウントに対応する環境設定が、環境テーブル74から読み出されて取得され(ステップS15)、処理はステップS17に進む(正規ログイン)。
また、入力されたアカウントが共有アカウントの場合は(ステップS12にてYes)、ユーザ認証を行うことなく、デフォルトの環境設定がROM5などから取得された後(ステップS16)、処理はステップS17に進む(ゲストログイン)。
ステップS17では、利用許可テーブル75が参照され、入力されたアカウントに固有の利用許可設定が取得される。そして、取得された利用許可設定に従って、主制御部10により、主機能が選択的に能動化される(ステップS18)。本実施の形態では、図5に示す利用許可テーブル75が参照されるため、正規ログインの場合は、ファクシミリ機能、コピー機能及びスキャナ機能の全ての機能が能動化される。一方、ゲストログインの場合は、ファクシミリ機能のみが能動化され、コピー機能及びスキャナ機能に関しては利用できないように制限される。
機能が能動化されると、以降は、ユーザから操作パネル8を介した動作指示を待機する指示待機状態となる(ステップS19)。この指示待機状態において、ユーザから何らかの動作指示がなされた場合は(ステップS19にてYes)、その動作指示に対応する動作がなされる。このとき、主制御部10により、ステップS15あるいはS16で取得された環境設定に従うように、主機能の動作が制御される(ステップS20)。
具体的には、正規ログインの場合に画像データのG3ファクシミリ機能による送信の動作指示がなされたときは、送信対象とする画像データには、入力アカウントに係る発信元名称が自動的に付与されるとともに、画像データは入力アカウントの専用フォルダに格納される。また、宛先情報を呼び出す動作指示がなされたときは、入力アカウントの専用電話帳及び共用電話帳が参照される。また、通信ログ72の通信履歴を閲覧する動作指示がなされたときは、入力アカウントの専用ログ及び共用ログの通信履歴が閲覧対象とされる。
また、指示待機状態において、ログアウトを行う指示がなされたとき(ステップS21にてYes)、あるいは、動作指示が所定時間なされなかったときは(ステップS22にてYes)、ログアウト処理がなされ、処理はステップS11に戻ることとなる。
<5.ネットワークを介した利用>
次に、ユーザがクライアント端末23を操作してネットワークを介して画像通信装置1を利用する場合の画像通信装置1の動作の流れについて説明する。図7は、画像通信装置1をネットワークを介して利用する場合における画像通信装置1の動作の流れを示す図である。
ネットワークを介して画像通信装置1を利用する場合においては、まず、ユーザはクライアント端末23に予めインストールされた汎用のWebブラウザを起動し、Webブラウザに対して画像通信装置1のIPアドレスを入力する。これにより、画像通信装置1からクライアント端末23に所定のHTMLファイルが送信され、アカウント及びパスワードの入力を促す認証画面がクライアント端末23のディスプレイに表示される(ステップS31)。ユーザは、この認証画面を参照しつつクライアント端末23を操作することで、アカウント及びパスワードを入力することができる。
認証画面には、入力を確定するためのコマンドボタンが表示される。アカウント及びパスワードの入力の後、当該コマンドボタンが押下されると、入力されたアカウント及びパスワードが画像通信装置1に送信される。
これに応答して画像通信装置1では、まず、入力されたアカウントが共有アカウントであるか否かが主制御部10により確認される(ステップS32)。共有アカウントでない場合は(ステップS32にてNo)、続いて、入力されたアカウント、パスワード及び認証テーブル73に基づいて、主制御部10によりユーザ認証がなされる(ステップS33)。ユーザ認証の結果が否定的な場合は(ステップS34にてNo)、処理はステップS31に戻る。
一方、ユーザ認証の結果が肯定的な場合は(ステップS34にてYes)、続いて、入力されたアカウントに対応する環境設定が、環境テーブル74から読み出されて取得され(ステップS35)、処理はステップS37に進む(正規ログイン)。
また、入力されたアカウントが共有アカウントの場合は(ステップS32にてYes)、ユーザ認証を行うことなく、デフォルトの環境設定がROM5などから取得された後(ステップS36)、処理はステップS37に進む(ゲストログイン)。
ステップS37では、利用許可テーブル75が参照され、入力されたアカウントに固有の利用許可設定が取得される。そして、取得された利用許可設定に従って、主制御部10により、主機能が選択的に能動化される(ステップS38)。本実施の形態では、図5に示す利用許可テーブル75が参照されるため、正規ログインの場合は、ファクシミリ機能、プリンタ機能及びスキャナ機能の全ての機能が能動化される。一方、ゲストログインの場合は、ファクシミリ機能のみが能動化され、プリンタ機能及びスキャナ機能に関しては利用できないように制限される。
機能が能動化されると、続いて、画像通信装置1からクライアント端末23に所定のHTMLファイルが送信され、これにより、ユーザから動作指示を受け付ける操作画面がクライアント端末23のディスプレイに表示される(ステップS39)。ユーザは、この操作画面を参照しつつ、クライアント端末23を操作することで、画像通信装置1に動作指示を行うことができる。
ユーザから何らかの動作指示がなされた場合は(ステップS39にてYes)、その動作指示に対応する動作がなされる。このとき、主制御部10により、ステップS35あるいはS36で取得された環境設定に従うように、主機能の動作が制御される(ステップS40)。
この動作の具体的内容は、上述した直接的に操作して利用する場合と同様である。すなわち正規ログインの場合に画像データのG3ファクシミリ機能による送信の動作指示がなされたときは、送信対象とする画像データには、入力アカウントに係る発信元名称が自動的に付与されるとともに、画像データは入力アカウントの専用フォルダに格納される。また、宛先情報を呼び出す動作指示がなされたときは、入力アカウントの専用電話帳及び共用電話帳が参照される。また、通信ログ72の通信履歴を閲覧する動作指示がなされたときは、入力アカウントの専用ログ及び共用ログの通信履歴が閲覧対象とされる。
このように、画像通信装置1は、ネットワークを介して利用する場合と、直接的に操作して利用する場合とのいずれであっても、同一の入力アカウントに関しては、当該入力アカウントの環境設定に従って動作することとなる。したがって、ネットワークを介して利用する場合と直接的に操作して利用する場合とにおいてユーザに提供される環境が同一となるので、ユーザは違和感を感じることなく画像通信装置1を操作することができる。
操作画面においては、ログアウトを行う指示を行うことが可能とされる。ログアウトを行う指示がなされたとき(ステップS41にてYes)、あるいは、動作指示が所定時間なされなかったときは(ステップS42にてYes)、ログアウト処理がなされ、処理はステップS31に戻ることとなる。
以上説明したように、画像通信装置1では、ネットワークを介して利用する場合と、直接的に操作して利用する場合とのいずれであるかにかかわらず、入力されたアカウントに対応する環境設定が読み出され、この環境設定に従って主機能の動作に係る環境(動作環境)が設定される。したがって、ネットワークを介して利用する場合と、直接的に操作して利用する場合とのいずれであっても、同一の環境をユーザに提供することができる。
また、画像通信装置1は、共有アカウントが入力されたとき、ユーザ認証を行うことなく機能を能動化するため、利用権限のないユーザであっても、共有アカウントの入力により画像通信装置を使用できる。
また、画像通信装置1は、入力されたアカウントの利用許可設定に従って主機能のそれぞれを選択的に能動化するため、ゲストログインしたユーザが利用可能な機能に関して制限をかけることができる。
<6.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
上記実施の形態では、共有アカウントに関してのみ機能を能動化しない設定がなされていたが、もちろん他のアカウントに関しても個別に機能を能動化しない設定がなされてもよい。このようにすることで、それぞれのアカウントに応じて選択的な利用制限を行うことができる。
また、上記実施の形態の利用許可テーブル75においては、主機能のみに関しての利用許可設定が含まれていたが、電話帳機能などのその他の機能に関しての利用許可設定が含まれてもよい。
また、上記実施の形態では、ユーザ認証の結果が否定的な場合はアカウントとパスワードとを再び要求するようにしているが、共有アカウントを入力した場合と同様にゲストログインするようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、プログラムに従ったCPUの演算処理によってソフトウェア的に各種の機能が実現されると説明したが、これら機能のうちの一部は電気的なハードウェア回路により実現されてもよい。また逆に、ハードウェア回路によって実現されるとした機能のうちの一部は、ソフトウェア的に実現されてもよい。
画像通信装置が適用されるネットワークシステムの一例を示す図である。 画像通信装置の概略構成を示すブロック図である。 認証テーブルの一例を示す図である。 環境テーブルの一例を示す図である。 利用許可テーブルの一例を示す図である。 直接操作時における画像通信装置の動作の流れを示す図である。 ネットワーク利用時における画像通信装置の動作の流れを示す図である。
符号の説明
1 画像通信装置
10 主制御部
23 クライアント端末
73 認証テーブル
74 環境テーブル
75 利用許可テーブル
100 ネットワークシステム

Claims (3)

  1. 画像通信装置であって、
    環境設定の情報を各アカウントに対応させて記憶する記憶手段と、
    ネットワーク通信と装置本体の操作部とのいずれを用いてもアカウントが入力可能とされ、これらのいずれを用いて入力されたかにかかわらず、入力されたアカウントに対応する環境設定を前記記憶手段から読出して、前記画像通信装置の機能部の動作環境を設定する制御手段と、
    を備え
    前記制御手段は、さらに、
    i) 登録された各アカウントに対応する専用の通信ログを、専用ログとして、
    ii) ゲストログインしたユーザを含む全てのアカウントの通信ログを、共用ログとして、
    それぞれ前記記憶手段に登録するとともに、
    正規ログインしたユーザは、対応する前記専用ログと、前記共用ログと、のいずれも閲覧可能とされていることを特徴とする画像通信装置。
  2. 請求項1に記載の画像通信装置において、
    前記制御手段は、所定の共有アカウントが入力されたとき、ユーザ認証を行うことなく前記機能部を能動化することを特徴とする画像通信装置。
  3. 請求項1に記載の画像通信装置において、
    前記記憶手段は、前記機能部が実現可能な複数の機能のそれぞれを能動化するか否かを示す利用許可設定を前記各アカウントに対応させて記憶し、
    前記制御手段は、入力されたアカウントに対応する利用許可設定に従って前記複数の機能を選択的に能動化することを特徴とする画像通信装置。
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