JP4509412B2 - 燃料噴射弁のシール機構 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は燃料噴射弁のシール機構、より詳しくはエンジンの吸気マニホールドやシリンダヘッドに設けられる燃料噴射弁のシール機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料噴射弁は、エンジンの吸気マニホールドや燃料室内などに燃料を噴射供給する部材である。この燃料噴射弁の噴孔を有する下端部は、例えばエンジンのシリンダヘッドなどに形成される弁圧入孔に圧入される。そして、下端部が圧入された状態で、燃料タンクから燃料噴射弁に供給される燃料の圧力や固定ジグなどにより、燃料噴射弁はシリンダブロックなどに固定される。
【0003】
図5に従来の燃料噴射弁のシール機構のシールリング付近の拡大図を示す。図に示すように、従来の燃料噴射弁のシール機構は、燃料噴射弁100とシールリング101とシリンダヘッド102とからなる。燃料噴射弁100の上端は、燃料を供給するデリバリパイプ(図略)に連結されている。また燃料噴射弁100の下端にはリング溝103が形成されている。そしてこのリング溝103にはシールリング101が嵌装されている。シールリング101は弾性を有している。またシールリング101の外周径はシリンダヘッド102に形成された圧入孔104の内周径よりも大きい。このため、まずシールリング101を縮径させてから、次に燃料噴射弁100を圧入孔104に圧入する。圧入孔104内において、縮径したシールリング101は拡径方向の圧接力を有する。そしてこの圧接力により圧入孔104をシールする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の燃料噴射弁のシール機構にはシール性が悪化するという問題があった。
【0005】
すなわち、燃料噴射弁100の上端はデリバリパイプに連結される。一方下端は圧入孔104に圧入される。このときデリバリパイプと圧入孔104とが軸ずれしている場合がある。デリバリパイプと圧入孔104とが軸ずれしている状態で両部材の間に燃料噴射弁100を介設すると、圧入孔104に対し燃料噴射弁100が偏心する。燃料噴射弁100が偏心すると、リング溝103の溝底面と圧入孔104の内周面との隙間に偏りが生じる。言い換えるとシールリング101の圧入代に偏りが生じる。そして、圧入代に偏りが生じると、シールリング101自体は肉厚が均一であるため、シールリング101の圧入孔104に対する圧接力に偏りが生じることになる。こうして圧接力が部分的に低下し、シール性が悪化する。
【0006】
本発明の燃料噴射弁のシール機構は上記問題点に鑑みて完成されたものである。すなわち本発明の目的は、圧入孔に対し燃料噴射弁が偏心していても、シールリングの圧入孔に対する圧接力が低下しない燃料噴射弁のシール機構を提供することである。また本発明の他の目的は、燃料流入圧を高くしてもシール性を確保することが容易な構造を提供することにある。また本発明の他の目的は、偏心して圧入されてもシール性を高く維持することができる燃料噴射弁を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)上記課題を解決するために、本発明の燃料噴射弁のシール機構は、
上端が燃料を供給するデリバリパイプに連結され下端外周面にリング溝を持つ燃料噴射弁と、
前記燃料噴射弁の下端が圧入される圧入孔を持つケーシングと、
前記リング溝に嵌装され、外周面が前記圧入孔の内周面に圧接することにより前記圧入孔をシールし、肉厚が均一のシールリングと、
を備え、
前記リング溝の溝底面は、軸方向上から下に向かってテーパ状に縮径し、前記圧入孔に対し前記燃料噴射弁が偏心して前記シールリングの前記圧入孔に対する圧接力が部分的に低下することを抑制することを特徴とする。
【0008】
つまり、本発明の燃料噴射弁のシール機構は、圧入孔に対し燃料噴射弁が偏心して圧入されている場合であっても、シールリングの圧接力の偏り、すなわち部分的低下を補強できる。
【0009】
本発明の燃料噴射弁のシール機構によると、シールリングの圧接力の部分的低下によるシール性の悪化を抑制することができる。
【0011】
圧接力を強化するためには、より外周径の大きいシールリングを燃料噴射弁に嵌装し、このシールリングを縮径させてから圧入孔に圧入すればよい。こうすれば、圧入孔に対し燃料噴射弁が偏心してシールリングの圧接力が部分的に低下しても、元々の圧接力が高いため、シール性が低下することを抑制することができる。
【0012】
しかしながら、より外周径の大きいシールリングを縮径させ、燃料噴射弁を圧入孔に圧入するのは困難である。その理由は、シールリングを縮径させる縮径力は燃料噴射弁の径方向外周側から加える必要があり、一方燃料噴射弁を圧入する圧入力は燃料噴射弁の軸方向上方から加える必要があるためである。すなわち縮径力と圧入力というベクトルの異なる力を同時に加える必要があるためである。
【0013】
そこで本構成は、燃料噴射弁の下端外周面に形成されるリング溝の溝底面を上から下に向かって縮径するテーパ状としている。リング溝に嵌装されるシールリングの肉厚は均一である。したがって、溝底面をテーパ状とすると同様にシールリングの外周面もテーパ状となる。シールリングの外周面がテーパ状だと、圧入力が外周面を介して縮径力に一部変換される。つまり圧入力だけにより、燃料噴射弁の圧入とシールリングの縮径とを行うことができる。
【0014】
このため本構成によると、シールリング外周面の上方部分の外周径が大きくても、シールリングを圧入孔に容易に圧入することができる。そしてシールリング外周面の圧入孔内周面に対する圧接力を補強することができる。
【0015】
(2)また、本発明の燃料噴射弁のシール機構は、上端が燃料を供給するデリバリパイプに連結され下端外周面にリング溝を持つ燃料噴射弁と、リング溝に嵌装される肉厚が均一のシールリングと、燃料噴射弁の下端が圧入される圧入孔を持つケーシングと、を備え、シールリングの外周面が圧入孔の内周面に圧接することにより圧入孔をシールする燃料噴射弁のシール機構において、デリバリパイプと圧入孔とが軸ずれしているために圧入孔に対し燃料噴射弁が偏心してシールリングの圧入孔に対する圧接力が部分的に低下することを抑制する圧接力補強手段を備え、圧接力補強手段を軸方向にアーチ状を有するリング溝の溝底面とからなる構成とすることもできる。
【0016】
本構成は、リング溝の溝底面を外周側に膨らむアーチ状とするものである。溝底面をアーチ状とすると同様にシールリングの外周面もアーチ状となる。したがって本構成によっても、上記の構成と同様に、圧入力がアーチ状の外周面を介して縮径力に一部変換されるため、圧入力だけにより、燃料噴射弁の圧入とシールリングの縮径とを行うことができる。
【0017】
このため本構成によっても、シールリングを圧入孔に容易に圧入することができる。そしてシールリング外周面の圧入孔内周面に対する圧接力を補強することができる。
【0018】
また、本構成によると、燃料噴射弁が圧入孔に対し軸ずれした場合のみならず、軸が傾斜した場合もシール性を保つことができる。
【0019】
すなわち、デリバリパイプと圧入孔とが軸ずれしていると、両部材の間に燃料噴射弁が傾いて介装される場合がある。すなわち燃料噴射弁が圧入孔に対して傾斜を持って圧入される場合がある。このとき、シールリングの外周面と圧入孔の内周面とが面接触するように設計されていると、シール性が低下する。
【0020】
これに対し、本構成のシールリングの外周面はアーチ状である。そしてこのアーチ状の外周面の頂面部のみが圧入孔の内周面に圧接している。すなわち本構成では、シールリングの外周面と圧入孔の内周面とはほぼ線接触している。このため燃料噴射弁の軸が圧入孔の軸に対し傾斜している場合であっても、線接触の位置が移動するだけである。
【0021】
したがって本構成によると、燃料噴射弁の軸が圧入孔の軸に対し傾斜している場合であっても、良好なシール性を保つことができる。
【0022】
(3)また、本発明の燃料噴射弁のシール機構は、上端が燃料を供給するデリバリパイプに連結され下端外周面にリング溝を持つ燃料噴射弁と、リング溝に嵌装される肉厚が均一のシールリングと、燃料噴射弁の下端が圧入される圧入孔を持つケーシングと、を備え、シールリングの外周面が圧入孔の内周面に圧接することにより圧入孔をシールする燃料噴射弁のシール機構において、デリバリパイプと圧入孔とが軸ずれしているために圧入孔に対し燃料噴射弁が偏心してシールリングの圧入孔に対する圧接力が部分的に低下することを抑制する圧接力補強手段を備え、圧接力補強手段を、軸方向上から下に向かってテーパ状に縮径するテーパ部を持つ圧入孔の内周面と、軸方向上から下に向かって段状に縮径する段部をテーパ部の外周側に持つリング溝の溝底面と、からなる構成とすることもできる。
【0023】
本構成は、リング溝の溝底面のみならず、圧入孔の内周面をも圧接力補強手段とするものである。すなわち本構成は、圧入孔の内周面に下方向に向かって縮径するテーパ部を形成するとともに、リング溝の溝底面に下方向に向かって縮径する段部を形成するものである。また、このテーパ部と段部とを径方向にシールリングを介して隣接させるものである。
【0024】
リング溝の溝底面に段部を形成すると、同様の段部がシールリングの外周面にも発現する。したがって本構成によっても、上記(1)、(2)の構成と同様に、圧入力が圧入孔のテーパ部とシールリングの段部とを介して縮径力に一部変換される。したがって圧入力だけにより、燃料噴射弁の圧入とシールリングの縮径とを行うことができる。そしてシールリング外周面の圧入孔内周面に対する圧接力を補強することができる。
【0025】
また、本構成のシールリングの外周面は段部により圧入孔内周面のテーパ部と線接触している。このため本構成によっても、上記(2)の構成と同様に、燃料噴射弁が圧入孔に対し軸ずれした場合のみならず、軸が傾斜した場合もシール性を保つことができる。
【0026】
さらにまた、本構成の圧入孔のテーパ部には、軸方向斜め上方からシールリングが段部が圧接している。そしてこのシールリングを備える燃料噴射弁は、上方から燃料が流入することによる燃料流入圧のため、下方に付勢されている。
【0027】
本構成によると、この燃料流入圧による付勢力もシールリングの段部を介して圧入孔のテーパ部に加わる。このため、より圧接力を補強することができる。
【0028】
(4)また好ましくは、ケーシングを自動車エンジンのシリンダヘッドとする構成がよい。
【0029】
本構成は、燃料噴射弁をシリンダヘッドに直接設置するものである。この構成の燃料噴射弁においては、燃料が流入することによる燃料流入圧が特に高い。この特性を利用するために、特に上記(3)の構成と組み合わせると、高い燃料流入圧による多大な付勢力を圧入孔のテーパ部に加えることができる。このため、より大きな圧接力補強効果を得ることができる。
【0030】
また、この構成においては燃焼室側から、すなわち圧入孔の下方から燃料の燃焼圧が燃料噴射弁に加わる。この燃焼圧は圧入孔内に表出するシールリングの下端面にも加わる。このとき、燃焼圧によりシールリングの下端面は上方に変位する。しかしながらシールリングはリング溝に装着されているため、シールリングの上端面はリング溝の上壁に当接した後は変位することができない。このため、シールリングは軸方向に圧縮され、その分径方向に膨張する。
【0031】
本構成では、この膨張力を利用して、より高い圧接力補強効果を得ることができる。
【0032】
ところで、上記(1)の構成は、溝底面が下方に向かってテーパ状に縮径しているため、シールリングが介装される溝底面と圧入孔内周面との隙間が上方に向かって縮径している。また上記(2)の構成も、溝底面がアーチ状であるため、溝底面と圧入孔内周面との隙間は一部上方に向かって縮径している。このため、本構成を上記(1)、(2)の構成と組み合わせると、溝底面と圧入孔内周面との隙間が上方に向かって縮径するに従って、この隙間に介装されるシールリングの膨張力も大きくなる。
【0033】
このため、本構成を上記(1)、(2)の構成と組み合わせると、特に大きな圧接力補強効果を得ることができる。
【0034】
またこの組合せは、シールリングが特に熱によりクリープ変形しやすい樹脂などの材料で形成されている場合に極めて有効である。すなわち、本構成においては燃焼室の室温が高温であるため、例えば樹脂製のシールリングを装着すると燃料噴射弁の圧入によるシールリングの圧接力が、クリープ変形により緩和される場合がある。
【0035】
ところがこの組合せによると、燃焼圧によりシールリングがより変形しやすくなる。つまりシールリングがより径方向に膨張しやすくなる。このためさらに膨張力が得やすくなる。すなわち、シールリングのクリープ変形を逆手にとって圧接力の補強を行うことができる。
【0036】
(5)またこのようなシール機構を有する燃料噴射弁は偏心して圧入されてもシール性を高く維持することができる。以上、本発明の燃料噴射弁のシール機構の実施の形態について説明したが、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が容易に行いうる種々の変形的、応用的形態で実施することもできる。
【0037】
【実施例】
以下、本発明の燃料噴射弁のシール機構を実施例により具体的に説明する。
【0038】
〈実施例1〉
まず、本実施例の燃料噴射弁のシール機構の構成について説明する。
【0039】
図1に本実施例の燃料噴射弁のシール機構の軸方向断面図を示す。本実施例の燃料噴射弁のシール機構は、燃料噴射弁1とシールリング7とシリンダヘッド8とを備える。
【0040】
燃料噴射弁1の外殻は、燃料ジャンクション2とパイプ3とコイル部4とハウジングプレート5とハウジング6とからなる。
【0041】
燃料ジャンクション2の上端は、燃料を供給するデリバリパイプ9の内周側に圧入されている。この燃料ジャンクション2は中空円筒状である。燃料ジャンクション2の内周側上方には、デリバリパイプ9から供給される燃料中の不純物を濾過するための燃料フィルタ21が設置されている。燃料ジャンクション2の外周面には、デリバリパイプ9との連結部をシールする樹脂製のOリング22が嵌合されている。このOリング22の上方および下方には、デリバリパイプ連結時のOリング22のずれを防止するために、リング状のストッパー23とバックアップリング24とが、それぞれOリング22に隣接して嵌合されている。
【0042】
燃料ジャンクション2の下端は、中空円筒状のパイプ3の内周側に挿入され溶接されている。このパイプ3の内周側には、中空円筒状の固定コア30が圧入され溶接されている。また固定コア30の下方には、中空円筒状の可動コア31が軸方向に往復可能に設置されている。固定コア30の内周側上方には中空円筒状のアジャスタ33が設置されている。またアジャスタ33と可動コア31の内周側上端部との間にはスプリング32が介装されている。
【0043】
パイプ3の外周側には、樹脂製であってリング状のコイル部4が摺動自在に環装されている。コイル部4は、リング部40とコネクタ部41とからなり、これらの部材がモールド成形により一体的に作製されている。リング部40の内部には樹脂に被覆されたリング状のコイル42が設置されている。またリング部40の外周面には軸方向に延びる凸部43が立設されている。そしてコネクタ部41は、この凸部43の上端から径方向外周側に突出して形成されている。このコネクタ部41には、コイル42に電子制御装置(図略)からの電気信号を送るターミナル44が設置されている。
【0044】
コイル部4のリング部40の外周には、一対の半円弧状のハウジングプレート5が凸部43を挟持した状態で設置されている。そしてハウジングプレート5の上端部50はパイプ3の外周側面に溶接されている。またハウジングプレート5の下端部51は後述するハウジング6の上端部60に溶接されている。ハウジングプレート5の内周壁52は、軸方向上端部と下端部とが縮径し中央部のみが拡径した形状をしている。このため、ハウジングプレート5の内周側には、内周壁52によるリング状の空間が形成される。コイル部4のリング部40は、このリング状の空間内に収納される。
【0045】
コイル部4およびパイプ3の下方には、中空円筒状のハウジング6が設置されている。ハウジング6の径方向中央にはバルブニードル62が軸方向に延びて設置されている。このバルブニードル62の上端部は、可動コア31の内周側下端部に挿入され溶接されている。
【0046】
ハウジング6の内周面下端には、有底円筒状のバルブボディ63が設置されている。このバルブボディ63の内周側底面には、バルブニードル62の円錐状の下端が当接する椀状の弁座64が形成されている。そして、弁座64の中央には噴孔65が形成されている。またハウジング6の外周面下端には、リング溝66が形成されている。そしてリング溝66には、ゴムまたは樹脂などの弾性体であって肉厚が均一のシールリング7が嵌装されている。
【0047】
一方、ハウジング6の外周面上方には鍔部61が形成されている。また、この鍔部61より下方の部分は、シリンダヘッド8に形成された弁支持孔81と圧入孔80とに圧入されている。なお、圧入孔80は弁支持孔81の下方に段状に縮径して形成されている。またこの圧入孔80は、燃焼室(図略)につながっている。そして、シールリング7の外周面が圧入孔80の内周面に圧接することで、圧入孔80のシール性を確保している。
【0048】
次に、本実施例の燃料噴射弁のシール機構の組み付け方法について説明する。
【0049】
最初に、燃料噴射弁1の組立方法を説明する。まず、燃料ジャンクション2の外周に、バックアップリング24、Oリング22、ストッパー23を、この順番で上方から嵌合する。次に燃料ジャンクション2の内部上方に燃料フィルタ21を設置する。
【0050】
次に、バルブニードル62の上端を可動コア31の内周側に下方から挿入して溶接し、バルブニードル62の下端をバルブボディ63の内周側に挿入する。そしてこれらの部材をパイプ3の内周側に上方から挿入し、さらにこれらの部材の上方から固定コア30を圧入して溶接する。その後、固定コア30の内周側に、下端が可動コア31の内周側上端面に当接するまでスプリング32を挿入する。またこの上方からアジャスタ33を挿入する。
【0051】
それから、パイプ3の外周にコイル部4のリング部40を環装する。そして、パイプ3の内周側の上端に燃料ジャンクション2の下端を挿入して溶接する。また、パイプ3の下端をハウジング6の内周側の上端に挿入して溶接する。このとき、ハウジング6の外周面には既にリング溝66が形成されており、このリング溝66にはシールリング7が嵌装されている。その後、バルブボディ63を、ハウジング6の内周側に通し、ハウジング6の内周側下端に溶接する。
【0052】
その後、一対のハウジングプレート5の端面で、コイル部4の凸部43の両側面を挟持する。そしてこの状態のまま、ハウジングプレート5の上端部50をパイプ3の外周面に、また下端部51をハウジング6の上端部60に、それぞれ溶接する。
【0053】
次に、以上のようにして組み立てた燃料噴射弁1の上端を、デリバリパイプ9の内周側下端に圧入する。このときOリング22をデリバリパイプ9の内周面に圧接させ、圧入部のシール性を確保する。
【0054】
それから、燃料噴射弁1の鍔部61より下の部分を、シリンダヘッド8に形成された弁支持孔81と圧入孔80に圧入する。このときシールリング7の外周面を圧入孔80の内周面に圧接させシール性を確保する。
【0055】
そして最後に、鍔部61の上端面をクランプ10で押圧して固定する。すなわち鍔部61は、シリンダヘッド8とクランプ10との間に挟持された状態で固定されることになる。
【0056】
次に、図2に本実施例のシール機構のシールリング付近の拡大図を示す。ハウジング6の外周面に形成されたリング溝66の溝底面68は、軸方向上から下に向かってテーパ状に縮径している。そしてこの溝底面68にはシールリング7が嵌装されている。燃料噴射弁が圧入孔80に圧入される前は、溝底面68がテーパ状であるため、シールリング7の外周面もテーパ状である。しかしながら、燃料噴射弁が圧入孔80に圧入されると、シールリング7は圧入孔80の内周面に沿って縮径する。そして、溝底面68と圧入孔80内周面との間にくさび状に変形して配置される。
【0057】
参考例1参考例1のシール機構は、リング溝の溝底面をアーチ状としたものである。その他の構成、組み付け方法などは実施例1と同様である。
【0058】
図3に本参考例のシール機構のシールリング付近の拡大図を示す。ハウジング6の外周面に形成されたリング溝66の溝底面68は、アーチ状に形成されている。そしてこの溝底面68にはシールリング7が嵌装されている。燃料噴射弁が圧入孔80に圧入される前は、溝底面68がアーチ状であるため、シールリング7の外周面もアーチ状である。しかしながら、燃料噴射弁が圧入孔80に圧入されると、シールリング7は圧入孔80の内周面に沿って縮径する。そして、溝底面68と圧入孔80内周面との間にアーチの頂面部がほぼ線接触して配置される。本参考例では、この溝底面68が圧接力補強手段に該当する。
【0059】
参考例2参考例2のシール機構は、リング溝の溝底面を軸方向上から下に向かって段状に縮径して形成し、また圧入孔の内周面を軸方向上から下に向かってテーパ状に縮径して形成したものである。その他の構成、組み付け方法などは実施例1と同様である。
【0060】
図4に本参考例のシール機構のシールリング付近の拡大図を示す。ハウジング6の外周面に形成されたリング溝66の溝底面68には、段部69が形成されている。そしてこの溝底面68にはシールリング7が嵌装されている。また溝底面68の段部69と同様の段部70が、シールリング7の外周面にも形成されている。一方、シリンダヘッド8に形成された圧入孔80の内周面にはテーパ部82が形成されている。そして、シールリング70の段部と圧入孔80のテーパ部82とが径方向に隣接している。燃料噴射弁が圧入孔80に圧入されると、シールリング7の段部70が圧入孔80のテーパ部82に斜め上方から圧接する。本参考例では、圧入孔80の内周面とリング溝66の溝底面68とが、圧接力補強手段に該当する。
【0061】
【発明の効果】
本発明の燃料噴射弁のシール機構によると、シールリングの圧接力の部分的低下によるシール性の悪化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1のシール機構の軸方向断面図である。
【図2】 実施例1のシール機構のシールリング付近の拡大図である。
【図3】 参考例1のシール機構のシールリング付近の拡大図である。
【図4】 参考例2のシール機構のシールリング付近の拡大図である。
【図5】 従来のシール機構のシールリング付近の拡大図である。
【符号の説明】
1:燃料噴射弁 2:燃料ジャンクション 3:パイプ 4:コイル部
5:ハウジングプレート 6:ハウジング 7:シールリング
8:シリンダヘッド(ケーシング) 9:デリバリパイプ 10:クランプ
21:燃料フィルタ 22:Oリング 23:ストッパー
24:バックアップリング 30:固定コア 31:可動コア
32:スプリング 33:アジャスタ 40:リング部 41:コネクタ部
42:コイル 43:凸部 44:ターミナル 50:上端部 51:下端部
52:内周壁 60:上端部 61:鍔部 62:バルブニードル
63:バルブボディ 64:弁座 65:噴孔 66:リング溝
68:溝底面 69:段部 80:圧入孔 81:弁支持孔 82:テーパ部

Claims (3)

  1. 上端が燃料を供給するデリバリパイプに連結され下端外周面にリング溝を持つ燃料噴射弁と、
    前記燃料噴射弁の下端が圧入される圧入孔を持つケーシングと、
    前記リング溝に嵌装され、外周面が前記圧入孔の内周面に圧接することにより前記圧入孔をシールし、肉厚が均一のシールリングと、
    を備え、
    前記リング溝の溝底面は、軸方向上から下に向かってテーパ状に縮径し、前記圧入孔に対し前記燃料噴射弁が偏心して前記シールリングの前記圧入孔に対する圧接力が部分的に低下することを抑制することを特徴とする燃料噴射弁のシール機構。
  2. 前記ケーシングは、自動車エンジンのシリンダヘッドである請求項1に記載の燃料噴射弁のシール機構。
  3. 前記請求項2のシール機構を有する燃料噴射弁。
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