JP6300434B2 - リチウム二次電池負極およびその製造方法 - Google Patents

リチウム二次電池負極およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シリコン系材料を活物質として用いたリチウム二次電池負極及びその製造方法に関する。
従来リチウム二次電池の負極には黒鉛粉末等カーボン系材料からなる負極活物質を、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等絶縁性の有機高分子バインダにより結着し、これを銅箔等の集電体に積層したものが用いられているが、これらカーボン系材料を活物質として用いた負極は、その放電容量が、高々350mA・h/g程度であるため、さらに容量の大きい負極活物質が求められている。
そこで、これらカーボン系材料に代わる次世代の負極活物質としてシリコン系材料を用いた負極が提案されている。シリコン系材料はリチウムとの合金化反応により、黒鉛の数倍以上の放電容量を示すことが知られているが、充放電に伴う体積変化が激しく負極としての寿命を延ばすことが容易ではなかった。
この繰り返し充放電時の体積変化によるサイクル特性の低下を改善する方法として、平均粒径が1〜10ミクロンのシリコン系粒子を、力学的特性に優れたポリイミドを用いて結着し、熱加圧処理することにより負極活物質層を形成させる方法が提案されている(特許文献1〜5)。
上記特許文献で開示されたポリイミドをバインダとして用いた負極は、充放電をさせると活物質層に亀裂が生じ充電時の体積膨張を吸収できる空間を持つ島状構造が形成されることにより、繰り返し充放電における容量保持率が向上することが非特許文献1で指摘されている。
特許第4471836号 特許第4270894号 特許第4225727号 特許第4212392号 特許第4033720号
第48回電池討論会予稿集,2B23, p.238(2007) (高野靖男,山本英和,福井厚史,砂野泰三,神野丸男, 藤谷伸)
しかしながら、従来開示されたポリイミドをバインダとして用いた負極であっても、前記シリコン系材料の体積変化にともなうサイクル特性の改善は必ずしも充分ではなく、さらにサイクル特性が良好で、かつ高い放電容量を有する負極が求められていた。
そこで、本発明は上記課題を解決するものであって、活物質としてシリコン系材料を用いたリチウム二次電池負極において、高い放電容量と良好なサイクル特性を有する負極を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、特定の特性を有する活物質層が集電体上に設けられた積層体を負極として用いることにより上記課題が解決されることを見出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明は下記を趣旨とするものである。
1)バインダとしてポリイミドを含む平均粒径が1μm未満のシリコン粒子からなる活物質層が集電体上に設けられた積層体であって、前記活物質層の気孔率が25〜40%であり、かつ集電体と前記活物質層の接着強度が3.0N/cm以上であることを特徴とするリチウム二次電池負極。
2)平均粒子径が1μm未満のシリコン粒子とポリイミド前駆体と溶媒とからなる分散体を集電体上に塗布、乾燥、熱硬化し、気孔率が25〜40%の活物質層を集電体上に形成させ、熱硬化の後、熱加圧処理を行わないことを特徴とする1)に記載のリチウム二次電池負極の製造方法。
本発明の積層体は、高い放電容量と良好なサイクル特性を有するので、リチウム二次電池負極として好適に用いることができる。また、本発明の製造方法においては、簡単なプロセスで容易に高い放電容量と良好なサイクル特性を有する負極を製造することが出来る。
実施例1で得られた負極の表面SEM像である。 比較例1で得られた負極の表面SEM像である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のリチウム二次電池負極では、活物質層のバインダとしてポリイミドを使用する。本発明で用いられるポリイミドとはポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド等、主鎖にイミド結合を有する有機高分子を言い、下記の化学構造式(1)を有するポリイミドの中で芳香族ポリイミドが特に好ましく用いられる。
ここで、Rは4価の芳香族残基、脂肪族残基、脂環族残基から選ばれる残基を表し、Rは2価の芳香族残基、脂肪族残基、脂環族残基から選ばれる残基を表す。
本発明では、良好なサイクル特性を確保する観点から、これらポリイミドの中でDSC(示差走査熱量測定)によるTg(ガラス転移温度)として150℃以上が好ましく、250℃〜350℃の範囲であることがさらに好ましい。また、これらポリイミドの真密度としては1.2g/cm3以上であることが好ましい。
これらポリイミドの負極活物質層への配合量としては、1〜30質量%であることが好ましく、5〜25質量%が更に好ましい。
本発明のリチウム二次電池負極では、活物質層にシリコン系材料を用いる。ここで、シリコン系材料とは、例えば、シリコン、シリコン合金、シリコン・二酸化珪素複合体等を言い、シリコンを好ましく用いることができる。このシリコン系材料は粒子状のものを用いることが出来、これをバインダである前記ポリイミドに配合して負極活物質層とすることができる。
シリコン系粒子の形状は、不定形状、球状、繊維状等いかなる形状のものでも良い。また、良好なサイクル特性を確保する観点から、シリコン系材料の粒子径としてはその平均粒径が1μm未満であることが必要である。本発明におけるシリコン系粒子の平均粒径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定することができる。なお、この平均粒径は前記シリコン系粒子を用いて負極作成後、その表面のSEM像から確認することができる。
また、活物質層へのシリコン系粒子の配合量としては、活物質層質量に対し、55質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましい。
本発明の前記負極活物質層には、電極としての内部抵抗を低減させるために、必要に応じ、黒鉛やカーボンブラック等のカーボン粒子や銀、銅、ニッケル等の金属粒子の導電性粒子を配合することができる。これらカーボン粒子や金属粒子の粒子径としては平均粒径が5μm以下であることが好ましい。負極活物質層への配合量としては、1〜25質量%であることが好ましく、5〜20質量%が更に好ましい。
本発明の負極活物質層は、15〜40体積%、より好ましくは25〜35体積%の気孔率を有するものである。本発明の負極では気孔率を上記のように予め設定することにより、シリコン系材料活物質の充放電に伴う体積変化により発生する活物質層へのストレスをこの気孔により吸収でき、それが為に充放電の際に活物質層に亀裂を生じさせることがなく、良好なサイクル特性が得られるものと考えられる。従い気孔率がこの範囲外では目的とする好ましいサイクル特性が得られないことが多い。
ここで気孔率とは、活物質層の見掛け密度と活物質層を構成する個々の材料(シリコン系材料、ポリイミド、導電性粒子等)の真密度(比重)と配合量から算出される値である。
たとえば、シリコン系材料(真密度A g/cm)をX質量%、ポリイミド(真密度B g/cm)をY質量%、導電性粒子(真密度C g/cm)をZ質量%配合した負極活物質層の見掛け密度がD g/cmの場合の気孔率(%)は以下の計算式から算出される。
(数1)
気孔率 = 100−D(X/A+Y/B+Z/C) (%)
なお、本発明では、シリコン系材料としてシリコンを用いた場合はこの真密度として2.33g/cmの値を用いることが出来る。
本発明では、前記活物質層の厚みは任意であるが、10〜300μm程度の厚みとすることが出来る。
本発明では前記負極活物質層を集電体上に形成させて負極とする。集電体としては、銅箔、ステンレス箔、ニッケル箔等の金属箔を使用することが出来るが、電解銅箔や圧延銅箔等の銅箔が好ましく用いられる。これら金属箔の厚みは5〜50μmが好ましく、9〜18μmがより好ましい。また、これらの金属の表面は接着性を向上させるための粗面化処理や防錆処理がされていても良い。また、これらの金属箔の表面に導電性接着層を積層したものを集電体と使用することもできる。なお、導電性接着層は有機高分子化合物に黒鉛などの導電性粒子を配合することによって形成させることができる。
本発明のリチウム二次電池負極は、上記集電体とシリコン系活物質層の接着強度として3.0N/cm以上の値を有するものである。接着強度を上記とすることにより、気孔率が上記の範囲であっても、集電体とシリコン系活物質層の間の良好な密着性が確保されるので、良好なサイクル特性が得られるものと考えられる。
ここで、上記接着強度は、幅10mm、長さ100mmに切断した試験片について、両面粘着テープを用いて試験片の一方の導体層面をアルミニウム板に固定した状態で、アルミニウム板に固定されていない側のシリコン系活物質層と集電体の界面を180°方向に50mm/minの速度で引張り測定された値である。
本発明のリチウム二次電池負極は例えば以下のような方法によって製造することが出来る。
即ち、シリコン系粒子とポリイミド前駆体と溶媒とからなる分散体を集電体上に塗布、乾燥、熱硬化させた後、熱加圧処理を行うことなく気孔率が15〜40体積%の活物質層を集電体上に形成させることにより製造することが出来る。
ここでポリイミドの前駆体溶液は、原料となるテトラカルボン酸二無水物とジアミンの略等モルを、溶媒中で重合反応させて得られるポリアミック酸溶液が好ましく用いられる。このポリアミック酸溶液を製造する際の、反応温度としては、−30〜60℃が好ましく、−15〜40℃がより好ましい。またこの反応において、モノマー及び溶媒の添加順序は特に制限はなく、いかなる順序でもよい。
ここでテトラカルボン酸二無水物は例えばピロメリット酸、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、2,3,3′,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ジフェニルメタンテトラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,4,9,10−テトラカルボキシペリレン、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンなどの二無水物などを単体もしくは混合物として使用することが出来るがこれらに限定されるものではない。
ここで、ピロメリット酸、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸が特に好ましく用いられる。
また、ジアミンとしては例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2−ビス(アニリノ)エタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノベンズアニリド、ジアミノベンゾエート、ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス(p−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(p−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,5−ジアミノナフタレン、ジアミノトルエン、ジアミノベンゾトリフルオライド、1,4−ビス(p−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4′−ビス(p−アミノフェノキシ)ビフェニル、ジアミノアントラキノン、4,4′−ビス(3−アミノフェノキシフェニル)ジフェニルスルホン、1,3−ビス(アニリノ)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(アニリノ)オクタフルオロブタン、1,5−ビス(アニリノ)デカフルオロペンタン、1,7−ビス(アニリノ)テトラデカフルオロヘプタン等を単体もしくは混合物として使用することが出来るがこれらに限定されるものではない。
ここで、p−フェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンが特に好ましく用いられる。
ポリアミック酸の固形分濃度としては1〜50質量%が好ましく、5〜25質量%がより好ましい。このポリアミック酸溶液は部分的にイミド化されていても良い。
ポリイミド前駆体溶液の25℃に於ける粘度は1〜150Pa・sが好ましく、5〜100Pa・sがより好ましい。
ポリイミド前駆体溶液に用いられる溶媒としては、ポリイミド前駆体を溶解する溶媒であれば如何なる溶媒でも使用することが出来るが、アミド系溶媒が好ましく用いられる。アミド系溶媒の具体例としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)等が挙げられ、これらの単体もしくは混合物が好ましい溶媒として使用できる。
ポリイミド前駆体溶液には、必要に応じて、例えば、各種界面活性剤、有機シランカップリング剤等の公知の添加物を本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。また、他の重合体が本発明の効果を損なわない範囲で添加されていてもよい。
次に、前記ポリイミド前駆体溶液にシリコン系粒子と必要に応じ導電性粒子等を混合、分散することにより分散体とする。
次に、前記シリコン系材料分散体を金属箔上に塗布、乾燥してシリコン系材料が分散したポリイミド前駆体層を形成させる。この乾燥工程において、乾燥温度は150℃以下であることが好ましく、150℃以下であることがより好ましい。次に、250℃〜500℃の温度で熱硬化を行うことが好ましい。この熱硬化によりポリイミド前駆体がポリイミドに変換され、ポリイミドを含むシリコン系活物質層とすることが出来る。前記ポリイミド前駆体溶液は、複数回に分けて塗布してもよい。なお、熱硬化する際の雰囲気としては、窒素ガス等不活性ガス雰囲気化で行うことが好ましいが、空気雰囲気や真空で行うこともできる。
ここで、シリコン系材料活物質層の気孔率を前記の範囲内とするためには、負極活物質層における粒子の隙間の総体積がポリイミドの体積を上回ると、「粒子の隙間の総体積 − ポリイミドの体積」に相当する気孔が生ずるので、混合、分散する粒子の粒子径・形状、および前記した分散体の組成を調節すれば良い。本発明では、シリコン系粒子の平均粒径を1μm未満とすることにより、熱加圧処理を行わなくても、本発明で規定された気孔率とすることが出来る。シリコン活物質層に熱加圧処理を行い、シリコン活物質層の気孔率を調節することも出来るが、シリコン活物質層に熱加圧処理を行った場合は、活物質表面の気孔率が低下し負極とした時に電解液が浸透しにくくなり、放電容量が低下する傾向となる。なお、熱加圧処理する場合の処理温度としては、使用したポリイミドの(Tg+50℃)〜(Tg+150℃)の範囲で行うことが好ましく、圧力としては、線圧換算で10〜100kg/cmの範囲で行うことが好ましい。
シリコン系材料分散体を集電体へ塗布するに際しては、ロールツーロールによる連続的に塗布する方法、枚様で塗布する方法が採用出来、いずれの方法でも良い。この時に用いられる塗布装置としては、ダイコータ、多層ダイコータ、グラビアコータ、コンマコータ、リバースロールコータ、ドクタブレードコータ等が使用できる。
以上述べた如く、簡単なプロセスでポリイミドを含むシリコン系材料活物質層を集電体上に設けた本発明のリチウム二次電池負極を製造することが出来る。
以下、実施例に基づき本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例における、各種特性の評価方法及び用いたポリイミド前駆体溶液の合成方法は、次の通りである。
[評価方法]
(1)放電容量の評価
得られた負極を用い、対極をリチウム金属とした電池セルを構成し、以下の条件で繰り返し充放電を行い、一回目の放電容量を放電容量とし、以下の基準で評価した。ここで放電容量はシリコン系粒子の質量を基準として算出する。
○:放電容量 1000mAh/g以上
×:放電容量 1000mAh/g未満
(セルの構成)
・二極式ポーチセル
・対極:金属リチウム
・電解液:1M LiPF in EC + EMC + DMC = 1 : 1 : 1 (体積比)
(なお、EC、EMC、DMCはそれぞれ、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネートの略語である。)
測定条件
・測定温度 : 30℃
・放電範囲 : 0.01V 〜 2V
・放電電流 : 15mA/g−負極活物質層
(2)サイクル特性の評価
上記充放電条件において2回目の放電容量に対する10回目の放電容量の比率を求め、以下の基準でサイクル特性を評価した。
○:放電容量の比率 0.9以上
×:放電容量の比率 0.9未満
[ポリイミド(PI)前駆体溶液の調製方法]
以下の説明において使用した略語は、以下のとおりである。
<ポリイミド原料>
BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
4,4’ODA:4,4’−オキシジアニリン
PDA:p−フェニレンジアミン
<溶媒>
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
<PI前駆体溶液P−1の調製>
三つ口フラスコに窒素ガス気流下、NMP中で、略等モルのBPDAと4,4’ODAとを40℃で反応させることにより、固形分濃度15質量%、25℃での粘度が85Pa・sのポリアミック酸からなる均一な溶液を得た。この溶液をPI前駆体溶液P−1とする。
前記PI前駆体溶液を清浄なガラス基板上に熱硬化後の被膜の厚みが15μmになるようにバーコータによって塗布し、130℃で10分間乾燥した。次いで、窒素雰囲気下100℃から350℃まで2時間かけて昇温した後、350℃で1時間熱処理し、PI前駆体を熱硬化させてイミド化した後ガラス基板から剥離して透明な無孔のPIフィルムを得た。このPIフィルムのDSCによるTgは285℃で、真密度は1.40g/cmであった。
<PI前駆体溶液P−2の調製>
4,4’ODAをPDAとしたこと以外は上記と同様の方法で、固形分濃度15質量%、25℃での粘度が88Pa・sのポリアミック酸からなる均一な溶液を得た。この溶液をPI前駆体溶液P−2とする。
この溶液から上記と同様の方法で厚みが15μmの透明な無孔のPIフィルムを得た。このPIフィルムのDSCによるTgは400℃以上で、真密度は1.47g/cmであった。
<シリコン系粒子分散体の製造法>
上記で得られたPI前駆体溶液に所定の平均粒径を有するシリコン粒子と平均粒径が3μmの黒鉛粒子を表1の組成で加え、均一に分散するように攪拌後、NMPを加えて、固形分濃度24.5質量%の表2に示すシリコン分散体a〜fを作成した。
[実施例1〜2、比較例1〜4]
厚み18μmの電解銅箔(古河電気工業製 F2−WS)上に、前記シリコン粒子分散体a〜fを熱硬化後の被膜の厚みが30〜50μmになるようにバーコータを用いて枚様で均一に塗布し、130℃で10分間乾燥した。次に、この積層体を窒素ガス雰囲気下で100℃から350℃まで2時間かけて昇温した後、350℃で1時間熱処理し、ポリアミック酸を熱硬化させてイミド化した。これらの積層体は、さらに熱加圧処理することなく、負極用試料として用いた。
各負極用試料の気孔率、接着強度の測定結果と放電特性、サイクル特性の評価結果を表3に示す。
また、実施例1及び比較例1で得られた活物質層表面のSEM像を図1〜2に示す。
図に示すように、所定の平均粒径を有するシリコン粒子が、凝集することなく、黒鉛粒子とともに、均一に負極活物質層に分散されていることが判る。
実施例1〜2及び比較例1〜4の結果から、活物質層の気孔率を本発明の範囲である15〜40%とするとともに活物質層と銅箔との接着強度を3.0N/cm以上とすることにより、高い放電容量と良好なサイクル特性の得られることが判る。これに対し、気孔率が40%を超えた比較例1〜2の負極試料では、放電容量としては1000mAh/g超を示したものの、活物質層と銅箔との接着強度が低いため、繰り返し充放電での放電容量維持特性が充分ではなく、リチウム二次電池負極としては不適であることが判る。また、比較例3〜4に示すように、活物質層と銅箔との接着強度が本発明の範囲であっても、気孔率が15%以下の場合は、放電容量が低くリチウム二次電池負極としては不適であることが判る。

Claims (2)

  1. バインダとしてポリイミドを含む平均粒径が1μm未満のシリコン粒子からなる活物質層が集電体上に設けられた積層体であって、前記活物質層の気孔率が25〜40%であり、かつ集電体と前記活物質層の接着強度が3.0N/cm以上であることを特徴とするリチウム二次電池負極。
  2. 平均粒径が1μm未満のシリコン粒子とポリイミド前駆体と溶媒とからなる分散体を集電体上に塗布、乾燥、熱硬化し、気孔率が25〜40%の活物質層を集電体上に形成させ、熱硬化の後、熱加圧処理を行わないことを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池負極の製造方法。
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