JP4503807B2 - リチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池用負極の製造方法 - Google Patents
リチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池用負極の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、携帯電話、パソコンに搭載されるようなリチウムイオン二次電池のリチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池用負極の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器、特に携帯電話やノートパソコン等の携帯機器では小型化、軽量化の傾向がめざましく、これに伴いこれらを駆動させる二次電池が非常に重要な部品となっている。これら二次電池の中でもリチウムイオン二次電池は軽量でエネルギー密度が高いことからこれら携帯機器の駆動用電源として研究・工業化が進んでいる。
【0003】
このリチウムイオン二次電池用負極には安全性の点等から黒鉛を含む炭素材の活物質が主に使用されている。この黒鉛を含む炭素材を負極活物質として用いた場合の理論容量は372mAh/gであるが、前述のように、携帯機器のめざましい進歩により、小型化、軽量化に加え、理論容量が372mAh/gを越える高容量な電池が要望されるようになってきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
こういった要望に応えるために、400mAh/gを越える容量の電池の開発が盛んに行われている。この種の電池としては、例えば、スズ、アルミニウム、カドミウム、鉛、ケイ素等のリチウムとの合金化反応を利用する金属系材料が使用される場合がある。これら、合金化反応には、体積の膨張、収縮を伴うために充放電サイクルを重ねるたびに、微細化及び金属との集電体等との密着性が低下し、容量の低下という問題がある。
【0005】
この問題を解決するために、例えば、特開平11−288712号公報では、2価のスズを中心とし、少なくとも3種以上の元素を含む複合酸化物の使用が検討され、特に構造を非晶質化させることによりサイクル劣化を防止できることが示されている。
【0006】
また、特開平10−308207号公報では、リチウムと合金化反応する金属と反応しない金属を混合したものを使用することにより充放電サイクル特性に優れた非水電解液リチウム二次電池について開示されている。
【0007】
しかしながら、これらは黒鉛材を負極活物質に使用した場合に比べ、高容量な電池が得られるものの、サイクル性を付与させるために比較的多量の充放電に寄与しない元素を導入する必要がある。これは、単位体積当たりの電池容量を考えた場合、容量が低下する方向であり、近年の携帯機器の小型化、軽量化という要望を満足するものではない。
【0008】
本発明は、前記問題を解決するためになされたものであり、携帯機器に用いられるリチウムイオン二次電池の小型化、軽量化とともに、電池容量を高容量化することが可能なリチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池用負極の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究の結果、溶液プロセスを用いて微細なスズ酸化物を炭素に分散させるとともに、非晶質性の高いケイ素酸化物を複合、焼成処理することにより得られる炭素とスズ酸化物とケイ素酸化物からなる複合材(以下、C−SnO2 −SiO2 複合材という。)が、スズ酸化物の結晶子サイズがケイ素酸化物を複合させない場合に比べて小さくなり、充放電試験におけるサイクル安定性に優れたものとなることを見出した。また、このC−SnO2 −SiO2 複合材にバインダーとしてポリイミド樹脂を含むことによって、バインダー自身に容量を持たせ、高容量とすることができるリチウムイオン二次電池用負極となることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、炭素粉末とスズ酸化物とケイ素酸化物とを含む複合材料と、樹脂からなるバインダーを用いており、前記複合材料は、前記スズ酸化物がSnO2であり、且つ、前記ケイ素酸化物がSiO2である C−SnO 2 −SiO 2 複合材料であり、前記SnO2の(110)面結晶子サイズが4〜40nmであり、前記複合材料におけるスズ/ケイ素の配合比が原子存在比でSn/Si=1/0.1〜1/1の範囲で存在している。また、前記バインダーがポリイミド樹脂を含むものであることが好ましい。また、本発明のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法は、SnO2となる前駆体とSiO2となる前駆体を、スズ/ケイ素の配合比が原子存在比でSn/Si=1/0.1〜1/1となるように混合したゾルゲル液と、炭素粉末と、を混合し、乾燥した後、600℃〜800℃で焼成して、前記SnO2の(110)面結晶子サイズが4〜40nmである、C−SnO 2 −SiO 2 複合材料と樹脂からなるバインダーを用いるリチウムイオン二次電池用負極に用いられる前記複合材料を得る工程を有する。
【0011】
本発明で使用されるC−SnO2 −SiO2 複合材は、溶液プロセスの一種であるゾルゲル法によって形成したものであることが好ましい。このC−SnO2−SiO2複合材を構成する炭素は、天然黒鉛、人造黒鉛、樹脂炭、天然物の炭化物、石油コークス、石炭コークス、ピッチコークス、メソカーボンマイクロビーズのいずれか1つ若しくは2つ以上の組み合わせたものを使用することができる。
【0012】
また、この際にSnO2 となる前駆体としては、SnCl2 、Sn2 P2 O7 、SnSO4 等の無機塩の他、Sn(OC2 H5 )4 等のスズアルコキサイドを使用することができる。
【0013】
また、SiO2 となる前駆体としては、Si(OC2 H5 )4 等のケイ素アルコキサイドやSiCl4 を使用することができる。
【0014】
以上の材料から構成されるC−SnO2 −SiO2 複合材は、SnO2の(110)面結晶子サイズが4〜40nmであり、C−SnO 2 −SiO 2 複合材料におけるスズ/ケイ素の配合比が原子存在比でSn/Si=1/0.1〜1/1の範囲、好ましくはSn/Si=1/0.5〜1/0.7で存在しているものである。また、ゾルゲル法の際に安定性をより向上させるために、少量の塩素やフッ素などハロゲン元素の他、硫黄、リンなどの無機物、リチウム等のアルカリ金属元素を含有してもよい。ここで、Sn/Si=1/0.1よりも小さい場合は、SnO2の結晶子サイズが焼成処理温度により大きく変化しやすく、安定した充放電挙動が望めない。また、Sn/Si=1/1よりも大きい場合は、サイクル劣化しやすい傾向となるため好ましくない。
【0015】
このC−SnO2 −SiO2 複合材のバインダーとしては、バインダー自身が充放電に寄与するポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等や、ポリビニリデンフロライドが好ましい。また、電子移動を容易に起こさせる芳香族基を含む芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド等も使用することができる。
【0016】
これらポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド等は公知の方法、例えば第4版実験化学講座28「高分子合成」(日本化学編、丸善株式会社発行、1992)に記載の方法を用いることができる。中でも、低温重縮合法を用いるのが好ましい。
【0017】
低温重縮合法においては、テトラカルボン酸二無水物、酸クロライドとジアミンとを反応させてポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミドを合成することができる。ここで、用いるテトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリツト酸二無水物、3,3′,4,4′−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2′,3,3′−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、3,4,3′,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,2′,3−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6,−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7,−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ナフタレン−テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレン−テトラカルボン酸二無水物、フエナンスレン−1,8,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、チオフエン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,4,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,2′,3′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、等があり、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0018】
酸クロライドとしては、テレフタル酸クロライド、イソフタル酸クロライド、無水トリメリット酸モノクロライド等を使用することができる。
【0019】
ジアミン化合物としては、3,3′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジアミノジフェニルスルフィド、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルプロパン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジアミノベンゾフェノン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、等があり、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0020】
これらを合成する溶媒は、これら原料樹脂及び生成する高分子が溶解するものであれば特に制限されないが、反応性及び負極作製時の分散媒体の点からはN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−ジメチル−2−ピロリドンを用いるのが好ましい。
【0021】
次に、C−SnO2 −SiO2 複合材及びポリイミド樹脂等のバインダーからなるリチウムイオン二次電池用負極の製造方法について説明する。
まず、炭素粉末、SnO2 前駆体、SiO2 前駆体とを所定の配合で混合したゾルゲル液を作製する。このゾルゲル液を80℃で乾燥後、窒素雰囲気下で500〜1200℃で焼成して、C−SnO2 −SiO2 複合材を形成する。
【0022】
ここで、C−SnO2 −SiO2 複合材におけるSn/Siの配合比は、例えば、Sn/Siの配合比が同一の場合、焼成温度の上昇に伴ってSnO2の結晶子のサイズが大きくなる傾向があり、各配合に応じた焼成温度の設定が必要である。リチウムイオン二次電池用負極の活物質として使用する場合は、充放電に関与しないSiO2の比率が比較的少なく、Sn/Siの配合比が1/0.5〜1/0.7のものが好ましく、焼成温度が600〜800℃とすることが好ましい。
【0023】
また、非晶質性の高いSiO2 を加えることによって、SnO2 の結晶成長をある程度抑制することが可能となることによって焼成時にSnO2 (110)面の結晶子サイズを4〜40nmの範囲とすることができる。
【0024】
また、炭素粉末と、SnO2 −SiO2 との配合比率に関しては、特に制限はないが、炭素の比率を高めることで、電池としてのサイクル安定性が向上する。ところが、炭素の比率の高い分、電池の容量が低くなり、高容量化という要望を満足することが難しくなる。一方、SnO2 −SiO2 の比率を高めると、電池の容量は大きくなるが、サイクル安定性が低下する。また、炭素に比べ、比重が大きく、所定の電池容量以上のものにする場合、どうしても電池の小型化、軽量化という要望を満足できないという問題が生じる。したがって、炭素粉末と、SnO2 −SiO2 との配合比率については、所望の電池サイズ及び電池容量に併せて適宜その配合比率を決定する。
【0025】
以上のようにして形成したC−SnO2 −SiO2 複合材を粉砕後、バインダーとしてポリイミド樹脂と混合し、銅箔に所定の厚みとなるように塗布し、リチウムイオン二次電池用負極とする。
【0026】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
【0027】
(実施例1)
天然黒鉛粉末10gを原子存在比Sn/Si=1/0.5に調整したSn、Si元素を含むゾルゲル液約30gに混合、攪拌後、80℃にて乾燥、窒素雰囲気下600℃にて焼成を行った。得られた粉体の重量存在比は、C:41%,Sn:49%,Si:10%であった。この粉体を乳鉢にて粉砕し、63μm以下となるように篩がけした後、X線回折にて測定した結果、黒鉛の他(110)面結晶子サイズ14nmの正方晶SnO2 のピークが検出された。この粉体とポリイミド樹脂を90/10の質量比率で混合し、厚み20μmの銅箔に厚み100μmとなるように塗布し、135℃で乾燥した。その後、エチレンカーボネート/ジメチルカーボネート(以下、EC/DMCという。)電解液を使用し、露点温度−70℃のグローブボックス内で0−1.5V半電池充放電試験を行った。
【0028】
(実施例2)
天然黒鉛粉末10gを原子存在比Sn/Si=1/0.7に調整したSn、Si元素を含むゾルゲル液約30gに混合、攪拌後、80℃にて乾燥、窒素雰囲気下600℃にて焼成を行った。得られた粉体の重量存在比は、C:38%,Sn:45%,Si:18%であった。この粉体を乳鉢にて粉砕し、63μm以下となるように篩がけした後、X線回折にて測定した結果、黒鉛の他(110)面結晶子サイズ7.5nmの正方晶SnO2 のピークが検出された。この粉体とポリイミド樹脂を90/10の質量比率で混合し、厚み20μmの銅箔に厚み100μmとなるように塗布し、135℃で乾燥した。その後、EC/DMC電解液を使用し、露点温度−70℃のグローブボックス内で0−1.5V半電池充放電試験を行った。
【0029】
(実施例3)
天然黒鉛粉末10gを原子存在比Sn/Si=1/0.5に調整したSn、Si元素を含むゾルゲル液約30gに混合、攪拌後、80℃にて乾燥、窒素雰囲気下600℃にて焼成を行った。得られた粉体の重量存在比は、C:41%,Sn:49%,Si:10%であった。この粉体を乳鉢にて粉砕し、63μm以下となるように篩がけした後、X線回折にて測定した結果、黒鉛の他(110)面結晶子サイズ14nmの正方晶SnO2 のピークが検出された。この粉体とポリビニリデンフロライド樹脂を90/10の質量比率で混合し、厚み20μmの銅箔に厚み100μmとなるように塗布し、135℃で乾燥した。その後、EC/DMC電解液を使用し、露点温度−70℃のグローブボックス内で0−1.5V半電池充放電試験を行った。
【0030】
(実施例4)
天然黒鉛粉末10gを原子存在比Sn/Si=1/0.3に調整したSn、Si元素を含むゾルゲル液約30gに混合、攪拌後、80℃にて乾燥、窒素雰囲気下600℃にて焼成を行った。得られた粉体の重量存在比は、C:45%,Sn:50%,Si:5%であった。この粉体を乳鉢にて粉砕し、63μm以下となるように篩がけした後、X線回折にて測定した結果、黒鉛の他(110)面結晶子サイズ39nmの正方晶SnO2 のピークが検出された。この粉体とポリビニリデンフロライド樹脂を90/10の質量比率で混合し、厚み20μmの銅箔に厚み100μmとなるように塗布し、135℃で乾燥した。その後、EC/DMC電解液を使用し、露点温度−70℃のグローブボックス内で0−1.5V半電池充放電試験を行った。
【0031】
(比較例1)
SnO2 (和光純薬特級、(110)面結晶子サイズ42nm)とポリビニリデンフロライド樹脂を95/5の質量比率で混合し、厚み20μmの銅箔に厚み100μmとなるように塗布し、135℃で乾燥した。その後、EC/DMC電解液を使用し、露点温度−70℃のグローブボックス内で0−1.5V半電池充放電試験を行った。
【0032】
(比較例2)
天然黒鉛粉末10gを原子存在比Sn/Si=1/0.05に調整したSn、Si元素を含むゾルゲル液約30gに混合、攪拌後、80℃にて乾燥、窒素雰囲気下600℃にて焼成を行った。得られた粉体の重量存在比は、C:45%,Sn:54%,Si:1%であった。この粉体を乳鉢にて粉砕し、63μm以下となるように篩がけした後、X線回折にて測定した結果、黒鉛の他(110)面結晶子サイズ38nmの正方晶SnO2 のピークが検出された。この粉体とポリビニリデンフロライド樹脂を90/10の質量比率で混合し、厚み20μmの銅箔に厚み100μmとなるように塗布し、135℃で乾燥した。その後、EC/DMC電解液を使用し、露点温度−70℃のグローブボックス内で0−1.5V半電池充放電試験を行った。
【0033】
(比較例3)
天然黒鉛粉末10gを原子存在比Sn/Si=1/1.1に調整したSn、Si元素を含むゾルゲル液約30gに混合、攪拌後、80℃にて乾燥、窒素雰囲気下700℃にて焼成を行った。得られた粉体の重量存在比は、C:38%,Sn:44%,Si:19%であった。この粉体を乳鉢にて粉砕し、63μm以下となるように篩がけした後、X線回折にて測定した結果、黒鉛の他(110)面結晶子サイズ4.2nmの正方晶SnO2 のピークが検出された。この粉体とポリビニリデンフロライド樹脂を90/10の質量比率で混合し、厚み20μmの銅箔に厚み100μmとなるように塗布し、135℃で乾燥した。その後、EC/DMC電解液を使用し、露点温度−70℃のグローブボックス内で0−1.5V半電池充放電試験を行った。
【0034】
(比較例4)
天然黒鉛粉末10gを原子存在比Sn/Si=1/0.3に調整したSn、Si元素を含むゾルゲル液約30gに混合、攪拌後、80℃にて乾燥、窒素雰囲気下1300℃にて焼成を行った。得られた粉体の重量存在比は、C:45%,Sn:50%,Si:5%であった。この粉体を乳鉢にて粉砕し、63μm以下となるように篩がけした後、X線回折にて測定した結果、黒鉛の他(110)面結晶子サイズ48nmの正方晶SnO2 のピークが検出された。この粉体とポリイミド樹脂を90/10の質量比率で混合し、厚み20μmの銅箔に厚み100μmとなるように塗布し、135℃で乾燥した。その後、EC/DMC電解液を使用し、露点温度−70℃のグローブボックス内で0−1.5V半電池充放電試験を行った。
【0035】
(比較例5)
天然黒鉛粉末10gを原子存在比Sn/Si=1/1に調整したSn、Si元素を含むゾルゲル液約30gに混合、攪拌後、80℃にて乾燥、窒素雰囲気下500℃にて焼成を行った。得られた粉体の重量存在比は、C:38%,Sn:45%,Si:18%であった。この粉体を乳鉢にて粉砕し、63μm以下となるように篩がけした後、X線回折にて測定した結果、黒鉛の他(110)面結晶子サイズ3.8nmの正方晶SnO2 のピークが検出された。この粉体とポリイミド樹脂を90/10の質量比率で混合し、厚み20μmの銅箔に厚み100μmとなるように塗布し、135℃で乾燥した。その後、EC/DMC電解液を使用し、露点温度−70℃のグローブボックス内で0−1.5V半電池充放電試験を行った。
【0036】
以上、実施例1乃至4及び比較例1乃至5の0−1.5V半電池充放電試験の結果を表1及び図1にまとめて示す。
【0037】
【表1】
【0038】
表1及び図1より、本実施例に係る二次電池用負極材を用いたものは、高容量であるとともに、サイクル安定性に優れた電池となることがわかる。
なお、SnO2 (110)面結晶子サイズは、X線回折測定結果より半価幅データをもとに、下記のScherrerの式から計算した。
DhkL :K・λ/βcosθ
ここで、DhkL は結晶子の大きさ(nm)、λは測定X線波長(0.15405nm)、βは結晶子の大きさによる回折線の拡がり(ラジアン)、θは回折線のブラッグ角(deg)(2θ=26.5deg、θ=13.25deg)、Kは定数(0.9)として計算した。
【0039】
これは、SiO2 を添加することによって、SnO2 の(110)面結晶子を4〜40nmの範囲とできるため、リチウムとの合金化反応時でも膨張、収縮に伴う集電体との密着性が悪化しにくいため、充放電サイクルの劣化が抑制されるものと考えられる。
【0040】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されており、炭素粉末、スズ酸化物、ケイ素酸化物を含む複合材料にバインダーとしてポリイミド樹脂を用いて、この複合材料における、スズ酸化物の(110)面結晶子サイズが4〜40nmであり、前記複合材料におけるスズ/ケイ素の配合比が原子存在比でSn/Si=1/0.1〜1/1の範囲とすることで、リチウムとの合金化反応及び充放電に寄与するバインダーを使用することによって、高容量化を実現できるとともに、スズの添加量を抑制することができるため、小型化、軽量化をも実現することが可能となる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係るリチウムイオン二次電池の0−1.5V半電池充放電試験の結果をまとめた図である。
Claims (3)
- 炭素粉末とスズ酸化物とケイ素酸化物とを含む複合材料と、樹脂からなるバインダーを用いるリチウムイオン二次電池用負極であり、
前記複合材料は、前記スズ酸化物が SnO2 であり、且つ、前記ケイ素酸化物が SiO2 である C−SnO 2 −SiO 2 複合材料であり、
前記複合材料におけるスズ/ケイ素の配合比が原子存在比でSn/Si=1/0.1〜1/1であり、
前記SnO2 の(110)面結晶子サイズが4〜40nmであることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極。 - 前記バインダーがポリイミド樹脂を含むものである請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
- SnO2となる前駆体とSiO2となる前駆体を、スズ/ケイ素の配合比が原子存在比でSn/Si=1/0.1〜1/1となるように混合したゾルゲル液と、炭素粉末と、を混合し、乾燥した後、600℃〜800℃で焼成して、前記SnO2の(110)面結晶子サイズが4〜40nmである、C−SnO 2 −SiO 2 複合材料と樹脂からなるバインダーを用いるリチウムイオン二次電池用負極に用いられる前記複合材料を得る工程を有するリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
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