JP2007214119A - ディスプレイの気密封着用樹脂ペースト及びそれ用いたディスプレイ - Google Patents

ディスプレイの気密封着用樹脂ペースト及びそれ用いたディスプレイ Download PDF

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Yuichi Kuroki
有一 黒木
Mikio Ueki
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Abstract

【課題】ディスプレイ用真空外囲器の封着部において、機械的長期信頼性や耐電圧特性を損なわせる恐れのある気泡を抑制すること。
【解決手段】ポリイミド樹脂を含む樹脂成分と分散媒とを含有してなる、ディスプレイの気密封着用樹脂ペーストであって、前記ポリイミド樹脂を溶質とした場合の20℃における飽和溶解度が5%以上である溶媒の、樹脂ペースト中の含有量が100質量ppm以下であり、前記分散媒は前記ポリイミド樹脂を実質的に溶解しないものであり、前記分散媒の沸点Tが、90℃≦T≦220℃であり、ポリイミド樹脂のガラス転移温度Tが160℃≦T≦300℃であり、前記T及びTが、T−20≦Tなる関係を有することを特徴とするディスプレイの気密封着用樹脂ペースト。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性、気密性、接着強度を必要とするディスプレイの気密封着用樹脂ペースト、及び該樹脂ペーストで封着されてなるディスプレイに関する。
一般的に、陰極線管(CRT)、電界放出型冷陰極を持つディスプレイ(FED)、プラズマディスプレイ(PDP)等(以下、これらをあわせてディスプレイと称する)は、二つ以上の部材、具体的には、画像が映し出される前面ガラス部と、電子銃または冷陰極等を備えた背面ガラス部とからなり、その両者を封着することで製造され、外囲器を形成する。封着後の外囲器は、内部を高真空にするため、およそ250〜380℃の高温で真空排気される。この際、封着部には外囲器内部が真空になることに起因する応力(真空応力)、内外の温度差に起因する応力(熱応力)とが負荷されるので、これらの応力に耐えうる強度が要求される。また、ディスプレイの機械的長期信頼性を確保する上で、前記封着部は例えば曲げ強度であれば40MPa以上の強度及び高い気密性も必要とされている。
さらに、CRTやFEDでは電子を加速して蛍光体に衝突させ発光させる原理であるので、数kV〜30kV程度の高い電圧が封着部の内外に印加されることになる。したがって、封着部には高い耐電圧特性も求められる。
従来、これらの封着は、特許文献1に記載されているように、フリットガラスをスラリーにした後、端面に塗布し、比較的低温で乾燥した後により高い温度で焼成するか、又はシート状にしたものを端面に取り付けて、焼成することなどで実施される。焼成は約450℃で実施され、前記フリットガラスとしては鉛の含有量が高いPbO−B−ZnO−SiO系の結晶性低融点ハンダガラスが用いられている。しかし、近年は電子放出源の劣化防止や各種部材の熱変形防止などのためにディスプレイ用真空容器の封着として400℃未満の低温封着が求められるようになっている。また、環境問題への意識の高まりから無鉛材料化が望まれており、特許文献2には耐熱性有機系樹脂材料のひとつであるポリイミド樹脂によるディスプレイの封着が開示されている。特許文献3にはポリイミド樹脂による半導体素子とセラミック容器との封着が開示されている。
特開昭52−124854号公報 特開2004−319448号公報 特開平5−65456号公報
しかし、こうした半導体素子用のハーメチックシールの接着強度はディスプレイ用真空外囲器の封着部に求められる強度の約10分の1程度であり、また、封着部にかかる印加電圧も数十V程度である。したがって、半導体素子用の封着剤をディスプレイ用真空外囲器用に適用しても特性的に満足しない。
また、ポリイミド樹脂を主要成分として封着剤として使用する場合、封着部への塗布などその施工のしやすさから、溶媒に溶解したワニスで使用されることが多い。そしてポリイミド樹脂は一般の有機溶媒には溶解しにくいため、クレゾールやN−メチル−2−ピロリドン、DMACなど比較的高沸点の溶媒が用いられる。実際にはワニスをディスペンサーで塗布し、溶媒を除去するためにプリベークした後、被着材を重ね合わせ、本焼成することにより封着する。ところが、そうしたワニスタイプでは溶媒が除去しにくい。さらに、ポリイミドの良溶媒は上述のように高沸点であるため、プリベークでは除去しきれず、本焼成前の樹脂中に溶媒が残存しやすい。このため、本焼成時に残存溶媒の揮発が生じ、焼成後の封着部に気泡が多数存在してしまう。気泡のような欠陥が存在する場合、そこに反応集中が起きやすく、また、絶縁破壊の起点になりやすく、さらには気密性の確保が難しくなる場合がある。
したがって本発明では、ディスプレイ用真空外囲器の封着部において、機械的長期信頼性や耐電圧特性や気密性を損なわせる恐れのある気泡を抑制することを目的とする。
上記課題に鑑み、発明者らは、ポリイミド樹脂を含む封着剤中において、ポリイミドの良溶媒を実質的に含まないようにし、分散媒を用いることで前述の目的を達成できることを見出した。すなわち、本発明は、下記の要旨を有するものである。
1.ポリイミド樹脂を含む樹脂成分と分散媒とを含有してなる、ディスプレイの気密封着用樹脂ペーストであって、
前記ポリイミド樹脂を溶質とした場合の20℃における飽和溶解度が5%以上である溶媒の、樹脂ペースト中の含有量が100質量ppm以下であり、
前記分散媒は前記ポリイミド樹脂を実質的に溶解しないものであり、
前記分散媒の沸点Tが、90℃≦T≦220℃であり、ポリイミド樹脂のガラス転移温度Tが160℃≦T≦300℃であり、
前記T及びTが、T−20≦Tなる関係を有することを特徴とするディスプレイの気密封着用樹脂ペースト。
2.前記ポリイミド樹脂の200〜400℃の範囲における最低粘度が、10Pa・s以下である上記1記載のディスプレイの気密封着用樹脂ペースト。
3.前記樹脂ペーストは低膨張性フィラーをさらに含有し、
樹脂ペースト中の固形分の含有率C(質量%)および低膨張性フィラーの含有率C(質量%)が、
0≦C/C≦0.5、及び
0.1≦C/100≦0.5、
なる関係を有する、上記1又は2に記載のディスプレイの気密封着用樹脂ペースト。
4.前記ポリイミド樹脂の平均粒径D、低膨張性フィラーの平均粒径Dが、1μm≦D≦30μm、かつ1μm≦D≦50μmなる関係を有する、上記1〜3の何れかに記載のディスプレイの気密封着用樹脂ペースト。
5.前記分散媒が、テレビン油、オクチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、上記1〜4の何れかに記載のディスプレイの気密封着用樹脂ペースト。
6.前記分散媒がジヒドロターピネオールである、上記1〜5の何れかに記載のディスプレイの気密封着用樹脂ペースト。
7.上記1〜6の何れかに記載の気密封着用樹脂ペーストで封着されてなるディスプレイ。
本発明の樹脂ペーストは、封着後の機械的強度、気密性保持が十分であり、CRT、FED、PDPなどのディスプレイに広範に利用される。
<ディスプレイ>
本発明におけるディスプレイとしては、高真空下において、陰極(カソード)から放出され、高速で運動する電子を蛍光体に衝突させて、励起、発光させるいわゆるカソードルミネセンスタイプのものが挙げられる。このようなカソードルミネセンスタイプのディスプレイは、陰極線管(CRT)、蛍光表示管(VFD)、および平板ディスプレイである、電界放出型冷陰極を持つディスプレイ(FED)によって代表される。
このようなディスプレイは、カソードルミネセンスを実現するため、内部が高真空になった外囲器を備えている。該外囲器内には、高速の電子ビームを放出するための駆動回路と、該電子ビームが衝突することで励起されて蛍光を生じる蛍光体が塗布されたパネル(フロントガラス材)と、が設置されている。
本発明のディスプレイについて、従来のCRTおよびFEDの構成を例に、以下に詳細に説明する。ただし、本発明のディスプレイは、CRTおよびFEDのみに限定されず、外囲器を備えたディスプレイを広く含む。外囲器を備えたディスプレイの他の例としては、プラズマディスプレイ(PDP)のようなフォトルミネセンスタイプのものが挙げられる。
以下、本発明に関して図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明のディスプレイの1実施形態の一部切欠き側面図であり、ディスプレイは、典型的なFEDとして構成されている。図1中、図面上側を前側とし、下側を後側とする。図1のディスプレイ1’では、その前側に位置するパネル(フロントガラス材)2’と、その後側に、該パネル(フロントガラス材)2’に対向して配置されるパネル(リアガラス材)3’、該パネル(フロントガラス材)2’と該パネル(リアガラス材)3’の間に配置される外枠4と、で外囲器11’が構成されている。外囲器11’の構成部材であるパネル(フロントガラス材)2’、パネル(リアガラス材)3’は混合アルカリガラスからなる。
外枠4は、通常はガラス製であるが、ガラス以外の無機材料製、例えばセラミックス製または金属製であってもよい。ここで外囲器11’の構成部材同士の接合面は、封着層5を介して封着されている。したがって、パネル(フロントガラス材)2’と、外枠4との接合面、およびパネル(リアガラス材)3’と、外枠4との接合面は、封着層5を介して封着されている。封着層5は、後述する方法により、外囲器構成部材の封着面に気密封着用樹脂ペーストを適用した後、所望の条件で焼成させて得た気密封着用樹脂ペーストの焼成体の層である。ディスプレイ1’において、パネル(リアガラス材)3’は、電界放出型の電子源基板であり、その内側面、すなわちパネル(フロントガラス材)2’に対向する面上には、陰極61および、該陰極61上に形成される電界放出型冷陰極62を有している。また、パネル(リアガラス材)3’のパネル(フロントガラス材)2’に対向する面上には、絶縁層64をはさんで電子流を制御するゲート電極63が形成されている。一方、パネル(フロントガラス材)2’のパネル(リアガラス材)3’に対向する面上には、陽極65および該電界放出型冷陰極62と対をなす蛍光体画素66が設けられている。
また、図2は、本発明のディスプレイの別の1実施形態の一部切欠き側面図であり、ディスプレイは、図1と同様に典型的なFEDとして構成されている。図2のディスプレイでは、図1のような外枠4を設けない代わりに、パネル(フロントガラス材)2’から延びるスカート部22’を有し、このスカート部22’の後側の端面と、パネル(リアガラス材)3’の前側の端面と、が封着層5を介して封着されている。
<樹脂ペースト>
上記ディスプレイは、以下に示す本発明の気密封着用樹脂ペーストによって封着される。
本発明における気密封着用樹脂ペースト(以下、樹脂ペーストとも言う。)は、樹脂成分として1種以上のポリイミド樹脂を含有する。ポリイミド樹脂を用いることで、400℃以下の低温での封着が可能であり、かつ封着部への真空応力や熱応力に対する十分な強度を得ることができる。
また、ポリイミド樹脂を溶質とした場合の20℃における飽和溶解度が5%以上である溶媒の、樹脂ペースト中の含有量は100質量ppm以下、好ましくは50質量ppm以下である。ポリイミド樹脂を溶質とした場合の20℃における飽和溶解度が5%以上である溶媒とは、ポリイミドにとっての良溶媒を意味し、例えば、ポリイミド樹脂の合成時に使用された溶媒である。具体的にはクレゾールやN−メチル−2−ピロリドン、DMACなどが挙げられる。このような溶媒はプリベーク後に樹脂ペースト中に残存する可能性が高く、100質量ppmより多く残存している場合には気泡生成の原因になる。
そして、本発明における樹脂ペーストは、ポリイミド樹脂に加え1種以上の分散媒を含有する。ここで、分散媒は、ポリイミド樹脂を実質的に溶解しないものである。すなわち、ポリイミド樹脂を溶質とした場合、20℃における飽和溶解度が0.5%以下であるような分散媒を指す。そして、ポリイミド樹脂を上記のような溶媒に溶解させるのではなく、分散媒に分散させたペースト状とすることで、封着部への塗布などその施工のしやすさを保持すると共に、従来のワニスタイプに比べて不純物(分散媒や溶媒)の除去が容易となる。
上記分散媒は、その沸点Tが、90℃≦T≦220℃であり、好ましくは130℃〜210℃である。220℃を超える沸点を有する分散媒はプリベーク後に残存しやすく、気泡の原因になる。熱可塑タイプの樹脂ではプリベーク温度を高く、時間を長くすることで、分散媒を除去できる可能性はあるが、熱硬化タイプでは接着特性を悪化させるのでそうした方法を用いることが難しい。90℃未満の沸点を有する分散媒では使用時に揮散する量が多く、塗布しやすいペーストが得られない。
そして、ポリイミド樹脂のガラス転移温度Tは160℃≦T≦300℃であり、好ましくは190℃〜280℃である。300℃より高いと封着温度が高くなりすぎる。160℃未満では耐熱性が乏しくなりすぎ、ポリイミド樹脂を使用するメリットがなくなる。
さらに、上記T及びTが、T−20≦Tなる関係を有する。分散媒の沸点がポリイミド樹脂の転移点より高いと樹脂が軟化し始める温度で分散媒が残っている可能性が高く、樹脂中に取り込まれやすくなり気泡の原因となる。
ポリイミド樹脂の分散媒としては、テレビン油、オクチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコールが好ましく、特に、テレビン油の1種であるジヒドロターピネオールが好ましい。
本発明における樹脂ペーストは、ポリイミド樹脂及び分散媒に加え、フィラーをさらに含有することが好ましい。ここでフィラーは、基材であるガラスと封着材料の熱膨張特性をマッチングさせるためとの観点から、低膨張性フィラーが望ましい。低膨張性フィラーは、その熱膨張率が1×10−5/℃以下であることが好ましく、特には0.7×10−5以下が好ましい。さらに、フィラーはプリベークや本焼成時の高温に耐えうるために耐熱性を有すること、すなわち、焼成時の温度において分解しないことが好ましい。
かかる性質を有するフィラーとしては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸ジルコニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化亜鉛、二酸化珪素、チタン酸カリウム、チタン酸鉛、チタン酸アルミニウム、燐酸ジルコニウム、コージェライト、カオリン、タルク、石英粉、雲母、ガラス繊維等の無機フィラーが挙げられる。
そして、上記低膨張性フィラーの樹脂ペースト中の含有率C(質量%)は、樹脂ペースト中の固形分の含有率C(質量%)との間に0≦C/C≦0.5、及び0.1≦C/100≦0.5、なる関係を有することが好ましい。前記低膨張性フィラーは、本発明の樹脂ペースト中に含まれなくてもよい、すなわちC/Cが0であってもよいが、0<C/C≦0.5であることがより好ましい。C/Cが0.5以下であることで、フィラー同士の連なりを抑制することができるため、気泡生成が抑えられる。また、C/100が0.1以上であると、樹脂ペーストの粘度が適度であり、塗布した際の保形性が良好となる。C/100が0.5より高いと、粘度が高すぎて、たとえばディスペンサーの目詰まりが起こる等塗布性能が悪くなるおそれがある。ここでいう固形分とは樹脂ペースト中の樹脂成分及びフィラー分を指す。固形分含有率は250℃で2時間保持し溶媒及び分散媒を除去した後に残存する量から算出する。
また、ポリイミド樹脂の平均粒径Dが、1μm≦D≦30μmであることが好ましい。1μm未満では、粉の凝集が多くなりその凝集を解砕するのが困難である。また、粉砕も長時間を要し、現実的でない。30μmを超えると、スクリーン印刷等に必要となるペーストのチキソ性が十分に得られないおそれがある。ポリイミド樹脂の平均粒径Dは、7μm≦D≦20μmであることがより好ましい。
さらに、低膨張性フィラーの平均粒径Dが、1μm≦D≦50μmなる関係を有することが好ましい。1μm未満では粉砕に長時間を要し、実用的でない。50μmを超えると、接着時の膜厚制御に支障をきたし、結果として接着不良、リーク不良の原因となるおそれがある。一方、平均粒径Dが、15μm≦D≦35μmなる関係を有することがより好ましい。
ここで、各平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所製SALD2100)を用いて得られる粒度分布から算出される。本装置では、粒子群にレーザー光を照射し、そこから発せられる回折、散乱光の強度パターンが粒の大きさ、形によって異なることから計算により粒度分布を求めている。
ポリイミド樹脂としては、200〜400℃の範囲における最低粘度が、1×10Pa・s以下、好ましくは2×10Pa・s以下のものが好ましい。1×10Pa・s以下とすることで焼成時の流動性が十分得られ、良好な封着部を形成できる。
具体的には、下記式1に示す構造を有するポリイミド化合物が好ましい。
Figure 2007214119
上記式1中、Xはジアミン化合物の主骨格を示し、Yはテトラカルボン酸二無水物の主骨格を示す。ここでジアミン化合物の主骨格とは、ジアミン化合物のアミノ基を除いた主鎖を意味し、テトラカルボン酸二無水物の主骨格とは、カルボン酸二無水物を除いた主鎖を意味する。
X、Yは、より具体的には、以下を意味する。
(A)Xが下記式4〜式8のうちのいずれか一つのとき、Yは、下記式9〜式14のうちのいずれか一つである。下記式4〜式8において、Rは、各々独立に−(単結合)、−O−、−CO−、−SO−、−S−、−CH−及びC(CHからなる群から選択されるいずれか一つであり、nは各々独立に0〜7であり、Zは各々独立にCH又はフェニル基である。
(B)Xが下記式15のとき、Yは、下記式16又は式17である。下記式15において、Rは、−(単結合)、−O−、−CO−、−SO−、−S−、−CH−及びC(CHからなる群から選択されるいずれか一つである。
(C)Xが下記式18のとき、Yは下記式19である。
Figure 2007214119
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Figure 2007214119
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Figure 2007214119
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Figure 2007214119
Figure 2007214119
ポリイミド化合物は、式1で示される構造のみで構成されていてもよいが、その末端部分がモノアミン又はジカルボン酸無水物で封止されていてもよい。末端がモノアミン又はジカルボン酸無水物で封止されたポリイミド化合物は、下記式2又は式3で示される構造を有していることが好ましい。下記式2及び式3中、X及びYは、式1の定義と同じであり、X’はモノアミン化合物の主骨格を示し、Y’はジカルボン酸無水物の主骨格を示す。ここでモノアミン化合物の主骨格とは、モノアミン化合物のアミノ基を除いた主鎖を意味し、ジカルボン酸無水物の主骨格とは、カルボン酸無水物基を除く主鎖を意味する。
Figure 2007214119
Figure 2007214119
前記式2のポリイミド化合物を使用する場合、式2中のX’は下記式20又は式21であることが好ましい。
−(Rn−Si−(OR3−r ・・・式20
Figure 2007214119
式20中、Rは各々独立に−CH−又はフェニレン基であり、R及びRは各々独立に−CH又は−Cであり、nは1〜7の整数であり、rは0〜2の整数である。
本発明の樹脂ペーストとして、X’が式20又は式21で表される式2のポリイミド化合物を使用することにより、ガラスへの密着性を向上させることが可能になる。また、X’が式20又は式21である式2のポリイミド化合物は、焼成時に熱硬化するため、高温真空排気工程時に経験する高温環境下における接着強度に優れている。なお、式20で表されるX’を有する式2のポリイミド化合物は、分子鎖中にアルコキシシリル基を有するポリイミド樹脂の1種である。
前記式3のポリイミド化合物を使用する場合、式3中のY’は下記式22〜式26のいずれかであることが好ましい。
Figure 2007214119
Figure 2007214119
Figure 2007214119
Figure 2007214119
Figure 2007214119
Y’が式22〜式26のいずれかである式3のポリイミド化合物は、焼成時に熱硬化するため、高温真空排気工程時に経験する高温環境下における接着強度に優れている。
本発明において、前記式1ないし式3のポリイミド化合物は、ビニレン基、エチニル基、ビリニデン基、ベンゾシクロブタン−4’−イル基、イソシアネート基、アリル基、オキシラン基、オキセタン基、シアノ基、イソプロペニル基の中から選択される少なくとも1つの架橋基を有することが好ましい。前記式1ないし式3のポリイミド化合物は、これらの架橋基の導入により焼成時に熱硬化するようになり、高温真空排気工程時に経験する高温環境下における接着強度に優れている。
また、上記ポリイミド樹脂は、その分子鎖中にアルコキシシリル基を有することが好ましい。これによって、ガラスとの接合強度を向上し、水分の影響を受けにくく、封着部の経時的な強度低下を抑えることができる。
この場合、分子鎖中にアルコキシシリル基を有すればよく、その位置は分子鎖中の分子末端、鎖中を問わず、特に限定するものではない。アルコキシシリル基としては、−Si(OR3−n、(ただし、Rは−CH、−C、または−Cである。)が挙げられる。具体的には、例えば、前記式20で表される基を有するポリイミド樹脂がある。
式1の構造を有するポリイミド化合物は、ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物の縮合により合成される。これらは通常の重縮合系ポリマーの場合と同様に、モノマー成分のモル比を調節することで分子量を制御することができる。すなわち、テトラカルボン酸二無水物1モルに対し、0.8〜1.2モルのジアミン化合物を使用することで、高分子量体を形成することが可能になる。ポリイミド化合物が高分子量体であると、その焼成体が機械的強度、電気絶縁性等に優れており、また高温環境下でアウトガスの発生がないため、樹脂ペーストとして好ましい。上記のモル比は、より好ましくは、酸二無水物1モルに対してジアミン化合物0.9〜1.2モルである。
式1の構造を有するポリイミド化合物を合成するのに使用可能なジアミンとしては、具体的には例えば以下のジアミン化合物が挙げられる。
a)ベンゼン環1個を有するジアミン;p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン。
b)ベンゼン環2個を有するジアミン;3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ジ(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン。
c)ベンゼン環3個を有するジアミン;1,1−ジ(3−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ジ(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1−(3−アミノフェニル)−1−(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゾニトリル、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ピリジン。
d)ベンゼン環4個を有するジアミン;4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン。
e)ベンゼン環5個を有するジアミン;1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン。
f)ベンゼン環6個を有するジアミン;4,4’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノーα,αージメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノーα,αージメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、4,4’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ]ジフェニルスルホン。
g)芳香族置換基を有するジアミン;3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン。
h)スピロビインダン環を有するジアミン;6,6’−ビス(3−アミノフェノキシ)3,3,3,’3,’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン、6,6’−ビス(4−アミノフェノキシ)3,3,3,’3,’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン。
i)シロキサンジアミン類であるジアミン;1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(4−アミノブチル)テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノブチル)ポリジメチルシロキサン。
j)エチレングリコールジアミン類であるジアミン;ビス(アミノメチル)エーテル、ビス(2−アミノエチル)エーテル、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、ビス(2−アミノメトキシ)エチル]エーテル、ビス[2−(2−アミノエトキシ)エチル]エーテル、ビス[2−(3−アミノプロポキシ)エチル]エーテル、1,2−ビス(アミノメトキシ)エタン、1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン、1,2−ビス[2−(アミノメトキシ)エトキシ]エタン、1,2−ビス[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エタン、エチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル。
k)メチレンジアミン類であるジアミン;エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン。
l)脂環式ジアミン類であるジアミン;1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,3−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,4−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロへキシル)メタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン。
また、上記例示したジアミン化合物は、適宜単独で、又は混合して使用することができる。また、ジアミン化合物は、上記ジアミン化合物の芳香環上の水素原子の一部若しくは全てをフッ素原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、及びトリフルオロメトキシ基から選ばれた置換基で置換したジアミンであってもよい。また、分岐を導入する目的で、ジアミン化合物の一部をトリアミン類、テトラアミン類と代えてもよい。このようなトリアミン類の具体例としては、例えばパラローズアニリンが挙げられる。
式1の構造を有するポリイミド化合物を合成するのに使用可能なテトラカルボン酸二無水物としては、具体的には例えば、以下のものが挙げられる。
ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルフィド二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ビフェニル二無水物、2,2−ビス[(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルフィド二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,3−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、及び1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物。
上記例示したテトラカルボン酸二無水物は、適宜単独で、又は混合して用いることができる。
また、上記テトラカルボン酸二無水物のいずれも、それらの芳香環上の水素原子の一部若しくは全てをフッ素原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、及びトリフルオロメトキシ基から選ばれた置換基で置換して用いることもできる。
更に、架橋点となるエチニル基、ベンゾシクロブテン−4’−イル基、ビニル基、アリル基、シアノ基、イソシアネート基、ニトリロ基、又はイソプロペニル基を、上記酸二無水物の芳香環上の水素原子の一部若しくは全てに置換基として導入しても用いることができる。更にまた、好ましくは成形加工性を損なわない範囲内で、架橋点となるビニレン基、ビニリデン基、又はエチニリデン基を置換基ではなく、主鎖骨格中に組み込むこともできる。
また、分岐を導入する目的で、テトラカルボン酸二無水物の一部をヘキサカルボン酸三無水物類、オクタカルボン酸四無水物類と代えてもよい。
また、樹脂ペーストに耐熱性を付与するため、ポリイミド化合物を合成する際に、末端封止剤としてジカルボン酸無水物又はモノアミン化合物を含めてもよい。ポリイミド化合物の末端をジカルボン酸無水物又はモノアミン化合物で封止することで、上記式2及び式3のポリイミド化合物を得ることができる。
末端封止剤として使用可能なジカルボン酸無水物としては、具体的には例えば、下記の化合物が挙げられる。
フタル酸無水物、2,3−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、3,4−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルエーテル無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルエーテル無水物、2,3−ビフェニルジカルボン酸無水物、3,4−ビフェニルジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、1,2−ナフタレンジカルボン酸無水物、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,2−アントラセンジカルボン酸無水物、2,3−アントラセンジカルボン酸無水物,1,9−アントラセンジカルボン酸無水物。
これらのジカルボン酸無水物は、アミン化合物又はテトラカルボン酸二無水物と反応性を有しない基で置換されていても差し支えない。これらは単独又は2種以上混合して用いることができる。これらの芳香族ジカルボン酸無水物の中で、好ましくはフタル酸無水物が使用される。
末端封止剤として使用可能なモノアミン化合物としては、具体的には例えば次のようなものが挙げられる。アニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、2,3−キシリジン、2,6−キシリジン、3,4−キシリジン、3,5−キシリジン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、p−クロロアニリン、o−ブロモアニリン、m−ブロモアニリン、p−ブロモアニリン、o−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、m−ニトロアニリン、o−アミノフェノール、p−アミノフェノール、m−アミノフェノール,o−アニシジン、m−アニシジン、p−アニシジン,o−フェネチジン、m−フェネチジン、p−フェネチジン、o−アミノベンズアルデヒド、p−アミノベンズアルデヒド、m−アミノベンズアルデヒド、o−アミノベンゾニトリル、p−アミノベンゾニトリル、m−アミノベンゾニトリル,2−アミノビフェニル,3−アミノビフェニル、4−アミノビフェニル、2−アミノフェニルフェニルエーテル、3−アミノフェニルフェニルエーテル,4−アミノフェニルフェニルエーテル、2−アミノベンゾフェノン、3−アミノベンゾフェノン、4−アミノベンゾフェノン、2−アミノフェニルフェニルスルフィド、3−アミノフェニルフェニルスルフィド、4−アミノフェニルフェニルスルフィド、2−アミノフェニルフェニルスルホン、3−アミノフェニルフェニルスルホン、4−アミノフェニルフェニルスルホン、α−ナフチルアミン、β−ナフチルアミン,1−アミノ−2−ナフトール、5−アミノ−1−ナフトール、2−アミノ−1−ナフトール,4−アミノ−1−ナフロール、5−アミノ−2−ナフトール、7−アミノ−2−ナフトール、8−アミノ−1−ナフトール、8−アミノ−2−ナフトール、1−アミノアントラセン、2−アミノアントラセン、9−アミノアントラセン等。通常、これらの芳香族モノアミンの中で、好ましくはアニリンの誘導体が使用される。これらは単独で又は2種以上混合して用いることができる。
これらモノアミン化合物及び/又はジカルボン酸無水物は、単独又は2種以上混合して用いてもよい。これら末端封止剤の使用量としては、ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物の使用モル数の差の1〜5倍のモノアミン化合物(過剰成分がテトラカルボン酸二無水物)、あるいはジカルボン酸無水物(過剰成分がジアミン)であれば良いが、少なくとも一方の成分の0.01モル倍程度利用するのが一般的である。
上記ポリイミド化合物の合成反応は、通常有機溶剤中で実施する。この反応に用いる有機溶剤としては、ポリイミド化合物を製造するのに問題がなく、しかも生成したポリイミド酸化合物を溶解できるものであればどのようなものでも利用でき、ポリイミド樹脂を溶質とした場合の20℃における飽和溶解度が5%以上である溶媒が利用できる。具体的には、アミド系の溶剤、エーテル系の溶剤、フェノール系の溶剤が例示でき、より具体的には、下記の有機溶剤が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することもできる。N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、1,2−ジメトキシエタン−ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン、ビス[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]エーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ピリジン、ピコリン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、クレゾール酸、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、アニソール等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することもできる。
また、ポリイミド化合物を合成するにあたって有機塩基触媒を共存させることも可能である。有機塩基触媒としては、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、キノリン、イソキノリン、トリエチルアミン等の第3級アミン類が用いられるが、特に好ましくはピリジン及びγ−ピコリンである。これら触媒の使用量としては、テトラカルボン酸二無水物の総量1モルに対し、0.001〜0.50モルである。特に好ましくは0.01〜0.1モルである。
また、ポリイミド化合物を合成する際の反応温度は、100℃以上、好ましくは150〜300℃であり、反応によって生じる水を抜き出しながら行うのが一般的である。イミド化に先立ち、その前駆体であるポリアミド酸化合物を100℃以下の低温でまず合成し、ついで温度を100℃以上に上げてイミド化することも可能であるが、単にテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物と、を混合した後、有機塩基存在下、すぐに100℃以上に昇温することでイミド化することもできる。反応時間は、使用するテトラカルボン酸二無水物の種類、溶剤の種類、有機塩基触媒の種類と量及び反応温度等により異なるが、目安としては、留出する水がほぼ理論量に達する(通常は全てが回収されるわけではないので、70〜90%の回収率である。)まで反応することであり、通常数時間から10時間程度である。この場合、イミド化反応によって生じる水はトルエン等の共沸剤を反応系に加えて、共沸により水を除去する方法が一般的で有効である。又は、まず前駆体であるポリアミド酸を合成した後、無水酢酸などのイミド化剤を用いて化学的にイミド化を行うことも可能である。イミド化の完了したポリイミド化合物を含む合成溶液に、析出溶媒を添加していき、再沈法により精製する。具体的には合成溶媒中にメタノールやトルエンなどを滴下していき、沈殿物を濾過により採取する。さらにメタノールやトルエンなどで洗浄することにより合成溶媒を除去したポリイミド粉末が得られる。かかる条件で合成したポリイミド化合物であれば、樹脂ペースト中の溶媒量を低減する事ができる。
また、樹脂ペーストの封着性を向上させるために、上記成分に加えて、ジアミノシロキサン化合物を樹脂ペーストに含めてもよい(特開平5−74245、特開平5−98233、特開平5−98234、特開平5−98235、特開平5−98236、特開平5−98237、特開平5−112760号公報等)。ジアミノシロキサンとしては、例えば、前記シロキサンジアミン類がある。なお、ジアミノシロキサン化合物は、式1ないし式3の構造を有するポリイミド化合物1モルに対して、0.10モル以下となる量で使用することが好ましい。ジアミノシロキサン化合物を0.1モル以下とすれば、樹脂ペーストが本来有する耐熱性が損なわれることがない。
ポリイミド化合物の分子量の指標としては一般的に対数粘度が用いられる。本発明のポリイミド化合物の対数粘度は、p− クロロフェノールとフェノールの混合溶媒(90:10)中、0.5g/dL濃度、35℃において、好ましくは0.01〜5.0であり、より好ましくは、0.10〜0.50である。
また、これら樹脂ペーストは、目的に応じてカップリング剤を混合して使用することが可能である。
カップリング剤は、封着性を向上させるために用いられ、その使用量は樹脂ペースト中、0.1質量%〜5質量%である。0.1質量%以上使用することにより高い封着性が得られる。また、5質量%以下とすることにより耐熱性を維持することが可能になる。使用可能なカップリング剤としてはすでに公知のカップリング剤を使用することができる。具体的には、トリアルコキシシラン化合物、メチルジアルコキシシラン化合物が挙げられる。より具体的には下記のカップリング剤が挙げられる。
3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(N−2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−(N−2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、イソシアナートプロピルメチルジエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
<樹脂ペーストの調製方法>
樹脂ペーストはポリイミド粉末、フィラー及び分散媒を所定量採取し、自動乳鉢などで混練することによって調製できる。各材料の混合比率は塗布方法等に応じて最適になるように調整することができる。また、塗布特性等を最適化するため、ポリイミド粉末やフィラーの粒度分布を、粉砕や分級をすることにより調整することも可能である。
<封着方法>
本発明の樹脂ペーストでディスプレイの外囲器構成部材を封着するには、まず樹脂ペーストと接触するフロントガラス材の表面及び/又はリアガラス材の表面、つまり外囲器構成部材の封着面に樹脂ペーストを塗布する。塗布面は、好ましくは150〜200℃にて、乾燥又はプリ焼成して封着剤の層(焼成前の層)が形成される。
次いで封着面同士を合わせて、好ましくは250℃×500分間〜400℃×10分間、より好ましくは330℃×300分〜400℃×10分間、さらにより好ましくは330℃×60分間〜400℃×10分間、本焼成することにより封着される。その後、外囲器構成部材はその内部を高真空にするため、200〜330℃の高温で真空排気することでディスプレイの外囲器が製造される。
本発明の樹脂ペーストの焼成は、ディスプレイの製造工程における通常の条件で実施される。具体的には、たとえば、窒素雰囲気、アルゴンガス雰囲気のような不活性ガス雰囲気下で実施してもよく、又は空気中で実施してもよい。焼成温度は、通常は250〜400℃の範囲であって、続いて実施される高温真空排気工程での温度よりも高い温度である。本発明におけるかかる封着における焼成温度が400℃未満であるため、従来のフリットガラスを封着剤に使用した場合におけるディスプレイ中の金属部材に関する熱変形等の問題が解消されている。
封着後の外囲器は、内部を高真空にするために高温で真空排気される。この高温真空排気工程は、従来250〜380℃で実施されてきたが、従来技術のところでも述べたように、ディスプレイの製造時の熱処理は可能な限り低温で実施されることが好ましい。したがって、高温真空排気工程は、今後200〜330℃の温度で実施されると考えられる。この高温真空排気工程の際、外囲器の封着部には、真空応力と熱応力と、が負荷される。よって樹脂ペーストの焼成体の、200〜350℃の温度範囲における最低粘度が10Pa・s以上であることが好ましい。上記範囲であることにより、ディスプレイの製造工程、特に外囲器の高温真空排気工程の際に、外囲器、より具体的には外囲器の封着部が負荷される真空応力及び熱応力に対して十分な強度を有している。このため、ディスプレイの製造工程時、特に外囲器の高温真空排気工程時における封着部の割れ問題は解消される。
以下、本発明を実施例および比較例により詳細に説明する。
合成例1:ポリイミド1の合成
攪拌器、還流冷却器及び窒素導入管を備えた容器に1,3−ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン39.47g(0.135モル)、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物44.13g(0.15モル)、アミノプロピルトリエトキシシラン7.09g(0.03モル)、2−フェニルエチニルフェニルジカルボン酸無水物5.96g(0.024モル)、及びm−クレゾールを275g装入し、室温で20時間攪拌した。その後、200℃で3時間反応後、室温まで冷却した。メタノール550g添加後、濾過してポリイミド(1−1)を得た。
同様に、攪拌器、還流冷却器及び窒素導入管を備えた容器に1,3−ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン43.85g(0.15モル)、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物39.72g(0.135モル)、4−フェニルエチニルフタル酸無水物7.44g(0.03モル)、及びm−クレゾールを275g装入し、室温で20時間攪拌した。その後、200℃で3時間反応後、室温まで冷却した。メタノール550g添加後、濾過し、メタノールで充分洗浄してポリイミド(1−2)を得た。
ポリイミド(1−1)を10質量部とポリイミド(1−2)を90質量部とを混合してポリイミド1を得た。
合成例2:ポリイミド2の合成
攪拌器、還流冷却器及び窒素導入管を備えた容器に1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン39.47g(0.135モル)、3,4,3’,4’―ビフェニルテトラカルボン酸二無水物44.13g(0.15モル)、アミノプロピルトリエトキシシラン7.09g(0.03モル)、2−フェニルエチニルフェニルジカルボン酸無水物5.96g(0.024モル)、及びn−メチルピロリドン(NMP)を275g装入し、室温で20時間攪拌した。その後、200℃で3時間反応後、室温まで冷却した。メタノール550gを添加後、濾過してポリイミド(2−1)を得た。
攪拌器、還流冷却器及び窒素導入管を備えた容器に1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン43.85g(0.15モル)、3,4,3’,4’―ビフェニルテトラカルボン酸二無水物39.72g(0.135モル)、4−フェニルエチニルフタル酸無水物7.44g(0.03モル)、及びn−メチルピロリドン(NMP)を275g装入し、室温で20時間攪拌した。その後、200℃で3時間反応後、室温まで冷却した。メタノール550gを添加後、濾過し、メタノールで充分洗浄してポリイミド(2−2)を得た。
ポリイミド(2−1)を10質量部とポリイミド(2−2)を90質量部とを混合してポリイミド2を得た。
合成例3:ポリイミド3の合成
ポリイミド1の合成手順の中で、濾過直前のメタノールの添加量を550gから300gにし、濾過後にメタノールで軽く洗浄して得たポリイミド(1−1’)およびポリイミド(1−2’)から、他は合成例1と同様にしてポリイミド3を得た。
<ポリイミド樹脂のガラス転移温度の測定>
ポリイミド樹脂を示差走査熱量分析計(DSC)(セイコーインスツルメント社製DSC6200)のセルに一定量採取し、セル内にて室温から450℃まで8℃/分で昇温する条件で測定を行った。得られたDSC曲線より吸熱ピークを読み取り、求められたガラス転移温度を表1においてTgとして示す。
<ポリイミド樹脂の粘度測定>
ポリイミド樹脂は所定の寸法に加工しパラレルプレート法により室温(25℃)から400℃の粘度を測定し、200℃〜350℃の温度領域における最低粘度を示す。
<溶媒の含有量の測定>
溶媒の含有量はICP分析により測定することが可能である。
実施例1:
ポリイミド1を50g、分散媒としてジヒドロターピネオールを93g計り取り、乳鉢でポリイミド樹脂をすり潰しながら混合し、ペースト状にした。2枚の60mm角の板ガラス(両面は鏡面)の中央に得られたペーストをそれぞれ約0.13g計り取った後、150℃で30分乾燥後、220℃120分の熱処理を加えた。冷却後二つのガラス片を接合面で重ね合わせ、約100g/cmの荷重を負荷した状態で350℃120分の焼成を実施し、接着部のサンプルを得た。接着面を鏡面であるガラス越しに観察し、気泡の状態をデジタルカメラで撮影した。得られた画像を2値化処理により気泡とそうでない部分に分離し、気泡部の面積(A)と、観察した接着部の面積(B)を算出した。A/B*100を気泡の面積比(%)と定義した。これまでの検討よりこの比が10以上の時には気密性保持や機械的強度に問題のある可能性が高いことが判明している。
また、ペースト中の溶媒量についてはガスクロマトグラフ法により定量した。
実施例2:
ポリイミドおよび分散媒として表1のものを用いた以外は実施例1と同様に接着したサンプルを作製し、気泡の面積比を測定した。
実施例3:
ポリイミド1を50g、分散媒としてジヒドロターピネオールを93g、低膨張性フィラーとしてガラス繊維を12.5g計り取り、乳鉢でポリイミド樹脂をすり潰しながら混合し、ペースト状にしたこと以外は実施例1と同様に接着したサンプルを作製し、気泡の面積比を測定した。
比較例1:
ポリイミドおよび分散媒として表1のものを用いた以外は実施例1と同様に接着したサンプルを作製し、気泡の面積比を測定した。
比較例2:
ポリイミドおよび分散媒として表1のものを用いた以外は実施例1と同様に接着したサンプルを作製し、気泡の面積比を測定した。
各試験例の結果を表1に示す。
Figure 2007214119
上記より、実施例はいずれも気泡面積比が10以下となったが、ポリイミドの良溶媒が多く残存した比較例1や、分散媒の沸点Tが90℃≦T≦220℃を満たさず、ポリイミドのガラス転移温度Tとの関係がT−20≦Tを満たさなかった比較例2は気泡が多い結果となった。
本発明のディスプレイの1実施形態の一部切欠き側面図であり、ディスプレイは典型的なFEDとして構成されている。 本発明のディスプレイの別の1実施形態の一部切欠き側面図であり、ディスプレイは典型的なFEDとして構成されている。
符号の説明
1’:ディスプレイ
11’:外囲器
2’:パネル(フロントガラス材)
22’:スカート部
3’:パネル(リアガラス材)
4:外枠
5:封着層
61:陰極
62:電解放出型冷陰極
63:ゲート電極
64:絶縁層
65:陽極
66:蛍光体画素

Claims (7)

  1. ポリイミド樹脂を含む樹脂成分と分散媒とを含有してなる、ディスプレイの気密封着用樹脂ペーストであって、
    前記ポリイミド樹脂を溶質とした場合の20℃における飽和溶解度が5%以上である溶媒の、樹脂ペースト中の含有量が100質量ppm以下であり、
    前記分散媒は前記ポリイミド樹脂を実質的に溶解しないものであり、
    前記分散媒の沸点Tが、90℃≦T≦220℃であり、ポリイミド樹脂のガラス転移温度Tが160℃≦T≦300℃であり、
    前記T及びTが、T−20≦Tなる関係を有することを特徴とするディスプレイの気密封着用樹脂ペースト。
  2. 前記ポリイミド樹脂の200〜400℃の範囲における最低粘度が、10Pa・s以下である請求項1記載のディスプレイの気密封着用樹脂ペースト。
  3. 前記樹脂ペーストは低膨張性フィラーをさらに含有し、
    樹脂ペースト中の固形分の含有率C(質量%)および低膨張性フィラーの含有率C(質量%)が、
    0≦C/C≦0.5、及び
    0.1≦C/100≦0.5、
    なる関係を有する、請求項1又は請求項2に記載のディスプレイの気密封着用樹脂ペースト。
  4. 前記ポリイミド樹脂の平均粒径D、低膨張性フィラーの平均粒径Dが、1μm≦D≦30μm、かつ1μm≦D≦50μmなる関係を有する、請求項1〜3の何れか1項に記載のディスプレイの気密封着用樹脂ペースト。
  5. 前記分散媒が、テレビン油、オクチルアルコール、エチレングリコール、及びプロピレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜4の何れか1項に記載のディスプレイの気密封着用樹脂ペースト。
  6. 前記分散媒がジヒドロターピネオールである、請求項1〜5の何れか1項に記載のディスプレイの気密封着用樹脂ペースト。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の気密封着用樹脂ペーストで封着されてなるディスプレイ。
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