JP5983847B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の燃焼に用いる燃料を噴射する燃料噴射弁に関する。
内燃機関の所定箇所に形成された取付穴へ、燃料噴射弁のボデーを挿入して取り付ける構造の場合、取付穴の内周面とボデーの外周面との隙間から、燃料噴射空間(例えば燃焼室または吸気管内)にあるガスが漏れ出ることを防止することが要求される。
そこで従来では、上記隙間に環状のシール材を介在させている。具体的には、ボデーの外周面に、径方向へ凹む縮径部を形成し、該縮径部にシール材を装着した状態で、ボデーを取付穴へ挿入している(特許文献1参照)。
特開2005−155394号公報
さて、本発明者らは、ボデーの外周面のうち上記縮径部よりも反噴孔側の部分に、テーパ部を形成することを検討した。このテーパ部は、反噴孔側に向かうほどボデーの径寸法が徐々に拡大する形状である。これによれば、シール材の噴孔側からガス圧が印加された使用状態において、そのガス圧によりシール材が反噴孔側に押し上げられると、取付穴の内周面とテーパ部との間にシール材が挟み込まれていく。その結果、シール材の径方向への圧縮変形が促進されてシール材の面圧が上昇する(以下、この現象を楔効果と呼ぶ)。そのため、シール材によるシール性が向上する。
本発明は、上記問題を鑑みてなされたもので、その目的は、楔効果によるシール性向上を図った燃料噴射弁を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
開示された第1の発明は、燃料を噴射する噴孔(10a)が形成されたボデー(10)を備えるとともに、ボデーの外周面に形成され、環状のシール材(40)が装着される部分であり、該ボデーを径方向に縮小させた形状である第1縮径部(16)と、ボデーの外周面のうち第1縮径部よりも反噴孔側に形成され、反噴孔側に向かうほどボデーの径寸法が徐々に拡大する第1テーパ部(14)と、を備える。そして、内燃機関の所定箇所に形成された取付穴(4)にボデーが挿入され、所定圧以上のガス圧がシール材の噴孔側から印加された使用状態において、ガス圧によりシール材が第1テーパ部に押し付けられて圧縮変形し、その圧縮変形部分が取付穴の内周面とボデーの外周面との間をシールするように構成されており、ボデーの外周面のうち第1テーパ部に対して反噴孔側に連続する部分には、取付穴の内周面との間に隙間(4b)を形成するよう、ボデーを径方向に縮小させた形状である第2縮径部(17、18)が形成されていることを特徴とする。
開示された第2の発明は、燃料を噴射する噴孔(10a)が形成されたボデー(10)を備えるとともに、ボデーの外周面に形成され、環状のシール材(40)が装着される部分であり、該ボデーを径方向に縮小させた形状である第1縮径部(16)と、ボデーの外周面のうち第1縮径部よりも反噴孔側に形成され、反噴孔側に向かうほどボデーの径寸法が徐々に拡大する第1テーパ部(14)と、を備える。そして、内燃機関の所定箇所に形成された取付穴(4)にボデーが挿入され、所定圧以上のガス圧がシール材の噴孔側から印加された使用状態において、ガス圧によりシール材が第1テーパ部に押し付けられて圧縮変形し、その圧縮変形部分が取付穴の内周面とボデーの外周面との間をシールするように構成されており、ボデーの内部には、噴孔を開閉する弁体(20)、および弁体を開閉作動させる磁気吸引力を生じさせる電動アクチュエータ(30)が収容されており、第1テーパ部の表面粗さが、ボデーのうち電動アクチュエータを収容する部分における外周面の表面粗さよりも小さいことを特徴とする。
上記第1の発明および第2の発明によれば、ボデーのうちシール材が装着される第1縮径部よりも反噴孔側に、第1テーパ部が形成されているので、先述した楔効果によるシール性向上が図られる。
本発明の第1実施形態にかかる燃料噴射弁が、内燃機関に取り付けられた状態を示す図。 図1に示す燃料噴射弁のボデーにシール材を装着した状態であって、内燃機関の取付穴に挿入する前の状態を示す図。 図1に示す燃料噴射弁を内燃機関に取り付ける手順を示す図。 図3に示すシール装着工程において、シール材を強制する前の状態を示す図。 図3に示すシール装着工程において、燃料噴射弁の取り付けが完了した時点における初期状態を示す図。 図3に示すシール装着工程において、シール材にガス圧が印加された後の通常使用状態を示す図。 図3に示すシール装着工程において、シール材にガス圧が印加された後の使用状態であって、シール材が退避室へ移動した状態を示す図。 取付穴へのシール材の挿入時に生じるシール材の移動量と、テーパ角度との関係を示す試験結果。 ガスの漏れ量とテーパ角度との関係を示す試験結果。 本発明の第2実施形態にかかる燃料噴射弁において、シール材にガス圧が印加された後の通常使用状態を示す図。 本発明の第3実施形態にかかる燃料噴射弁において、シール材にガス圧が印加された後の通常使用状態を示す図。
以下に、図面を参照しながら発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
図1に示す燃料噴射弁1は、点火式の内燃機関(ガソリンエンジン)に搭載されており、内燃機関の燃焼室2へ直接燃料を噴射するものである。具体的には、燃焼室2を形成するシリンダヘッド3のうちシリンダの中心線Cと一致する位置に、燃料噴射弁1を挿入する取付穴4が形成されている。
燃料噴射弁1は、燃料通路を内部に有するとともに、燃料を噴射する噴孔10aを有するボデー10を備える。ボデー10内には、弁体20、電動アクチュエータ30等が収容されている。弁体20は、ボデー10の着座面10bに離着座するシート面20aを有する。シート面20aを着座面10bに着座させるよう弁体20を閉弁作動させると、噴孔10aからの燃料噴射が停止される。シート面20aを着座面10bから離座させるよう弁体20を開弁作動(リフトアップ)させると、噴孔10aから燃料が噴射される。
電動アクチュエータ30は、ソレノイドコイル31および固定コア32を有して構成されている。コイル31に通電すると固定コア32は磁気吸引力を生じさせ、この磁気吸引力により可動コア(図示せず)が固定コア32に引き寄せられてリフトアップする。可動コアに結合された弁体20は、可動コアとともにリフトアップ(開弁作動)する。一方、コイル31への通電を停止させると、スプリング(図示せず)の弾性力により、弁体20は可動コアとともに閉弁作動する。
ボデー10の外周面には、環状のシール材40が装着されている。このシール材40により、ボデー10の外周面と取付穴4の内周面4aとの間に存在する隙間がシールされている。これにより、燃焼室2内のガスが上記隙間から外部へ漏れ出ることを防止している。なお、シール材40の材質には、弾性変形可能で耐熱性を有することが要求され、フッ素樹脂が具体例として挙げられる。
図2は、燃料噴射弁1を取付穴4に挿入する前の状態を示す拡大図であり、以下、図2を用いてボデー10とシール材40の形状について詳細に説明する。
ボデー10は、噴孔10aを有する部分である噴孔部11と、中心線Cの方向(軸方向)に延びて弁体20を収容する形状の基部12と、を有する。ボデー10のうち噴孔部11から噴孔10aの反対側(反噴孔側)に連なる部分には、溝部15および第1縮径部16が順に形成されている。溝部15および第1縮径部16は、ボデー10を径方向に縮小させた形状であり、基部12に比べて小径である。燃料噴射弁1を取付穴4に挿入する前の状態では、溝部15および第1縮径部16にシール材40が装着されている。
ボデー10のうち第1縮径部16から反噴孔側に連なる部分には、第1テーパ部14、並行部17および第2テーパ部18が順に形成されている。つまり、並行部17は、第1テーパ部14および第2テーパ部18の間に位置して連続して繋がっている。ボデー10のうち第2テーパ部18から反噴孔側に連なる部分は基部12である。第1テーパ部14、並行部17および第2テーパ部18は、ボデー10を径方向に縮小させた形状であり、基部12に比べて小径である。並行部17および第2テーパ部18は、特許請求の範囲に記載の第2縮径部に相当する。
噴孔部11の外径寸法D11と基部12の外径寸法D12とは同じである。したがって、噴孔部11と基部12の間に位置する溝部15、第1縮径部16、第1テーパ部14、並行部17および第2テーパ部18の全体が、噴孔部11および基部12に対して縮径した部分であるとも言える。
並行部17の径寸法は、ボデー10の軸方向において均一である。軸方向における第2テーパ部18の軸方向長さは、第1テーパ部14の軸方向長さよりも短い。溝部15、第1縮径部16、第1テーパ部14、並行部17および第2テーパ部18は、表面粗さが全て同一になるように切削加工されている。また、第1テーパ部14の表面粗さが、ボデー10のうち電動アクチュエータ30を収容する部分13(図1参照)における外周面の表面粗さよりも小さくなるように切削加工されている。
第1テーパ部14および第2テーパ部18は、反噴孔側に向かうほどボデー10の径寸法が徐々に拡大する形状である。第1縮径部16および並行部17の外周面は、径寸法が均一な形状である。溝部15のうち最も径寸法の小さい部分を底面15aと呼び、溝部15のうち底面15aから噴孔部11に連なる部分を噴孔側壁面15bと呼び、溝部15のうち底面15aから第1縮径部16に連なる部分を反噴孔側壁面15cと呼ぶ。底面15aは、径寸法が均一な形状である。反噴孔側壁面15cは、反噴孔側に向かうほど径寸法が徐々に拡大するテーパ状に形成されている。噴孔側壁面15bは、軸方向に対して垂直に拡がる形状である。
第1テーパ部14のテーパ角度θ1および第2テーパ部18のテーパ角度θ2(図5参照)は、それぞれ10°以上かつ20°以下の範囲に設定されている。具体的には、これらのテーパ角度θ1、θ2は15°に設定されている。なお、テーパ角度とは、ボデー10の断面視において軸方向に延びる仮想線とボデー10の外形線とが交差する角度のことである。反噴孔側壁面15cのテーパ角度は、第1テーパ部14および第2テーパ部18のテーパ角度θ1、θ2よりも大きい。第1縮径部16、並行部17および底面15aのテーパ角度はゼロであると言える。
シール材40は、第1縮径部16および溝部15の両方に跨って装着されている。シール材40のうち、噴孔側の先端部41は溝15に嵌っており、他の部分(以下、本体部42と呼ぶ)は第1縮径部16に装着されている。この装着状態では、本体部42は弾性変形して第1縮径部16に密着するように構成してもよいし、本体部42と第1縮径部16との間に隙間が形成されるように構成してもよい。
第1縮径部16への装着前において、シール材40は肉厚が均一の円筒形状である。また、第1縮径部16への装着後において、本体部42は、軸方向のいずれにおいても径寸法が均一の形状である。装着後の先端部41は、噴孔側に近づくほど外径寸法が徐々に縮径していく形状である。先端部41の噴孔側の端面41aの全体が、溝部15の内部に位置している。
より詳細に説明すると、先端部41の噴孔側の端面41aのうち、内周側の角であり環状に延びる稜線の部分を内角41bと呼び、外周側の角であり環状に延びる稜線の部分を外角41cと呼ぶ。そして、内角41bは、溝部15の底面15a上に位置し、外角41cは、溝部15の噴孔側壁面15b上に位置する。換言すれば、外角41cは、噴孔部11の外周面よりも径方向内側に位置する。但し、シール材40の本体部42の外周面は、噴孔部11の外周面よりも径方向外側に位置する。つまり、本体部42の外径寸法D40は、噴孔部11の外径寸法D11よりも大きい。なお、内角41bと底面15aとは接触していてもよいし離間していてもよい。外角41cと噴孔側壁面15bとは接触していてもよいし離間していてもよい。
次に、図3を用いて、シール材40をボデー10に装着して、燃料噴射弁1を取付穴4に取り付ける作業の手順(つまり取付方法)を説明する。
先ず、第1装着工程S10において、ボデー10にシール材40を嵌め込む。具体的には、シール材40を径方向に弾性変形させた状態で、噴孔部11の側から第1縮径部16に嵌め込む。この時点では、図4に示すように、縮径していく形状の先端部41は形成されておらず、シール材40は径寸法が均一な形状である。
次に、第2装着工程S20において、シール材40の噴孔側先端部を塑性変形させて、縮径していく形状の先端部41を形成する(図2参照)。例えば、治具により噴孔側先端部を溝部15内に押し付けることで、溝部15に嵌り込む縮径形状に先端部41を塑性変形(つまり矯正)させる。なお、これらの工程S10、S20が「シール装着工程」に相当する。
次に、挿入工程S30において、矯正済みのシール材40が装着された状態の燃料噴射弁1を、取付穴4に挿入する。図5は、燃料噴射弁1を所定位置まで挿入して挿入工程が完了した時点での状態(以下、初期状態と記載)を示す。図5の例では、シール材40の先端部41が溝部15内に嵌まり込んだままであり、シール材40の本体部42は、取付穴4の内周面4aと第1縮径部16との間に挟まれて、径方向に弾性変形している。
さて、燃料噴射弁1を取付穴4へ挿入する途中において、シール材40の外周面が取付穴4の内周面4aに擦れ、その摩擦によりシール材40には引き上げられる方向の力(以下、摩擦引上力と記載)が作用する。しかし、先端部41が溝部15に引っ掛かっているので、図5の例では、摩擦引上力に抗して先端部41は溝部15内に留まりやすくなっている。
上記初期状態において、燃焼室2内のガス圧であって所定圧未満のガス圧(例えば内燃機関のアイドル運転時のガス圧)が、シール材40に噴孔側から印加されると、シール材40には押し上げられる方向の力(以下、ガス押上力と記載)が作用する。詳細には、先端部41の端面41a、外周面および内周面の全体にガス圧が印加されてガス押上力が作用する。反噴孔側へ押し上げられるこのガス押上力に対しても、先端部41が溝部15に引っ掛かっていることにより、先端部41は溝部15内に留まる(図5参照)。この時、先端部41は、ガス押上力により反噴孔側壁面15cに押し付けられて圧縮変形する。この圧縮変形した部分が、取付穴4の内周面4aとボデー10の外周面との間をシールする(図3中の符号S40参照)。
次に、内燃機関の負荷増大に伴い燃焼室2内のガス圧が上昇し、シール材40の噴孔側から印加されるガス圧が所定圧以上になると、上記ガス押上力が増大し、先端部41が溝部15から外れて、シール材40は反噴孔側へ押し上げられる(図6参照)。すると、先端部41は第1縮径部16上に位置するとともに、本体部42の反噴孔側の一部は、第1テーパ部14と取付穴4の内周面4aとの隙間10cに進入して、第1テーパ部14上に位置するようになる。以下、図6に示す通常使用状態において、第1テーパ部14上に位置するシール材40の部分を通常時本体部42x、第1縮径部16上に位置するシール材40の部分を通常時先端部41xと呼ぶ。
上記通常使用状態において、通常時先端部41の端面41aにガス圧が印加されてガス押上力が作用する。このガス押上力により、通常時本体部42xは第1テーパ部14に押し付けられる(図6参照)。その結果、シール材40の全体が圧縮変形する。詳細には、取付穴4の内周面4aと第1テーパ部14との間にシール材40が挟み込まれていく。その結果、シール材40の径方向への圧縮変形が促進されてシール材40の径方向の面圧が上昇する(以下、この現象を楔効果と呼ぶ)。これにより、取付穴4の内周面4aとボデー10(つまり第1テーパ部14)の外周面との間がシールされる(図3中の符号S50参照)。
ここで、この通常使用状態が長期間継続されると、シール材40がクリープ現象により劣化していき、シール材40の径方向変形量に対する上記面圧が低下する。しかしながら、このように劣化すると、ガス押上力によりシール材40がさらに押し上げられて、シール材40の径方向変形量が増大する。そのため、径方向変形量に対する面圧が低下するものの、径方向変形量が増大するので、通常使用状態における面圧が維持される。よって、楔効果によるシール能力は維持される。
通常使用状態がさらに長期間継続されてシール材40のクリープによる劣化が進行すると、シール材40がガス押上力によりさらに押し上げられて、通常時本体部42xの一部が退避室4bに挿入されてくる(図7参照)。退避室4bは、並行部17および第2テーパ部18の外周面と取付穴4の内周面4aとの間に形成される隙間である。
その結果、取付穴4の内周面4aと第2テーパ部18との間にシール材40が挟み込まれていき、通常時本体部42xの一部は第2テーパ部18上に位置するとともに、通常時先端部41xの一部は並行部17上に位置するようになる。以下、図7に示す退避状態において、第2テーパ部18上に位置するシール材40の部分を退避時本体部42y、並行部17上に位置するシール材40の部分を退避時先端部41yと呼ぶ。
上記退避状態において、退避時先端部41yの端面41aにガス圧が印加されてガス押上力が作用する。反噴孔側へ押し上げられるこのガス押上力により、退避時本体部42yおよび退避時先端部41yの各々は、第2テーパ部18および第1テーパ部14に押し付けられる(図7参照)。その結果、第1テーパ部14に加えて第2テーパ部18でも楔効果が発揮されるようになる。これにより、取付穴4の内周面4aとボデー10(つまり第1テーパ部14および第2テーパ部18)の外周面との間がシールされる(図3中の符号S60参照)。
なお、基部12の外周面と取付穴4の内周面4aとの間には、ボデー10を取付穴4に挿入するのに必要なクリアランスが設けられているが、このクリアランスは、ガス押上力によってもシール材40が入り込めない程度に小さく設定されている。したがって、退避状態において、退避時本体部42yが第2テーパ部18と基部12の境界位置に達すると、退避時本体部42yはそれ以上押し上がることはできない。よって、仮に退避時本体部42yが上記境界位置に達すると、それ以降は、楔効果の進行による面圧確保ができなくなり、シール能力は低下していく。この点を鑑み、燃料噴射弁1の耐用年数以内に、退避時本体部42zが上記境界位置に達することがないように設定されている。
ここで、第1テーパ部14のテーパ角度θ1を小さくするほど、楔効果が大きく作用するようになり、シール性向上の効果が促進される。しかしながら、テーパ角度θ1を過剰に小さくすると、以下に説明するようにシール材40の損傷が懸念されるようになる。
すなわち、ボデー10を取付穴4に挿入して内燃機関の所定箇所に燃料噴射弁1を取り付ける際に、シール材40は取付穴4の内周面に擦れて摩擦力を受け、反噴孔側へ擦り上がって移動する場合がある。そして、第1テーパ部14はシール材40の移動を抑制するように作用するものの、テーパ角度θ1を小さくするほど、移動抑制の作用は小さくなる。そして、シール材40の移動量が過大になると、楔効果による上記面圧が過剰に上昇し、その状態でさらにボデー10を取付穴4に挿入していくと、シール材40が引きちぎられて損傷するようになる。
要するに、テーパ角度を小さくして楔効果によるシール性を向上させることと、テーパ角度を大きくしてシール材の移動を抑制することとは、二律背反の関係にある。そして、第1テーパ部14のテーパ角度θ1を変更する試験を本発明者らが実施したところ、次の知見が得られた。すなわち、図8に示す試験結果は、テーパ角度が10°以上であれば、取付穴にボデーを挿入する際に生じるシール材の移動を、シール材が損傷しない程度に抑制できることを示す。また、図9に示す試験結果は、テーパ角度が20°以下であれば、楔効果によるシール性が十分に得られることを示す。
これらの試験結果を鑑み、本実施形態では、第1テーパ部14のテーパ角度が10°以上かつ20°以下の範囲に設定されている。したがって、取付穴4にボデー10を挿入する際に生じるシール材40の移動を抑制してシール材40損傷の抑制を図ることと、楔効果によるシール性向上との両立を実現できる。
以上に説明した本実施形態の燃料噴射弁1は、要するに、以下に列挙する特徴を備える。そして、それらの各特徴により以下に説明する作用効果が発揮される。
<特徴1>
第1テーパ部14のテーパ角度θ1が10°以上かつ20°以下の範囲に設定されている。以下、この設定による効果を、図8および図9に示す試験結果を用いて説明する。
図8に係る試験では、シール材40が装着された状態のボデー10を取付穴4に挿入する前と挿入した後において、シール材40の端面41aが軸方向に移動した距離を計測している。図9に係る試験では、燃料噴射弁1を取付穴4に取り付けた後、ガス押上力を付与して楔効果が発揮された状態において、シール材40から漏れ出るガスの流量を計測している。
図8および図9の横軸は第1テーパ部14のテーパ角度を示しており、5°、10°、15°、20°、25°、30°、45°、60°の8点についてテーパ角度を変更して上記試験を実施している。なお、図8に係る試験では、テーパ角度を5°にするとシール材40が破断し、移動量の計測が不能であった。これに対し、図9に係る試験では、テーパ角度を5°にしてもシール材40は破断しなかった。このような破断有無の違いは、図8の試験では寸法公差最大の燃料噴射弁を用い、図9の試験では寸法公差最小の燃料噴射弁を用いたことが原因で生じたと推察する。
図8に示す試験結果は、テーパ角度が10°以上であれば、取付穴4にボデー10を挿入する際に生じるシール材40の移動を、シール材40が損傷しない程度に抑制できることを示す。また、図9に示す試験結果は、テーパ角度が20°以下であれば、楔効果によるシール性が十分に得られることを示す。
したがって、テーパ角度θ1が10°以上かつ20°以下に設定された本実施形態によれば、取付穴4にボデー10を挿入する際に生じるシール材40の移動を抑制してシール材40損傷の抑制を図ることと、楔効果によるシール性向上との両立を実現できる。
<特徴2>
ボデー10の外周面のうち第1テーパ部14に対して反噴孔側に連続する部分には、ボデー10を径方向に縮小させた形状である第2縮径部(つまり並行部17および第2テーパ部18)が形成されている。この第2縮径部は、取付穴4の内周面4aとの間に隙間(つまり退避室4b)を形成する。
さて、シール材40のシール面圧がクリープにより低下した場合に、シール材40が第1テーパ部14を擦り上ってシール面圧を上昇させるといった楔効果は、シール材40が限界位置まで擦り上がった以降は発揮されなくなる。この点に着目した本実施形態では、第1テーパ部14の反噴孔側に連続する第2縮径部が形成されているので、第1テーパ部14の反噴孔側に隣接して退避室4bが設けられる。そのため、シール材40の端部(つまり通常時本体部42x)が第1テーパ部14の反噴孔側端部にまで擦り上がった以降も、通常時本体部42xが退避室4bに進入できるので、シール材40がさらに擦り上がることができる。よって、楔効果が発揮されなくなる時期を延長させることができ、シール能力が発揮されるシール材40の寿命を長くできる。
<特徴3>
第2縮径部(つまり並行部17および第2テーパ部18)には、ボデー10の径寸法が該ボデー10の軸方向において均一である並行部17が含まれている。そのため、ボデー10が径方向に大型化することを抑制しつつ、退避室4bを形成できる。
<特徴4>
第2縮径部(つまり並行部17および第2テーパ部18)には、反噴孔側に向かうほどボデー10の径寸法が徐々に拡大する第2テーパ部18が含まれており、並行部17は、第1テーパ部14および第2テーパ部18の間に位置する。
そのため、退避室4bに進入した通常時本体部42xの先端(つまり退避時本体部42y)が、さらに第2テーパ部18に押し付けられて楔効果を発揮する。よって、シール材40のシール性を向上できる。
<特徴5>
第2テーパ部18のテーパ角度θ2が10°以上かつ20°以下の範囲に設定されている。そのため、第1テーパ部14による先述した効果、つまりシール材40の移動抑制と楔効果によるシール性向上との両立を図る効果が、第2テーパ部18においても同様に発揮されるようになる。
<特徴6>
第1テーパ部14の表面粗さが、ボデー10のうち電動アクチュエータ30を収容する部分13における外周面の表面粗さよりも小さくなるようにボデー10は加工されている。
これによれば、第1テーパ部14の表面粗さが小さいので、第1テーパ部14とシール材40との密着性を向上できる。よって、シール材40とボデー10との間におけるシール性を向上できる。さて、このように表面粗さを小さくすると、シール材40が擦り上がりやすくなる。そのため、テーパ角度θ1を10°以上にすることによる擦り上がり抑制効果が好適に発揮されるようになる。
<特徴7>
第1縮径部16のうち、シール材40の噴孔側の先端部41が装着される部分には、ボデー10の径方向に凹む環状の溝部15が形成されている。
よって、シール材40の先端部41が溝部15に引っ掛かった状態でボデー10を取付穴4へ挿入するようにできる。そのため、該挿入時におけるシール材40と取付穴4との摩擦力(つまり摩擦引上力)により、シール材40の本体部42が引き上げられることが抑制される。よって、取付穴4の内周面4aと第1テーパ部14との間で、挿入時にシール材40が強く擦れて破損することを抑制できる。
しかも、燃料噴射弁1を取付穴4から取り出す作業を実施するにあたり、シール材40の先端部41が溝部15に引っ掛かった状態でボデー10を取付穴4から取り出すようにできる。そのため、該取出時におけるシール材40と取付穴4との摩擦力(つまり摩擦引下力)により、シール材40の通常時先端部41xが溝部15よりも噴孔側の位置、つまり噴孔部11の外周面上へ引き下げられることを防止できる。よって、先端部41がボデー10の所定位置、つまり噴孔部11よりも反噴孔側の位置(溝部15)から噴孔側へずれることを抑制できる。そのため、取付穴4の内周面4aと噴孔部11の外周面との間にシール材40が噛み込んで、燃料噴射弁1を取付穴4から取り出す作業性が悪くなることを回避できる。
<特徴8>
挿入時におけるシール材40の先端部41は、噴孔側に近づくほど外径寸法が徐々に縮径していく円筒形状である。そのため、挿入時において、先端部41の外周面が取付穴4の内周面4aと擦れることを抑制できるので、摩擦引上力に起因して先端部41が溝部15から外れることを抑制できる。
<特徴9>
先端部41の噴孔側の端面41aの全体が、溝部15の内部に位置している。これによれば、挿入時において、先端部41の外角41cが溝部15の内部に位置することとなるので、挿入時において、先端部41の外角41cが取付穴4の内周面4aと擦れることを、より一層抑制できる。よって、摩擦引上力に起因して先端部41が溝部15から外れることの抑制効果を向上できる。
<特徴10>
ボデー10の外周面のうち第1縮径部16の反噴孔側に連なる部分には、反噴孔側に向かうほどボデー10の径寸法が徐々に拡大する第1テーパ部14が形成されている。そして、通常使用状態において、上記ガス圧によりシール材40が第1テーパ部14に押し付けられて圧縮変形し、その圧縮変形部分が取付穴4の内周面4aとボデー10の外周面との間をシールするように構成されている。
これによれば、先述したガス押上力によりシール材40が第1テーパ部14に押し付けられるので、シール材40のクリープ劣化が進行しても楔効果によるシール能力の維持が図られる。
また、第1テーパ部14が設けられていない場合に比べて、ガス押上力によりシール材40に剪断力や引張力が生じることを抑制でき、シール材40が損傷するおそれを低減できる。特に、燃焼室2へ直接燃料を噴射する位置へ燃料噴射弁1が取り付けられている場合には、燃焼室2の高いガス圧が印加されることになるので、上記効果が顕著に発揮される。
<特徴11>
取付穴4へのボデー10の挿入が完了した後、所定圧以上のガス圧がシール材40に未だ印加されていない初期状態において、シール材40が以下のようにシールするように構成されている。すなわち、溝部15のうち反噴孔側の壁面15cと取付穴4の内周面4aとの間にシール材40が挟まれて圧縮変形し、その圧縮変形部分が上記内周面4aとボデー10の外周面との間をシールするように構成されている。
これによれば、初期状態の時点でも、取付穴4の内周面4aとボデー10の外周面との間をシールするようにできるので、燃焼室2のガスが取付穴4を通じて外部に漏出するおそれを、通常使用時のみならず初期状態の時点においても抑制できる。
<特徴12>
取付穴4にボデー10が挿入されていない状態において、シール材40の最外径寸法D40は、取付穴4の内周面4aの内径寸法D4よりも大きく設定されている。
これによれば、初期状態および通常使用状態のいずれの時においても、シール材40の外周面が取付穴4の内周面4aに密着し、かつ、シール材40の内周面がボデー10の外周面に密着することの確実性を向上できる。よって、シール材40によるシール性を向上できる。
<特徴13>
取付穴4にボデー10が挿入されていない状態において、第1縮径部16に装着された状態のシール材40の最外周位置が、溝部15のうち噴孔側の壁面の最外周位置よりも、径方向外側に位置している。上記シール材40の最外周位置は、図2の例では本体部42の外周面位置である。上記溝部15のうち噴孔側の壁面の最外周位置は、図2の例では噴孔側壁面15aの最外周面位置、つまり噴孔部11の外周面位置である。
これによれば、初期状態および通常使用状態のいずれの時においても、シール材40の外周面が取付穴4の内周面4aに密着し、かつ、シール材40の内周面がボデー10の外周面に密着することの確実性を向上できる。よって、シール材40によるシール性を向上できる。
<特徴14>
溝部15のうち反噴孔側の壁面15cは、反噴孔側に向かうほどボデー10の径寸法が徐々に拡大するテーパ状に形成されている。
ここで、本実施形態に反して反噴孔側壁面15cを断面直角の形状にすると、ガス押上力によりシール材40が反噴孔側へ移動する際に、先端部41が溝部15からスムーズに外れなくなることが懸念される。これに対し、本実施形態によれば、反噴孔側壁面15cをテーパ状に形成するので、ガス押上力により先端部41が溝部15から外れることをスムーズにでき、上記懸念を解消できる。
(第2実施形態)
図10に示す本実施形態では、上記第1実施形態に係る第2テーパ部18を廃止している。つまり、ボデー10のうち第1縮径部16から反噴孔側に連なる部分には、第1テーパ部14、並行部17および基部12が順に形成されており、並行部17は、第1テーパ部14および基部12の間に位置して連続して繋がっている。この場合、並行部17が特許請求の範囲に記載の第2縮径部に相当し、並行部17の外周面と取付穴4の内周面4aとの間に形成される隙間が退避室4bとして機能する。
このように第2テーパ部18を廃止した構成であっても、並行部17により退避室4bが形成されるので、シール材40の端部が第1テーパ部14の反噴孔側端部にまで擦り上がった以降も、シール材40の端部が退避室4bに進入できるようになる。よって、第1実施形態と同様にして、楔効果が発揮されなくなる時期を延長させることができ、シール能力が発揮されるシール材40の寿命を長くできる。
(第3実施形態)
図11に示す本実施形態では、上記第1実施形態に係る第2テーパ部18および並行部17を廃止している。つまり、ボデー10のうち第1縮径部16から反噴孔側に連なる部分には、第1テーパ部14および基部12が順に形成されており、第1テーパ部14は、第1縮径部16および基部12の間に位置して連続して繋がっている。
このように第2テーパ部18および並行部17を廃止した構成によれば、退避室4bが存在しなくなる。そのため、シール能力の寿命を長くできるといった効果は発揮されなくなるものの、第2テーパ部18および並行部17を切削加工する工程が不要になるので、ボデー10の加工に要する工数を低減できる。
(第4実施形態)
上記第1実施形態では、挿入工程が完了した時点での初期状態では、シール材40の先端部41が溝部15内に嵌まり込んだままである。これに対し、本実施形態では、挿入工程の途中では、先端部41が溝部15内に嵌まり込んだ状態が維持されるが、挿入工程が完了した時点での初期状態では、先端部41が溝部15から外れた状態となる。
溝部15から外れるタイミングはできるだけ遅いことが望ましい。例えば、挿入量の残りが所定量になった時点で外れるようにするにあたり、上記所定量を、第1テーパ部14の軸方向長さ未満に設定することが望ましい。
このように挿入途中で溝部15から外れるようにするには、主に、第1縮径部16の面粗度や、溝部15の面粗度、シール材40の面粗度、反噴孔側壁面15cのテーパ角度、シール材40の弾性係数および弾性変形量等を調整して実現させる。
要するに、本実施形態によれば、取付穴4へのボデー10の挿入が完了した後、所定圧以上のガス圧がシール材40に未だ印加されていない初期状態において、先端部41が溝部15から外れている。そのため、ボデー10のうち溝部15よりも反噴孔側の部分(例えば、第1縮径部16または第1テーパ部14)によりシール材40が径方向に圧縮変形してシールすることとなる。
そのため、挿入途中まではシール材40が溝部15に引っ掛かるので、第1実施形態の効果と同様にして、摩擦でシール材40が引き上げられることを抑制できる。しかも、挿入完了時点では溝部15から外れているので、ガス圧が初回にシール材40へ印加される時に、シール材40のうちガス圧を受ける部分を、シール材40の端面41aだけにできる。よって、端面41aに加えてシール先端部41の内角41bおよび外角41cにも初回ガス圧がかかる第1実施形態(図5参照)の場合に比べ、シール材40がガス圧を受ける面積を少なくできる。よって、シール材40が燃焼室2内のガスから受ける熱量を少なくできるので、シール材40が溶損する懸念を低減できる。
(第5実施形態)
上記第1実施形態では、シール材40を第1縮径部16へ装着した状態、かつ、取付穴4に挿入する前の状態において、シール材40は肉厚均一の形状である。これに対し本実施形態では、シール材40のうち溝部15内に嵌り込む部分の肉厚が、他の部分よりも厚くなるように、肉厚が不均一なシール材40を採用している。詳細には、シール材40の先端部41が、本体部42よりも径方向内側に拡大する向きに肉厚が大きく形成されている。
これにより、図3の第2装着工程S20による矯正を不要にしつつ、挿入前の状態においてシール材の先端を溝部15内に嵌り込ませることを実現可能にしている。よって、本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果が発揮される。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、以下のように変更して実施してもよい。また、各実施形態の特徴的構成をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
・上記第1実施形態に係る溝部15を廃止して、ボデー10のうち噴孔部11の反噴孔側には第1縮径部16が連続して繋がる構造にしてもよい。この場合、溝部15が形成されている場合に比べて、ボデー10の挿入時にシール材40が移動しやすくなる。しかし、第1テーパ部14のテーパ角度θ1が10°以上に設定されているので、上記移動は抑制される。
・上記第1実施形態では、第1縮径部16および第1テーパ部14を同一の表面粗さに加工している。これに対し、第1テーパ部14の表面粗さを、第1縮径部16の表面粗さよりも小さく加工してもよい。これによれば、第1テーパ部14とシール材40との密着性が高くなり、シール材40と第1テーパ部14との間のシール性が向上する。よって、10°〜20°の範囲内においてテーパ角度θ1を大きく設定できるようになり、ボデー10挿入時におけるシール材40移動量の低減を促進できる。
・上記第1実施形態では、第2テーパ部18のテーパ角度θ2が10°以上かつ20°以下の範囲に設定されているが、この範囲から外れた角度に設定されていてもよい。この場合、並行部17を廃止して第2テーパ部18により第2縮径部を構成してもよい。
・上記第1実施形態では、第1テーパ部14の表面粗さが、ボデー10のうち電動アクチュエータ30を収容する部分13における外周面の表面粗さよりも小さく設定されている。これに対し、上記収容の部分13と第1テーパ部14の表面粗さが同じに設定されていてもよい。
・上記第1実施形態にかかるシール材40の形状と上記第5実施形態にかかるシール材の形状とを組み合わせても良い。すなわち、溝部15内に嵌り込む部分の肉厚を厚くした肉厚不均一のシール材を採用しつつ、その嵌り込む部分を縮径していく形状に矯正する。
・上記第1実施形態では、溝部15のうち反噴孔側の壁面15cは、反噴孔側に向かうほどボデー10の径寸法が徐々に拡大するテーパ状に形成されている。これに対し、上記壁面15cを湾曲状に形成してもよい。
・上記第1実施形態に係る燃料噴射弁1は、図1に示すように、シリンダヘッド3に取り付けられているが、シリンダブロックに取り付けられた燃料噴射弁であってもよい。また、上記第1実施形態では、点火式の内燃機関(ガソリンエンジン)に搭載された燃料噴射弁1について説明したが、圧縮自着火式の内燃機関(ディーゼルエンジン)に搭載された燃料噴射弁であってもよい。さらに、上記実施形態では、燃焼室2へ直接燃料を噴射する燃料噴射弁について説明したが、吸気管へ燃料を噴射する燃料噴射弁であってもよい。
1…燃料噴射弁、4…取付穴、10…ボデー、10a…噴孔、14…第1テーパ部、16…第1縮径部、40…シール材、θ1…第1テーパ部のテーパ角度。

Claims (14)

  1. 燃料を噴射する噴孔(10a)が形成されたボデー(10)を備えるとともに、
    前記ボデーの外周面に形成され、環状のシール材(40)が装着される部分であり、該ボデーを径方向に縮小させた形状である第1縮径部(16)と、
    前記ボデーの外周面のうち前記第1縮径部よりも反噴孔側に形成され、反噴孔側に向かうほど前記ボデーの径寸法が徐々に拡大する第1テーパ部(14)と、
    を備え、
    内燃機関の所定箇所に形成された取付穴(4)に前記ボデーが挿入され、所定圧以上のガス圧が前記シール材の噴孔側から印加された使用状態において、前記ガス圧により前記シール材が前記第1テーパ部に押し付けられて圧縮変形し、その圧縮変形部分が前記取付穴の内周面と前記ボデーの外周面との間をシールするように構成されており、
    前記ボデーの外周面のうち前記第1テーパ部に対して反噴孔側に連続する部分には、前記取付穴の内周面との間に隙間(4b)を形成するよう、前記ボデーを径方向に縮小させた形状である第2縮径部(17、18)が形成されていることを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 前記第2縮径部には、前記ボデーの径寸法が該ボデーの軸方向において均一である並行部(17)が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
  3. 前記第2縮径部には、反噴孔側に向かうほど前記ボデーの径寸法が徐々に拡大する第2テーパ部(18)が含まれており、
    前記並行部は、前記第1テーパ部および前記第2テーパ部の間に位置することを特徴とする請求項2に記載の燃料噴射弁。
  4. 前記第2テーパ部のテーパ角度(θ2)が10°以上かつ20°以下の範囲に設定されていることを特徴とする請求項3に記載の燃料噴射弁。
  5. 前記ボデーの内部には、前記噴孔を開閉する弁体(20)、および前記弁体を開閉作動させる磁気吸引力を生じさせる電動アクチュエータ(30)が収容されており、
    前記第1テーパ部の表面粗さが、前記ボデーのうち前記電動アクチュエータを収容する部分における外周面の表面粗さよりも小さいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の燃料噴射弁。
  6. 燃料を噴射する噴孔(10a)が形成されたボデー(10)を備えるとともに、
    前記ボデーの外周面に形成され、環状のシール材(40)が装着される部分であり、該ボデーを径方向に縮小させた形状である第1縮径部(16)と、
    前記ボデーの外周面のうち前記第1縮径部よりも反噴孔側に形成され、反噴孔側に向かうほど前記ボデーの径寸法が徐々に拡大する第1テーパ部(14)と、
    を備え、
    内燃機関の所定箇所に形成された取付穴(4)に前記ボデーが挿入され、所定圧以上のガス圧が前記シール材の噴孔側から印加された使用状態において、前記ガス圧により前記シール材が前記第1テーパ部に押し付けられて圧縮変形し、その圧縮変形部分が前記取付穴の内周面と前記ボデーの外周面との間をシールするように構成されており、
    前記ボデーの内部には、前記噴孔を開閉する弁体(20)、および前記弁体を開閉作動させる磁気吸引力を生じさせる電動アクチュエータ(30)が収容されており、
    前記第1テーパ部の表面粗さが、前記ボデーのうち前記電動アクチュエータを収容する部分における外周面の表面粗さよりも小さいことを特徴とする燃料噴射弁。
  7. 前記第1縮径部のうち、前記シール材の噴孔側の先端部(41)が装着される部分には、前記ボデーの径方向に凹む環状の溝部(15)が形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の燃料噴射弁。
  8. 前記先端部(41)が前記溝部に嵌まるように前記第1縮径部に装着された、前記シール材を備え、
    前記先端部は、噴孔側に近づくほど外径寸法が徐々に縮径していく円筒形状であることを特徴とする請求項7に記載の燃料噴射弁。
  9. 前記先端部(41)の噴孔側の端面(41a)の全体が、前記溝部の内部に位置していることを特徴とする請求項7または8に記載の燃料噴射弁。
  10. 前記溝部のうち反噴孔側の壁面(15c)は、反噴孔側に向かうほど前記ボデーの径寸法が徐々に拡大するテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1つに記載の燃料噴射弁。
  11. 前記取付穴への前記ボデーの挿入が完了した後、所定圧以上のガス圧が前記シール材に未だ印加されていない初期状態において、
    前記溝部のうち反噴孔側の壁面と前記取付穴の内周面との間に前記シール材が挟まれて圧縮変形し、その圧縮変形部分が前記取付穴の内周面と前記ボデーの外周面との間をシールするように構成されていることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1つに記載の燃料噴射弁。
  12. 前記取付穴への前記ボデーの挿入が完了した後、所定圧以上のガス圧が前記シール材に未だ印加されていない初期状態において、
    前記先端部が前記溝部から外れ、前記第1縮径部のうち前記溝部よりも反噴孔側の部分と前記取付穴の内周面との間に前記シール材が挟まれて圧縮変形し、その圧縮変形部分が前記取付穴の内周面と前記ボデーの外周面との間をシールするように構成されていることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1つに記載の燃料噴射弁。
  13. 前記取付穴に前記ボデーが挿入されていない状態において、前記第1縮径部に装着された状態の前記シール材の最外周位置が、前記溝部のうち噴孔側の壁面の最外周位置よりも径方向外側に位置していることを特徴とする請求項7〜12のいずれか1つに記載の燃料噴射弁。
  14. 前記取付穴に前記ボデーが挿入されていない状態において、前記シール材の最外径寸法(D40)は、前記取付穴の内周面の内径寸法(D4)よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1つに記載の燃料噴射弁。
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