JP2002146716A - 転圧車両 - Google Patents

転圧車両

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JP2002146716A
JP2002146716A JP2000339809A JP2000339809A JP2002146716A JP 2002146716 A JP2002146716 A JP 2002146716A JP 2000339809 A JP2000339809 A JP 2000339809A JP 2000339809 A JP2000339809 A JP 2000339809A JP 2002146716 A JP2002146716 A JP 2002146716A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】車体の前部を低く形成でき、運転席からの前方
視界が拡大し得る転圧車両を提供する。 【解決手段】上部に運転席2を備えた車体1と、車体1
の内部に載置されるエンジンE及びその出力軸に嵌装し
て取り付けられる走行用油圧ポンプ35と、走行用油圧
ポンプ35により作動する走行用油圧モータを備え、車
体1の側板1aに片持ち支持されて軸装される左右一対
の前ロール3と、フレーム8に軸装される後ロール6
と、車体1とフレーム8とを、左右方向に旋回可能に且
つ前後方向の軸回りに回動可能に連結する連結部7と、
を備えたアーティキュレート式の転圧車両であって、連
結部7において、車体1の内部へ突出しないように旋回
座ベアリング14を車体1の後面の外側に配置し、且
つ、車体1の内部において出力軸が前方に位置するよう
にエンジンEを載置する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、路面の転圧施工等
に使用される転圧車両に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8において、マカダム型ローラ50は
3輪のロールを有する型式の転圧車両であり、前部車体
(車体51)を挟んで左右一対に前輪として前ロール5
2が配設される。図示したタイプは一般にアーティキュ
レート式と呼ばれ、後部車体を構成する機枠(フレーム
55)は連結部54を介して車体51に接続している。
後輪の後ロール53はこのフレーム55に軸装される。
前ロール52,後ロール53にはそれぞれ走行用油圧モ
ータ56が内蔵されている。連結部54は、フレーム5
5を車体51に対し、左右方向に旋回可能とする第1回
転機構部57と、うねりのある路面に対応させるべく、
車両の前後方向の軸回りに回動(揺動)可能とする第2
回転機構部58を有している。
【0003】図9に従来の連結部54の具体的構造を示
す。車体51内において、車体51の後面を形成する壁
板59の下部には補強板60を介して角鋼管からなるビ
ーム材61が車両の幅方向に延設するように固着されて
いる。ビーム材61には前後方向を軸とするピン62が
固着され、このピン62の前後端に軸受63,63を介
しヨーク64が回動可能に取り付けられる。ヨーク64
は壁板59の開口部を通って車体51の外部後方に延設
され、その後部には鉛直方向を軸とするピン65が固着
されており、このピン65の上下端に軸受66,66が
取り付けられている。軸受66はそのアウタケースがフ
ランジ部67を形成し、フレーム55の前面の壁板55
aにボルト68にて締結固定される。図8(b)に示す
ように、車体51とフレーム55との間には操向用の油
圧シリンダ69が取り付けられており、ステアリングハ
ンドルSを操作することでそのシリンダロッドが伸縮
し、ピン65を支軸としてフレーム55が車体51に対
し左右方向に旋回する。また路面にうねりがある場合な
どにはヨーク64がピン62回りに回動することで、フ
レーム55が車体51に対し前後方向の軸回りに回動
し、これにより前ロール52,後ロール53が共に路面
のうねりに追従するようになっている。
【0004】なお図8に示す符号70は、アスファルト
合材等の付着を防止する目的で、転圧作業中にロールの
表面に水を霧状に散布する散水ノズル、符号71はブラ
ケットに取り付けられ、散水ノズル70を車両幅方向に
複数取り付けた散水配管を示し、この散水配管71と図
示しないホースで連通した散水タンク72がフレーム5
5内において後ロール53の前寄りに取り付けられてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】運転者にとって、運転
席からの視界が良好で死角の少ない車両が望ましいのは
勿論であり、特に車両前方に関する視界性は転圧作業中
の路面状態の把握や車両発進時における前方障害物の把
握という点からも重要である。前記マカダム型ローラ5
0の場合、車体51の前部上方はボンネット73として
形成されており、運転席に着座した作業者の前方視界の
下限は図8(b)に点線で示すようにこのボンネット7
3の高さ位置により決定される。したがって、このボン
ネット73の位置を低くすることで前方視界が拡大し、
より近傍の地上を見下ろせるようになる。
【0006】しかし、従来にあっては以下に示す理由に
よりボンネット73の位置を低くすることが困難であっ
た。車体51内において、エンジンEはその出力軸(図
示せず)を後側に向けて載置されており、走行用油圧ポ
ンプ74がエンジンEの出力軸に嵌装するかたちで取り
付けられている(符号75はフライホイールハウジング
を示し、具体的には走行用油圧ポンプ74のケーシング
はこのフライホイールハウジング75に取り付けられ
る)。走行用油圧ポンプ74は可変容量形のポンプであ
り、ホース等の油圧配管(図示せず)により前記各走行
用油圧モータ56と接続して油圧の閉回路(HST(ハ
イドロスタティックトランスミッション)回路)を構成
する。エンジンEの前側には冷却ファン76が位置し、
冷却ファン76の前寄りにラジエータ77が載置され
る。なお、エアクリーナ78は車体51の外部後方に設
置される。
【0007】ボンネット73の位置を低くするために
は、これらの搭載装置を車体51内の後方或いは下方に
レイアウトさせる必要がある。しかし、走行用油圧ポン
プ74は修理やメンテナンスのためにエンジンEから単
独で取り外す必要があるところ、前記したようにこの走
行用油圧ポンプ74はエンジンEの出力軸に嵌装して取
り付けられる構造であることから、出力軸からの抜き代
を考慮して車体51の後面の壁板59との間に所定の寸
法(図8(b)に示す符号L1)を確保しなければなら
ず、このためにエンジンE等の搭載装置全体を後方にレ
イアウトできないという問題があった。
【0008】仮にこの抜き代の問題を解消すべくエンジ
ンEを逆向き、つまり出力軸を前側とするレイアウトに
しても、車体51内の後方下部には前記したように連結
部54(第2回転機構部58)のビーム材61,ピン6
2,ヨーク64等の構成部材が配置されているため、冷
却ファン76やラジエータ77がこれらと干渉し、やは
りエンジンE等の搭載装置を後方寄りにレイアウトする
ことが困難となる。また、エンジンEを下方にレイアウ
トさせる場合にしても、狭幅な車体51内において両側
の走行用油圧モータ56には前記したようにホース等の
油圧配管が接続しており、そのため車体51内における
走行用油圧モータ56の側部にはホース接続用の継手の
配置スペースやホースの曲げ代分のスペースが必要であ
り、したがってこれらと干渉してしまうため幅広なエン
ジンEを下方にレイアウトできないという問題があっ
た。
【0009】本発明は、以上のような問題を解決するた
めに創作されたものであり、エンジンを車体の後方寄り
或いは下方寄りにレイアウト可能であり、これにより車
体の前部を低く形成でき、運転席からの前方視界が拡大
し得る転圧車両を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するため、上部に運転席を備えた前部車体と、前部車体
の内部に載置されるエンジン及びその出力軸に嵌装して
取り付けられる走行用油圧ポンプと、走行用油圧ポンプ
により作動する走行用油圧モータを備え、前部車体の側
部に片持ち支持されて軸装される左右一対の前ロール
と、後部車体に軸装される後ロールと、前部車体と後部
車体とを、左右方向に旋回可能に且つ前後方向の軸回り
に回動可能に連結する連結部とを備えたアーティキュレ
ート式の転圧車両であって、連結部において、旋回座ベ
アリングを備える構成とし、その回転軸を前後方向の軸
として前部車体の内部へ突出しないように旋回座ベアリ
ングを前部車体の後面の外側に配置し、且つ、前部車体
の内部において出力軸が前方に位置するようにエンジン
を載置する構成とした。
【0011】また、エンジンを前ロールの車軸位置より
も後方寄りに載置する構成とした。
【0012】また、運転席からの前方視界が拡大するよ
うに、前部車体を、前方向に向けて漸次、前部車体の高
さが低くなるように傾斜状に形成した。
【0013】また、運転席からの前方視界において、運
転席のパネル盤により決定される最下視線よりも下方視
野外にボンネットを配設した。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
に基づき説明する。本形態は転圧車両をマカダム型ロー
ラとした場合を示す。図1は本発明を実施したマカダム
型ローラの外観図であり、(a)は平面図、(b)は側
面図、図2は前部車体の内部構造を示した場合のマカダ
ム型ローラの平面説明図、図3は同側面説明図、図4は
同正面説明図である。また、図5は連結部の説明図であ
り、(a)は平面説明図、(b)は側面説明図である。
また、図6はボンネットの位置をさらに低くした場合を
示す側面説明図、図7はキャビン仕様車の場合の側面図
である。
【0015】図1において、マカダム型ローラRは前部
車体(以降、これを単に車体という)1の上部後方に左
右一対として運転席2を備え、前輪として、車体1を挟
んで左右一対に前ロール3を備える。車体1の前部上方
はエンジンルームを覆う開閉自在なボンネットBとして
形成されている。構造物の壁際ぎりぎりまで転圧可能な
ように、前ロール3の各外側面は、車体1の外側部位
(本例では運転席2に登るためのステップ4の外側部位
を指す)よりも車両幅方向に関し外側に位置している。
前ロール3は図2に示すように、それぞれ走行用油圧モ
ータ5を備えており、車体1の側板1aの部位で片持ち
支持されて軸装される。
【0016】走行用油圧モータ5は後に詳述する走行用
油圧ポンプ35からの圧油の供給を受けて作動する可変
容量型の油圧モータであり、運転席回りの前後進レバー
(図示せず)によりコントロールケーブル等を介して走
行用油圧ポンプ35からの圧油の吐出量及び流れ方向を
制御することで、回転数及び回転方向が変わり、車両の
走行速度の調整や前後進の切り替えが行われるようにな
っている。後ロール6側に内蔵された走行用油圧モータ
(図示せず)も含め、走行用油圧ポンプ35と各走行用
油圧モータ5はホース37等からなる油圧配管36(図
2,図4)により接続され、図示しない閉回路(HST
回路)をなす。
【0017】車体1に対する前ロール3の片持ち支持構
造として、本形態では図2,図4に示すように、走行用
油圧モータ5の固定部5aを車体1の側板1aに取り付
け、出力部5bを前ロール3内に固設したブラケット3
aに取り付けている。場合によっては、固定部5aと側
板1aとの間に弾性材料等からなる防振手段(図示せ
ず)を介在させる。
【0018】マカダム型ローラRはアーティキュレート
式のローラであり、図1において、後部車体を構成する
上面視コの字形のヨーク状の機枠(以降、フレームとい
う)8は連結部7を介して車体1の後部に接続する。後
ロール6はこのフレーム8に両端支持により軸装され、
前ロール3側と同様に走行用油圧モータ(図示せず)を
備える。後ロール6は図1(a)からも判るように、踏
み残しのないように前ロール3,3と若干の重なり幅を
有するように中央のロールとして配設される。なお、符
号9は、アスファルト合材の付着を防止する目的で、転
圧作業中、連続的或いは間欠的にロールの表面に水を霧
状に散布する散水ノズル、符号10はブラケット10a
に取り付けられ、散水ノズル9を車両幅方向に複数取り
付けた散水配管を示しており、この散水配管10と図示
しないホースで連通した散水タンク11がフレーム8内
において後ロール6の前寄りに取り付けられている。
【0019】図3において、前記連結部7は、車体1と
フレーム8とを左右方向に旋回可能とする第1回転機構
部12と、前後方向の軸回りに回動可能とする第2回転
機構部13とを有している。本発明では図5に示すよう
に、一方の第2回転機構部13を旋回座軸受(旋回座ベ
アリング)14から構成し、車体の内部へ突出しないよ
うに旋回座ベアリング14を車体1の後面の外側に配置
させている。
【0020】図5において、旋回座ベアリング14は本
形態ではラジアル玉軸受からなり、アウタケース15と
ボール16とインナケース17とから構成される。車体
1の後面は鉛直状の壁板18として形成されており、ア
ウタケース15がこの壁板18の外側において複数のボ
ルト19により締結固定され(場合によっては壁板18
の内側においてボルト19を突出させ、ナットを螺合さ
せる態様とする)、インナケース17が複数のボルト2
0によりヨーク21に締結固定される。勿論、インナケ
ース17を壁板18側に取り付け、アウタケース15を
ヨーク21側に取り付ける構造としても良い。
【0021】第1回転機構部12においては基本的に従
来と同様の構造であり、ヨーク21の後部には、上下端
がそれぞれ突出するようにピン22が鉛直状に固着され
ており、このピン22の上下端の突出部位にそれぞれ軸
受23が取り付けられる。軸受23はそのアウタケース
側がそのままフランジ部24を形成しており、このフラ
ンジ部24の部位にてフレーム8の前面の壁板8aに複
数のボルト25にて締結固定される。
【0022】連結部7の構成は以上の通りであり、フレ
ーム8は車体1に対し、旋回座ベアリング14を介し前
後方向の軸回りに回動自在となる。また、車体1の底部
とフレーム8の壁板8aの下部との間には操向用の油圧
シリンダ26(図3)が取り付けられており、ステアリ
ングハンドルS(図1)を操作することでそのシリンダ
ロッドが伸縮し、前記ピン22を支軸として車体1とフ
レーム8が互いに旋回する。
【0023】なお、場合によっては、前記連結部7を前
後方向に関し逆向きにレイアウトする構成、つまり、旋
回座ベアリング14をフレーム8の壁板8a側に取り付
け、フランジ部24を車体1の壁板18側に取り付ける
構成としても良い。
【0024】而して、車体1とフレーム8との間のラジ
アル荷重,スラスト荷重及びモーメント荷重はいずれも
旋回座ベアリング14によって支持されることになり、
しかも旋回座ベアリング14はその高さ(図5における
左右方向の寸法を指す)が低いために、車体1の壁板1
8とフレーム8の壁板8aとの間の狭隘な空間に容易に
収まるものである。以上のように、車体1の内部へ突出
しないように旋回座ベアリング14を車体1の後面の外
側に配置させることにより、従来において車体の内部後
方に設置されていた連結部に関する構成部材の占有スペ
ースが空くこととなる。本発明はこのスペースを利用し
てエンジンをレイアウトするものであり、出力軸(図示
せず)が前方に位置するようにしてエンジンEを車体1
内に載置する。
【0025】エンジンEは、上方にピストンを内蔵する
シリンダブロックが、下方にクランクシャフトを内蔵す
るクランクケースが位置するように載置される。図3に
示すように、エンジンEの前側上部にはエアクリーナ3
1が取り付けられ、エンジンEの後側に冷却ファン32
が取り付けられる。冷却ファン32の後方にはラジエー
タ33が載置される。エンジンEの前側、前記エアクリ
ーナ31の下方にはフライホイールハウジング34が取
り付けられており、エンジンEの出力軸はこのフライホ
イールハウジング34内を貫通して前方に突出してい
る。走行用油圧ポンプ35はこの突出した出力軸の部位
に前後方向に沿って嵌装するかたちで取り付けられ、そ
のケーシングがフライホイールハウジング34にボルト
締結される。
【0026】走行用油圧ポンプ35は例えば斜板式可変
容量形ポンプであり、運転席の前後進用レバーの傾動操
作に連動して内部の斜板の角度が切り換わるようになっ
ており、これによって前記した閉回路における圧油の量
及び流れが制御され、走行用油圧モータ5の回転が制御
される。前後進用レバーをニュートラルの位置にすると
前記斜板もニュートラルの位置になり、圧油の循環が遮
断されて車両は走行停止となる。
【0027】以上のように、エンジンEの出力軸を前側
に位置させる、すなわち走行用油圧ポンプ35をエンジ
ンEの前側に位置させることにより、従来のように、車
体1の後部の壁板18との関係においてエンジンEの出
力軸に対する走行用油圧ポンプ35の抜き代を考慮する
必要がなくなるため、エンジンEを従来に比べて車体1
内の後方寄りにレイアウトできることとなる。勿論この
後方寄りのレイアウトは、前記したように旋回座ベアリ
ング14を車体1の後面の外側に配置して、従来におい
て車体の内部後方に設置されていた連結部に関する構成
部材の占有スペースを空けたことで達せられるものであ
る。
【0028】したがって、エンジンEを含め,ラジエー
タ33や走行用油圧ポンプ35等、エンジンEの付随装
置も後方にレイアウトできる分、車体1の前方部に開放
された空間を形成できることとなり、例えば前記したよ
うにエアクリーナ31をこの空間部に配置できるなどレ
イアウト設計の自由度が拡がるうえ、この空間を利用し
て車体1の前部(ボンネットB)を低く形成することで
運転席からの前方視界を拡大でき、作業性,安全性に優
れた転圧車両を構築できることとなる。なお、ラジエー
タ33の給水等のメンテナンスはフロアFに設けた開閉
扉付きの開口部(図示せず)等を介して行われる。
【0029】さらに、図3に示すように、エンジンEを
前ロール3の車軸位置よりも後方寄り、つまり側面視に
おいてエンジンEを走行用油圧モータ5よりも後方寄り
に載置させることで、図2から判るように走行用油圧モ
ータ5に接続する油圧配管36(ホース37や継手3
8)との干渉を回避できるので、エンジンEを従来に比
べて下方にレイアウトできるようになる。したがって、
低重心で安定性に優れた転圧車両になるとともに、エン
ジンEを下げた分、ボンネットBをさらに低く形成で
き、運転席からの前方視界がより良好となるうえ、車体
1の後部における高さ、具体的には運転席のフロアFの
位置も下げることができるため、乗降性に優れた転圧車
両とすることができる。
【0030】また、フロアFの低位置化は以下に示すよ
うに車両の輸送性に関しても顕著な効果を奏する。一般
に転圧車両は施工現場への往来においてトラックやトレ
ーラの荷台に積載されて輸送される。道路交通法では荷
台に積載した状態での運搬車の全高規制値は3.8mで
あり、この点から積載される側の転圧車両も設計上、車
両高さに関する制限を受ける。図7に示すマカダム型ロ
ーラRは、運転席2を囲むキャビンCを備えたキャビン
仕様車であり、従来のキャビン仕様車においてはフロア
Fの位置が高かったため、また運転者の所定のヘッドク
リアランスの確保のためキャビン自体の高さ寸法も小さ
くできないことから、車両高さが大きくならざるを得な
かった。そのため、従来のキャビン仕様車においては、
キャビンが油圧シリンダにより昇降可能に構成されてお
り、例えば低床式トレーラ等に積載する場合にはキャビ
ンを降ろすことで前記した全高規制値3.8mに適合さ
せるという方法が採られていた。しかし、この昇降可能
なキャビンは高価なものとなり、また積載輸送の度にキ
ャビンを昇降させるという煩わしさもある。これに対
し、本発明によればフロアFの位置を低くできる、つま
り車両高さを低くできるため、キャビンCに昇降機能を
付加することなく、キャビンCを車体1に対し固定式と
して設計できるようになり、低床式トレーラの荷台にそ
のまま積載しての輸送が可能となる。
【0031】次いで、車体1の前部(ボンネットB)を
低くする態様としては、例えば前方に向けて漸次車体の
高さが低くなるように傾斜状に形成する等である。本形
態においては図3に示すように、運転席上の所定のアイ
ポイントEP(例えばシーティングレファレンスポイン
トから垂直上方635±5mmの高さでの座席中心線を
対称にはさんだ間隔65mmの2点)から前方を見下ろ
した場合の最下視線において、ボンネットBにより決定
される最下視線P1が、前ロール3により決定される最
下視線P2よりも下方に位置するようにボンネットBを
低く傾斜状に形成している。これにより車体1の前方の
地上部をより広範囲に見渡せるようになり、死角が小さ
く安全性の高い且つ作業性に優れた転圧車両となる。
【0032】図3に示したマカダム型ローラRにおいて
は、ボンネットBの下面側の前部に仕切り板41を取り
付けることによりエンジン音の防音手段も兼ねる冷却風
の吸入ダクトDを形成しているが、このダクトをボンネ
ットBの下方の上面部又はボンネットBの側部などに設
ける場合等には、図6に示すように、運転席における計
器用のパネル盤Pの上端部P1により決定される最下視
線P3よりも下方視野外となる位置までボンネットBを
低く形成することも可能であり、この場合前方視界性が
さらに向上することになる。また、パネル盤Pによって
ではなく、車体1の前下端部42によって運転者の最下
視線が決定されるように設計することも可能である。
【0033】以上、本発明について好適な実施形態を説
明したが、本発明はこれらの形態に限られることなく、
各構成要素の形状やレイアウト等についてその趣旨を逸
脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば次のような効果が奏され
る。 (1)連結部において、旋回座ベアリングを備える構成
とし、その回転軸を前後方向の軸として、前部車体の内
部へ突出しないように旋回座ベアリングを前部車体の後
面の外側に配置し、且つ、前部車体の内部において出力
軸が前方に位置するようにエンジンを載置することによ
り、エンジンや走行用油圧ポンプ等の搭載装置を従来に
比して前部車体内において後方寄りにレイアウトでき、
その分、前部車体の前方に開放された空間を形成でき
る。したがって、その他の搭載機器のレイアウト設計や
前部車体の設計の自由度が拡がり、例えばこの空間を利
用して前部車体のボンネットを低く形成することで運転
席からの前方視界を拡大でき、作業性及び安全性に優れ
た転圧車両を構築できる。 (2)エンジンを前ロールの車軸位置よりも後方寄りに
載置すれば、エンジンを従来に比べて下方にレイアウト
でき、低重心で安定性に優れた転圧車両になる。また、
前部車体のボンネットをさらに低く形成できるため、運
転席からの前方視界がより良好となるうえ、運転席のフ
ロアの位置も下げることができるため、乗降性に優れた
転圧車両となる。特に、キャビン仕様車の場合には、フ
ロアの位置を下げることでキャビンを固定式にできるた
め、経済的且つ輸送性に優れた転圧車両となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したマカダム型ローラの外観図で
あり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図2】前部車体の内部構造を示した場合のマカダム型
ローラの平面説明図である。
【図3】前部車体の内部構造を示した場合のマカダム型
ローラの側面説明図である。
【図4】前部車体の内部構造を示した場合のマカダム型
ローラの正面説明図である。
【図5】連結部の説明図であり、(a)は平面説明図、
(b)は側面説明図である。
【図6】ボンネットの位置をさらに低くした場合を示す
側面説明図である。
【図7】キャビン仕様車の場合の側面図である。
【図8】従来のマカダム型ローラの説明図であり、
(a)は平面説明図、(b)は側面説明図である。
【図9】従来の連結部の構造を示す側面説明図である。
【符号の説明】
R マカダム型ローラ C キャビン E エンジン P パネル盤 1 車体(前部車体) 3 前ロール 5 走行用油圧モータ 6 後ロール 7 連結部 8 フレーム(後部車体) 14 旋回座ベアリング 31 エアクリーナ 32 冷却ファン 33 ラジエータ 34 フライホイールハウジング 35 走行用油圧ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥野 嘉朗 埼玉県北葛飾郡栗橋町大字高柳2626 酒井 重工業株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 2D052 AC01 AD02 AD11 AD17 BB03 BB10 CA00 CA14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部に運転席を備えた前部車体と、 前部車体の内部に載置されるエンジン及びその出力軸に
    嵌装して取り付けられる走行用油圧ポンプと、 走行用油圧ポンプにより作動する走行用油圧モータを備
    え、前部車体の側部に片持ち支持されて軸装される左右
    一対の前ロールと、 後部車体に軸装される後ロールと、 前部車体と後部車体とを、左右方向に旋回可能に且つ前
    後方向の軸回りに回動可能に連結する連結部とを備えた
    アーティキュレート式の転圧車両であって、 連結部において、旋回座ベアリングを備える構成とし、
    その回転軸を前後方向の軸として前部車体の内部へ突出
    しないように旋回座ベアリングを前部車体の後面の外側
    に配置し、 且つ、前部車体の内部において出力軸が前方に位置する
    ようにエンジンを載置した、 ことを特徴とする転圧車両。
  2. 【請求項2】 エンジンを前ロールの車軸位置よりも後
    方寄りに載置したことを特徴とする請求項1に記載の転
    圧車両。
  3. 【請求項3】 運転席からの前方視界が拡大するよう
    に、前部車体を、前方向に向けて漸次、前部車体の高さ
    が低くなるように傾斜状に形成したことを特徴とする請
    求項1又は請求項2に記載の転圧車両。
  4. 【請求項4】 運転席からの前方視界において、運転席
    のパネル盤により決定される最下視線よりも下方視野外
    にボンネットを配設したことを特徴とする請求項1ない
    し請求項3のいずれかに記載の転圧車両。
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