JP2931804B2 - ポリイミドの製造方法 - Google Patents

ポリイミドの製造方法

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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は溶融成形用ポリイミドに
関する。更に詳しくは、熱安定性の良好な、成形加工性
に優れたポリイミドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からテトラカルボン酸二無水物とジ
アミンの反応によって得られるポリイミドはその高耐熱
性に加え、力学的強度、寸法安定性が優れ、難燃性、電
気絶縁性などを併せ持つために、電気電子機器、宇宙航
空用機器、輸送機器などの分野で使用されており、今後
共耐熱性が要求される分野に広く用いられることが期待
されている。
【0003】従来優れた特性を示すポリイミドが種々開
発されている。しかしながら耐熱性に優れていても、明
瞭なガラス転移温度を有しないために、成形材料として
用いる場合に焼結成形などの手法を用いて加工しなけれ
ばならないとか、また加工性は優れているが、ガラス転
移温度が低く、しかもハロゲン化炭化水素に可溶で、耐
熱性、耐溶剤性の面からは満足がゆかないとか、性能に
一長一短があった。
【0004】一方、本発明者らはさきに機械的性質、熱
的性質、電気的性質、耐溶剤性などに優れ、かつ耐熱性
を有するポリイミドとして下記式(5)(化5)
【0005】
【化5】
【0006】〔式中、Xは直結、炭素数1乃至10の二
価の炭化水素基、六フッ素価されたイソプロピリデン
基、カルボニル基、スルフィド基またはスルホニル基か
ら成る群より選ばれた基を表わし、Y1〜Y4は夫々独立
に水素、低級アルキル基、低級アルコキシ基、塩素また
は臭素からなる群より選ばれた基を表わし、またRは炭
素数2以上の脂肪族基、環式脂肪族基、単環式芳香族
基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員
により相互に連結された非縮合多環式芳香族基から成る
群より選ばれた4価の基を表わす。〕で表される繰り返
し単位を有するポリイミドを見い出した(特開昭61−
143478、特開昭62−68817、特開昭62−
86021、特開昭62−235381、特開昭63−
128025等)。上記のポリイミドは、多くの良好な
物性を有する新規な耐熱性樹脂である。
【0007】しかしながら、上記ポリイミドは優れた流
動性を示し、加工性の良好なポリイミドではあるけれど
も、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリ
フェニレンスルフィドなどに代表されるエンジニアリン
グプラスチックスに比較すると、上記のポリイミドは耐
熱性やその他の特性においてははるかに優れているもの
の、分子量が大きくなると溶融流動性が低下し、成形加
工性は上述のエンジニアリングプラスチックスに未だ及
ばない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
イミドが本来有する優れた特性に加え、さらに熱安定性
が良好で溶融流動性に優れ、長時間高温に保っても成形
加工性が低下しないポリイミドを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するために鋭意研究を行った結果、本発明を達成し
た。すなわち本発明は、1)下記式(1)(化6)
【化6】 〔式中、Xはカルボニル基またはスルフィド基から選ば
れた基を表わし、Y1〜Y4は夫々独立に水素、メチル
基、メトキシ基、塩素および臭素からなる群より選ばれ
た基を表わす。〕で表わされるジアミン、または上記ジ
アミンのその一部を、 から選ばれるジアミンで代替したジアミン成分、 2)下記式(2)(化7)
【化7】 〔式中、Rは から成る群より選ばれた4価の基を表わす。〕で表わさ
れるテトラカルボン酸二無水物、 3)下記式(3)(化8)
【化8】 〔式中、Zは から成る群より選ばれた2価の基を表わす。〕で表わさ
れるジカルボン酸無水物、及び下記式(4)(化9)
【化9】 〔式中、Z’は から成る群より選ばれた1価の基を表わす。〕で表わさ
れる芳香族モノアミンを、 4)テトラカルボン酸二無水物の量はジアミン1モル当
り0.9乃至1.0モル比であり、且つジカルボン酸無
水物の量はジアミン1モル当り0.001乃至1.0モ
ル比であり、且つ芳香族モノアミンの量はジアミン1モ
ル当り0.001乃至1.0モル比で反応させ得られた
ポリアミド酸をイミド化する成形安定性の良好なポリイ
ミドの製造方法である。
【0010】本発明の方法で用いられる式(1)(化
6)で表わされるジアミンとしては、ビス〔4−(3−
アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(3
−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4
−(3−アミノフェノキシ)−3−メトキシフェニル〕
スルフィド、〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕〔4−(3−アミノフェノキシ)−3,5−ジメト
キシフェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフ
ェノキシ)−3,5−ジメトキシフェニル〕スルフィド
などが挙げられ、これらは単独あるいは2種以上混合し
て用いられる。
【0011】なお、本発明の方法のポリイミドの良好な
物性を損なわない範囲で、上記ジアミンの一部を他のジ
アミンで代替して用いることは何ら差支えない。
【0012】一部代替して用いることができるジアミン
としては、例えばm−フェニレンジアミン、o−フェニ
レンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベ
ンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、ビス(3−
アミノフェニル)エーテル、(3−アミノフェニル)
(4−アミノフェニル)エーテル、ビス(4−アミノフ
ェニル)エーテル、ビス(3−アミノフェニル)スルフ
ィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)
スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、
ビス(3−アミノフェニル)スルホキシド、(3−アミ
ノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビ
ス(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(3−ア
ミノフェニル)スルホン、(3−アミノフェニル)(4
−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニ
ル)スルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、
3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミ
ノベンゾフェノン、ビス〔4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕メタン、1,1−ビス〔4−(4−アミ
ノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,2−
ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタ
ン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,
3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミ
ノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフ
ェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノ
キシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ビフェニル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル〕ケトン、ビス〔4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−
(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、
1,4−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイ
ル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(3−アミノフェノ
キシ)ベンゾイル〕ベンゼンなどが挙げられる。
【0013】また、本発明の方法で用いられる式(2)
(化7)で表わされるテトラカルボン酸二無水物として
は、例えばエチレンテトラカルボン酸二無水物、ブタン
テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカル
ボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、1,1−ビ
ス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、
ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水
物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無
水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)
プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキ
シフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4
−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−
ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(2,
3−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3
−ヘキサフルオロプロパン二無水物、3,3’,4,
4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,
2’3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水
物、3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二
無水物、2,2’3,3’−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エ
ーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニ
ル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)スルホン二無水物、4,4’−(p−フェニレ
ンジオキシ)ジフタル酸二無水物、4,4’−(m−フ
ェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、2,3,6,
7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,
5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,
2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、
1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、
3,4,9,10−ぺリレンテトラカルボン酸二無水
物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二
無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボ
ン酸二無水物などであり、これらテトラカルボン酸二無
水物は単独あるいは2種以上混合して用いられる。
【0014】また、本発明の方法で用いられる式(3)
(化8)で表わされるジカルボン酸モノ無水物としては
例えば、無水フタル酸、2,3−ベンゾフェノンジカル
ボン酸無水物、3,4−ベンゾフェノンジカルボン酸無
水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルエーテル
無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルエーテ
ル無水物、2,3−ビフェニルジカルボン酸無水物、
3,4−ビフェニルジカルボン酸無水物、2,3−ジカ
ルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、3,4−ジ
カルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、2,3−
ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、3.
4−ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、
1,2−ナフタレンジカルボン酸無水物、2,3−ナフ
タレンジカルボン酸無水物、1,8−ナフタレンジカル
ボン酸無水物、1,2−アントラセンジカルボン酸無水
物、2,3−アントラセンジカルボン酸無水物、1,9
−アントラセンジカルボン酸無水物などが挙げられ、こ
れらは単独あるいは2種以上混合して用いられる。
【0015】また、本発明の方法で用いられる式(4)
(化9)で表される芳香族モノアミンとしては、例えば
アニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トル
イジン、2,3−キシリジン、2,4−キシリジン、
2,5−キシリジン、2,6−キシリジン、3,4−キ
シリジン、3,5−キシリジン、o−クロロアニリン、
m−クロロアニリン、p−クロロアニリン、o−ブロモ
アニリン、m−ブロモアニリン、p−ブロモアニリン、
o−ニトロアニリン、m−ニトロアニリン、p−ニトロ
アニリン、o−アミノフェノール、m−アミノフェノー
ル、p−アミノフェノール、o−アニシジン、m−アニ
シジン、p−アニシジン、o−フェネチジン、m−フェ
ネチジン、p−フェネチジン、o−アミノベンツアルデ
ヒド、m−アミノベンツアルデヒド、p−アミノベンツ
アルデヒド、o−アミノベンゾトリフルオリド、m−ア
ミノベンゾトリフルオリド、p−アミノベンゾトリフル
オリド、o−アミノベンゾニトリル、m−アミノベンゾ
ニトリル、p−アミノベンゾニトリル、2−アミノビフ
ェニル、3−アミノビフェニル、4−アミノビフェニ
ル、2−アミノフェニルフェニルエーテル、3−アミノ
フェニルフェニルエーテル、4−アミノフェニルフェニ
ルエーテル、2−アミノベンゾフェノン、3−アミノベ
ンゾフェノン、4−アミノベンゾフェノン、2−アミノ
フェニルフェニルスルフィド、3−アミノフェニルフェ
ニルスルフィド、4−アミノフェニルフェニルスルフィ
ド、2−アミノフェニルフェニルスルホン、3−アミノ
フェニルフェニルスルホン、4−アミノフェニルフェニ
ルスルホン、α−ナフチルアミン、β−ナフチルアミ
ン、1−アミノ−2−ナフトール、2−アミノ−1−
ナフトール、4−アミノ−1−ナフトール、5−アミノ
−1−ナフトール、5−アミノ−2−ナフトール、7−
アミノ−2−ナフトール、8−アミノ−1− ナフトー
ル、8−アミノ−2−ナフトール、1−アミノアントラ
セン、2−アミノアントラセン、9−アミノアントラセ
ンなどが挙げられる。
【0016】本発明の方法において使用されるジアミ
ン、テトラカルボン酸二無水物およびジカルボン酸無水
物、芳香族モノアミンのモル比は、ジアミン1モル当
り、テトラカルボン酸二無水物は0.9乃至1.0モ
ル、ジカルボン酸無水物は0.001乃至1.0モルで
あり、芳香族モノアミンは0.001乃至1.0モルで
ある。
【0017】ポリイミドの製造に当たって、生成ポリイ
ミドの分子量を調製するために、テトラカルボン酸二無
水物と芳香族ジアミンの量比を調節することは通常行わ
れている。本発明の方法においては、溶融流動性の良好
なポリイミドを得るためにはテトラカルボン酸二無水物
のモル比は0.9乃至1.0を使用する。
【0018】また、共存させるジカルボン酸無水物及び
芳香族モノアミンはジアミンに対して0.001乃至
1.0モル比の量が使用される。もし0.001モル比
以下であれば、本発明の目的とする高温時の熱安定性及
び良好な成形加工性が得られない。また、1.0モル比
以上では機械的特性が低下する。好ましい使用量は0.
01乃至0.5モル比である。反応方法は特に限定され
ないが、有機溶媒中で行うのが好ましい方法である。
【0019】この反応に用いる有機溶媒としては、例え
ば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N
−ジメチルメトキシアセトアミド、N−メチル−2−ピ
ロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、
N−メチルカプロラクタム、1,2−ジメトキシエタ
ン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビ
ス(2−メトキシエトキシ)エタン、ビス〔2−(2−
メトキシエトキシ)エチル〕エーテル、テトラヒドロフ
ラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ピリ
ジン、ピコリン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスル
ホン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミ
ド、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、p
−クロロフェノール、アニソールなどが挙げられる。ま
た、これらの有機溶剤は単独でも或いは2種以上混合し
て用いても差し支えない。
【0020】本発明の方法で有機溶媒に、出発原料のジ
アミン、テトラカルボン酸二無水物、ジカルボン酸無水
物、芳香族モノアミンを添加、反応させる方法として
は、 1) ジアミンとテトラカルボン酸二無水物を反応させ
た後に、ジカルボン酸無水物を添加して反応を続け、そ
の後芳香族モノアミンを添加する方法、 2) ジアミンにジカルボン酸無水物を加えて反応させ
た後、テトラカルボン酸二無水物を添加し、反応を継続
し、しかるのち芳香族モノアミンを添加し、さらに反応
を続ける方法、 3) ジアミン、テトラカルボン酸二無水物、ジカルボ
ン酸無水物を同時に添加、反応させ、しかるのちに芳香
族モノアミンを添加し、さらに反応させる方法、など、
いずれの添加、反応をとっても差し支えない。
【0021】反応温度は0乃至250℃で行われる。通
常は100℃以下の温度で行われる。 反応圧力は特に
限定されず、常圧で十分実施できる。 反応時間は、使
用するジアミン、テトラカルボン酸二無水物、ジカルボ
ン酸無水物、芳香族モノアミン溶剤の種類および反応温
度により異なるが、通常4〜24時間で十分である。
【0022】このような反応により、下記式(6)(化
10)の繰り返し単位を基本骨格としてポリアミド酸が
生成される。
【0023】
【化10】
【0024】〔式中、X、Y1、Y2、Y3、Y4およびR
は前記式(1)と同じである。〕 このポリアミド酸を100〜400℃に加熱脱水する
か、または通常用いられるイミド化剤、例えばトリエチ
ルアミンと無水酢酸などを用いて化学イミド化すること
により下記式(7)(化11)の繰り返し単位を基本骨
格として有する対応するポリイミドが得られる。
【0025】
【化11】
【0026】〔式中、X、Y1、Y2、Y3、Y4およびR
は前記式(1)と同じである。〕 一般的には低い温度でポリアミド酸を生成させた後に、
さらにこれを熱的または化学的にイミド化することが行
われる。しかし60乃至250℃の温度でこのポリアミ
ド酸の生成と熱イミド化反応を同時に行ってポリイミド
を得ることもできる。
【0027】すなわち、ジアミン、テトラカルボン酸二
無水物、芳香族ジカルボン酸無水物を有機溶媒中に懸濁
または溶解させた後加熱下に反応を行い、ポリアミド酸
の生成と脱水イミド化とを同時に行わせ、しかるのち芳
香族モノアミンを添加して反応を継続する方法。ジアミ
ン、テトラカルボン酸二無水物を有機溶媒中に懸濁また
は溶解させた後加熱下に反応を行い、しかるのちさらに
ジカルボン酸無水物、芳香族モノアミンを添加して反応
を続ける方法。またはジアミン、テトラカルボン酸二無
水物、ジカルボン酸無水物、芳香族モノアミンを有機溶
媒中に懸濁または溶解させた後加熱下に反応を行わせる
方法等により上記式(7)(化11)の繰り返し単位を
基本骨格として有するポリイミドを得ることもできる。
【0028】本発明のポリイミドを溶融成形に供する場
合、本発明の目的を損なわない範囲で他の熱可塑性樹
脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボ
ネート、ポリアリレート、ポリアミド、ポリスルホン、
ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェ
ニレンスルフィド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイ
ミド、変性ポリフェニレンオキシドなどを目的に応じて
適当量を配合することも可能である。またさらに通常の
樹脂組成物に使用する次のような充填剤などを、発明の
目的を損なわない程度で用いてもよい。
【0029】すなわち、グラファイト、カーボランダ
ム、珪石粉、二硫化モリブデン、フッ素樹脂などの耐摩
耗性向上剤、ガラス繊維、カーボン繊維、ボロン繊維、
炭化珪素繊維、カーボンウィスカー、アスベスト、金属
繊維、セラミック繊維などの補強剤、三酸化アンチモ
ン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどの難燃性向
上剤、クレー、マイカなどの電気的特性向上剤、アスベ
スト、シリカ、グラファイトなどの耐トラッキング向上
剤、硫酸バリウム、シリカ、メタ珪酸カルシウムなどの
耐酸性向上剤、鉄粉、亜鉛粉、アルミニウム粉、銅粉な
どの熱伝導度向上剤、その他ガラスビーズ、ガラス球、
タルク、珪藻土、アルミナ、シラスバルン、水和アルミ
ナ、金属酸化物、着色料などである。
【0030】
【実施例】以下に本発明を実施例および比較例により具
体的に説明する。 実施例1 かきまぜ機、還流冷却器および窒素導入管を備えた反応
容器に、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕スルフィド400g(1.0モル)とジメチルアセ
トアミド5580gを装入し、室温で窒素雰囲気下、
8.88g(0.06モル)の無水フタル酸と211g
(0.97モル)のピロメリット酸二無水物を溶液温度
の上昇に注意しながら加え、室温で約20時間かきまぜ
た。次いでこのポリアミド酸溶液にアニリン5.6g
(0.06モル)を加え、さらに2時間かきまぜた。
【0031】次に、この溶液に404g(4モル)のト
リエチルアミンおよび306g(3モル)の無水酢酸を
滴下した。20時間かきまぜて淡黄色のスラリーを得
た。このスラリーを濾過し、メタノールで洗浄、180
℃で8時間減圧乾燥して、582gの淡黄色ポリイミド
粉を得た。このポリイミド粉のガラス転移温度は235
℃、対数粘度は0.49dl/gであった。
【0032】本実施例で得られたポリイミドの成形安定
性をフローテスターのシリンダー内滞留時間を変えて測
定した。温度は320℃、圧力は100kg/cm2
行った。結果を図2に示す。シリンダー内での滞留時間
が長くなっても、溶融粘度は殆ど変化せず、熱安定性の
良好なことがわかる。
【0033】比較例1 実施例1と全く同様に、但し無水フタル酸及びアニリン
を使用せずに淡黄色のポリイミド粉末を得た。ポリイミ
ド粉のガラス転移温度は235℃、対数粘度は0.49
dl/gであった。実施例1と同様にフローテスターの
シリンダー内での滞留時間を変え、溶融粘度を測定した
ところ、滞留時間が長くなるにしたがって溶融粘度が増
加し、実施例1で得られたポリイミドに比べて熱安定性
の劣るものであった。
【0034】比較例2 実施例1と全く同様に、但しアニリンを使用せずに淡黄
色のポリイミド粉末を得た。ポリイミド粉のガラス転移
温度は235℃、対数粘度は0.49dl/gであっ
た。実施例1と同様にフローテスターのシリンダー内滞
留時間を変え、溶融粘度を測定したところ、滞留時間が
伸びても溶融粘度の変化は殆ど無く、熱安定性は良好で
あるが、溶融粘度が実施例1のポリイミド粉に比較して
高く、成形加工性に劣っていることがわかる。
【0035】実施例2 実施例1と同様の装置に、ビス〔4−(3−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕ケトン396g(1モル)、ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物3
00.7g(0.97モル)、無水フタル酸8.88g
(0.06モル)および4000gのm−グレゾールを
装入し、窒素雰囲気下に、かきまぜながら加熱昇温し
た。120℃付近で褐色透明の均一溶液となった。15
0℃まで加熱し、かきまぜを続けると、約20分で黄色
ポリイミド粉が析出し始めた。さらに加熱下で2時間か
きまぜを続けた後、アニリン5.6g(0.06モル)
を加え、さらに2時間かきまぜを続けた。
【0036】しかるのち濾過してポリイミド粉を得た。
このポリイミド粉をメタノールおよびアセトンで洗浄し
た後180℃で8時間減圧乾燥して663gのポリイミ
ド粉を得た。このポリイミド粉の対数粘度は0.51d
l/g、ガラス転移温度は201℃であった。実施例1
と同様、温度280℃、圧力100kg/cm2でフロ
ーテスターにて繰り返し押し出して夫々溶融粘度を測定
したところ、測定回数による溶融粘度の変化は殆ど見ら
れなかった。結果を図2に示す。
【0037】
【発明の効果】本発明の方法によれば、機械的性質、熱
的性質、電気的性質、耐溶剤性に優れ、しかも耐熱性で
ある上に熱的に長時間安定で、成形加工性に優れたポリ
イミドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリイミドのフローテスターのシリン
ダー内での滞留時間と溶融粘度の関係を示す例図であ
る。
【図2】本発明のポリイミドの溶融繰り返し回数と溶融
粘度の関係を示す例図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安井 治 福岡県大牟田市浅牟田町30 三井東圧化 学株式会社内 (72)発明者 小林 忠 福岡県大牟田市浅牟田町30 三井東圧化 学株式会社内 審査官 村上 騎見高 (56)参考文献 特開 平1−123830(JP,A) 特開 平1−110530(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1)下記式(1)(化1) 【化1】 〔式中、Xはカルボニル基またはスルフィド基から選ば
    れた基を表わし、Y1〜Y4は夫々独立に水素、メチル
    基、メトキシ基、塩素および臭素からなる群より選ばれ
    た基を表わす。〕で表わされるジアミン、または上記ジ
    アミンのその一部を、 から選ばれるジアミンで代替したジアミン成分、 2)下記式(2)(化2) 【化2】 〔式中、Rは から成る群より選ばれた4価の基を表わす。〕で表わさ
    れるテトラカルボン酸二無水物、 3)下記式(3)(化3) 【化3】 〔式中、Zは から成る群より選ばれた2価の基を表わす。〕で表わさ
    れるジカルボン酸無水物、及び下記式(4)(化4) 【化4】 〔式中、Z’は から成る群より選ばれた1価の基を表わす。〕で表わさ
    れる芳香族モノアミンを、 4)テトラカルボン酸二無水物の量はジアミン1モル当
    り0.9乃至1.0モル比であり、且つジカルボン酸無
    水物の量はジアミン1モル当り0.001乃至1.0モ
    ル比であり、且つ芳香族モノアミンの量はジアミン1モ
    ル当り0.001乃至1.0モル比で反応させ得られた
    ポリアミド酸をイミド化する成形安定性の良好なポリイ
    ミドの製造方法。
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