JPH0726018A - 芳香族ジアミン、ポリイミドおよびその製造方法ならびにその用途 - Google Patents

芳香族ジアミン、ポリイミドおよびその製造方法ならびにその用途

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JPH0726018A
JPH0726018A JP17042993A JP17042993A JPH0726018A JP H0726018 A JPH0726018 A JP H0726018A JP 17042993 A JP17042993 A JP 17042993A JP 17042993 A JP17042993 A JP 17042993A JP H0726018 A JPH0726018 A JP H0726018A
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充記 松尾
Keisaburo Yamaguchi
桂三郎 山口
Teruhiro Yamaguchi
彰宏 山口
Wataru Yamashita
渉 山下
Yuichi Okawa
祐一 大川
Hideaki Oikawa
英明 及川
Tadashi Asanuma
浅沼  正
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 一般式(1)で表される芳香族ジアミン、そ
れを用いた式(2)の繰り返し構造単位を有するポリイ
ミドおよびそれを含有するポリイミドフィルム。 (式中、X、Yはそれぞれ、酸素原子、硫黄原子または
メチレン基を表す) (式中、X、Yはそれぞれ、酸素原子、硫黄原子または
メチレン基を表し、Rは炭素数6〜27であり、かつ単
還式芳香族基、縮合多環式芳香族基、または芳香族基が
直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式
芳香族基からなる群より選ばれた4価の基を表す) 【効果】 このポリイミドは、耐熱性、機械物性等、ポ
リイミド本来の性質を損なうことなく、しかも、成形性
や可とう性等に優れたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なジアミンおよび
ポリイミドに関する。更に詳しくは、新規な芳香族ジア
ミンおよびそれらをモノマーとする熱可塑性を有する、
成形加工性に優れたポリイミドおよびその製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリイミドはその優れた耐熱
性に加え、機械物性、耐薬品性、難燃性、電気特性等の
点において優れた特性を有しているために、成形材料、
複合材料、電気・電子部品等の分野において幅広く用い
られている。例えば、代表的なポリイミドとしては、式
(6)(化8)(デュポン社製,商品名:Kapto
n,Vespel)が知られているが、このポリイミド
は不溶不融のため、前駆体であるポリアミド酸を経由す
る焼結成形などの特殊な手法を用いて成形しなければな
らず、また、ポリイミドワニスとしての利用は不可能で
ある。
【0003】
【化8】 ポリイミドに加工性を付与する目的で、モノマーである
ジアミン成分を種々改良する方法が試みられている。例
えば、モノマー単位における分子鎖の増加や折れ構造を
導入する方法、あるいはビフェニル骨格やエステル結合
を有するポリマーの一部が液晶性を有することより、こ
れらの構造をポリイミド中に応用する方法などがあげら
れる。しかしながら、現在まで、可とう性や成形加工性
等の要求性能を完全に満足させるものは見いだされてい
ない。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポ
リイミドが本来有する優れた耐熱性に加え、さらに成形
加工性の良好な熱可塑性のポリイミドおよびそのモノマ
ーである芳香族ジアミンを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、新規な芳香族
ジアミンを見いだし、それらをモノマー成分とするポリ
イミドが、ポリイミド固有の諸性能を損なうことなく、
優れた成形加工性を有する熱可塑性のポリイミドである
ことを見い出し、本発明を完成した。すなわち、本発明
は、一般式(1)(化9)で表される芳香族ジアミン、
【0006】
【化9】 (式中、X、Yはそれぞれ、酸素原子、硫黄原子または
メチレン基を表す)一般式(2)(化10)で表される
繰り返し構造単位を有するポリイミド、および/また
は、一般式(2)で表される繰り返し構造単位を有し、
且つ、そのポリマー分子の末端が、置換基を有しない
か、あるいはアミンまたはジカルボン酸無水物と反応性
を有しない基で置換された芳香族環であるポリイミド、
【0007】
【化10】 (式中、X、Yはそれぞれ、酸素原子、硫黄原子または
メチレン基を表し、Rは炭素数6〜27であり、かつ単
環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、または芳香族基が
直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式
芳香族基からなる群より選ばれた4価の基を表す)ま
た、一般式(2)のRが、下記の群(化11)より選ば
れるいずれかの基である前記のポリイミドに関するもの
である。さらに、前記ポリイミドの製造方法およびそれ
らの用途に関するものである。
【0008】
【化11】 本発明のジアミンは、一般式(1)で表され、その製造
法としては、Xが酸素原子または硫黄原子であるものに
関しては、1,3,5−トリハロゲノベンゼンと一般式
(7)(化12)で表される芳香族アミノ化合物とを塩
基の存在下、非プロトン性極性溶剤中で反応させて、得
られる一般式(8)(化12)で表される芳香族ジアミ
ンを還元脱ハロゲン化する方法があげられる。
【0009】
【化12】 (式中、Xは酸素原子または硫黄原子を表し、Yは酸素
原子、硫黄原子またはメチレン基を表し、Aはハロゲン
原子を表す)また、Xがメチレンであるものに関して
は、一般式(9)(化13)で表される芳香族ジアミノ
化合物を還元する方法によって得られる。
【0010】
【化13】 (式中、Yは酸素原子、硫黄原子またはメチレン基を表
す)具体的には、1,3-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フ
ェノキシ〕ベンゼン、1,3-ビス〔4-(4-アミノチオフェ
ニル)フェノキシ〕ベンゼン、1,3-ビス〔4-(4-アミノフ
ェノキシ)チオフェニル〕ベンゼン、1,3-ビス〔4-(4-ア
ミノチオフェニル)チオフェニル〕ベンゼン、1,3-ビス
〔4-(4-アミノフェノキシ)ベンジル〕ベンゼン、1,3-ビ
ス〔4-(4-アミノチオフェニル)ベンジル〕ベンゼンであ
る。
【0011】本発明のポリイミドは、一般式(2)で表
される繰り返し構造単位を有し、その末端が芳香族であ
るポリイミドである。本発明のポリイミドは、一般式
(1)で表される前述の芳香族ジアミンを必須モノマー
として用いるが、ポリイミドの良好な物性を損なわない
範囲で、他の芳香族ジアミンを混合して使用することも
できる。混合して使用できるジアミンとしては、例え
ば、m-フェニレンジアミン、o-フェニレンジアミン、p-
フェニレンジアミン、m-アミノベンジルアミン、p-アミ
ノベンジルアミン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテ
ル、3,3'-ジアミノジフェニルエーテル、3,4'-ジアミノ
ジフェニルエーテル、ビス(3-アミノフェニル)スルフィ
ド、ビス(4-アミノフェニル)スルフィド、(3-アミノフ
ェニル)(4-アミノフェニル)スルフィド、ビス(3-アミ
ノフェニル)スルホキシド、ビス(4-アミノフェニル)ス
ルホキシド、(3-アミノフェニル)(4-アミノフェニル)ス
ルホキシド、ビス(3-アミノフェニル)スルホン、ビス(4
-アミノフェニル)スルホン、(3-アミノフェニル)(4-ア
ミノフェニル)スルホン、3,3'-ジアミノベンゾフェノ
ン、4,4'-ジアミノベンゾフェノン、3,4'-ジアミノベン
ゾフェノン、3,3'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-ジ
アミノジフェニルメタン、3,4'-ジアミノジフェニルメ
タン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]メタ
ン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]メタン、
1,1-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]エタン、
1,2-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]エタン、
1,1-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エタン、
1,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エタン、
2,2-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパ
ン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロ
パン、2,2-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]ブ
タン、
【0012】2,2-ビス[3-(3-アミノフェノキシ)フェニ
ル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス
[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘ
キサフルオロプロパン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)
ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,
3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(3-ア
ミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキ
シ)ベンゼン、4,4'ービス(3-アミノフェノキシ)ビフェニ
ル、4,4'ービス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス
[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4-
(4-アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4-(3-
アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4-(4-
アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4-(3-
アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4-
(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス
[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス
[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス
[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス
[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,4-ビ
ス[4-(3-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,
3-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼ
ン、4,4'-ビス[3-(4-アミノフェノキシ)ベンゾイル]
ジフェニルエーテル、4,4'-ビス[3-(3-アミノフェノキ
シ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4'-ビス[4-(4
-アミノーα,αージメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾ
フェノン、
【0013】4,4'-ビス[4-(4-アミノーα,αージメチル
ベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4-
[4-(4-アミノフェノキシ)フェノキシ]フェニル]スルホ
ン、1,4-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェノキシ-α,
α-ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3-ビス[4-(4-アミ
ノフェノキシ)フェノキシ-α,α-ジメチルベンジル]ベ
ンゼン、1,3-ビス[4-(4-アミノ-6-トリフルオロメチル
フェノキシ)-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3-
ビス[4-(4-アミノ-6-フルオロフェノキシ)-α,α-ジメ
チルベンジル]ベンゼン、1,3-ビス[4-(4-アミノ-6-メ
チルフェノキシ)-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、
1,3-ビス[4-(4-アミノ-6-シアノフェノキシ)-α,α-ジ
メチルベンジル]ベンゼン、3,3'-ジアミノ-4,4'-ジフ
ェノキシベンゾフェノン、4,4'-ジアミノ-5,5'-ジフェ
ノキシベンゾフェノン、3,4'-ジアミノ-4,5'-ジフェノ
キシベンゾフェノン、3,3'-ジアミノ-4-フェノキシベン
ゾフェノン、4,4'-ジアミノ-5-フェノキシベンゾフェノ
ン、3,4'-ジアミノ-4-フェノキシベンゾフェノン、3,4'
-ジアミノ-5'-フェノキシベンゾフェノン、3,3'-ジアミ
ノ-4,4'-ジビフェノキシベンゾフェノン、4,4'-ジアミ
ノ-5,5'-ジビフェノキシベンゾフェノン、3,4'-ジアミ
ノ-4,5'-ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3'-ジアミ
ノ-4-ビフェノキシベンゾフェノン、4,4'-ジアミノ-5-
ビフェノキシベンゾフェノン、3,4'-ジアミノ-4-ビフェ
ノキシベンゾフェノン、3,4'-ジアミノ-5'-ビフェノキ
シベンゾフェノン等が挙げられ、またこれらは単独また
は2種以上を混合して使用される。
【0014】また、芳香族テトラカルボン酸二無水物と
しては、一般式(3)で表されるテトラカルボン酸二無
水物を用いる。一般式(3)において、Rは炭素数6〜
27であり、且つ、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族
基または芳香族基が直接または架橋員により相互に連結
された非縮合多環式芳香族基からなる群より選ばれた4
価の基を示し、具体的には、Rが、下記の群(化14)
より選ばれるいずれかの4価の基であるテトラカルボン
酸二無水物が使用される。
【0015】
【化14】
【0016】本発明で用いられる前記一般式(3)で表
されるテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピ
ロメリット酸二無水物、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物、2,2ービス(2,3-ジカルボキシフェニル)プ
ロパン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エー
テル二無水物 、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スル
ホン二無水物、1,1-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エ
タン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン
二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)メタン二無
水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ー1,1,1,3,
3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,3,6,7-ナフタ
レンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテ
トラカルボン酸二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカ
ルボン酸二無水物、1,2,3,4-ベンゼンテトラカルボン酸
二無水物、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸二無水
物、2,3,6,7,-アントラセンテトラカルボン酸二無水
物、1,2,7,8-フェナントレンテトラカルボン酸二無水
物、1,4-ビス(3,4- ジカルボキシフェノキシ) ベンゼン
二無水物、1,4-ビス(3,4- ジカルボキシベンゾイル) ベ
ンゼン二無水物、4,4'- ビス[ (3,4- ジカルボキシ) フ
ェノキシ] ベンゾフェノン二無水物、4,4'- ビス[(3,4-
ジカルボキシ) フェノキシ] ジフェニルエーテル二無水
物、2,2-ビス[4-(3,4-ジカルボキシ) フェノキシフェニ
ル] プロパン二無水物等が挙げられる。これらは単独あ
るいは2種以上混合して用いられる。
【0017】これらの芳香族ジアミン成分と芳香族テト
ラカルボン酸二無水物成分をモノマー成分として得られ
るポリイミドは、一般式(2)の繰り返し構造単位を有
するポリイミド、一般式(2)の繰り返し構造単位を有
し、且つ、そのポリマー分子末端に置換基を有しない
か、あるいはアミンまたはジカルボン酸無水物と反応性
を有しない基で置換された芳香族環を有するポリイミ
ド、またはこれらのポリイミドの混合物である。一般式
(2)で表される繰り返し構造単位を有するポリイミド
は、一般式(1)で表される芳香族ジアミン類と、一般
式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物とを反応
させて得られたポリアミド酸を、熱的または化学的に、
イミド化することにより得られる。また、末端に置換基
を有しないか、あるいはアミンまたはジカルボン酸無水
物と反応性を有しない基で置換された芳香族環を有する
ポリイミドは、前記式(1)の芳香族アミンと、前記式
(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物とを反応さ
せ、次いで、一般式(4)(化15)で表される芳香族
ジカルボン酸無水物および/または、一般式(5)で表
される芳香族モノアミンを反応させ、得られたポリアミ
ド酸を、熱的または化学的に、イミド化することにより
得られる。
【0018】
【化15】 (式中、Z1 は炭素数6〜15の脂肪族基、環式脂肪族
基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、または芳香
族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合
多環式芳香族基からなる群より選ばれた2価の基を示
す) Z2 −NH2 (5) (式中、Z2 は炭素数6〜15の脂肪族基、環式脂肪族
基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、または芳香
族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合
多環式芳香族基からなる群より選ばれた1価の基を示
す)
【0019】ここで、式(4)、式(5)中のZ1 およ
びZ2 は、前記式(1)で表されるポリイミド式中のR
と同じ定義のものが含まれ、具体的には、これらの方法
で使用されるジカルボン酸無水物として、無水フタル
酸、2,3-ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、3,4-ベン
ゾフェノンジカルボン酸無水物、2,3-ジカルボキシフェ
ニルフェニルエーテル無水物、3,4-ジカルボキシフェニ
ルフェニルエーテル無水物、2,3-ビフェニルジカルボン
酸無水物、3,4-ビフェニルジカルボン酸無水物、2,3-ジ
カルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、3,4-ジカ
ルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、2,3-ジカル
ボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、3,4-ジカル
ボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、1,2-ナフタ
レンジカルボン酸無水物、2,3-ナフタレンジカルボン酸
無水物、1,8-ナフタレンジカルボン酸無水物、1,2-アン
トラセンジカルボン酸無水物、2,3-アントラセンジカル
ボン酸無水物、1,9-アントラセンジカルボン酸無水物等
が挙げられる。これらのジカルボン酸無水物はアミンま
たはジカルボン酸無水物と反応性を有しない基で置換さ
れても差し支えない。
【0020】これらのジカルボン酸無水物の中で、得ら
れるポリイミドの性質面及び実用面から、無水フタル酸
が最も好ましい。すなわち、高温成形時における成形安
定性の優れたポリイミドであり、優れた耐薬品性を有し
ており、前記の優れた加工性を考え合わせると、例え
ば、構造材料、宇宙航空機用基材、電気・電子部品ある
いは接着剤としてとして、極めて有用なポリイミドであ
る。また、無水フタル酸を使用する場合、ポリイミドの
良好な物性を損なわない範囲で、その一部を他のジカル
ボン酸無水物で代替して用いることはなんら差し支えな
い。用いられるジカルボン酸無水物の量は、式(1)で
表される芳香族ジアミン1モル当り、0.001〜1.
0モルである。0.001モル未満では高温成形時に粘
度の上昇がみられ、成形加工性低下の原因となる。ま
た、1.0モルを越えると機械的特性が低下する。好ま
しい使用量は、0.01〜0.5モルである。
【0021】また、芳香族モノアミンを使用する場合、
芳香族モノアミンとしては、例えばアニリン、o-トルイ
ジン、m-トルイジン、p-トルイジン、2,3-キシリジン、
2,6-キシリジン、3,4-キシリジン、3,5-キシリジン、o-
クロロアニリン、m-クロロアニリン、p-クロロアニリ
ン、o-ブロモアニリン、m-ブロモアニリン、p-ブロモア
ニリン、o-ニトロアニリン、m-ニトロアニリン、p-ニト
ロアニリン、o-アミノフェノール、m-アミノフェノー
ル、p-アミノフェノール、o-アニシジン、m-アニシジ
ン、p-アニシジン、o-フェネジン、m-フェネジン、p-フ
ェネジン、o-アミノベンツアルデヒド、m-アミノベンツ
アルデヒド、p-アミノベンツアルデヒド、o-アミノベン
ゾニトリル、m-アミノベンゾニトリル、p-アミノベンゾ
ニトリル、2-アミノビフェニル、3-アミノビフェニル、
4-アミノビフェニル、2-アミノフェニルフェニルエーテ
ル、3-アミノフェニルフェニルエーテル、4-アミノフェ
ニルフェニルエーテル、2-アミノベンゾフェノン、3-ア
ミノベンゾフェノン、4-アミノベンゾフェノン、2-アミ
ノフェニルフェニルスルフィド、3-アミノフェニルフェ
ニルスルフィド、4-アミノフェニルフェニルスルフィ
ド、2-アミノフェニルフェニルスルホン、3-アミノフェ
ニルフェニルスルホン、4-アミノフェニルフェニルスル
ホン、α-ナフチルアミン、β-ナフチルアミン、1-アミ
ノ-2-ナフトール、2-アミノ-1-ナフトール、4-アミノ-1
-ナフトール、5-アミノ-1-ナフトール、5-アミノ-2-ナ
フトール、7-アミノ-2-ナフトール、8-アミノ-1-ナフト
ール、8-アミノ-2-ナフトール、1-アミノアントラセ
ン、2-アミノアントラセン、9-アミノアントラセン等が
挙げられる。これらの芳香族モノアミンは、アミンまた
はジカルボン酸無水物と反応性を有しない基で置換され
ても差し支えない。用いられる芳香族モノアミンの量
は、一般式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物
1モル当り、0.001〜1.0モルである。0.00
1モル未満では、高温成形時に粘度の上昇がみられ成形
加工性低下の原因となる。また、1.0モルを越えると
機械的特性が低下する。好ましい使用量は、0.01〜
0.5モルの割合である。
【0022】このように、本発明のポリイミドの末端が
置換基を有しないか、または置換芳香環であるポリイミ
ドを製造する場合、テトラカルボン酸二無水物、芳香族
ジアミン、およびジカルボン酸無水物または芳香族モノ
アミンのモル比は、芳香族ジアミンが過剰な場合、芳香
族ジアミン1モル当り、テトラカルボン酸二無水物は
0.9〜1.0モル、ジカルボン酸無水物は0.001
〜1.0モルであり、逆に芳香族テトラカルボン酸二無
水物が過剰な場合、テトラカルボン酸二無水物1.0モ
ル当り、芳香族ジアミンは0.9〜1.0モル、芳香族
モノアミンは0.001〜1.0モルである。ポリイミ
ドの製造にあたって、生成ポリイミドの分子量を調節す
るために、テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン
の量比を調節することは通常行われている。本発明の方
法においては、溶融流動性の良好なポリイミドを得るた
めに適切な芳香族ジアミンに対するテトラカルボン酸二
無水物のモル比は0.9〜1.0の範囲である。
【0023】本発明のポリイミドの製造方法としては、
ポリイミドの製造可能な方法が公知方法を含め全て適用
できるが、中でも、有機溶媒中で反応を行うことが特に
好ましい方法である。このような反応において用いられ
る溶媒は、好ましくは、N,N-ジメチルアセトアミドであ
るが、そのほかに使用できる溶媒としては、例えば、N,
N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、
N-メチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジ
ノン、N-メチルカプロラクタム、1,2-ジメトキシエタ
ン、ビス(2-メトキシエチル)エーテル、1,2-ビス(2-メ
トキシエトキシ)エタン、ビス〔2-(2-メトキシエトキ
シ)エチル〕エーテル、テトラヒドロフラン、1,3-ジオ
キサン、1,4-ジオキサン、ピロリン、ピコリン、ジメチ
ルスルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチル尿
素、ヘキサメチルホスホルアミド、フェノール、o-クレ
ゾール、mークレゾール、p-クレゾール、m-クレゾール
酸、p-クロロフェノール、アニソール、ベンゼン、トル
エン、キシレン等が挙げられる。また、これらの有機溶
媒は単独でも2種類以上混合して用いても差し支えな
い。
【0024】本発明の方法で、有機溶媒に、芳香族ジア
ミン、テトラカルボン酸二無水物、芳香族ジカルボン酸
無水物または芳香族モノアミンを添加、反応させる方法
としては、(イ)テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジ
アミンを反応させた後に、芳香族ジカルボン酸無水物ま
たは芳香族モノアミンを添加して反応を続ける方法、
(ロ)芳香族ジアミンに芳香族ジカルボン酸無水物を加
えて反応させた後、テトラカルボン酸二無水物を添加
し、更に反応を続ける方法、(ハ)テトラカルボン酸二
無水物に芳香族モノアミンを加えて反応させた後、芳香
族ジアミンを添加し、更に反応を続ける方法、(ニ)テ
トラカルボン酸二無水物、芳香族ジアミン、芳香族ジカ
ルボン酸無水物または芳香族モノアミンを同時に添加
し、反応させる方法、等が挙げられ、いずれの添加方法
をとっても差し支えない。
【0025】反応温度は、通常、250℃以下、好まし
くは50℃以下である。反応圧力は特に限定されず、常
圧で十分実施できる。反応時間は、テトラカルボン酸二
無水物の種類、溶媒の種類および反応温度によって異な
り、通常、4〜24時間で十分である。更に、得られた
ポリアミド酸を100〜400℃に加熱してイミド化す
るか、または無水酢酸等のイミド化剤を用いて化学イミ
ド化することにより、ポリアミド酸に対応する繰り返し
構造単位を有するポリイミドが得られる。本ポリイミド
の前駆体であるポリアミド酸を0.5g/dlの濃度で
N,N-ジメチルアセトアミドに溶解した後、35℃で測定
した対数粘度の値は、0.01〜3.0dl/gであ
り、更に本ポリイミド粉を9重量部のp−クロロフェノ
ールと1重量部のフェノールの混合溶媒に0.5g/d
lの濃度で加熱溶解した後、35℃において測定した対
数粘度の値は、0.01〜3.0dl/gである。
【0026】また、芳香族ジアミンとテトラカルボン酸
二無水物、さらにはポリイミドの末端を芳香環とする場
合は芳香族ジカルボン酸無水物または芳香族モノアミン
とを、有機溶媒中に懸濁または溶解させた後、加熱し、
ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の生成と同時に
イミド化を行うことにより、目的のポリイミドを得るこ
とも可能である。更に、本発明におけるポリイミドフィ
ルムの製造方法としては、本ポリイミドの前駆体である
ポリアミド酸のワニスをガラスプレート上に塗布した
後、加熱してイミド化する手法、あるいは、直接ポリイ
ミド粉を加熱・加圧することによりフィルム状にする手
法が可能である。すなわち、従来公知の手法を用いて、
粉末状もしくはフィルム状のポリイミドを得ることがで
きる。
【0027】また、本発明のポリイミドは、溶融成形に
供する場合、本発明の目的を損なわない範囲で他の熱可
塑性樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リカーボネート、ポリアリレート、ポリアミド、ポリス
ルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、
ポリフェニルスルフィド、ポリアミドイミド、ポリエー
テルイミド、変成ポリフェニレンオキシド、本発明以外
のポリイミド等を目的に応じて適当量を配合することも
可能である。更にまた、本発明のポリイミドを含有する
組成物には、通常の樹脂組成物に使用する次のような充
填剤等を、発明の目的を損なわない範囲で用いてもよ
い。すなわち、グラファイト、カーボランダム、ケイ石
粉、二硫化モリブデン、フッ素系樹脂などの耐摩耗性向
上剤、ガラス繊維、カーボン繊維等の補強剤、三酸化ア
ンチモン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の難燃
性向上剤、クレー、マイカ等の電気的特性向上剤、アス
ベスト、シリカ、グラファイト等の耐トラッキング向上
剤、硫酸バリウム、シリカ、メタケイ酸カルシウム等の
耐酸性向上剤、鉄粉、亜鉛粉、アルミニウム粉、銅粉等
の熱伝導度向上剤、その他ガラスビーズ、ガラス球、タ
ルク、ケイ藻度、アルミナ、シラスバルン、水和アルミ
ナ、金属酸化物、着色料等である。また、本発明のポリ
イミドは、各種成形材料や、フィルムの形態の他に、繊
維としての形態も可能である。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。尚、実施例中のポリイミドの物性は以下の方法
により測定した。 ・Tg、Tm、Tc:DSC(島津DT−40シリー
ズ,DSC−41M)により測定。 ・5%重量減少温度:空気中にてDTG(島津DT−4
0シリーズ,DTG−40M)により測定。 ・溶融開始温度:島津高化式フローテスター(CFT5
00A)により、荷重100kg、昇温速度5℃/mi
nで測定。 ・溶融粘度:島津高化式フローテスター(CFT500
A)により、荷重100kgで測定。 ・対数粘度:ポリアミド酸はN,N-ジメチルアセトアミド
に、ポリイミドはp−クロロフェノール/フェノール
(重量比9/1)混合溶媒に、それぞれ0.5g/10
0mlの濃度で溶解した後、35℃において測定した。
【0029】実施例1 〔縮合反応〕 温度計、還流冷却器、撹拌器を取り付け
た四つ口フラスコに、N,N’−ジメチルイミダゾリジ
ノン(DMI)300g、1,3,5−トリクロロベン
ゼン36.3g(0.2mol)、4−アミノ−4’−
ヒドロキシジフェニルエーテル82.5g(0.41m
ol)、炭酸カリウム41.4g(0.3mol)、ト
ルエン50gをそれぞれ装入した。撹拌下に180℃ま
で昇温した後、180℃で14時間反応した後、200
℃まで昇温し、5時間反応を行った。反応終了時の目的
物純度はHPLCで75%であった。反応終了後、冷却
し、濾過して無機塩を取り除いた後、DMIを減圧下に
留去して、残渣を温水で洗浄した後、36%HCl52
g、水468g、IPA150gを加え、再結晶を行
い、中間体である1,3−ビス(4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェノキシ)−5−クロロベンゼンの塩酸塩を
純度91%で得た。 〔脱クロル化反応〕温度計、還流冷却器、撹拌器を取り
付けた還元装置に、縮合反応で得られたジアミン塩酸塩
75g、IPA300gを加え、28%アンモニア水で
中和した。さらに28%アンモニア水9.1gを添加し
て系中を塩基性とした後、5%Pd/C6gを加え、水素
雰囲気下50〜65℃で5時間反応した。反応終了後、
触媒を濾別し、濾液を減圧濃縮して、目的物の粗結晶を
得た(HPLC純度89%)。得られた粗結晶をIPA
40g、水400g中に懸濁させ、36%HCl31g
を加えて塩酸塩とし、IPA/水で再結晶の後、28%
アンモニア水で中和して目的物である1,3−ビス(4
−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン52
gを得た。1,3,5−トリクロロベンゼンからの収率
55%、HPLC純度99%、融点106〜107℃で
あった。
【0030】実施例2 温度計、還流冷却器、撹拌器を取り付けた還元装置に、
1,3−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイ
ル)ベンゼン塩酸塩76g、50%IPA水溶液500
g、5%Pd/C3.8gを挿入し、水素雰囲気下50
〜65℃で27時間反応した(反応終了後の目的物HP
LC純度70%)。反応終了後、触媒を濾別し濾液中の
IPAを留去した後、冷却して目的物の粗結晶を晶析さ
せた。粗結晶をIPA350g、水20g中に懸濁さ
せ、36%HCl31gを加えて塩酸塩とし、IPA/
水で再結晶の後、28%アンモニア水で中和して目的物
である1,3−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)ベ
ンジル)ベンゼン27.6gを得た。収率44%、HP
LC純度99%、融点114〜115℃であった。
【0031】実施例3 攪拌機、還流冷却器、および窒素導入管を備えた容器
に、実施例1で得た1,3−ビス(4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェノキシ)ベンゼン23.83g(0.0
5モル)、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテ
トラカルボン酸二無水物14.74g(0.0475モ
ル)、無水フタル酸0.7406g(0.005モ
ル)、γ−ピコリン0.70g、m−クレゾール15
4.28gを装入し、窒素雰囲気下において攪拌しなが
ら150℃まで加熱昇温した。その後、150℃で4時
間反応したところ、その間に約1.8mlの水の留出が
確認された。反応終了後、室温まで冷却し、約1Lのメ
チルエチルケトンに排出した後ポリイミド粉を濾別し
た。このポリイミド粉をメチルエチルケトンで洗浄した
後、空気中50℃で24時間、窒素中200℃で4時間
乾燥してポリイミド粉34.94g(収率93.1%)
を得た。かくして得られたポリイミド粉の対数粘度は、
0.44dl/g、ガラス転移温度は252℃、5%重
量減少温度は548℃であった。このポリイミド粉の赤
外吸収スペクトルを図1に示す。このスペクトル図で
は、イミド特性吸収帯である1780cm-1と1720
cm-1付近の吸収が顕著に認められた。また、得られた
ポリイミド粉の元素分析値は以下の通りであった。 ・元素分析 計算値(%) 73.59 3.50 3.73 実測値(%) 74.37 3.89 3.44 このポリイミド粉の流動開始温度を高化式フローテスタ
ーを用いて測定したところ、325℃において流動が観
察された。更に、400℃、滞留時間5minにおける
溶融粘度は8900ポイズであり、ここに得られたスト
ランドは黄色透明の非常に可撓性に富んだものであっ
た。また、ポリイミドの成形安定性をフローテスターの
シリンダー内滞留時間を変えて測定した。温度400
℃、荷重100kgにおける結果を図2に示す。
【0032】実施例4 無水フタル酸を使用しないこと以外は、実施例4と全く
同様にして、ポリイミド粉35.56g(収率94.6
%)を得た。本実施例で得られたポリイミドの対数粘
度、ガラス転移温度、融点、及び流動開始温度の結果を
実施例4の結果と併せて(表1)に示す。 実施例5〜9 実施例3と全く同様な方法により、(表1)に示すよう
なジアミン成分、酸無水物成分を用いて各種ポリイミド
粉を得た。(表1)には、ジアミン成分、酸無水物成
分、対数粘度、ガラス転移温度(Tg)、融点(T
m)、及び流動開始温度の結果を実施例3、4の結果と
併せて示す。
【0033】比較例1 実施例3において、1,3−ビス(4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェノキシ)ベンゼン23.83g(0.0
5モル)を4,4’−ジアミノジフェニルエーテル1
0.01g(0.05モル)に、3,3’,4,4’−
ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物14.7
4g(0.0475モル)をピロメリット酸二無水物1
0.36g(0.0475モル)に変えた以外は、実施
例4と全く同様な方法によりポリイミド粉を得た。しか
しながら、このポリイミド粉はp−クロロフェノール/
フェノール(重量比9/1)の混合溶媒に不溶なことか
ら対数粘度が測定できず、またガラス転移温度、融点等
も観察されなかった。更に、溶融開始温度も観察されな
かったことから、溶融成形が不可能であることが分かっ
た。
【0034】
【表1】 *1)1,3-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェノキシ〕ベ
ンゼン *2)3,3',4,4'-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二
無水物 *3)観察されず、または測定できず *4)3,3'4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物 *5)ピロメリット酸二無水物 *6)1,3-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)ベンジル〕ベン
ゼン *7)4,4'-ジアミノジフェニルエーテル *8)流動せず
【0035】
【発明の効果】本発明により得られるポリイミドは、本
質的に熱可塑性であり、溶融流動性を有するため、溶融
成形加工が可能である。さらに、本発明のポリイミド
は、ポリイミド特有の高ガラス転移温度を有するため、
耐熱的用途に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例4で得られたポリイミド粉の赤外吸収ス
ペクトルの図である。
【図2】実施例4で得られたポリイミド粉のフローテス
ターのシリンダー内滞留時間と溶融粘度変化の関係を測
定した結果である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 渉 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 大川 祐一 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 及川 英明 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 浅沼 正 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)(化1)で表される芳香族
    ジアミン。 【化1】 (式中、X、Yはそれぞれ、酸素原子、硫黄原子または
    メチレン基を表す)
  2. 【請求項2】 一般式(2)(化2)で表される繰り返
    し構造単位を有するポリイミド、および/または、一般
    式(2)で表される繰り返し構造単位を有し、且つ、そ
    のポリマー分子の末端が、置換基を有しないか、あるい
    は、アミンまたはジカルボン酸無水物と反応性を有しな
    い基で置換された芳香族環であるポリイミド。 【化2】 (式中、X、Yはそれぞれ、酸素原子、硫黄原子または
    メチレン基を表し、Rは炭素数6〜27であり、かつ単
    環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、または芳香族基が
    直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式
    芳香族基からなる群より選ばれた4価の基を表す)
  3. 【請求項3】 一般式(2)のRが、下記の群(化3)
    より選ばれるいずれかの基である請求項2記載のポリイ
    ミド。 【化3】
  4. 【請求項4】 一般式(1)(化4)で表される芳香族
    ジアミン類と、一般式(3)(化5)で表されるテトラ
    カルボン酸二無水物とを反応させてポリアミド酸を得、
    または、一般式(1)で表される芳香族ジアミン類を、
    一般式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物と反
    応させた後、一般式(4)(化6)で表される芳香族ジ
    カルボン酸無水物および/または一般式(5)(化7)
    で表される芳香族モノアミンを反応させてポリアミド酸
    を得、次いで得られたポリアミド酸を熱的または化学的
    にイミド化することを特徴とする請求項2または3記載
    のポリイミドの製造方法。 【化4】 (式中、X、Yはそれぞれ、酸素原子、硫黄原子または
    メチレン基を表す) 【化5】 (式中、Rは前記と同じ意味を表す) 【化6】 (式中、Z1 は炭素数6〜15の脂肪族基、環式脂肪族
    基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、または芳香
    族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合
    多環式芳香族基からなる群より選ばれた2価の基を示
    す) 【化7】Z2 −NH2 (5) (式中、Z2 は炭素数6〜15の脂肪族基、環式脂肪族
    基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、または芳香
    族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮合
    多環式芳香族基からなる群より選ばれた1価の基を示
    す)
  5. 【請求項5】 芳香族ジカルボン酸無水物の使用量が、
    式(1)で表される芳香族ジアミン1モルに対して、
    0.001〜1.0モルの割合である請求項4記載のポ
    リイミドの製造方法。
  6. 【請求項6】 芳香族モノアミンの使用量が、式(3)
    で表されるテトラカルボン酸無水物1モルに対して、
    0.001〜1.0モルの割合である請求項4記載のポ
    リイミドの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項2または3記載のポリイミドを含
    有する組成物。
  8. 【請求項8】 請求項2または3記載のポリイミドを含
    有するポリイミドフィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003170528A (ja) * 2001-12-04 2003-06-17 Mitsui Chemicals Inc 低温接着性とはんだ耐熱性に優れた金属積層体
KR100638623B1 (ko) * 2001-09-04 2006-10-26 미쓰이 가가쿠 가부시키가이샤 신규한 방향족 디아민 및 그의 폴리이미드
JP2019104818A (ja) * 2017-12-12 2019-06-27 Jfeケミカル株式会社 高周波基板材料用ポリアミド酸、高周波基板材料用ポリイミド、高周波基板材料用ポリイミドフィルム、高周波基板材料用ポリイミド成形体および高周波基板

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