JPH05178991A - 低誘電性かつ無色透明性ポリイミドおよびその製造方法 - Google Patents

低誘電性かつ無色透明性ポリイミドおよびその製造方法

Info

Publication number
JPH05178991A
JPH05178991A JP4827692A JP4827692A JPH05178991A JP H05178991 A JPH05178991 A JP H05178991A JP 4827692 A JP4827692 A JP 4827692A JP 4827692 A JP4827692 A JP 4827692A JP H05178991 A JPH05178991 A JP H05178991A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
formula
aromatic
represented
polyimide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4827692A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3177286B2 (ja
Inventor
Wataru Yamashita
渉 山下
Yoshihiro Sakata
佳広 坂田
Hideaki Oikawa
英明 及川
Tadashi Asanuma
浅沼  正
Teruhiro Yamaguchi
彰宏 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Toatsu Chemicals Inc filed Critical Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority to JP04827692A priority Critical patent/JP3177286B2/ja
Publication of JPH05178991A publication Critical patent/JPH05178991A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3177286B2 publication Critical patent/JP3177286B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記式(1) (Rは特定の脂肪族基または芳香族基を示す)で表わさ
れる繰り返し単位構造を有する低誘電性かつ無色透明性
に優れたポリイミド。 【効果】 この重合体は、優れた低誘電性でかつ無色透
明性に優れ、しかも従来の耐熱性や良好な加工性を有す
るポリイミドである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な構造単位を有す
るポリイミドに関する。更に詳しくは、低誘電性に優
れ、かつ無色透明性を有し、液晶配向膜、電気絶縁用保
護膜、太陽電池保護膜、ガラス代替材料等に利用するこ
とができる熱可塑性ポリイミドおよびその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリイミド樹脂はその優れた
耐熱性に加え機械物性、耐薬品性、難燃性、電気特性等
の点において優れた特性を有しているために、成形材
料、複合材料、電気・電子部品等の分野において幅広く
用いられている。近年の電気・電子部品分野において
は、マイクロエレクトロニクス化の発達が著しい。特に
大型コンピュータでは、多層回路基板の採用により信号
の高速伝送が不可欠となるが、基板材料の誘電率が大き
いと、信号の伝送に遅延が生じ、高速化の障害となる。
ポリイミドは、多層配線構造の層間絶縁膜に用いられる
が、これらの理由から、従来ポリイミドが有していた優
れた絶縁性に加えて低誘電率化の必要性がクローズアッ
プされてきている。
【0003】低誘電率の樹脂としては古くからテフロン
樹脂が知られているが、フルオロ基をポリイミド構造中
に導入することにより、誘電率を低下させることができ
ることは、A.K.St.clair et.al.,Polymeric Materials
Science and Engineering,59, 28〜32(1988)や EP 0299
865 などにより報告されている。しかしながら、フッ素
を多量に含有する従来のポリイミドは、十分に高分子量
のポリマーが得られず(例えば、T.Ichino et al.,J.Po
lym.Sci.,Part A,Polym.Chem.,28,323(1990)や特開平01
-182324)、さらに価格の面でも非常に高価なものとな
り、工業的レベルでの生産は困難である。又、テフロン
樹脂に代表されるように、フッ素を多量に含有すると接
着性が低下する事から、多層回路基板の層間接着には困
難が予想される。さらに、上記のマイクロエレクトロニ
クスの分野のみならず、液晶表示材料等の技術の進歩と
その需要拡大に従い、液晶配向膜としてのポリイミドの
利用が期待されている。ところが表示材料として従来の
ポリイミドを用いる場合、ポリイミド固有の黄色〜褐色
の着色が問題となり、無色透明なポリイミドの開発が要
求されている。
【0004】無色透明なポリイミドの開発も広く行われ
ており、例えば上記のA.K.St.clairet.al.,Polymeric M
aterials Science and Engineering, 51, 62〜66(1984)
や特開昭63−170420号公報等により報告されて
いる。ところがこれらのポリイミドは、基本骨格にスル
ホン基を含有することから吸水性が問題となり、さら
に、これらのポリイミドは通常不溶、不融のためポリア
ミド酸の有機極性溶剤溶液を塗布し、加熱脱水閉環によ
りイミド化するといった工程を経なければならない等の
問題を有している。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポ
リイミドが本来有する優れた耐熱性に加え、低誘電性で
無色透明性に優れ、しかも成形加工性良好な熱可塑性ポ
リイミドを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定構造の芳
香族ジアミンをモノマー成分とするポリイミドが、ポリ
イミド固有の諸性能を損なうことなく、優れた成形加工
性を有し、かつ低誘電性、無色透明性ともに優れた熱可
塑性のポリイミドであることを見い出し、本発明を完成
した。
【0007】すなわち、本発明は一般式(1)(化1
1)
【0008】
【化11】 (式中、Rは炭素数2〜27の脂肪族基、環式脂肪族
基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が
直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式
芳香族基からなる群より選ばれた4価の基を示す)で表
わされる繰り返し構造単位を有する低誘電性かつ無色透
明性ポリイミド、その製造方法、およびこの繰り返し構
造単位を有するポリマー分子の末端が本質的に置換基を
有しないか、あるいはアミンまたはジカルボン酸無水物
と反応性を有しない基で置換された芳香族環であるポリ
イミドであり、本ポリイミドの前駆体であるポリアミド
酸をジメチルアセトアミドに0.5g/dlの濃度で溶
解した後、35℃における対数粘度の値が0.01〜
3.0dl/gであるポリイミドまたは本ポリイミド粉
0.5gを9重量部のp−クロロフェノールと1重量部
のフェノールとの混合溶媒に0.5g/dlの濃度で加
熱溶解した後、35℃において測定した対数粘度の値が
0.01〜3.0dl/gであるポリイミド、ならびに
それらの製造方法である。より詳細には、本発明は、一
般式(1)(化12)
【0009】
【化12】 (式中、Rは炭素数2〜27の脂肪族基、環式脂肪族
基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が
直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式
芳香族基からなる群より選ばれた4価の基を示す)で表
わされる繰り返し構造単位を有するポリイミド、並びに
このポリイミドを式(3)(化13)
【0010】
【化13】 で表わされる3,3’−ジアミノ−5,5’−ビス(ト
リフルオロメチル)ジフェニルエーテルを主体とする芳
香族ジアミンと、主として一般式(4)(化14)
【0011】
【化14】 (式中、Rは炭素数2〜27の脂肪族基、環式脂肪族
基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が
直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式
芳香族基からなる群より選ばれた4価の基を示す)で表
わされるテトラカルボン酸二無水物を反応させ、得られ
るポリアミド酸を熱的または化学的にイミド化して製造
する方法である。さらには、前記一般式(1)で表わさ
れる繰り返し構造単位の末端が本質的に置換基を有しな
いか、あるいはアミンまたはジカルボン酸無水物と反応
性を有しない基で置換された芳香族環であるポリイミ
ド、並びにこれらのポリイミドを前記式(3)で表わさ
れる3,3’−ジアミノ−5,5’−ビス(トリフルオ
ロメチル)ジフェニルエーテルを主体とする芳香族ジア
ミンと、主として前記一般式(4)で表わされるテトラ
カルボン酸二無水物を、式(5)(化15)
【0012】
【化15】 (式中、Z1 は炭素数6〜15の単環式芳香族基、縮合
多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相
互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群より選
ばれた2価の基を示す)で表わされる芳香族ジカルボン
酸無水物または、式(6) Z2 −NH2 (6) (式中、Z2 は炭素数6〜15の単環式芳香族基、縮合
多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相
互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群より選
ばれた2価の基を示す)で表わされる芳香族モノアミン
の存在下に反応させ、得られるポリアミド酸を熱的また
は化学的にイミド化することを特徴とするポリイミドの
製造方法である。本発明のポリイミドは、一般式(1)
(化16)
【0013】
【化16】 (式中、Rは前記の通りである)で表わされる繰り返し
構造単位を有するポリイミドであり、またこのポリイミ
ドの末端が芳香族基であるポリイミドである。
【0014】この繰り返し構造単位のポリイミドは芳香
族ジアミン成分として、前記の式(3)(化17)
【0015】
【化17】 で表わされる3,3’−ジアミノ−5,5’−ビス(ト
リフルオロメチル)ジフェニルエーテルが使用される。
【0016】本発明の原料として使用する3,3’−ジ
アミノ−5,5’−ビス(トリフルオロメチル)ジフェ
ニルエーテルの製造法は、3,3’−ジニトロ−5,
5’−ビス(トリフルオロメチル)ジフェニルエーテル
を還元することにより製造できる。3,3’−ジニトロ
−5,5’−ビス(トリフルオロメチル)ジフェニルエ
ーテルは、例えば、3−ヒドロキシ−5−ニトロトリフ
ルオロメチルベンゼンと3,5−ジニトロトリフルオロ
メチルベンゼンとを、塩基の存在下、非プロトン性極性
溶剤中で反応させる方法により製造される。ジニトロ化
合物を還元する方法は特に制限はなく、通常、ニトロ基
をアミノ基に還元する方法、例えば、新実験化学講座、
15巻、酸化と還元II、丸善(1977)に記載の方法
を適用できるが、工業的には、パラジウム触媒等の金属
触媒を用いて接触還元法により製造できる。
【0017】本発明のポリイミドは、前記の3,3’−
ジアミノ−5,5’−ビス(トリフルオロメチル)ジフ
ェニルエーテル芳香族ジアミンを必須モノマー原料とし
て用いるが、このポリイミドの良好な物性を損なわない
範囲で他の芳香族ジアミンを混合して使用することもで
きる。
【0018】混合して使用できるジアミンとしては、例
えばm−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミ
ン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミ
ン、p−アミノベンジルアミン、4,4’−ジアミノジ
フェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエー
テル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス
(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェ
ニル)(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−
アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニ
ル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノ
フェニル)スルホキシド、ビス(3−アミノフェニル)
スルホン、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニ
ル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、
3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミ
ノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノ
ン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−
ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェ
ニルメタン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕メタン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕メタン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル〕−エタン、1,2−ビス
〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、
1,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕エタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス
〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、
2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロ
パン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、
1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,
4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’
−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’
−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4
−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビ
ス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィ
ド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ス
ルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕スルホキシド、ビス〔4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(3−アミノ
フェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3
−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,4
−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベ
ンゼン、1,3−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)
ベンゾイル〕ベンゼン、4,4’−ビス〔3−(4−ア
ミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、
4,4’−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾ
イル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔4−(4
−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ベ
ンゾフェノン、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−
α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ジフェニルス
ルホン、ビス〔4−{4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェノキシ}フェニル〕スルホン、1,4−ビス〔4−
(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}−α,α−ジメ
チルベンジル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(4−ア
ミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼ
ン等が挙げられ、また、これらは単独または2種以上を
混合して使用される。また、芳香族テトラカルボン酸二
無水物としては、一般式(4)(化18)
【0019】
【化18】 で表わされるテトラカルボン酸二無水物を用いる。一般
式(4)において、Rは炭素数2〜27以上の脂肪族
基、環式脂肪族基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族
基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連結され
た非縮合多環式芳香族基からなる群より選ばれた4価の
基を示し、具体的には、一般式(4)のRが、炭素数2
〜10の脂肪族基、炭素数4〜10の環式脂肪族基、式
(a)(化19)
【0020】
【化19】 で表わされる単環式芳香族基、式(b)(化20)
【0021】
【化20】 で表わされる縮合多環式芳香族基、および式(c)(化
21)
【0022】
【化21】 (式中、Xは直接結合、−CO−、−O−、−S−、−
SO2 −、−CH2 −、−C(CH3)2 −、−C(CF
3)2 −、式(d)(化22)、
【0023】
【化22】 式(e)(化23)
【0024】
【化23】 (ここで、Yは直接結合、−CO−、−O−、−S−、
−SO2 −、−CH2 −、−C(CH3)2 −、−C(C
3)2 −を示す)で表わされる芳香族基が直接または架
橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基から
なる群より選ばれた4価の基であるテトラカルボン酸二
無水物が使用される。
【0025】本発明で用いられる前記一般式(4)で表
わされるテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、
エチレンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテ
トラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,
3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水
物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エ
タン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)
メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボ
キシルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフ
ルオロプロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレン
テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレ
ンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタ
レンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベン
ゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペ
リレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ア
ントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8
−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げら
れる。これらは単独あるいは2種以上混合して用いられ
る。
【0026】これらの芳香族ジアミン成分と芳香族テト
ラカルボン酸二無水物をモノマー成分として得られる本
発明のポリイミドは、主として一般式(1)の繰り返し
構造単位を有するポリイミドであり、また主として一般
式(1)の繰り返し構造単位を有するポリイミドが、そ
のポリマー分子末端が置換基を有しないか、あるいはア
ミンまたはジカルボン酸無水物と反応性を有しない基で
置換された芳香族環を有するポリイミドまたはこれらの
ポリイミドを含有する組成物も含まれる。この末端に置
換基を有しないか、あるいはアミンまたはジカルボン酸
無水物と反応性を有しない基で置換された芳香族環を有
するポリイミドは、前記式(3)の3,3’−ジアミノ
−5,5’−ビス(トリフルオロメチル)ジフェニルエ
ーテルを主体とする芳香族ジアミンと、主として前記一
般式(4)で表わされるテトラカルボン酸二無水物化合
物を、式(5)(化24)
【0027】
【化24】 (式中、Z1 は炭素数6〜15の単環式芳香族基、縮合
多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相
互に連結された非縮合多環式芳香族基から成る群より選
ばれた2価の基を示す)で表わされる芳香族ジカルボン
酸無水物または式(6) Z2 −NH2 (6) (式中、Z2 は炭素数6〜15の単環式芳香族基、縮合
多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相
互に連結された非縮合多環式芳香族基から成る群より選
ばれた1価の基を示す)で表わされる芳香族モノアミン
の存在下に反応させ、得られるポリアミド酸を熱的また
は化学的にイミド化することにより得られる。
【0028】また、式(5)、式(6)中のZ1 および
2 は、一般式で表わすと前記の式(1)で表わされる
ポリイミドの式中のRと同じ定義のものが含まれ、具体
的にはこれらの方法で使用されるジカルボン酸無水物と
して、2,3−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、
3,4−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、2,3−
ジカルボキシフェニルフェニルエーテル無水物、3,4
−ジカルボキシフェニルフェニルエーテル無水物、2,
3−ビフェニルジカルボン酸無水物、3,4−ビフェニ
ルジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニル
フェニルスルホン無水物、3,4−ジカルボキシフェニ
ルフェニルスルホン無水物、2,3−ジカルボキシフェ
ニルフェニルスルフィド無水物、3,4−ジカルボキシ
フェニルフェニルスルフィド無水物、1,2−ナフタレ
ンジカルボン酸無水物、2,3−ナフタレンジカルボン
酸無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、
1,2−アントラセンジカルボン酸無水物、2,3−ア
ントラセンジカルボン酸無水物、1,9−アントラセン
ジカルボン酸無水物等が挙げられる。これらのジカルボ
ン酸無水物はアミンまたはジカルボン酸無水物と反応を
有しない基で置換されていても差支えない。これらのジ
カルボン酸無水物の中で無水フタル酸が、得られるポリ
イミドの性能面および実用面から最も好ましい。すなわ
ち、高温成形時における成形安定性の優れたポリイミド
であり、優れた耐薬品性を有しており、前記の優れた加
工性を考え合わせると、宇宙・航空機用器材、電気・電
子部品用器材として、極めて有用なポリイミドである。
また、無水フタル酸を使用する場合、その一部をポリイ
ミドの良好な物性を損なわない範囲で、他のジカルボン
酸無水物で代替して用いることは何ら差支えない。用い
られるジカルボン酸無水物の量は式(3)で表わされる
3,3’−ジアミノ−5,5’−ビス(トリフルオロメ
チル)ジフェニルエーテル1モル当たり0.001〜
1.0モル比である。0.001モル未満では高温成形
時に粘度の上昇が見られ成形加工性低下の原因となる。
また、1.0モルを越えると機械的特性が低下する。好
ましい使用量は0.01〜0.5モルの割合である。
【0029】また、芳香族モノアミンを使用する場合、
芳香族モノアミンとしては、例えばアニリン、o−トル
イジン、m−トルイジン、p−トルイジン、2,3−キ
シリジン、2,6−キシリジン、3,4−キシリジン、
3,5−キシリジン、o−クロロアニリン、m−クロロ
アニリン、p−クロロアニリン、o−ブロモアニリン、
m−ブロモアニリン、p−ブロモアニリン、o−ニトロ
アニリン、m−にとろアニリン、p−ニトロアニリン、
o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−ア
ミノフェノール、o−アニシジン、m−アニシジン、p
−アニシジン、o−フェネジン、m−フェネジン、p−
フェネジン、o−アミノベンツアルデヒド、m−アミノ
ベンツアルデヒド、p−アミノベンツアルデヒド、o−
アミノベンゾニトリル、m−アミノベンゾニトリル、p
−アミノベンゾニトリル、2−アミノビフェニル、3−
アミノビフェニル、4−アミノビフェニル、2−アミノ
フェニルフェニルエーテル、3−アミノフェニルフェニ
ルエーテル、4−アミノフェニルフェニルエーテル、2
−アミノベンゾフェノン、3−アミノベンゾフェノン、
4−アミノベンゾフェノン、2−アミノフェニルフェニ
ルスルフィド、3−アミノフェニルフェニルスルフィ
ド、4−アミノフェニルフェニルスルフィド、2−アミ
ノフェニルフェニルスルホン、3−アミノフェニルフェ
ニルスルホン、4−アミノフェニルフェニルスルホン、
α−ナフチルアミン、β−ナフチルアミン、1−アミノ
−2−ナフトール、2−アミノ−1−ナフトール、4−
アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−1−ナフトー
ル、5−アミノ−2−ナフトール、7−アミノ−2−ナ
フトール、8−アミノ−1−ナフトール、8−アミノ−
2−ナフトール、1−アミノアントラセン、2−アミノ
アントラセン、9−アミノアントラセン等が挙げられ
る。これらの芳香族モノアミンは、アミンまたはジカル
ボン酸無水物と反応性を有しない基で置換されていても
差し支えない。
【0030】用いられる芳香族モノアミンの量は、一般
式(4)で表わされるテトラカルボン酸二無水物1モル
当り、0.001〜0.1モル比である。0.001モ
ル未満では、高温成形時に粘度の上昇が見られ成形加工
性低下の原因となる。また1.0モルを越えると機械的
特性が低下する。好ましい使用量は、0.01〜0.5
モルの割合である。従って、このように本発明のポリイ
ミドの末端が置換基を有しないか、または置換芳香環で
あるポリイミドを製造する場合は、テトラカルボン酸二
無水物、芳香族ジアミン、およびジカルボン酸無水物ま
たは芳香族モノアミンのモル比は、テトラカルボン酸二
無水物1モル当り、芳香族ジアミンは0.9〜1.0モ
ル、ジカルボン酸無水物または芳香族モノアミンは0.
001〜1.0モルである。ポリイミドの製造にあたっ
て、生成ポリイミドの分子量を調節するために、テトラ
カルボン酸二無水物と芳香族ジアミンの量比を調節する
ことは通常行われている。本発明の方法においては、溶
融流動性の良好なポリイミドを得るために適切なテトラ
カルボン酸二無水物に対する芳香族ジアミンのモル比は
0.9〜1.0の範囲である。
【0031】本発明のポリイミドの製造方法としては、
ポリイミドを製造可能な方法が公知方法を含め全て適用
できるが、中でも、有機溶中で反応を行うのが特に好ま
しい方法である。このような反応に用いられる有機溶媒
とはては、好ましくは、N,N−ジメチルアセトアミド
であるが、その他に使用できる溶剤としては例えばN,
N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトア
ミド、N,N−ジメトキシアセトアミド、N−メチル−
2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジ
ノン、N−メチルカプラクタム、1,2−ジメトキシエ
タン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−
ビス(2−メトキシエトキシ)エタン、ビス{2−(2
−メトキシエトキシ)エチル}エーテル、テトラヒドロ
フラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ピ
ロリン、ピコリン、ジメチルスルホキシド、ジメチルス
ルホン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミ
ド、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p
−クレゾール、m−クレゾール酸、p−クロロフェノー
ル、アニソール等が挙げられる。また、これらの有機溶
剤は単独でもまたは2種以上混合して用いても差し支え
ない。
【0032】本発明の方法で有機溶媒に3,3’−ジア
ミノ−5,5’−ビス(トリフルオロメチル)ジフェニ
ルエーテル、テトラカルボン酸二無水物、芳香族ジカル
ボン酸無水物または芳香族モノアミンを添加反応させる
方法としては、(イ)テトラカルボン酸二無水物と、
3,3’−ジアミノ−5,5’−ビス(トリフルオロメ
チル)ジフェニルエーテルを反応させた後に、芳香族ジ
カルボン酸無水物または芳香族モノアミンを添加して反
応を続ける方法、(ロ)3,3’−ジアミノ−5,5’
−ビス(トリフルオロメチル)ジフェニルエーテルに芳
香族ジカルボン酸無水物を加えて反応させた後、テトラ
カルボン酸二無水物を添加し、更に反応を続ける方法、
(ハ)テトラカルボン酸二無水物に芳香族モノアミンを
加えて反応させた後、3,3’−ジアミノ−5,5’−
ビス(トリフルオロメチル)ジフェニルエーテルを添加
し、更に反応を続ける方法、(ニ)テトラカルボン酸二
無水物、3,3’−ジアミノ−5,5’−ビス(トリフ
ルオロメチル)ジフェニルエーテル、芳香族ジカルボン
酸無水物または芳香族モノアミンを同時に添加し、反応
させる方法等が挙げられ、いずれの添加方法をとっても
差し支えない。
【0033】反応温度は通常250℃以下、好ましくは
50℃以下である。反応圧力は特に限定されず、常圧で
十分実施できる。反応時間はテトラカルボン酸二無水物
の種類、溶剤の種類および反応温度により異なり、通常
4〜24時間で十分である。更に得られたポリアミド酸
を100〜400℃に加熱してイミド化するか、また無
水酢酸等のイミド化剤を用いて化学イミド化することに
より、ポリアミド酸に対応する繰り返し単位を有するポ
リイミドが得られる。
【0034】本ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸
を0.5g/dlの濃度でジメチルアセトアミドに溶解
した後、35℃で測定した対数粘度の値は0.01〜
3.0dl/gであり、更に本ポリイミド粉を9重量部
のp−クロロフェノールと1重量部のフェノールの混合
溶媒に0.5g/dlの濃度で加熱溶解した後、35℃
において測定した対数粘度の値は0.01〜3.0dl
/gである。また、3,3’−ジアミノ−5,5’−ビ
ス(トリフルオロメチル)ジフェニルエーテルとテトラ
カルボン酸二無水物、さらにはポリイミドの末端を芳香
環とする場合は芳香族ジカルボン酸無水物または芳香族
モノアミンとを、有機溶媒中に懸濁または溶解させた後
加熱し、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の生成
と同時にイミド化を行うことにより目的のポリイミドを
得ることも可能である。
【0035】更に、本特許におけるポリイミドフィルム
の製造方法としては、本ポリイミドの前駆体であるポリ
アミド酸のワニスをガラスプレート上に塗布した後、加
熱してイミド化する手法、あるいは、直接ポリイミド粉
を加熱・加圧することによりフィルム状にする手法が可
能である。すなわち、従来公知の手法を用いて、フィル
ム状もしくは粉末状のポリイミドを得ることができる。
【0036】また、本発明のポリイミドは、溶融成形に
供する場合、本発明の目的を損なわない範囲で他の熱可
塑性樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リカーボネート、ポリアリレート、ポリアミド、ポリス
ルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、
ポリフェニルスルフィド、ポリアミドイミド、ポリエー
テルイミド、変成ポリフェニレンオキシド等を目的に応
じて適当量を配合することも可能である。また、更に通
常の樹脂組成物に使用する次のような充填剤等を、発明
の目的を損なわない程度で用いてもよい。すなわち、グ
ラファイト、カーボランダム、ケイ石粉、二硫化モリブ
デン、フツ素樹脂などの耐摩耗性向上剤、ガラス繊維、
カーボン繊維等の補強材、三酸化アンチモン、炭酸マグ
ネシウム、炭酸カルシウム等の難燃性向上剤、クレー、
マイカ等の電気的特性向上剤、アスベスト、シリカ、グ
ラファイト等の耐トラッキング向上剤、硫酸バリウム、
シリカ、メタケイ酸カルシウム等の耐酸性向上剤、鉄
粉、亜鉛粉、アルミニウム粉、銅粉等の熱電導度向上
剤、その他ガラスビーズ、ガラス球、タルク、ケイ藻
土、アルミナ、シラスバルン、水和アルミナ、金属酸化
物、着色料等である。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。なお、実施例中のポリイミドの物性は以下の方法に
より測定した。 Tg、Tc、Tm;(島津DT−40シリーズ、DSC
−41M)により測定。 5%重量減少温度;空気中にでDTG(島津DT−40
シリーズ、DTG−40−M)により測定。 溶融粘度;島津高化式フローテスター(CFT500
A)により荷重100kgで測定。 誘電率;ASTM D150−87に準じて測定した。 対数粘度;ポリアミド酸はN,N−ジメチルアセトアミ
ドに、ポリイミドはp−クロロフェノール/フェノール
(重量比9/1)混合溶媒に、それぞれ0.5g/10
0mlの濃度で溶解した後、35℃において測定した。 可視光線透過率;ASTM D1003に準じて測定し
た。 黄色度(イエローネスインデツクス);JIS K71
03に準じて測定した。 合成例1 攪拌装置、温度計を備えた還元装置に、3,3’−ジニ
トロ−5,5’−ビス(トリフルオロメチル)ジフェニ
ルエーテル52.4g(0.132mol)、メタノー
ル200gおよび5%−Pd/C3.9g(50%含水
品)を装入し、水素雰囲気下50〜60℃で8時間反応
した。反応終了後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮して、淡黄
色結晶の3,3’−ジアミノ−5,5’−ビス(トリフ
ルオロメチル)ジフェニルエーテル47.6g(収率9
7%、純度98%)を得た。得られた結晶を、塩酸塩と
して精製することにより高純度品を得た。 融点 55.5〜57.5℃ 1 H−NMR δ(CDCl3 ,ppm) 3.5〜3.8(4H、S(br)、NH2 ) 6.40(2H、S(br)、2and2’−H) 6.55(4H、S(br)、4,4’and6,6’
−H) 元素分析(C14102 OF6 計算値(%) 50.00 3.00 8.33 33.90 実測値(%) 49.85 3.03 8.21 33.67
【0038】合成例2 攪拌装置、温度計を備えた還元装置に、3,3’−ジニ
トロ−5,5’−ビス(トリフルオロメチル)ジフェニ
ルエーテル26.2g(0.066mol)、イソプロ
ピルアルコール100gおよび5%−Pd/C1.9g
(50%含水品)を装入し、水素雰囲気下、70〜80
℃で4時間反応した。反応終了後、ろ過し、ろ液を減圧
濃縮して、淡黄色結晶の3,3’−ジアミノ−5,5’
−ビス(トリフルオロメチル)ジフェニルエーテル24
g(収率98%、純度97%)を得た。
【0039】〔3,3’−ジニトロ−5,5’−ビス
(トリフルオロメチル)ジフェニルエーテルの製造例〕
攪拌装置、温度計および還流冷却器を備えたフラスコ
に、3−ヒドロキシ−5−ニトロトリフルオロメチルベ
ンゼン33g(0.159mol)、無水炭酸カリウム
21g(0.152mol)、3,5−ジニトロトリフ
ルオロメチルベンゼン35.7g(0.151mol)
およびN,N−ジメチルホルムアミド450mlを装入
し、温度100℃で、15時間反応を行った。反応終了
後、内容物を水1l中に排出し、析出した固形分をろ過
し、乾燥して、粗3,3’−ジニトロ−5,5’−ビス
(トリフルオロメチル)ジフェニルエーテル53.7g
(収率90%,純度90%)を得た。このものを、メタ
ノ−ル90gでスラッジングを行い、純度99%の淡黄
色の結晶を得た。融点 121〜122.5℃
【0040】実施例1 攪拌機、還流冷却器、および窒素導入管を備えた容器
に、合成例1で得た3,3’−ジアミノ−5,5’−ビ
ス(トリフルオロメチル)ジフェニルエーテル16.8
1g(0.05モル)、N,N−ジメチルアセトアミド
74.21gを装入し、窒素雰囲気下において3,
3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸
二無水物15.51g(0.05モル)を溶液温度の上
昇に注意しながら分割して加え、室温で約30時間かき
まぜた。かくして得られたポリアミド酸の対数粘度は
0.63dl/gであった。このポリアミド酸溶液の一
部を取り、ガラス板上にキャストした後、100℃、2
00℃、300℃で各々1時間加熱して厚さ約50μm
のフィルムを得た。このポリイミドフィルムのガラス転
移温度は209℃、空気中での5%重量減少温度は55
0℃であった。またフィルムの引張り強さは10.7k
g/mm2 、引張弾性率は296kg/mm2 、伸び率
は7.4%であった(測定方法は、ASTM D−82
2に基づく)。このポリイミドフィルムを用いて、誘電
率を測定したところ、周波数60Hzで2.913kH
zで2.89、1MHzで2.85であった。
【0041】実施例2 攪拌機、還流冷却器、および窒素導入管を備えた容器
に、3,3’−ジアミノ−5,5’−ビス(トリフルオ
ロメチル)ジフェニルエーテル16.81g(0.05
モル)、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテト
ラカルボン酸二無水物15.20g(0.049モ
ル)、無水フタル酸0.296g(0.002モル)、
γ−ピコリン0.70g、m−クレゾール128.04
gを装入し、窒素雰囲気下において攪拌しながら150
℃まで加熱昇温した。その後、150℃で4時間反応し
た。この間約1.8mlの水の留出が確認された。反応
終了後、室温まで冷却し、約1.2lのメチルエチルケ
トンに排出した後、ポリイミド粉を濾別した。このポリ
イミド粉をメチルエチルケトンで洗浄した後、空気中5
0℃で24時間、空気中180℃4時間減圧乾燥して2
9.01g(収率95.1%)のポリイミド粉を得た。
かくして得られたポリイミド粉の対数粘度は0.49d
l/gであった。また、このポリイミド粉のガラス転移
温度は197℃であった。さらにこのポリイミド粉を圧
力300psi、温度350℃の条件下で加圧・加熱プ
レスすることにより厚さ約50μmのポリイミドフィル
ムとした。このポリイミドフィルムを用いて誘電率を測
定したところ、周波数60Hzで2.96、3kHzで
2.93、1MHzで2.90であった。また、このポ
リイミド粉の赤外吸収スペクトル図を図1に示す。この
スペクトル図からイミド特性吸収帯である1780cm
-1と1720cm-1付近の吸収が顕著に認められた。さ
らに、トリフルオロメチル基特性の吸収帯である113
0cm-1付近の吸収も顕著に認められた。なお、得られ
たポリイミド粉の元素分析値は以下の通りであった。
【0042】 元素分析値 C H N F 計算値(%) 59.02 1.99 4.59 18.68 測定値(%) 58.91 2.03 4.53 18.48 さらに、このポリイミドの成形安定性を高化式フローテ
スターを使用し、100kgの荷重、および直径0.1
cm、長さ1cmのオリフィスを用いて測定した。35
0℃においてシリンダー内滞留時間を変えて測定した結
果を図2に示す。シリンダー内の滞留時間が長くなって
も溶融粘度はほとんど変化せず、熱安定性の良好なこと
がわかる。なお、ここに得られたストランドは、ほぼ無
色透明の可撓性の富んだものであった。また、このポリ
イミド粉の熱酸化安定性を350℃、空気中での保持時
間を変えて、その重量減少率から測定した。その結果を
図3に示す。
【0043】比較例1 無水フタル酸を使用しないこと以外は実施例2と全く同
様にしてポリイミド粉28.71g(収率95.0%)
を得た。かくして得られたポリイミド粉の対数粘度は
0.51dl/g、ガラス転移温度は201℃であっ
た。このポリイミドの成形安定性をフローテスターを用
いて実施例2と同様にして測定した。結果を実施例2の
結果と併せて図2に示す。本比較例で得られるポリイミ
ドは、シリンダー内滞留時間が長くなるに従い溶融粘度
が増加し、実施例2で得られたポリイミドに比較して成
形安定性の劣ることがわかる。さらに、本比較例で得ら
れたポリイミド粉の熱酸化安定性を実施例2と同様にし
て350℃、空気中での保持時間を変えて、その重量減
少率から測定した。その結果を図3に実施例2の結果と
併せて示す。図3の結果より保持時間が長くなるに従っ
て重量減少率が増加し、実施例2で得られたポリイミド
に比べて熱酸化安定性の悪いことがわかる。
【0044】実施例3 実施例1における3,3’,4,4’−ジフェニルエー
テルテトラカルボン酸二無水物15.51g(0.05
モル)を2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン
二無水物22.21g(0.05モル)に変えた以外は
実施例1と同様に行ってポリアミド酸を得た。かくして
得られたポリアミド酸の対数粘度は0.49dl/gで
あった。このポリアミド酸を用いて実施例1と全く同様
にして厚さ約50μmのポリイミドフィルムを得た。こ
のポリイミドフィルムのガラス転移温度は229℃、空
気中での5%重量減少温度は518℃であった。またフ
ィルムの引張り強さは10.2kg/mm2 、引張弾性
率は285kg/mm2 、伸び率は4.2%であった。
このポリイミドフィルムを用いて、誘電率を測定したと
ころ、周波数60Hzで2.70、3kHzで2.6
9、1MHzで2.66であった。
【0045】実施例4 実施例2における3,3’,4,4’−ジフェニルエー
テルテトラカルボン酸二無水物15.20g(0.04
9モル)を2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン
二無水物21.77g(0.049モル)に変えた以外
は実施例2と同様にしてポリイミド粉35.63g(収
率91.7%)を得た。かくして得られたポリイミド粉
の対数粘度は、0.45dl/g、ガラス転移温度は2
24℃であった。このポリイミド粉を用いて実施例2と
全く同様にして厚さ約50μmのポリイミドフィルムを
作成し、誘電率を測定したところ、周波数60Hzで
2.72、3kHzで2.70、1MHzで2.67で
あった。
【0046】実施例5 実施例1における3,3’,4,4’−ジフェニルエー
テルテトラカルボン酸二無水物15.51g(0.05
モル)を3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸二無水物16.11g(0.05モル)に変え
た以外は実施例1と同様に行ってポリアミド酸を得た。
かくして得られたポリアミド酸の対数粘度は0.67d
l/gであった。このポリアミド酸を用いて実施例1と
全く同様にして厚さ約50μmのポリイミドフィルムを
得た。このポリイミドフィルムのガラス転移温度は23
3℃、空気中での5%重量減少温度は553℃であっ
た。このポリイミドフィルムを用いて、誘電率を測定し
たところ、周波数60Hzで3.36、3kHzで3.
33、1MHzで3.24であった。
【0047】実施例6 実施例1における3,3’,4,4’−ジフェニルエー
テルテトラカルボン酸二無水物15.51g(0.05
モル)を3,3’,4,4−ピロメリット酸二無水物1
0.91g(0.05モル)に変えた以外は実施例1と
同様に行ってポリアミド酸を得た。かくして得られたポ
リアミド酸の対数粘度は0.69dl/gであった。こ
のポリアミド酸を用いて実施例1と全く同様にして厚さ
約50μmのポリイミドフィルムを得た。このポリイミ
ドフィルムのガラス転移温度は285℃、空気中での5
%重量減少温度は537℃であった。このポリイミドフ
ィルムを用いて、誘電率を測定したところ、周波数60
Hzで3.41、3kHzで3.37、1MHzで3.
33であった。
【0048】比較例2 実施例1における3,3’−ジアミノ−5,5’−ビス
(トリフルオロメチル)ジフェニルエーテル16.81
g(0.05モル)3,3’−ジアミノジフェニルエー
テル10.01g(0.05モル)に変えた以外は実施
例1と同様に行ってポリアミド酸を得た。かくして得ら
れたポリアミド酸の対数粘度は0.78dl/gであっ
た。このポリアミド酸を用いて実施例1と全く同様にし
て厚さ約50μmのポリイミドフィルムを得た。このポ
リイミドフィルムのガラス転移温度は215℃、空気中
での5%重量減少温度は550℃であった。このポリイ
ミドフィルムを用いて、誘電率を測定したところ、周波
数60Hzで3.49、3kHzで3.46、1MHz
で3.38であった。
【0049】比較例3 実施例1における3,3’−ジアミノ−5,5’−ビス
(トリフルオロメチル)ジフェニルエーテル16.81
g(0.05モル)3,3’−ジアミノジフェニルエー
テル10.01g(0.05モル)に3,3’,4,4
−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物15.
51g(0.05モル)をピロメリット酸二無水物1
0.91g(0.05モル)に変えた以外は実施例1と
同様に行ってポリアミド酸を得た。このポリアミド酸を
用いて実施例1と全く同様にして厚さ約50μmのポリ
イミドフィルムを得た。このポリイミドフィルムのガラ
ス転移温度は290℃、空気中での5%重量減少温度は
533℃であった。このポリイミドフィルムを用いて、
誘電率を測定したところ、周波数60Hzで3.53、
3kHzで3.50、1MHzで3.46であった。実
施例1〜6、比較例2、3において測定したポリイミド
フィルムの誘電率およびガラス転移温度を表1にまとめ
て示す。
【0050】実施例7 実施例1で得られたポリイミドフイルムを用いて透明性
を測定したところ、黄色度(イエローネスインデツク
ス)は、33であり、可視光線(500nm)の透過率
は76%であった。
【0051】実施例8 攪拌機、還流冷却器、および窒素導入管を備えた容器
に、3,3’−ジアミノ−5,5’−ビス(トリフルオ
ロメチル)ジフェニルエーテル16.81g(0.05
モル)、N,N−ジメチルアセトアミド74.21gを
装入し、窒素雰囲気下において、3,3’,4,4’−
ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物15.2
0g(0.049モル)を溶液温度の上昇に注意しなが
ら分割して加え、約4時間攪拌した。その後無水フタル
酸0.296g(0.002モル)を添加し、さらに室
温で約30時間攪拌した。かくして得られたポリアミド
酸の対数粘度は0.60dl/gであった。このポリア
ミド酸溶液の一部をとり、ガラス板上にキヤストした
後、100℃、200℃、300℃で各々1時間加熱し
て厚さ約50μmのポリイミドフィルムとした。このポ
リイミドフィルムのガラス転移温度は205℃であっ
た。かくして得られたポリイミドフイルムを用いて透明
性を測定したところ、黄色度(イエローネスインデツク
ス)は、30であり、可視光線(500nm)の透過率
は79%であった。
【0052】実施例9 実際例2で得られたポリイミドフイルムを用いて透明性
を測定したところ、黄色度(イエローネスインデツク
ス)は、29であり、可視光線(500nm)の透過率
は81%であった。
【0053】実施例10、11 実施例8と同様な手法により、表2に示したテトラカル
ボン酸二無水物を表2に示した量を用いて各々ポリアミ
ド酸を重合した。さらに、実施例8と同様の手法を用い
てポリイミドフイルムを作成した。これらのポリアミド
酸の対数粘度、ポリイミドフイルムのガラス転移温度お
よび黄色度、可視光線(500nm)の透過率を表2に
まとめて示す。
【0054】実施例12 実施例2と同様な手法により、表2に示したテトラカル
ボン酸二無水物を表2に示した量を用いて各々ポリイミ
ド粉を重合した。さらに、実施例9と同様の手法を用い
てポリイミドフイルムを作成した。本実施例の各物性も
前実施例と同様に表2にまとめて示す。
【0055】比較例4 実施例7と同様な手法により、表2に示したジアミンと
テトラカルボン酸二無水物を表2に示した量を用いて各
々ポリアミド酸を重合した。さらに、実施例7と同様の
手法を用いてポリイミドフイルムを作成した。本比較例
の各物性も前実施例と同様に表2にまとめて示す。
【0056】比較例5 比較例1の3,3’−ジアミノ−5,5’−ビス(トリ
フルオロメチル)ジフェニルエーテル16.81g
(0.05モル)を3,3’−ジアミノジフェニルエー
テル10.01g(0.05モル)に変更した以外は比
較例1と全く同様にしてポリイミド粉を得た。本ポリイ
ミド粉の対数粘度は0.54dl/g、ガラス転移温度
は206℃であった。本比較例で得られたポリイミド粉
を実施例2、比較例1と同様にして熱酸化安定性を測定
して、実施例2、比較例1の結果と併せて示す。図3の
結果より保持時間が長くなるに従って重量減少率が増加
し、実施例2で得られたポリイミドに比べて熱酸化安定
性の悪いことがわかる。
【0057】比較例6、7 市販のポリイミドフイルムであるカプトン(デユポン社
製)とユーピレツクス(宇部興産社製)について黄色度
および可視光線(500nm)の透過率を測定した。そ
の結果を表2に併せて示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【発明の効果】本発明のポリイミドは、3,3’−ジア
ミノ−5,5’−ビス(トリフルオロメチル)ジフェニ
ルエーテルを芳香族ジアミン成分として用いることを特
徴とした優れた加工性、耐熱性等を有する低誘電性でか
つ無色透明性にも優れたポリイミドである。このポリイ
ミドは、従来のポリイミドと同様な耐熱性を有しなが
ら、特に優れた低誘電性と無色透明性とを併せもち、し
かも熱可塑性であるため成形加工性も良好であり、産業
上特に電気・電子産業分野において利用が大きく期待で
きるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施例2で得られたポリイミド粉
の赤外線吸収スペクトル図である。
【図2】実施例2で得られたポリイミドおよび比較例1
で得られたポリイミドのフローテスターのシリンダー内
滞留時間と溶融粘度変化の関係を測定した結果である。
【図3】本発明による実施例2で得られたポリイミド粉
の熱酸化安定性を比較例1および比較例5で得られたポ
リイミド粉と比較して、温度350℃、空気中で保持時
間を変えて重量減少率を測定した結果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅沼 正 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 山口 彰宏 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)(化1) 【化1】 (式中、Rは炭素数2〜27の脂肪族基、環式脂肪族
    基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が
    直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式
    芳香族基からなる群より選ばれた4価の基を示す)で表
    わされる繰り返し構造単位を有する低誘電性かつ無色透
    明性ポリイミド。
  2. 【請求項2】 一般式(1)(化2) 【化2】 (式中、Rは炭素数2〜27の脂肪族基、環式脂肪族
    基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が
    直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式
    芳香族基からなる群より選ばれた4価の基を示す)で表
    わされる繰り返し構造単位を有し、そのポリマー分子の
    末端が本質的に置換基を有しないか、あるいはアミンま
    たはジカルボン酸無水物と反応性を有しない基で置換さ
    れた芳香族環である低誘電性かつ無色透明性ポリイミ
    ド。
  3. 【請求項3】 式(1)で表わされる繰り返し構造単位
    を有するポリイミドの前駆体である下記式(2)(化
    3) 【化3】 (式中Rは、前記に同じ。)で表わされるポリアミド酸
    をジメチルアセトアミドに0.5%dlの濃度で溶解し
    た後、35℃において測定した対数粘度の値が0.01
    〜3.0dl/gである請求項1または2記載の低誘電
    性かつ無色透明性ポリイミド。
  4. 【請求項4】 式(1)で表わされる繰り返し構造単位
    を有するポリイミド0.5gを9重量部のp−クロルフ
    ェノールと1重量部のフェノールとの混合溶媒100m
    lに溶解した後、35℃において測定した対数粘度の値
    が0.01〜3.0dl/gである請求項1または2記
    載の低誘電性かつ無色透明性ポリイミド。
  5. 【請求項5】 式(3)(化4) 【化4】 で表わされる3,3’−ジアミノ−5,5’−ビス(ト
    リフルオロメチル)ジフェニルエーテルを主体とする芳
    香族ジアミンと、主として一般式(4)(化5) 【化5】 (式中、Rは炭素数2〜27の脂肪族基、環式脂肪族
    基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が
    直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式
    芳香族基からなる群より選ばれた4価の基を示す)で表
    わされるテトラカルボン酸二無水物を反応させ、得られ
    るポリアミド酸を熱的または化学的にイミド化すること
    を特徴とする請求項1記載の低誘電性かつ無色透明性ポ
    リイミドの製造方法。
  6. 【請求項6】 式(3)(化6) 【化6】 で表わされる3,3’−ジアミノ−5,5’−ビス(ト
    リフルオロメチル)ジフェニルエーテルを主体とする芳
    香族ジアミンと、主として一般式(4)(化7) 【化7】 (式中、Rは炭素数2〜27の脂肪族基、環式脂肪族
    基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が
    直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式
    芳香族基からなる群より選ばれた4価の基を示す)で表
    わされるテトラカルボン酸二無水物を、式(5)(化
    8) 【化8】 (式中、Z1 は炭素数6〜15の単環式芳香族基、縮合
    多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相
    互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群より選
    ばれた2価の基を示す)で表わされる芳香族ジカルボン
    酸無水物の存在下に反応させ、得られるポリアミド酸を
    熱的または化学的にイミド化することを特徴とする請求
    項2記載の低誘電性かつ無色透明性ポリイミドの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 式(3)(化9) 【化9】 で表わされる3,3’−ジアミノ−5,5’−ビス(ト
    リフルオロメチル)ジフェニルエーテルを主体とする芳
    香族ジアミンと、主として一般式(4)(化10) 【化10】 (式中、Rは炭素数2〜27の脂肪族基、環式脂肪族
    基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が
    直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式
    芳香族基からなる群より選ばれた4価の基を示す)で表
    わされるテトラカルボン酸二無水物を、式(6) Z2 −NH2 (6) (式中、Z2 は炭素数6〜15の単環式芳香族基、縮合
    多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相
    互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群より選
    ばれた1価の基を示す)で表わされる芳香族モノアミン
    の存在下に反応させ、得られるポリアミド酸を熱的また
    は化学的にイミド化することを特徴とする請求項2記載
    の低誘電性かつ無色透明性ポリイミドの製造方法。
  8. 【請求項8】 芳香族ジカルボン酸無水物が、無水フタ
    ル酸である請求項6記載の低誘電性かつ無色透明性ポリ
    イミドの製造方法。
  9. 【請求項9】 芳香族モノアミンが、アニリンである請
    求項7記載の低誘電性かつ無色透明性ポリイミドの製造
    方法。
  10. 【請求項10】 芳香族ジカルボン酸無水物の使用量
    が、式(3)で表わされる芳香族ジアミン1モルに対し
    て0.001〜1.0モルの割合である請求項6記載の
    低誘電性かつ無色透明性ポリイミドの製造方法。
  11. 【請求項11】 無水フタル酸の使用量が、式(3)で
    表わされる芳香族ジアミン1モルに対して、0.001
    〜0.1モルの割合である請求項6記載の低誘電性かつ
    無色透明性ポリイミドの製造方法。
  12. 【請求項12】 芳香族モノアミンの使用量が、式
    (4)で表わされるテトラカルボン酸二無水物1モルに
    対して、0.001〜1.0モル比である請求項7記載
    の低誘電性かつ無色透明性ポリイミドの製造方法。
  13. 【請求項13】 アニリンの使用量が、式(4)で表わ
    されるテトラカルボン酸二無水物1モルに対して、0.
    001〜0.1モル比である請求項7記載の低誘電性か
    つ無色透明性ポリイミドの製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項1および/または2記載のポリ
    イミドを含有する組成物。
  15. 【請求項15】 請求項1および/または2記載のポリ
    イミドを含有する低誘電性かつ無色透明性ポリイミドフ
    ィルム。
JP04827692A 1991-10-31 1992-03-05 ポリイミドおよびその製造方法 Expired - Fee Related JP3177286B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04827692A JP3177286B2 (ja) 1991-10-31 1992-03-05 ポリイミドおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3-286094 1991-10-31
JP28609491 1991-10-31
JP04827692A JP3177286B2 (ja) 1991-10-31 1992-03-05 ポリイミドおよびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05178991A true JPH05178991A (ja) 1993-07-20
JP3177286B2 JP3177286B2 (ja) 2001-06-18

Family

ID=26388514

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04827692A Expired - Fee Related JP3177286B2 (ja) 1991-10-31 1992-03-05 ポリイミドおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3177286B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5578697A (en) * 1994-03-29 1996-11-26 Kabushiki Kaisha Toshiba Polyimide precursor, bismaleimide-based cured resin precursor and electronic parts having insulating members made from these precursors
US6040418A (en) * 1997-08-05 2000-03-21 Ube Industries, Ltd. Fluorinated polyimides, laminated substrates and polyamic acid solutions
JP2004043827A (ja) * 1994-03-29 2004-02-12 Toshiba Corp ポリイミド前駆体、ポリイミド前駆体組成物、ポリイミド樹脂および電子部品
WO2009069688A1 (ja) 2007-11-30 2009-06-04 Mitsui Chemicals, Inc. ポリイミド系複合材料およびそのフィルム
JP2010513592A (ja) * 2006-12-15 2010-04-30 コーロン インダストリーズ,インコーポレイテッド ポリイミド樹脂とこれを用いた液晶配向膜およびポリイミドフィルム
WO2020100904A1 (ja) * 2018-11-16 2020-05-22 三菱瓦斯化学株式会社 ポリイミド樹脂、ワニス及びポリイミドフィルム

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5578697A (en) * 1994-03-29 1996-11-26 Kabushiki Kaisha Toshiba Polyimide precursor, bismaleimide-based cured resin precursor and electronic parts having insulating members made from these precursors
JP2004043827A (ja) * 1994-03-29 2004-02-12 Toshiba Corp ポリイミド前駆体、ポリイミド前駆体組成物、ポリイミド樹脂および電子部品
US6040418A (en) * 1997-08-05 2000-03-21 Ube Industries, Ltd. Fluorinated polyimides, laminated substrates and polyamic acid solutions
JP2010513592A (ja) * 2006-12-15 2010-04-30 コーロン インダストリーズ,インコーポレイテッド ポリイミド樹脂とこれを用いた液晶配向膜およびポリイミドフィルム
WO2009069688A1 (ja) 2007-11-30 2009-06-04 Mitsui Chemicals, Inc. ポリイミド系複合材料およびそのフィルム
US9540487B2 (en) 2007-11-30 2017-01-10 Mitsui Chemicals, Inc. Polyimide composite material and film thereof
WO2020100904A1 (ja) * 2018-11-16 2020-05-22 三菱瓦斯化学株式会社 ポリイミド樹脂、ワニス及びポリイミドフィルム
CN113015760A (zh) * 2018-11-16 2021-06-22 三菱瓦斯化学株式会社 聚酰亚胺树脂、清漆及聚酰亚胺薄膜
JPWO2020100904A1 (ja) * 2018-11-16 2021-10-07 三菱瓦斯化学株式会社 ポリイミド樹脂、ワニス及びポリイミドフィルム
CN113015760B (zh) * 2018-11-16 2023-07-28 三菱瓦斯化学株式会社 聚酰亚胺树脂、清漆及聚酰亚胺薄膜

Also Published As

Publication number Publication date
JP3177286B2 (ja) 2001-06-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR0185795B1 (ko) 폴리이미드
US5410084A (en) Aromatic diamine and polyimide, and preparation process of same
JP3137549B2 (ja) ポリイミド
US5196506A (en) Polymide
JP3177286B2 (ja) ポリイミドおよびその製造方法
US5260388A (en) Polyimide and process for the preparation thereof
JP2947691B2 (ja) 芳香族ジアミンおよびポリイミド、ならびにこれらの製造方法
JP3176344B2 (ja) 芳香族ジアミンおよびポリイミド、ならびにこれらの製造方法
CA2028358C (en) Polyimide
JP3226615B2 (ja) ポリイミドおよびその製造方法
JP3302109B2 (ja) 芳香族ジアミンおよびポリイミド
JP3201826B2 (ja) 液晶性かつ低誘電性ポリイミドおよびその製造方法
JPH05320339A (ja) 熱安定性良好なポリイミドおよびその製造方法
JP3276410B2 (ja) ポリイミドおよびその製造方法
JP3208179B2 (ja) 液晶性ポリイミドおよびその製造方法
JP3308316B2 (ja) 非晶性ポリイミドおよびその製造方法
JP3314078B2 (ja) 芳香族ジアミノ化合物
JP2960255B2 (ja) 新規なジアミン化合物およびそれを用いた新規なポリイミドおよびその製造方法
JP2779363B2 (ja) ポリイミドの製造方法
JP3169440B2 (ja) ポリイミドおよびその製造方法
JPH02178325A (ja) 熱安定性の良好なポリイミドの製造方法
JPH08231714A (ja) 熱安定性の良好なポリイミド
JP3088705B2 (ja) ポリイミド
JPH0578482A (ja) ポリイミドおよびその製造方法
JP2931804B2 (ja) ポリイミドの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees