JP4603215B2 - ネガ型感光性樹脂組成物およびその用途 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリイミドまたはポリアミド酸を含有する新規なネガ型感光性樹脂組成物に関する。より詳細には、耐熱性、機械特性、接着特性に優れ、加えて高い溶剤溶解性や低誘電性、または高感度・高解像度の感光性を発現するポリイミドまたはポリアミド酸を含有する新規なネガ型感光性樹脂組成物に関する。また、該ポリイミドまたはポリアミド酸を含有する新規なネガ型感光性樹脂組成物を用いたフォトレジスト、絶縁膜、そして該絶縁膜を表面保護膜や層間絶縁膜として含む高集積半導体装置、高集積多層配線基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、テトラカルボン酸二無水物とジアミンの反応によって得られるポリイミドは、その高耐熱性に加え、力学的強度、寸法安定性が優れ、難燃性、電気絶縁性などを併せ持つために、電気電子機器、宇宙航空用機器、輸送機器などの分野で使用されており、今後も耐熱性が要求される分野に広く用いられることが期待されている。また、近年のコンピューター等に代表される電気電子機器の目覚ましい伸張による要請から、ポリイミドはその優れた耐熱性、電気特性、機械強度により高集積半導体素子の表面保護膜、封止材料、多層配線の層間絶縁膜、プリント配線のフィルム状基材及び太陽電池の保護膜など多方面の高機能材料として期待されている。特に半導体工業における固体素子の絶縁層や保護層には、ポリイミド樹脂が優れた耐熱性と機械特性を有することに加えて、平坦化能や加工性、低誘電性、また感光性を付与しパターン形成能を有する特徴からも優位性を示している。
【0003】
本発明者らは先に繰り返し構造に1,1−ジメチルインダン骨格を有することを特徴とする、新規なポリイミド及び新規なポリアミド酸を合成し、このポリイミド及びポリアミド酸が、優れた感光性を有することを見い出した。このポリイミド及びポリアミド酸は、骨格内のベンゾフェノン構造とアルキル基間の光架橋反応により、ネガ型の感光性を示す。
【0004】
このような感光性樹脂を、半導体素子の表面保護膜や層間絶縁膜に用いた場合、特に問題となるのは基材や後工程でその上に形成されるパッケージ用封止樹脂との密着性である。密着性が悪いとその界面で剥離が発生し、半導体パッケージにクラックが生じたり、さらにそのクラックに水が進入し半導体の電気不良を発生する恐れがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、高感度・高解像度の感光性を発現するポリイミド及び/またはポリアミド酸及びシランカップリング剤を含有することを特徴とする、耐熱性、接着特性に優れた新規なネガ型感光性樹脂組成物を提供すること、また、該ネガ型感光性樹脂組成物を用いたフォトレジスト、絶縁膜、そして該絶縁膜を表面保護膜や層間絶縁膜として含む高集積半導体装置、高集積多層配線基板を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、(a)繰り返し構造に下記一般式(I)または(III)に示す様なポリイミドまたはポリアミド酸、及び(b)シランカップリング剤を含有することを特徴とする新規なネガ型感光性樹脂組成物が、高感度・高解像度の感光性を有するのみならず、耐熱性、接着特性にも優れたネガ型感光性樹脂組成物であることを見出し本願発明を完成した。
本発明は、以下の[1]〜[10]に記載した事項により特定される。
【0007】
[1] (a)一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリイミド100重量部、及び(b)シランカップリング剤0〜5重量部を含有することを特徴とするネガ型感光性樹脂組成物。
【化5】
(式中、aは0<a<100の範囲内の有理数であり、樹脂中の共重合比を示す。mは1〜20の整数であり、繰り返し単位数を示す。R1〜R4は、それぞれ独立して、水素原子または炭素原子数1〜20のアルキル基を示し、R5及びR6は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜20のアルキレン基を示す。Zは縮合多環式芳香族基または次式(II)
【0008】
【化6】
からなる群より選ばれた少なくとも1種の基である。ただし、Xは-CO-または-C(=N2)-を示し、Yは直接結合、-CH2-、-O-、-SO2-、-S-、-CO-、または-C(=N2)-を示す。nは各々独立して0または1の整数を示す。)
[2] 前記一般式(I)のR1とR2の何れもがメチル基であり、これらメチル基が1,1−ジメチルインダン骨格上の4位及び6位に結合したものであることを特徴とする[1]記載のネガ型感光性樹脂組成物。
[3] (a) 一般式(III)で表される繰り返し単位を有するポリアミド酸100重量部、及び (b)シランカップリング剤0〜5重量部を含有することを特徴とするネガ型感光性樹脂組成物。
【化7】
【0009】
(式中、a、m、R1〜R6およびZは前記一般式(I)と同一の意味を表す。)
[4] 前記一般式(III)のR1とR2の何れもがメチル基であり、これらメチル基が1,1−ジメチルインダン骨格上の4位及び6位に結合したものであることを特徴とする[3]に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
[5] シランカップリング剤が次式(IV)
【化8】
【0010】
で表される化合物群から選ばれたものである、[1]乃至[4]いずれかに記載のネガ型感光性樹脂組成物。(式中R7は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R8、及びR9は各々独立して脂肪族置換基、芳香族置換基または水素原子を表す。また、W1は直接結合、-O-、-SO2-、-S-、または-CO-を表す。W2は窒素原子またはCHを表す。)
[6][1]乃至[5]いずれかに記載のネガ型感光性樹脂組成物を含むフォトレジスト。
[7][1]乃至[5]いずれかに記載のネガ型感光性樹脂組成物を用いることを特徴とする絶縁膜。
[8] [1]乃至[5]いずれかに記載のネガ型感光性樹脂組成物を基材に塗布する工程、乾燥する工程、露光する工程、現像する工程、及び加熱処理する工程を含むことを特徴とする、[7]に記載の絶縁膜の製造方法。
[9] 基材上に、シランカップリング剤を塗布する工程、[1]乃至[5]いずれかに記載のネガ型感光性樹脂組成物を基材に塗布する工程、乾燥する工程、露光する工程、現像する工程、及び加熱処理する工程を含むことを特徴とする、[7]に記載の絶縁膜の製造方法。
[10] 基板上に、前式(IV)で表される化合物群から選ばれるシランカップリング剤を塗布することを特徴とする[9]に記載の絶縁膜の製造方法。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物に含まれるポリイミド又はポリアミド酸は上記一般式(I)又は一般式(III)で表される繰り返し単位を有する。
【0012】
一般式(I)又は(III)中のaは0<a<100の範囲内の有理数であれば、特に限定されないが好ましくは60<a<100であり、更に好ましくは80<a<100である。このaは、実際の繰り返し単位数を示すものではなく、比率を表すものであり本発明の樹脂はランダム共重合物またはブロック共重合物である。
一般式(I)又は(III)中のR1〜R4は、それぞれ独立して、水素原子または炭素原子数1〜20のアルキル基であれば特に限定されない。炭素原子数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、イソプロピル基等を挙げることができる。
一般式(I)又は(III)中のR1及びR2の1,1−ジメチルインダン骨格上における部位は、特に限定されない。
【0013】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物に含まれるポリイミド又はポリアミド酸の好ましい態様として、上記一般式(I)又は(III)において、R1及びR2の双方が1,1−ジメチルインダン骨格上の4位、5位若しくは6位の何れかに結合したポリイミドまたはポリアミド酸は、高い溶剤溶解性を有することから好ましい。
【0014】
更に、上記一般式(I)又は(III)において、R1及びR2の双方が1,1−ジメチルインダン骨格上の4位、5位若しくは6位の何れかに結合し、Zがベンゾフェノン構造のポリイミドは、高い溶剤溶解性を有し、高感度の感光性が得られることから好ましく、上記一般式(I)又は(III)において、R1及びR2が何れもメチル基であり、これらメチル基が1,1−ジメチルインダン骨格上の4位及び6位に結合し、Zがベンゾフェノン構造のポリイミドは、高い溶剤溶解性を有し、高感度の感光性が得られることから最も好ましい態様である。
【0015】
一般式(I)又は(III)中のR5及びR6は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜20のアルキレン基であれば特に限定されない。炭素原子数1〜20のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、またはプロピレン基等を挙げることができる。
式(II)中のXは、-CO-または-C(=N2)- のいずれかであれば特に限定されない。
式(II)中のYは、直接結合、-CH2-、-O-、-SO2-、-S-、-CO-、または-C(=N2)-のいずれかであれば特に限定されない。
【0016】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物に含まれるポリイミドまたはポリアミド酸の好ましい態様として、上記一般式(I)又は(III)において、R1及びR2の双方が1,1−ジメチルインダン骨格上の4位、5位若しくは6位の何れかに結合し、同時に一般式(II)中のXが-CO-または-C(=N2)-であるポリイミドまたはポリアミド酸は、高い溶剤溶解性を有し、高感度の感光性が得られ好ましい(式中、nは各々独立して0または1の整数を示す)。
【0017】
更に、上記一般式(I)又は(III)において、R1及びR2の双方が1,1−ジメチルインダン骨格上の4位、5位若しくは6位の何れかに結合し、同時に一般式(II)中のXが-CO-または-C(=N2)-であり、Yが-CO-または-C(=N2)-または−S−であるポリイミドまたはポリアミド酸は、高い溶剤溶解性を有し、高感度の感光性が得られ好ましい。
【0018】
本発明において、ポリイミド又はポリアミド酸の対数粘度は、特に限定されるものではないが、好ましい対数粘度としては、0.1〜2.0が好ましく、0.2〜1.9がより好ましく、0.3〜1.8がさらに好ましく、0.4〜1.7がさらに好ましく、0.5〜1.6が最も好ましい。
【0019】
ポリイミド又はポリアミド酸の対数粘度が低すぎると、一般に、加工後の製品の強度や靱性が低下して好ましくない。ポリイミド又はポリアミド酸の対数粘度が高すぎると、一般に、製品化における加工性が悪化し好ましくない。
ポリイミドの対数粘度の評価方法は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリイミド粉0.50gをN−メチル−2−ピロリドン100mlに溶解した後、35℃において測定することができる。 ポリアミド酸の対数粘度の評価方法は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリアミド酸ワニス(N−メチル−2−ピロリドンを溶媒としたポリアミド酸溶液。濃度は、20wt%。)2.50gをN−メチル−2−ピロリドン100mlに溶解した後、35℃において測定することができる。本発明のネガ型感光性樹脂組成物に含まれるポリイミド又はポリアミド酸は、一般式(I)又は(III)で表される構造の繰返し単位成分以外に、各種ジアミン及びテトラカルボン酸二無水物を、各種物性、例えば耐熱性、吸湿性、熱膨張係数、誘電率、屈折率または複屈折率等を制御することを目的に、必要に応じて共重合させて得てもよい。
【0020】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物に含まれるポリイミド又はポリアミド酸は、いかなる方法で製造されたものであっても構わない。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物に含まれるポリイミド又はポリアミド酸の好ましい製造方法は、一般式(V)で表されるジアミノインダン誘導体、一般式(VI)で表されるシロキサンジアミン、及び一般式(VII)で表されるテトラカルボン酸二無水物を原料として反応させる方法である。
【0021】
【化9】
【0022】
【化10】
【0023】
【化11】
【0024】
上記式中、R1〜R6、Z及びmは前記と同様の意味を表す。
式(V)で表されるジアミノインダン誘導体は例えば、5,7−ジアミノ−1,1−ジメチルインダン、4,7−ジアミノ−1,1−ジメチルインダン、5,7−ジアミノ−1,1,4−トリメチルインダン、5,7−ジアミノ−1,1,6−トリメチルインダン、5,7−ジアミノ−1,1−ジメチル−4−エチルインダン、5,7−ジアミノ−1,1−ジメチル−6−エチルインダン、5,7−ジアミノ−1,1−ジメチル−4−イソプロピルインダン、5,7−ジアミノ−1,1−ジメチル−6−イソプロピルインダン、5,7−ジアミノ−1,1−ジメチル−4−n−プロピルインダン、5,7−ジアミノ−1、1−ジメチル−6−n−プロピルインダン、5,7−ジアミノ−1,1−ジメチル−4−sec−ブチルインダン、5,7−ジアミノ−1,1−ジメチル−6−sec−ブチルインダン、5,7−ジアミノ−1,1−ジメチル−4−n−ブチルインダン、5,7−ジアミノ−1,1−ジメチル−6−n−ブチルインダン、5,7−ジアミノ−1,1−ジメチル−4−tert−ブチルインダン、5,7−ジアミノ−1,1−ジメチル−6−tert−ブチルインダン、5,7−ジアミノ−1,1,4,6−テトラメチルインダン、6,7−ジアミノ−1,1,4,5−テトラメチルインダン、4,7−ジアミノ−1,1,5,6−テトラメチルインダン、5,7−ジアミノ−1,1−ジメチル−4,6−ジエチルインダン、5,7−ジアミノ−1,1−ジメチル−4,6−ジイソプロピルインダン、5,7−ジアミノ−1,1,4−トリメチル−6−tert−ブチルインダン等が用いられる。
【0025】
式(VI)で表されるシロキサンジアミンは例えば、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(4−アミノブチル)テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノブチル)ポリジメチルシロキサン等が用いられる。
【0026】
式(VII)で表されるテトラカルボン酸二無水物成分は例えば、
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
2,3,6,7−チオキサントンテトラカルボン酸二無水物
などを適宣単独または混合して使用することができる。
【0027】
また、上記に記載したテトラカルボン酸二無水物成分全種類に対して、それらの芳香環上の水素原子の一部若しくは全てをフルオロ基、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、またはトリフルオロメトキシ基から選ばれた置換基で置換したジアミンも使用することができる。
【0028】
さらに、架橋点となるエチニル基、ベンゾシクロブテン−4’−イル基、ビニル基、アリル基、シアノ基、イソシアネート基、及びイソプロペニル基を、上記テトラカルボン酸二無水物の芳香環上の水素原子の一部若しくは全てに置換基として導入しても使用することができる。
【0029】
さらにまた、好ましくは成形加工性を損なわない範囲内で、架橋点となるビニレン基、ビニリデン基、及びエチニリデン基を置換基ではなく、主鎖骨格中に組み込むこともできる。
また、分岐を導入する目的で、テトラカルボン酸二無水物の一部をヘキサカルボン酸三無水物類、オクタカルボン酸四無水物類と代えてもよい。
これらのテトラカルボン酸二無水物成分は必要に応じて単独または混合して使用することができる。
【0030】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物に含まれるポリイミドを製造するにあたり、上記一般式(V)で表されるジアミノインダン誘導体、上記一般式(VI)で表されるシロキサンジアミン、及び上記一般式(VII)で表されるテトラカルボン酸二無水物に加えて、その他の各種ジアミン及びテトラカルボン酸二無水物を単量体に用いて、共重合させることができる。
【0031】
共重合に用いられるジアミン成分は限定されるわけではないが、例えば、
a) ベンゼン環1個を有する、
p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン。
【0032】
b) ベンゼン環2個を有する、
3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ジ(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1−ジ(3−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ジ(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1−(3−アミノフェニル)−1−(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン。
【0033】
c) ベンゼン環3個を有する、
1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゾニトリル、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ピリジン。
【0034】
d) ベンゼン環4個を有する、
4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、
e) ベンゼン環5個を有する、
1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、
f) ベンゼン環6個を有する、
4,4’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノーα,αージメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノーα,αージメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、4,4’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ]ジフェニルスルホン。
【0035】
g) 芳香族置換基を有する、
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン。
【0036】
h) スピロビインダン環を有する、
6,6’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン、6,6’−ビス(4−アミノフェノキシ)−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン。
【0037】
i) シロキサンジアミン類である、
1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(4−アミノブチル)テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノブチル)ポリジメチルシロキサン。
【0038】
j) エチレングリコールジアミン類である、
ビス(アミノメチル)エーテル、ビス(2−アミノエチル)エーテル、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、ビス[2−(アミノメトキシ)エチル]エーテル、ビス[2−(2−アミノエトキシ)エチル]エーテル、ビス[2−(3−アミノプロトキシ)エチル]エーテル、1,2−ビス(アミノメトキシ)エタン、1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン、1,2−ビス[2−(アミノメトキシ)エトキシ]エタン、1,2−ビス[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エタン、エチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル。
【0039】
k) メチレンジアミン類である、
エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン。
【0040】
l) 脂環式ジアミン類である、
1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,3−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,4−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロへキシル)メタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、
が例示される。
【0041】
また、上記ジアミンの芳香環上水素原子の一部若しくは全てをフルオロ基、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、またはトリフルオロメトキシ基から選ばれた置換基で置換したジアミンも使用することができる。
【0042】
さらに、目的に応じ、架橋点となるエチニル基、ベンゾシクロブテン−4’−イル基、ビニル基、アリル基、シアノ基、イソシアネート基、ニトリロ基、及びイソプロペニル基を、上記ジアミンの芳香環上水素原子の一部若しくは全てに置換基として導入しても使用することができる。
さらにまた、目的に応じ、架橋点となるビニレン基、ビニリデン基、及びエチニリデン基を置換基ではなく、主鎖骨格中に組み込むこともできる。また、分岐を導入する目的で、ジアミンの一部をトリアミン類、テトラアミン類と代えてもよい。
これらのジアミンは必要に応じて単独でまたは混合して使用することができる。
【0043】
共重合に用いられる上記のジアミンは、ポリイミドまたはポリアミド酸の製造に用いられる原料の全ジアミン成分中0〜50モル%、更に好ましくは0〜30モル%使用することが好ましい。
共重合に用いられるテトラカルボン酸二無水物成分は例えば、
芳香族テトラカルボン酸二無水物類の
ピロメリット酸二無水物、
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルフィド二無水物、
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、
2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、
2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、
1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、
1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、
4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ビフェニル二無水物、
2,2−ビス[(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルフィド二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,3−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、及び脂肪族テトラカルボン酸二無水物類のエチレンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、等が挙げられる。
【0044】
また、前記芳香族テトラカルボン酸二無水物の芳香環上水素原子の一部若しくは全てをフルオロ基、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、またはトリフルオロメトキシ基から選ばれた置換基で置換した芳香族テトラカルボン酸二無水物も使用することができる。
【0045】
さらに、目的に応じ、架橋点となるエチニル基、ベンゾシクロブテン−4’−イル基、ビニル基、アリル基、シアノ基、イソシアネート基、ニトリロ基、及びイソプロペニル基を、前記芳香族テトラカルボン酸二無水物の芳香環上水素原子の一部若しくは全てに置換基として導入しても使用することができる。
さらにまた、好ましくは成形加工性を損なわない範囲内で、架橋点となるビニレン基、ビニリデン基、及びエチニリデン基を置換基ではなく、主鎖骨格中に組み込むこともできる。また、分岐を導入する目的で、テトラカルボン酸二無水物の一部をヘキサカルボン酸三無水物類、オクタカルボン酸四無水物類と代えてもよい。
これらのテトラカルボン酸二無水物成分は必要に応じて単独でまたは混合して使用することができる。
【0046】
共重合に用いられる上記のテトラカルボン酸二無水物は、ポリイミドまたはポリアミド酸の製造に用いられる原料の全テトラカルボン酸二無水物成分中0〜50モル%、更に好ましくは0〜30モル%使用することが好ましい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物に含まれるポリイミドまたはポリアミド酸の製造は、溶媒を用いなくとも実施可能であるが、有機溶媒中で反応を行うことが特に好ましい方法である。
この反応において用いられる溶媒は限定されるわけではないが、例えば、
(a) フェノール系溶媒である、
フェノール、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール。
【0047】
(b) 非プロトン性アミド系溶媒である、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、ヘキサメチルホスホロトリアミド。
【0048】
(c) エーテル系溶媒である、
1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン、テトラヒドロフラン、ビス[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]エーテル、1,4−ジオキサン。
【0049】
(d) アミン系溶媒である、
ピリジン、キノリン、イソキノリン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、イソホロン、ピペリジン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン。
【0050】
(e) その他の溶媒である、
ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジフェニルエーテル、スルホラン、ジフェニルスルホン、テトラメチル尿素、アニソール、水、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、m−ジクロルベンゼン、p−ジクロルベンゼン、ブロムベンゼン、o−ジブロモベンゼン、m−ジブロモベンゼン、p−ジブロモベンゼン、o−クロルトルエン、m−クロルトルエン、p−クロルトルエン、o−ブロモトルエン、m−ブロモトルエン、p−ブロモトルエン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、フルオロベンゼン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、等が挙げられる。
【0051】
これらの溶媒は、単独または2種以上混合して用いても差し支えない。
これらの溶剤は、製造されるポリイミドまたはポリアミド酸100重量部に対し、100〜3000重量部、更に好ましくは150〜2000重量部使用することが好ましい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物に含まれるポリイミドまたはポリアミド酸の製造において、必要に応じて用いられる末端封止剤は限定されない。代表的なものはモノアミンまたはジカルボン酸無水物である。
【0052】
モノアミンとしては、例えば、アニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、2,3−キシリジン、2,4−キシリジン、2,5−キシリジン、2,6−キシリジン、3,4−キシリジン、3,5−キシリジン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、p−クロロアニリン、o−ブロモアニリン、m−ブロモアニリン、p−ブロモアニリン、o−ニトロアニリン、m−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、o−アニシジン、m−アニシジン、p−アニシジン、o−フェネチジン、m−フェネチジン、p−フェネチジン、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、o−アミノベンズアルデヒド、m−アミノベンズアルデヒド、p−アミノベンズアルデヒド、o−アミノベンゾニトリル、m−アミノベンゾニトリル、p−アミノベンゾニトリル、2−アミノビフェニル、3−アミノビフェニル、4−アミノビフェニル、2−アミノフェニルフェニルエーテル、3−アミノフェニルフェニルエーテル、4−アミノフェニルフェニルエーテル、2−アミノベンゾフェノン、3−アミノベンゾフェノン、4−アミノベンゾフェノン、2−アミノフェニルフェニルスルフィド、3−アミノフェニルフェニルスルフィド、4−アミノフェニルフェニルスルフィド、2−アミノフェニルフェニルスルホン、3−アミノフェニルフェニルスルホン、4−アミノフェニルフェニルスルホン、α−ナフチルアミン、β−ナフチルアミン、1−アミノ−2−ナフトール、2−アミノ−1−ナフトール、4−アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−2−ナフトール、7−アミノ−2−ナフトール、8−アミノ−1−ナフトール、8−アミノ−2−ナフトール、1−アミノアントラセン、2−アミノアントラセン、9−アミノアントラセン、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、イソブチルアミン、ジイソブチルアミン、ペンチルアミン、ジペンチルアミン、ベンジルアミン、シクロプロピルアミン、シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン等が挙げられる。
【0053】
ジカルボン酸無水物としては、例えば、無水フタル酸、2,3−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、3,4−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルエーテル無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルエーテル無水物、2,3−ビフェニルジカルボン酸無水物、3,4−ビフェニルジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、1,2−ナフタレンジカルボン酸無水物、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,2−アントラセンジカルボン酸無水物、2,3−アントラセンジカルボン酸無水物、1,9−アントラセンジカルボン酸無水物等が挙げられる。
これらのモノアミンまたはジカルボン酸無水物はその構造の一部がアミンまたはジカルボン酸無水物と反応性を有しない基で置換されても差し支えない。
【0054】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物に含まれるポリイミドまたはポリアミド酸の製造においては、公知の触媒を併用することができる。例えば、塩基触媒や酸触媒を共存させて行うこともできる。
塩基触媒の例としては、上記(d)項記載の各種アミン系溶媒や、イミダゾール、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン等の有機塩基、水酸化カリウムや水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウムで代表される無機塩基が挙げられる。これら塩基触媒を必要に応じて単独でまたは混合して使用することができる。
【0055】
酸触媒の例としては有機酸や鉱酸の塩が挙げられる。より具体的には、有機酸としては、クロトン酸、アクリル酸、トランス−3−ヘキセノイック酸、桂皮酸、安息香酸、メチル安息香酸、テレフタル酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等が挙げられ、鉱酸の塩としては塩酸、燐酸、硝酸等の鉱酸にピリジン、キノリン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、トリメチレンジアミン等の塩基を加えた塩が挙げられる。これら酸触媒を必要に応じて単独でまたは混合して使用することができる。
【0056】
また、必要に応じて上記酸触媒と塩基触媒を併用しても構わない。
これら触媒は、ポリイミドまたはポリアミド酸の製造に用いられる原料の全ジアミン成分中100モル%に対し、0〜500モル%、さらに好ましくは0〜400モル%使用されることが好ましい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物に含まれるポリイミドの製造においては、重合温度や重合時間は、使用する溶媒及び触媒の有無または種類によって異なるが、一般には25℃から250℃、1時間から24時間で充分である。 本発明に係るポリアミド酸の製造においては、重合温度や重合時間は、使用する溶媒及び触媒の有無または種類によって異なるが、一般には0℃から100℃、1時間から24時間で充分である。 以上のような方法で得られたポリイミドまたはポリアミド酸は、溶液のまま次の樹脂組成物製造の工程に用いても構わない。またこのポリイミド溶液を、例えば水、メタノール、エタノール等の貧溶剤に注いで重合体を析出させ、濾過収集、洗浄、乾燥して固体として回収し、次の樹脂組成物製造の工程で使用しても構わない。
【0057】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、含有するポリイミド又はポリアミド酸が汎用の有機溶剤に対し極めて高い溶解性を示すことから、汎用の有機溶剤に容易に溶解する。
【0058】
ここで用いられる汎用の有機溶剤としては限定されるわけではないが、例えば、
(a) フェノール系溶媒である、
フェノール、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール。
【0059】
(b) 非プロトン性アミド系溶媒である、
、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、ヘキサメチルホスホロトリアミド。
【0060】
(c) エーテル系溶媒である、
1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン、テトラヒドロフラン、ビス[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]エーテル、1,4−ジオキサン。
【0061】
(d) アミン系溶媒である、
ピリジン、キノリン、イソキノリン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、イソホロン、ピペリジン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン。
【0062】
(e) その他の溶媒である、
ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジフェニルエーテル、スルホラン、ジフェニルスルホン、テトラメチル尿素、アニソール、水、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、m−ジクロルベンゼン、p−ジクロルベンゼン、ブロムベンゼン、o−ジブロモベンゼン、m−ジブロモベンゼン、p−ジブロモベンゼン、o−クロルトルエン、m−クロルトルエン、p−クロルトルエン、o−ブロモトルエン、m−ブロモトルエン、p−ブロモトルエン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、フルオロベンゼン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、
等が挙げられる。これらの溶媒は、単独または2種以上混合して用いても差し支えない。
【0063】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、どのように製造されたものであっても構わないが、例えば、上記溶剤に、ポリイミド又はポリアミド酸100重量部、及びシランカップリング剤0〜5重量部、好ましくは0.01重量部〜3重量部を溶解させて得ることができる。
【0064】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物製造にあたり、必要に応じ、さらにテフロンフィルター等の濾過膜で濾過したり減圧下で脱気する工程を加えても構わない。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、その組成成分としてポリイミド又はポリアミド酸及びシランカップリング剤に加えて、目的に応じて他のいかなる成分、例えば、増感剤、光重合開始剤、レベリング剤、カップリング剤、モノマー、オリゴマー、安定剤、湿潤剤、顔料、染料等を含有しても構わない。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物に含まれるシランカップリング剤は、特に限定されない。従って公知のシランカップリング剤を用いて構わないが、好ましい例として例えば次式(IV)
【0065】
【化12】
【0066】
で表される化合物群から選ばれたシランカップリング剤は、シリコンウエハや銅箔等の基材への接着強度が著しく向上し好ましい。(式中R7は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R8、及びR9は各々独立して脂肪族置換基、芳香族置換基または水素原子を表す。また、W1は直接結合、-O-、-SO2-、-S-、または-CO-を示す。W2は窒素原子またはCHを表す。)
上記式中R7は炭素数1〜3のアルキル基であれば、どのような置換基でも構わない。
【0067】
上記式中R8、及びR9は各々脂肪族置換基、芳香族置換基または水素原子であれば、特に限定されない。脂肪族置換基、芳香族置換基の場合、置換基内に例えばカルボニル基やエステル基、水酸基、カルボキシル基等の官能基を含んでも構わない。脂肪族置換基の場合、直鎖状基、分岐状基、及び脂環式基のいずれでも構わない。
【0068】
W1は直接結合、-O-、-SO2-、-S-、または-CO-のいずれかであれば特に限定されない。
W2は窒素原子またはCHのいずれかであれば特に限定されない。
上記の化合物群から選ばれたシランカップリング剤の例として、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-アニリノプロピルトリメトキシシラン、トリエトキシシリルプロピルエチルカルバメート、N− [3−(トリエトキシシリル)プロピル]フタルアミック酸、N−オクタデシル−[N'−(トリエトキシシリル)プロピル]ウレア、メタクリルアミドプロピルトリエトキシシラン、トリエトキシシリルプロピルマレアミック酸等が挙げられる。
【0069】
本発明に係るネガ型感光性樹脂組成物は、耐熱性、機械特性、接着特性に優れ、加えて高い溶剤溶解性や低誘電性、または高感度・高解像度の感光性を有することから、半導体素子、薄膜デバイス等の層間絶縁膜や表面保護膜をはじめ、フォトレジストとしてエレクトロニクス、塗料、印刷インキ、印刷刷版、接着剤等の領域で広く使用することが可能である。
【0070】
本発明のフォトレジスト及び該フォトレジストから得られる絶縁膜は、(a)上記一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリイミド、および/または上記一般式(III)で表される繰り返し単位を有するポリアミド酸、及び(b)シランカップリング剤を組成成分として有する。
上記のフォトレジストとは、露光により耐薬品性特に不溶性の硬膜をつくる物質を意味する。
【0071】
本発明の樹脂組成物を含有してなるフォトレジスト及び該フォトレジストから得られる絶縁膜は、その組成成分として本発明に係るポリイミド又はポリアミド酸、及びシランカップリング剤に加えて、目的に応じて他のいかなる成分、例えば、増感剤、光重合開始剤、モノマー、オリゴマー、安定剤、湿潤剤、流動剤、顔料、染料、接着促進剤等を含有しても構わない。
【0072】
本発明における絶縁膜の製造方法は、従来公知のいかなるフィルム化方法にも適応することができる。例えば、本発明の、ポリアミド酸を含むネガ型感光性樹脂組成物の溶液を所望の支持基材上に塗布した後、加熱してイミド化する手法を用いてもよい。あるいは本発明の、ポリイミドを含むネガ型感光性樹脂組成物を直接加熱・加圧することによりフィルム状にする手法が可能である。また、本発明の、ポリイミドを含むネガ型感光性樹脂組成物を汎用の有機溶剤に溶解した後、基材上に塗布して、脱溶媒することによりフィルム化することも可能である。必要に応じ、得られたフィルムに光を照射して光硬化させることにより、耐溶剤性の高い絶縁膜を得ることができる。照射する光の波長は特に限定されないが、150nm〜500nmの紫外線及び/または近紫外―可視光線を照射するが、特に365nmの波長を中心とする波長領域が、高い効果が得られ望ましい。本発明の絶縁膜の製造に用いる支持基材は例えばシリコンウエハ、銅基材、アルミ基材、ガラス基材、石英基材等が挙げられる。
【0073】
本発明の絶縁膜の製造方法は、上記ネガ型感光性樹脂組成物を支持基材上に塗布し乾燥する工程、露光する工程、現像する工程及び加熱処理する工程からなることを特徴とする。
【0074】
本発明のネガ型感光性樹脂組成物の塗布の際には、適当な支持体、例えばシリコンウエハ、銅基材、アルミ基材、ガラス基材、石英基材等の上に塗布する。塗布する量は半導体製造装置の場合、硬化後の最終膜厚が0.1μm〜30μmとなるよう塗布する。塗布の後、50℃〜250℃でプリベークして膜を乾燥する。露光の工程においては150〜500nmの紫外線及び/または近紫外―可視光線を照射するが、特に365nmの波長を中心とする波長領域が、高い効果が得られ望ましい。露光工程において、所望の形状のフォトマスクパターンを用いることができる。未照射部を現像液で溶解除去することでレリーフパターン状の絶縁膜を得る。現像液としては、例えばシクロペンタノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。現像によって形成した絶縁膜はリンスしても構わない。最後に加熱処理を行い、溶剤を除去する。加熱処理時の温度は、特に限定されないが、25℃〜300℃、より好ましくは40℃〜300℃で処理することが好ましい。ポリアミド酸を含むネガ型感光性樹脂組成物を用いた場合、イミド化の目的から、100℃〜300℃程度の加熱処理を行ってもよい。以上の工程を経て耐熱性に優れた絶縁膜を得ることができる。
【0075】
本発明の絶縁膜の好ましい製造方法は、基材上にシランカップリング剤、更に好ましくは次式(IV)
【0076】
【化13】
【0077】
で表される化合物群から選ばれたシランカップリング剤を塗布する工程、上記ネガ型感光性樹脂組成物を支持基材上に塗布し乾燥する工程、露光する工程、現像する工程及び加熱処理する工程からなる。式中R7〜R9、W1及びW2は前記と同様の意味を表す。シランカップリング剤を塗布する工程において使用できるシランカップリング剤については例えば、上記の、本発明のネガ型感光性樹脂組成物の製造に用いることのできるシランカップリング剤を用いることができる。シランカップリング剤を塗布する際、シランカップリング剤をそのまま塗布してもよいし、適当な有機溶剤、例えばメタノール、エタノール、またはイソプロピルアルコール等に希釈して塗布してもよい。塗布方法は、スピンコーターを用いた塗布、スプレーコーターを用いた塗布、バーコーターを用いた塗布、噴霧、浸漬、印刷等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
【0078】
該ネガ型感光性樹脂組成物を支持基材上に塗布し乾燥する工程、露光する工程、現像する工程及び加熱処理する工程については、上記の絶縁膜の製造方法と同様の方法で行うのが好ましい。
【0079】
本発明の絶縁膜は基材との接着強度が極めて高い。従って、本発明の絶縁膜を例えば半導体素子の表面保護膜や層間絶縁膜に用いた場合、パッケージ用封止樹脂との界面での剥離や、半導体パッケージへのクラック発生、半導体の電気不良等を抑えることができ、半導体の信頼性が著しく向上する。本発明の絶縁膜は、表面保護膜や層間絶縁膜として高集積半導体装置、高集積多層配線基板等の用途に極めて有用である。
【0080】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより何等制限されるものではない。
〔評価方法〕
実施例中の各種試験の試験方法は次に示すとおりである。
【0081】
(イ) ポリイミド粉及びポリアミド酸ワニスの対数粘度
ポリイミド粉0.50g若しくはポリアミド酸ワニス(20wt%)2.50gをN−メチル−2−ピロリドン100mlに溶解した後、35℃において測定。
【0082】
(ロ) 5%重量減少温度
空気中にてDTA−TG(マック・サイエンス社製TG−DTA2000)を用い、昇温速度10℃/minで測定。
【0083】
(ハ) ガラス転移温度・結晶融解温度
示差走査熱量測定(DSC、マック・サイエンス社製DSC3100)により昇温速度10℃/minで測定。
【0084】
(ニ) 溶剤溶解性試験
ポリイミド粉を各溶剤に20wt%になるように装入し、室温下で撹拌して、溶解状態を目視で確認した。
【0085】
(ホ)誘電率
誘電率の評価は、JIS−K6911法に準拠した。
【0086】
(へ) フィルムの機械特性
フィルムの機械特性(引張強度、引張伸度及び引張弾性率)の評価は、ASTM−D882に準拠した。
(ト) フィルムの碁盤目密着性試験
フィルムの碁盤目密着性の評価はJIS−K5400法に準拠し、フィルムに2mm幅、25マスの碁盤目状の切り傷をカッターナイフで付け、傷の状態から評価点数をつけた。評価点数は、フィルムのはがれが無く接着強度が十分の場合が10点、はがれが65%以上の接着強度が不十分な場合が0点、その中間の接着強度については、はがれの度合いで段階的に8、6、4点を付す上記JIS−K5400法の評価に従った。
【0087】
〔ポリイミド及びポリアミド酸の合成〕
実施例1
ポリイミドPI−X(95)の合成
窒素導入管、温度計、還流冷却器、及び撹拌装置を備えた5つ口反応器に、5,7−ジアミノ−1,1,4,6−テトラメチルインダン3.8820g(0.019mol)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)―1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン0.2485g(0.001mol)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物6.316g(0.0196mol)、末端封止剤として無水フタル酸0.118g(0.0008mol)、触媒としてp−トルエンスルホン酸1水和物3.8g(0.02mol)及びピリジン1.6g(0.02mol)を秤取した。これにN−メチル−2−ピロリドン50g、トルエン50gを加え窒素雰囲気下で撹拌し、2時間かけて150℃まで昇温した後、150℃で10時間反応させた。反応中生成する水はトルエン共沸により系外に除去した。30℃まで冷却し、得られた粘稠なポリマー溶液を強く撹拌したメタノール2リットル中に排出したところ黄色粉末状の析出物が得られたため、これを濾別した。この析出物はさらにメタノール100mlを用いて洗浄し濾別した。この黄色粉末を50℃4時間の予備乾燥の後、窒素気流下、220℃で4時間乾燥した。得られたポリイミド粉の対数粘度・ガラス転移温度・5%重量減少温度は以下のとおりである。
対数粘度:0.58dl/g
ガラス転移温度:観測されず
5%重量減少温度:413℃
赤外吸収スペクトル:2956cm-1(メチレンC−H伸縮),1730cm-1(イミドC=O伸縮),1682cm-1(共役C=O伸縮),1459cm-1及び1425cm-1(芳香環C−C伸縮)
また、得られたポリイミド粉の溶剤溶解性(20wt%)を調べたところ、クロロホルム、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、m-クレゾール、THF、シクロペンタノン等に可溶であることを確認した。
【0088】
実施例2
ポリイミドPI−X(98)の合成
5,7−ジアミノ−1,1,4,6−テトラメチルインダンの使用量が4.0046g(0.0196mol)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)―1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンの使用量が0.1988g(0.0008mol)である以外は、実施例1と同様の方法により、ポリイミドPI−X(98)を得た。得られたポリイミド粉の対数粘度・ガラス転移温度・5%重量減少温度は以下のとおりである。
【0089】
対数粘度:0.51dl/g
ガラス転移温度:観測されず
5%重量減少温度:417℃
赤外吸収スペクトル:2956cm-1(メチレンC−H伸縮),1730cm-1(イミドC=O伸縮),1682cm-1(共役C=O伸縮),1459cm-1及び1425cm-1(芳香環C−C伸縮)
比較例1
ポリイミドPI−X(100)の合成
5,7−ジアミノ−1,1,4,6−テトラメチルインダンの使用量が4.0863g(0.02mol)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)―1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンの使用量が0g(0mol)である以外は、実施例1と同様の方法により、ポリイミドPI−X(98)を得た。得られたポリイミド粉の対数粘度・ガラス転移温度・5%重量減少温度は以下のとおりである。
対数粘度:0.52dl/g
ガラス転移温度:観測されず
5%重量減少温度:431℃
【0090】
実施例3
ポリアミド酸PAA−X(95)の合成
窒素導入管、温度計、還流冷却器、及び撹拌装置を備えた5つ口反応器に、5,7−ジアミノ−1,1,4,6−テトラメチルインダン3.8820g(0.019mol)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)―1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン0.2485g(0.001mol)及びN−メチル−2−ピロリドン23gを加え室温窒素雰囲気下で撹拌し、30分かけて溶解させた。この反応系内にベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物6.3157g(0.0196mol)を、N−メチル−2−ピロリドン9gにより定量的に加えた。室温窒素雰囲気下で5時間撹拌を続けた後、末端封止剤として無水フタル酸0.118g(0.0008mol)を、N−メチル−2−ピロリドン7gにより定量的に加えた。2.5時間の室温窒素雰囲気下撹拌の後、反応を終えた。
対数粘度:0.38dl/g
【0091】
実施例4
ポリイミドPI−Y(95)の合成
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物6.316g(0.0196mol)の代わりに、2,3,6,7−チオキサントンテトラカルボン酸二無水物0.691g(0.00196mol)、及びベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物5.684g(0.01764mol)を用いる以外は、実施例1と同様の方法により、ポリイミドPI−Y(95)を得た。得られたポリイミド粉の対数粘度・ガラス転移温度・5%重量減少温度は以下のとおりである。
対数粘度:0.62dl/g
ガラス転移温度:観測されず
5%重量減少温度:420℃
また、得られたポリイミド粉の溶剤溶解性(20wt%)を調べたところ、クロロホルム、N,N-ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、m-クレゾール、THF、シクロペンタノン等に可溶であることを確認した。
【0092】
〔ネガ型感光性樹脂組成物の製造〕
実施例5
ポリイミドPI−X(95)を含むネガ型感光性樹脂組成物の製造
実施例1で得られたポリイミド粉10g、及びγ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製シランカップリング剤SH6062)0.05gを、シクロペンタノン40gに溶解させ20wt%溶液とすることで、ネガ型感光性樹脂組成物を得た。
【0093】
実施例6
ポリイミドPI−X(95)を含むネガ型感光性樹脂組成物の製造
γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製シランカップリング剤SH6062)の使用量が0.02gである以外は、実施例5と同様の方法により、ネガ型感光性樹脂組成物を得た。
【0094】
比較例2
ポリイミドPI−X(95)を含むネガ型感光性樹脂組成物の製造
γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製シランカップリング剤SH6062)の使用量が0gである以外は、実施例5と同様の方法により、ネガ型感光性樹脂組成物を得た。
【0095】
実施例7
ポリイミドPI−X(95)を含むネガ型感光性樹脂組成物の製造
γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製シランカップリング剤SH6062)の代わりにγ-アニリノプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製シランカップリング剤SZ6083)を用いる以外は、実施例5と同様の方法により、ネガ型感光性樹脂組成物を得た。
【0096】
実施例8
ポリイミドPI−X(98)を含むネガ型感光性樹脂組成物の製造
ポリイミド粉PI−X(95)の代わりに、実施例2で得られたポリイミド粉PI−X(98)を用いる以外は、実施例5と同様の方法により、ネガ型感光性樹脂組成物を得た。
【0097】
比較例3
ポリイミドPI−X(100)を含むネガ型感光性樹脂組成物の製造
比較例1で得られたポリイミド粉PI−X(100)10gをシクロペンタノン40gに溶解させ20wt%溶液とすることで、ネガ型感光性樹脂組成物を得た。
【0098】
実施例9
ポリアミド酸PAA−X(95)を含むネガ型感光性樹脂組成物の製造
実施例3で得られたポリアミド酸ワニス50gに、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製シランカップリング剤SH6062)0.05gを加えることで、ネガ型感光性樹脂組成物を得た。
【0099】
実施例10
ポリイミドPI−X(98)を含むネガ型感光性樹脂組成物の製造
ポリイミド粉PI−X(95)の代わりに、実施例4で得られたポリイミド粉PI−Y(95)を用いる以外は、実施例5と同様の方法により、ネガ型感光性樹脂組成物を得た。
【0100】
〔碁盤目密着性評価〕
実施例11
実施例5で得られたネガ型感光性樹脂組成物を、シリコンウエハ上にスピンコーターで塗布した。この樹脂組成物を窒素流通下、80℃で30分間乾燥し、膜厚7μmのフィルムを得た。このフィルムにフィルムに365nm(i線)を1000mJ/cm2照射した。
得られたフィルムについて碁盤目接着性評価を行ったところ、フィルムのはがれがなく10点であった。
【0101】
実施例12
ネガ型感光性樹脂組成物をシリコンウエハに塗布する前に、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシランをスピンコーターで薄く均一にシリコンウエハに塗布し、乾燥する工程を経る以外は実施例11と同様の方法により、碁盤目接着性評価を行った。フィルムのはがれがなく10点であった。
【0102】
実施例13
実施例5で得られたネガ型感光性樹脂組成物の代わりに、実施例6で得られたネガ型感光性樹脂組成物を用いる以外は実施例11と同様の方法により、碁盤目接着性評価を行った。フィルムの切り傷の交点にわずかにはがれが認められ8点であった。
【0103】
比較例4
実施例5で得られたネガ型感光性樹脂組成物の代わりに、比較例2で得られたネガ型感光性樹脂組成物を用いる以外は実施例11と同様の方法により、碁盤目接着性評価を行った。フィルムのはがれが約50%程度認められ2点であった。
【0104】
実施例14
実施例5で得られたネガ型感光性樹脂組成物の代わりに、実施例7で得られたネガ型感光性樹脂組成物を用いる以外は実施例11と同様の方法により、碁盤目接着性評価を行った。フィルムの切り傷の交点にわずかにはがれが認められ8点であった。
【0105】
実施例15
実施例5で得られたネガ型感光性樹脂組成物の代わりに、実施例8で得られたネガ型感光性樹脂組成物を用いる以外は実施例11と同様の方法により、碁盤目接着性評価を行った。フィルムの切り傷の交点にわずかにはがれが認められ8点であった。
【0106】
比較例5
実施例5で得られたネガ型感光性樹脂組成物の代わりに、比較例3で得られたネガ型感光性樹脂組成物を用いる以外は実施例11と同様の方法により、碁盤目接着性評価を行った。フィルムのはがれが約50%程度認められ2点であった。
【0107】
比較例6
実施例5で得られたネガ型感光性樹脂組成物の代わりに、比較例3で得られたネガ型感光性樹脂組成物を用いる以外は実施例12と同様の方法により、碁盤目接着性評価を行った。フィルムのはがれが約10%程度認められ6点であった。
【0108】
実施例16
実施例5で得られたネガ型感光性樹脂組成物の代わりに、実施例9で得られたネガ型感光性樹脂組成物を用いる以外は実施例11と同様の方法により、碁盤目接着性評価を行った。フィルムのはがれがなく10点であった。
【0109】
実施例17
実施例5で得られたネガ型感光性樹脂組成物の代わりに、実施例10で得られたネガ型感光性樹脂組成物を用いる以外は実施例11と同様の方法により、碁盤目接着性評価を行った。フィルムのはがれがなく10点であった。
【0110】
〔ネガ型感光性樹脂組成物の絶縁膜の製造および感光性評価〕
実施例18
実施例5で得られたネガ型感光性樹脂組成物をシリコンウエハ上にスピンコーターにより塗布した。これを窒素気流下80℃で20分間乾燥した。この時の塗布膜厚は10μmであった。このポリイミドフィルムにフォトマスキングを施し、365nm(i線)を550mJ/cm2照射した。現像液にシクロペンタノンを用いて現像し、メタノールでリンスの後50℃で30分間乾燥したところ、5μmのL/Sパターン状の絶縁膜の形成が確認された。また、ここで用いたネガ型感光性樹脂組成物の感度D1/2(露光及び現像後の膜厚が、露光前の50%になる露光量)を求めたところ、22mJ/cm2であった。
【0111】
実施例19
実施例5で得られたネガ型感光性樹脂組成物の代わりに実施例10で得られたネガ型感光性樹脂組成物を用いる以外は実施例18と同様の方法により、5μmのL/Sパターン状の絶縁膜が得られた。また、ここで用いたネガ型感光性樹脂組成物の感度D1/2は、20mJ/cm2であった。
以上の実施例を表1にまとめた。
【表1】
Claims (10)
- (a)一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリイミド100重量部、及び(b)シランカップリング剤0.01〜5重量部を含有することを特徴とするネガ型感光性樹脂組成物。
- 前記一般式(I)のR 1 とR 2 の何れもがメチル基であり、これらメチル基が1,1−ジメチルインダン骨格上の4位及び6位に結合したものであることを特徴とする請求項1記載のネガ型感光性樹脂組成物。
- 前記一般式(III)のR 1 とR 2 の何れもがメチル基であり、これらメチル基が1,1−ジメチルインダン骨格上の4位及び6位に結合したものであることを特徴とする請求項3記載のネガ型感光性樹脂組成物。
- 請求項1乃至5いずれかに記載のネガ型感光性樹脂組成物を含むフォトレジスト。
- 請求項1乃至5いずれかに記載のネガ型感光性樹脂組成物を用いることを特徴とする絶縁膜。
- 請求項1乃至5いずれかに記載のネガ型感光性樹脂組成物を基材に塗布する工程、乾燥する工程、露光する工程、現像する工程、及び加熱処理する工程を含むことを特徴とする、請求項7に記載の絶縁膜の製造方法。
- 基材上に、シランカップリング剤を塗布する工程、請求項1乃至5いずれかに記載のネガ型感光性樹脂組成物を基材に塗布する工程、乾燥する工程、露光する工程、現像する工程、及び加熱処理する工程を含むことを特徴とする請求項7に記載の絶縁膜の製造方法。
- 基材上に、前式(IV)で表される化合物群から選ばれるシランカップリング剤を塗布することを特徴とする請求項9に記載の絶縁膜の製造方法。
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