JP4504770B2 - トレイ型部品供給装置および部品供給システム - Google Patents
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Description
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、供給能率を低下させることなく、供給の信頼性あるいは精度を向上させることを課題とする。
トレイは、収容凹部が一平面に沿って配列されたものであり、それぞれの収容凹部に電子回路部品を位置決めして収容する。トレイが直接ストッカの各トレイ収容部に収容されてもよく、パレットに収容された上、そのパレットが各トレイ収容部に収容されてもよい
。後者は、トレイが比較的小さいものである場合に特に適している。
定位置供給型部品供給装置には、部品保持テープを送ることによって、その部品保持テープに保持された複数の電子回路部品を1個ずつ順次供給するテープフィーダや、バルク状の電子回路部品を整列させて送るバルクフィーダ等が含まれる。
コネクタ部は、例えば、通信および電力供給のために部品供給装置と取付台とを接続するために用いられる。本発明に係る部品供給システムによれば、定位置供給型部品供給装置とトレイ型部品供給装置とが取付台のコネクタ部も共用し、システムをより簡易に構成することができる。また、トレイ型部品供給装置は、定位置供給型部品供給装置に比較して大形で、消費電力が大きいことが多いが、本発明に係る部品供給システムによれば、定位置供給型部品供給装置と第二コネクタ部を共用しつつ、十分な電力供給を受けることができる。
取付台には、定位置供給型部品供給装置とトレイ型部品供給装置との両方を取り付けてもよく、いずれか一方のみを取り付けてもよい。前者の場合、両装置に電子回路部品を供給させてもよく、いずれか一方の装置に電子回路部品を供給させてもよい。両装置に電子回路部品を供給させる場合、例えば、本部品供給システムが電子回路部品装着機に設けられて回路基板に装着される電子回路部品を供給する場合、1枚の回路基板に装着される電子回路部品を両部品供給装置に共同で供給させることができる。あるいは回路基板の種類に応じていずれかの部品供給装置に選択的に電子回路部品を供給させることができ、この場合、例えば、装着される電子回路部品の種類が異なる2種類の回路基板への電子回路部品の装着に段取替えを行うことなく対応することができ、電子回路部品装着機の稼動率を向上させることができる。
そのストッカを昇降させ、前記複数段のトレイ収容部を一つずつ選択的に供給高さに停止させるストッカ昇降装置と、
前記供給高さに停止させられたトレイ収容部から、前記ストッカの外部へトレイを移動させ、予め定められた供給位置に位置決めするトレイ移動装置と
を含み、かつ、前記トレイ移動装置が、前記ストッカの内部と外部との両方においてトレイを少なくとも1つのベルトコンベヤにより搬送するトレイ型部品供給装置。
ベルトコンベヤは、収縮状態でストッカの昇降を許容し、ストッカの停止後に伸長状態となってストッカ内部まで延びる伸縮型ベルトコンベヤとすることも、(2)項以下の構成とすることも可能である。
(2)前記トレイ移動装置が、
前記ストッカの前記複数段のトレイ収容部の各々に少なくとも1つずつ設けられたストッカ側ベルトコンベヤであって、停止状態において前記トレイを支持するとともに、作動によりトレイをストッカの外部へ移動させるものと、
前記ストッカの外部に設けられ、前記複数段のトレイ収容部の各々に設けられたストッカ側ベルトコンベヤと共同してトレイを前記供給位置へ搬送する少なくとも1つの外部ベルトコンベヤと
を含む(1)項に記載のトレイ型部品供給装置。
ストッカ側ベルトコンベヤが複数設けられる場合、それら複数のベルトコンベヤは直列に設けられ、あるいは並列に設けられる。外部ベルトコンベヤが複数設けられる場合も同様である。
本トレイ型部品供給装置においてトレイは、トレイ収容部からストッカ外部へ移動させられるときも、ストッカ外部からトレイ収容部に収容されるときも、ストッカ側ベルトコンベヤと外部ベルトコンベヤとの間を乗り移る。いずれの場合にも2つのベルトコンベヤは作動させられており、トレイは共に動いているベルトコンベヤの一方から他方へ乗り移るため、乗り移り先のベルトコンベヤとトレイとの間に相対移動が生じないか、生じても小さいため、衝撃少なく乗り移ることができる。
トレイ収容部にベルトコンベヤを設けず、静止したトレイ支持部と外部ベルトコンベヤとの間でトレイの受渡しが行われるようにすることも考えられるが、その場合には、トレイ支持部から外部ベルトコンベヤにトレイが乗り移る際には、乗り移りと同時にトレイがベルトと共に移動する状態となるため、ベルトコンベヤとの間に相対移動が殆ど生ぜず、衝撃が抑制されるのに対し、外部ベルトコンベヤからトレイ支持部にトレイが乗り移る時には、外部ベルトコンベヤにより移動させられているトレイが静止しているトレイ支持部に乗り移るため、乗り移り先における相対移動速度差が大きく、衝撃が生ずる。本項の装置によれば、そのような衝撃の発生が抑制される。
また、ベルトコンベヤのベルトがプーリ等の回転巻掛部材に巻き掛けられてベルトの移動経路が設定されるため、ストッカ側ベルトコンベヤと外部ベルトコンベヤとは、それぞれベルトの回転巻掛部材に巻き掛けられた部分同士が近接して設けられる。そのため、トレイがベルト間を乗り移るとき、多少の段差があっても衝撃少なく乗り移ることができる。したがって、高さ調整を省略するか、頻度を少なくすることができるとともに、トレイ収容部の供給高さへの停止精度をそれほど高く制御しなくてもよくなり、例えば、(6)項のトレイ型部品供給装置におけるようにストッカ昇降装置を安価に構成することが可能となる。
(3)前記供給高さに停止させられた前記ストッカ側ベルトコンベヤと、前記外部ベルトコンベヤとが、共通の駆動源により駆動される(2)項に記載のトレイ型部品供給装置。
ストッカ側ベルトコンベヤと外部ベルトコンベヤとがそれぞれ専用の駆動源により駆動されるようにすることも可能である。しかし、本項におけるように、駆動源を共通にすれば、両ベルトコンベヤの作動速度を一致させることが容易となる。
それにより、例えば、トレイがストッカ側ベルトコンベヤと外部ベルトコンベヤとを乗り移る際の衝撃をより少なくすることができる。また、駆動源の数が少なくて済み、トレイ型部品供給装置を安価に構成することができる。
(4)前記ストッカの停止状態において、前記供給高さにあるストッカ側ベルトコンベヤに駆動源の回転を伝達する接状態となり、前記ストッカの昇降時には断状態となるクラッチ装置を含む(2)項または(3)項に記載のトレイ型部品供給装置。
複数段のトレイ収容部の各々に設けられたストッカ側ベルトコンベヤにそれぞれ専用の駆動源を設けることも可能である。しかし、本項におけるように、クラッチ装置を使用すれば、複数段のトレイ収容部の各々に設けられたストッカ側ベルトコンベヤに駆動源を共有させ、駆動源の数を低減させながら、供給高さへ移動してきたストッカ側ベルトコンベヤには駆動源の回転を伝達することが可能となる。
その上、本項が(3)項に従属する態様においては、外部コンベヤと共用の駆動源の回転を、昇降するストッカ側ベルトコンベヤに容易に伝達することができる。また、外部ベルトコンベヤおよび複数のストッカ側ベルトコンベヤの全部について駆動源を共用とすることができる。
(5)前記少なくとも1つのベルトコンベヤのベルトの前記ストッカの外部に位置する部分に取り付けられ、前記トレイを保持する保持部を備え、その保持部によりトレイを保持した状態で前記ベルトとともに移動するトレイ保持装置を含む(1)項ないし(4)項のいずれかに記載のトレイ型部品供給装置。
ベルトに取り付けられた保持部はベルトと一体的に移動し、その保持部により保持されたトレイは、ベルトと同じ速度で移動する。そのため、トレイがベルトに対して相対移動し、振動することがより確実に抑制され、その振動が良好に抑制される。
(6)前記ストッカ昇降装置が、
鉛直方向に延びる直線部を備えた昇降用ベルトと、
その昇降用ベルトを周回させるベルト駆動装置と、
前記直線部の運動を前記ストッカに伝達することにより、ストッカを昇降させる伝達装置と
を含む(1)項ないし(5)項のいずれかに記載のトレイ型部品供給装置。
本項のストッカ昇降装置は、送りねじによる昇降装置に比較して安価に構成し得るが、ストッカの高さ方向の位置決め精度がやや低くなることを否めない。しかし、ストッカ内部においてもベルトコンベヤによりトレイを移動させることにすれば、ストッカの位置決め精度が多少悪くても、トレイを衝撃少なく移動させることができる。ベルトコンベヤが伸縮型とされ、ストッカの内部と外部とにわたって延びる状態となるものである場合には、ベルトコンベヤ間におけるストッカの乗り移りがなく、ストッカがより衝撃少なく移動させられ、トレイ移動装置がストッカ側ベルトコンベヤと外部ベルトコンベヤとを含む場合であっても、前述のようにトレイは衝撃少なく乗り移ることができるため、ストッカの位置決め精度が多少悪くても支障なくトレイを移動させることができるのである。
(7)前記ストッカの前記複数段のトレイ収容部の各々に設けられ、前記トレイのストッカ外への移動を防止する作用状態と、移動を許容する非作用状態とに切換え可能な移動防止装置と、
前記供給高さに停止させられたトレイ収容部の移動防止装置に係合して、前記作用状態から前記非作用状態に切り換える移動防止装置解除装置と
を含む(1)項ないし(6)項のいずれかに記載のトレイ型部品供給装置。
供給高さに停止させられたトレイ収容部の移動防止装置は移動防止装置解除装置によって非作用状態に切り換えられ、トレイの移動を許容し、トレイはストッカの内から外へ、外から内へ移動することができる。供給高さに停止させられたトレイ収容部の移動防止装置のみが移動防止装置解除装置によって作用状態から非作用状態に切り換えられるのであり、そのトレイ収容部以外のトレイ収容部の各々について設けられた移動防止装置は作用状態に保たれ、例えば、供給高さに停止させられたトレイ収容部に収容されたトレイの移動やそのトレイによる電子回路部品の供給の間、他のトレイがずれたり、ストッカから飛び出したりすることが防止される。
また、移動防止装置は、供給高さに停止させられたトレイ収容部の移動防止装置についても、必要に応じて非作用状態に切り換えたり、作用状態のままとする。それにより、例えば、ストッカが昇降させられるときには移動防止装置が作用状態のままとされ、移動が許容されたトレイがなく、昇降時にトレイがストッカから飛び出す恐れがない。また、トレイ収容部内にトレイが収容された状態においてトレイ型部品供給装置を運ぶ場合、トレイがストッカから飛び出すことなく、運ぶことができる。
複数段のトレイ収容部の各々について移動防止解除機能付移動防止装置を設けてもよいが、本項のトレイ型部品供給装置によれば、移動防止装置解除装置は、複数のトレイ収容部の各移動防止装置に共用され、1つで済み、トレイ型部品供給装置を簡易にかつ安価に構成することができる。
(11)(1)項ないし(7)項のいずれかに記載のトレイ型部品供給装置と、
電子回路部品を一列に整列させた状態で送り、位置が一定の部品供給部に1個ずつ順次位置決めする定位置供給型部品供給装置と、
それらトレイ型部品供給装置と定位置供給型部品供給装置とを選択的に取り付け可能な取付台と
を含む部品供給システム。
本項の部品供給システムについては、次項の説明がそのまま当てはまる。
(12)(a)複数段のトレイ収容部を備えたストッカと、(b)そのストッカを昇降させ、前記複数段のトレイ収容部を一つずつ選択的に供給高さに停止させるストッカ昇降装置と、(c)前記供給高さに停止させられたトレイ収容部から、前記ストッカの外部へトレイを移動させ、予め定められた供給位置に位置決めするトレイ移動装置とを含むトレイ型部品供給装置と、
電子回路部品を一列に整列させた状態で送り、位置が一定の部品供給部に1個ずつ順次位置決めする定位置供給型部品供給装置と、
それらトレイ型部品供給装置と定位置供給型部品供給装置とを選択的に取り付け可能な取付台と
を含む部品供給システム。
従来、例えば、特許第2824378号公報に記載されているように、トレイ型部品供給装置と、定位置供給型部品供給装置とについてそれぞれ、専用の取付台が設けられた部品供給システムが知られている。しかしながら、この部品供給システムにおいては、取付台を少なくとも2つ設けることが必要であり、部品供給システムが高価で大形になる。それに対し、本項の部品供給システムによれば、取付台が少なくとも1つで済み、部品供給システムを安価にコンパクトに構成することができる。
本項のトレイ型部品供給装置として、例えば、(1)項ないし(7)項のいずれかに記載の装置や、未だ公開されていないが、本出願人に係る特願2003−100845号の明細書に記載の装置等、種々の態様の装置が採用可能である。また、本項のトレイ型部品供給装置のトレイ移動装置は、ベルトコンベヤを含む装置に限らず、トレイを移動させることができる装置であれば、採用可能である。
取付台は複数設けてもよい。その場合、複数の取付台の各々についてトレイ型部品供給装置と定位置供給型部品供給装置とを選択的に取付け可能とすれば、特にバラエティに富んだ形態で電子回路部品を供給し得る部品供給システムが得られる。例えば、複数の取付台の一部に取り付けられたトレイ型部品供給装置と定位置供給型部品供給装置とから電子回路部品の供給が行われている間に、他の取付台に対する部品供給装置の着脱を行ったり、複数の取付台の各々からそれぞれ異なる種類の回路基板に対する部品供給が行われるようにしたり、一部の取付台には定位置供給型部品供給装置を、残りの取付台にはトレイ型部品供給装置をそれぞれ取り付けたりすることができる。また、すべての取付台に定位置供給型部品供給装置とトレイ型部品供給装置との一方のみを取り付けることも可能であり、供給可能な電子回路部品の種類,数を増やすことができる。
(13)前記トレイ型部品供給装置が、前記取付台に設けられた定位置供給型部品供給装置用の取付台側位置決め固定部により位置決め固定可能に構成された(11)項または(12)項に記載の部品供給システム。
定位置供給型部品供給装置は取付台に、取付台側位置決め固定部と部品供給装置側位置決め固定部との共同により位置決め固定される。トレイ型部品供給装置にも部品供給装置側位置決め固定部が設けられるが、本項の態様においては、この部品供給装置側位置決め固定部が、定位置供給型部品供給装置用の取付台側位置決め固定部との共同により、トレイ型部品供給装置を取付台に位置決め固定する。取付台側位置決め固定部が、定位置供給型部品供給装置用とトレイ型部品供給装置用とに兼用されるのである。
(14)前記トレイ型部品供給装置が、複数の前記取付台側位置決め固定部により前記取付台に位置決め固定される(13)項に記載の部品供給システム。
トレイ型部品供給装置は定位置供給型部品供給装置に比較して大形であることが多いが、複数の取付台側位置決め固定部により、取付台に安定して位置決めされ、固定される。(15)前記取付台側位置決め固定部が、前記定位置供給型部品供給装置の本体に設けられた直線的な第一ガイド部と嵌合可能な第二ガイド部を含む(13)項または(14)項に記載の部品供給システム。
定位置供給型部品供給装置も、トレイ型部品供給装置も、第一,第二ガイド部により案内されて直線的に移動させられつつ取付台に容易に取り付けられる。
トレイ型部品供給装置は、定位置供給型部品供給装置に比較して幅(複数の定位置供給型部品供給装置が並べて配置される方向の寸法)が大きくなることが多い。したがって、複数の第一ガイド部と第二ガイド部との嵌合により案内されて取付台に取り付けられることが望ましい。
(16)前記取付台側位置決め固定部が、前記定位置供給型部品供給装置の本体に設けられた位置決め穴と位置決め突起との一方と嵌合する位置決め穴と位置決め突起との他方を1つ以上含む(13)項ないし(15)項のいずれかに記載の部品供給システム。
本項が(15)項に従属する態様では、位置決め突起または位置決め穴は、前記第一,第二ガイド部の長手方向と平行に延びるものとされることが望ましい。第一,第二ガイド部との嵌合によって案内されることにより、位置決め突起と位置決め穴とがスムーズに嵌合されるからである。また、トレイ型部品供給装置は、2つの位置決め突起または位置決め穴を備え、それら位置決め突起または位置決め穴の、取付台側の複数の位置決め穴または位置決め突起との嵌合により、取付台に対して位置決めされることが望ましい。その場合、二つの位置決め穴の一方は円形穴、他方は長穴とされることが望ましい。
(17)前記定位置供給型部品供給装置および前記トレイ型部品供給装置が、前記取付台に設けられた共通の被係合部に係合することにより、それら両部品供給装置の取付台からの離間を防止する係合装置をそれぞれ含み、前記被係合部が前記定位置供給型部品供給装置用の取付台側位置決め固定部の少なくとも一部を構成する(13)項ないし(16)項のいずれかに記載の部品供給システム。
被係合部は、種々の態様で構成することができ、例えば、後述の実施例におけるように係合面を含むものとすることや、特許第3397900号公報に記載されているように取付台に、係合位置と解除位置とに移動可能に取り付けられた可動部材を含むものとすることができる。係合装置は被係合部に応じた構成とされる。
(18)前記取付台に、前記定位置供給型部品供給装置の第一コネクタ部と接続される第二コネクタ部が設けられ、前記トレイ型部品供給装置の第三コネクタ部が前記第二コネクタ部と接続可能な位置に設けられた(11)項ないし(17)項のいずれかに記載の部品供給システム。
コネクタ部は、例えば、通信および電力供給のために部品供給装置と取付台とを接続するために用いられる。本項の部品供給システムによれば、定位置供給型部品供給装置とトレイ型部品供給装置とがコネクタ部も共用し、システムをより簡易に構成することができる。
本項が(16)項に従属する態様では、位置決め穴と位置決め突起との嵌合によって部品供給装置が取付台に位置決めされることにより、第一コネクタ部あるいは第三コネクタ部と第二コネクタ部とが位置決めされ、コネクタ部の破損を生ずることなく、スムーズに接続される。
(19)前記記トレイ型部品供給装置に前記第三コネクタ部が複数設けられ、それら複数の第三コネクタ部が、複数の前記第二コネクタ部と同時に接続可能である(18)項に記載の部品供給システム。
トレイ型部品供給装置は、定位置供給型部品供給装置に比較して大形で、消費電力が大きいことが多いが、本項の部品供給システムによれば、定位置供給型部品供給装置と第二コネクタ部を共用しつつ、十分な電力供給を受けることができる。
(20)前記取付台に、前記定位置供給型部品供給装置としてのテープフィーダから電子回路部品が供給される際に、電子回路部品供給後の残テープを導くダクトが着脱可能に取り付けられる一方、前記トレイ型部品供給装置が、前記ダクトが取り外された後のスペースをも占める状態で取り付けられる形状,寸法を有する(11)項ないし(19)項のいずれかに記載の部品供給システム。
ダクトは、テープフィーダの部品供給部に近接して設けられる。この部品供給部から電子回路部品を受け取って保持する部品保持装置に、トレイの最もストッカ側の部分に保持された電子回路部品をも受け取らせようとすれば、トレイがテープフィーダの前端部よりさらに前方へ延び出した状態とすることが必要であり、トレイあるいはトレイ移動装置とダクトとが干渉してしまう。この干渉を避けるために、トレイをテープフィーダの部品供給部の位置より後方までしか移動させないようにすければ、部品保持装置の移動可能範囲をテープフィータの部品供給部に対応する位置よりさらにストッカ側へ拡げることが必要となってしまう。それに対し、本項の構成によれば、部品保持装置の移動可能範囲を拡げることなく、部品保持装置をテープフィーダとトレイ型部品供給装置とに共用することができる。また、本部品供給システムが、電子回路部品装着機に設けられる場合には、回路基板保持装置の近くまでトレイを移動させることが可能となり、トレイ型部品供給装置と回路基板保持装置との間における電子回路部品の搬送時間が短くて済み、装着能率が向上する効果が得られる。
部品供給システム18は、図1,図3および図4に示すように、少なくとも1つのテープフィーダ90と、トレイ型部品供給装置92と、それらテープフィーダ90とトレイ型部品供給装置92とを選択的に取付け可能な取付台94とを含む。取付台94は前記ベッド10上に位置を固定して設けられており、図1に示すようにX軸方向に長い長手形状を成し、図3ないし図5に示すように、係合台部96と位置決め台部98とを有し、テープフィーダ用の取付台側位置決め固定部100が複数、X軸方向に適宜の距離を隔てて、本実施例では等間隔に設けられている。
トレイ型部品供給装置92は、図4に示すように、本体200と、本体200に組み付けられたストッカ202,ストッカ昇降装置204,トレイ移動装置206およびトレイ型部品供給装置側位置決め固定部208を含む。本体200は、前記テープフィーダ90の複数個分の幅であって、取付台94の幅より短い幅を有し、その前部には、図8および図9に示すように、幅方向に隔たった2箇所にそれぞれ、T形レール218が前後方向に一直線状に延びる状態で設けられ、ガイド部を構成している。これらT形レール218は、横断面形状が逆T字形を成し、取付台94の前記T溝110の形成ピッチの整数倍の距離を隔てて設けられており、複数のT溝110のうちの2つに嵌合可能である。
なお、回動軸254の回動に伴ってレバー264も回動し、リンク266を移動させる。このリンク266は係合部材244と一体的な移動部材250と連結されているが、レバー264とリンク266とはピン268と長穴270とにより余裕を持って連結されているため、上記カム256による係合部材244の移動を妨げることはない。
ストッカ202は、本実施例では、図11に示すように、前後に開口する枠体状を成し、複数段のトレイ収容部300を備えている。これらトレイ収容部300はそれぞれ、ストッカ202の1対の側壁302の内面にそれぞれ設けられた案内面304を有する。これら案内面304はそれぞれ、トレイ型部品供給装置92の前後方向に平行に延びる鉛直面とされ、トレイ306あるいはトレイ306を保持したパレット308の前後方向の移動を案内する。
テープフィーダ90により供給される電子回路部品の回路基板30への装着は既に知られており、説明は省略し、トレイ型部品供給装置92による部品312の供給を説明する。トレイ型部品供給装置92により部品312を供給する場合には、取付台94からテープフィーダ90が取り外され、トレイ型部品供給装置92が取り付けられる。この交換作業は作業者により行われ、まず、現に取付台94に取り付けられている複数のテープフィーダ90のうち、トレイ型部品供給装置92の取付けに必要な数のテープフィーダ90およびダクト190が取付台94から取り外される。トレイ型部品供給装置92の幅は取付台94の幅より小さく、取付台94に複数のトレイ型部品供給装置92を取り付けることができ、複数のダクト190のうち、取付台94のトレイ型部品供給装置92が取り付けられる部分に取り付けられたダクト190が取り外される。テープフィーダ90とトレイ型部品供給装置92とが取付台94に混載される場合もある。
この場合、部品供給を終了するトレイ306から最後に部品312が吸着ノズル78により取り出され、部品撮像装置88の撮像に基づく画像処理が完了した後、装着制御コンピュータ580から供給制御コンピュータ610へトレイ306の供給を要求するトレイ供給要求信号が出される。トレイ供給要求信号がOFF信号からON信号に変わるのであり、それと同時に装着制御コンピュータ580においてトレイ供給完了信号がON信号からOFF信号とされ、トレイ306が入れ替えられるトレイ型部品供給装置92からの部品312の取出しが禁止される。部品装着ヘッド40が既に取り出している部品312の回路基板30への取付けは行われる。また、部品装着ヘッド40による他のトレイ型部品供給装置92やテープフィーダ90からの部品312の取出しおよび部品装着動作は継続して行われる。トレイ型部品供給装置92においては、ストッカ202は停止状態にあり、供給高さに停止させられたトレイ収容部300はトレイ306が供給位置へ移動させられていて空の状態にあり、移動防止装置390は作用状態に切り換えられ、クラッチ装置480は接状態に切り換えられている。移動防止装置390は、前述のように、移動防止装置解除装置418によって非作用状態に切り換えられるが、そのためにはソレノイド424への電流供給が必要であるため、移動防止装置390が非作用状態に切り換えられ、トレイ306がトレイ収容部300から外へ出された後は、ソレノイド424への電流供給が遮断され、移動防止装置390が作用状態に切り換えられるのである。
本実施例のトレイ型部品供給装置650は、外部ベルトコンベヤ360のベルト450と共に移動するトレイ保持装置652を備えている。このトレイ保持装置652は、未だ公開されていないが、本出願人に係る特願2003−100845号の明細書に記載のトレイ保持装置と同様に構成されており、簡単に説明する。
なお、トレイがトレイ収容部に直接収容可能な大きさを有するものである場合、トレイに被把持部を設けてトレイ保持装置に保持させ、トレイ保持装置と共に移動させてもよい。また、トレイ保持装置の保持部は複数設けてもよい。例えば、パレットあるいはトレイの幅方向に離れた複数箇所を保持するように設ける。
本実施例のトレイ型部品供給装置700においては、トレイ移動装置702が、伸縮型ベルトコンベヤ704によってトレイあるいはパレットを搬送するものとされている。伸縮型ベルトコンベヤ704は、1対のベルト706を備えている。これらベルト706はそれぞれ、1対のサイドフレーム710の各々に取り付けられた複数、例えば6個のプーリ708に巻き掛けられており、本実施例では、ベルト706はタイミングベルトとされ、プーリ708はタイミングプーリとされている。6個のプーリ708のうちの4個のプーリ708aは、サイドフレーム710に位置を固定して回転可能に取り付けられた固定プーリ708aとされ、2個は、1対のサイドフレーム710にそれぞれ、トレイ移動方向に平行な方向に移動可能に設けられた移動部材712に回転可能に取り付けられて、移動部材712と共に移動する可動プーリ708bとされている。一方のサイドフレーム710に取り付けられた固定プーリ708aのうちの1つが駆動プーリとされ、ベルト周回装置713により回転させられるとともに、回転伝達軸715により、他方のサイドフレーム710に取り付けられた固定プーリ708aに回転が伝達され、1対のベルト706が同期して周回させられる。符号714は、トレイ306の移動を案内する鉛直な案内面であり、1対のサイドフレーム710にそれぞれ、設けられている。なお、図22においてはサイドフレーム710の図示は省略されている。
Claims (4)
- 複数段のトレイ収容部を備えたストッカと、
そのストッカを昇降させ、前記複数段のトレイ収容部を一つずつ選択的に供給高さに停止させるストッカ昇降装置と、
前記供給高さに停止させられたトレイ収容部から、前記ストッカの外部へトレイを移動させ、予め定められた供給位置に位置決めするトレイ移動装置と
を含み、かつ、前記トレイ移動装置が、
前記ストッカの前記複数段のトレイ収容部の各々に少なくとも1つずつ設けられたストッカ側ベルトコンベヤであって、停止状態において前記トレイを支持するとともに、作動によりトレイをストッカの外部へ移動させるものと、
前記ストッカの外部に設けられ、前記複数段のトレイ収容部の各々に設けられたストッカ側ベルトコンベヤと共同してトレイを前記供給位置へ搬送する少なくとも1つの外部ベルトコンベヤと
を含むことを特徴とするトレイ型部品供給装置。 - 前記ストッカの停止状態において、前記供給高さにあるストッカ側ベルトコンベヤに駆動源の回転を伝達する接状態となり、前記ストッカの昇降時には断状態となるクラッチ装置を含むことを特徴とする請求項1に記載のトレイ型部品供給装置。
- 前記少なくとも1つの外部ベルトコンベヤのベルトに取り付けられ、前記トレイを保持する保持部を備え、その保持部によりトレイを保持した状態で前記ベルトとともに移動するトレイ保持装置を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のトレイ型部品供給装置。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載のトレイ型部品供給装置と、
電子回路部品を一列に整列させた状態で送り、位置が一定の部品供給部に1個ずつ順次位置決めする複数の定位置供給型部品供給装置と、
それらトレイ型部品供給装置と定位置供給型部品供給装置とを選択的に取り付け可能な取付台と
を含み、かつ、
前記取付台に、前記複数の定位置供給型部品供給装置の各々の第一コネクタ部と接続される複数の第二コネクタ部が設けられ、前記トレイ型部品供給装置に複数の第三コネクタ部が前記複数の第二コネクタ部の対応するものにそれぞれ接続可能に設けられ、かつ、それら複数の第三コネクタ部と複数の第二コネクタ部とが同時に接続可能であることを特徴とする部品供給システム。
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