JP4503572B2 - ディスプレイ用外囲器及びその製造方法ならびに該外囲器を備えたディスプレイ - Google Patents

ディスプレイ用外囲器及びその製造方法ならびに該外囲器を備えたディスプレイ Download PDF

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本発明は、映像機器におけるテレビジョン放送受像機やモニター機器等のディスプレイ用外囲器及びその製造方法ならびに該外囲器を備えたディスプレイに関する。
一般的に、陰極線管(CRT)、電界放出型冷陰極を持つディスプレイ(FED)、プラズマデイスプレイ(PDP)(以下、これらをあわせてディスプレイと称する)は、二つ以上の部材、具体的には、CRTの場合は、画像が映し出されるガラスパネル(フロントガラス)部と、電子銃を持つネック部、およびこれら両者を接続するガラスファンネル(リアガラス)部により構成される。FEDの場合は、典型的にはフロントガラス、及び該フロントガラスに対向して配置される冷陰極を持ったリアガラスを備え、さらに該フロントガラスと該リアガラスとの間にあって周囲を包囲する外枠を任意に備え、これらを封着することで製造され、外囲器を形成している。
従来、これらの封着は、特許文献1に記載されているように、フリットガラスをスラリーにした後、端面に塗布し、比較的低温で乾燥した後により高い温度で焼成するか、又はシート状にしたものを端面に取り付けて、焼成することなどで実施される。前記フリットガラスとしては鉛の含有量が高いPbO−B23−ZnO−SiO2系の結晶性低融点ハンダガラスが用いられている。
封着後の外囲器は、内部を高真空にするため、およそ250〜380℃の高温で真空排気される。この際、封着部には外囲器内部が真空になることに起因する引張り性の真空応力と、内外の温度差に起因する引張り性の熱応力とが負荷されるので、これらの応力に耐えうる強度が要求される。また、ディスプレイの長期信頼性を確保する上で、前記封着部は0.3MPa以上の耐圧強度、高い気密性及び絶縁性が必要とされている。
近年、CRTでは大型化、フラット化が進み、内蔵されるシャドウマスクなど金属部材のわずかな変形が電子ビームの位置ずれを引き起こし、画像に悪影響を与えるようになった。そこで、以前は問題とならなかった封着工程での金属の熱変形がクローズアップされるようになり、封着温度の低温化が望まれている。こうした熱変形は封着温度を400℃未満にすることでほとんど抑止されることがわかってきている。
また、FEDの場合、外囲器内に配置される背面基板がカソード電極、抵抗層、エミッタ、絶縁層などの多層構造となっており、各層間の熱膨張特性の違いから、熱処理はなるべく低温でなされることが望まれている。また、エミッタの種類にもよるが、400℃以上の封着温度ではエミッタが酸化して電子放出特性が劣化する懸念がある。したがって、400℃未満で封着できる封着材料が望まれている。
しかしながら、フリットガラスを用いた封着においては、焼成温度が400℃以上必要であって、400℃未満の焼成温度で封着した場合には、封着部の強度が十分でなく、その後の高温真空排気工程で封着部が破壊する可能性が生じる問題や、外囲器の長期信頼性が確保できないといった問題があった。また、フリットガラスは、鉛を60質量%以上含み、環境に対する影響に鑑み、無鉛化することが望まれている。
温度が400℃未満で封着でき、封着後の強度が十分であり、かつ鉛を含まない封着材としては、ポリイミド樹脂を含むものが知られている(特許文献2および3参照)。
一方、ディスプレイ用途として用いられるガラスとしては、種々のものが考えられるが、無アルカリガラスの場合、溶融粘度が高く、粘度を下げて泡抜きをすることが難しく、成型加工しにくいといった欠点がある。また、アルカリ金属を実質的に1種のみ含む単一アルカリガラスにおいてはディスプレイ用途として電界を印加された下で使用されるとアルカリ金属イオンのマイグレーションが起きやすく、絶縁不良など電気的な問題を生じることが多い。さらに、単一アルカリガラスをフロントガラスに用いた場合には電子線及びX線により着色する現象(ブラウニング)が著しく生じ、ディスプレイ用途としては好ましくない。
かかる状況から、真空あるいは気密性の高い外囲器を構成でき、かつ、ディスプレイ用途として欠点の少ないガラスとしては、混合アルカリガラスが適当であると言える。
特開昭52−124854号公報 特開2000−21298号公報 特開2004−319448号公報
しかしながら、混合アルカリガラスをポリイミド樹脂によって封着した場合、封着後の樹脂中に気泡が存在しやすいという問題がある。そしてこの気泡によって、封着層としての気密性保持を損なう恐れがあり、機械的な長期信頼性に影響してしまう。
また、封着時の熱工程ではガラス中のアルカリ金属イオンのマイグレーションが起きやすい。ガラス中のアルカリ金属イオンはポリイミド樹脂内に拡散していき、イミド基の加水分解を助長する触媒の役目をする。加水分解により生成したアミック酸は、再縮合による縮合水の生成、脱炭酸反応による二酸化炭素や一酸化炭素の生成により、気泡生成の原因となる。
さらに、有機系封着材であるポリイミド樹脂は主に大気中に存在する水分の影響を受けやすいため、ガラスと封着材間の結合強度の経時的な低下が懸念される。
このように、ポリイミド樹脂による封着には強度的な問題点があり、未だ改善すべき余地があると言える。
したがって本発明は、絶縁不良など電気的な問題を生じさせることなく、ディスプレイ用外囲器において封着層中の気泡を減少させ、該外囲器の強度向上及び気密性保持を図ることを第1の目的とする。さらに第1の目的に加え、ガラスと封着層間の結合強度を保持することを第2の目的とする。さらに本発明は、封着工程において封着層中での気泡の発生を減少させた、上記外囲器の製造法の提供を目的とする。
本発明は、前述の目的を達成するためになされたものであって、本発明は、下記の要旨を有するものである。
1.いずれも混合アルカリガラスからなるフロントガラス材及びリアガラス材が所定の間隔をおいて対向し、該リアガラス材とフロントガラス材の間隙の周縁部に封着層を備えたディスプレイ用外囲器であって、
前記封着層は、ポリイミド樹脂を含有する封着材の焼成体であって、かつ焼成後の該ポリイミド樹脂のイミド化率が95%以上である、焼成体からなり、
前記封着層と接触するフロントガラス材の表面及び/又はリアガラス材の表面に、Si、Al、Ti、Zr、Ce、Cr及びMoからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含む酸化物、酸窒化物または窒化物を含有するアルカリバリア層が存在していることを特徴とするディスプレイ用外囲器。
2.前記アルカリバリア層と封着層との間に、酸化物からなる中間層がさらに存在する上記1.記載のディスプレイ用外囲器。
3.前記中間層の酸化物が水酸基を有する上記2.に記載のディスプレイ用外囲器。
4.前記中間層にシラノール基が存在する上記3.に記載のディスプレイ用外囲器。
5.前記ポリイミド樹脂の分子鎖中にアルコキシシリル基が存在する上記1.〜.のうちいずれかに記載のディスプレイ用外囲器。
6.上記1.〜.のうちいずれかに記載のディスプレイ用外囲器を備えてなることを特徴とするディスプレイ。
7.いずれも混合アルカリガラスからなるフロントガラス材及びリアガラス材を所定の間隔をおいて対向させ、該リアガラス材とフロントガラス材の間隙の周縁部を封着材で封着してディスプレイ用外囲器を製造する方法であって、
フロントガラス材の封着面及び/又はリアガラス材の封着面に、Si、Al、Ti、Zr、Ce、Cr及びMoからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含む酸化物、酸窒化物または窒化物を含有するアルカリバリア層を形成し、次いでポリイミド樹脂を含有する封着材を前記アルカリバリア層表面に適用して前記フロントガラス材及びリアガラス材を所定の間隔をおいて重ねあわせ、その後焼成することにより、封着材をそれに含まれるポリイミド樹脂のイミド化率が95%以上である焼成体に変換して封着層を形成することを特徴とするディスプレイ用外囲器の製造方法。
8. Si、Al、Ti、Zr、Ce、Cr及びMoからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物をガラス材の表面に塗布し、その後焼成して該金属化合物を金属酸化物に変換して前記アルカリバリア層を形成する上記7.に記載の製造方法。
9.前記アルカリバリア層をスパッター法で形成する上記7.に記載の製造方法。
10.前記アルカリバリア層の表面に加水分解性基を有する化合物を塗布し、次いで該化合物を加水分解縮合させて水酸基を有する酸化物からなる中間層を形成し、該中間層上に封着材を適用する上記7.〜9.のいずれかに記載のディスプレイ用外囲器の製造方法。
11.前記封着材に含有されるポリイミド樹脂が、その分子鎖中にアルコキシシリル基を有するポリイミド樹脂である、上記7.〜10.のうちいずれかに記載のディスプレイ用外囲器の製造方法。
本発明の外囲器は、封着後の強度や気密性保持が十分であり、CRT、FED、PDPなどのディスプレイに広範に利用される。
<ディスプレイ用外囲器>
本発明におけるディスプレイとしては、高真空下において、陰極(カソード)から放出され、高速で運動する電子を蛍光体に衝突させて、励起、発光させるいわゆるカソードルミネセンスタイプのものが挙げられる。このようなカソードルミネセンスタイプのディスプレイは、陰極線管(CRT)、蛍光表示管(VFD)、および平板ディスプレイである、電界放出型冷陰極を持つディスプレイ(FED)によって代表される。
このようなディスプレイは、カソードルミネセンスを実現するため、内部が高真空になった外囲器を備えている。該外囲器内には、高速の電子ビームを放出するための駆動回路と、該電子ビームが衝突することで励起されて蛍光を生じる蛍光体が塗布されたパネル(フロントガラス材)と、が設置されている。
本発明のディスプレイについて、従来のCRTおよびFEDの構成を例に、以下に詳細に説明する。ただし、本発明のディスプレイは、CRTおよびFEDのみに限定されず、外囲器を備えたディスプレイを広く含む。外囲器を備えたディスプレイの他の例としては、プラズマディスプレイ(PDP)のようなフォトルミネセンスタイプのものが挙げられる。
図1は、本発明のディスプレイの1実施形態の一部切欠き側面図であり、ディスプレイ1は、CRTとして構成されている。図1中、図面右側を前側とし、左側を後側とする。
図1において、ディスプレイ1は、パネル(フロントガラス材)2と、パネル(リアガラス材)3と、で構成される外囲器(ガラス製バルブ)11を備えている。外囲器11の前側を構成するパネル(フロントガラス材)2は、その前方に位置し、画像を表示するための略平面状の画像表示領域21と、該画像表示領域21を含むフェース部の側部から後方に延びるスカート部22よりなる。外囲器11の後側を構成するパネル(リアガラス材)3の後端には、電子銃16を格納するネック31が設けられている。外囲器11を構成するパネル(フロントガラス材)2およびパネル(リアガラス材)3は混合アルカリガラスからなる。なお、パネル(フロントガラス材)2の画像表示領域21は、その全体がガラス製ではなく、その前側部分が光透過性の樹脂からなる複層材であってもよい。
図1のディスプレイ1では、この他、強度を保持するための防爆補強バンド17、電子銃16から放出される電子ビームとの相互作用により蛍光を発する蛍光体13、該蛍光を画像表示面21の側に反射するアルミニウム膜14、該電子ビームを蛍光体13の所定の位置にランディングさせるためのシャドウマスク15、該シャドウマスク15をスカート部22の内壁に固定するためのスタッドピン18等を含む。
本発明のディスプレイ1では、外囲器11の構成部材であるパネル(フロントガラス材)2と、パネル(リアガラス材)3と、が封着層5を介して封着されている。封着層5は、後述する方法により、外囲器構成部材の封着面に封着材を適用、すなわち、液体の状態で封着材を塗布した後、または封着材をフィルムとして取り付けた後、所望の条件で焼成させて得た封着材の焼成体の層である。図1のディスプレイ1では、外囲器11構成部材の封着面、具体的にはパネル(フロントガラス材)2のスカート部22の後側の端面と、パネル(リアガラス材)3の前側の端面と、が封着層5を介して封着されている。さらに、封着層5とフロントガラス材表面及び/又はリアガラス材表面との間には、アルカリバリア層7が形成される。
図2は、本発明のディスプレイの別の1実施形態の一部切欠き側面図であり、ディスプレイは、典型的なFEDとして構成されている。図2中、図面上側を前側とし、下側を後側とする。図2のディスプレイ1’では、その前側に位置するパネル(フロントガラス材)2’と、その後側に、該パネル(フロントガラス材)2’に対向した配置されるパネル(リアガラス材)3’、該パネル(フロントガラス材)2’と該パネル(リアガラス材)3’の間に配置される外枠4と、で外囲器11’が構成されている。外囲器11’の構成部材であるパネル(フロントガラス材)2’、パネル(リアガラス材)3’は混合アルカリガラスからなる。外枠4は、通常はガラス製であるが、ガラス以外の無機材料製、例えばセラミック製または金属製であってもよい。ここで外囲器11’の構成部材同士の接合面は、封着層5を介して封着されている。したがって、パネル(フロントガラス材)2’と、外枠4との接合面、およびパネル(リアガラス材)3’と、外枠4との接合面は、封着層5を介して封着されている。さらに、封着層とフロントガラス材表面及び/又はリアガラス材表面との間には、アルカリバリア層7が形成される。外枠4が混合アルカリガラス製である場合、該外枠と封着層5との間にそれぞれアルカリバリア層(図示せず)が形成される。ディスプレイ1’において、パネル(リアガラス材)3’は、電界放出型の電子源基板であり、その内側面、すなわちパネル(フロントガラス材)2’に対向する面上には、陰極61および、該陰極61上に形成される電界放出型冷陰極62を有している。また、パネル(リアガラス材)3’のパネル(フロントガラス材)2’に対向する面上には、絶縁層64をはさんで電子流を制御するゲート電極63が形成されている。一方、パネル(フロントガラス材)2’のパネル(リアガラス材)3’に対向する面上には、陽極65および該電界放出型冷陰極62と対をなす蛍光体画素66が設けられている。
また、図3は、本発明のディスプレイの別の1実施形態の一部切欠き側面図であり、ディスプレイは、図2と同様に典型的なFEDとして構成されている。図3のディスプレイでは、図2のような外枠4を設けない代わりに、パネル(フロントガラス材)2’から延びるスカート部22’を有し、このスカート部22’の後側の端面と、パネル(リアガラス材)3’の前側の端面と、が封着層5を介して封着されている。さらに、封着層5とフロントガラス材表面及び/又はリアガラス材表面との間には、アルカリバリア層7が形成されている。
<混合アルカリガラス>
本発明の外囲器を構成するフロントガラス材およびリアガラス材は、いずれも混合アルカリガラスからなる。本発明において混合アルカリガラスとは、電気的に混合アルカリ効果を発現するガラスを言う。また、FEDやPDPといったディスプレイ用の外囲器に用いられる、フロントガラス材とリアガラス材間に設けられる外枠も、混合アルカリガラスからなることが好ましい。上述したように、混合アルカリガラスは絶縁不良など電気的な問題を生じさせることなく、真空あるいは気密性の高い外囲器を構成でき、かつ、ディスプレイ用途として欠点の少ないガラスとして好適に用いることができる。
混合アルカリガラスとは2種以上のアルカリ金属元素を含むシリカ系ガラスである。その組成(酸化物の質量基準)は、酸化ケイ素を50%以上、アルカリ金属酸化物を合計で5〜20%含有する。その他、任意に、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化チタン、酸化鉛、酸化亜鉛、酸化セリウムなどを含む。アルカリ金属元素としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等があり、本発明における混合アルカリガラスとしては、ナトリウムとカリウムの2種の元素、またはさらにリチウムを加えた3種の元素を含むことが好ましい。また、各アルカリ金属元素はアルカリ金属酸化物として2%以上含有し、アルカリ金属酸化物の全量は8〜18%であることが好ましく、特にアルカリ金属酸化物の全量は10〜16%であることが好ましい。具体的な混合アルカリガラスとしては、例えば、CRT用である旭硝子社製パネルガラス5001やPDP用である旭硝子社製PD200などを用いることができる。
<封着材>
本発明における封着材は、その主成分としてポリイミド樹脂を含む。ポリイミド樹脂を用いることで、400℃以下の低温での封着が可能であり、かつ封着部への真空応力や熱応力に対する十分な強度を得ることができる。本発明では、焼成後の樹脂のイミド化率が95%以上、好ましくは98%以上となるポリイミド樹脂を用いる。焼成後の樹脂が高いイミド化率を有することで、気泡生成が抑制され、封着部の気密性及び機械的信頼性を維持することができる。
本願において、イミド化率は、焼成後の封着材を削り取り、赤外吸収スペクトルを測定し、そのスペクトル中の1480cm-1付近のベンゼン環C=C伸縮振動によるピーク(基準)に対するイミド環(1370cm-1付近、C-N伸縮振動)のピーク強度比を比較することで規定される。
ポリイミド樹脂としては、下記式1に示す構造を有するポリイミド化合物が好ましい。
Figure 0004503572
上記式1中、Xはジアミン化合物の主骨格を示し、Yはテトラカルボン酸二無水物の主骨格を示す。ここでジアミン化合物の主骨格とは、ジアミン化合物のアミノ基を除いた主鎖を意味し、テトラカルボン酸二無水物の主骨格とは、カルボン酸二無水物基を除いた主鎖を意味する。
X、Yは、より具体的には、以下を意味する。
(A)Xが下記式4〜式8のうちのいずれか一つのとき、Yは、下記式9〜式14のうちのいずれか一つである。下記式4〜式8において、Rは、各々独立に−(単結合)、−O−、−CO−、−SO2−、−S−、−CH2−及び−C(CH32−からなる群から選択されるいずれか一つであり、nは各々独立に0〜7であり、Zは各々独立に−CH3又はフェニル基である。
(B)Xが下記式15のとき、Yは、下記式16又は式17である。下記式15において、Rは、−、−O−、−CO−、−SO2−、−S−、−CH2−及び−C(CH32−からなる群から選択されるいずれか一つである。
(C)Xが下記式18のとき、Yは下記式19である。
Figure 0004503572
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ポリイミド化合物は、式1で示される構造のみで構成されていてもよいが、その末端部分がモノアミン又はジカルボン酸無水物で封止されていてもよい。末端がモノアミン又はジカルボン酸無水物で封止されたポリイミド化合物は、下記式2又は式3で示される構造を有していることが好ましい。下記式2及び式3中、X及びYは、式1の定義と同じであり、X’はモノアミン化合物の主骨格を示し、Y’はジカルボン酸無水物の主骨格を示す。ここでモノアミン化合物の主骨格とは、モノアミン化合物のアミノ基を除いた主鎖を意味し、ジカルボン酸無水物の主骨格とは、カルボン酸無水物基を除く主鎖を意味する。
Figure 0004503572
Figure 0004503572
前記式2のポリイミド化合物を使用する場合、式2中のX’は下記式20又は式21であることが好ましい。
−(Rn−Si−(OR3−r ・・・式20
Figure 0004503572
式20中、Rは各々独立に−CH2−又はフェニレン基であり、R及びRは各々独立に−CH3又は−C25であり、nは1〜7の整数であり、rは0〜2の整数である。
本発明の有機系封着材として、X’が式20又は式21で表される式2のポリイミド化合物を使用することにより、ガラスへの密着性を向上させることが可能になる。また、X’が式20又は式21である式2のポリイミド化合物は、焼成時に熱硬化するため、高温真空排気工程時に経験する高温環境下における接着強度に優れている。なお、式20で表される式2のポリイミド化合物は、分子鎖中にアルコキシシリル基を有するポリイミド樹脂の1種である。
前記式3のポリイミド化合物を使用する場合、式3中のY’は下記式22〜式26のいずれかであることが好ましい。
Figure 0004503572
Figure 0004503572
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Figure 0004503572
Figure 0004503572
Y’が式22〜式26のいずれかである式3のポリイミド化合物は、焼成時に熱硬化するため、高温真空排気工程時に経験する高温環境下における接着強度に優れている。
本発明において、前記式1ないし式3のポリイミド化合物は、ビニレン基、エチニル基、ビニリデン基、ベンゾシクロブタン−4’−イル基、イソシアネート基、アリル基、オキシラン基、オキセタン基、シアノ基、イソプロペニル基の中から選択される少なくとも1つの架橋基を有することが好ましい。前記式1ないし式3のポリイミド化合物は、これらの架橋基の導入により焼成時に熱硬化するようになり、高温真空排気工程時に経験する高温環境下における接着強度に優れている。
また、上記ポリイミド樹脂は、その分子鎖中にアルコキシシリル基を有することが好ましい。これによって、後述するアルカリバリア層及び/又は中間層との間に化学結合を生成するため、結合強度が増し、水分の影響を受けにくく、封着材の経時的な強度低下を抑えることができる。また、アルコキシシリル基の一部は、化学結合に寄与せずアルコキシシリル基のまま残っていてもよい。この場合、前記アルコキシシリル基は水素結合によりアルカリバリア層及び/又は中間層との結合に関与できる。
この場合、分子鎖中にアルコキシシリル基を有すればよく、その位置は分子鎖中の分子末端、鎖中を問わず、特に限定するものではない。アルコキシシリル基としては、−Si(OR3−nが挙げられる(ただし、R=CH、C、C)。具体的には、例えば、前記式20で表される基を有するポリイミド樹脂がある。
式1の構造を有するポリイミド化合物は、ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物の縮合により合成される。これらは通常の重縮合系ポリマーの場合と同様に、モノマー成分のモル比を調節することで分子量を制御することができる。すなわち、テトラカルボン酸二無水物1モルに対し、0.8〜1.2モルのジアミン化合物を使用することで、高分子量体を形成することが可能になる。ポリイミド化合物が高分子量体であると、その焼成体が機械的強度、電気絶縁性等に優れており、また高温環境下でアウトガスの発生がないため、有機系封着材として好ましい。上記のモル比は、より好ましくは、酸二無水物1モルに対してジアミン化合物0.9〜1.2モルである。
式1の構造を有するポリイミド化合物を合成するのに使用可能なジアミンとしては、具体的には例えば以下のジアミン化合物が挙げられる。
a)ベンゼン環1個を有するジアミン;p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン。
b)ベンゼン環2個を有するジアミン;3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ジ(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン。
c)ベンゼン環3個を有するジアミン;1,1−ジ(3−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ジ(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1−(3−アミノフェニル)−1−(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゾニトリル、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ピリジン。
d)ベンゼン環4個を有するジアミン;4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン。
e)ベンゼン環5個を有するジアミン;1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン。
f)ベンゼン環6個を有するジアミン;4,4’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノーα,αージメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノーα,αージメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、4,4’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ]ジフェニルスルホン。
g)芳香族置換基を有するジアミン;3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン。
h)スピロビインダン環を有するジアミン;6,6’−ビス(3−アミノフェノキシ)3,3,3,’3,’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン、6,6’−ビス(4−アミノフェノキシ)3,3,3,’3,’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン。
i)シロキサンジアミン類であるジアミン;1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(4−アミノブチル)テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノブチル)ポリジメチルシロキサン。
j)エチレングリコールジアミン類であるジアミン;ビス(アミノメチル)エーテル、ビス(2−アミノエチル)エーテル、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、ビス(2−アミノメトキシ)エチル]エーテル、ビス[2−(2−アミノエトキシ)エチル]エーテル、ビス[2−(3−アミノプロポキシ)エチル]エーテル、1,2−ビス(アミノメトキシ)エタン、1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン、1,2−ビス[2−(アミノメトキシ)エトキシ]エタン、1,2−ビス[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エタン、エチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル。
k)メチレンジアミン類であるジアミン;エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン。
l)脂環式ジアミン類であるジアミン;1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,3−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,4−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロへキシル)メタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン。
また、上記例示したジアミン化合物は、適宜単独で、又は混合して使用することができる。また、ジアミン化合物は、上記ジアミン化合物の芳香環上の水素原子の一部若しくは全てをフッ素原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、又はトリフルオロメトキシ基から選ばれた置換基で置換したジアミンであってもよい。また、分岐を導入する目的で、ジアミン化合物の一部をトリアミン類、テトラアミン類と代えてもよい。このようなトリアミン類の具体例としては、例えばパラローズアニリンが挙げられる。
式1の構造を有するポリイミド化合物を合成するのに使用可能なテトラカルボン酸二無水物としては、具体的には例えば、以下のものが挙げられる。
ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルフィド二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ビフェニル二無水物、2,2−ビス[(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルフィド二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,3−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、及び1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物。
上記例示したテトラカルボン酸二無水物は、適宜単独で、又は混合して用いることができる。
また、上記テトラカルボン酸二無水物のいずれも、それらの芳香環上の水素原子の一部若しくは全てをフッ素原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、又はトリフルオロメトキシ基から選ばれた置換基で置換して用いることもできる。
更に、架橋点となるエチニル基、ベンゾシクロブテン−4’−イル基、ビニル基、アリル基、シアノ基、イソシアネート基、ニトリロ基、及びイソプロペニル基を、上記酸二無水物の芳香環上の水素原子の一部若しくは全てに置換基として導入しても用いることができる。更にまた、好ましくは成形加工性を損なわない範囲内で、架橋点となるビニレン基、ビニリデン基、及びエチニリデン基を置換基ではなく、主鎖骨格中に組み込むこともできる。
また、分岐を導入する目的で、テトラカルボン酸二無水物の一部をヘキサカルボン酸三無水物類、オクタカルボン酸四無水物類と代えてもよい。
また、有機系封着材に耐熱性を付与するため、ポリイミド化合物を合成する際に、末端封止剤としてジカルボン酸無水物又はモノアミン化合物を含めてもよい。ポリイミド化合物の末端をジカルボン酸無水物又はモノアミン化合物で封止することで、上記式2及び式3のポリイミド化合物を得ることができる。
末端封止剤として使用可能なジカルボン酸無水物としては、具体的には例えば、下記の化合物が挙げられる。
フタル酸無水物、2,3−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、3,4−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルエーテル無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルエーテル無水物、2,3−ビフェニルジカルボン酸無水物、3,4−ビフェニルジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、1,2−ナフタレンジカルボン酸無水物、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,2−アントラセンジカルボン酸無水物、2,3−アントラセンジカルボン酸無水物,1,9−アントラセンジカルボン酸無水物。
これらのジカルボン酸無水物は、アミン化合物又はテトラカルボン酸二無水物と反応性を有しない基で置換されていても差し支えない。これらは単独又は2種以上混合して用いることができる。これらの芳香族ジカルボン酸無水物の中で、好ましくはフタル酸無水物が使用される。
末端封止剤として使用可能なモノアミン化合物としては、具体的には例えば次のようなものが挙げられる。アニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、2,3−キシリジン、2,6−キシリジン、3,4−キシリジン、3,5−キシリジン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、p−クロロアニリン、o−ブロモアニリン、m−ブロモアニリン、p−ブロモアニリン、o−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、m−ニトロアニリン、o−アミノフェノール、p−アミノフェノール、m−アミノフェノール,o−アニシジン、m−アニシジン、p−アニシジン,o−フェネチジン、m−フェネチジン、p−フェネチジン、o−アミノベンズアルデヒド、p−アミノベンズアルデヒド、m−アミノベンズアルデヒド、o−アミノベンゾニトリル、p−アミノベンゾニトリル、m−アミノベンゾニトリル,2−アミノビフェニル,3−アミノビフェニル、4−アミノビフェニル、2−アミノフェニルフェニルエーテル、3−アミノフェニルフェニルエーテル,4−アミノフェニルフェニルエーテル、2−アミノベンゾフェノン、3−アミノベンゾフェノン、4−アミノベンゾフェノン、2−アミノフェニルフェニルスルフィド、3−アミノフェニルフェニルスルフィド、4−アミノフェニルフェニルスルフィド、2−アミノフェニルフェニルスルホン、3−アミノフェニルフェニルスルホン、4−アミノフェニルフェニルスルホン、α−ナフチルアミン、β−ナフチルアミン,1−アミノ−2−ナフトール、5−アミノ−1−ナフトール、2−アミノ−1−ナフトール,4−アミノ−1−ナフロール、5−アミノ−2−ナフトール、7−アミノ−2−ナフトール、8−アミノ−1−ナフトール、8−アミノ−2−ナフトール、1−アミノアントラセン、2−アミノアントラセン、9−アミノアントラセン等。通常、これらの芳香族モノアミンの中で、好ましくはアニリンの誘導体が使用される。これらは単独で又は2種以上混合して用いることができる。
これらモノアミン化合物及び/又はジカルボン酸無水物は、単独又は2種以上混合して用いてもよい。これら末端封止剤の使用量としては、ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物の使用モル数の差の1〜数倍のモノアミン化合物(過剰成分がテトラカルボン酸二無水物)、あるいはジカルボン酸無水物(過剰成分がジアミン)であれば良いが、少なくとも一方の成分の0.01モル倍程度利用するのが一般的である。
上記ポリイミド化合物の合成反応は、通常有機溶剤中で実施する。この反応に用いる有機溶剤としては、ポリイミド化合物を製造するのに問題がなく、しかも生成したポリイミド酸化合物を溶解できるものであればどのようなものでも利用でき、具体的には、アミド系の溶剤、エーテル系の溶剤、フェノール系の溶剤が例示でき、より具体的には、下記の有機溶剤が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することもできる。
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、1,2−ジメトキシエタン−ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン、ビス[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]エーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ピリジン、ピコリン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、クレゾール酸、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、アニソール等
また、ポリイミド化合物を合成するにあたって有機塩基触媒を共存させることも可能である。有機塩基触媒としては、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、キノリン、イソキノリン、トリエチルアミン等の第3級アミン類が用いられるが、特に好ましくはピリジン及びγ−ピコリンである。これら触媒の使用量としては、テトラカルボン酸二無水物の総量1モルに対し、0.001〜0.50モルである。特に好ましくは0.01〜0.1モルである。
また、ポリイミド化合物を合成する際の反応温度は、100℃以上、好ましくは150〜300℃であり、反応によって生じる水を抜き出しながら行うのが一般的である。イミド化に先立ち、その前駆体であるポリアミド酸化合物を100℃以下の低温でまず合成し、ついで温度を100℃以上に上げてイミド化することも可能であるが、単にテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物と、を混合した後、有機塩基存在下、すぐに100℃以上に昇温することでイミド化することもできる。反応時間は、使用するテトラカルボン酸二無水物の種類、溶剤の種類、有機塩基触媒の種類と量及び反応温度等により異なるが、目安としては、留出する水がほぼ理論量に達する(通常は全てが回収されるわけではないので、70〜90%の回収率である。)まで反応することであり、通常数時間から10時間程度である。この場合、イミド化反応によって生じる水はトルエン等の共沸剤を反応系に加えて、共沸により水を除去する方法が一般的で有効である。又は、まず前駆体であるポリアミド酸を合成した後、無水酢酸などのイミド化剤を用いて化学的にイミド化を行うことも可能である。本願においては、この様な方法により得られたポリイミド化合物を含有する有機溶剤溶液を、ポリイミド化合物を含有する有機系封着材溶液と呼ぶ。ポリイミド化合物を含有する有機系封着材溶液は保存安定性が良好で、しかもガラスからなる外囲器構成部材の封着面に塗布してから加熱乾燥又はプレ焼成した後、本焼成することで比較的低温低圧で焼成しても充分な90°封着剥離強度が得られる。ここで乾燥又はプレ焼成の温度としては、溶媒の沸点によって異なり、特定はできないが、通常、150〜300℃である。一方、本焼成は250〜400℃の範囲の温度で実施する。
なお、ポリイミド化合物は、有機溶剤に溶解させた溶液としてではなく、公知の方法でフィルムに成形して使用してもよい。
また、有機系封着材の封着性を向上させるために、上記成分に加えて、ジアミノシロキサン化合物を有機系封着材に含めてもよい(特開平5−74245、5−98233、5−98234、5−98235、5−98236、5−98237、5−112760号公報等)。ジアミノシロキサンとしては、例えば、前記シロキサンジアミン類がある。なお、ジアミノシロキサン化合物は、式1ないし式3の構造を有するポリイミド化合物1モルに対して、0.10モル以下となる量で使用することが好ましい。ジアミノシロキサン化合物を0.1モル以下とすれば、有機系封着材が本来有する耐熱性が損なわれることがなく、また有機系封着材溶液が層分離を起こす等の保存安定性にも問題を生じることがない。
ポリイミド化合物の分子量の指標としては一般的に対数粘度が用いられる。本発明のポリイミド化合物の対数粘度は、p− クロロフェノールとフェノールの混合溶媒(90:10)中、0.5g/ dL濃度、35℃において好ましくは0.01〜5.0であり、より好ましくは、0.10〜0.50である。
また、これら有機系封着材は、目的に応じてカップリング剤、無機フィラー等を混合して使用することが可能である。
カップリング剤は、封着性を向上させるために用いられ、その使用量は有機系封着材中、0.1質量%〜5質量%である。0.1質量%以上使用することにより高い封着性が得られる。また、5質量%以下とすることにより耐熱性を維持することが可能になる。使用可能なカップリング剤としてはすでに公知のカップリング剤を使用することができる。具体的には、トリアルコキシシラン化合物、メチルジアルコキシシラン化合物が挙げられる。より具体的には下記のカップリング剤が挙げられる。
3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(N−2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−(N−2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプピルルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルメチルジエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシランなど。
無機フィラーは、溶液の粘性調整、焼成体の熱応力低減等を目的として使用することが可能であり、公知の無機化合物の中から選択することができ特に制約は無く、具体的に例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸ジルコニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化亜鉛、二酸化珪素、チタン酸カリウム、カオリン、タルク、アスベスト粉、石英粉、雲母、ガラス繊維等が挙げられる。
<アルカリバリア層>
フロントガラス材および/またはリアガラス材と封着材との接触面には、アルカリバリア層が形成される。ここでいうアルカリバリア層とは混合アルカリガラスをポリイミド樹脂で接着する時の熱処理条件において、実質的に混合アルカリガラス中のアルカリ金属イオンがポリイミド樹脂中に拡散することを防止する膜を意味する。より具体的には混合アルカリガラスからなるガラスシートの両面にアルカリバリア層を製膜した後、ナトリウム溶出量測定用冶具にサンプルをセットし、100℃の純水に24時間接触させた後に原子吸光法により測定したナトリウム量から算出したナトリウム溶出量が0.3μg/cm2以下であるような層のことを指す。
アルカリバリア層の主成分は、下記式(A)で表される化合物及び/又はその加水分解物を含む焼成体、後述する式(B)で表されるポリシラザンの焼成体、あるいはこれら焼成体以外の、Si、Al、Ti、Zr、Ce、Sn、Cr及びMoからなる群より選ばれる少なくとも1種の(金属もしくは半金属の)元素を含む酸化物、酸窒化物または窒化物であることが好ましい。
MR (4−n) …(A)
式(A)中、nは0〜2の整数、好ましくは0〜1の整数であり、特に好ましくは0である。nの数が小さいほど、焼成後の塗膜が緻密になるため、アルカリバリア性が向上するため好ましい。
は加水分解性基であり、通常、無触媒、過剰の水の共存下に25〜100℃で加水分解されて、水酸基又は−M−O−M−結合(シロキサン結合など)ができる基を表わす。
の好ましい例としては、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子又はイソシアネート基が挙げられる。炭素数1〜4のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基が挙げられる。アルコキシ基を有する場合には、触媒として酸もしくは塩基を共存させると加水分解が促進され、焼成後の塗膜の緻密性が向上するため好ましい。
式(A)におけるMは、上記元素のうち4価の元素を表し、Si、Ti及びZrが好ましい。これらの元素を含んだ化合物はいずれも水酸基を生じやすく、焼成後の塗膜の緻密性が向上することが可能となる。入手のし易さの点から、Siがより好ましく、反応制御がしやすく、取り扱いが容易で保存安定性も高い。
式(A)におけるRは、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基である。好ましくは、メチル基、エチル基、ブチル基、フェニル基が挙げられる。過度に炭素数が増えるとその疎水性や立体障害により、その機能を損なってしまうため好ましくない。好ましくはメチル基又はエチル基が挙げられる。
式(A)で示される化合物の好ましい具体例として、ケイ素化合物は、テトラクロロシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトライソシアネートシラン、メチルトリクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリイソシアネートシラン、エチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジイソシアネートシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルトリメトキシシランが挙げられる。
また、チタン化合物としては、テトラクロロチタン、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラプロピポキシチタン、テトラブトキシチタン、トリプロポキシモノアセチルアセトナトチタン、ジプロポキシビスアセチルアセトナトチタンが挙げられ、また、ジルコニウム化合物としては、テトラプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム、トリブトキシモノアセチルアセトナトジルコニウムが挙げられる。
上記した式(A)で表される化合物及び/又はその加水分解物は、必要により、アルコールなどの媒体中に好ましくは0.5〜10質量%の濃度にて溶解又は分散され、溶液又は分散液の形態のアルカリバリア層形成材とされる。
また、加水分解縮合反応を進めるにあたり、アルミニウム元素を含有する加水分解縮合性化合物を添加しても良い。具体的に例示すると、アルミニウムのアルコキシ化合物類が挙げられ、アルミニウムイソプロポキシドが挙げられる。
なお、式(A)で表される化合物の加水分解物中には、一部の未加水分解の加水分解物が残っていてもよい。
次に、下式(B)で表されるポリシラザンの焼成体について説明する。
(RSi−(NR−SiH−NR−Si(R …(B)
式(B)において、R、Rは水素原子、アルキル基またはアリール基、rは1以上の整数を表す。式(B)で表されるポリシラザン化合物は、室温でも加水分解が容易に進み、かつシリカに変化する際の体積収縮が小さいため、緻密なシリカ膜を形成しやすく、高いアルカリバリア性を付与することが可能となるために好ましい。また化合物中に金属錯体やアミン系の触媒を含んでいると、より緻密なシリカ膜が得られるので好ましい。特に好ましいポリシラザンはR、Rがいずれも水素原子である、ペルヒドロポリシラザン(以下、シラザンともいう)である。
上記式(A)や(B)からなる焼成体を形成させる場合には、スピンコートあるいはフローコートなど湿式塗布法により、式(A)や式(B)で表される化合物を含んだコート液を塗布し、乾燥後、350〜500℃の温度で20〜120分間焼成することが好ましい。熱処理温度が低い場合には形成される膜の緻密性が乏しく、アルカリバリア性が不足する。また500℃以上に加熱を行うことは生産上困難であるため、現実的でない。
また、Si、Al、Ti、Zr、Ce、Sn、Cr及びMoからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素を含む酸化物、酸窒化物または窒化物としては、SiO,SiNx,AlNxがより好ましい。この場合、スパッターや蒸着といった乾式法によりアルカリバリア層を形成できる。
スパッター法で形成する場合にはSi、Al、Ti、Zr、Ce、Sn、Cr、Moなどの元素を主成分とするターゲットを用い、酸素または窒素を含有するガスをスパッタリングガスとして用い、酸化物、酸窒化物、または窒化物を形成することが好ましい。またPVDやCVD等の化学気相成長法を用いることもできる。
なお、上記アルカリバリア層の膜厚は0.01〜2μmであることが好ましい。膜厚が薄すぎるとアルカリバリア性が低下するため好ましくなく、膜厚が厚すぎるとクラック等が発生して、緻密性が低下してしまうため、好ましくない。
<酸化物からなる中間層>
本発明ではさらに、酸化物からなる中間層を、アルカリバリア層と封着層との間に設けることが好ましい。中間層はアルカリバリア層と封着層との結合強度を向上させる層であり、封着時の焼成の前には水酸基を有する酸化物からなり、この水酸基が封着材との結合に関与すると考えられる。この中間層は前記式(A)や式(B)で表される化合物をアルカリバリア層表面に適用し、該化合物を加水分解縮合等により酸化物に変換して得られる層に由来する。なお、以下最終的な焼成前の、水酸基を有する酸化物からなる層も中間層という。
前記式(A)や式(B)で表される化合物の加水分解縮合等により水酸基を有する酸化物が生成し、この水酸基が封着材との結合に関与すると考えられる。すなわち、この水酸基によってアルカリバリア層とポリイミド樹脂との間に化学的結合が生成し、封着部の結合強度を一層高めることができると考えられる。従って、前記アルカリバリア層形成の場合とは異なり、この水酸基を有する酸化物の層は焼成せずに封着材と接触させる。ただし、封着における焼成時にはこの層も実質的に焼成され、最終製品においてはアルカリバリア層と同様の酸化物となっていると考えられる。また、中間層の形成には前記式(A)で表される化合物を使用することが、水酸基の多い酸化物を得ることができる点で好ましい。また、焼成時に前記水酸基の一部が反応せずに残っていてもよい。この場合、前記水酸基は水素結合により封着剤との結合に関与できる。
中間層の形成に用いられる場合、式(A)中、nは、0〜2の整数であるが、好ましくは0〜1の整数であり、特に好ましくは0である。nの数が小さいほど、生成する水酸基の数が多くなるため、ガラス材/アルカリバリア層からなる外囲器部材、及び上記封着層との結合数が増え、界面での良好な接着性が発現する。なお、式(A)で表される化合物の加水分解物中には、一部の未加水分解の加水分解物が残っていてもよい。
また、前記式(A)で表される化合物におけるRの好ましい例としては、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子又はイソシアネート基が挙げられる。炭素数1〜4のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基が挙げられる。アルコキシ基を有する場合には、触媒として酸もしくは塩基を共存させると加水分解が促進されるため好ましい。アルコキシ基を有する場合には、加水分解およびその縮合反応条件によって、多くの水酸基を生成させることが可能となるため、界面での接着性を高めることが可能となる。また一部のアルコキシ基をアセチルアセトナト基で置換した化合物も用いられる。
中間層の形成に用いられる場合、式(A)におけるMは、Si、Ti及びZrからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、これらの元素を含んだ化合物はいずれも水酸基を生じやすく、界面での接着性を高めることが可能となる。入手のし易さの点から、Siがより好ましく、反応制御がしやすく、取り扱いが容易で保存安定性も高い。上記MがSiの場合、シラノール基が生じる。なお、上述の通り、シラノール基の一部は焼成時に残っていてもよい。
式(A)におけるRは、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基である。好ましくは、メチル基、エチル基、ブチル基、フェニル基が挙げられる。過度に炭素数が増えるとその疎水性や立体障害により、その機能を損なってしまうため好ましくない。好ましくはメチル基又はエチル基が挙げられる。
中間層(焼成前の層)は、スピンコート、ワイプコートあるいはフローコートなど湿式塗布法により、式(A)で表される化合物を含んだコート液を塗布し、20〜100℃の温度で1〜60分間乾燥して形成することが好ましい。熱処理温度が高い場合には、活性点である水酸基が縮合反応により失われてしまうため好ましくない。
<封着方法>
本発明の封着材でディスプレイの外囲器構成部材を封着するには、まず封着材と接触するフロントガラス材の表面及び/又はリアガラス材の表面、つまり外囲器構成部材の封着面にアルカリバリア層を形成する。アルカリバリア層が式(A)で表される化合物及び/又はその加水分解物を含む焼成体、あるいは式(B)で表されるポリシラザンの焼成体である場合、式(A)や式(B)で表される化合物を含んだコート液を封着面に塗布し、350〜500℃の温度で20〜120分間焼成することが好ましい。塗布は、例えばスピンコートあるいはフローコートなど湿式塗布法が適用できる。
アルカリバリア層がSi、Al、Ti、Zr、Ce、Sn、Cr及びMoからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素を含む酸化物、酸窒化物または窒化物である場合は、スパッターや蒸着といった乾式法により形成できる。スパッター法で形成する場合にはSi、Al、Ti、Zr、Ce、Sn、Cr、Moなどの元素を主成分とするターゲットを用い、酸素または窒素を含有するガスをスパッタリングガスとして用い、酸化物、酸窒化物、または窒化物を形成することが好ましい。またPVDやCVD等の各種気相成長法を用いることもできる。
中間層を設ける場合は、スピンコート、ワイプコートあるいはフローコートなど湿式塗布法により、式(A)で表される化合物を含んだコート液をアルカリバリア層の表面上に塗布し、20〜100℃の温度で1〜60分間乾燥して形成することが好ましい。熱処理温度が高い場合には、活性点である水酸基が縮合反応により失われてしまうため好ましくない。
次に上記方法により形成したアルカリバリア層及び/又は中間層の上に、ポリイミド樹脂を主成分とする封着材又はその溶液を塗布するか、又はポリイミド樹脂を主成分とする封着材フィルムを貼り付ける。塗布面は、好ましくは150〜200℃にて、乾燥又はプリ焼成して封着材の層(焼成前の層)が形成される。封着される外囲器構成部材の好ましくは両方の封着面に対して上記のようにしてアルカリバリア層、及び/又は中間層、及び封着材の層(焼成前の層)が形成されるが、必要に応じて、封着面の片方は封着材の層(焼成前の層)を形成しなくてもよい。
次いで、アルカリバリア層、及び/又は中間層、及び封着材の層(焼成前の層)を有する外囲器構成部材を重ね合わせて封着面同士を合わせ、好ましくは250℃×500分間〜400℃×10分間、より好ましくは330℃×300分〜400℃×10分間、さらにより好ましくは330℃×60分間〜400℃×10分間、本焼成することにより封着を行う。その後、外囲器構成部材はその内部を高真空にするため、200〜330℃の高温で真空排気することでディスプレイの外囲器が製造される。そして真空排気後のポリイミド樹脂のイミド化率は95%以上である。
本発明の有機系封着材の焼成は、ディスプレイの製造工程における通常の条件で実施される。具体的には、たとえば、窒素雰囲気、アルゴンガス雰囲気のような不活性ガス雰囲気下で実施してもよく、又は空気中で実施してもよい。焼成温度は、通常は250〜400℃の範囲であって、続いて実施される高温真空排気工程での温度よりも高い温度である。本発明におけるかかる封着にける焼成温度が400℃未満であるため、従来のフリットガラスを封着材に使用した場合におけるディスプレイ中の金属部材に関する熱変形等の問題が解消されている。
封着後の外囲器は、内部を高真空にするために高温で真空排気される。この高温真空排気工程は、従来250〜380℃で実施されてきたが、従来技術のところでも述べたように、ディスプレイの製造時の熱処理は可能な限り低温で実施されることが好ましい。したがって、高温真空排気工程は、今後200〜330℃の温度で実施されると考えられる。この高温真空排気工程の際、外囲器の封着部には、真空応力と熱応力と、が負荷される。よって封着材の焼成体の、200〜350℃の温度範囲における最低粘度が105Pa・s以上であることが好ましい。上記範囲であることにより、ディスプレイの製造工程、特に外囲器の高温真空排気工程の際に、外囲器、より具体的には外囲器の封着部が負荷される真空応力及び熱応力に対して十分な強度を有している。このため、ディスプレイの製造工程時、特に外囲器の高温真空排気工程時における封着部の割れ問題は解消される。
なお、中間層を備える場合、上記においては、中間層形成材と、封着層を形成する封着材とを、該順序で別個に適用する場合について説明したが、本発明では、中間層形成材と、封着層を形成する封着材とを含む封着用組成物として、外囲器構成部材の封着面に同時に適用することもできる。
以下、本発明を実施例および比較例により詳細に説明する。
合成例1:ポリイミド1の合成
攪拌器、還流冷却器及び窒素導入管を備えた容器に1,3−ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン39.47g(0.135モル)、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物44.13g(0.15モル)、3−アミノプロピルトリエトキシシラン7.09g(0.03モル)、2−フェニルエチニルフェニルジカルボン酸無水物5.96g(0.024モル)、及びm−クレゾールを275g装入し、室温で20時間攪拌する。その後、200℃で3時間反応後、室温まで冷却する。メタノール550g添加後、濾過してポリイミド(1−1)を得た。
同様に、攪拌器、還流冷却器及び窒素導入管を備えた容器に1,3−ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン43.85g(0.15モル)、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物39.72g(0.135モル)、4−フェニルエチニルフタル酸無水物7.44g(0.03モル)、及びm−クレゾールを275g装入し、室温で20時間攪拌する。その後、200℃で3時間反応後、室温まで冷却する。メタノール550g添加後、濾過してポリイミド(1−2)を得た。
ポリイミド(1−1を10質量部とポリイミド(1−2)を90質量部とを混合してポリイミド1を得た。
合成例2:ポリイミド2の合成
攪拌器、還流冷却器及び窒素導入管を備えた容器に1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン35.08g(0.12モル)、3,3―ジアミノベンゾフェノン6.37g(0.03モル)、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物39.72g(0.135モル)、4−フェニルエチニルフタル酸無水物7.44g(0.03モル)、及びm−クレゾール275gを装入し、室温で20時間攪拌する。その後、200℃3時間反応し、室温まで冷却する。メタノール550g添加後、濾過してポリイミド2を得た。
合成例3:ポリイミド3
反応温度を160℃に変更した以外はポリイミド合成例2と全く同様にしてポリイミド3を得た。
実施例1
混合アルカリガラスからなるPDP用ガラス基板(40×110×2.8mm、40×110の面は鏡面仕上げ)と、それとは組成は異なるが熱膨張特性はほぼ同じ混合アルカリガラスからなるガラス基板(12×110×12mm、12×110の面は鏡面仕上げ)を準備し、それぞれのガラス基板の接合面(鏡面仕上げの片面)に3%のシラザン溶液(溶媒:キシレン)をフローコートにより塗布し、1時間乾燥後、400℃で60分間の熱処理を加えた(アルカリバリア層形成)。冷却後、テトライソシアネートシランをワイプコートにより接合面に塗布し、常温にて30分間乾燥した(中間層形成)。合成例1で得たポリイミド1をジヒドロターピネオールと乳鉢で混合し、塗布しやすいペースト状にした。テトライソシアネートシランで処理した後の接合面に本ペーストを塗布し、150℃で30分乾燥、220℃で120分の熱処理を加えた。冷却後二つのガラス基板を接合面で重ね合わせ、約100g/cm2の荷重を負荷した状態で350℃で120分の焼成を実施し、接着部のサンプルを得た。接着面を鏡面であるガラス越しに観察し、気泡の状態をデジタルカメラで撮影した。得られた画像を2値化処理により気泡とそうでない部分に分離し、気泡部の面積(A)と観察した接着部の面積(B)を算出し、A/B*100を気泡の面積比(%)と定義した。これまでの検討よりこの比が10以上の時には封着部からのスローリークや強度的に問題のある可能性の高いことが判明している。
また、焼成後の封着層を削り取り、赤外吸収スペクトルを測定した。ポリイミドのイミド化率(%)は、そのスペクトル中の1480cm-1付近のベンゼン環C=C伸縮振動によるピーク(基準)に対するイミド環(1370cm-1付近、C-N伸縮振動)のピーク強度比(1)と当該ポリイミドを375℃、2時間焼成した試料の基準ピークに対するイミド環のピーク強度比(2)から下記式により算出した
イミド化率(%) = ピーク強度比(1)/ピーク強度比(2)×100
実施例2
実施例1と同様にガラスを準備し、スパッターにより接合面にSiNxの膜を形成した(アルカリバリア層形成)。その後、テトライソシアネートシランで処理し(中間層形成)、合成例2のポリイミド2を用いて実施例1と同じように接合サンプルを作製し、気泡の面積比、ポリイミド樹脂のイミド化率を測定した。
実施例3
実施例1と同様にガラス基板を準備し、スパッターによりAlNxの膜を形成した(アルカリバリア層形成)。その後、テトライソシアネートシランで処理し(中間層形成)、合成例1のポリイミド1を用いて実施例1と同じように接合サンプルを作製し、気泡の面積比、ポリイミド樹脂のイミド化率を測定した。
実施例4
混合アルカリガラスからなるサンプル片(60×30×8mm、60×8の面は鏡面仕上げ)2ピースを準備し、そのサンプル片の接合面(鏡面仕上げの面)に3%のシラザン溶液(溶媒:キシレン)をフローコートにより塗布し、1時間乾燥後、400℃で60分間の熱処理を加えた(アルカリバリア層形成)。冷却後、テトライソシアネートシランをワイプコートにより接合面に塗布し、常温にて30分間乾燥した(中間層形成)。合成例1で得たポリイミド1をジヒドロターピネオールと乳鉢で混合し、塗布しやすいペースト状にした。テトライソシアネートシランで処理した後の接合面に本ペーストを塗布し、150℃で30分乾燥、220℃で120分の熱処理を加えた。冷却後二つのサンプル片を接合面で重ね合わせ、約100g/cm2の荷重を負荷した状態で350℃120分の焼成を実施し、接着部のサンプルを得た。得られた接着サンプルを5mm幅の短冊状の曲げ試験用サンプルピース(60×5×8mm)に切断、加工した。そのサンプルピースは温度80℃湿度85%の恒温恒湿槽に72時間設置された後、4点曲げ強度試験により強度測定された。結果を曝露後強度として表1に示した。
比較例1
実施例1と同じようにして接着部のサンプルを得た。ただし、ポリイミドは合成例3で示すポリイミド3を使用した。
比較例2
それぞれのガラスの接合面(鏡面仕上げの片面)に3%のシラザン溶液(溶媒:キシレン)をフローコートにより塗布し、1時間乾燥した後、400℃で60分間の熱処理を加えず常温での乾燥のみを行ったことを除き、実施例1と同じようにして接着部のサンプルを得た。
比較例3
実施例1と同じようにガラス製サンプル片を準備し、アルカリバリア層及び中間層を設けず、ポリイミド1をジヒドロターピネオールでペースト化したものを接着面に塗布し、150℃30分乾燥、220℃120分の熱処理を加えた。冷却後二つのサンプル片を接合面で重ね合わせ、約100g/cm2の荷重を負荷した状態で350℃120分の焼成を実施し、接着部のサンプルを得た。実施例1と同じようにして、気泡の面積比、イミド化率を測定した。
比較例4
実施例4と同じようにして曲げ強度試験用サンプルピースを作製した。ただし、ポリイミドは合成例3で示すポリイミド3を使用し、中間層は設けなかった。作製したサンプルピースを用いて、実施例4と同じように曝露後強度を測定した。
表1に実施例1〜4の結果を、表2に比較例1〜4の結果をそれぞれ示す。
Figure 0004503572
Figure 0004503572
本発明のディスプレイの1実施形態の一部切欠き側面図であり、ディスプレイはCRTとして構成されている。 本発明のディスプレイの別の1実施形態の一部切欠き側面図であり、ディスプレイは典型的なFEDとして構成されている。 本発明のディスプレイの別の1実施形態の一部切欠き側面図であり、ディスプレイは典型的なFEDとして構成されている。
符号の説明
1、1’:ディスプレイ 11:外囲器(ガラスバルブ)
11’:外囲器 13:蛍光体
14:アルミニウム膜 15:シャドウマスク
16:電子銃 17:防爆補強バンド
18:スタッドピン 2、2’:パネル(フロントガラス材)
21:画像表示領域 22、22’:スカート部
3、3’:パネル(リアガラス材) 31:ネック部
4:外枠 5:封着層
61:陰極 62:電解放出型冷陰極
63:ゲート電極 64:絶縁層
65:陽極 66:蛍光体画素
7:アルカリバリア層

Claims (11)

  1. いずれも混合アルカリガラスからなるフロントガラス材及びリアガラス材が所定の間隔をおいて対向し、該リアガラス材とフロントガラス材の間隙の周縁部に封着層を備えたディスプレイ用外囲器であって、
    前記封着層は、ポリイミド樹脂を含有する封着材の焼成体であって、かつ焼成後の該ポリイミド樹脂のイミド化率が95%以上である、焼成体からなり、
    前記封着層と接触するフロントガラス材の表面及び/又はリアガラス材の表面に、Si、Al、Ti、Zr、Ce、Cr及びMoからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含む酸化物、酸窒化物または窒化物を含有するアルカリバリア層が存在していることを特徴とするディスプレイ用外囲器。
  2. 前記アルカリバリア層と封着層との間に、酸化物からなる中間層がさらに存在する請求項1に記載のディスプレイ用外囲器。
  3. 前記中間層の酸化物が水酸基を有する請求項に記載のディスプレイ用外囲器。
  4. 前記中間層にシラノール基が存在する請求項に記載のディスプレイ用外囲器。
  5. 前記ポリイミド樹脂の分子鎖中にアルコキシシリル基が存在する請求項1〜のうちいずれかに記載のディスプレイ用外囲器。
  6. 請求項1〜のうちいずれかに記載のディスプレイ用外囲器を備えてなることを特徴とするディスプレイ。
  7. いずれも混合アルカリガラスからなるフロントガラス材及びリアガラス材を所定の間隔をおいて対向させ、該リアガラス材とフロントガラス材の間隙の周縁部を封着材で封着してディスプレイ用外囲器を製造する方法であって、
    フロントガラス材の封着面及び/又はリアガラス材の封着面に、Si、Al、Ti、Zr、Ce、Cr及びMoからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含む酸化物、酸窒化物または窒化物を含有するアルカリバリア層を形成し、次いでポリイミド樹脂を含有する封着材を前記アルカリバリア層表面に適用して前記フロントガラス材及びリアガラス材を所定の間隔をおいて重ねあわせ、その後焼成することにより、封着材をそれに含まれるポリイミド樹脂のイミド化率が95%以上である焼成体に変換して封着層を形成することを特徴とするディスプレイ用外囲器の製造方法。
  8. Si、Al、Ti、Zr、Ce、Cr及びMoからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物をガラス材の表面に塗布し、その後焼成して該化合物を酸化物に変換し前記アルカリバリア層を形成する請求項に記載の製造方法。
  9. 前記アルカリバリア層をスパッター法で形成する請求項に記載の製造方法。
  10. 前記アルカリバリア層の表面に加水分解性基を有する化合物を塗布し、次いで該化合物を加水分解縮合させて水酸基を有する酸化物からなる中間層を形成し、該中間層上に封着材を適用する請求項7〜9のいずれかに記載のディスプレイ用外囲器の製造方法。
  11. 前記封着材に含有されるポリイミド樹脂が、その分子鎖中にアルコキシシリル基を有するポリイミド樹脂である、請求項7〜10のうちいずれかに記載のディスプレイ用外囲器の製造方法。
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