JP4511712B2 - 転圧車両 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、路面の転圧施工等に使用される転圧車両に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8において、マカダム型ローラ50は3輪のロールを有する型式の転圧車両であり、前部車体(車体51)を挟んで左右一対に前輪として前ロール52が配設される。図示したタイプは一般にアーティキュレート式と呼ばれ、後部車体を構成する機枠(フレーム55)は連結部54を介して車体51に接続している。後輪の後ロール53はこのフレーム55に軸装される。前ロール52,後ロール53にはそれぞれ走行用油圧モータ56が内蔵されている。連結部54は、フレーム55を車体51に対し、左右方向に旋回可能とする第1回転機構部57と、うねりのある路面に対応させるべく、車両の前後方向の軸回りに回動(揺動)可能とする第2回転機構部58を有している。
【0003】
図9に従来の連結部54の具体的構造を示す。車体51内において、車体51の後面を形成する壁板59の下部には補強板60を介して角鋼管からなるビーム材61が車両の幅方向に延設するように固着されている。ビーム材61には前後方向を軸とするピン62が固着され、このピン62の前後端に軸受63,63を介しヨーク64が回動可能に取り付けられる。ヨーク64は壁板59の開口部を通って車体51の外部後方に延設され、その後部には鉛直方向を軸とするピン65が固着されており、このピン65の上下端に軸受66,66が取り付けられている。軸受66はそのアウタケースがフランジ部67を形成し、フレーム55の前面の壁板55aにボルト68にて締結固定される。図8(b)に示すように、車体51とフレーム55との間には操向用の油圧シリンダ69が取り付けられており、ステアリングハンドルSを操作することでそのシリンダロッドが伸縮し、ピン65を支軸としてフレーム55が車体51に対し左右方向に旋回する。また路面にうねりがある場合などにはヨーク64がピン62回りに回動することで、フレーム55が車体51に対し前後方向の軸回りに回動し、これにより前ロール52,後ロール53が共に路面のうねりに追従するようになっている。
【0004】
なお図8に示す符号70は、アスファルト合材等の付着を防止する目的で、転圧作業中にロールの表面に水を霧状に散布する散水ノズル、符号71はブラケットに取り付けられ、散水ノズル70を車両幅方向に複数取り付けた散水配管を示し、この散水配管71と図示しないホースで連通した散水タンク72がフレーム55内において後ロール53の前寄りに取り付けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
運転者にとって、運転席からの視界が良好で死角の少ない車両が望ましいのは勿論であり、特に車両前方に関する視界性は転圧作業中の路面状態の把握や車両発進時における前方障害物の把握という点からも重要である。前記マカダム型ローラ50の場合、車体51の前部上方はボンネット73として形成されており、運転席に着座した作業者の前方視界の下限は図8(b)に点線で示すようにこのボンネット73の高さ位置により決定される。したがって、このボンネット73の位置を低くすることで前方視界が拡大し、より近傍の地上を見下ろせるようになる。
【0006】
しかし、従来にあっては以下に示す理由によりボンネット73の位置を低くすることが困難であった。車体51内において、エンジンEはその出力軸(図示せず)を後側に向けて載置されており、走行用油圧ポンプ74がエンジンEの出力軸に嵌装するかたちで取り付けられている(符号75はフライホイールハウジングを示し、具体的には走行用油圧ポンプ74のケーシングはこのフライホイールハウジング75に取り付けられる)。走行用油圧ポンプ74は可変容量形のポンプであり、ホース等の油圧配管(図示せず)により前記各走行用油圧モータ56と接続して油圧の閉回路(HST(ハイドロスタティックトランスミッション)回路)を構成する。エンジンEの前側には冷却ファン76が位置し、冷却ファン76の前寄りにラジエータ77が載置される。なお、エアクリーナ78は車体51の外部後方に設置される。
【0007】
ボンネット73の位置を低くするためには、これらの搭載装置を車体51内の後方或いは下方にレイアウトさせる必要がある。しかし、走行用油圧ポンプ74は修理やメンテナンスのためにエンジンEから単独で取り外す必要があるところ、前記したようにこの走行用油圧ポンプ74はエンジンEの出力軸に嵌装して取り付けられる構造であることから、出力軸からの抜き代を考慮して車体51の後面の壁板59との間に所定の寸法(図8(b)に示す符号L1)を確保しなければならず、このためにエンジンE等の搭載装置全体を後方にレイアウトできないという問題があった。
【0008】
仮にこの抜き代の問題を解消すべくエンジンEを逆向き、つまり出力軸を前側とするレイアウトにしても、車体51内の後方下部には前記したように連結部54(第2回転機構部58)のビーム材61,ピン62,ヨーク64等の構成部材が配置されているため、冷却ファン76やラジエータ77がこれらと干渉し、やはりエンジンE等の搭載装置を後方寄りにレイアウトすることが困難となる。また、エンジンEを下方にレイアウトさせる場合にしても、狭幅な車体51内において両側の走行用油圧モータ56には前記したようにホース等の油圧配管が接続しており、そのため車体51内における走行用油圧モータ56の側部にはホース接続用の継手の配置スペースやホースの曲げ代分のスペースが必要であり、したがってこれらと干渉してしまうため幅広なエンジンEを下方にレイアウトできないという問題があった。
【0009】
本発明は、以上のような問題を解決するために創作されたものであり、エンジンを車体の後方寄り或いは下方寄りにレイアウト可能であり、これにより車体の前部を低く形成でき、運転席からの前方視界が拡大し得る転圧車両を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するため、上部に運転席を備えた前部車体と、前部車体の内部に載置されるエンジン及びその出力軸に嵌装して取り付けられる走行用油圧ポンプと、走行用油圧ポンプにより作動し、その固定部が前部車体の側部に取り付けられる左右一対の走行用油圧モータと、前記各走行用油圧モータの出力部に取り付けられることにより、前部車体の側部に片持ち支持されて軸装される左右一対の前ロールと、後部車体に軸装される後ロールと、前部車体と後部車体とを連結する連結部とを備えたアーティキュレート式の転圧車両であって、前記連結部を、後部車体を前部車体に対し、左右方向に旋回可能とする第1回転機構部と、車両前後方向の軸回りに回動可能とする旋回座ベアリングよりなる第2回転機構部とから構成し、前記第1回転機構部を後部車体に取り付け、前記旋回座ベアリングを前部車体の後部の壁板の外側に取り付けて、前部車体の内部への前記第2回転機構部の突出部分をなくし、エンジンを下方にレイアウトするにあたり、出力軸を前方に位置させ、前記各走行用油圧モータの固定部に接続する油圧配管と干渉しないようにエンジンを前記走行用油圧モータよりも後方寄りに載置する構成とした。
【0012】
また、運転席からの前方視界が拡大するように、前部車体を、前方向に向けて漸次、前部車体の高さが低くなるように傾斜状に形成した。
【0013】
また、運転席からの前方視界において、運転席のパネル盤により決定される最下視線よりも下方視野外にボンネットを配設した。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面に基づき説明する。本形態は転圧車両をマカダム型ローラとした場合を示す。図1は本発明を実施したマカダム型ローラの外観図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、図2は前部車体の内部構造を示した場合のマカダム型ローラの平面説明図、図3は同側面説明図、図4は同正面説明図である。また、図5は連結部の説明図であり、(a)は平面説明図、(b)は側面説明図である。また、図6はボンネットの位置をさらに低くした場合を示す側面説明図、図7はキャビン仕様車の場合の側面図である。
【0015】
図1において、マカダム型ローラRは前部車体(以降、これを単に車体という)1の上部後方に左右一対として運転席2を備え、前輪として、車体1を挟んで左右一対に前ロール3を備える。車体1の前部上方はエンジンルームを覆う開閉自在なボンネットBとして形成されている。構造物の壁際ぎりぎりまで転圧可能なように、前ロール3の各外側面は、車体1の外側部位(本例では運転席2に登るためのステップ4の外側部位を指す)よりも車両幅方向に関し外側に位置している。前ロール3は図2に示すように、それぞれ走行用油圧モータ5を備えており、車体1の側板1aの部位で片持ち支持されて軸装される。
【0016】
走行用油圧モータ5は後に詳述する走行用油圧ポンプ35からの圧油の供給を受けて作動する可変容量型の油圧モータであり、運転席回りの前後進レバー(図示せず)によりコントロールケーブル等を介して走行用油圧ポンプ35からの圧油の吐出量及び流れ方向を制御することで、回転数及び回転方向が変わり、車両の走行速度の調整や前後進の切り替えが行われるようになっている。後ロール6側に内蔵された走行用油圧モータ(図示せず)も含め、走行用油圧ポンプ35と各走行用油圧モータ5はホース37等からなる油圧配管36(図2,図4)により接続され、図示しない閉回路(HST回路)をなす。
【0017】
車体1に対する前ロール3の片持ち支持構造として、本形態では図2,図4に示すように、走行用油圧モータ5の固定部5aを車体1の側板1aに取り付け、出力部5bを前ロール3内に固設したブラケット3aに取り付けている。場合によっては、固定部5aと側板1aとの間に弾性材料等からなる防振手段(図示せず)を介在させる。
【0018】
マカダム型ローラRはアーティキュレート式のローラであり、図1において、後部車体を構成する上面視コの字形のヨーク状の機枠(以降、フレームという)8は連結部7を介して車体1の後部に接続する。後ロール6はこのフレーム8に両端支持により軸装され、前ロール3側と同様に走行用油圧モータ(図示せず)を備える。後ロール6は図1(a)からも判るように、踏み残しのないように前ロール3,3と若干の重なり幅を有するように中央のロールとして配設される。なお、符号9は、アスファルト合材の付着を防止する目的で、転圧作業中、連続的或いは間欠的にロールの表面に水を霧状に散布する散水ノズル、符号10はブラケット10aに取り付けられ、散水ノズル9を車両幅方向に複数取り付けた散水配管を示しており、この散水配管10と図示しないホースで連通した散水タンク11がフレーム8内において後ロール6の前寄りに取り付けられている。
【0019】
図3において、前記連結部7は、車体1とフレーム8とを左右方向に旋回可能とする第1回転機構部12と、前後方向の軸回りに回動可能とする第2回転機構部13とを有している。本発明では図5に示すように、一方の第2回転機構部13を旋回座軸受(旋回座ベアリング)14から構成し、車体の内部へ突出しないように旋回座ベアリング14を車体1の後面の外側に配置させている。
【0020】
図5において、旋回座ベアリング14は本形態ではラジアル玉軸受からなり、アウタケース15とボール16とインナケース17とから構成される。車体1の後面は鉛直状の壁板18として形成されており、アウタケース15がこの壁板18の外側において複数のボルト19により締結固定され(場合によっては壁板18の内側においてボルト19を突出させ、ナットを螺合させる態様とする)、インナケース17が複数のボルト20によりヨーク21に締結固定される。勿論、インナケース17を壁板18側に取り付け、アウタケース15をヨーク21側に取り付ける構造としても良い。
【0021】
第1回転機構部12においては基本的に従来と同様の構造であり、ヨーク21の後部には、上下端がそれぞれ突出するようにピン22が鉛直状に固着されており、このピン22の上下端の突出部位にそれぞれ軸受23が取り付けられる。軸受23はそのアウタケース側がそのままフランジ部24を形成しており、このフランジ部24の部位にてフレーム8の前面の壁板8aに複数のボルト25にて締結固定される。
【0022】
連結部7の構成は以上の通りであり、フレーム8は車体1に対し、旋回座ベアリング14を介し前後方向の軸回りに回動自在となる。また、車体1の底部とフレーム8の壁板8aの下部との間には操向用の油圧シリンダ26(図3)が取り付けられており、ステアリングハンドルS(図1)を操作することでそのシリンダロッドが伸縮し、前記ピン22を支軸として車体1とフレーム8が互いに旋回する。
【0023】
なお、場合によっては、前記連結部7を前後方向に関し逆向きにレイアウトする構成、つまり、旋回座ベアリング14をフレーム8の壁板8a側に取り付け、フランジ部24を車体1の壁板18側に取り付ける構成としても良い。
【0024】
而して、車体1とフレーム8との間のラジアル荷重,スラスト荷重及びモーメント荷重はいずれも旋回座ベアリング14によって支持されることになり、しかも旋回座ベアリング14はその高さ(図5における左右方向の寸法を指す)が低いために、車体1の壁板18とフレーム8の壁板8aとの間の狭隘な空間に容易に収まるものである。以上のように、車体1の内部へ突出しないように旋回座ベアリング14を車体1の後面の外側に配置させることにより、従来において車体の内部後方に設置されていた連結部に関する構成部材の占有スペースが空くこととなる。本発明はこのスペースを利用してエンジンをレイアウトするものであり、出力軸(図示せず)が前方に位置するようにしてエンジンEを車体1内に載置する。
【0025】
エンジンEは、上方にピストンを内蔵するシリンダブロックが、下方にクランクシャフトを内蔵するクランクケースが位置するように載置される。図3に示すように、エンジンEの前側上部にはエアクリーナ31が取り付けられ、エンジンEの後側に冷却ファン32が取り付けられる。冷却ファン32の後方にはラジエータ33が載置される。エンジンEの前側、前記エアクリーナ31の下方にはフライホイールハウジング34が取り付けられており、エンジンEの出力軸はこのフライホイールハウジング34内を貫通して前方に突出している。走行用油圧ポンプ35はこの突出した出力軸の部位に前後方向に沿って嵌装するかたちで取り付けられ、そのケーシングがフライホイールハウジング34にボルト締結される。
【0026】
走行用油圧ポンプ35は例えば斜板式可変容量形ポンプであり、運転席の前後進用レバーの傾動操作に連動して内部の斜板の角度が切り換わるようになっており、これによって前記した閉回路における圧油の量及び流れが制御され、走行用油圧モータ5の回転が制御される。前後進用レバーをニュートラルの位置にすると前記斜板もニュートラルの位置になり、圧油の循環が遮断されて車両は走行停止となる。
【0027】
以上のように、エンジンEの出力軸を前側に位置させる、すなわち走行用油圧ポンプ35をエンジンEの前側に位置させることにより、従来のように、車体1の後部の壁板18との関係においてエンジンEの出力軸に対する走行用油圧ポンプ35の抜き代を考慮する必要がなくなるため、エンジンEを従来に比べて車体1内の後方寄りにレイアウトできることとなる。勿論この後方寄りのレイアウトは、前記したように旋回座ベアリング14を車体1の後面の外側に配置して、従来において車体の内部後方に設置されていた連結部に関する構成部材の占有スペースを空けたことで達せられるものである。
【0028】
したがって、エンジンEを含め,ラジエータ33や走行用油圧ポンプ35等、エンジンEの付随装置も後方にレイアウトできる分、車体1の前方部に開放された空間を形成できることとなり、例えば前記したようにエアクリーナ31をこの空間部に配置できるなどレイアウト設計の自由度が拡がるうえ、この空間を利用して車体1の前部(ボンネットB)を低く形成することで運転席からの前方視界を拡大でき、作業性,安全性に優れた転圧車両を構築できることとなる。なお、ラジエータ33の給水等のメンテナンスはフロアFに設けた開閉扉付きの開口部(図示せず)等を介して行われる。
【0029】
さらに、図3に示すように、エンジンEを前ロール3の車軸位置よりも後方寄り、つまり側面視においてエンジンEを走行用油圧モータ5よりも後方寄りに載置させることで、図2から判るように走行用油圧モータ5に接続する油圧配管36(ホース37や継手38)との干渉を回避できるので、エンジンEを従来に比べて下方にレイアウトできるようになる。したがって、低重心で安定性に優れた転圧車両になるとともに、エンジンEを下げた分、ボンネットBをさらに低く形成でき、運転席からの前方視界がより良好となるうえ、車体1の後部における高さ、具体的には運転席のフロアFの位置も下げることができるため、乗降性に優れた転圧車両とすることができる。
【0030】
また、フロアFの低位置化は以下に示すように車両の輸送性に関しても顕著な効果を奏する。一般に転圧車両は施工現場への往来においてトラックやトレーラの荷台に積載されて輸送される。道路交通法では荷台に積載した状態での運搬車の全高規制値は3.8mであり、この点から積載される側の転圧車両も設計上、車両高さに関する制限を受ける。図7に示すマカダム型ローラRは、運転席2を囲むキャビンCを備えたキャビン仕様車であり、従来のキャビン仕様車においてはフロアFの位置が高かったため、また運転者の所定のヘッドクリアランスの確保のためキャビン自体の高さ寸法も小さくできないことから、車両高さが大きくならざるを得なかった。そのため、従来のキャビン仕様車においては、キャビンが油圧シリンダにより昇降可能に構成されており、例えば低床式トレーラ等に積載する場合にはキャビンを降ろすことで前記した全高規制値3.8mに適合させるという方法が採られていた。しかし、この昇降可能なキャビンは高価なものとなり、また積載輸送の度にキャビンを昇降させるという煩わしさもある。これに対し、本発明によればフロアFの位置を低くできる、つまり車両高さを低くできるため、キャビンCに昇降機能を付加することなく、キャビンCを車体1に対し固定式として設計できるようになり、低床式トレーラの荷台にそのまま積載しての輸送が可能となる。
【0031】
次いで、車体1の前部(ボンネットB)を低くする態様としては、例えば前方に向けて漸次車体の高さが低くなるように傾斜状に形成する等である。本形態においては図3に示すように、運転席上の所定のアイポイントEP(例えばシーティングレファレンスポイントから垂直上方635±5mmの高さでの座席中心線を対称にはさんだ間隔65mmの2点)から前方を見下ろした場合の最下視線において、ボンネットBにより決定される最下視線P1が、前ロール3により決定される最下視線P2よりも下方に位置するようにボンネットBを低く傾斜状に形成している。これにより車体1の前方の地上部をより広範囲に見渡せるようになり、死角が小さく安全性の高い且つ作業性に優れた転圧車両となる。
【0032】
図3に示したマカダム型ローラRにおいては、ボンネットBの下面側の前部に仕切り板41を取り付けることによりエンジン音の防音手段も兼ねる冷却風の吸入ダクトDを形成しているが、このダクトをボンネットBの下方の上面部又はボンネットBの側部などに設ける場合等には、図6に示すように、運転席における計器用のパネル盤Pの上端部P1により決定される最下視線P3よりも下方視野外となる位置までボンネットBを低く形成することも可能であり、この場合前方視界性がさらに向上することになる。また、パネル盤Pによってではなく、車体1の前下端部42によって運転者の最下視線が決定されるように設計することも可能である。
【0033】
以上、本発明について好適な実施形態を説明したが、本発明はこれらの形態に限られることなく、各構成要素の形状やレイアウト等についてその趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば次のような効果が奏される。
連結部を、後部車体を前部車体に対し、左右方向に旋回可能とする第1回転機構部と、車両前後方向の軸回りに回動可能とする旋回座ベアリングよりなる第2回転機構部とから構成し、第1回転機構部を後部車体に取り付け、旋回座ベアリングを前部車体の後部の壁板の外側に取り付けて、前部車体の内部への第2回転機構部の突出部分をなくし、出力軸を前方に位置させたことにより、エンジンや走行用油圧ポンプ等の搭載装置を従来に比して前部車体内において後方寄りにレイアウトでき、その分、前部車体の前方に開放された空間を形成できる。したがって、その他の搭載機器のレイアウト設計や前部車体の設計の自由度が拡がり、例えばこの空間を利用して前部車体のボンネットを低く形成することで運転席からの前方視界を拡大でき、作業性及び安全性に優れた転圧車両を構築できる。
そして、各走行用油圧モータの固定部に接続する油圧配管と干渉しないようにエンジンを走行用油圧モータよりも後方寄りに載置すれば、エンジンを従来に比べて下方にレイアウトでき、低重心で安定性に優れた転圧車両になる。また、前部車体のボンネットをさらに低く形成できるため、運転席からの前方視界がより良好となるうえ、運転席のフロアの位置も下げることができるため、乗降性に優れた転圧車両となる。特に、キャビン仕様車の場合には、フロアの位置を下げることでキャビンを固定式にできるため、経済的且つ輸送性に優れた転圧車両となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したマカダム型ローラの外観図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図2】前部車体の内部構造を示した場合のマカダム型ローラの平面説明図である。
【図3】前部車体の内部構造を示した場合のマカダム型ローラの側面説明図である。
【図4】前部車体の内部構造を示した場合のマカダム型ローラの正面説明図である。
【図5】連結部の説明図であり、(a)は平面説明図、(b)は側面説明図である。
【図6】ボンネットの位置をさらに低くした場合を示す側面説明図である。
【図7】キャビン仕様車の場合の側面図である。
【図8】従来のマカダム型ローラの説明図であり、(a)は平面説明図、(b)は側面説明図である。
【図9】従来の連結部の構造を示す側面説明図である。
【符号の説明】
R マカダム型ローラ
C キャビン
E エンジン
P パネル盤
1 車体(前部車体)
3 前ロール
5 走行用油圧モータ
6 後ロール
7 連結部
8 フレーム(後部車体)
14 旋回座ベアリング
31 エアクリーナ
32 冷却ファン
33 ラジエータ
34 フライホイールハウジング
35 走行用油圧ポンプ

Claims (3)

  1. 上部に運転席を備えた前部車体と、
    前部車体の内部に載置されるエンジン及びその出力軸に嵌装して取り付けられる走行用油圧ポンプと、
    走行用油圧ポンプにより作動し、その固定部が前部車体の側部に取り付けられる左右一対の走行用油圧モータと、
    前記各走行用油圧モータの出力部に取り付けられることにより、前部車体の側部に片持ち支持されて軸装される左右一対の前ロールと、
    後部車体に軸装される後ロールと、
    前部車体と後部車体とを連結する連結部とを備えたアーティキュレート式の転圧車両であって、
    前記連結部を、後部車体を前部車体に対し、左右方向に旋回可能とする第1回転機構部と、車両前後方向の軸回りに回動可能とする旋回座ベアリングよりなる第2回転機構部とから構成し、
    前記第1回転機構部を後部車体に取り付け、
    前記旋回座ベアリングを前部車体の後部の壁板の外側に取り付けて、前部車体の内部への前記第2回転機構部の突出部分をなくし、
    エンジンを下方にレイアウトするにあたり、出力軸を前方に位置させ、前記各走行用油圧モータの固定部に接続する油圧配管と干渉しないようにエンジンを前記走行用油圧モータよりも後方寄りに載置した、
    ことを特徴とする転圧車両。
  2. 運転席からの前方視界が拡大するように、前部車体を、前方向に向けて漸次、前部車体の高さが低くなるように傾斜状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の転圧車両。
  3. 運転席からの前方視界において、運転席のパネル盤により決定される最下視線よりも下方視野外にボンネットを配設したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の転圧車両。
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