以下、添付図面に従って本発明に係る電子カメラを実施するための最良の形態について詳説する。
図1、図2は、それぞれ本発明が適用された電子カメラの構成を示す正面斜視図と背面斜視図である。同図に示すように、本実施の形態の電子カメラは、画像の撮影する電子カメラ本体1と、その電子カメラ本体1で撮影された画像データを記録するメモリユニット2とで構成されている。まず、電子カメラ本体1の構成について説明する。
上記のように電子カメラ本体1で撮影される画像のデータは、メモリユニット2に記録される。このため、電子カメラ本体1には、画像データを記録するための記憶メディアは備えられていない。したがって、メモリカードを装填するためのスロット等も備えられていない。
図1に示すように、電子カメラ本体1のカメラボディ10は、薄い矩形の箱状に形成されている。このカメラボディ10の正面には、撮影レンズ12、ストロボ14、ファインダ窓16等が設けられており、上面には、シャッタボタン18、電源スイッチ20等が設けられている。
また、図2に示すように、カメラボディ10の背面には、モニタ22、ファインダ接眼部24、モードスイッチ26、マクロボタン28、ズームレバー30、ストロボボタン32、フォトモードボタン34、MENU/OKボタン36、BACKボタン38等が設けられている。
撮影レンズ12は、沈胴式のズームレンズで構成されており、撮影時にカメラボディ10から繰り出され、非撮影時はカメラボディ10内に沈胴する。
シャッタボタン18は、いわゆる「半押し」と「全押し」とからなる2段ストローク式のスイッチで構成されている。電子カメラ本体1は、このシャッタボタン18の「半押し」によってAE(Automatic Exposure)、AF(Auto Focus)、AWB(Automatic White Balance )が行われ、「全押し」によって画像の記録が行われる。
電源スイッチ20は、電子カメラ本体1の電源をON/OFFするスイッチとして機能する。
モニタ22は、カラー表示が可能な液晶モニタで構成されている。このモニタ22は、撮影済み画像の表示画面として利用されるとともに、各種設定時にユーザインターフェースとして利用される。また、撮影時には、必要に応じてスルー画像が表示され、画角確認用の電子ファインダとして利用される。
モードスイッチ26は、電子カメラ本体1のモードを切り替えるスイッチとして機能し、「再生位置」、「静止画撮影位置」、「動画撮影位置」の間をスライド自在に設けられている。電子カメラ本体1は、このモードスイッチ26を「再生位置」に合わせることにより、「再生モード」に設定され、撮影済み画像の再生が可能になる。また、「静止画撮影位置」に合わせることにより、「静止画撮影モード」に設定され、静止画の撮影が可能になり、「動画撮影位置」に合わせることにより、「動画撮影モード」に設定され、動画の撮影が可能になる。
マクロボタン28は、撮影時にマクロ機能のON/OFFの切り替えを指示するボタンとして機能するとともに、再生時に画像のコマ戻しを指示するボタンとして機能する。また、メニュー画面等でカーソルの左方向の移動を指示するボタンとして機能する。
ズームレバー30は、上下方向に揺動自在に設けられており、撮影時にズーミングを指示するレバーとして機能するとともに、再生時に再生画像の拡大縮小を指示するレバーとして機能する。また、メニュー画面等でカーソルの上下方向の移動を指示するボタンとして機能する。
ストロボボタン32は、撮影時にストロボ機能の切り替えを指示するボタンとして機能するとともに、再生時に画像のコマ送りを指示するボタンとして機能する。また、メニュー画面等でカーソルの右方向の移動を指示するボタンとして機能する。
フォトモードボタン34は、撮影モード等の設定画面をモニタ22に呼び出すボタンとして機能し、このフォトモードボタン34を押してモニタ22に呼び出される画面で撮影画像の記録画素数の設定や感度の設定、色調や階調の設定、プリント予約の設定等が行われる。
MENU/OKボタン36は、メニュー画面を呼び出すボタンとして機能するとともに(MENUボタンの機能)、選択内容の確定、処理の実行等を指示するボタンとして機能する(OKボタンの機能)。
BACKボタン38は、入力操作のキャンセル等を指示するボタンとして機能するとともに、モニタ表示のON/OFFの切り替えを指示するボタンとして機能する。
メモリユニット2は、図1に示すように、薄いカード状に形成されており、その内部に図示しない記憶メディアが内蔵されている。
図3は、図1及び図2に示した電子カメラ本体1とメモリユニット2の電気的構成を示すブロック図である。
まず、電子カメラ本体1の構成について説明する。図3に示すように、電子カメラ本体1は、撮影レンズ12、撮像素子50、アナログ信号処理部52、A/D変換器53、画像入力コントローラ54、デジタル信号処理部56、圧縮伸張処理部58、表示制御部60、モニタ22、無線通信部62、電源制御部64、バッテリ66、ストロボ制御部68、操作部70(シャッタボタン18、電源スイッチ20、モードスイッチ26、マクロボタン28、ズームレバー30、ストロボボタン32、フォトモードボタン34、MENU/OKボタン36、BACKボタン38等)、CPU72、RAM74、ROM76、EEPROM78等で構成されている。
電子カメラ本体1の全体の動作は、CPU72によって統括制御されており、CPU72は、操作部70からの入力に応じて、RAM74を作業領域としながら、所定の制御プログラムに従って電子カメラ1の各部を制御する。ROM76には、このCPU72が実行する制御プログラム及び制御に必要な各種データが記録されている。また、EEPROM78には、メニュー画面等で設定したユーザの各種設定情報等が記録されている。
撮影レンズ12に入射した光は、絞り13を介して撮像素子50の受光面に入射する。撮像素子50は、所定のカラーフィルタ配列のカラーCCDで構成されており、この撮像素子50の受光面に入射した被写体光は、受光面に配列されたフォトダイオードによって光電変換され、画像信号として撮像素子50から出力される。
アナログ信号処理部52は、CDS(相関二重サンプリング)、AGC(ゲイン・コントロール・アンプ回路)等を備え、撮像素子50から出力された画像信号に対して所要の信号処理を施す。アナログ信号処理部52で所要の信号処理が施されたアナログの画像信号は、A/D変換器53でデジタルの画像信号に変換されたのち、画像入力コントローラ54を介してRAM74に取り込まれる。
デジタル信号処理部56は、CPU72の制御の下、RAM74に取り込まれた画像信号に対して色分離処理、ガンマ補正処理、輪郭強調補正処理、色差マトリクス処理等の所要の信号処理を施して、輝度データ(Y)と色差データ(Cr、Cb)とからなる画像データ(YUV)を生成する。
圧縮伸張処理部58は、CPU72の制御の下、メモリユニット2に記録する画像データに対して所要の圧縮処理を施すとともに、メモリユニット2から読み出した圧縮画像データに対して所要の伸張処理を施す。
表示制御部60は、CPU72の制御の下、モニタ22の表示を制御し、入力された画像データをモニタ表示用のデータ形式に変換して、モニタ22に出力する。
無線通信部62は、CPU72の制御の下、メモリユニット2に設けられた無線通信部62との間で所定の無線通信規格に従ってデータの送受信を行う。なお、この無線通信部62には、公知の無線通信手段で構成されるものとし、たとえばブルートゥース、ワイヤレスUSB、無線タグ等の無線通信手段で構成される。
電源制御部64は、CPU72の制御の下、バッテリ66から電カメラ本体1の各部に供給する電力を制御する。ストロボ制御部68は、CPU72の制御の下、ストロボ14の発光を制御する。
次に、メモリユニット2の構成について説明する。図3に示すように、メモリユニット2は、マイコン80、記憶メディア82、無線通信部84、電源制御部86、バッテリ88、バッテリ容量検出部90等で構成されている。
マイコン80は、CPU、ROM、RAM等を備えており、所定の制御プログラムに従ってメモリユニット2の全体の動作を統括制御する。
記憶メディア82は、マイコン80による制御の下、データの記録、消去を行い、この記憶メディア82に電子カメラ本体1で撮像された画像データが記録される。
無線通信部84は、マイコン80による制御の下、電子カメラ本体1に設けられた無線通信部62との間で無線でデータの送受信を行う。
電源制御部86は、マイコン80の制御の下、バッテリ88からメモリユニット2の各部に供給される電力を制御する。バッテリ容量検出部90は、バッテリ88の容量を検出し、マイコン80に出力する。
次に、上記のように構成された本実施の形態の電子カメラの動作について説明する。
まず、静止画の撮影時における電子カメラの動作について説明する。静止画の撮影は、カメラのモードを「静止画撮影モード」に設定して行われる。「静止画撮影モード」は、モードスイッチ26を「静止画撮影位置」に合わせることにより設定される。
図4は、静止画撮影モード時における電子カメラ本体1の処理動作の手順を示すフローチャートである。
カメラの電源がONされると(ステップS10)、CPU72は、無線通信部62で通信可能なメモリユニット2の検出を行う(ステップS11)。そして、その検出結果から通信可能なメモリユニット2の有無を判定する(ステップS12)。
通信可能なメモリユニット2が検出されず、メモリユニットなしと判定すると、CPU72は、モニタ22に所定のエラーメッセージ(たとえば、「メモリユニットがありません!」等)を表示し(ステップS13)、処理を終了する。
一方、通信可能なメモリユニット2が検出され、メモリユニットありと判定すると、CPU72は、そのメモリユニット2の記憶メディア82の残容量を検出する(ステップS14)。そして、その検出結果から記憶メディアの残容量の有無を判定する(ステップS15)。
メモリユニット2の残容量ナシと判定した場合、CPU72は、モニタ22に所定のエラーメッセージ(たとえば、「メモリに空き容量がありません!」等)を表示し(ステップS13)、処理を終了する。
一方、残容量アリと判定した場合、CPU72は、操作部70からの入力に基づき撮影指示(シャッタボタンの全押し)の有無を判定し(ステップS16)、撮影指示ありと判定すると、撮影処理を実行する(ステップS17)。すなわち、撮像素子50で1コマ分の画像を撮像し、撮像素子50から出力される画像信号に対して所要の信号処理を施して圧縮画像データを生成する。生成された圧縮画像データは、RAM74に格納され、このRAM74に格納された圧縮画像データを無線通信部62を介してメモリユニット2に転送する(ステップS18)。メモリユニット2は、電子カメラ本体1から送信された圧縮画像データを無線通信部84で受信し、記憶メディア82に格納する。
この後、電子カメラ本体1のCPU72は、操作部70からの入力に基づき電源がOFFされたか否か判定し(ステップS19)、OFFされたと判定すると、処理を終了する。一方、電源がOFFされていないと判定すると、ステップS11に戻り、上記処理を繰り返し実行する。
このように、「静止画撮影モード」において、電子カメラ本体1で撮影された静止画の画像データは、電子カメラ本体1からメモリユニット2に転送され、メモリユニット2に内蔵された記憶メディア82に格納される。
次に、動画の撮影時における電子カメラの動作について説明する。動画の撮影は、カメラのモードを「動画撮影モード」に設定して行われる。「動画撮影モード」は、モードスイッチ26を「動画撮影位置」に合わせることにより設定される。
基本的な処理の流れは、撮影モードの時と同じである。まず、カメラの電源がONされると(ステップS10)、無線通信部62で通信可能なメモリユニット2の検出が行われる(ステップS11)。そして、その検出結果から通信可能なメモリユニット2の有無が判定される(ステップS12)。
メモリユニットなしと判定すると、CPU72は、モニタ22に所定のエラーメッセージを表示させ(ステップS13)、メモリユニットありと判定すると、CPU72は、記憶メディア82の残容量を検出する(ステップS14)。そして、その検出結果から記憶メディアの残容量の有無を判定する(ステップS15)。
メモリユニット2の残容量ナシと判定すると、CPU72は、モニタ22に所定のエラーメッセージを表示させ(ステップS13)、残容量アリと判定すると、CPU72は、操作部70からの入力に基づき撮影の指示の有無を判定し(ステップS16)、撮影指示ありと判定すると、撮影処理を実行する(ステップS17)。すなわち、撮像素子50で連続的に画像を撮像し、その撮像素子50から連続的に出力される画像信号を処理して動画の画像データを生成する。生成された動画の画像データは、RAM74に格納され、このRAM74に格納された動画の画像データを無線通信部62を介してメモリユニット2に転送する(ステップS18)。メモリユニット2は、電子カメラ本体1から送信された動画の画像データを無線通信部84で受信し、記憶メディア82に格納する。
この後、電子カメラ本体1のCPU72は、操作部70からの入力に基づき電源がOFFされたか否か判定し(ステップS19)、OFFされたと判定すると、処理を終了する。一方、電源がOFFされていないと判定すると、ステップS11に戻り、上記処理を繰り返し実行する。
このように、「動画撮影モード」において、電子カメラ本体1で撮影された動画の画像データは、電子カメラ本体1からメモリユニット2に転送され、メモリユニット2に内蔵された記憶メディア82に格納される。
次に、画像再生時における電子カメラの動作について説明する。画像の再生は、カメラのモードを「再生モード」に設定して行われる。「再生モード」は、モードスイッチ26を「再生位置」に合わせることにより設定される。
図5は、再生モード時における電子カメラ本体1の処理動作の手順を示すフローチャートである。
カメラの電源がONされると(ステップS20)、CPU72は、無線通信部62で通信可能なメモリユニット2の検出を行う(ステップS21)。そして、その検出結果から通信可能なメモリユニット2の有無を判定する(ステップS22)。
通信可能なメモリユニット2が検出されず、メモリユニットなしと判定すると、CPU72は、モニタ22に所定のエラーメッセージ(たとえば、「メモリユニットがありません!」等)を表示し(ステップS23)、処理を終了する。
一方、通信可能なメモリユニット2が検出され、メモリユニットありと判定すると、CPU72は、そのメモリユニット2の記憶メディア82内の画像データを検出する(ステップS24)。そして、その検出結果から記憶メディア82内の画像データの有無を判定する(ステップS25)。
メモリユニット2に画像データなしと判定した場合、CPU72は、モニタ22に所定のエラーメッセージ(たとえば、「画像がありません!」等)を表示し(ステップS23)、処理を終了する。
一方、画像ありと判定した場合、CPU72は、メモリユニット2のマイコン80に対して最後に撮影された画像データの送信要求を行う(ステップS26)。メモリユニット2のマイコン80は、この電子カメラ本体1からの要求に応じて記憶メディア82から最後に撮影された画像データを読み出し、電子カメラ本体1に送信する。電子カメラ本体1は、このメモリユニット2から送信された画像データを受信し(ステップS27)、所定の処理を施して、モニタ22に表示する(ステップS28)。
この後、CPU72は、操作部70からの入力に基づきコマ送り又はコマ戻しの指示の有無を判定し(ステップS29)、指示ありと判定すると、次又は前のコマの画像の画像データの送信をメモリユニット2に要求する(ステップS30)。メモリユニット2のマイコン80は、この電子カメラ本体1からの要求に応じて記憶メディア82から一つ前又は後の画像データを読み出し、電子カメラ本体1に送信する。電子カメラ本体1は、このメモリユニット2から送信された画像データを受信し(ステップS31)、所定の処理を施して、モニタ22に表示する(ステップS32)。
この後、電子カメラ本体1のCPU72は、操作部70からの入力に基づき電源がOFFされたか否か判定し(ステップS33)、OFFされたと判定すると、処理を終了する。一方、電源がOFFされていないと判定すると、ステップS29に戻り、コマ送り又はコマ戻しの指示の有無を判定する。
このように、「再生モード」では、電子カメラ本体1からの要求に応じてメモリユニット2から画像データが読み出され、読み出された画像データが電子カメラ本体1に転送されて、電子カメラ本体1のモニタ22に再生表示される。
以上説明したように、本実施の形態の電子カメラでは、撮影した画像データを記録するための記憶メディアが電子カメラ本体1に設けられておらず、外部のメモリユニット2に設けられている。これにより、電子カメラ本体側の構成をシンプルにすることができ、ひいては電子カメラ本体1のカメラボディ10を小型化することができる。また、非接触で画像データの記録を行うため、接触不良等を起こすこともなく、安定した状態で画像データの読み書きを行うことができる。さらに、記憶メディアの装着操作等も必要としないので、取り扱いが簡単になり、お年寄りなどの電子カメラの操作に慣れていないユーザにとっても安心して使用することができる。
なお、本実施の形態では、メモリユニット2が1つの場合について説明したが、図6に示すように、メモリユニットは複数用意してもよい。この場合、(1)ユーザが選択したメモリユニットを記録先に設定するようにしてもよいし、(2)バッテリ容量の最も多いメモリユニットを記録先に自動で設定するようにしてもよい。また、(3)記憶メディアの空き容量が最も多いメモリユニットを記録先に自動で設定するようにしてもよいし、(4)設定された撮影モードに応じて記録先を自動で切り換えるようにしてもよい。さらに、(5)設定された撮影条件に応じて記録先を自動で切り換えるようにしてもよい。以下、上記(1)〜(5)の各場合における電子カメラの処理について説明する。
(1)ユーザが選択したメモリユニットを記録先に設定する場合
図7は、ユーザが選択したメモリユニットを記録先に設定する場合の処理手順を示すフローチャートである。
カメラの電源がONされると(ステップS40)、CPU72は、無線通信部62で通信可能なメモリユニット2の検出を行う(ステップS41)。そして、その検出結果から通信可能なメモリユニット2の有無を判定する(ステップS42)。
通信可能なメモリユニット2が検出されず、メモリユニットなしと判定すると、CPU72は、モニタ22に所定のエラーメッセージ(たとえば、「メモリユニットがありません!」等)を表示し(ステップS43)、処理を終了する。
一方、通信可能なメモリユニット2が検出され、メモリユニットありと判定すると、CPU72は、複数のメモリユニット2が検出されたか否かを判定する(ステップS44)。そして、複数のメモリユニット2が検索されていないと判定すると、CPU72は検索されたメモリユニット2を記録先に設定する(ステップS45)。
一方、複数のメモリユニット2が検索されたと判定すると、CPU72は、モニタ22にメモリユニット2の選択画面を表示する(ステップS46)。
図8(a)は、選択画面の表示例を示している。同図に示すように、検出された全てのメモリユニットがモニタ22にアイコンで表示される。ユーザは、このアイコンで表示されたメモリユニットの中から画像データの記録先とするメモリユニットを選択する(ステップS47)。
なお、モニタ22には、各メモリユニットのアイコンとともに各メモリユニットのID番号(各メモリユニットに付与された固有の番号)と残容量とが表示される。残容量は撮影可能枚数として表示される。
また、メモリユニットの選択は、画面中に表示されるカーソルをマクロボタン28とストロボボタン30を使って所望のアイコンの上に移動させることにより行われ、選択の確定はMENU/OKボタン32を押すことにより行われる。
CPU72は、操作部70からの入力に基づいて選択されたアイコンのメモリユニット2を画像データの記録先に設定する(ステップS48)。そして、図8(b)に示すように、設定したメモリユニット2をモニタ22に表示する(ステップS49)。
以上のようにして記録先が設定され、以後、電子カメラ本体2で撮影された画像データは、設定された記録先のメモリユニットにのみ送信され、そのメモリユニットに内蔵された記憶メディアにのみ記録される。
このように、複数メモリユニットがある場合、ユーザが記録先となるメモリユニットを任意に設定できるようにしてもよい。
なお、本例では記録先として1つのメモリユニットを選択するようにしているが、複数のメモリユニットを選択できるようにしてもよい。この場合、選択された全てのメモリユニットに対して画像データが送信され、画像データが記録される。このように複数のメモリユニットを記録先に設定できることにより、バックアップデータの作成を容易に行うことができるようになる。
また、本例では電源投入時にメモリユニットの選択を行うようにしているが、ユーザの要求に応じて選択できるようにしてもよい。また、選択したメモリユニットの空き容量がなくなると、自動的にモニタにメモリユニットの選択画面が表示されて、新たなメモリユニットを選択できるようにしてもよい。
また、画像の再生も上記同様の手順で再生対象とするメモリユニットを選択し、選択されたメモリユニットから画像データを読み出して、再生処理を行うものとする。
(2)バッテリ容量の最も多いメモリユニットを記録先に自動で設定する場合
図9は、バッテリ容量の最も多いメモリユニットに記録先を自動設定する場合の処理手順を示すフローチャートである。
カメラの電源がONされると(ステップS50)、CPU72は、無線通信部62で通信可能なメモリユニット2の検出を行う(ステップS51)。そして、その検出結果から通信可能なメモリユニット2の有無を判定する(ステップS52)。
通信可能なメモリユニット2が検出されず、メモリユニットなしと判定すると、CPU72は、モニタ22に所定のエラーメッセージ(たとえば、「メモリユニットがありません!」等)を表示し(ステップS53)、処理を終了する。
一方、通信可能なメモリユニット2が検出され、メモリユニットありと判定すると、複数のメモリユニット2が検出されたか否かを判定する(ステップS54)。そして、複数のメモリユニット2が検索されていないと判定すると、CPU72は、検索されたメモリユニット2を記録先に設定する(ステップS55)。
一方、複数のメモリユニット2が検索されたと判定すると、CPU72は、各メモリユニット2のバッテリ容量を検出する(ステップS56)。このバッテリ容量の検出は、各メモリユニット2のマイコン80にバッテリ容量の検出指令を送信することにより行われ、各メモリユニット2のマイコン80は、この指令に応じてバッテリ容量検出部90でバッテリ88の容量を検出する。検出されたバッテリ88の容量を電子カメラ本体1に送信する。
電子カメラ本体1のCPU72は、各メモリユニット2から送信されるバッテリ容量の情報を取得する。そして、最もバッテリ容量の多いメモリユニット2を選出し、選出したメモリユニット2を記録先に設定する(ステップS57)。そして、設定したメモリユニット2をモニタ22に表示する(ステップS58)(図8(b)参照)。
以上のようにして記録先が設定され、以後、電子カメラ本体2で撮影された画像データは、設定された記録先のメモリユニットにのみ送信されて、そのメモリユニットに内蔵された記憶メディアにのみ記録される。
このように、複数メモリユニットがある場合、最もバッテリ容量が多いメモリユニットに画像が記録されるようにしてもよい。これにより、電池切れによる画像の記録ミス等を有効に防止することができる。
なお、本例では電源投入時にバッテリ容量に応じて記録先を設定するようにしているが、逐次バッテリ容量の検出を行い、自動で記録先を切り換えるようにしてもよい。また、ユーザの要求に応じて各メモリユニットのバッテリ容量を検出し、自動で記録先を切り換えるようにしてもよい。
(3)記憶メディアの空き容量が最も多いメモリユニットを記録先に自動で設定する場合
図10は、バッテリ容量の最も多いメモリユニットに記録先を自動設定する場合の処理手順を示すフローチャートである。
カメラの電源がONされると(ステップS60)、CPU72は、無線通信部62で通信可能なメモリユニット2の検出を行う(ステップS61)。そして、その検出結果から通信可能なメモリユニット2の有無を判定する(ステップS62)。
通信可能なメモリユニット2が検出されず、メモリユニットなしと判定すると、CPU72は、モニタ22に所定のエラーメッセージ(たとえば、「メモリユニットがありません!」等)を表示し(ステップS63)、処理を終了する。
一方、通信可能なメモリユニット2が検出され、メモリユニットありと判定すると、複数のメモリユニット2が検出されたか否かを判定する(ステップS64)。そして、複数のメモリユニット2が検索されていないと判定すると、CPU72は、検索されたメモリユニット2を記録先に設定する(ステップS65)。
一方、複数のメモリユニット2が検索されたと判定すると、CPU72は、各メモリユニット2に内蔵された記憶メディア82の空き容量を検出する(ステップS66)。この記憶メディア82の空き容量の検出は、各メモリユニット2のマイコン80に記憶メディア82の空き容量の検出指令を送信することにより行われ、各メモリユニット2のマイコン80は、この指令に応じて記憶メディア82の空き容量を検出し、電子カメラ本体1に送信する。
電子カメラ本体1のCPU72は、各メモリユニット2から送信される記憶メディア82の空き容量の情報を取得する。そして、最も空き容量の多いメモリユニット2を選出し、選出したメモリユニット2を記録先に設定する(ステップS67)。そして、設定したメモリユニット2をモニタ22に表示する(ステップS68)(図8(b)参照)。
以上のようにして記録先が設定され、以後、電子カメラ本体2で撮影された画像データは、設定された記録先のメモリユニットにのみ送信されて、そのメモリユニットに内蔵された記憶メディアにのみ記録される。
このように、複数メモリユニットがある場合、記憶メディアの空き容量が最も多いメモリユニットに画像が記録されるようにしてもよい。これにより、記憶メディアの空き容量がなくなって画像が記録できなくなる不具合を有効に防止することができる。
なお、本例では電源投入時にバッテリ容量に応じて記録先を設定するようにしているが、逐次記憶メディアの空き容量の検出を行い、自動で記録先を切り換えるようにしてもよい。
また、ユーザの要求に応じて各メモリユニットの空き容量の検出を行い、自動で記録先を切り換えるようにしてもよい。
さらに、電源投入時等に設定されたメモリユニットの記憶メディアの空き容量がなくなると、他のメモリユニットの記憶メディアの空き容量の検出を行って、自動で記録先を切り換えるようにしてもよい。
(4)撮影モードに応じて記録先を自動で切り換える場合
図11は撮影モードに応じて記録先を自動設定する場合の処理手順を示すフローチャートである。
電子カメラ本体1のCPU72は、操作部70からの入力に基づいて撮影モードの切り替えの有無を判定する(ステップS70)。そして、撮影モードの切り替えありと判定すると、CPU72は、あらかじめ用意されたテーブルを参照し、設定された撮影モードに対応するメモリユニットを選定する(ステップS71)。
図12は、テーブルの例であり、各撮影モードごとに記録先とすべきメモリユニットが登録されている。
同図(a)に示す例では、「オート」、「プログラムAE」の各撮影モードには、ID:001のメモリカードが登録され、「絞り優先AE」、「シャッタ速度優先AE」、「マニュアル」の各撮影モードには、ID:002のメモリカードが登録され、「人物」、「風景」、「スポーツ」、「夜景」の各撮影モードには、ID:003のメモリカードが登録されている。このテーブルに従えば、たとえば、撮影モードが「絞り優先AE」に設定されると、ID:002のメモリユニットが記録先に選出される。また、たとえば、撮影モードが「人物」に設定されると、ID:003のメモリユニットが記録先に選出される。
また、同図(b)に示す例は、静止画撮影モードと動画撮影モードとで記録先を変える場合の例であり、「静止画撮影モード」にはID:001のメモリカードが登録されており、「動画撮影モード」にはID:002のメモリカードが登録されている。このテーブルに従えば、たとえば、「静止画撮影モード」に設定されると、ID:001のメモリユニットが記録先に選出され、「動画撮影モード」に設定されると、ID:002のメモリユニットが記録先に選出される。
このように、撮影モードごとに記録先のメモリユニットが登録されたテーブルを用意し、このテーブルを参照して記録先を選出する。テーブルは、たとえばEEPROM78に格納しておく。
CPU72は、テーブルを参照して選出したメモリユニットを記録先に設定し(ステップS72)、設定したメモリユニット2をモニタ22に表示する(ステップS73)(図8(b)参照)。
このように、複数メモリユニットがある場合、撮影モードに応じて記録先のメモリユニットを自動で切り換えるようにしてもよい。これにより、画像の管理を容易に行うことができるようになる。
なお、本例で示したテーブルは一例であり、他の撮影モードが登録されたテーブルを採用してもよい。
また、テーブルは、その電子カメラが備える撮影モードに応じて適宜作成するものとする。
また、ユーザが、電子カメラ本体に備えられた撮影モードごとに個別に記録先を設定できるようにすることが好ましい。
(5)撮影条件に応じて記録先を自動で切り換える場合
図13は撮影条件に応じて記録先を自動設定する場合の処理手順を示すフローチャートである。
電子カメラ本体1のCPU72は、撮影実行の有無を判定する(ステップS80)。そして、撮影されたと判定すると、CPU72は、あらかじめ用意されたテーブルを参照し、撮影された画像の撮影条件に対応するメモリユニットを選定する。
図14は、テーブルの例であり、撮影条件ごとに記録先とすべきメモリユニットが登録されている。
同図に示す例では、「マクロ」には、ID:001のメモリカードが登録され、「ストロボ」には、ID:002のメモリカードが登録され、「その他」には、ID:003のメモリカードが登録されている。このテーブルに従えば、たとえば、マクロ撮影を行った場合には、ID:001のメモリユニットが記録先に選出され、ストロボ撮影を行った場合には、ID:002のメモリユニットが記録先に選出される。
このように、撮影条件に関連付けられてメモリユニットが登録されたテーブルを用意し、このテーブルを参照して記録先を選出する。テーブルは、たとえばEEPROM78に格納しておく。
CPU72は、テーブルを参照して選出したメモリユニットを記録先に設定し(ステップS82)、設定したメモリユニット2に撮影により得られた画像データを転送する(ステップS83)。画像データの転送を受けたメモリユニット2は、電子カメラ本体1から送信された画像データを受信し、記憶メディア82に格納する。
このように、複数メモリユニットがある場合、撮影された画像の撮影条件に応じて記録先を自動で切り換えるようにしてもよい。これにより、画像の管理を容易に行うことができるようになる。
なお、本例で示したテーブルは一例であり、他の撮影条件が登録されたテーブルを採用してもよい。
また、ユーザが、撮影条件を指定し、個別に記録先を設定できるようにすることが好ましい。たとえば、シャッタスピードを指定して、そのシャッタスピードで撮影された画像の記録先を設定したり、絞り値を指定して、その絞り値で撮影された画像の記録先を設定したりできるようにする。
上記の例では、1つの電子カメラ本体で複数のメモリユニットを使う場合について説明したが、複数の電子カメラ本体で1つ又は複数のメモリユニットを使うこともできる。たとえば、図15に示すように、2台の電子カメラ本体1A、1Bと、3枚のメモリユニット2A、2B、2Cがあるものとする。この場合、2台の電子カメラ本体1A、1Bは、それぞれ記録先とするメモリカードをユーザが選択して使用する。記録先の選択方法は、上記(1)の時と同じである。
このように複数の電子カメラ本体でメモリユニットを共用することもできる。これにより、メモリユニットの管理や撮影した画像の管理が容易になる。すなわち、たとえば一眼レフカメラとコンパクトカメラの組み合わせのように、複数台カメラを持って撮影に行くような場合であっても、1つのメモリユニットで全ての撮影画像の記録ができるため、撮影画像の管理を容易に行うことができる。
なお、上述した実施の形態では、メモリユニット2の形状をカード状としているが、メモリユニットの形状は、これに限定されるものではない。たとえば、スティック状や円盤状、球状等さまざまな形状に形成することができる。
また、本例では、電子カメラ本体1から分離したメモリユニット2を電子カメラ本体1に対して非接触で使用する場合を例に説明したが、通信方式に応じて電子カメラ本体1に接触させて使用するようにしてもよい。たとえば、通信方式に無線タグを用いた場合には、電子カメラ本体の外装にメモリユニットを接触又は装着させて使用するようにしてもよい。
また、メモリユニット2にカードスロットを設け、記憶メディアを交換できるようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態では、本実施の形態をいわゆる電子スチルカメラに適用した場合を例に説明したが、本発明の適用は、これに限定されるものではなく、カメラ付き携帯電話機等の電子カメラの機能を備えた電子機器にも同様に適用することができる。
1…電子カメラ本体、2…メモリユニット、10…カメラボディ、12…撮影レンズ、14…ストロボ、16…ファインダ窓、18…シャッタボタン、20…電源スイッチ、22…モニタ、24…ファインダ接眼部、26…モードスイッチ、28…マクロボタン、30…ズームレバー、32…ストロボボタン、34…フォトモードボタン、36…MENU/OKボタン、38…BACKボタン、50…撮像素子、52…アナログ信号処理部、53…A/D変換器、54…画像入力コントローラ、56…デジタル信号処理部、58…圧縮伸張処理部、60…表示制御部、62…無線通信部、64…電源制御部、66…バッテリ、68…ストロボ制御部、70…操作部、72…CPU、74…RAM、76…ROM、78…EEPROM、80…マイコン、82…記憶メディア、84…無線通信部、86…電源制御部、88…バッテリ、90…バッテリ容量検出部