JP4826424B2 - 電話端末及びこれを用いた通話制御方法並びにプログラム - Google Patents

電話端末及びこれを用いた通話制御方法並びにプログラム Download PDF

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Description

本発明は、電話端末にかかり、特に、通話音響の周波数特性を補正するイコライザを備えた電話端末に関する。
従来より、携帯電話機の通話音響に関しては、携帯電話機のマイク部、レシーバ部、筐体形状に基づいて固定で設定されていた。そして、海外利用可能な携帯電話機においては、各言語で利用されるものであるものの、各言語固有の周波数特性は無視されたカタチであり、音響設定に関していえば、改善の余地は残されている。また、不慣れな言語での通話に関しては、聞き取りが困難な場合もあった。なお、図12に、従来の携帯電話機の基本構成を示す。この図に示す携帯電話機は、アンテナ901と、RF部902と、RF制御部903と、A/D部904と、受信復調部905と、音声復号部906と、D/A部907と、送信変調部908と、マイク部909と、アンプ部910と、音声符号化部911と、CPU部912と、データ復号部913と、ROM部914と、RAM部915と、RTC(リアルタイムクロック部)916と、アンプ部917と、スピーカ部918と、キーボード部919と、ディスプレイ部920と、アンプ部921と、レシーバ部922と、を備えており、一般的な携帯電話機である。
また、従来の携帯電話機では、図13に示すように、レシーバ部1023に、音響解析を行うスペクトラムアナライザ1024と音響特性を補正するイコライザ部1021とを設置し、受話音響に応じて音響特性を補正するという構成を採っているものがある。具体的には、スペクトラムアナライザ1024にて音声を携帯内部のCPU部1012にフィードバックし、CPU部1012にて音響解析したのち、適正な補正値をイコライザ部1021適用する、という構成を採っている。これにより、各言語固有の周波数特性を考慮して受話音声を補正し、レシーバ部1023に出力している。なお、その他の構成は、上記図12に示した従来の携帯電話機と同一であるため、その説明は省略する。
特開2002−135364号公報 特開平8−163229号公報
しかし、上記図13に開示した従来の携帯電話機では、スペクトラムアナライザ1021からCPU1012、そして、補正データ生成装置1025を連動させる必要があり、システム的に煩雑になってしまう、という問題が生じる。また、より高度な携帯電話機の解析処理能力が必要となり、実装が困難である、という問題が生じる。さらに、実際の受話音声を解析してからイコライザ部1021に補正値を設定するため、通話が開始した後でなければ補正することができず、迅速な補正処理ができない、という問題が生じる。
また、上記特許文献1には、携帯電話無線機の受信音声補正システムおよび方法が開示されている。この文献では、各言語、あるいは性別など、特徴等々に合わせた音声補正するにあたっては予め必ず電話帳に電話番号、あるいは利用言語等々、その他、特徴を登録しておく必要がある。図14に、その動作フローチャートを示す。まず、着信の際に(S1101)、着信電話番号と携帯電話機の電話内の登録電話番号を照合する(S1102)。そして、着信番号が電話帳内に登録されていれば、その登録内容、例えば指定言語、性別、発声特徴等の情報を元に、予め登録されている音声パラメータから適切な設定値を選択して(S1103)、イコライザに適用する(S1104)。これにより、その後の通話時には、受話音声が設定された補正値にて補正された状態で(S1105)、通話を行うことができる(S1106)。しかし、ステップ(S1102)にて着信電話番号が電話帳内に登録されていなかった場合には、通常利用される固定の音声パラメータが適用されてしまい(S1107)、言語毎に適切な音声パラメータを利用することはできない、という問題があった。
また、上記特許文献2には、着信に対する円滑かつ適切な応対を図ることを目的として、コールIDの国番号に基づいてその国の対応言語を判定し、その言語の応答メッセージを読み出して電話機に表示する、という機能を有する携帯電話機が開示されている。しかしながら、かかる文献記載の技術では、対応言語による応答メッセージを表示するのみであって、上述したような音響補正等は行っていないため、通話相手の音声を聞き取り易くはなるといった効果はなく、通話品質の向上を図ることができない、という問題があった。
このため、本発明では、上記従来例の有する不都合を改善し、特に、通話時に迅速かつ適切に音響の改善を実現すると共に、端末の構成の簡略化、小型化、製造コストの低減を図ることができる電話端末を提供する、ことをその目的とする。
そこで、本発明の一形態である携帯電話機は、
マイクと、レシーバと、マイクにて入力された通話音声データ、かつ/あるいは、レシーバから出力される通話音声データの周波数特性を設定された補正値に基づいて補正するイコライザと、通話音声データを送受信する送受信手段と、通話動作を制御する制御手段と、を備えた電話端末であって、
地域毎に利用される言語に対応して予め設定された通話音声データの周波数特性の補正値を記憶する補正値記憶手段を備え、
制御手段は、発着信時に通話地を特定する地域情報を端末内から取得してその地域を判別する通話地域判別手段と、判別された地域に対応する補正値を補正値記憶手段から読み取ってイコライザに設定する補正値設定手段と、を備えた、
ことを特徴としている。
上記発明によると、電話端末は、まず、発着信時に自己や相手の通話地がどこであるか、を特定するための情報を、端末内にて発着信制御に用いられる情報などから取得して、通話地域を判別する。そして、判別された地域に対応した補正値を補正値記憶手段から読み出してイコライザに設定する。すると、その後、通話状態になると、マイクから入力された音声あるいはレシーバから出力される音声の周波数特性が、設定された補正値に応じてイコライザにて補正され、通話相手先に送信されたり、レシーバにて出力される。従って、通話ユーザにて使用される言語に適切な周波数特性に通話音響が改善され、通話品質の向上を図ることができ、ユーザの利便性の向上を図ることができる。また、通話制御時に取得する地域情報に基づいて地域を判別するため、通話音声の解析などの処理を行う必要が無く、迅速な音響の改善を実現すると共に、端末の構成の簡略化、小型化、製造コストの低減を図ることができる。
また、通話地域判別手段は、通話相手先の通話地を特定する地域情報を取得して当該通話相手先の地域を判別する、ことを特徴としている。このように、特に、通話相手先の地域を特定することで、相手先の言語に対応した音響改善を実現でき、不慣れな言語であっても円滑な通話を図ることができる。
また、通話地域判別手段は、地域情報として発着信番号を取得して当該発着信番号から通話相手先の地域を判別する、ことを特徴としている。特に、通話地域判別手段は、発着信番号に含まれる国番号から通話相手先の国を判別する、ことを特徴としている。また、ユーザ毎の電話番号とそのユーザの所在地域情報とを含む登録者情報を記憶した登録者情報記憶手段を備えると共に、通話地域判別手段は、発着信番号と登録者情報とに基づいて通話相手先の地域を判別する、ことを特徴としている。さらには、通話地域判別手段は、地域情報として電話端末に設定されているタイムゾーン設定情報を取得して、当該タイムゾーン設定情報に基づいて通話相手先の地域を判別する、ことを特徴としている。
これにより、発着信番号に含まれる国番号や、発着信番号と端末に登録されている情報、さらには、端末に設定されているタイムゾーン設定情報、に基づいて通話相手先地域を特定することができる。従って、通常、電話端末に装備される機能や情報などを用いて地域の判定を行うことができ、端末の構成の簡略化、小型化、製造コストの低減を図ることができる。また、地域判定の確実性の向上を図ることができる。
また、本発明の他の形態であるプログラムは、
マイクと、レシーバと、マイクにて入力された通話音声データ、かつ/あるいは、レシーバから出力される通話音声データの周波数特性を設定された補正値に基づいて補正するイコライザと、通話音声データを送受信する送受信手段と、を備えた電話端末の通話動作を制御する制御手段に、
発着信時に通話地を特定する地域情報を端末内から取得してその地域を判別する通話地域判別手段と、
判別された地域毎に利用される言語に対応して予め設定され記憶された通話音声データの周波数特性の補正値を読み取って、イコライザに設定する補正値設定手段と、
を実現させる、ことを特徴としている。
さらに、本発明の他の形態である通話音響調整方法は、
マイクと、レシーバと、マイクにて入力された通話音声データ、かつ/あるいは、レシーバから出力される通話音声データの周波数特性を設定された補正値に基づいて補正するイコライザと、通話音声データを送受信する送受信手段と、通話動作を制御する制御手段と、を備えた電話端末にて、通話音響を調整する方法であって、
発着信時に通話地を特定する地域情報を端末内から取得してその地域を判別する通話地域判別工程と、
判別された地域毎に利用される言語に対応して予め設定され記憶された通話音声データの周波数特性の補正値を読み取って、イコライザに設定する補正値設定工程と、
を有することを特徴としている。
そして、通話地域判別工程は、通話相手先の通話地を特定する地域情報を取得して当該通話相手先の地域を判別する、ことを特徴としている。また、通話地域判別工程は、地域情報として発着信番号を取得して当該発着信番号から通話相手先の地域を判別する、ことを特徴としている。さらには、通話地域判別工程は、地域情報として電話端末に設定されているタイムゾーン設定情報を取得して、当該タイムゾーン設定情報に基づいて通話相手先の地域を判別する、ことを特徴としている。
上述した構成の方法及びプログラムの発明であっても、上記電話端末と同様に作用するため、上述した本発明の目的を達成することができる。
本発明は、以上のように構成され機能するので、これによると、発着信時に、通話地における言語の周波数特性に対応した通話音響の補正設定が行われるため、通話時における音響の改善し、円滑な通話を実現でき、ユーザの利便性の向上を図ることができる。また、端末の構成の簡略化、小型化、製造コストの低減を図ることができる、という従来にない優れた効果を有する。
本発明では、発着信時に通話地域を特定して、その地域に対応する言語に応じて通話音響の補正を行う点に特徴を有する。以下、実施例にて具体的な構成及び動作を説明する。なお、実施例では、電話端末の一例として携帯電話機を挙げて説明するが、一般的な固定電話や、通話機能が組み込まれたパーソナルコンピュータにも適用可能である。
本発明の第1の実施例を、図1乃至図7を参照して説明する。図1は、携帯電話機の全体構成を示す図であり、図2は、主に携帯電話機のCPU及びROMの構成を示す機能ブロック図である。図3乃至図5は、イコライザの補正値を説明する説明図であり、図6は、登録者情報を説明するための説明図である。図7は、携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
[構成]
本実施例における携帯電話機1の基本構成を、図1のブロック図を参照して説明する。本実施例における携帯電話機1は、基本的には一般的な携帯電話機と同一の構成を有しており、アンテナ101と、RF部102と、RF制御部103と、A/D部104と、受信復調部105と、音声復号部106と、D/A部107と、送信変調部108と、マイク部109と、アンプ部110と、音声符号化部111と、CPU部112と、データ復号部113と、ROM部114と、RAM部115と、RTC(リアルタイムクロック部)116と、アンプ部117と、スピーカ部118と、キーボード部119と、ディスプレイ部120と、イコライザ部121と、アンプ部122と、レシーバ部123と、を備えている。以下、各構成について詳述する。なお、本実施例では、受信した通話音声信号の補正を行うことに特徴を有するため、主に、受信側の機能について詳述する。また、図2には、後述するCPU部112とROM部114の詳細な構成を表す機能ブロック図を示す。
まず、アンテナ101は、無線基地局に対して相互に無線通信を行い、音声信号(通話音声データ)の送受信を行う機能を有する(送受信手段)。特に、受信側の機能としては、無線基地局から音声信号を受信し、RF部102に供給する。そして、RF制御部103は、受信した音声信号を適正な信号レベルに処理する。受信復調部105は、音声信号を復調し、音声信号は音声復号部106へ、データ信号はデータ復号部113へ供給される。
また、ROM部114には、図2に示すように、国番号記憶部114aと、電話帳記憶部114bと、補正値記憶部114cと、が形成されている。国番号記憶部114aには、電話発信する際に利用される国毎に割り当てられた国番号と、この国番号に対応する国名と、が関連付けられて記憶されている(例えば、米国:1、日本:81、など)。また、電話帳記憶部114b(登録者情報記憶手段)には、携帯電話機を利用するユーザにて登録された他のユーザの氏名や電話番号、国籍などの所在地域情報、電子メールアドレス、などが登録されている。ここで、電話帳の設定画面の一例を、図6に示す。図6(a)に示すように、電話帳の各ユーザの画面601には、国名602、および、国番号603、を登録できる欄を設けてあり、これに応じて、ユーザは、登録するユーザの国籍や住所がある国の国名及び国番号を入力する。なお、国番号を入力することで自動的に国名が表示される構成でもよい。あるいは、図6(b)の画面604に示すように、電話番号の登録欄に国番号605を含めて登録してもよい。
また、上記ROM部114の補正値記憶部114c(補正値記憶手段)には、予め言語毎に対応した音響パラメータ(補正値)が格納されている。この音響パラメータは、上述した国番号に対応する地域毎に利用される言語毎に用意されており、後述するイコライザ121にて音声信号の周波数特性を補正するために当該イコライザに設定されるデータである。この音響パラメータについて、図3、図4、図5を参照して詳述する。まず、各言語の音響特性について図3を用いて説明する。各言語は、それぞれ固有の周波数帯域を持っている。例えば、英語301、米語302、フランス語303、ドイツ語304、イタリア語305、スペイン語306、ロシア語307、日本語308の周波数帯域は図に示す通りであり、英語は2000〜14000Hz付近、日本語は125〜1500Hz付近の帯域となる。なお、図4に、一例として、米国語402に合わせた音響パラメータの補正値ライン401を示す。
また、図5(a)は、実際に補正値記憶部114cに記憶されている国番号と国、そして、それぞれの国に対応した音響パラメータの管理テーブルを示す。このように、各言語、固有の周波数レンジに合わせた音響パラメータを予め携帯電話機のメモリ内に格納しておくことで、それぞれの言語の周波数特性に合わせた音響パラメータによって通話品質を適正化させることができる。なお、各言語に合わせた適切な音響設定を実現するにあたっては、いわゆるパラメトリックイコライザの手段を用いる。概要について、図5(b)に示す各音響パラメータの詳細データを用いて説明する。本発明で用いられるパラメトリックイコライザの手段では、フリケンシー504、ゲイン506、Q値505の3つのパラメータを適正な設定値で用意し、イコライザ121に設定する。ここで、フリケンシー504では、周波数において不要部分をカット、あるいは強調したい帯域を選択する。ゲイン506においては、それらカット、あるいはブーストの程度の設定を指す。Q値505は、ゲイン506をカット、あるいはブーストする周波数の幅を設定することができる。つまりQ値505が大きいとフリケンシー504で設定した周波数を中心に、より広い範囲で、ゲイン506がブーストあるいはカットされ、音響補正の効果の周波数帯域範囲が広くなる。逆に、Q値505が狭い場合は、特定の周波数だけがブースト、あるいはカットされるので、ある特定の周波数帯域にのみ、音響補正の効果が期待できる。
なお、ROM部114には、さらに、音響パラメータの他に、CPU部112において実行されるアプリケーションやディスプレイ部120に表示されるフォントなどが格納されている。
次に、CPU部112(制御手段)について説明する。CPU部112は、携帯電話機の動作を制御し、特に、通話動作を制御する。そして、このCPU部112には、所定のプログラムが組み込まれることにより、図2に示すように、着信番号取得処理部112aと、国判別処理部112bと、イコライザ設定処理部112cと、が構築されている。着信番号取得処理部112aは、データ復号部113から供給されたデータ信号を受け付けて、国判別処理部112bに渡す機能を有する。そして、国判別処理部112bは、発呼元の電話番号に含まれている国番号を抽出し、この国番号から国を判別する機能を有する。また、国判別処理部112bは、着信した発呼者の電話番号から国番号の判断ができない場合には、着信した電話番号が携帯電話機の電話帳記憶部114bに登録されているか否かを照合する。登録されている場合には、そのユーザの所在国欄に登録されている国情報を抽出して、国を判別する。このように、着信番号取得処理部112aと国判別処理部112bとは、協働して、携帯電話機による発着信時に通話地を特定する地域情報を端末内から取得し、その地域を判別する通話地域判別手段として機能している。また、イコライザ設定処理部112c(補正値設定手段)は、上述したように国判別処理部112bにて判別された国、つまり、国番号に対応して補正値記憶部114cに記憶されている音響パラメータを取得して、この音響パラメータをイコライザ部121に設定する機能を有する。
イコライザ部112は、設定された音響パラメータの値に従って、音声復号部106から供給される音声信号の周波数特性を補正して出力する機能を有する。そして、修正された音声信号は、アンプ部122によって増幅されレシーバ123によって鳴動され出力される。
RAM部115は、主に作業領域として用いられる。つまり、CPU部112が様々なプログラム実行中において、必要に応じて演算処理されたデータの一時的な格納や、表示、あるいは演算するにあたって一時的にデータを格納する必要が生じた際に利用されるメモリ媒体である。RTC部116は、RealTimeClockを指す。アンプ部117は、着呼時の呼び出し音や、音楽プレーヤとして利用する際、CPU部112から供給されるデータ信号を増幅する役割を持っており、増幅されたデータ信号は、スピーカ118部によって鳴動される。キーボード部119は、テンキーやファンクションキー等、携帯電話機に設置された一連のキーを指す。ユーザは、これらを押下することにより、そのデータ信号はCPU部112によって処理される。ディスプレイ部120は、発着呼やメールの受信、あるいはメール作成、ウェブ表示等々、携帯電話の状況を表示する。
[動作]
次に、上記構成の携帯電話機の動作を、図7のフローチャートを参照して説明する。まず、携帯電話機に着呼があると(S201)、携帯電話機は発呼側の携帯電話機の電話番号、つまり、着信番号を確認し、その電話番号内に国番号が含まれているか否かを判断する(S202)。そして、国番号が含まれている場合には(S202:Yes)、携帯電話機はその国番号から、発呼がどちらの国からであるかを判断する(S203、通話地域判別工程)。
そして、判別された国に対応する、携帯電話機のメモリに予め登録されている言語毎の音響パラメータ値を選択し(S204)、その音響パラメータ値をイコライザ部に設定する(S205、補正値設定工程)。
その後、ユーザが携帯電話機のキー操作にてオフフックにすることで通話開始されると、レシーバからは、イコライザ部に設定された音響パラメータによって補正された音声が出力され(S206)、通話が可能となる(S209)。
また、上述したステップS202にて、着信番号から国別判別不可能なネットワークサービス網からの着信であると判断され(S202:No)、発呼者の電話番号から国番号の判断ができない場合には、まず、着信番号が携帯電話機の電話帳に登録されているか否かを照合する(S207)。そして、登録されている場合には(S207:Yes)、そのユーザの電話帳内に登録されている国を特定して、その国に対応して登録されている音響パラメータを選択する(S208)。そして、その音響パラメータをイコライザ部に設定することで(S205)、通話が開始されると、通話品質が補正されて(S206)、通話が可能となる(S209)。なお、着信番号が電話帳に一致しなかった場合には(S207:No)、従来の携帯電話機と同様、通話品質の補正はなしのまま、通話が行われる(S209)。
以上のように、本実施例における携帯電話機では、着信番号に基づいて通話相手先のユーザにて使用される言語に適切な周波数特性に通話音響が改善されるため、不慣れな言語であっても円滑な通話を実現でき、ユーザの利便性の向上を図ることができる。また、着信直後で通話状態に移行する前に迅速に適切な音響パラメータの設定が行われるため、さらなるユーザの利便性が向上しうる。また、従来行われていた通話音声の解析などの処理を行う必要が無いため、解析装置などを実装する必要が無く、端末の構成の簡略化、小型化、製造コストの低減を図ることができる。
ここで、上記では、通話相手先の通話国を特定して、その国にて利用されている言語に対応した音響パラメータを設定する場合を例示したが、これに限定されない。例えば、地域毎に特有の言語、つまり、方便やなまりなどの特性を考慮した音響パラメータを予め記憶しておき、国内における市外呼局番や電話帳に登録された住所などから通話相手先の地域を特定し、その地域の言語に対応した音響パラメータを設定するよう構成されていてもよい。
次に、本発明の第2の実施例を、図8乃至図11を参照して説明する。図8乃至図9は、本実施例における携帯電話機の構成を示すブロック図である。図10は、携帯電話機の操作画面の一例を示す図である。図11は、携帯電話機の動作を示すフローチャートである。なお、本実施例では、携帯電話機を会社の業務で利用する等の理由により、発呼者が諸外国を相手に電話を掛ける場合に利用されることを想定して説明するが、かかる利用方法に限定されるわけではない。
[構成]
本実施例における携帯電話機は、基本的には、上記実施例1の携帯電話機と同様の構成を採っている。つまり、アンテナ701と、RF部702と、RF制御部703と、A/D部704と、受信復調部705と、音声復号部706と、D/A部707と、送信変調部708と、マイク部709と、アンプ部710と、音声符号化部712と、CPU部713と、データ復号部714と、ROM部715と、RAM部716と、RTC(リアルタイムクロック部)717と、アンプ部718と、スピーカ部719と、キーボード部720と、ディスプレイ部721と、イコライザ部722と、アンプ部723と、レシーバ部724と、を備えている。そして、さらに、本実施例では、マイク部709に接続されてイコライザ部711が設けられている。このイコライザ部711は、マイク部709から入力され通話相手の電話端末に送信される通話音声信号の周波数特定を、設定された音響パラメータに基づいて補正する機能を有する。
また、本実施例におけるCPU部713には、図9に示すように、所定のプログラムが組み込まれることにより、タイムゾーン設定処理部713aと、タイムゾーン設定情報取得処理部713bと、国判定処理部713cと、イコライザ設定処理部713dと、が構築されている。また、ROM部715には、タイムゾーン設定記憶部715aと、補正値記憶部715bと、が形成されている。以下、詳述する。
まず、タイムゾーン設定処理部713aは、携帯電話機の時刻設定を、時差を考慮して特定の地域毎に対応させる機能である。例えば、図10の画面801に示すように、ユーザが発信する相手先の地名や国をキーボード720などから選択することで、かかる地域のタイムゾーンに携帯電話機の時刻を設定することができる。そして、設定したタイムゾーン設定情報は、ROM715内のタイムゾーン設定記憶部715aに記憶される。また、タイムゾーン設定情報取得処理部713bは、携帯電話機にて発呼操作がなされたときに、タイムゾーン設定記憶部715aから現在のタイムゾーン設定情報を取得して、国判別処理部713cに渡す。そして、国判別処理部713cは、タイムゾーン設定情報に基づいて、現在設定されているタイムゾーン設定に対応する国や地域を判別し、イコライザ設定処理部713dに通知する。このように、タイムゾーン設定情報取得処理部713bと国判別処理部713cとは、協働して、タイムゾーン設定に基づいて通話相手先の地域を判別する通話地域判別手段として機能する。
そして、国判別処理部713cから判別された国や地域の情報を取得したイコライザ設定処理部713dは、その国や地域に対応する音響パラメータを補正値記憶部715bから取得して、マイク709やレシーバ724にそれぞれ接続されたイコライザ部711,722に設定する。なお、補正値記憶部715bには、予め各タイムゾーン設定に対応する国や地域毎に応じた音響パラメータが設定されている。これにより、マイク709にて入力された音声信号が当該マイク709側のイコライザ部711にて通話先の言語に対応する音響パラメータで適切に補正されて出力されると共に、通話相手からの音声信号もレシーバ724側のイコライザ部722にて適切に補正されてレシーバ724から出力される。
なお、携帯電話機に装備された他の構成は、上記実施例1と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
[動作]
次に、上記構成の携帯電話機の動作を、図11のフローチャートを参照して説明する。まず、ユーザは、発信先の地域に合わせて、タイムゾーンの設定を行う(S301)。これにより、相手の活動時刻に合わせて通話を行うことができる。
その後、携帯電話機にて発信を行うと(S302)、現在のタイムゾーン設定を読み取り(S303)、発信先の国を判別する(S304、通話地域判別工程)。そして、判別された国に対応する、携帯電話機のメモリに予め登録されている言語毎の音響パラメータ値を選択し(S305)、その音響パラメータ値をイコライザ部711,722に設定する(S306、補正値設定工程)。
その後、ユーザが携帯電話機のキー操作にてオフフックにすることで通話開始されると、マイク709にて入力された音声信号が当該マイク709側のイコライザ部711に設定された音響パラメータで適切に補正されて相手先に出力されると共に、レシーバ724からは当該レシーバ724側のイコライザ部722に設定された音響パラメータによって補正された音声が出力され(S307)、通話が可能となる(S308)。
なお、発信時における補正値の選択は、タイムゾーン設定に基づいて行われることに限定されない。例えば、発信電話番号から発信先の国番号(地域情報)を読み取って、これに基づいて通話先の国(地域)を特定し、対応した音響パラメータを各イコライザ711,722に設定してもよい。さらには、ユーザが携帯電話機の設定メニューなどから、直接通話相手先の地域を選択して、かかる地域に対応した音響パラメータを設定してもよい。
また、上述した実施例1,2では、通話相手先の国や地域を判別して、かかる国等で使用される言語に対応した音響パラメータを選択する場合を説明したが、発信側のユーザの国を判別して、音響パラメータを設定してもよい。例えば、発信側のユーザの電話番号(発信元の電話番号)から発信者の国を特定し、この国の言語に対応した音響パラメータをマイク709側及びレシーバ724側のイコライザ711,722に設定してもよい。さらには、発信者の国を判別して当該発信者側の国の言語に対応した音響パラメータをマイク709側のイコライザ711に設定し、発信先の電話番号から判別した発信先の国の言語に対応した音響パラメータをレシーバ724側のイコライザ722に設定してもよい。
本発明は、諸外国の相手と通話する際に利用する携帯電話機などの電話端末に利用することができ、産業上の利用可能性を有する。
実施例1における携帯電話機の構成を示すブロック図である。 図1に開示した携帯電話機のCPU及びROMの構成を示す機能ブロック図である。 各言語の音響特性分布を示す図である。 音響設定の一例を示す図である。 携帯電話機に記憶された各言語の音響設定テーブルを示す図である。 携帯電話機に記憶された電話帳の登録画面例を示す図である。 実施例1における携帯電話機の動作を示すフローチャートである。 実施例2における携帯電話機の構成を示すブロック図である。 図8に開示した実施例2における携帯電話機のCPU及びROMの構成を示す機能ブロック図である。 携帯電話機のタイムゾーン設定画面例を示す図である。 実施例2における携帯電話機の動作を示すフローチャートである。 従来例における携帯電話機の構成を示すブロック図である。 従来例における携帯電話機の構成を示すブロック図である。 従来例における携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
101,701 アンテナ
102,702 RF部
103,703 RF制御部
104,704 A/D部
105,705 受信復調部
106,706 音声復号部
107,707 D/A部
108,708 送信変調部
109,709 マイク部
110,710 アンプ部
111,712 音声符号化部
112,713 CPU部
113,714 データ復号部
114,715 ROM部
115,716 RAM部
116,717 RTC部
117,718 アンプ部
118,719 スピーカ部
119,720 キーボード部
120,721 ディスプレイ部
121,711,722 イコライザ部
122,723 アンプ部
123,724 レシーバ部
501 各言語パラメータテーブル
502 英語音響パラメータコード
503 英語音響パラメータテーブル
504 フリケンシー設定項目
505 Q値設定項目
506 ゲイン設定項目

Claims (7)

  1. マイクと、レシーバと、前記マイクにて入力された通話音声データ、かつ/あるいは、前記レシーバから出力される通話音声データの周波数特性を設定された補正値に基づいて補正するイコライザと、前記通話音声データを送受信する送受信手段と、通話動作を制御する制御手段と、を備えた電話端末であって、
    地域毎に利用される言語に対応して予め設定された前記通話音声データの周波数特性の補正値を記憶する補正値記憶手段を備え、
    前記制御手段は、発着信時に通話相手先の通話地を特定する地域情報を取得して当該通話相手先の地域を判別する通話地域判別手段と、判別された地域に対応する前記補正値を前記補正値記憶手段から読み取って前記イコライザに設定する補正値設定手段と、を備え、
    前記通話地域判別手段は、前記地域情報として電話端末に設定されているタイムゾーン設定情報を取得して、当該タイムゾーン設定情報に基づいて通話相手先の地域を判別する、
    ことを特徴とする電話端末。
  2. 前記通話地域判別手段は、前記地域情報として発着信番号を取得して当該発着信番号から通話相手先の地域を判別する、
    ことを特徴とする請求項記載の電話端末。
  3. 前記通話地域判別手段は、前記発着信番号に含まれる国番号から通話相手先の国を判別する、
    ことを特徴とする請求項記載の電話端末。
  4. ユーザ毎の電話番号とそのユーザの所在地域情報とを含む登録者情報を記憶した登録者情報記憶手段を備えると共に、
    前記通話地域判別手段は、発着信番号と前記登録者情報とに基づいて通話相手先の地域を判別する、
    ことを特徴とする請求項記載の電話端末。
  5. マイクと、レシーバと、前記マイクにて入力された通話音声データ、かつ/あるいは、前記レシーバから出力される通話音声データの周波数特性を設定された補正値に基づいて補正するイコライザと、前記通話音声データを送受信する送受信手段と、を備えた電話端末の通話動作を制御する制御手段に、
    発着信時に通話相手先の通話地を特定する地域情報を取得して当該通話相手先の地域を判別する通話地域判別手段と、
    判別された地域毎に利用される言語に対応して予め設定され記憶された前記通話音声データの周波数特性の補正値を読み取って、前記イコライザに設定する補正値設定手段と、
    を実現させると共に、
    前記通話地域判別手段は、前記地域情報として電話端末に設定されているタイムゾーン設定情報を取得して、当該タイムゾーン設定情報に基づいて通話相手先の地域を判別する、
    ことを実現させるためのプログラム。
  6. マイクと、レシーバと、前記マイクにて入力された通話音声データ、かつ/あるいは、前記レシーバから出力される通話音声データの周波数特性を設定された補正値に基づいて補正するイコライザと、前記通話音声データを送受信する送受信手段と、通話動作を制御する制御手段と、を備えた電話端末にて、通話音響を調整する方法であって、
    発着信時に通話相手先の通話地を特定する地域情報を取得して当該通話相手先の地域を判別する通話地域判別工程と、
    判別された地域毎に利用される言語に対応して予め設定され記憶された前記通話音声データの周波数特性の補正値を読み取って、前記イコライザに設定する補正値設定工程と、
    を有し、
    前記通話地域判別工程は、前記地域情報として電話端末に設定されているタイムゾーン設定情報を取得して、当該タイムゾーン設定情報に基づいて通話相手先の地域を判別する、
    ことを特徴とする通話音響調整方法。
  7. 前記通話地域判別工程は、前記地域情報として発着信番号を取得して当該発着信番号から通話相手先の地域を判別する、
    ことを特徴とする請求項記載の通話音響調整方法。
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