JPH1149856A - ポリイミド共重合体 - Google Patents

ポリイミド共重合体

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JPH1149856A
JPH1149856A JP22119497A JP22119497A JPH1149856A JP H1149856 A JPH1149856 A JP H1149856A JP 22119497 A JP22119497 A JP 22119497A JP 22119497 A JP22119497 A JP 22119497A JP H1149856 A JPH1149856 A JP H1149856A
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JP
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bis
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polyimide copolymer
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JP22119497A
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English (en)
Inventor
Atsushi Shibuya
篤 渋谷
Tomomi Yoshimura
智美 吉村
Yoshihiro Sakata
佳広 坂田
Takashi Kuroki
貴志 黒木
Yuichi Okawa
祐一 大川
Hideaki Oikawa
英明 及川
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 モノマーである特定の3種ないし5種の
ジアミン成分と特定の1種ないし3種のテトラカルボン
酸二無水物成分とを特定の量比で重合して得られるポリ
イミド共重合体。 【効果】 本発明において、本来結晶質のポリイミドを
非晶化し、より低い流動開始温度を付与し、熱履歴によ
る結晶化を抑え、しかしながら一方では連続使用温度を
左右するガラス転移温度は下げず、耐熱性、機械強度の
高いポリイミドを提供することが可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なポリイミド
共重合体に関する。更に詳しくは、新規で熱可塑性を有
し、結晶化しにくく、高温における加工性に優れ、機械
強度、耐熱性が高いポリイミド共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、耐熱樹脂材料は、熱的、機械的性
能の他、複合材としての使用における可撓性や成形加工
性に代表される諸性能を満足させることが要求されてい
る。このような材料として、ポリイミド樹脂が注目され
ている。従来より、ポリイミドはその優れた耐熱性に加
え、機械物性、耐薬品性、難燃性、電気特性等の点にお
いて優れた特性を有しているために、成形材料、複合材
料、電気・電子部品等の分野において幅広く用いられて
いる。しかし、ポリイミド樹脂は高性能である反面、成
形加工が難しいという欠点があった。例えば、代表的な
ポリイミドとしては、4,4’−ジアミノジフェニルエ
ーテルとピロメリット酸無水物とから得られる芳香族ポ
リイミドである式 (X)(化13):
【0003】
【化13】 で表される繰り返し構造単位を有するポリイミドが知ら
れている(デュポン社製:商品名Kapton、Ves
pel)が、このポリイミドは不溶不融のため、粉末焼
結成形という特殊な方法を用いる。しかし、この方法で
は複雑な形状の加工品が得られ難く、満足な成形品を得
るには、成形品をさらに切削等により仕上げ加工をしな
ければならないので、加工コストが高くなるという大き
な欠点がある。そこで、ポリイミドに加工性を付与する
目的で、熱可塑性ポリイミドに関する研究開発が広く進
められている。
【0004】熱可塑性ポリイミドについても種々開発さ
れている。例えば、前記のような欠点を改良する目的
で、原料のジアミン成分を改良する方法が試みられてい
る。例えば、モノマー単位中の結合基や、折れ構造など
によって、対応するポリイミドのガラス転移温度や溶融
流動性をコントロールする方法が知られている。この方
法によって溶融流動性を付与したポリイミドとしては例
えば、3,3’−ジアミノベンゾフェノンとベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸二無水物からなる式 (Y)(化1
4):
【0005】
【化14】 の基本骨格を有するポリイミド(NASA:商品名LA
RC−TPI)や、4,4’−ビス(3−アミノフェノ
キシ)ビフェニルとピロメリット酸二無水物からなる式
(Z) (化15):
【0006】
【化15】 の基本骨格を有するポリイミド(特開昭62−2051
24)が知られている。しかし、これらのポリイミドは
優れた耐熱性、接着性を示すものの、結晶融解温度が、
前者のポリマー末端を封止することにより射出成形を可
能ならしめたポリイミド(特開平2−018419号公
報)で340℃付近、後者のものでは367〜385℃
であり、さらに低温下での成形や接着に供するためには
非晶化しなければならなかった。
【0007】また、従来のポリイミドの接着技術は、 1)前駆体であるポリアミド酸ワニスを接着面に塗布
し、加圧・加熱して、脱溶媒、イミド化により接着する
方法。 2)ポリイミドフィルムを接着面に挟み、加圧・加熱し
て接着する方法。 3)ポリイミド粉を揮発しやすい溶剤(例えばアルコー
ル)に懸濁した後接着面に塗布して、溶剤のみを揮散さ
せることによりコートし、加圧・加熱して接着する方法
などが用いられている。 特に3)の接着方法は、接着方法として簡便である利点
を有し多用されるが、この方法に適用できるポリイミド
の開発が望まれている。この方法では、ポリイミド粉の
融解点を越えない限り接着が不可能であることは明らか
である。また、溶剤に懸濁させたポリイミド粉をカーボ
ンクロス等に含浸させてプリプレグを作成し、このプリ
プレグを用いたコンポジットを構造基材として用いる研
究も数多く行われている。この場合も、3)の接着方法
の場合と同様にポリイミド粉の融解点を越える加工温度
が必要である。
【0008】また、本発明者らの検討によれば、結晶性
があるポリイミドを用いてプリプレグ等の複合材を作成
した場合、作成後の接着などの作業に伴う高温履歴によ
って一部結晶化してしまい、機械強度や疲労強度が低下
してしまう。この課題は本発明者らが新たに見いだした
新規な課題である。このように本来結晶質のポリイミド
を非晶化し、より低い流動開始温度を付与し、熱履歴に
よる結晶化を抑え、しかしながら一方では連続使用温度
を左右するガラス転移温度は下げず、耐熱性、機械強度
の高いポリイミドを提供することは、ポリイミドの成
形、接着性能、加工性を向上させ、適用分野の拡大と適
用方法の改善、合理化等に大きく貢献するものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、本来
結晶質のポリイミドを非晶化し、より低い流動開始温度
を付与し、熱履歴による結晶化を抑え、しかしながら一
方では連続使用温度を左右するガラス転移温度は下げ
ず、耐熱性、機械強度の高いポリイミドを提供すること
にある。さらに詳しくは、前記式(Z)の基本骨格を有
するポリイミドのポリイミド固有の優れた耐熱性に加
え、従来よりも低温下、すなわち前記式(Z)のポリイ
ミドの融点367〜385℃℃以下での加工が可能な非
晶性ポリイミド共重合体を提供することにある。また他
の目的は、前記式(Z)の基本骨格を有するポリイミド
固有の優れた耐熱性に加え、高温履歴によっても結晶化
せず、機械強度や疲労強度が低下しない非晶性ポリイミ
ド共重合体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意検討を重ねた結果、特定構造の3
種ないし5種のジアミン成分と特定構造の1種ないし3
種のテトラカルボン酸二無水物成分とから重合して得ら
れるポリイミド共重合体が、ポリイミド固有の諸性能を
損なう事なく、優れた成形加工性を有する熱可塑性の非
晶質ポリイミドであることを見出し、本発明を完成し
た。
【0011】すなわち、本発明は次の1)〜18)の計
18項目からなっている。 1) モノマーである3種ないし5種のジアミン成分と
1種ないし3種のテトラカルボン酸二無水物成分とから
重合して得られるポリイミド共重合体であって、かつ、
重合に用いられるジアミン成分が式(A)(化16):
【0012】
【化16】 で表されるジアミンと、一般式(B)(化17):
【0013】
【化17】 (式中、Xは各々同種でも異種でもよく、水素原子、塩
素原子、臭素原子、CNまたはCmF2m+1(式中、
mは0または1である)で表される1価の基である)で
表される化合物群から選ばれる1種または2種のジアミ
ンと、更に一般式(C)(化18):
【0014】
【化18】 (式中2個のアミノ基は各々独立に連結基−Y−に対し
てメタ位またはパラ位にあるものとし、−Y−は直接結
合、−O−、−CH2 −、−CO−、−SO2 −、−C
(CH3)2 −、−C(CF3)2 −からなる群より選ばれ
る1種の2価の基である)で表される化合物群から選ば
れる1種または2種のジアミンとの、合計3種ないし5
種のジアミンからなり、かつ、重合に用いられるテトラ
カルボン酸二無水物成分が式(D)(化19):
【0015】
【化19】 で表されるテトラカルボン酸二無水物を必須成分とし、
一般式(E)(化20):
【0016】
【化20】 (式中−Z−は直接結合、−O−、−CO−、−SO2
−、−C(CF3)2 −および、
【0017】
【化21】 からなる群より選ばれる1種の2価の基である)で表さ
れる化合物群から選ばれる0種ないし2種のテトラカル
ボン酸二無水物を加え、合計1種ないし3種のテトラカ
ルボン酸二無水物からなり、かつ、全ジアミン成分の使
用モル量の合計を1としたときの式(A)で表されるジ
アミンの使用モル量をa、一般式(B)で表される化合
物群から選ばれる1種または2種のジアミンの使用モル
量(2種のジアミンの場合は合計使用モル量)をb、一
般式(C)で表される化合物群から選ばれる1種または
2種のジアミンの使用モル量(2種のジアミンの場合は
合計使用モル量)をc、全テトラカルボン酸二無水物成
分の使用モル量の合計を1としたときの式(D)で表さ
れるテトラカルボン酸二無水物の使用モル量をd、一般
式(E)で表される化合物群から選ばれる0種ないし2
種のテトラカルボン酸二無水物成分の使用モル量(2種
のテトラカルボン酸二無水物の場合は合計使用モル量)
をe、とした場合の各モノマー成分の使用量が、式
(a)〜(e): 0.5≦a≦0.9 (a) 0.05≦b≦0.45 (b) 0.05≦c≦0.45 (c) 0.6≦d≦1 (d) 0≦e≦0.4 (e) を満たし、かつ、式(A)で表されるジアミンおよび式
(D)で表されるテトラカルボン酸二無水物の使用モル
量が、式(f): 0.4≦a×d≦0.8 (f) を満たすことを特徴とするポリイミド共重合体であっ
て、かつ、その対数粘度が0.20dl/g以上2.0
dl/g以下であるポリイミド共重合体。
【0018】2) 1)記載の一般式(B)で表される
化合物群から選ばれる1種または2種のジアミンが、式
(B−1)(化22):
【0019】
【化22】 で表されるジアミンであることを特徴とする1)記載の
ポリイミド共重合体。
【0020】3) 1)記載の一般式(C)で表される
化合物群から選ばれる1種または2種のジアミンが、式
(C−1)(化23):
【0021】
【化23】 で表されるジアミンおよび/または式(C−2)(化2
4):
【0022】
【化24】 で表されるジアミンであることを特徴とする2)記載の
ポリイミド共重合体。 4) 1)記載の一般式(E)で表される化合物群から
選ばれる0種ないし2種のテトラカルボン酸二無水物
が、式(E−1)(化25):
【0023】
【化25】 で表される1種のテトラカルボン酸二無水物であること
を特徴とする1)記載のポリイミド共重合体。
【0024】5) 1)記載の一般式(E)で表される
化合物群から選ばれる0種ないし2種のテトラカルボン
酸二無水物が、前記式(E−1)で表される1種のテト
ラカルボン酸二無水物であることを特徴とする3)記載
のポリイミド共重合体。
【0025】6) 1)記載のポリイミド共重合体の重
合の際に一般式(F)(化26):
【0026】
【化26】 (式中、R1 は炭素数6〜15であり、単環式芳香族
基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員
により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる
群より選ばれた2価の基を表す)で表される芳香族ジカ
ルボン酸無水物を、全ジアミン成分の使用モル量の合計
に対して0.001倍以上1.00倍以下のモル量用い
て、ポリイミド共重合体分子末端を封止したポリイミド
共重合体。
【0027】7) 芳香族ジカルボン酸無水物が無水フ
タル酸である6)記載のポリイミド共重合体。
【0028】8) 1)記載のポリイミド共重合体の重
合の際に一般式(G)(化27):
【0029】
【化27】 (式中、R2 は炭素数6〜15であり、単環式芳香族
基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員
により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる
群より選ばれた1価の基を表す)で表される芳香族モノ
アミンを、全テトラカルボン酸二無水物成分の使用モル
量の合計に対して0.001倍以上1.00倍以下のモ
ル量用いて、ポリイミド共重合体分子末端を封止したポ
リイミド共重合体。
【0030】9) 芳香族モノアミンがアニリンである
8)記載のポリイミド共重合体。
【0031】10) 1)記載のポリイミド共重合体1
00重量部と繊維状補強材5ないし100重量部とより
なるポリイミド共重合体樹脂組成物。
【0032】11) 繊維状補強材がガラス繊維、炭素
繊維、およびチタン酸カリウム繊維、芳香族ポリアミド
繊維よりなる群より選ばれたものである、10)記載の
ポリイミド共重合体樹脂組成物。
【0033】12) 1)記載のポリイミド共重合体を
必須成分として、これと、炭素繊維、炭素繊維からなる
織布、金属板、金属箔、グラファイト、およびポリイミ
ドからなる群から選ばれる少なくとも1種の材料とを含
んでなることを特徴とする複合材料。
【0034】13) 1)記載のポリイミド共重合体
が、これが可溶な有機溶剤に溶解してなるポリイミド共
重合体の溶液。
【0035】14) 1)記載のポリイミド共重合体
が、これが不溶な有機溶剤に分散してなるポリイミド共
重合体の懸濁液。
【0036】15) 1)記載のモノマーから重合して
得られるポリアミド酸であって、かつ、各モノマー成分
の使用量が、1)記載の各条件を満たすことを特徴と
し、かつ、その対数粘度が0.20dl/g以上2.0
dl/g以下であるポリアミド酸共重合体。
【0037】16) 15)記載のポリアミド酸共重合
体の重合の際に前記一般式(F)で表される芳香族ジカ
ルボン酸無水物を、全ジアミン成分の使用モル量の合計
に対して0.001倍以上1.00倍以下のモル量用い
て、ポリアミド酸共重合体分子末端を封止したポリアミ
ド酸共重合体。
【0038】17) 15)記載のポリアミド酸共重合
体の重合の際に前記一般式(G)で表される芳香族モノ
アミンを、全テトラカルボン酸二無水物成分の使用モル
量の合計に対して0.001倍以上1.00倍以下のモ
ル量用いて、ポリアミド酸共重合体分子末端を封止した
ポリアミド酸共重合体。
【0039】18) 15)記載のポリアミド酸共重合
体が有機溶剤に溶解してなるポリアミド酸共重合体の溶
液。
【0040】
【発明の実施の形態】本発明のポリイミド共重合体はモ
ノマーとして3種ないし5種のジアミン成分と1種ない
し3種のテトラカルボン酸二無水物成分とから重合して
得られるものである。
【0041】重合に用いられるジアミン成分は前記式
(A)で表されるジアミンと、前記一般式(B)で表さ
れる化合物群から選ばれる1種または2種のジアミン
と、更に前記一般式(C)で表される化合物群から選ば
れる1種または2種のジアミンとの、合計3種ないし5
種のジアミンからなる。
【0042】ここで、前記式(A)で表されるジアミン
はこのポリイミド共重合体に必須のモノマーである。
【0043】また、前記一般式(B)で表されるジアミ
ンとしては、たとえば、1,3−ビス(3−アミノフェ
ノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキ
シ)−2−クロロベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ
フェノキシ)−4−クロロベンゼン、1,3−ビス(3
−アミノフェノキシ)−5−クロロベンゼン、1,3−
ビス(3−アミノフェノキシ)−2,4−ジクロロベン
ゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−2,5
−ジクロロベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノ
キシ)−2,4,5−トリクロロベンゼン、1,3−ビ
ス(3−アミノ−2−クロロフェノキシ)ベンゼン、
1,3−ビス(3−アミノ−4−クロロフェノキシ)ベ
ンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−5−クロロフェノ
キシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−6−クロ
ロフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−
2,4−ジクロロフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス
(3−アミノ−2,5−ジクロロフェノキシ)ベンゼ
ン、1,3−ビス(3−アミノ−2,6−ジクロロフェ
ノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−2,
4,5−トリクロロフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビ
ス(3−アミノ−2,4,6−トリクロロフェノキシ)
ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−2,5,6−ト
リクロロフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−ア
ミノ−4,5,6−トリクロロフェノキシ)ベンゼン、
1,3−ビス(3−アミノ−2,4,5,6−テトラク
ロロフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ
−2−クロロフェノキシ)−2−クロロベンゼン、1,
3−ビス(3−アミノ−4−クロロフェノキシ)−2−
クロロベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−5−クロ
ロフェノキシ)−2−クロロベンゼン、1,3−ビス
(3−アミノ−6−クロロフェノキシ)−2−クロロベ
ンゼン、
【0044】1,3−ビス(3−アミノ−2,4−ジク
ロロフェノキシ)−2−クロロベンゼン、1,3−ビス
(3−アミノ−2,5−ジクロロフェノキシ)−2−ク
ロロベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−2,6−ジ
クロロフェノキシ)−2−クロロベンゼン、1,3−ビ
ス(3−アミノ−2,4,5−トリクロロフェノキシ)
−2−クロロベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−
2,4,6−トリクロロフェノキシ)−2−クロロベン
ゼン、1,3−ビス(3−アミノ−2,5,6−トリク
ロロフェノキシ)−2−クロロベンゼン、1,3−ビス
(3−アミノ−4,5,6−トリクロロフェノキシ)−
2−クロロベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−2,
4,5,6−テトラクロロフェノキシ)−2−クロロベ
ンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−2−クロロフェノ
キシ)−4−クロロベンゼン、1,3−ビス(3−アミ
ノ−4−クロロフェノキシ)−4−クロロベンゼン、
1,3−ビス(3−アミノ−5−クロロフェノキシ)−
4−クロロベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−6−
クロロフェノキシ)−4−クロロベンゼン、1,3−ビ
ス(3−アミノ−2,4−ジクロロフェノキシ)−4−
クロロベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−2,5−
ジクロロフェノキシ)−4−クロロベンゼン、1,3−
ビス(3−アミノ−2,6−ジクロロフェノキシ)−4
−クロロベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−2,
4,5−トリクロロフェノキシ)−4−クロロベンゼ
ン、1,3−ビス(3−アミノ−2,4,6−トリクロ
ロフェノキシ)−4−クロロベンゼン、1,3−ビス
(3−アミノ−2,5,6−トリクロロフェノキシ)−
4−クロロベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4,
5,6−トリクロロフェノキシ)−4−クロロベンゼ
ン、1,3−ビス(3−アミノ−2,4,5,6−テト
ラクロロフェノキシ)−4−クロロベンゼン、1,3−
ビス(3−アミノ−2−クロロフェノキシ)−5−クロ
ロベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−クロロフ
ェノキシ)−5−クロロベンゼン、1,3−ビス(3−
アミノ−5−クロロフェノキシ)−5−クロロベンゼ
ン、1,3−ビス(3−アミノ−6−クロロフェノキ
シ)−5−クロロベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ
−2,4−ジクロロフェノキシ)−5−クロロベンゼ
ン、1,3−ビス(3−アミノ−2,5−ジクロロフェ
ノキシ)−5−クロロベンゼン、1,3−ビス(3−ア
ミノ−2,6−ジクロロフェノキシ)−5−クロロベン
ゼン、1,3−ビス(3−アミノ−2,4,5−トリク
ロロフェノキシ)−5−クロロベンゼン、1,3−ビス
(3−アミノ−2,4,6−トリクロロフェノキシ)−
5−クロロベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−2,
5,6−トリクロロフェノキシ)−5−クロロベンゼ
ン、1,3−ビス(3−アミノ−4,5,6−トリクロ
ロフェノキシ)−5−クロロベンゼン、1,3−ビス
(3−アミノ−2,4,5,6−テトラクロロフェノキ
シ)−5−クロロベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ
−2−クロロフェノキシ)−2,4−ジクロロベンゼ
ン、
【0045】1,3−ビス(3−アミノ−4−クロロフ
ェノキシ)−2,4−ジクロロベンゼン、1,3−ビス
(3−アミノ−5−クロロフェノキシ)−2,4−ジク
ロロベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−6−クロロ
フェノキシ)−2,4−ジクロロベンゼン、1,3−ビ
ス(3−アミノ−2,4−ジクロロフェノキシ)−2,
4−ジクロロベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−
2,5−ジクロロフェノキシ)−2,4−ジクロロベン
ゼン、1,3−ビス(3−アミノ−2,6−ジクロロフ
ェノキシ)−2,4−ジクロロベンゼン、1,3−ビス
(3−アミノ−2,4,5−トリクロロフェノキシ)−
2,4−ジクロロベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ
−2,4,6−トリクロロフェノキシ)−2,4−ジク
ロロベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−2,5,6
−トリクロロフェノキシ)−2,4−ジクロロベンゼ
ン、1,3−ビス(3−アミノ−4,5,6−トリクロ
ロフェノキシ)−2,4−ジクロロベンゼン、1,3−
ビス(3−アミノ−2,4,5,6−テトラクロロフェ
ノキシ)−2,4−ジクロロベンゼン、1,3−ビス
(3−アミノ−2−クロロフェノキシ)−2,5−ジク
ロロベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−クロロ
フェノキシ)−2,5−ジクロロベンゼン、1,3−ビ
ス(3−アミノ−5−クロロフェノキシ)−2,5−ジ
クロロベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−6−クロ
ロフェノキシ)−2,5−ジクロロベンゼン、1,3−
ビス(3−アミノ−2,4−ジクロロフェノキシ)−
2,5−ジクロロベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ
−2,5−ジクロロフェノキシ)−2,5−ジクロロベ
ンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−2,6−ジクロロ
フェノキシ)−2,5−ジクロロベンゼン、1,3−ビ
ス(3−アミノ−2,4,5−トリクロロフェノキシ)
−2,5−ジクロロベンゼン、1,3−ビス(3−アミ
ノ−2,4,6−トリクロロフェノキシ)−2,5−ジ
クロロベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−2,5,
6−トリクロロフェノキシ)−2,5−ジクロロベンゼ
ン、1,3−ビス(3−アミノ−4,5,6−トリクロ
ロフェノキシ)−2,5−ジクロロベンゼン、1,3−
ビス(3−アミノ−2,4,5,6−テトラクロロフェ
ノキシ)−2,5−ジクロロベンゼン、
【0046】1,3−ビス(3−アミノ−2−クロロフ
ェノキシ)−2,4,5−トリクロロベンゼン、1,3
−ビス(3−アミノ−4−クロロフェノキシ)−2,
4,5−トリクロロベンゼン、1,3−ビス(3−アミ
ノ−5−クロロフェノキシ)−2,4,5−トリクロロ
ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−6−クロロフェ
ノキシ)−2,4,5−トリクロロベンゼン、1,3−
ビス(3−アミノ−2,4−ジクロロフェノキシ)−
2,4,5−トリクロロベンゼン、1,3−ビス(3−
アミノ−2,5−ジクロロフェノキシ)−2,4,5−
トリクロロベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−2,
6−ジクロロフェノキシ)−2,4,5−トリクロロベ
ンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−2,4,5−トリ
クロロフェノキシ)−2,4,5−トリクロロベンゼ
ン、1,3−ビス(3−アミノ−2,4,6−トリクロ
ロフェノキシ)−2,4,5−トリクロロベンゼン、
1,3−ビス(3−アミノ−2,5,6−トリクロロフ
ェノキシ)−2,4,5−トリクロロベンゼン、1,3
−ビス(3−アミノ−4,5,6−トリクロロフェノキ
シ)−2,4,5−トリクロロベンゼン、1,3−ビス
(3−アミノ−2,4,5,6−テトラクロロフェノキ
シ)−2,4,5−トリクロロベンゼンや、上記化合物
群の化合物名にある「クロロ」の一部または全部を「ブ
ロモ」、「シアノ」または「フルオロ」に読み替えて得
られる化合物群や、上記化合物群の化合物名にある「−
クロロ」、「−ジクロロ」、「−トリクロロ」、「−テ
トラクロロ」の一部または全部をそれぞれ「−トリフル
オロメチル」、「−ビス(トリフルオロメチル)」、
「−トリス(トリフルオロメチル)」、「−テトラキス
(トリフルオロメチル)」に読み替えて得られる化合物
群から選ばれる1種または2種のジアミンが用いられ
る。
【0047】なお、この前記一般式(B)で表されるジ
アミンとしては、得られるポリイミドの物性や入手の容
易さから、好ましくは1,3−ビス(3−アミノフェノ
キシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキ
シ)−2−シアノベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ
フェノキシ)−2−トリフルオロメチルベンゼン、1,
3−ビス(3−アミノフェノキシ)−4−トリフルオロ
メチルベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキ
シ)−5−トリフルオロメチルベンゼン、1,3−ビス
(3−アミノ−5−トリフルオロメチルフェノキシ)ベ
ンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−5−トリフルオロ
メチルフェノキシ)−5−トリフルオロメチルベンゼ
ン、1,3−ビス(3−アミノ−5−トリフルオロメチ
ルフェノキシ)−4−トリフルオロメチルベンゼンから
なる群から選ばれる1種または2種のジアミンが用いら
れる。また、同じ理由からさらに好ましくは1,3−ビ
ス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンが用いられる。
【0048】これらの前記一般式(B)で表されるジア
ミンの製造法は特に限定されるものではないが、たとえ
ば式 (1) (化28)
【0049】
【化28】 (式中、Xは各々同種でも異種でもよく、水素原子、塩
素原子、臭素原子、CNまたはCmF2m+1(式中、
mは0または1である)で表される1価の基であり、Y
はハロゲンまたはニトロ基である)で表されるジハロゲ
ノ化合物またはジニトロ化合物と式 (2) (化29)
【0050】
【化29】 (式中、Xは各々同種でも異種でもよく、水素原子、塩
素原子、臭素原子、CNまたはCmF2m+1(式中、
mは0または1である)で表される1価の基である)で
表されるm−ニトロフェノール誘導体を塩基の存在下、
非プロトン性極性溶剤中、100〜250℃で反応させ
て得られる芳香族ジニトロ化合物を、次いで還元する方
法によって得られる。この前記一般式(B)で表される
ジアミン1種または2種はこのポリイミド共重合体に必
須のモノマーである。
【0051】また、前記一般式(C)で表される化合物
群から選ばれるジアミンとしては、たとえば、3,3’
−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノビフェニ
ル、3,3’−オキシジアニリン、3,4’−オキシジ
アニリン、4,4’−オキシジアニリン、3,3’−メ
チレンジアニリン、4,4’−メチレンジアニリン、
3,3’−カルボニルジアニリン、4,4’−カルボニ
ルジアニリン、3,3’−スルホニルジアニリン、4,
4’−スルホニルジアニリン、3,3’−イソプロピル
ジアニリン、4,4’−イソプロピルジアニリン、2,
2−ビス(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,
3,3−ヘキサフルオロプロパン2,2−ビス(4−ア
ミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフル
オロプロパンが例示される。
【0052】なお、この前記一般式(C)で表されるジ
アミンとしては、得られるポリイミドの物性や入手の容
易さから、好ましくは3,3’−オキシジアニリン、
3,4’−オキシジアニリン、4,4’−オキシジアニ
リン、3,3’−カルボニルジアニリン、3,3’−ス
ルホニルジアニリン、4,4’−スルホニルジアニリン
からなる群から選ばれる1種または2種のジアミンが用
いられる。
【0053】また、この前記一般式(C)で表されるジ
アミンとしては、得られるポリイミドの物性や入手の容
易さから、さらに好ましくは3,3’−オキシジアニリ
ン及び/または3,3’−スルホニルジアニリンが用い
られる。
【0054】本発明のポリイミド共重合体は上記ジアミ
ン成分と1種ないし3種のテトラカルボン酸二無水物成
分とから重合して得られるものである。重合に用いられ
る1種ないし3種のテトラカルボン酸二無水物成分と
は、前記式(D)で表されるテトラカルボン酸二無水物
を必須成分とし、前記一般式(E)で表される化合物群
から選ばれる0種ないし2種のテトラカルボン酸二無水
物を加えた、合計1種ないし3種のテトラカルボン酸二
無水物を示す。前記式(D)で表されるテトラカルボン
酸二無水物は本発明のポリイミド共重合体に必須のもの
である。
【0055】また、本発明で用いられる前記一般式
(E)で表される化合物としては、具体的には、3,
3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル) エ
ーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル) ス
ルホン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシ
フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ
プロパン二無水物、1,4−ビス〔(3,4−ジカルボ
キシ)ベンゾイル〕ベンゼン二無水物、が挙げられる。
この化合物群から選ばれる0種ないし2種のテトラカル
ボン酸二無水物が、前記式(D)で表されるテトラカル
ボン酸二無水物とともに用いられる。
【0056】また、本発明のポリイミド共重合体は上記
各モノマーを特定の限定された比率で用いることによっ
て得られるものである。すなわち、全ジアミン成分の使
用モル量の合計を1としたときの前記式(A)で表され
るジアミンの使用モル量をa、前記一般式(B)で表さ
れる化合物群から選ばれる1種または2種のジアミンの
使用モル量(2種のジアミンの場合は合計使用モル量)
をb、前記一般式(C)で表される化合物群から選ばれ
る1種または2種のジアミンの使用モル量(2種のジア
ミンの場合は合計使用モル量)をc、全テトラカルボン
酸二無水物成分の使用モル量の合計を1としたときの前
記式(D)で表されるテトラカルボン酸二無水物の使用
モル量をd、前記一般式(E)で表される化合物群から
選ばれる0種ないし2種のテトラ前記カルボン酸二無水
物成分の使用モル量(2種のテトラカルボン酸二無水物
の場合は合計使用モル量)をe、とした場合の各モノマ
ー成分の使用量が、式(a)〜(e): 0.5≦a≦0.9 (a) 0.05≦b≦0.45 (b) 0.05≦c≦0.45 (c) 0.6≦d≦1 (d) 0≦e≦0.4 (e) を満たし、かつ、式(A)で表されるジアミンおよび前
記式(D)で表されるテトラカルボン酸二無水物の使用
モル量が、式(f): 0.4≦a×d≦0.8 (f) を満たすことを特徴とするポリイミド共重合体である。
上記各式のうち、式(a)〜(e)は各モノマーの使用
量の上限及び下限を規定したものである。
【0057】式(a)において、aの値が0.5未満に
なると、溶融流動性、耐熱性、機械物性が悪化し、0.
9を越えると、比較的低温での加工性、非晶性が損なわ
れる。ここで比較的低温での加工というのは、たとえば
300℃から400℃での加工を意味する。この範囲は
より好ましくは、0.5以上0.8以下である。
【0058】また式(b)において、bの値が0.05
未満になると、溶融流動性、機械物性が悪化し、0.4
5を越えると、耐熱性が損なわれる。この範囲はより好
ましくは、0.1以上0.4以下である。また式(c)
において、cの値が0.05未満になると、耐熱性が悪
化し、0.45を越えると、溶融流動性が損なわれる。
この範囲はより好ましくは、0.1以上0.4以下であ
る。
【0059】また式(d)において、dの値が0.6未
満になると、耐熱性、機械物性が悪化する。この範囲は
より好ましくは、0.7以上1.0以下である。また式
(e)において、eの値が0.4を越えると、耐熱性、
機械物性が悪化する。この範囲はより好ましくは、0以
上0.3以下である。
【0060】さらに、上記各式のうち、式(f)はポリ
イミド共重合体の繰り返し構造単位のうち、式(3)
(化30):
【0061】
【化30】 で表される繰り返し構造単位のモル分率を規定したもの
であり、その値は全繰り返し構造単位のモル数を1とし
た場合、aとdの積で計算される。
【0062】本発明のポリイミド共重合体ではこの値は
0.4以上0.8以下でなければならない。この値が
0.4未満になると、溶融流動性、耐熱性、機械物性が
悪化し、0.8を越えると、比較的低温での加工性、と
くに非晶性が損なわれる。この範囲は、用いる目的によ
ってはさらに限定された範囲が好ましい。具体的には、
250℃〜380℃での加工時間が多く必要なもので
は、0.4以上0.75以下の範囲が好ましい。また、
この場合、もっとも好ましくは、0.45以上0.70
以下である。
【0063】本発明のポリイミド共重合体は、以上のジ
アミン成分及びテトラカルボン酸二無水物成分を必須原
料モノマーとして用いるが、このポリイミド共重合体の
良好な物性を損なわない範囲で他のジアミン成分及び/
またはテトラカルボン酸二無水物成分を混合して使用す
ることができる。
【0064】混合して使用できるジアミン成分として
は、例えば、m−フェニレンジアミン、o−フェニレン
ジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジ
ルアミン、p−アミノベンジルアミン、3,3’−ジア
ミノビフェニル、4,4’−ジアミノビフェニル、4,
4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミ
ノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニル
エーテル、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、
(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルフ
ィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス
(3−アミノフェニル)スルホキシド、(3−アミノフ
ェニル)(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス
(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(3−アミ
ノフェニル)スルホン、(3−アミノフェニル)(4−
アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニ
ル)スルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、
3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミ
ノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジ
フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェ
ニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、
4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス〔4−(3
−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、1,1−
ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタ
ン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕エタン、1,2−ビス〔4−(3−アミノフェノ
キシ)フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕エタン、2,2−ビス〔4
−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,
2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プ
ロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)
フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフ
ェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキ
サフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘ
キサフルオロプロパン、
【0065】1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベ
ンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、
1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,
3−ビス(3−アミノフェノキシ)−2−トリフルオロ
メチルベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキ
シ)−4−トリフルオロメチルベンゼン、1,3−ビス
(3−アミノフェノキシ)−5−トリフルオロメチルベ
ンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−5−トリフルオロ
メチルフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミ
ノ−5−トリフルオロメチルフェノキシ)−5−トリフ
ルオロメチルベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−5
−トリフルオロメチルフェノキシ)−4−トリフルオロ
メチルベンゼン、1,3−ビス(3−アミノベンゾイ
ル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノベンゾイル)
ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノベンゾイル)ベン
ゼン、1,4−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼ
ン、1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベン
ジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−α,α−
ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミ
ノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビ
ス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼ
ン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニ
ル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケ
トン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕
ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノ
キシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(4−アミ
ノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−
(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、
ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテ
ル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エ
ーテル、1,4−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)
ベンゾイル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(3−アミ
ノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、4,4’−ビス
〔3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニ
ルエーテル、4,4’−ビス〔3−(3−アミノフェノ
キシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビ
ス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フ
ェノキシ〕ベンゾフェノン、4,4’−ビス〔4−(4
−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ジ
フェニルスルホン、ビス〔4−{4−(アミノフェノキ
シ)フェノキシ}フェニル〕スルホン、1,4−ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベ
ンジル〕ベンゼン、1,4−ビス〔4−(3−アミノフ
ェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、
1,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−α,α
−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−
(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジ
ル〕ベンゼン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフロ
ロベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−5,5’−ビ
ス(トリフルオロメチル)ジフェニルエーテル、4,
4’−ジアミノ−5,5’−ビス(トリフルオロメチ
ル)ジフェニルエーテル等が挙げられる、また、これら
は単独または2種以上を混合して使用される。
【0066】混合して使用できるテトラカルボン酸二無
水物成分としては、例えば、エチレンテトラカルボン酸
二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,
4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2
−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無
水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル
二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スル
ホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフ
ェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシ
フェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキ
シフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−
ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘ
キサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(2,3
−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−
ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,3−ビス
〔(3,4−ジカルボキシ)ベンゾイル〕ベンゼン二無
水物、1,4−ビス〔(3,4−ジカルボキシ)ベンゾ
イル〕ベンゼン二無水物、2,2−ビス{4−〔4−
(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}プロ
パン二無水物、2,2−ビス{4−〔3−(1,2−ジ
カルボキシ)フェノキシ〕フェニル}プロパン二無水
物、ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノ
キシ〕フェニル}ケトン二無水物、ビス{4−〔3−
(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}ケト
ン二無水物、4,4’−ビス〔4−(1,2−ジカルボ
キシ)フェノキシ〕ビフェニル二無水物、4,4’−ビ
ス〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕ビフェ
ニル二無水物、ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキ
シ)フェノキシ〕フェニル}ケトン二無水物、ビス{4
−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニ
ル}ケトン二無水物、ビス{4−〔4−(1,2−ジカ
ルボキシ)フェノキシ〕フェニル}スルホン二無水物、
ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキ
シ〕フェニル}スルホン二無水物、ビス{4−〔4−
(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}スル
フィド二無水物、ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボ
キシ)フェノキシ〕フェニル}スルフィド二無水物、
2,2−ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フ
ェノキシ〕フェニル}−1,1,1,3,3,3−ヘキ
サフルプロパン二無水物、2,2−ビス{4−〔3−
(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}−
1,1,1,3,3,3−プロパン二無水物、2,3,
6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,
4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、
1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水
物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水
物、3,4,9,10−ぺリレンテトラカルボン酸二無
水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸
二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカル
ボン酸二無水物等が挙げられる。これらは単独あるいは
2種以上の混合して用いられる。
【0067】さらに、本願発明のポリイミド共重合体
は、そのポリマー分子末端が未置換あるいはアミンまた
はジカルボン酸無水物と反応性を有しない基で置換され
た芳香族環を有するポリイミド共重合体またはこれらの
ポリイミド共重合体を含有する組成物も含まれ、これら
のポリイミド共重合体はより良好な性能を示す場合もあ
る。
【0068】このポリマー分子の末端に未置換あるいは
アミンまたはジカルボン酸無水物と反応性を有しない基
で置換された芳香族環を有するポリイミド共重合体は、
前記のジアミン成分と、テトラカルボン酸二無水物成分
を、前記一般式(F)で表される芳香族ジカルボン酸無
水物または前記一般式(G)で表される芳香族モノアミ
ン、好ましくは無水フタル酸またはアニリンで封止させ
て得られる。
【0069】このポリイミド共重合体は、ジアミン成分
とテトラカルボン酸二無水物成分を前記一般式 (F) で
表されるジカルボン酸無水物または、前記一般式 (G)
で表されるモノアミンの存在下に反応させ、得られるポ
リアミド酸共重合体を熱的または化学的にイミド化する
ことにより得られる。
【0070】前記一般式(F)で表される芳香族ジカル
ボン酸無水物としては、具体的には、無水フタル酸、
2,3−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、3,4−
ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボ
キシフェニルエーテル無水物、3,4−ジカルボキシフ
ェニルフェニルエーテル無水物、2,3−ビフェニルジ
カルボン酸無水物、3,4−ビフェニルジカルボン酸無
水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン
無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルスルホ
ン無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスル
フィド無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニル
スルフィド無水物、1,2−ナフタレンジカルボン酸無
水物、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,8
−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,2−アントラセ
ンジカルボン酸無水物、2,3−アントラセンジカルボ
ン酸無水物、1,9−アントラセンジカルボン酸無水物
等が挙げられる。これらのジカルボン酸無水物はその構
造の一部がアミンまたはジカルボン酸無水物と反応性を
有しない基で置換されても差し支えない。
【0071】これらのジカルボン酸無水物の中で、無水
フタル酸が得られるポリイミド共重合体の性質面及び実
用面から最も好ましい。すなわち、高温成形時における
成形安定性の優れたポリイミドであり、前記の優れた加
工性を考え合わせると、例えば、構造材料、宇宙航空機
用基材、電気・電子部品あるいは接着剤として、極めて
有用なポリイミド共重合体となる。また、無水フタル酸
を使用する場合、ポリイミドの良好な物性を損なわない
範囲でその一部を他のジカルボン酸無水物で代替して用
いることはなんら差し支えない。
【0072】用いられるジカルボン酸無水物の量は、全
ジアミン成分の使用モル量の合計に対して0.001倍
以上1.00倍以下のモル量である。0.001倍未満
では高温成形時に粘度の上昇がみられ、成形加工性低下
の原因となる。また、1.0倍を越えると機械的特性が
低下する。好ましい使用量は0.01〜0.5倍であ
る。
【0073】また、モノアミンを使用する場合、モノア
ミンとして、例えば、アニリン、o−トルイジン、m−
トルイジン、p−トルイジン、2,3−キシリジン、
2,6−キシリジン、3,4−キシリジン、3,5−キ
シリジン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、
p−クロロアニリン、o−ブロモアニリン、m−ブロモ
アニリン、p−ブロモアニリン、o−ニトロアニリン、
m−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、o−アミノ
フェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノ
ール、o−アニシジン、m−アニシジン、p−アニシジ
ン、o−フェネジン、m−フェネジン、p−フェネジ
ン、o−アミノベンツアルデヒド、m−アミノベンツア
ルデヒド、p−アミノベンツアルデヒド、o−アミノベ
ンゾニトリル、m−アミノベンゾニトリル、p−アミノ
ベンゾニトリル、2−アミノビフェニル、3−アミノビ
フェニル、4−アミノビフェニル、2−アミノフェニル
フェニルエーテル、3−アミノフェニルフェニルエーテ
ル、4−アミノフェニルフェニルエーテル、2−アミノ
ベンゾフェノン、3−アミノベンゾフェノン、4−アミ
ノベンゾフェノン、2−アミノフェニルフェニルスルフ
ィド、3−アミノフェニルフェニルスルフィド、4−ア
ミノフェニルフェニルスルフィド、2−アミノフェニル
フェニルスルホン、3−アミノフェニルフェニルスルホ
ン、4−アミノフェニルフェニルスルホン、α−ナフチ
ルアミン、β−ナフチルアミン、1−アミノ−2−ナフ
トール、2−アミノ−1−ナフトール、4−アミノ−1
−ナフトール、5−アミノ−1−ナフトール、5−アミ
ノ−2−ナフトール、7−アミノ−2−ナフトール、8
−アミノ−1−ナフトール、8−アミノ−2−ナフトー
ル、1−アミノアントラセン、2−アミノアントラセ
ン、9−アミノアントラセン等が挙げられる。これらの
モノアミンは、アミンまたはジカルボン酸無水物と反応
性を有しない基で置換されても差し支えない。
【0074】用いられる芳香族モノアミンの量は、全テ
トラカルボン酸二無水物成分の使用モル量の合計に対し
て0.001倍以上1.00倍以下のモル量である。
0.001倍未満では、高温成形時に粘度の上昇がみら
れ成形加工性低下の原因となる。また、1.0倍を越え
ると機械的特性が低下する。好ましい使用量は、0.0
1〜0.5倍の割合である。
【0075】ポリイミド及びその共重合体の製造にあた
って、生成ポリイミド及びその共重合体の分子量を調節
するために、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族
ジアミンの量比を調節することは通常行われている。本
発明の方法においては、溶融流動性の良好なポリイミド
共重合体を得るために適切な芳香族ジアミンに対する芳
香族テトラカルボン酸二無水物のモル比は0.9〜1.
1の範囲である。
【0076】また、得られるポリイミド共重合体の対数
粘度は0.20dl/g以上2.0dl/g以下であ
る。この範囲より低い対数粘度のものでは耐熱性、機械
物性などの特性が劣り、この範囲を超えて対数粘度の高
いものは成形加工性に劣る。また、目的によってはさら
に限定された範囲の対数粘度のものが求められる場合が
ある。具体的にはたとえば射出成形などの高いせん断速
度が必要な加工方法に用いる場合には、0.20dl/
g以上1.5dl/g以下のものが好ましい。ここで、
ポリイミド共重合体の対数粘度は、9重量部のp−クロ
ロフェノールと1重量部のフェノールの混合溶媒に0.
5g/dlの濃度で加熱溶解した後、35℃において測定
することができる。
【0077】本発明のポリイミド共重合体の製造方法
は、ポリイミド共重合体を製造可能な方法が公知方法を
含め全て適用できるが、中でも有機溶媒中で反応を行う
のが特に好ましい。
【0078】このような反応において用いられる溶媒
は、好ましくは、o−クレゾール、m−クレゾール、p
−クレゾール、m−クレゾール酸、キシレン、トルエ
ン、ピコリン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−
ジメチルアセトアミドあるいはこれらのうち二種類以上
の溶媒からなる混合物からなる群から選ばれる溶剤であ
るが、そのほかに使用できる溶媒としては、例えば、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセ
トアミド、N,N−ジメトキシアセトアミド、1,3−
ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラ
クタム、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキ
シエチル) エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエト
キシ) エタン、ビス2−(2−メトキシエトキシ) エチ
ル エーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサ
ン、1,4−ジオキサン、ピロリン、ジメチルスルホキ
シド、ジメチルスルホン、テトラメチル尿素、ヘキサメ
チルホスホルアミド、フェノール、p−クロロフェノー
ル、アニソール、ベンゼン等が挙げられる。また、これ
らの有機溶媒は単独でも2種類以上混合して用いても差
し支えない。
【0079】本発明のポリイミド共重合体の製造方法
は、特に限定されるものではないが、たとえば、まず、
有機溶媒に各ジアミン成分、各テトラカルボン酸二無水
物成分、必要に応じたジカルボン酸無水物またはモノア
ミンを添加反応させ、ポリアミド酸共重合体を得、これ
をイミド化させてポリイミド共重合体を得る方法がが取
られる。
【0080】有機溶媒に各モノマー類を添加反応させポ
リアミド酸共重合体を得る方法としては、(イ)テトラ
カルボン酸二無水物成分とジアミン成分を反応させた後
に、ジカルボン酸無水物またはモノアミンを添加して反
応を続ける方法、(ロ)ジアミン成分にジカルボン酸無
水物を加えて反応させた後、テトラカルボン酸二無水物
成分を添加し、更に反応を続ける方法、(ハ)テトラカ
ルボン酸二無水物成分にモノアミンを加えて反応させた
後、ジアミン成分を添加し、更に反応を続ける方法、
(ニ)テトラカルボン酸二無水物成分、ジアミン成分、
芳香族ジカルボン酸無水物または芳香族モノアミンを同
時に添加し、反応させる方法等が挙げられ、いづれの添
加方法をとっても差し支えない。
【0081】反応温度は通常250℃以下、好ましくは
50℃以下であり、常温で十分実施できる。反応圧力は
特に限定されず、常圧で十分実施できる。反応時間はジ
アミン成分及びテトラカルボン酸二無水物成分の組み合
わせ、溶剤の種類および反応温度により異なるが、通常
4〜24時間で十分である。
【0082】このようにして得られる本発明のポリアミ
ド酸共重合体の対数粘度は0.20dl/g以上2.0
dl/g以下である。対数粘度は0.5g/dlの濃度で
N,N-ジメチルアセトアミドに溶解した後、35℃で測定
することができる。
【0083】本発明のポリアミド酸共重合体が有機溶剤
に溶解してなるポリアミド酸共重合体の溶液において
は、溶媒は特に限定されるものではないが、たとえば、
o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、m
−クレゾール酸、キシレン、トルエン、ピコリン、N−
メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチル
アセトアミド、N,N−ジメトキシアセトアミド、1,
3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプ
ロラクタム、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メ
トキシエチル) エーテル、1,2−ビス(2−メトキシ
エトキシ) エタン、ビス2−(2−メトキシエトキシ)
エチル エーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオ
キサン、1,4−ジオキサン、ピロリン、ジメチルスル
ホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチル尿素、ヘキ
サメチルホスホルアミド、フェノール、p−クロロフェ
ノール、アニソール、ベンゼンあるいはこれらのうち二
種類以上の溶媒からなる混合物からなる群から選ばれる
溶剤等が挙げられる。
【0084】得られたポリアミド酸共重合体を100〜
400℃に加熱してイミド化するか、また無水酢酸等の
イミド化剤を用いて化学イミド化することにより、ポリ
アミド酸共重合体に対応する繰り返し単位を有するポリ
イミド共重合体が得られる。また、ジアミン成分とテト
ラカルボン酸二無水物成分、さらにはポリイミドの末端
を封止する場合はジカルボン酸無水物またはモノアミン
とを、有機溶媒中に懸濁または溶解させた後加熱し、ポ
リイミド共重合体の前駆体であるポリアミド酸共重合体
の生成と、同時にイミド化を行うことにより目的のポリ
イミド共重合体を得ることも可能である。
【0085】本発明ののポリイミド共重合体が、これが
可溶な有機溶剤に溶解してなるポリイミド共重合体の溶
液や、ポリイミド共重合体が、これが不溶な有機溶剤に
分散してなるポリイミド共重合体の懸濁液において用い
られる溶媒としては、特に限定されるものではないが、
たとえば、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレ
ゾール、m−クレゾール酸、キシレン、トルエン、ピコ
リン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメトキシアセトア
ミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−
メチルカプロラクタム、1,2−ジメトキシエタン、ビ
ス(2−メトキシエチル) エーテル、1,2−ビス(2
−メトキシエトキシ) エタン、ビス2(2−メトキシエ
トキシ) エチル エーテル、テトラヒドロフラン、1,
3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ピロリン、ジメ
チルスルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチル尿
素、ヘキサメチルホスホルアミド、フェノール、p−ク
ロロフェノール、アニソール、ベンゼン、水、アセト
ン、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、メ
チルエチメケトンあるいはこれらのうち二種類以上の溶
媒からなる混合物からなる群から選ばれる溶剤等が挙げ
られる。
【0086】本発明ののポリイミド共重合体においては
は従来公知の手法を用いて、フィルム状もしくは粉末状
のポリイミド共重合体を得ることができる。また、本発
明ののポリイミド共重合体100重量部と繊維状補強材
5ないし100重量部とよりなるポリイミド共重合体樹
脂組成物においては、繊維状補強材は好ましくはガラス
繊維、炭素繊維、およびチタン酸カリウム繊維、芳香族
ポリアミド繊維よりなる群より選ばれたものである。
【0087】また、本願のポリイミド共重合体には、溶
融成形に供する場合、本発明の目的を損なわない範囲
で、ほかの熱可塑性樹脂(例えばポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリア
ミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエー
テルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミドイ
ミド、ポリエーテルイミド、変成ポリフェニレンオキシ
ドまたは本願以外のポリイミド等)や充填材(グラファ
イト、カーボランダム、ケイ石粉、二硫化モリブデン、
フッ素樹脂等の耐磨耗性向上剤、三酸化アンチモン、炭
酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の難燃性向上剤、ク
レー、マイカ等の電気的特性向上剤、アスベスト、シリ
カ、グラファイト等の耐トラッキング向上剤、硫化バリ
ウム、シリカ、メタケイ酸カルシウム等の耐酸性向上
剤、鉄粉、亜鉛粉、アルミニウム粉、銅粉等の熱伝導度
向上剤、その他ガラスビーズ、ガラス球、タルク、ケイ
藻土、アルミナ、シラスバルン、水和アルミナ、金属酸
化物、着色料等)を目的に応じて適当量を配合すること
も可能である。
【0088】本発明のポリイミド共重合体は、ポリイミ
ド共重合体を必須成分として、これと、炭素繊維、炭素
繊維からなる織布、金属板、金属箔、グラファイト、お
よびポリイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種
の材料とを含んでなることを特徴とする複合材料にも用
いられる。
【0089】また、本発明においてポリイミド共重合体
及び上記添加物等の諸原材料を混合する手段は特に限定
されるものではなく、原料を個別に溶融混合機に供給す
る方法、あらかじめヘンシェルミキサー、ボールミキサ
ー、リボンブレンダー等の汎用の混合機を用いる方法
等、いずれの方法をとってもよい。本発明の樹脂組成物
は、このほか、耐熱性、耐薬品性、機械強度、電気特
性、耐溶剤性、吸水率、耐湿性、耐放射線性にも優れる
ため、さまざまな用途に使用できる。
【0090】
【実施例】以下、本発明を実施例により、更に詳細に説
明するが、本発明はこれにより何等制限されるものでは
ない。実施例・比較例中に共通する各種試験の試験方法
は次に示すとおりである。 1) ポリイミド粉の対数粘度 サンプル0.50gをp−クロロフェノールとフェノー
ルの混合溶媒(90:10重量比)100mlに加熱溶
解した後、35℃に冷却後測定。 2) 溶融粘度/流動開始温度 島津高化式フローテスター(CFT500A)によりオリフィス
1.0mm(径)×10mm(長)、荷重100kg、
400℃×5分(溶融粘度)または昇温速度5℃/mi
n(流動開始温度)で測定。 3) 5%重量減少温度 空気中にてDTA−TG(島津DT−40シリーズ、4
0M)を用い、昇温速度10℃/min.で測定。 4) ガラス転移温度(Tg)/結晶融解温度(Tm) DSC(島津DT−40シリーズ、DSC−41M)に
より昇温速度10℃/min.で測定。 5) 射出成型物の引張強度 ASTM−D−638による。 6) ポリアミド酸ワニスの対数粘度 固形分0.50gを含む量のワニスをn−メチル−2−
ピロリドンに合計100mlになるように溶解した後、
35℃にて測定。 7) フィルムの機械物性 ASTM D-822に準じて測定した。 8) 熱変形温度 ASTM D−648による。
【0091】実施例1 モノマーとして次に示すモノマーを用いてポリイミド粉
を得た。4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフ
ェニル5748g、1,3−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ベンゼン1520g、3,3’−スルホニルジアニ
リン(3,3’−ジアミノジフェニルスルホン)129
1g、ピロメリット酸二無水物4870g、3,3',4,4'-
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物730g、無水フ
タル酸354g。具体的には、かきまぜ機、還流冷却
器、水分離器および窒素導入管を備えた容器に、上に示
した量のジアミン、テトラカルボン酸二無水物、無水フ
タル酸、さらに、濃度が20重量%となるようにm−ク
レゾールを装入し、窒素雰囲気下において撹拌しながら
200℃まで加熱昇温し、200℃還流条件下で4時間
反応を行った。
【0092】温度を190℃まで下げて、はじめに仕込
んだ量と等量の無水フタル酸を装入し、再昇温して、2
00℃還流条件下でさらに4時間反応を行った。その
後、100℃まで冷却し、溶液総量の5倍量(重量比)
のトルエンに排出した後、濾別した。このポリイミド粉
をトルエンでさらに洗浄し、窒素雰囲気下において、5
0℃で24時間予備乾燥した後、200℃で6時間減圧
乾燥してポリイミド粉を得た。
【0093】このポリイミド粉の対数粘度は0.42d
l/g、溶融粘度は1900poise、流動開始温度
315℃、ガラス転移温度248℃、5%重量減少温度
562℃であった。このポリイミド粉を用いて、400
℃にて押し出しペレット化し、樹脂温度380〜420
℃、射出圧力1400〜1600kg/cm2 、金型温
度180℃で射出成形を行いASTM−D−638に定
められる形状の試験片を得た。この試験片を用いて引っ
張り試験を行ったところ、引張弾性率は25000kg
f/cm2 ,破断強度は1070kgf/cm2 ,伸び
率80%、降伏強度1060kgf/cm2 であった。
【0094】実施例2〜7 比較例1 ジアミンとして4,4’−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ビフェニル、1,3−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、3,3’−スルホニルジアニリン(3,
3’−ジアミノジフェニルスルホン)をそれぞれ表1に
示す量用い、酸無水物としてピロメリット酸二無水物2
07.65g(0.952mol)と、無水フタル酸1
4.84gを用いて、実施例1と同様の製法でポリイミ
ド粉を得た。なお、表1中、ジアミン1、ジアミン2、
ジアミン3とあるのはそれぞれ、4,4’−ビス(3−
アミノフェノキシ)ビフェニル、1,3−ビス(3−ア
ミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−スルホニルジア
ニリン(3,3’−ジアミノジフェニルスルホン)を示
す。
【0095】さて、本発明のポリイミドは全ジアミン成
分の使用モル量の合計を1としたときの 前記式(A)
で表されるジアミンの使用モル量をa、全テトラカルボ
ン酸二無水物成分の使用モル量の合計を1としたときの
前記式(D)で表されるテトラカルボン酸二無水物の使
用モル量をd、とした場合の前記式(A)で表されるジ
アミンおよび前記式(D)で表されるテトラカルボン酸
二無水物の使用モル量が、式(f): 0.4≦a×d≦0.8 (f) を満たすものであるが、a×dは、ポリイミド共重合体
の繰り返し構造単位のうち、前記式(3)で表される繰
り返し構造単位のモル分率を規定したものである。
【0096】実施例2〜7/比較例1について、このa
×dの値と、得られたポリイミド粉の対数粘度、流動開
始温度、ガラス転移温度、5%重量減少温度を表2に示
す。また、各実施例においては結晶融解温度は観測され
なかったが、比較例1のポリイミド粉では結晶融解温度
が観測され、370℃であった。さらに、得られたポリ
イミド粉を用いて、400℃にて押し出しペレット化
し、樹脂温度380〜420℃、射出圧力1400〜1
600kg/cm2 、金型温度180℃で射出成形を行
いASTM−D−638に定められる形状の試験片を得
た。これを窒素気流下、300℃のオーブンに入れ、1
00分から10000分のアニール処理を行った。アニ
ール前及びアニール後の各サンプルはXRDでのピーク
の面積比から、結晶化度(%)を推定した。結果を表3
に示す。
【0097】
【表1】 表1 ────────────────────────────────── ジアミン1 ジアミン2 ジアミン3 実施例2 0.500mol 0.250mol 0.250mol 実施例3 0.600mol 0.200mol 0.200mol 実施例4 0.650mol 0.175mol 0.175mol 実施例5 0.700mol 0.150mol 0.150mol 実施例6 0.750mol 0.125mol 0.125mol 実施例7 0.800mol 0.100mol 0.100mol比較例1 0.900mol 0.050mol 0.050mol
【0098】
【表2】 表2 ───────────────────────────────── 対数粘度 流動開始 ガラス転移 5%重量減少 a×d (dl/g) 温度 (℃) 温度 (℃) 温度 (℃) 実施例2 0.5 0.40 335 255 558 実施例3 0.6 0.43 315 253 559 実施例4 0.65 0.42 320 254 558 実施例5 0.7 0.44 325 252 555 実施例6 0.75 0.42 320 250 557 実施例7 0.8 0.41 330 251 555比較例1 0.9 0.43 390 250 559
【0099】
【表3】 表3 ──────────────────────────────────アニール時間(分) 0 100 1000 10000 実施例2 0 0 0 0 実施例3 0 0 0 0 実施例4 0 0 0 3.2 実施例5 0 0 1.5 8.5 実施例6 0 0 5.9 21 実施例7 0 0 12 30比較例1 0 15 33 34
【0100】これらの結果から、ポリイミド共重合体の
繰り返し構造単位のうち、前記式(3)で表される繰り
返し構造単位のモル分率を規定したa×dの値が、本発
明の範囲の上限を越えると、連続使用温度を左右するガ
ラス転移温度はほぼ変わらないにも拘わらず、溶融流動
開始温度が高くなり、また、熱履歴により結晶化しやす
くなり、様々な溶融を伴う成形加工を行う上で問題とな
ることがわかる。
【0101】実施例8〜10 比較例2 ジアミンとして4,4’−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ビフェニル331.61g(0.900mol)、
1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン14.
62g(0.050mol)、3,4’−オキシジアニ
リン(3,4’−ジアミノジフェニルエーテル)10.
01g(0.050mol)を用い、酸無水物としてピ
ロメリット酸二無水物及び3,3',4,4'-ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物をそれぞれ表4に示す量、さらに無
水フタル酸19.26g(0.130mol)を用い
て、実施例1と同様の製法でポリイミド粉を得た。な
お、表4中、酸無水物1、酸無水物2とあるのはそれぞ
れ、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物を示す。
【0102】a×dの値と、得られたポリイミド粉の対
数粘度、ガラス転移温度、5%重量減少温度を表5に示
す。また、各実施例においては結晶融解温度は観測され
なかったが、比較例2のポリイミド粉では結晶融解温度
が観測され、355℃であった。さらに、得られたポリ
イミド粉を用いて、360℃、5分の条件で熱プレスを
行い、急冷し、厚さ0.15mmの非晶質のフィルムを
得た。これを窒素気流下、300℃のオーブンに入れ、
100分から10000分のアニール処理を行った。ア
ニール前及びアニール後の各サンプルはXRDでのピー
クの面積比から、結晶化度(%)を推定した。結果を表
6に示す。
【0103】
【表4】 表4 ─────────────────────────── 酸無水物1 酸無水物2 実施例8 0.561mol 0.374mol 実施例9 0.655mol 0.281mol 実施例10 0.748mol 0.187mol 比較例2 0.842mol 0.094mol
【0104】
【表5】 表5 ──────────────────────────────── 対数粘度 ガラス転移 5%重量減少 a×d (dl/g) 温度(℃) 温度(℃) 実施例8 0.54 0.33 237 556 実施例9 0.63 0.34 239 557 実施例10 0.72 0.33 241 556比較例2 0.81 0.33 245 555
【0105】
【表6】 表6 ───────────────────────────────────アニール時間(分) 0 100 1000 10000 実施例8 0 0 0 0 実施例9 0 0 0 1.5 実施例10 0 0 3.8 12比較例2 0 2.5 21 32
【0106】これらの結果から、この場合もポリイミド
共重合体の繰り返し構造単位のうち、前記式(3)で表
される繰り返し構造単位のモル分率を規定したa×dの
値が、本発明の範囲の上限を越えると、連続使用温度を
左右するガラス転移温度はほぼ変わらないにも拘わら
ず、溶融流動開始温度が高くなり、また、熱履歴により
結晶化しやすくなり、様々な溶融を伴う成形加工を行う
上で問題となることがわかる。
【0107】実施例11,12 比較例3 ジアミンとして4,4’−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ビフェニル、1,3−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、4,4’−オキシジアニリン(4,4’
−ジアミノジフェニルエーテル)をそれぞれ表7に示す
量用い、酸無水物としてピロメリット酸二無水物21
2.67g(0.975mol)、さらに無水フタル酸
7.41g(0.050mol)を用いて、実施例1と
同様の製法でポリイミド粉を得た。なお、表7中、ジア
ミン1〜ジアミン3とあるのはそれぞれ、4,4’−ビ
ス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,3−ビス
(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−オキシ
ジアニリン(4,4’−ジアミノジフェニルエーテ
ル)、を示す。
【0108】a×dの値と、得られたポリイミド粉の対
数粘度、ガラス転移温度、5%重量減少温度を表8に示
す。また、各実施例においては結晶融解温度は観測され
なかったが、比較例3のポリイミド粉では結晶融解温度
が観測され、368℃であった。さらに、得られたポリ
イミド粉を用いて、400℃にて押し出しペレット化
し、樹脂温度380〜420℃で押し出し成形を行い、
厚さ0.20mmの非晶質のフィルムを得た。これを窒
素気流下、290℃のオーブンに入れ、100分から1
0000分のアニール処理を行った。アニール前及びア
ニール後の各サンプルはXRDでのピークの面積比か
ら、結晶化度(%)を推定した。結果を表9に示す。
【0109】
【表7】 表7 ───────────────────────────────── ジアミン1 ジアミン2 ジアミン3 実施例11 0.700mol 0.100mol 0.200mol 実施例12 0.800mol 0.100mol 0.100mol 比較例3 0.850mol 0.100mol 0.050mol
【0110】
【表8】 表8 ───────────────────────────────── 対数粘度 ガラス転移 5%重量減少 a×d (dl/g) 温度(℃ 温度(℃) 実施例11 0.70 0.76 256 559 実施例12 0.80 0.78 252 560比較例3 0.85 0.75 249 560
【0111】
【表9】 表9 ──────────────────────────────────アニール時間(分) 0 100 1000 10000 実施例11 0 0 0 13 実施例12 0 0 8.1 19比較例3 0 6.0 28 30
【0112】これらの結果から、この場合もポリイミド
共重合体の繰り返し構造単位のうち、前記式(3)で表
される繰り返し構造単位のモル分率を規定したa×dの
値が、本発明の範囲の上限を越えると、連続使用温度を
左右するガラス転移温度はほぼ変わらないにも拘わら
ず、溶融流動開始温度が高くなり、また、熱履歴により
結晶化しやすくなり、様々な溶融を伴う成形加工を行う
上で問題となることがわかる。
【0113】実施例13〜15 比較例4 ジアミンとして4,4’−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ビフェニル、1,3−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、3,3’−カルボニルジアニリン(3,
3’−ジアミノベンゾフェノン)をそれぞれ表10に示
す量、酸無水物としてピロメリット酸二無水物210.
32g(0.964mol)及び3,3',4,4'-ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸二無水物16.35g(0.05
1mol)の各モノマーをn−メチル−2−ピロリドン
に20重量%となるように溶解させ、室温で24時間撹
拌した。さらにアニリン2.79g(0.030mo
l)を加え、さらに室温で12時間反応させて、ポリア
ミド酸ワニスを得た。なお、表10中、ジアミン1〜ジ
アミン3とあるのはそれぞれ、4,4’−ビス(3−ア
ミノフェノキシ)ビフェニル、1,3−ビス(3−アミ
ノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−カルボニルジアニ
リン(3,3’−ジアミノベンゾフェノン)を示す。
【0114】a×dの値と、得られたポリアミド酸ワニ
スの対数粘度を表11に示す。また、得られたポリアミ
ド酸をガラス板上にキャストし、150℃で2時間予備
乾燥した後、250℃でイミド化を行い、厚さ0.04
0mmのポリイミドフィルムを得た。このフィルムのガ
ラス転移温度、5%重量減少温度を表11に併せて示
す。さらに、このフィルムを窒素気流下、310℃のオ
ーブンに入れ、100分から10000分のアニール処
理を行った。アニール前及びアニール後の各サンプルは
XRDでのピークの面積比から、結晶化度(%)を推定
した。結果を表12に示す。
【0115】
【表10】 表10 ───────────────────────────────── ジアミン1 ジアミン2 ジアミン3 実施例13 0.500mol 0.450mol 0.050mol 実施例14 0.700mol 0.250mol 0.050mol 実施例15 0.800mol 0.150mol 0.050mol 比較例4 0.900mol 0.050mol 0.050mol
【0116】
【表11】 表11 ────────────────────────────────── 対数粘度 ガラス転移 5%重量減少 a×d (dl/g) 温度(℃) 温度(℃) 実施例13 0.475 1.9 259 549 実施例14 0.665 1.7 253 551 実施例15 0.76 1.8 250 552比較例4 0.855 1.8 246 555
【0117】
【表12】 表12 ───────────────────────────────────アニール時間(分) 0 100 1000 10000 実施例13 0 0 0 0 実施例14 0 0 0 0.8 実施例15 0 0 0 8.2比較例4 0 9.0 30 30
【0118】これらの結果から、この場合もポリイミド
共重合体の繰り返し構造単位のうち、前記式(3)で表
される繰り返し構造単位のモル分率を規定したa×dの
値が、本発明の範囲の上限を越えると、連続使用温度を
左右するガラス転移温度はほぼ変わらないにも拘わら
ず、溶融流動開始温度が高くなり、また、熱履歴により
結晶化しやすくなり、様々な溶融を伴う成形加工を行う
上で問題となることがわかる。
【0119】実施例16,17 比較例5 ジアミンとして4,4’−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ビフェニル221.06g(0.600mol)、
1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン58.
47g(0.200mol)、1,3−ビス(3−アミ
ノフェノキシ)−2−シアノベンゼン15.87g
(0.050mol)、4,4’−オキシジアニリン
(4,4’−ジアミノジフェニルエーテル)30.04
g(0.150mol)を用い、酸無水物としてピロメ
リット酸二無水物及び3,3’,4,4’−ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物をそれぞれ表13に示す量、
さらに無水フタル酸10.37g(0.070mol)
を用いて、実施例1と同様の製法でポリイミド粉を得
た。なお、表13中、酸無水物1、酸無水物2とあるの
はそれぞれ、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を示す。
a×dの値と、得られたポリイミド粉の対数粘度、ガラ
ス転移温度、5%重量減少温度を表14に示す。さら
に、得られたポリイミド粉を用いて、400℃にて押し
出しペレット化し、樹脂温度380〜410℃、射出圧
力1400〜1600kg/cm2 、金型温度170℃
で射出成形を行いASTM−D−638に定められる形
状の試験片を得た。この試験片を用いて引っ張り試験を
行った。引張弾性率,破断強度,伸び率、降伏強度を表
15に示す。
【0120】
【表13】 表13 ─────────────────────────── 酸無水物1 酸無水物2 実施例16 0.965mol 0.000mol 実施例17 0.772mol 0.193mol 比較例5 0.579mol 0.386mol
【0121】
【表14】 表14 ──────────────────────────────── 対数粘度 ガラス転移 5%重量減少 a×d (dl/g) 温度(℃) 温度(℃) 実施例16 0.60 0.50 244 555 実施例17 0.48 0.50 239 558比較例5 0.36 0.49 230 556
【0122】
【表15】 表15 ──────────────────────────────── 引張弾性率 破断強度 伸び率 降伏強度 (kg/cm2) (kg/cm2) (%) (kg/cm2) 実施例16 24500 1050 90 1070 実施例17 24000 1020 52 1060比較例5 23800 850 6.7 降伏せず
【0123】これらの結果から、ポリイミド共重合体の
繰り返し構造単位のうち、前記式(3)で表される繰り
返し構造単位のモル分率を規定したa×dの値が、本発
明の範囲の下限を下回ると、機械強度及び耐熱性が不足
することが明らかである。
【0124】実施例18,19 比較例6 ジアミンとして4,4’−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ビフェニル221.06g(0.600mol)、
1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン58.
47g(0.200mol)、3,3’−スルホニルジ
アニリン(3,3’−ジアミノジフェニルスルホン)2
4.83g(0.100mol)、3,4’−オキシジ
アニリン(3,4’−ジアミノジフェニルエーテル)2
0.02g(0.100mol)を用い、酸無水物とし
てピロメリット酸二無水物及びビス(3,4−ジカルボ
キシフェニル) エーテル二無水物をそれぞれ表16に示
す量、の各モノマーをn−メチル−2−ピロリドンに2
5重量%となるように溶解させ、室温で24時間撹拌し
て、ポリアミド酸ワニスを得た。なお、表16中、酸無
水物1、酸無水物2とあるのはそれぞれ、ピロメリット
酸二無水物及びビス(3,4−ジカルボキシフェニル)
エーテル二無水物を示す。
【0125】a×dの値と、得られたポリアミド酸ワニ
スの対数粘度を表17に示す。また、得られたポリアミ
ド酸をガラス板上にキャストし、150℃で2時間予備
乾燥した後、250℃でイミド化を行い、厚さ0.05
0mmのポリイミドフィルムを得た。このフィルムのガ
ラス転移温度、5%重量減少温度を表17に併せて示
す。このフィルムを用いて、ASTM D-822に準じて引っ張
り試験を行った。引張弾性率,破断強度,伸び率、降伏
強度を表18に示す。
【0126】
【表16】 表16 ─────────────────────────── 酸無水物1 酸無水物2 実施例18 0.965mol 0.000mol 実施例19 0.772mol 0.193mol 比較例6 0.579mol 0.386mol
【0127】
【表17】 表17 ────────────────────────────────── 対数粘度 ガラス転移 5%重量減少 a×d (dl/g) 温度(℃) 温度(℃) 実施例18 0.60 0.45 247 555 実施例19 0.48 0.46 236 551比較例6 0.36 0.42 224 548
【0128】
【表18】 表18 ──────────────────────────────── 引張弾性率 破断強度 伸び率 降伏強度 (kg/cm2) (kg/cm2) (%) (kg/cm2) 実施例18 23800 1160 74 1220 実施例19 23200 1110 25 1230比較例6 23000 910 8.3 降伏せず
【0129】実施例20〜22 比較例7〜12 ジアミンとして4,4’−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ビフェニル、1,3−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、3,3’−スルホニルジアニリン(3,
3’−ジアミノジフェニルスルホン)をそれぞれ表19
に示す量用い、酸無水物としてピロメリット酸二無水物
208.30g(0.955mol)、さらに無水フタ
ル酸13.33g(0.090mol)を用いて、実施
例1と同様の製法でポリイミド粉を得た。なお、表19
中、ジアミン1〜ジアミン3とあるのはそれぞれ、4,
4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,
3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’
−スルホニルジアニリン(3,3’−ジアミノジフェニ
ルスルホン)を示す。
【0130】a×dの値と、得られたポリイミド粉の対
数粘度、ガラス転移温度、流動開始温度を表20に示
す。さらに、得られたポリイミド粉を用いて、400℃
にて押し出しペレット化し、樹脂温度380〜420
℃、射出圧力1400〜1600kg/cm2 、金型温
度170℃で射出成形を行いASTM−D−638及び
ASTM D−648に定められる形状の試験片を得
た。この試験片を用いて引っ張り試験及び熱変形温度の
測定を行った。引張弾性率,破断強度,伸び率、降伏強
度及び熱変形温度を表21に示す。
【0131】
【表19】 表19 ───────────────────────────────── ジアミン1 ジアミン2 ジアミン3 比較例7 0.600mol 0.400mol 0.000mol 比較例8 0.600mol 0.375mol 0.025mol 実施例20 0.600mol 0.300mol 0.100mol 実施例21 0.600mol 0.200mol 0.200mol 実施例22 0.600mol 0.100mol 0.300mol 比較例9 0.600mol 0.025mol 0.375mol 比較例10 0.600mol 0.000mol 0.400mol 比較例11 0.400mol 0.200mol 0.400mol 比較例12 0.400mol 0.400mol 0.200mol
【0132】
【表20】 表20 ────────────────────────────────── 対数粘度 ガラス転移 流動開始 a×d (dl/g) 温度(℃) 温度(℃) 比較例7 0.60 0.47 226 295 比較例8 0.60 0.48 228 295 実施例20 0.60 0.47 240 300 実施例21 0.60 0.47 247 310 実施例22 0.60 0.49 251 320 比較例9 0.60 0.48 258 330 比較例10 0.60 0.48 260 335 比較例11 0.40 0.46 251 310比較例12 0.40 0.45 239 320
【0133】
【表21】 表21 ───────────────────────────────── 引張弾性率 破断強度 伸び率 降伏強度 熱変形温度 (kg/cm2) (kg/cm2) (%) (kg/cm2) (℃) 比較例7 27000 1020 82 1050 210 比較例8 26800 1030 78 1060 213 実施例20 26600 1010 76 1050 234 実施例21 26000 1030 72 1050 241 実施例22 25100 1020 56 1030 245 比較例9 20300 920 5.3 降伏せず 248 比較例10 19600 830 5.0 降伏せず 250 比較例11 25500 840 4.9 降伏せず 241比較例12 26200 930 9.4 1020 230
【0134】これらはいずれも、ポリイミド共重合体の
繰り返し構造単位のうち、前記式(3)で表される繰り
返し構造単位のモル分率を規定したa×dの値は、本発
明の範囲内にある。しかしながら、本発明は全ジアミン
成分の使用モル量の合計を1としたときの前記式(A)
で表されるジアミンの使用モル量をa、前記一般式
(B)で表される化合物群から選ばれる1種または2種
のジアミンの使用モル量(2種のジアミンの場合は合計
使用モル量)をb、前記一般式(C)で表される化合物
群から選ばれる1種または2種のジアミンの使用モル量
(2種のジアミンの場合は合計使用モル量)をc、とし
た場合の各モノマー成分の使用量が、式(a)〜
(c): 0.5≦a≦0.9 (a) 0.05≦b≦0.45 (b) 0.05≦c≦0.45 (c) を満たすことを特徴とするものであり、これらの比較例
のうち、比較例7及び比較例8は上記式(c)の条件を
満たさない共重合比であり、同様に、比較例9及び比較
例10は上記式(b)の条件を、また。比較例11及び
比較例12は上記式(a)の条件を満たさない。表から
明らかであるように、これらの条件を満たさない共重合
比を持つポリイミド共重合体は、本発明のポリイミド共
重合体に比較して、ガラス転移温度及び熱変形温度によ
り表される耐熱性、および特に伸びに端的にあらわれる
機械強度が両立せず、比較例7及び比較例8では耐熱性
が著しく劣り、比較例9〜12では伸びが10%を割る
など、機械物性が著しく劣ることが明らかである。
【0135】実施例23〜26 比較例13,14 ジアミンとして4,4’−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ビフェニル221.06g(0.600mol)、
1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−4−トリフル
オロメチルベンゼン72.07g(0.200mo
l)、3,3’−オキシジアニリン(3,3’−ジアミ
ノジフェニルエーテル)40.05g(0.200mo
l)を用い、酸無水物としてピロメリット酸二無水物、
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物をそれぞれ表22に示す量、さらに無水
フタル酸13.33g(0.090mol)を用いて、
実施例1と同様の製法でポリイミド粉を得た。なお、表
22中、酸無水物1〜酸無水物3とあるのはそれぞれ、
ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物を示す。
【0136】a×dの値と、得られたポリイミド粉の対
数粘度、ガラス転移温度、流動開始温度を表23に示
す。さらに、得られたポリイミド粉を用いて、400℃
にて押し出しペレット化し、樹脂温度380〜420
℃、射出圧力1400〜1600kg/cm2 、金型温
度160℃で射出成形を行いASTM−D−638に定
められる形状の試験片を得た。この試験片を用いて引っ
張り試験を行った。引張弾性率,破断強度,伸び率、降
伏強度を表24に示す。
【0137】
【表22】 表22 ────────────────────────────────── 酸無水物1 酸無水物2 酸無水物3 実施例23 0.955mol 0.000mol 0.000mol 実施例24 0.716mol 0.000mol 0.239mol 比較例13 0.478mol 0.000mol 0.478mol 実施例25 0.716mol 0.048mol 0.191mol 実施例26 0.621mol 0.143mol 0.191mol 比較例14 0.525mol 0.239mol 0.191mol
【0138】
【表23】 表23 ───────────────────────────────── 対数粘度 ガラス転移 流動開始 a×d (dl/g) 温度(℃) 温度(℃) 実施例23 0.80 0.48 250 300 実施例24 0.60 0.47 247 310 比較例13 0.40 0.48 243 330 実施例25 0.56 0.48 242 320 実施例26 0.49 0.46 236 320比較例14 0.41 0.46 233 320
【0139】
【表24】 表24 ──────────────────────────────── 引張弾性率 破断強度 伸び率 降伏強度 (kg/cm2) (kg/cm2) (%) (kg/cm2) 実施例23 25500 1000 70 1050 実施例24 25400 1010 38 1060 比較例13 24800 820 6.6 降伏せず 実施例25 25100 1030 56 1030 実施例26 25600 1020 29 1040 比較例14 26900 780 4.9 降伏せず
【0140】これらはいずれも、ポリイミド共重合体の
繰り返し構造単位のうち、前記式(3)で表される繰り
返し構造単位のモル分率を規定したa×dの値は、本発
明の範囲内にある。しかしながら、本発明は全テトラカ
ルボン酸二無水物成分の使用モル量の合計を1としたと
きの前記式(D)で表されるテトラカルボン酸二無水物
の使用モル量をd、前記一般式(E)で表される化合物
群から選ばれる0種ないし2種のテトラ前記カルボン酸
二無水物成分の使用モル量(2種のテトラカルボン酸二
無水物の場合は合計使用モル量)をe、とした場合の各
モノマー成分の使用量が、式(d),(e): 0.6≦d≦1 (d) 0≦e≦0.4 (e) を満たすことを特徴とするものであり、これらの比較例
は上記式の条件を満たさない。
【0141】表から明らかであるように、これらの条件
を満たさない共重合比を持つポリイミド共重合体は、本
発明のポリイミド共重合体に比較して、特に伸びに端的
にあらわれる機械強度が著しく劣ることが明らかであ
る。
【0142】
【発明の効果】本発明において、本来結晶質のポリイミ
ドを非晶化し、より低い流動開始温度を付与し、熱履歴
による結晶化を抑え、しかしながら一方では連続使用温
度を左右するガラス転移温度は下げず、耐熱性、機械強
度の高いポリイミドを提供することが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 79/08 C08L 79/08 C (72)発明者 黒木 貴志 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 大川 祐一 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 及川 英明 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モノマーである3種ないし5種のジアミ
    ン成分と1種ないし3種のテトラカルボン酸二無水物成
    分とから重合して得られるポリイミド共重合体であっ
    て、かつ、重合に用いられるジアミン成分が式(A)
    (化1): 【化1】 で表されるジアミンと、一般式(B)(化2): 【化2】 (式中、Xは各々同種でも異種でもよく、水素原子、塩
    素原子、臭素原子、CNまたはCmF2m+1(式中、
    mは0または1である)で表される1価の基である)で
    表される化合物群から選ばれる1種または2種のジアミ
    ンと、更に一般式(C)(化3): 【化3】 (式中2個のアミノ基は各々独立に連結基−Y−に対し
    てメタ位またはパラ位にあるものとし、−Y−は直接結
    合、−O−、−CH2−、−CO−、−SO2 −、−C
    (CH3)2 −、−C(CF3)2 −からなる群より選ばれ
    る1種の2価の基でる)で表される化合物群から選ばれ
    る1種または2種のジアミンとの、合計3種ないし5種
    のジアミンからなり、かつ、重合に用いられるテトラカ
    ルボン酸二無水物成分が式(D)(化4): 【化4】 で表されるテトラカルボン酸二無水物を必須成分とし、
    一般式(E)(化5): 【化5】 (式中−Z−は直接結合、−O−、−CO−、−SO2
    −、−C(CF3)2 −および、 【化6】 からなる群より選ばれる1種の2価の基である)で表さ
    れる化合物群から選ばれる0種ないし2種のテトラカル
    ボン酸二無水物を加え、合計1種ないし3種のテトラカ
    ルボン酸二無水物からなり、かつ、全ジアミン成分の使
    用モル量の合計を1としたときの式(A)で表されるジ
    アミンの使用モル量をa、 一般式(B)で表される化合物群から選ばれる1種また
    は2種のジアミンの使用モル量(2種のジアミンの場合
    は合計使用モル量)をb、 一般式(C)で表される化合物群から選ばれる1種また
    は2種のジアミンの使用モル量(2種のジアミンの場合
    は合計使用モル量)をc、 全テトラカルボン酸二無水物成分の使用モル量の合計を
    1としたときの式(D)で表されるテトラカルボン酸二
    無水物の使用モル量をd、 一般式(E)で表される化合物群から選ばれる0種ない
    し2種のテトラカルボン酸二無水物成分の使用モル量
    (2種のテトラカルボン酸二無水物の場合は合計使用モ
    ル量)をe、とした場合の各モノマー成分の使用量が、
    式(a)〜(e): 0.5≦a≦0.9 (a) 0.05≦b≦0.45 (b) 0.05≦c≦0.45 (c) 0.6≦d≦1 (d) 0≦e≦0.4 (e) を満たし、かつ、式(A)で表されるジアミンおよび式
    (D)で表されるテトラカルボン酸二無水物の使用モル
    量が、式(f): 0.4≦a×d≦0.8 (f) を満たすことを特徴とするポリイミド共重合体であっ
    て、かつ、その対数粘度が0.20dl/g以上2.0
    dl/g以下であるポリイミド共重合体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の一般式(B)で表される
    化合物群から選ばれる1種または2種のジアミンが、式
    (B−1)(化7): 【化7】 で表されるジアミンであることを特徴とする請求項1記
    載のポリイミド共重合体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の一般式(C)で表される
    化合物群から選ばれる1種または2種のジアミンが、式
    (C−1)(化8): 【化8】 で表されるジアミンおよび/または式(C−2)(化
    9): 【化9】 で表されるジアミンであることを特徴とする請求項2記
    載のポリイミド共重合体。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の一般式(E)で表される
    化合物群から選ばれる0種ないし2種のテトラカルボン
    酸二無水物が、式(E−1)(化10): 【化10】 で表される1種のテトラカルボン酸二無水物であること
    を特徴とする請求項1記載のポリイミド共重合体。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の一般式(E)で表される
    化合物群から選ばれる0種ないし2種のテトラカルボン
    酸二無水物が、前記式(E−1)で表される1種のテト
    ラカルボン酸二無水物であることを特徴とする請求項3
    記載のポリイミド共重合体。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のポリイミド共重合体の重
    合の際に一般式(F)(化11): 【化11】 (式中、R1 は炭素数6〜15であり、単環式芳香族
    基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員
    により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる
    群より選ばれた2価の基を表す)で表される芳香族ジカ
    ルボン酸無水物を、全ジアミン成分の使用モル量の合計
    に対して0.001倍以上1.00倍以下のモル量用い
    て、ポリイミド共重合体分子末端を封止したポリイミド
    共重合体。
  7. 【請求項7】 芳香族ジカルボン酸無水物が無水フタル
    酸である請求項6記載のポリイミド共重合体。
  8. 【請求項8】 請求項1記載のポリイミド共重合体の重
    合の際に一般式(G)(化12): 【化12】 (式中、R2 は炭素数6〜15であり、単環式芳香族
    基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員
    により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる
    群より選ばれた1価の基を表す)で表される芳香族モノ
    アミンを、全テトラカルボン酸二無水物成分の使用モル
    量の合計に対して0.001倍以上1.00倍以下のモ
    ル量用いて、ポリイミド共重合体分子末端を封止したポ
    リイミド共重合体。
  9. 【請求項9】 芳香族モノアミンがアニリンである請求
    項8記載のポリイミド共重合体。
  10. 【請求項10】 請求項1記載のポリイミド共重合体1
    00重量部と繊維状補強材5ないし100重量部とより
    なるポリイミド共重合体樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 繊維状補強材がガラス繊維、炭素繊
    維、およびチタン酸カリウム繊維、芳香族ポリアミド繊
    維よりなる群より選ばれたものである、請求項10記載
    のポリイミド共重合体樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 請求項1記載のポリイミド共重合体を
    必須成分として、これと、炭素繊維、炭素繊維からなる
    織布、金属板、金属箔、グラファイト、およびポリイミ
    ドからなる群から選ばれる少なくとも1種の材料とを含
    んでなることを特徴とする複合材料。
  13. 【請求項13】 請求項1記載のポリイミド共重合体
    が、これが可溶な有機溶剤に溶解してなるポリイミド共
    重合体の溶液。
  14. 【請求項14】 請求項1記載のポリイミド共重合体
    が、これが不溶な有機溶剤に分散してなるポリイミド共
    重合体の懸濁液。
  15. 【請求項15】 請求項1記載のモノマーから重合して
    得られるポリアミド酸であって、かつ、各モノマー成分
    の使用量が、請求項1記載の各条件を満たすことを特徴
    とし、かつ、その対数粘度が0.20dl/g以上2.
    0dl/g以下であるポリアミド酸共重合体。
  16. 【請求項16】 請求項15記載のポリアミド酸共重合
    体の重合の際に前記一般式(F)で表される芳香族ジカ
    ルボン酸無水物を、全ジアミン成分の使用モル量の合計
    に対して0.001倍以上1.00倍以下のモル量用い
    て、ポリアミド酸共重合体分子末端を封止したポリアミ
    ド酸共重合体。
  17. 【請求項17】 請求項15記載のポリアミド酸共重合
    体の重合の際に前記一般式(G)で表される芳香族モノ
    アミンを、全テトラカルボン酸二無水物成分の使用モル
    量の合計に対して0.001倍以上1.00倍以下のモ
    ル量用いて、ポリアミド酸共重合体分子末端を封止した
    ポリアミド酸共重合体。
  18. 【請求項18】 請求項15記載のポリアミド酸共重合
    体が有機溶剤に溶解してなるポリアミド酸共重合体の溶
    液。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20160094551A (ko) * 2015-01-30 2016-08-10 에스케이이노베이션 주식회사 폴리아믹산 조성물 및 폴리이미드 기재
WO2019132184A1 (ko) * 2017-12-28 2019-07-04 에스케이씨코오롱피아이 주식회사 연성동박적층판 제조용 폴리이미드 필름 및 이를 포함하는 연성동박적층판
KR20190130526A (ko) * 2019-11-08 2019-11-22 에스케이씨코오롱피아이 주식회사 연성동박적층판 제조용 폴리이미드 필름 및 이를 포함하는 연성동박적층판
JP2020070355A (ja) * 2018-10-31 2020-05-07 三井化学株式会社 三次元造形用樹脂材料、及びその製造方法

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