JP6562380B2 - 非水電解質二次電池用負極及び非水電解質二次電池 - Google Patents
非水電解質二次電池用負極及び非水電解質二次電池 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6562380B2 JP6562380B2 JP2015108886A JP2015108886A JP6562380B2 JP 6562380 B2 JP6562380 B2 JP 6562380B2 JP 2015108886 A JP2015108886 A JP 2015108886A JP 2015108886 A JP2015108886 A JP 2015108886A JP 6562380 B2 JP6562380 B2 JP 6562380B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- negative electrode
- binder
- active material
- secondary battery
- polyimide
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Description
このため、近年、負極活物質として、炭素材料に置き代わる、大放電容量を有するSiやSnなどの材料の研究が盛んに行われている(特許文献1〜7参照)。
また、特許文献1には、「本発明においては、負極の作製が完了した時点において、集電体及びバインダーが、それぞれ上記機械的特性を有している。集電体及びバインダーが上記機械的特性を有することにより、リチウムの吸蔵・放出に伴い、活物質層の体積が膨張・収縮しても、活物質層が集電体から剥離するのを抑制することができ、電極内における集電性の低下を抑制することができる。従って、充放電サイクル特性を向上させることができる。・・・破断伸びは、さらに好ましくは50%以上であり、特に好ましくは100%以上である。・・・また本発明において、バインダーの弾性率は、上述のように、10000N/mm2以下であるが、さらに好ましくは7000N/mm2以下である。バインダーの弾性率が大き過ぎると、バインダーが、活物質粒子の体積の膨張・収縮によって起きる応力を緩和することが難しくなり、電極内の集電性の低下が生じる。」(第4頁)と記載されている。
そして、実施例においては、活物質粒子がケイ素粉末である負極のバインダーとして、破断伸び103%、弾性率3900N/mm2のポリイミド、破断伸び16%、弾性率2800N/mm2のポリイミド、破断伸び98%、弾性率2400N/mm2のポリイミド、破断伸び95%、弾性率2700N/mm2のポリイミド、破断伸び56%、弾性率3700N/mm2のポリイミドを用いることが示されている(表2、表6、表19参照)。
また、特許文献2には、「本発明においては、バインダーとして弾性率が3.0GPa以上である樹脂を用いている。このような弾性率を有する樹脂をバインダーとして用いることにより、初期充放電効率及び充放電サイクル特性を向上させることができる。バインダーの弾性率を高くすることにより、活物質粒子が充放電により膨張・収縮した際に合剤層全体の変形を小さくすることができ、活物質粒子同士の接触及び活物質粒子と集電体との接触状態を良好に保つことができ、初期充放電効率及び充放電サイクル特性を高めることができるものと考えられる。」(段落[0007])と記載されている。
そして、実施例においては、活物質がSi−Sn合金粉末である負極のバインダーとして、バインダー弾性率3.0GPa、3.7GPaのポリイミドを用いることが示されている(表1参照)。
また、特許文献3には、「結着剤は、活物質同士または活物質と集電体とを結着させて電極構造を維持する目的で添加される。本発明においては、結着剤の引張り弾性率が2000MPa以上である。好ましくは2300MPa以上であり、より好ましくは2500MPa以上である。結着剤の引張り弾性率が2000MPa未満である場合には、電極の膨張収縮に伴い、電極構造に歪みが生じ、導電ネットワーク構造を維持することができず、電極の抵抗値が上昇するおそれがある。結着剤の引張り弾性率を上記範囲とすることにより、膨張収縮を繰り返した場合であっても電極構造が保持され、導電ネットワークを維持することができる。その結果、抵抗値の上昇を抑制することができ、サイクル特性の優れた電極が得られる。結着剤の引っ張り弾性率の上限値は特に制限されないが、3800MPa以下であることが好ましく、3600MPa以下であることがより好ましい。3800MPaを超える場合には、結着剤が硬いために膨張収縮時において電極に割れが生じ、導電ネットワークが崩壊するおそれがある。」(段落[0039])と記載されている。
そして、実施例においては、負極活物質が炭素被覆したSiOである負極の結着剤として、弾性率3000〜3700MPaのポリイミドを用いることが示されている(表2参照)。
また、特許文献4には、「本発明のリチウムイオン二次電池用負極に使用するポリアミドイミド樹脂は、その強靭性をもって充放電時の負極活物質の膨張、収縮に耐えることが可能である。本発明に用いるポリアミドイミド樹脂は、フィルムにしたときの・・・引っ張り伸度が30%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上であり、引っ張り弾性率が2.5GPa以上、好ましくは3.5GPa以上、より好ましくは5GPa以上である。・・・伸度が30%未満であったり、引っ張り弾性率が2.5GPa未満であるポリアミドイミド樹脂をバインダーに用いた場合には、繰り返し充放電時の膨張、収縮に耐えられず、活物質が剥落したりしてサイクル特性が著しく低下する。」(段落[0015])と記載されている。
そして、実施例においては、活物質がSiO2である負極のバインダーとして、引っ張り伸度78%、引っ張り弾性率2.8GPaのポリアミドイミド、引っ張り伸度59%、引っ張り弾性率3.9GPaのポリアミドイミド、引っ張り伸度38%、引っ張り弾性率7.5GPaのポリアミドイミド、引っ張り伸度62%、引っ張り弾性率6.6GPaのポリアミドイミドを用いることが示されている(段落[0034]〜[0038]参照)。
また、特許文献5には、「充放電により可逆的にリチウムイオンを挿入・放出できる例えば炭素粉末、ケイ素粉末、スズ粉末、またはケイ素若しくはスズを含む合金粉末のような電極活物質を用いて得られる電極合剤ペーストを、銅などの導電性の集電体上に流延あるいは塗布する場合、80〜300℃、より好ましくは120〜280℃、特に好ましくは150〜250℃の温度範囲で加熱処理して溶媒を除去するとともにイミド化反応することにより電極を得ることができる。・・・得られる電極はリチウムイオン二次電池の負極として特に好適に用いることができる。」(段落[0056])と記載されている。
そして、実施例においては、「得られた電極用バインダー樹脂組成物8.89g(イミド化後の固形分質量0.8g)と300メッシュのケイ素粉末9.2gを乳鉢中で磨り潰すように混練し、電極合剤ペーストを調製した。得られたペーストは、ガラス棒で銅箔上に薄く延ばすことが可能であった。ペーストを塗布した銅箔を基板上に固定し、窒素雰囲気下で、120℃で1時間、200℃で10分、220℃で10分、250℃で10分加熱することにより、活物質層の厚みが100μmの電極を好適に作成することができた。」(段落[0067])と記載され、電極用バインダーポリイミドの特性として、引張弾性率7.8GPa、引張破断伸び15%のもの、引張弾性率8.6GPa、引張破断伸び16%のもの、引張弾性率8.6GPa、引張破断伸び18%のもの、引張弾性率8.2GPa、引張破断伸び17%のもの、引張弾性率4.5GPa、引張破断伸び18%のもの、引張弾性率3.9GPa、引張破断伸び27%のもの、引張弾性率3.5GPa、引張破断伸び30%のもの、引張弾性率3.8GPa、引張破断伸び20%のものが示されている(表1参照)。
また、特許文献6には、「本発明の二次電池用バインダー樹脂組成物は、ポリイミド樹脂に、架橋性イミド化合物(B)を配合していることから、ポリイミド樹脂に熱可塑性を付与することが出来、またその後の硬化により硬化物を含む樹脂組成物は十分な機械強度を有する。そのため、この二次電池用バインダー樹脂組成物に活物質を配し、リチウム二次電池の活物質層を形成した場合、アンカー効果により高い接着強度を有し、且つ高弾性率であるために、活物質が膨張・収縮を繰り返したとしても、バインダー樹脂が伸びきってしまうことを抑えられ、活物質を十分に支持することができ、活物質が脱離することを抑制し得る。したがって、本発明によれば、活物質の脱離が生じ難い、充放電サイクル特性に優れたリチウム二次電池が提供される。」(段落[0017])と記載されている。
そして、実施例においては、負極活物質がシリコン粒子である負極のバインダーとして、弾性率7.2〜12.5GPaのポリイミドを用いることが示されている(段落[0157]、表1参照)。
また、特許文献7には、「以上をまとめると、ケイ素原子やスズ原子等リチウムイオンの吸蔵・放出に伴う体積変化が非常に大きい活物質には、活物質に対する結着性が優れ、且つ引張弾性率と破断伸度のいずれもが高い値を示す樹脂がバインダーとして適している。・・・は、ポリイミドの化学構造を具体的に開示した樹脂バインダーが提案されている。しかしながら、本発明者の検討によれば、・・・に記載のポリイミドは、引張弾性率と破断伸度のいずれかが高い値を示すものの、もう一方の物性が不十分であったり、活物質に対する結着性が不十分であった。・・・では、・・・を用いた負極活物質についての検討は不十分であった。他にも・・・には、所定のジアミンをジアミン全体の40質量%以下で含有することが望ましいとするポリイミド樹脂が開示されてはいるものの、上述の課題の解決には至っていなかった。」(段落[0007])、「本発明は、引張弾性率と破断伸度のバランスに優れた、リチウムイオン二次電池用電極合材ペースト及び電極、さらにはこれからなるサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池の提供を目的とする。」(段落[0009])と記載されている。
そして、実施例においては、負極活物質がシリコン粒子である負極のバインダーとして、引張弾性率5.4GPa、破断伸度34%のポリイミド、引張弾性率7.6GPa、破断伸度29%のポリイミド、引張弾性率5.3GPa、破断伸度40%のポリイミド、引張弾性率7.4GPa、破断伸度29%のポリイミドを用いることが示されている(段落[0066]、表1参照)。
特許文献7には、SiやSn等リチウムイオンの吸蔵・放出に伴う体積変化が非常に大きい活物質には、活物質に対する結着性が優れ、且つ弾性率と破断伸度(伸び率)のいずれもが高い値を示す樹脂がバインダーとして適していると記載され、弾性率が7.6GPaと高い場合、伸び率も29%と高いポリイミドを負極のバインダーとすることが示されている。したがって、弾性率が8GPa以上で、伸び率が29%を下回るようなポリイミドを負極のバインダーとして用いることが示されているとはいえない。
(1)SiO x (1≦x<2)を含む活物質、及びバインダーを含有する非水電解質二次電池用負極であって、前記バインダーは、弾性率が8GPa以上で伸び率が8〜25%のポリイミドであることを特徴とする非水電解質二次電池用負極。
(2)前記(1)の負極を備えた非水電解質二次電池。
本発明は、非水電解質二次電池の負極活物質として、SiとOとを構成元素に含む材料を用いる。負極活物質としてSiとOとを構成元素に含む材料を用いることにより、放電容量の大きい、高エネルギー密度の非水電解質二次電池を得ることができる。SiとOとを構成元素に含む負極活物質は、Liイオンと固溶体や金属間化合物を形成することにより、Liイオンを多量に貯蔵することができる。
SiとOとを構成元素に含む材料は、一般式SiOx(x<2)で表される物質が好ましい。
Siを負極活物質として用いた場合、リチウムが吸蔵された充電状態において、Siの表面に、SiLi4.4が形成されていると推定される。一方、SiO等のSiOxを負極活物質として用いた場合、SiOx粒子の表面に、SiLi4.4及びLi2Oが点在して形成されていると推定される。Li2Oは、SiLi4.4に比べて、電解液との界面においてより安定して存在できることから、SiOxは、Siよりも、フロート充電性能及び充放電効率が優れる。
本発明においては、上記のような負極活物質を集電体(集電箔)に塗布して結着するためのバインダーとして、弾性率が8GPa以上で伸び率が8〜25%のポリイミドを用いる。弾性率は9Gpa以上が好ましく、10GPa以上がより好ましい。弾性率の上限値は、特に制限されないが、14GPa以下であることが好ましく、13GPa以下であることがより好ましい。伸び率は8〜23%が好ましく、8〜21%がより好ましく、12〜21%が特に好ましい。上記のような弾性率が高く、伸び率が低いバインダーを用いることによりサイクル性能が良好となる。
上記のように、ポリイミドの弾性率を8Gpa以上とすることによって、活物質の体積膨張による電極膨れが抑制され、集電性が確保されるため、容量保持率(サイクル性能)が向上すると推察される。
一方、特許文献7に示されているように、従来、SiやSn等、リチウムイオンの吸蔵・放出に伴う体積変化が非常に大きい活物質には、高い弾性率と共に、高い伸び率を有するバインダーが必要とされてきた。しかし、本発明において、SiとOとを構成元素に含む活物質を用いる場合、図1及び実施例に示すように、容量保持率(サイクル性能)を向上させるために、高い伸び率は必要ないことが分かった。伸び率が高いと、合剤層が大きく体積変化した場合であっても、バインダーが前記体積変化に追随しようとするため、負極板を変形させる原因となり、容量保持率が低下する原因になると推察される。また、負極板が変形すると、正極板との対向距離が不均一となり、正負極の容量バランスの不均衡を生じる原因となるため、Liが析出する虞がある。
まず、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを重合することにより、ポリイミドの前駆体である芳香族ポリアミド酸(ポリアミック酸)を作製する。この芳香族ポリアミド酸を、200℃以上の加熱により、脱水・環化(イミド化)反応を進め、ポリイミドを得る。本発明において、この加熱は、後述するように、集電体に塗布した芳香族ポリアミド酸を含有する負極合剤ペーストの加熱により行うことが好ましい。
p−フェニレンジアミン以外の他の芳香族ジアミンとしては、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホンが好ましく、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホンがより好ましい。
ポリイミドは、p−フェニレンジアミン単位が多いほど、弾性率が高くなり、上記の他の芳香族ジアミン単位が多いほど、伸び率が高くなるので、本発明においては、芳香族ジアミン中のp−フェニレンジアミン単位を80〜95モル%、他の芳香族ジアミン単位を20〜5モル%とすることが好ましく、p−フェニレンジアミン単位を85〜95モル%、他の芳香族ジアミン単位を15〜5モル%とすることがより好ましい。
また、上記芳香族ポリアミド酸は、アミノプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシビニルシラン、トリメトキシグリシドキシシランなどのシランカップリング剤、トリアジン系化合物、フェナントロリン系化合物、トリアゾール系化合物などを、芳香族ポリアミド酸の総量100質量部に対して0.1〜20質量部含有してもよい。これらを含有することにより、活物質や集電体との接着性をさらに高めることができる。
前述したSiとOとを構成元素に含む負極活物質に、上記のようにして作製した芳香族ポリアミド酸の溶液を、負極合剤の総質量に対して、好ましくは2〜40質量%(固形分の質量)、より好ましくは2〜20質量%混合し、さらに、炭素材料を、負極合剤の総質量に対して、好ましくは80〜20質量%、より好ましくは90〜30質量%混合し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、トルエン等の有機溶媒と混練した後、得られた負極合剤ペーストを銅箔等の集電体の上に塗布し、プレスして目標の多孔度を形成した後、200〜350℃の温度で、5〜24時間加熱硬化し、集電体上に負極合剤層が形成された負極を作製する。加熱硬化により、芳香族ポリアミド酸は、脱水環化してポリイミドとなる。
負極合剤層の塗布質量は、1〜20mg/cm2とすることが好ましく、負極の多孔度は、10〜50%とすることが好ましい。
前記塗布方法については、例えば、アプリケーターロールなどのローラーコーティング、スクリーンコーティング、ドクターブレード方式、スピンコーティング、バーコータ等の手段を用いて任意の厚さ及び任意の形状に塗布することが好ましいが、これらに限定されるものではない。
正極活物質としては、二酸化マンガン、五酸化バナジウムのような遷移金属化合物や、硫化鉄、硫化チタンのような遷移金属カルコゲン化合物、LiMeO2(MeはCo、Ni及びMnから選択される一種以上の遷移金属)で表されるα−NaFeO2型、又はLiMn2O4等のスピネル型のリチウム遷移金属複合酸化物、これらの複合酸化物の遷移金属サイト又はリチウムサイトをAl、V、Fe、Cr、Ti、Zn、Sr、Mo、W、Mgなどの金属元素、若しくはP、Bなどの非金属元素で置換した化合物、LiFePO4等のオリビン型のリン酸化合物を用いることができる。
この中では、Li1+αMe1−αO2(0<α、MeはCo、Ni及びMnから選択される一種以上の遷移金属)で表されるリチウムが過剰なα−NaFeO2型の正極活物質が、負極活物質の高容量性を活かす組み合わせとして好ましい。
正極活物質及びバインダーに、必要に応じて導電剤、増粘剤、フィラー等の他の構成成分を混練し、溶媒と混合した後、負極と同様の手段を用いてアルミニウム箔等の集電体の上に塗布又は圧着し、80〜200℃の温度で加熱乾燥処理して正極を作製することができる。
本発明に係るリチウム二次電池に用いる非水電解質は、限定されるものではなく、一般にリチウム電池等への使用が提案されているものが使用可能である。非水電解質に用いる非水溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等の環状炭酸エステル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;ギ酸メチル、酢酸メチル、酪酸メチル等の鎖状エステル類;テトラヒドロフランまたはその誘導体;1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジブトキシエタン、メチルジグライム等のエーテル類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジオキソランまたはその誘導体;エチレンスルフィド、スルホラン、スルトンまたはその誘導体等の単独またはそれら2種以上の混合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
セパレータとしては、織布、不織布、合成樹脂微多孔膜等を用いることができ、特に、合成樹脂微多孔膜が好適に用いることができる。その材質としては、ナイロン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、およびポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等のポリオレフィンが例示される。なかでもポリエチレンおよびポリプロビレン製微多孔膜、またはこれらを複合した微多孔膜などのポリオレフィン系微多孔膜が、厚さ、膜強度、膜抵抗等の面で好適に用いられる。
図2に、本発明に係る非水電解質二次電池の一実施形態である矩形状の非水電解質二次電池1の外観斜視図を示す。なお、同図は、容器内部を透視した図としている。図2に示す非水電解質二次電池1は、電極群2が電池容器3に収納されている。電極群2は、正極活物質を備える正極と、負極活物質を備える負極とが、セパレータを介して捲回されることにより形成されている。正極は、正極リード4’を介して正極端子4と電気的に接続され、負極は、負極リード5’を介して負極端子5と電気的に接続されている。
(負極の作製)
活物質として、カーボンで被覆されたSiOx(xは約1、カーボン含有率6質量%、D50=5μm、以下「SiO」という。)、炭素材料として、流動法窒素ガス吸着法により測定されたBET比表面積が7.7m2/gであり、粒径(D50)が10μmの鱗片状黒鉛(TIMCAL Ltd.製、SFG−15)を使用した。
まず、質量比で、SiO:鱗片状黒鉛=4:6となるように混合した。
芳香族ジアミンとしてp−フェニレンジアミンを85〜95モル%、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、又は4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニルを15〜5モル%の割合で混合し、溶媒としてNMPを用い、これらの芳香族ジアミンが溶解するまで撹拌した。この溶液に、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンの仕込み比(モル比)が約1:1となるように、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を投入し、NMPをさらに加え、攪拌して、ポリアミド酸を含有するバインダー樹脂組成物(固形分濃度:14〜18%)を得た。
バインダー樹脂組成物として、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルエ−テル及び4,4‘−ジアミノジフェニルエ−テルの混合物とピロメリット酸二無水物から得られたポリアミック酸溶液(固形分濃度:20%、粘度:10Pa・s、溶媒:NMP)、並びに2,3’−ジアミノジフェニルエ−テル及び4,4‘−ジアミノジフェニルエ−テルの混合物と3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物及び3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物から得られたポリアミック酸溶液(固形分濃度:20%、粘度:5Pa・s、溶媒:NMP)を用いた他は、実施例1〜3と同様にして、比較例1及び2に係る非水電解質二次電池用負極を作製した。
上記のポリアミック酸溶液を、ガラス板上に塗布し、窒素雰囲気にて330℃で乾燥・硬化させて、含有されるポリアミック酸(ポリアミド酸)を脱水・環化(イミド化)し、厚さが40μmのポリイミドD及びEからなる塗膜を形成し、ポリイミドA〜Cと同様に弾性率、伸び率の測定を行った。
バインダー樹脂組成物として、4,4‘−ジアミノジフェニルエ−テルと3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物から得られたポリアミック酸のNMP溶液(濃度:20%、粘度:5±1Pa・s)を用いた他は、実施例1〜3と同様にして、比較例3に係る非水電解質二次電池用負極を作製した。
上記のポリアミック酸のNMP溶液を、ガラス板上に塗布し、窒素雰囲気にて330℃で乾燥・硬化させて、含有されるポリアミック酸(ポリアミド酸)を脱水・環化(イミド化)し、厚さが40μmのポリイミドFからなる塗膜を形成し、ポリイミドA〜Cと同様に弾性率、伸び率の測定を行った。
上記のポリイミドA〜Fをバインダーとして含有する負極を作用極とし、対極及び参照極をLi金属とし、非水電解質として、1MのLiClO4をエチレンカーボネートとジエチルカーボネート(体積比1:1)の混合溶媒に溶解した非水電解液を用い、試験セル(非水電解質電池)を作製した。
上記のようにして作製された試験セルを、25℃に設定したArボックス中で、以下の初期活性化工程に供した。
充電条件は、電流値0.1CmA、電圧0.02Vの定電流定電圧充電とした。充電時間は通電開始から16時間とした。放電条件は、電流0.2CmA、終止電圧2.0Vの定電流放電とした。
その後、0.2CmA、0.02Vの定電流定電圧充電を8時間、0.2CmA、終止電圧2.0Vの定電流放電を3サイクル行った。3サイクル目の放電容量を初期放電容量とした。
上記の容量確認試験の後、さらに、0.2CmA、0.02Vの定電流定電圧充電を8時間、0.5CmA、終止電圧2.0Vの定電流放電を1サイクル、0.2CmA、0.02Vの定電流定電圧充電を8時間、1CmA、終止電圧2.0Vの定電流放電を1サイクル行った。
その後、0.2CmA、0.02Vの定電流定電圧充電を8時間、0.5CmA、終止電圧2.0Vの定電流放電の充放電を25サイクル繰り返した。25サイクル目の放電容量を30サイクル後の放電容量とした。
初期放電容量に対する30サイクル後の放電容量の比から、30サイクル後容量保持率(%)を求めた。
Claims (2)
- SiO x (1≦x<2)を含む活物質、及びバインダーを含有する非水電解質二次電池用負極であって、前記バインダーは、弾性率が8GPa以上で伸び率が8〜25%のポリイミドであることを特徴とする非水電解質二次電池用負極。
- 請求項1に記載の負極を備えた非水電解質二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015108886A JP6562380B2 (ja) | 2015-05-28 | 2015-05-28 | 非水電解質二次電池用負極及び非水電解質二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015108886A JP6562380B2 (ja) | 2015-05-28 | 2015-05-28 | 非水電解質二次電池用負極及び非水電解質二次電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016225079A JP2016225079A (ja) | 2016-12-28 |
JP6562380B2 true JP6562380B2 (ja) | 2019-08-21 |
Family
ID=57746762
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015108886A Active JP6562380B2 (ja) | 2015-05-28 | 2015-05-28 | 非水電解質二次電池用負極及び非水電解質二次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6562380B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113629250B (zh) * | 2021-06-25 | 2023-01-17 | 浙江中科玖源新材料有限公司 | 一种锂电池负极用聚酰亚胺粘结剂及硅基负极片 |
CN117154084B (zh) * | 2023-02-28 | 2024-07-02 | 荣耀终端有限公司 | 一种负极片及锂离子电池 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5891626B2 (ja) * | 2011-03-17 | 2016-03-23 | 宇部興産株式会社 | 電極用バインダー樹脂組成物、電極合剤ペースト、及び電極 |
JP6300434B2 (ja) * | 2011-09-07 | 2018-03-28 | 国立大学法人岩手大学 | リチウム二次電池負極およびその製造方法 |
-
2015
- 2015-05-28 JP JP2015108886A patent/JP6562380B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2016225079A (ja) | 2016-12-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US11239465B2 (en) | Sulfur-carbon composite, preparation method therefor, and lithium-sulfur battery comprising same | |
JP5187791B1 (ja) | 正極合剤層形成用組成物の製造方法およびリチウムイオン二次電池の製造方法 | |
WO2013183187A1 (ja) | 負極活物質及びその製造方法 | |
JP6223466B2 (ja) | リチウムイオンキャパシタ | |
KR101669316B1 (ko) | 황-탄소 복합체 및 그의 제조방법 | |
JPWO2016063813A1 (ja) | 二次電池用電極およびこれを用いた二次電池 | |
US20140234724A1 (en) | Method of manufacturing battery electrode | |
WO2013183530A1 (ja) | リチウムイオン二次電池用負極、リチウムイオン二次電池用負極スラリー、およびリチウムイオン二次電池 | |
CN106716683A (zh) | 非水电解质蓄电元件用正极板及非水电解质蓄电元件 | |
JP5505480B2 (ja) | リチウムイオン二次電池用負極及びその負極を用いたリチウムイオン二次電池 | |
JP2013178913A (ja) | 非水電解液二次電池 | |
JP2012174546A (ja) | 非水電解質二次電池 | |
KR102075280B1 (ko) | 리튬 이온 이차 전지 | |
JP5482858B2 (ja) | リチウムイオン二次電池 | |
JP5929183B2 (ja) | 電極、リチウム二次電池及び電極の製造方法 | |
JP2019175657A (ja) | リチウムイオン二次電池。 | |
JP6414058B2 (ja) | 電極用バインダー組成物および電極 | |
WO2017188021A1 (ja) | 電気化学素子用電極およびリチウムイオン二次電池 | |
WO2014109366A1 (ja) | 非水電解液二次電池 | |
JP2016207318A (ja) | 非水電解質二次電池用負極及び非水電解質二次電池 | |
JP6562380B2 (ja) | 非水電解質二次電池用負極及び非水電解質二次電池 | |
WO2017204077A1 (ja) | 電池用電極、該電極を備えた電池および前記電極の製造方法 | |
JP6601951B2 (ja) | 非水二次電池 | |
JP6844236B2 (ja) | 炭素質材料の製造方法 | |
WO2018061457A1 (ja) | リチウムイオン二次電池 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180126 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20181219 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190111 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190219 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190701 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6562380 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190714 |