JP4565769B2 - ポリイミドおよびポリアミド酸 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なポリイミド及びポリアミド酸に関する。より詳細には、耐熱性、機械特性、接着特性に優れ、加えて高い溶剤溶解性や低誘電性、又は高感度・高解像度の感光性を発現する新規なポリイミド及びポリアミド酸に関する。このポリイミド及びポリアミド酸は、フォトレジストの用途に非常に有用であり、また、絶縁膜、特に高集積半導体装置や高集積多層配線基板の表面保護膜や層間絶縁膜に用いる絶縁膜として非常に有用である。
【0002】
【従来の技術】
従来から、テトラカルボン酸二無水物とジアミンの反応によって得られるポリイミドは、その高耐熱性に加え、力学的強度、寸法安定性が優れ、難燃性、電気絶縁性などを併せ持つために、電気電子機器、宇宙航空用機器、輸送機器などの分野で使用されており、今後も耐熱性が要求される分野に広く用いられることが期待されている。また、近年のコンピューター等に代表される電気電子機器の目覚ましい伸張による要請から、ポリイミドはその優れた耐熱性、電気特性、機械強度により高集積半導体素子の表面保護膜、封止材料、多層配線の層間絶縁膜、プリント配線のフィルム状基材及び太陽電池の保護膜など多方面の高機能材料として期待されてきている。特に半導体工業における固体素子の絶縁層や保護層には、ポリイミド樹脂が優れた耐熱性と機械特性を有することに加えて、平坦化能や加工性、低誘電性、また感光性を付与しパターン形成能を持たせられる特徴からも優位性を示している。
【0003】
本発明における感光性を有するポリイミドに対し、相当する従来の技術としては、日本国特許2125907号や、日本国特許1976781号が挙げられる。これらは、Pfeifer らの論文(Pfeifer,J.and Rohde,O.,Polyimides:Synthesis,Characterization,and Application,Proc.2nd. Intl.Conf.Polyimides,130〜頁,(1985年))等によって示されるように、骨格内のベンゾフェノン構造とアルキル基間の光架橋反応による硬化機構(以後、本機構と略す)を有するネガ型感光性ポリイミドである。
【0004】
この従来技術には、具体的に4,4'-ジアミノ−3,3',5,5'−テトラメチルジフェニルメタンや、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−フェニレンジアミン等、種々のジアミンと、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物とのポリイミドが開示されている。これらの感光性ポリイミドは、分子内のアルキル基含有量が増加することにより感光感度が高くなる傾向を示す(POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE,MID-NOVEMBER 1992,Vol.32,No.21,1623-)。この従来技術にも、分子内アルキル基含有量が多く感度が高い感光性ポリイミドが示されているが、感度を高くしようとする程、アルキル基含有量の多いジアミン単位を設計しなければならず、製造コストが高くならざるを得ないのが現状であった。
【0005】
また、日本国特許2125907号の特許請求の範囲には、ジアミン単位としてジアミノインダンを用いるポリイミドを包含する記載が有る。これは、本発明のポリイミドの構造(ジアミン単位として1,1−ジメチルジアミノインダン類を用いるポリイミド)に類似する。しかしながら、このジアミノインダンは、一貫して具体的に製造方法が示された文献が無い。製造ルートとしては、原料としてまずインデンを製造し、これをニトロ化、及び還元をしてアミノ基を導入し、また米国特許3875228号等に示される技術により芳香環の還元を行い、更には、特開平9−504794号の製造例に示されるように、2つ目のアミノ基を導入するべく、アミノ基の保護、ニトロ化、脱保護、還元の操作を加えるといった方法が考えられる。このように、ジアミノインダンの製造は、種々の技術を組み合わせ多くの工程を経なければならず、容易でないことが推察される。
【0006】
また、山下らは、本機構での光架橋反応において、分子内の立体配座を制御することで、得られたポリイミドの感光感度が向上する可能性を示唆していた(山下俊、「ポリイミド最近の進歩」、1992年,29〜頁、1993年)。これは、分子内メチル基含有量を増加させる方法以外に感度を向上させる可能性が有ること、即ち、アルキル基導入のコストを抑えて高感度の感光性ポリイミドを製造できる可能性が有ることを示唆するものであるが、前記従来技術に示される本機構での感光性ポリイミドにおいては、立体配座的に感光感度を最大限に高めて低コストでの製造を実現することは出来ていなかった。
【0007】
総じて、本機構による高感度・高解像度の感光性ポリイミドを、安価に供給することについては満足できるものではなく、この安価で高感度・高解像度のネガ型感光性ポリイミドの開発が求められてきていた。
【0008】
一方、特公平7−116112号により、ジアミノインダン誘導体がその製造方法とともに報告されている。このジアミノインダン誘導体は、イソシアナート、エポキシ樹脂、ビスマレイミド等の原料やイソシアナート類の硬化剤、種々の樹脂・ゴムの改質剤に用いられることは報告されていた。しかしながら、このジアミノインダン誘導体がポリイミド用のモノマーとして有用であり、得られる種々のポリイミドが、優れた感光性を有することや、顕著に高い溶剤溶解性を示すことは、これまで全く知られていなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、耐熱性、機械特性、接着特性に優れ、加えて高い溶剤溶解性や低誘電性、又は高感度・高解像度の感光性を発現する新規なポリイミド及びポリアミド酸であって、例えばフォトレジストや絶縁膜などの用途に有用なポリイミド及びポリアミド酸を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討を進めた結果、繰り返し構造に1,1−ジメチルインダン骨格を有する新規なポリイミド及び新規なポリアミド酸を合成し、このポリイミド及びポリアミド酸が、優れた感光性を有することや、低誘電性や顕著に高い溶剤溶解性を示すことを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち本発明は、下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリイミドである。
【0012】
【化12】
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1〜20のアルキル基を表し、Zは、縮合多環式芳香族基又は次式
【0013】
【化13】
からなる群より選ばれた少なくとも1種の基である。ただし、Xは-CO-又は-C(=N2)-を示し、Yは直接結合、-CH2-、-O-、-SO2-、-S-、-CO-又は-C(=N2)-を示し、Wは直接結合、-CH2-、-C(CH3)2-、-C(CF3)2-、-S-、-SO-、-SO2-又は-O-を示す。bは0又は1の整数を示し、m及びnは各々独立して0又は1の整数を示し、rは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基、若しくは、ハロゲン基又はフェニル基を示し、aは0又は1〜3の整数を示す。)
さらに本発明は、下記一般式(II)で表されるジアミノインダン誘導体と、下記一般式(III)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物を単量体として使用することを特徴とする、前記一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリイミドの製造方法である。
【0014】
【化14】
さらに本発明は、下記一般式(IV)で表される繰り返し単位を有するポリアミド酸である。
【0015】
【化15】
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1〜20のアルキル基を表し、Zは、縮合多環式芳香族基又は次式
【0016】
【化16】
からなる群より選ばれた少なくとも1種の基である。ただし、Xは-CO-又は-C(=N2)-を示し、Yは直接結合、-CH2-、-O-、-SO2-、-S-、-CO-又は-C(=N2)-を示し、Wは直接結合、-CH2-、-C(CH3)2-、-C(CF3)2-、-S-、-SO-、-SO2-又は-O-を示す。bは0又は1の整数を示し、m及びnは各々独立して0又は1の整数を示し、rは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基、若しくは、ハロゲン基又はフェニル基を示し、aは0又は1〜3の整数を示す。)
さらに本発明は、前記一般式(II)で表されるジアミノインダン誘導体と、前記一般式(III)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物を単量体として使用することを特徴とする、前記一般式(IV)で表される繰り返し単位を有するポリアミド酸の製造方法である。
【0017】
さらに本発明は、理論計算に基づいて最適安定化構造を算出したとき、分子中に含まれる繰返し単位構造において、二面角αの絶対値|α|が82°以上98°以下の範囲(但し上記αは、4つの隣接する原子C(イミドのカルボニル炭素)-N(イミドの窒素)-C-Cの成す二面角とし、−180°以上180°以下の範囲で定義する。)にあることを特徴とするポリイミドである。
【0018】
【発明の実施の形態】
一般式(I)及び(IV)中のR1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1〜20のアルキル基である。このうち、炭素原子数1〜20のアルキル基が好ましく、炭素原子数1〜10のアルキル基がより好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基が特に好ましい。具体的には、メチル基、イソプロピル基等が好ましい。R1及びR2の1,1−ジメチルインダン骨格上における部位は、特に限定されない。ただし、特に、一般式(I)において、R1とR2の双方が1,1−ジメチルインダン骨格上の4位、5位若しくは6位の何れかに結合したポリイミドは、高い溶剤溶解性を有することから好ましい。
【0019】
さらに、一般式(I)において、R1及びR2の双方が1,1−ジメチルインダン骨格上の4位、5位若しくは6位の何れかに結合し、Zがベンゾフェノン構造のポリイミドは、高い溶剤溶解性を有し、高感度の感光性が得られることから好ましい。
【0020】
さらに、一般式(I)において、R1及びR2が何れもメチル基であり、これらメチル基が1,1−ジメチルインダン骨格上の4位及び6位に結合し、Zがベンゾフェノン構造のポリイミド、すなわち下記式(V)で表される繰り返し単位構造を有するポリイミドは、高い溶剤溶解性を有し、高感度の感光性が得られるので好ましい。
【0021】
【化17】
一般式(I)及び(IV)中のZの定義における式中のXは、-CO-又は-C(=N2)-であり、Yは、直接結合、-CH2-、-O-、-SO2-、-S-、-CO-又は-C(=N2)-であり、これらに該当する基であれば、それ以外は特に限定されない。
【0022】
さらに、一般式(I)において、R1及びR2の双方が1,1−ジメチルインダン骨格上の4位、5位若しくは6位の何れかに結合し、同時にXが-CO-又はC(=N2)-であるポリイミドは、高い溶剤溶解性を有し、高感度の感光性が得られ好ましい。
【0023】
さらに一般式(I)において、R1及びR2の双方が1,1−ジメチルインダン骨格上の4位、5位若しくは6位の何れかに結合し、同時に一般式(I)中のXが-CO-又はC(=N2)-であり、Yが-CO-又はC(=N2)-又はS−であるポリイミドは、高い溶剤溶解性を有し、高感度の感光性が得られ好ましい。
【0024】
また特に、一般式(I)において、R1及びR2が何れもメチル基であり、これらメチル基が1,1−ジメチルインダン骨格上の4位及び6位に結合し、Zが2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物から生成する構造のポリイミド、すなわち下記式(VI)で表される繰り返し単位構造を有するポリイミドは、高い溶剤溶解性を示し、低誘電性であることから好ましい。
【0025】
【化18】
先述の山下らの文献に示されるとおり(山下俊、「ポリイミド最近の進歩」、1992年、29〜頁(1993年))、骨格内のベンゾフェノン構造とアルキル基間の光架橋反応による硬化機構を示す感光性ポリイミドにおいては、分子内電荷移動は光架橋反応の失活につながる。従って、感光性ポリイミドの高感度化を図る上で、この分子内電荷移動を抑えることは極めて重要である。
【0026】
そして本発明者らは、上述の分子内電荷移動を抑える為には、イミド環の平面とイミド環の窒素原子に結合する芳香環の平面とが成す角度が、特定範囲[直角(90゜)近傍]になるように分子設計したポリイミドが非常に優れた効果を奏することを見出した。すなわち、本発明のポリイミドは、理論計算に基づいて最適安定化構造を算出したとき、イミド環の平面とイミド環の窒素原子に結合する芳香環の平面とが成す角度(以後、二面角と略す)αの絶対値|α|が82゜以上98゜以下の範囲にあることを特徴とする。ポリイミドの分子内電荷移動を抑制する手法の一つとして、ジアミンに嵩高い置換基を導入してイミドのC−N結合の立体配座を制御する方法が挙げられる。そして、前記一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリイミドは、そのような二面角の絶対値|α|を満たすものとして非常に好適なポリマーであり、ジアミンに嵩高い置換基を導入して、二面角の大きな立体構造に制御することにより分子内電荷移動を抑制し、感光性能の高感度化を達成しているのである。
【0027】
理論計算の方法は、例えば、量子力学法や分子力学法を挙げることができる。
量子力学法の例としては、AM1やPM3、拡張Huckel、MINDO/3、MNDO、MNDO−dをはじめとする半経験的計算法、及び ab initio 法を挙げることができる。また、分子力学法の例としては、MM2が挙げられる。
また、計算の効率化等の目的から、2つ以上の計算方法を併用しても構わない。
具体的には、例えば分子モデルを分子力学法により最適化した構造についてさらに量子力学法を用いて最適化しても構わない。例えば、後述する実施例で用いたような分子モデルを作製する方法は有効である。
【0028】
ここで二面角とは、4個の原子の並びが形成する2つの平面の成す角度のことである。これら4個の原子のうち、第2及び第3原子をZ軸上に配置し、さらに第1原子をZ―X平面上に配置した時、第1、第2及び第4の原子をX−Y平面に投影し、その角度を測定することで得られる。二面角の符号の付け方は、本発明では限定されない。
【0029】
本発明のポリイミドは、上記二面角αの絶対値|α|が82°以上98°以下の範囲にあれば、化学構造は全く限定されない。さらに二面角αの絶対値|α|は、84°以上96°以下であることが好ましく、85°以上95°以下であることがより好ましく、89°以上91°以下であることが特に好ましい。
【0030】
本発明のポリイミドの対数粘度は、特に限定されるものではないが、0.1〜2.0が一般的であり、0.2〜1.9が好ましく、0.3〜1.8がより好ましく、0.4〜1.7が特に好ましく、0.5〜1.6が最適である。ポリイミドの対数粘度が低すぎると、一般に、加工後の製品の強度や靱性が低下して好ましくない。ポリイミドの対数粘度が高すぎると、一般に、製品化における加工性が悪化し好ましくない。ポリイミドの対数粘度の評価方法は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリイミド粉0.50gをN−メチル−2−ピロリドン100mlに溶解した後、35℃において測定することができる。
【0031】
本発明のポリイミドは、一般式(I)で表される構造の繰返し単位成分以外に、各種ジアミン及びテトラカルボン酸二無水物を、各種物性、例えば耐熱性、吸湿性、熱膨張係数、誘電率、屈折率又は複屈折率等を制御することを目的に、必要に応じて共重合させて得たものであってもよい。
【0032】
本発明のポリイミドは、いかなる方法で製造されたものであっても構わない。
ただし、本発明のポリイミドの製造方法は、前記一般式(II)で表されるジアミノインダン誘導体と前記一般式(III)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物を単量体として使用することを特徴とする。
【0033】
一般式(II)で表されるジアミノインダン誘導体は、特に限定されず、例えば、5,7−ジアミノ−1,1−ジメチルインダン、4,7−ジアミノ−1,1−ジメチルインダン、5,7−ジアミノ−1,1,4−トリメチルインダン、5,7−ジアミノ−1,1,6−トリメチルインダン、5,7−ジアミノ−1,1−ジメチル−4−エチルインダン、5,7−ジアミノ−1,1−ジメチル−6−エチルインダン、5,7−ジアミノ−1,1−ジメチル−4−イソプロピルインダン、5,7−ジアミノ−1,1−ジメチル−6−イソプロピルインダン、5,7−ジアミノ−1,1−ジメチル−4−n−プロピルインダン、5,7−ジアミノ−1,1−ジメチル−6−n−プロピルインダン、5,7−ジアミノ−1,1−ジメチル−4−sec−ブチルインダン、5,7−ジアミノ−1,1−ジメチル−6−sec−ブチルインダン、5,7−ジアミノ−1,1−ジメチル−4−n−ブチルインダン、5,7−ジアミノ−1,1−ジメチル−6−n−ブチルインダン、5,7−ジアミノ−1,1−ジメチル−4−tert−ブチルインダン、5,7−ジアミノ−1,1−ジメチル−6−tert−ブチルインダン、5,7−ジアミノ−1,1,4,6−テトラメチルインダン、6,7−ジアミノ−1,1,4,5−テトラメチルインダン、4,7−ジアミノ−1,1,5,6−テトラメチルインダン、5,7−ジアミノ−1,1−ジメチル−4,6−ジエチルインダン、5,7−ジアミノ−1,1−ジメチル−4,6−ジイソプロピルインダン、5,7−ジアミノ−1,1,4−トリメチル−6−tert−ブチルインダン等が挙げられる。これらのジアミノインダン誘導体は必要に応じて単独で乃至は混合して使用することができる。
【0034】
一般式(II)で表されるジアミノインダン誘導体を製造する方法は、特開昭64−50848号等に記載されている。すなわち、ベンゼン誘導体とイソプレンとの反応からインダン誘導体を合成し、これをニトロ化・還元してジアミノインダン誘導体を安価に製造することが可能である。
【0035】
一般式(III)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物は、特に限定されず、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルフィド二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、4,4'−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ビフェニル二無水物、2,2−ビス[(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルフィド二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,3−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシベンゾイル)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシベンゾイル)ベンゼン二無水物、1,3−ビス(2,3−ジカルボキシベンゾイル)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(2,3−ジカルボキシベンゾイル)ベンゼン二無水物、4,4'−イソフタロイルジフタリックアンハイドライド、ジアゾジフェニルメタン−3,3',4,4'−テトラカルボン酸二無水物、ジアゾジフェニルメタン−2,2',3,3'−テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−チオキサントンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラキノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−キサントンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらの芳香族テトラカルボン酸二無水物は必要に応じて単独で乃至は混合して使用することができる。
【0036】
本発明のポリイミドの製造方法において特に好ましい方法は、一般式(II)のR1及びR2が何れもメチル基であり、これらメチル基が1,1−ジメチルインダン骨格上の4位及び6位に結合したジアミノインダン、すなわち下記式(VII)で表される5,7−ジアミノ−1,1,4,6−テトラメチルインダンと、前記一般式(III)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物としてベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を使用する方法である。
【0037】
【化19】
本発明のポリイミドを製造するにあたり、一般式(II)で表されるジアミノインダン誘導体と一般式(III)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物に加えて、その他の各種ジアミン及びテトラカルボン酸二無水物を単量体として併用して、共重合させることができる。
【0038】
共重合に用いるジアミン成分としては、特に限定されず、例えば以下の化合物が挙げられる。
【0039】
a) ベンゼン環1個を有する、
p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン。
【0040】
b) ベンゼン環2個を有する、
3,3'−ジアミノジフェニルエーテル、3,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、3,3'−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、3,4'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、3,4'−ジアミノベンゾフェノン、3,3'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,4'−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ジ(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1−ジ(3−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ジ(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1−(3−アミノフェニル)−1−(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン。
【0041】
c) ベンゼン環3個を有する、
1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゾニトリル、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ピリジン。
【0042】
d) ベンゼン環4個を有する、
4,4'−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン。
【0043】
e) ベンゼン環5個を有する、
1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン。
【0044】
f) ベンゼン環6個を有する、
4,4'−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4'−ビス[4−(4−アミノーα,αージメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4'−ビス[4−(4−アミノーα,αージメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、4,4'−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ]ジフェニルスルホン。
【0045】
g) 芳香族置換基を有する、
3,3'−ジアミノ−4,4'−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3'−ジアミノ−4,4'−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3'−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,3'−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン。
【0046】
h) スピロビインダン環を有する、
6,6'−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビインダン、6,6'−ビス(4−アミノフェノキシ)−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビインダン。
【0047】
i) シロキサンジアミン類である、
1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(4−アミノブチル)テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノブチル)ポリジメチルシロキサン。
【0048】
j) エチレングリコールジアミン類である、
ビス(アミノメチル)エーテル、ビス(2−アミノエチル)エーテル、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、ビス(2−アミノメトキシ)エチル]エーテル、ビス[2−(2−アミノエトキシ)エチル]エーテル、ビス[2−(3−アミノプロトキシ)エチル]エーテル、1,2−ビス(アミノメトキシ)エタン、1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン、1,2−ビス[2−(アミノメトキシ)エトキシ]エタン、1,2−ビス[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エタン、エチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル。
【0049】
k) メチレンジアミン類である、
エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン。
【0050】
l) 脂環式ジアミン類である、
1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,3−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,4−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロへキシル)メタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン。
【0051】
また、上記ジアミンの芳香環上水素原子の一部若しくは全てをフルオロ基、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、又はトリフルオロメトキシ基で置換したジアミン等も使用することができる。さらに、目的に応じ、架橋点となるエチニル基、ベンゾシクロブテン−4'−イル基、ビニル基、アリル基、シアノ基、イソシアネート基、ニトリロ基、及びイソプロペニル基を、上記ジアミンの芳香環上水素原子の一部若しくは全てに置換基として導入しても使用することができる。さらにまた、目的に応じ、架橋点となるビニレン基、ビニリデン基、及びエチニリデン基を置換基ではなく、主鎖骨格中に組み込むこともできる。また、分岐を導入する目的で、ジアミンの一部をトリアミン類、テトラアミン類と代えてもよい。これらのジアミンは必要に応じて単独で乃至は混合して使用することができる。
【0052】
共重合に用いるテトラカルボン酸二無水物成分としては、前記同様の芳香族テトラカルボン酸二無水物類に加え、エチレンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸二無水物類等が挙げられる。
【0053】
また、芳香族テトラカルボン酸二無水物の芳香環上水素原子の一部若しくは全てをフルオロ基、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、又はトリフルオロメトキシ基で置換した芳香族テトラカルボン酸二無水物も使用することができる。さらに、目的に応じ、架橋点となるエチニル基、ベンゾシクロブテン−4'−イル基、ビニル基、アリル基、シアノ基、イソシアネート基、ニトリロ基、及びイソプロペニル基を、芳香族テトラカルボン酸二無水物の芳香環上水素原子の一部若しくは全てに置換基として導入しても使用することができる。さらにまた、好ましくは成形加工性を損なわない範囲内で、架橋点となるビニレン基、ビニリデン基、及びエチニリデン基を置換基ではなく、主鎖骨格中に組み込むこともできる。また、分岐を導入する目的で、テトラカルボン酸二無水物の一部をヘキサカルボン酸三無水物類、オクタカルボン酸四無水物類と代えてもよい。これらの芳香族テトラカルボン酸二無水物成分は必要に応じて単独で乃至は混合して使用することができる。
【0054】
本発明のポリイミドの製造方法は、溶媒を用いずとも実施可能であるが、有機溶媒中で反応を行うことが特に好ましい方法である。この反応において用いられる溶媒としては、特に限定されないが、例えば、以下の溶媒が挙げられる。
【0055】
(a) フェノール系溶媒である、
フェノール、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール。
【0056】
(b) 非プロトン性アミド系溶媒である、
N,N-ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、ヘキサメチルホスホロトリアミド。
【0057】
(c) エーテル系溶媒である、
1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン、テトラヒドロフラン、ビス[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]エーテル、1,4−ジオキサン。
【0058】
(d) アミン系溶媒である、
ピリジン、キノリン、イソキノリン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、イソホロン、ピペリジン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン。
【0059】
(e) その他の溶媒である、
ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジフェニルエーテル、スルホラン、ジフェニルスルホン、テトラメチル尿素、アニソール、水、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、m−ジクロルベンゼン、p−ジクロルベンゼン、ブロムベンゼン、o−ジブロモベンゼン、m−ジブロモベンゼン、p−ジブロモベンゼン、o−クロルトルエン、m−クロルトルエン、p−クロルトルエン、o−ブロモトルエン、m−ブロモトルエン、p−ブロモトルエン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、フルオロベンゼン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル。
【0060】
これらの溶媒は、単独又は2種以上混合して用いても差し支えない。
【0061】
本発明のポリイミドの製造方法においては、必要に応じて末端封止剤を用いることができる。この末端封止剤は、特に限定されない。代表的なものとしては、モノアミン、ジカルボン酸無水物が挙げられる。
【0062】
モノアミンとしては、例えば、アニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、2,3−キシリジン、2,4−キシリジン、2,5−キシリジン、2,6−キシリジン、3,4−キシリジン、3,5−キシリジン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、p−クロロアニリン、o−ブロモアニリン、m−ブロモアニリン、p−ブロモアニリン、o−ニトロアニリン、m−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、o−アニシジン、m−アニシジン、p−アニシジン、o−フェネチジン、m−フェネチジン、p−フェネチジン、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、o−アミノベンズアルデヒド、m−アミノベンズアルデヒド、p−アミノベンズアルデヒド、o−アミノベンゾニトリル、m−アミノベンゾニトリル、p−アミノベンゾニトリル、2−アミノビフェニル、3−アミノビフェニル、4−アミノビフェニル、2−アミノフェニルフェニルエーテル、3−アミノフェニルフェニルエーテル、4−アミノフェニルフェニルエーテル、2−アミノベンゾフェノン、3−アミノベンゾフェノン、4−アミノベンゾフェノン、2−アミノフェニルフェニルスルフィド、3−アミノフェニルフェニルスルフィド、4−アミノフェニルフェニルスルフィド、2−アミノフェニルフェニルスルホン、3−アミノフェニルフェニルスルホン、4−アミノフェニルフェニルスルホン、α−ナフチルアミン、β−ナフチルアミン、1−アミノ−2−ナフトール、2−アミノ−1−ナフトール、4−アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−2−ナフトール、7−アミノ−2−ナフトール、8−アミノ−1−ナフトール、8−アミノ−2−ナフトール、1−アミノアントラセン、2−アミノアントラセン、9−アミノアントラセン、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、イソブチルアミン、ジイソブチルアミン、ペンチルアミン、ジペンチルアミン、ベンジルアミン、シクロプロピルアミン、シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン等が挙げられる。
【0063】
ジカルボン酸無水物としては、例えば、無水フタル酸、2,3−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、3,4−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルエーテル無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルエーテル無水物、2,3−ビフェニルジカルボン酸無水物、3,4−ビフェニルジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、1,2−ナフタレンジカルボン酸無水物、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,2−アントラセンジカルボン酸無水物、2,3−アントラセンジカルボン酸無水物、1,9−アントラセンジカルボン酸無水物等が挙げられる。
【0064】
これらのモノアミン及びジカルボン酸無水物は、その構造の一部がアミン又はジカルボン酸無水物と反応性を有しない基で置換されても差し支えない。
【0065】
本発明のポリイミドの製造方法においては、触媒を併用することができる。例えば、塩基触媒を共存させて行うこともできる。具体的には、上記(d)項記載の各種アミン系溶媒や、イミダゾール、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン等の有機塩基、水酸化カリウムや水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウムで代表される無機塩基が挙げられる。
【0066】
本発明のポリイミドの製造方法において、重合温度や重合時間は、使用する溶媒及び触媒の有無や種類によって異なるが、一般には25℃から250℃、1時間から24時間で充分である。
【0067】
さらに、本発明のポリイミドを、ポリイミドフィルムとして製造しようとする場合は、後述するポリアミド酸のワニスをガラスプレート上に塗布した後、加熱してイミド化する手法、あるいは直接ポリイミド粉を加熱・加圧することによりフィルム状にする手法が可能である。また、本発明のポリイミドは汎用の有機溶剤に対する可溶性が極めて高いので、ポリイミド粉を有機溶剤に溶解した後、ガラスプレート上に塗布して、脱溶媒することによりフィルム化することも可能である。ここで用いられる汎用の有機溶剤は、特に限定されないが、例えば、ポリイミドの製造方法において使用可能なものとして先に挙げた溶媒(a)〜(e)が挙げられる。
【0068】
本発明のポリアミド酸は、前記一般式(IV)で表される繰り返し単位を有する。特に、一般式(IV)において、R1及びR2の双方が1,1−ジメチルインダン骨格上の4位、5位若しくは6位の何れかに結合したポリアミド酸は、高い溶剤溶解性を有することから好ましい。
【0069】
さらに、一般式(IV)において、R1及びR2が何れもメチル基であり、これらメチル基が1,1−ジメチルインダン骨格上の4位及び6位に結合し、Zがベンゾフェノン構造のポリアミド酸、すなわち下記式(VIII)で表される繰り返し単位構造を有するポリアミド酸は、高い溶剤溶解性を有し、高感度の感光性が得られることから好ましい。
【0070】
【化20】
さらに、一般式(IV)において、R1及びR2の双方が1,1−ジメチルインダン骨格上の4位、5位若しくは6位の何れかに結合し、同時に一般式(IV)中のXが-CO-又はC(=N2)-であるポリアミド酸は、高い溶剤溶解性を有し、高感度の感光性が得られ好ましい。
【0071】
さらに、一般式(IV)において、R1及びR2の双方が1,1−ジメチルインダン骨格上の4位、5位若しくは6位の何れかに結合し、同時に一般式(IV)中のXが-CO-又はC(=N2)-であり、Yが-CO-又はC(=N2)-又はS−であるポリイミドは、高い溶剤溶解性を有し、高感度の感光性が得られ好ましい。
【0072】
本発明のポリアミド酸の対数粘度は、特に限定されるものではないが、0.1〜2.0が一般的であり、0.2〜1.9が好ましく、0.3〜1.8がより好ましく、0.4〜1.7が特に好ましく、0.5〜1.6が最適である。ポリアミド酸の対数粘度が低すぎると、一般に、加工後の製品の強度や靱性が低下して好ましくない。ポリアミド酸の対数粘度が高すぎると、一般に、製品化における加工性が悪化し好ましくない。ポリアミド酸の対数粘度の評価方法は、特に限定されるものではないが、例えばポリアミド酸ワニス(N−メチル−2−ピロリドンを溶媒としたポリアミド酸溶液。濃度は20重量%。)2.50gをN−メチル−2−ピロリドン100mlに溶解した後、35℃において測定することができる。
【0073】
本発明のポリアミド酸は、一般式(IV)で表される構造の繰返し単位成分以外に、各種ジアミン及びテトラカルボン酸二無水物を、各種物性、例えば耐熱性、吸湿性、熱膨張係数、誘電率、屈折率又は複屈折率等を制御することを目的に、必要に応じて共重合させて得たものであってもよい。
【0074】
本発明のポリアミド酸は、いかなる方法で製造されたものであっても構わない。ただし、本発明のポリアミド酸の製造方法は、前記一般式(II)で表されるジアミノインダン誘導体と前記一般式(III)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物を単量体に使用することを特徴とする。一般式(II)で表されるジアミノインダン誘導体の具体例は、先に述べた通りである。
【0075】
さらに、一般式(II)のR1及びR2が何れもメチル基であり、これらメチル基が1,1−ジメチルインダン骨格上の4位及び6位に結合したジアミノインダン、すなわち前記式(VII)で表される5,7−ジアミノ−1,1,4,6−テトラメチルインダンと、前記一般式(III)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物を単量体に使用する方法が好ましい。
【0076】
本発明のポリアミド酸を製造するにあたり、一般式(II)で表されるジアミノインダン誘導体と一般式(III)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物に加えて、その他の各種ジアミン及びテトラカルボン酸二無水物を単量体として併用して、共重合させることができる。
【0077】
共重合に用いるジアミン成分及びテトラカルボン酸二無水物成分としては、特に限定されず、例えば、先に述べたポリイミドの共重合に用いられるジアミン及びテトラカルボン酸二無水物を同様に挙げることができる。また、分岐を導入する目的で、ジアミンの一部をトリアミン類、テトラアミン類と代えたり、テトラカルボン酸二無水物の一部をヘキサカルボン酸三無水物類、オクタカルボン酸四無水物類と代えてもよい。
【0078】
本発明のポリアミド酸の製造方法において、溶媒、末端封止剤、触媒については、先に述べたポリイミドの共重合に用いられるものと同様である。
【0079】
本発明のポリアミド酸の製造方法において、重合温度や重合時間は、使用する溶媒及び触媒の有無や種類によって異なるが、一般には0℃から100℃、1時間から24時間で充分である。
【0080】
本発明の新規な感光性ポリイミド及びポリアミド酸は、耐熱性、機械特性、接着特性に優れ、加えて高い溶剤溶解性や低誘電性、又は高感度・高解像度の感光性を有することから、半導体素子、薄膜デバイス等の層間絶縁膜や表面保護膜をはじめ、フォトレジストとしてエレクトロニクス、塗料、印刷インキ、印刷刷版、接着剤等の領域で広く使用することが可能である。
【0081】
本発明のフォトレジストは、一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリイミド、及び、一般式(IV)で表される繰り返し単位を有するポリアミド酸の、どちらか一方又は両方を組成成分として含有する。ここで、フォトレジストとは、露光により耐薬品性、特に不溶性の硬膜をつくる物質を意味する。
【0082】
本発明のフォトレジストは、その組成成分として、本発明のポリイミド及びポリアミド酸以外にも、その目的に応じて他のいかなる成分、例えば、増感剤、光重合開始剤、モノマー、オリゴマー、安定剤、湿潤剤、流動剤、顔料、染料、接着促進剤等を含有しても構わない。本発明のフォトレジストは、半導体素子、薄膜デバイス等の層間絶縁膜や表面保護膜をはじめ、エレクトロニクス、塗料、印刷インキ、印刷刷版、接着剤等の領域で極めて有用である。
【0083】
本発明の絶縁膜は、本発明のポリイミドのうち、特に一般式(I)中のZが、
【0084】
【化21】
であるポリイミドからなる絶縁膜である。この絶縁膜は、従来公知のいかなるフィルム化方法にも適応することができる。例えば、本発明のポリイミドの前駆体であるポリアミド酸のワニスを所望の基材上に塗布した後、加熱してイミド化する手法、あるいは直接ポリイミド粉を加熱・加圧することによりフィルム状にする手法が可能である。また、本発明のポリイミドを汎用の有機溶剤に溶解した後、基材上に塗布して、脱溶媒することによりフィルム化することも可能である。
【0085】
本発明の多層配線基板は、本発明の絶縁膜を層間絶縁膜として有する配線基板である。この多層配線基板の製造には、従来より公知の方法を適用することができる。具体的には、例えば次の様な方法で製造できる。まず、所定のパターンの導体層を形成した基板上に、本発明のポリイミド又はその前駆体のワニスを塗布し、これをベークして層間絶縁膜となるポリイミド樹脂層を得る。その後、公知の技術であるフォトレジストを用いたパターン化処理を行いポリイミド樹脂層にスルーホールを形成し、この上に更に導体層を形成することにより、スルーホール部で電気的に接続された2層配線基板を製造する。そして、この操作を多数繰り返すことにより多層配線基板を製造することができる。
【0086】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより何等制限されるものではない。実施例中の各種試験は、次に示す方法に従って実施した。
(1) ポリイミド粉及びポリアミド酸ワニスの対数粘度:
ポリイミド粉0.50g若しくはポリアミド酸ワニス(20重量%)2.50gをN−メチル−2−ピロリドン100mlに溶解した後、35℃において測定。
(2) 5%重量減少温度:
空気中にてDTA−TG(マック・サイエンス社製TG−DTA2000)を用い、昇温速度10℃/minで測定。
(3) ガラス転移温度・結晶融解温度:
示差走査熱量測定(DSC、マック・サイエンス社製DSC3100)により昇温速度10℃/minで測定。
(4) 溶剤溶解性試験:
ポリイミド粉を各溶剤に20重量%になるように装入し、室温下で撹拌して、溶解状態を目視で確認した。
(5) 誘電率:
誘電率の評価は、JIS−K6911法に準拠した。
(6) フィルムの機械特性:
フィルムの機械特性(引張強度、引張伸度及び引張弾性率)の評価は、ASTM−D882に準拠した。
【0087】
<合成例>
攪拌器、温度計及び冷却管を装備した反応フラスコに、m−キシレン300g(2.82mol)を装入し、−15℃にて冷却して93%硫酸165g(1.56mol)を滴下装入した。これに、イソプレン68g(1.00mol)とm−キシレン150g(1.41mol)の混合物を、反応温度を−10℃前後に保ち7時間かけて滴下装入し、さらに同温度で1時間攪拌した。反応終了後、硫酸層を静置分液し、有機層に20%食塩水300gを添加し、アンモニア水で中和した。これを70〜80℃に加温し水層を分液した後、過剰のm−キシレンを減圧留去した。得られた残渣を減圧留去して、無色液体の1,1,4,6−テトラメチルインダンを得た。収量120g(収率69%)、bp.105〜106℃(2128Pa)。
【0088】
【0089】
このようにして得られた1,1,4,6−テトラメチルインダン120g(0.688mol)を、あらかじめ−5℃に冷却した比重1.52の硝酸101g(1.5mol)、98%硫酸417g(4.17mol)及び1,2−ジクロロエタン300gの混合溶媒中に、反応温度を−5〜0℃に保ち2時間で滴下装入した。
装入後、さらに同温度で1時間攪拌した。反応終了後、冷却しながら反応液に水400gを装入し、硫酸層を希釈した後、有機層を静置分液した。分液した有機層に水500gを加え、1,2−ジクロロエタンを共沸留去し、析出した結晶を濾過、水洗後、乾燥して淡黄色結晶の5,7−ジニトロ−1,1,4,6−テトラメチルインダンを得た。収量175g(収率96%)mp.91〜93℃。
【0090】
【0091】
得られた5,7-ジニトロ−1,1,4,6−テトラメチルインダン175g(0.662mol)をメタノール500gに溶解し、5%−Pd/C 17.5g(50%含水品)を添加後、水素雰囲気下50〜60℃で84時間攪拌した。反応終了後、濾過し濾液を減圧濃縮した。得られた残渣を減圧蒸留して、淡黄色結晶の5,7−ジアミノ−1,1,4,6−テトラメチルインダンを得た。収量124g(収率92.1%)mp.77〜78.5℃、bp.148〜150℃(399Pa)。
【0092】
【0093】
<実施例1>
窒素導入管、温度計、還流冷却器、及び撹拌装置を備えた5つ口反応器に、5,7−ジアミノ−1,1,4,6−テトラメチルインダン4.1g(0.02mol)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物6.4g(0.02mol)、及び触媒としてγ−ピコリン0.3g(0.003mol)を秤取した。これにm−クレゾール42gを加え窒素雰囲気下で撹拌し、2時間かけて150℃まで昇温した後、150℃で7時間反応させた。反応中生成する水は系外に除去した。30℃まで冷却し、得られた粘稠なポリマー溶液を強く撹拌したメタノール2リットル中に排出したところ黄色粉末状の析出物が得られたため、これを濾別した。この析出物はさらにメタノール30mlを用いて洗浄し濾別した。この黄色粉末を50℃4時間の予備乾燥の後、窒素気流下、220℃で4時間乾燥した。
【0094】
得られたポリイミド粉の対数粘度・ガラス転移温度・5%重量減少温度は以下のとおりである。
対数粘度:0.53dl/g
ガラス転移温度:観測されず
5%重量減少温度:429℃。
【0095】
この黄色粉末は以下の分析により、構造が同定された。
1H−NMR(CDCl3): δ8.3(2H,s),8.3(2H,s),8.1(2H,d,J=7.3Hz),2.9(2H,br),2.1(3H,s),2.0(2H,br),1.9(3H,s),1.2(6H,s)
赤外吸収スペクトル: 2956cm-1(メチレンC−H伸縮),1730cm-1(イミドC=O伸縮),1682cm-1(共役C=O伸縮),1459cm-1及び1425cm-1(芳香環C−C伸縮)。
【0096】
また、得られたポリイミド粉の溶剤溶解性(20重量%)を調べたところ、クロロホルム、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、m−クレゾール、THF(テトラヒドロフラン)、シクロペンタノン等に可溶であることを確認した。
【0097】
図1に、本実施例の新規ポリイミドの1H−NMRスペクトルを示す。ここで横軸は化学シフト、縦軸は強度をとる。また図2に、本実施例の新規ポリイミドの赤外線吸収スペクトルを示す。ここで横軸は波数(単位長あたりの波の数)、縦軸は透過率をとる。
【0098】
<実施例2>
実施例1で得られたポリイミド粉を、シクロペンタノンに溶解させ20重量%溶液とし、銅板上に塗布した。これを窒素気流下50℃、180℃で各4時間乾燥した。この時の塗布膜厚は10μmであった。このポリイミドフィルムにフォトマスキングを施し、365nm(i線)を40mJ/cm2照射した。現像液にN,N−ジメチルホルムアミドを用いてこれを処理し、50℃で30分間乾燥したところ、像の形成が確認された。また、感度(膜厚が50%になる露光量)を求めたところ、22mJ/cm2であった。
【0099】
<実施例3>
窒素導入管、温度計、還流冷却器、及び撹拌装置を備えた5つ口反応器に、5,7−ジアミノ−1,1,4,6−テトラメチルインダン4.086g(0.02mol)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物6.316g(0.0196mol)、末端封止剤として無水フタル酸0.118g(0.0008mol)、触媒としてp−トルエンスルホン酸1水和物3.8g(0.02mol)及びピリジン1.6g(0.02mol)を秤取した。これにN−メチル−2−ピロリドン50g、トルエン50gを加え窒素雰囲気下で撹拌し、2時間かけて150℃まで昇温した後、150℃で10時間反応させた。反応中生成する水はトルエン共沸により系外に除去した。30℃まで冷却し、得られた粘稠なポリマー溶液を強く撹拌したメタノール2リットル中に排出したところ黄色粉末状の析出物が得られたため、これを濾別した。この析出物はさらにメタノール100mlを用いて洗浄し濾別した。この黄色粉末を50℃4時間の予備乾燥の後、窒素気流下、220℃で4時間乾燥した。得られたポリイミド粉の対数粘度・ガラス転移温度・5%重量減少温度は以下のとおりである。
対数粘度:0.53dl/g
ガラス転移温度:観測されず
5%重量減少温度:431℃。
【0100】
この黄色粉末は以下の分析により、構造が同定された。
1H−NMR(CDCl3): δ8.3(2H,s),8.3(2H,s),8.1(2H,d,J=7.3Hz),2.9(2H,br),2.1(3H,s),2.0(2H,br),1.9(3H,s),1.2(6H,s)
赤外吸収スペクトル: 2956cm-1(メチレンC−H伸縮),1730cm-1(イミドC=O伸縮),1682cm-1(共役C=O伸縮),1459cm-1及び1425cm-1(芳香環C−C伸縮)。
【0101】
また、得られたポリイミド粉の溶剤溶解性(20重量%)を調べたところ、クロロホルム、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、m−クレゾール、THF、シクロペンタノン等に可溶であることを確認した。
【0102】
<実施例4>
実施例3で得られたポリイミド粉を使用し、実施例2と同様の方法によってポリイミドフィルムを作製し、露光、現像を行った。その感度は31mJ/cm2であった。
【0103】
<比較例1>
原料として2,3,5,6−テトラメチル−1,4−フェニレンジアミン3.29g(0.02mol)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物6.32g(0.0196mol)を用い、末端封止材として無水フタル酸0.12g(0.0008mol)を反応前と反応後に添加したこと以外は、実施例1と同様の方法によってポリイミド粉8.12gを得た。このポリイミド粉の対数粘度は0.88dl/gであった。得られたポリイミド粉を用いて実施例2と同様の方法によってポリイミドフィルムを作製し、露光、現像を行った。その感度は62mJ/cm2であった。
【0104】
<実施例5>
窒素導入管、温度計、還流冷却器、及び撹拌装置を備えた5つ口反応器に、5,7−ジアミノ−1,1,4,6−テトラメチルインダン4.1g(0.02mol)及びN−メチル−2−ピロリドン15gを加え室温窒素雰囲気下で撹拌し、30分かけて溶解させた。この反応系内にベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物6.3g(0.0195mol)を、N−メチル−2−ピロリドン9gにより定量的に加えた。室温窒素雰囲気下で5時間撹拌を続けた後、末端封止剤として無水フタル酸0.15g(0.0010mol)を、N−メチル−2−ピロリドン7gにより定量的に加えた。2.5時間の室温窒素雰囲気下撹拌の後、反応を終えた。得られたポリアミド酸ワニスの対数粘度は0.26dl/gであった。
【0105】
<実施例6>
実施例5で得られたポリアミド酸ワニスをガラス板上に塗布した。これを窒素気流下30℃で1時間乾燥させてポリアミド酸フィルムを得た。このフィルム4片を、各々N,N-ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、m-クレゾール及び2%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に60秒間浸漬したところ、いずれのフィルムも完全に溶解した。また、このポリアミド酸フィルムを窒素気流下30℃から250℃まで2時間かけて昇温した後、250℃で2時間加熱し、塗布膜厚10μmのポリイミド膜を得た。
【0106】
<実施例7>
窒素導入管、温度計、還流冷却器、及び撹拌装置を備えた5つ口反応器に、5,7−ジアミノ−1,1,4,6−テトラメチルインダン4.086g(0.02mol)、4,4'−イソフタロイルジフタリックアンハイドライド8.36g(0.0196mol)、末端封止剤として無水フタル酸0.118g(0.0004mol)、触媒としてp−トルエンスルホン酸1水和物3.8g(0.02mol)及びピリジン1.6g(0.02mol)を秤取した。これにN−メチル−2−ピロリドン50g、トルエン50gを加え窒素雰囲気下で撹拌し、2時間かけて150℃まで昇温した後、150℃で10時間反応させた。反応中生成する水はトルエン共沸により系外に除去した。30℃まで冷却し、得られた粘稠なポリマー溶液を強く撹拌したメタノール2リットル中に排出したところ黄色粉末状の析出物が得られたため、これを濾別した。この析出物はさらにメタノール100mlを用いて洗浄し濾別した。この黄色粉末を50℃4時間の予備乾燥の後、窒素気流下、220℃で4時間乾燥した。得られたポリイミド粉の対数粘度・ガラス転移温度・5%重量減少温度は以下のとおりである。
対数粘度:0.65dl/g
ガラス転移温度:観測されず
5%重量減少温度:428℃。
【0107】
また、得られたポリイミド粉の溶剤溶解性(20重量%)を調べたところ、クロロホルム、N,N-ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、m-クレゾール、THF、シクロペンタノン等に可溶であることを確認した。
【0108】
<実施例8>
実施例7で得られたポリイミド粉を使用し、現像液としてシクロペンタノンを用いたこと以外は、実施例2と同様の方法によってポリイミドフィルムを作製し、露光、現像を行った。その感度は23mJ/cm2であった。
【0109】
<実施例9>
窒素導入管、温度計、還流冷却器、及び撹拌装置を備えた5つ口反応器に、5,7−ジアミノ−1,1,4,6−テトラメチルインダン4.1g(0.02mol)及びN−メチル−2−ピロリドン15gを加え室温窒素雰囲気下で撹拌し、30分かけて溶解させた。この反応系内に4,4'−イソフタロイルジフタリックアンハイドライド8.36g(0.0196mol)を、N−メチル−2−ピロリドン9gにより定量的に加えた。室温窒素雰囲気下で5時間撹拌を続けた後、末端封止剤として無水フタル酸0.118g(0.0004mol)を、N−メチル−2−ピロリドン7gにより定量的に加えた。2.5時間の室温窒素雰囲気下撹拌の後、反応を終えた。得られたポリアミド酸ワニスの対数粘度は0.37dl/gであった。
【0110】
<実施例10>
実施例9で得られたポリアミド酸ワニスを用いたこと以外は、実施例6と同様の方法によってポリアミド酸フィルムを作製し、各溶剤に浸漬したところ、いずれのフィルムも完全に溶解した。また、実施例6と同様の方法によってポリアミド酸フィルムを加熱して、塗布膜厚10μmのポリイミド膜を得た。
【0111】
<実施例11>
窒素導入管、温度計、還流冷却器、及び撹拌装置を備えた5つ口反応器に、5,7−ジアミノ−1,1,4,6−テトラメチルインダン4.086g(0.02mol)、2,3,6,7−チオキサントンテトラカルボン酸二無水物0.691g(0.00196mol)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物5.684g(0.01764mol)、末端封止剤として無水フタル酸0.118g(0.0004mol)、触媒としてp−トルエンスルホン酸1水和物3.8g(0.02mol)及びピリジン1.6g(0.02mol)を秤取した。これにN−メチル−2−ピロリドン50g、トルエン50gを加え窒素雰囲気下で撹拌し、2時間かけて150℃まで昇温した後、150℃で10時間反応させた。反応中生成する水はトルエン共沸により系外に除去した。30℃まで冷却し、得られた粘稠なポリマー溶液を強く撹拌したメタノール2リットル中に排出したところ黄色粉末状の析出物が得られたため、これを濾別した。この析出物はさらにメタノール100mlを用いて洗浄し濾別した。この黄色粉末を50℃4時間の予備乾燥の後、窒素気流下、220℃で4時間乾燥した。得られたポリイミド粉の対数粘度・ガラス転移温度・5%重量減少温度は以下のとおりである。
対数粘度:0.62dl/g
ガラス転移温度:観測されず
5%重量減少温度:420℃。
【0112】
また、得られたポリイミド粉の溶剤溶解性(20重量%)を調べたところ、クロロホルム、N,N-ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、m-クレゾール、THF、シクロペンタノン等に可溶であることを確認した。
【0113】
<実施例12>
実施例11で得られたポリイミド粉を使用し、現像液としてシクロペンタノンを用いたこと以外は、実施例2と同様の方法によってポリイミドフィルムを作製し、露光、現像を行った。その感度は20mJ/cm2であった。
【0114】
<実施例13>
窒素導入管、温度計、還流冷却器、及び撹拌装置を備えた5つ口反応器に、5,7−ジアミノ−1,1,4,6−テトラメチルインダン4.1g(0.02mol)及びN−メチル−2−ピロリドン15gを加え室温窒素雰囲気下で撹拌し、30分かけて溶解させた。この反応系内に2,3,6,7−チオキサントンテトラカルボン酸二無水物0.691g(0.00196mol)及びベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物5.684g(0.01764mol)を、N−メチル−2−ピロリドン9gにより定量的に加えた。室温窒素雰囲気下で5時間撹拌を続けた後、末端封止剤として無水フタル酸0.118g(0.0004mol)を、N−メチル−2−ピロリドン7gにより定量的に加えた。2.5時間の室温窒素雰囲気下撹拌の後、反応を終えた。得られたポリアミド酸ワニスの対数粘度は0.36dl/gであった。
【0115】
<実施例14>
実施例13で得られたポリアミド酸ワニスを用いたこと以外は、実施例6と同様の方法によってポリアミド酸フィルムを作製し、各溶剤に浸漬したところ、いずれのフィルムも完全に溶解した。また、実施例6と同様の方法によってポリアミド酸フィルムを加熱して、塗布膜厚10μmのポリイミド膜を得た。
【0116】
<実施例15[理論計算:計算例1〜7]>
分子モデリングソフト(CS Chem3D Pro)を用いて、下記式(IX)に示すA、B又はCの分子モデルを作製した。この分子モデルについて、半経験的分子軌道計算(AM1)を用いて最適化を行い、最適安定化構造を得た。
この構造において、二面角αの絶対値|α|を調べた結果を表1にまとめた。
【0117】
【化22】
【0118】
【表1】
表1中、本発明のポリイミドに対応するモデルは計算例6であり、このモデルで二面角が最も大きい。即ち、本発明のポリイミドは、二面角の大きな立体構造に制御されることが計算からも証明された。この結果は、本発明のポリイミドの特徴的構造が、分子内電荷移動を抑制し、感光性能の高感度化を達成するものであることを理論的に説明するものである。
【0119】
<実施例16>
窒素導入管、温度計、還流冷却器付ディーンシュターク管、及び撹拌装置を備えた5つ口反応器に、5,7−ジアミノ−1,1,4,6−テトラメチルインダン10.2g(0.05mol)、ピロメリット酸二無水物10.8g(0.0495mol)、フタル酸無水物0.148g(0.001mol)、ピリジン4.0g(0.05mol)、p−トルエンスルホン酸一水和物9.5g(0.05mol)を秤取した。これに、N−メチル−2−ピロリドン70gとトルエン70gを加え窒素雰囲気下で撹拌し、2時間かけて還流温度の135℃まで昇温した後、8時間反応させた。反応中生成する水は系外に除去した。その後、30℃まで冷却し、得られた粘稠なポリマー溶液を強く撹拌したメタノール2リットル中に排出したところ茶色粉末状の析出物が得られたため、これを濾別した。この析出物をさらにメタノール100mlを用いて洗浄し濾別した。この茶色粉末を50℃4時間の予備乾燥の後、窒素気流下220℃で4時間乾燥した。得られたポリイミド粉の対数粘度・ガラス転移温度・5%重量減少温度は以下のとおりである。
対数粘度:0.46dl/g
ガラス転移温度:観測されず
5%重量減少温度:442℃。
【0120】
また、得られたポリイミド粉の溶剤溶解性(20重量%)を調べたところ、クロロホルム、N−メチル−2−ピロリドン、m−クレゾール、THF、シクロペンタノン等に可溶であることを確認した。
【0121】
<実施例17>
実施例16におけるピロメリット酸無水物を、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物14.6g(0.0495mol)に変えた他は実施例1と同様に処理を行った。得られた淡黄色ポリイミド粉の対数粘度・ガラス転移温度・5%重量減少温度は以下のとおりである。
対数粘度:0.96dl/g
ガラス転移温度:観測されず
5%重量減少温度:431℃。
【0122】
また、得られたポリイミド粉の溶剤溶解性(20重量%)を調べたところ、クロロホルム、N−メチル−2−ピロリドン、m−クレゾール、THF、シクロペンタノン等に可溶であることを確認した。
【0123】
<実施例18>
実施例16におけるピロメリット酸無水物を、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物15.4g(0.0495mol)に変えた他は実施例1と同様に処理を行った。得られた淡黄色ポリイミド粉の対数粘度・ガラス転移温度・5%重量減少温度は以下のとおりである。
対数粘度:0.66dl/g
ガラス転移温度:観測されず
5%重量減少温度:429℃。
【0124】
また、得られたポリイミド粉の溶剤溶解性(20重量%)を調べたところ、クロロホルム、N−メチル−2−ピロリドン、m−クレゾール、THF、シクロペンタノン等に可溶であることを確認した。
【0125】
<実施例19>
実施例16におけるピロメリット酸無水物を、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物17.7g(0.0495mol)に変えた他は実施例1と同様に処理を行った。得られた淡黄色ポリイミド粉の対数粘度・ガラス転移温度・5%重量減少温度は以下のとおりである。
対数粘度:0.38dl/g
ガラス転移温度:観測されず
5%重量減少温度:422℃。
【0126】
また、得られたポリイミド粉の溶剤溶解性(20重量%)を調べたところ、クロロホルム、N−メチル−2−ピロリドン、m−クレゾール、THF、シクロペンタノン等に可溶であることを確認した。
【0127】
<実施例20>
窒素導入管、温度計、還流冷却器付ディーンシュターク管、及び撹拌装置を備えた5つ口反応器に、5,7−ジアミノ−1,1,4,6−テトラメチルインダン10.2g(0.05mol)、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物22.0g(0.0495mol)、フタル酸無水物0.148g(0.001mol)、ピリジン4.0g(0.05mol)、p−トルエンスルホン酸一水和物9.5g(0.05mol)を秤取した。これに、N−メチル−2−ピロリドン70gとトルエン70gを加え窒素雰囲気下で撹拌し、2時間かけて還流温度の135℃まで昇温した後、8時間反応させた。反応中生成する水は系外に除去した。その後、30℃まで冷却し、得られた粘稠なポリマー溶液を強く撹拌したメタノール2リットル中に排出したところ淡黄色粉末状の析出物が得られ、これを濾別した。この析出物をさらにメタノール100mlを用いて洗浄し濾別した。この淡黄色粉末を50℃4時間の予備乾燥の後、窒素気流下、220℃で4時間乾燥した。得られた淡黄色ポリイミド粉の対数粘度・ガラス転移温度・5%重量減少温度は以下のとおりである。対数粘度:0.56dl/g
ガラス転移温度:観測されず
5%重量減少温度:436℃。
【0128】
また、得られたポリイミド粉の溶剤溶解性(20重量%)を調べたところ、クロロホルム、N−メチル−2−ピロリドン、m−クレゾール、THF、シクロペンタノン、酢酸エチル、アセトン等に可溶であることを確認した。
【0129】
このポリイミド粉をジメチルアセトアミドに溶解させて20重量%濃度のワニスを調製し、これをガラス板上に塗布し、それを窒素気流下180℃で4時間、続いて減圧下100℃で8時間、更に減圧下180℃で16時間乾燥させ、厚み16μmのポリイミドフィルムを得た。このフィルムで誘電率(ε)を測定したところ、ε=2.68であった。また、前記同様の操作で、厚み60μmのポリイミドフィルムを作製し、このフィルムで機械物性を測定したところ、引張強度68.0MPa、引張弾性率2.3GPa、引張伸度5%であった。
【0130】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、耐熱性、機械特性、接着特性に優れ、加えて高い溶剤溶解性や低誘電性、又は高感度・高解像度の感光性を発現する新規なポリイミド及びポリアミド酸を安価に提供できる。これらは、特に365nm(i線)で露光するフォトレジストの用途において非常に有用であり、また絶縁膜、特に絶縁膜を表面保護膜や層間絶縁膜として含む高集積半導体装置、高集積多層配線基板の用途において非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の新規ポリイミドの1H−NMRスペクトルを示す図である。
【図2】実施例1の新規ポリイミドの赤外線吸収スペクトルを示す図である。
Claims (11)
- 下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリイミドであって、
前記ポリイミド0.50gをN−メチル−2−ピロリドン100mlに溶解させた溶液の35℃における対数粘度が0.1〜2.0dl/gである、ポリイミド。
rは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基、若しくは、ハロゲン基又はフェニル基を示し、aは0又は1〜3の整数を示し、bは0又は1の整数を示し、m及びnは各々独立して0又は1の整数を示す。) - 一般式(I)のR1とR2の何れもがメチル基であり、これらメチル基が1,1−ジメチルインダン骨格上の4位及び6位に結合したものである請求項1記載のポリイミド。
- 下記一般式(II)で表されるジアミノインダン誘導体と、下記一般式(III)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物とを単量体として使用することを特徴とする、請求項1に記載のポリイミドの製造方法。
rは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基、若しくは、ハロゲン基又はフェニル基を示し、aは0又は1〜3の整数を示し、bは0又は1の整数を示し、m及びnは各々独立して0又は1の整数を示す。) - 一般式(I)及び(II)のR1とR2の何れもがメチル基であり、これらメチル基が1,1−ジメチルインダン骨格上の4位及び6位に結合したものである請求項3記載のポリイミドの製造方法。
- 下記一般式(IV)で表される繰り返し単位を有するポリアミド酸であって、
前記ポリアミド酸をN−メチル−2−ピロリドンに溶解させた20重量%のポリアミド酸ワニス2.50gを、100mlのN−メチル−2−ピロリドンに溶解した溶液の35℃における対数粘度が0.1〜2.0dl/gである、ポリアミド酸。
rは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基、若しくは、ハロゲン基又はフェニル基を示し、aは0又は1〜3の整数を示し、bは0又は1の整数を示し、m及びnは各々独立して0又は1の整数を示す。) - 一般式(IV)のR1とR2の何れもがメチル基であり、これらメチル基が1,1−ジメチルインダン骨格上の4位及び6位に結合したものである請求項5記載のポリアミド酸。
- 下記一般式(II)で表されるジアミノインダン誘導体と、下記一般式(III)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物を単量体として使用することを特徴とする、請求項5に記載のポリアミド酸の製造方法。
rは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基、若しくは、ハロゲン基又はフェニル基を示し、aは0又は1〜3の整数を示し、bは0又は1の整数を示し、m及びnは各々独立して0又は1の整数を示す。) - 一般式(IV)及び(II)のR1とR2の何れもがメチル基であり、これらメチル基が1,1−ジメチルインダン骨格上の4位及び6位に結合したものである請求項7記載のポリアミド酸の製造方法。
- 請求項1記載のポリイミド及び請求項5記載のポリアミド酸の、どちらか一方又は両方を含有するフォトレジスト。
- 請求項10記載の絶縁膜を、層間絶縁膜として有する多層配線基板。
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