JPH06145351A - ポリイミドおよびその製造方法 - Google Patents

ポリイミドおよびその製造方法

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JPH06145351A
JPH06145351A JP21502992A JP21502992A JPH06145351A JP H06145351 A JPH06145351 A JP H06145351A JP 21502992 A JP21502992 A JP 21502992A JP 21502992 A JP21502992 A JP 21502992A JP H06145351 A JPH06145351 A JP H06145351A
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 式(I) (式中、Rは炭素数2〜27の脂肪族基、環式脂肪族
基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が
直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式
芳香族基から成る群より選ばれた4価の基を示し、また
nは1〜1000の整数を示す)で表されるポリイミド
およびその製造方法。 【効果】 ポリイミドが本来有する優れた耐熱性に加
え、優れた加工性を有し、耐薬品性が良好な新規な熱可
塑性ポリイミドおよびその製造方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な熱可塑性ポリイ
ミドに関する。更に詳しくは、成形加工性に優れた新規
なポリイミドおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】ポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物
とジアミンの反応によって得られ、従来から知られてい
るポリイミドは、この高分子特有の高耐熱性に加え、力
学的強度、寸法安定性に優れ、難燃性、電気絶縁性等を
併せて有している。そのため、これらのポリイミドは、
電気・電子機器等の分野で使用されており、すでに、耐
熱性が要求される分野に広く用いられ、今後益々、使用
分野や量的拡大が期待されているものである。
【0003】従来、優れた特性を示すポリイミドが種々
開発されている。しかしながら、従来から知られている
ポリイミドは耐熱性に優れていても明瞭なガラス転移温
度を有しないために、成形材料として用いる場合に焼結
成形等の手法を用いて加工しなければならないとか米国
特許公報3179631号公報、また加工性は優れてい
るがハロゲン化炭化水素系の溶剤に可溶で、耐溶剤性の
面において問題があるとか、性能に一長一短を有するも
のであった。最近、ポリイミドの利用分野の拡大に向け
て、ポリイミドの欠点を改善したり、新たな性能を付与
したポリイミドが提供されている。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ポ
リイミドが本来有する優れた耐熱性に加え、優れた加工
性を有し、耐薬品性が良好な新規な熱可塑性ポリイミド
およびその製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意検討した結果、特定構造の芳香族
ジアミンをモノマー成分とするポリイミドが、ポリイミ
ド固有の諸性能を損なうことなく、優れた成形加工性を
有する新規な熱可塑性のポリイミドであることを見出
し、本発明を完成した。すなわち、本発明は式(1)
(化10)
【0006】
【化10】 (式中、Rは炭素数2〜27の脂肪族基、環式脂肪族
基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が
直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式
芳香族基からなる群より選ばれた4価の基を示し、また
nは1〜1000の整数を示す)で表される繰り返し構
造単位を有するポリイミド、およびその製造方法、並び
にこの繰り返し構造単位を有するポリマー分子の末端が
本質的に未置換あるいはアミンまたはジカルボン酸無水
物と反応性を有しない基で置換された芳香族環であるポ
リイミド、ならびにそれらの製造方法である。より詳細
には、本発明は、式(1)(化11)
【0007】
【化11】 (式中、Rは炭素数2〜27の脂肪族基、環式脂肪族
基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が
直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式
芳香族基からなる群より選ばれた4価の基を示し、また
nは1〜1000の整数を示す)で表される繰り返し構
造単位を有するポリイミドであり、このポリイミドを式
(2)(化12)
【0008】
【化12】 で表される4,4’−ビス〔3(または4)−アミノベ
ンゾイルオキシ〕ビフェニルを主体とする芳香族ジアミ
ンと、主として式(3)(化13)
【0009】
【化13】 (式中、Rは炭素数2〜27の脂肪族基、環式脂肪族
基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が
直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式
芳香族基からなる群より選ばれた4価の基を示す)で表
されるテトラカルボン酸二無水物を反応させ、得られる
ポリアミド酸を熱的または化学的にイミド化して製造す
る方法である。さらに、前記式(1)で表される繰り返
し構造単位の末端が本質的に未置換あるいはアミンまた
はジカルボン酸無水物と反応性を有しない基で置換され
た芳香族環であるポリイミドおよびこれらのポリイミド
を前記式(2)で表される4,4’−ビス〔3(または
4)−アミノベンゾイルオキシ〕ビフェニルを主体とす
る芳香族ジアミンと、主として前記式(3)で表される
テトラカルボン酸二無水物を、式(4)(化14)
【0010】
【化14】 (式中、Zは炭素数6〜15の単環式芳香族基、縮合多
環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互
に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群より選ば
れた2価の基を示す)で表される芳香族ジカルボン酸無
水物または、式(5) Z−NH2 (5) (式中、Zは炭素数6〜15の単環式芳香族基、縮合多
環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互
に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群より選ば
れた1価の基を示す)で表される芳香族モノアミンの存
在下に反応させ、得られるポリアミド酸を熱的または化
学的にイミド化することを特徴とするポリイミドの製造
方法である。本発明のポリイミドは、式(1)(化1
5)
【0011】
【化15】 (式中、Rは前記の通りである)で表され繰り返し構造
単位を有するポリイミドであり、またこのポリイミドの
末端が反応基を含まれない芳香族環基であるポリイミド
である。この繰り返し構造単位のポリイミドは芳香族ジ
アミン成分として、前記の式(2)で表される4,4’
−ビス〔3(または4)−アミノベンゾイルオキシ〕ビ
フェニルを使用し、また芳香族テトラカルボン酸二無水
物として式(3)(化16)
【0012】
【化16】 で表されるテトラカルボン酸二無水物を用いる。式
(3)において、Rは炭素数2〜27以上の脂肪族基、
環式脂肪族基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、
芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非
縮合多環式芳香族基からなる群より選ばれた4価の基を
示し、具体的には、式(1)のRが、炭素数2〜10の
脂肪族基、炭素数4〜10の環式脂肪族基、式(a)
(化17)
【0013】
【化17】 で表される単環式芳香族基、式(b)(化18)
【0014】
【化18】 で表される縮合多環式芳香族基、および式(c)(化1
9)
【0015】
【化19】 {式中、Xは直接結合、−CO−、−O−、−S−、−
SO2 −、−CH2 −、−C(CH3 2 −、−C(C
3 2 −、
【0016】
【化20】 (ここで、Yは直接結合、−CO−、−O−、−S−、
−SO2 −、−CH2 −、−C(CH3 2 −または−
C(CF3 2 −を示す)を示す}で表される芳香族基
が直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環
式芳香族基からなる群より選ばれた4価の基であるテト
ラカルボン酸二無水物が使用される。
【0017】すなわち、本発明のポリイミドは前記ジア
ミンと前記の少なくとも一種以上の芳香族テトラカルボ
ン酸二無水物とを重合させて得られるポリアミド酸を更
に脱水させて得られる。従って、本発明のポリイミドは
前記の4,4’−ビス〔3(または4)−アミノベンゾ
イルオキシ〕ビフェニルを必須モノマー原料として用い
るが、ポリイミドの良好な物性を損なわない範囲内で他
の芳香族ジアミンを混合して使用することもできる。
【0018】混合して使用できるジアミンとしては、例
えばm−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミ
ン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミ
ン、p−アミノベンジルアミン、4,4’−ジアミノジ
フェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエー
テル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,
3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジア
ミノジフェニルスルフィド4,4’−ジアミノジフェニ
ルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホキ
シド、3,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、
4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3’
−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジ
フェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスル
ホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−
ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフ
ェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,
4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ
ジフェニルメタン、ビス〔4−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル〕メタン、1,1−ビス〔4−(3−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔4
−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,2
−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタ
ン、1,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕エタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノ
キシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス
〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、
2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕ブタン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフル
オロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフ
ルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)
ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベン
ゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニ
ル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニ
ル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケ
トン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕
ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノ
キシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(4−アミ
ノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−
(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、
ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテ
ル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エ
ーテル、1,4−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)
ベンゾイル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(3−アミ
ノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、4,4’−ビス
〔3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニ
ルエーテル、4,4’−ビス〔3−(3−アミノフェノ
キシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビ
ス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フ
ェノキシ〕ベンゾフェノン、4,4’−ビス〔4−(4
−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ジ
フェニルスルホン、ビス〔4−{4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェノキシ}フェニル〕スルホン、1,4−ビ
ス〔{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}−
α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,3−ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベ
ンジル〕ベンゼン等が挙げられ、また、これらは単独ま
たは2種以上を混合して使用される。
【0019】また本発明で用いられる前記式(3)で表
されるテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、エ
チレンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテト
ラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,
3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−
ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,
4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1
−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水
物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無
水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二
無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシルフェニ
ル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパ
ン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボ
ン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカル
ボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカ
ルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカ
ルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラ
カルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテ
トラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナント
レンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これら
は単独あるいは2種以上混合して用いられる。
【0020】これらの芳香族ジアミン成分と芳香族テト
ラカルボン酸二無水物をモノマー成分として得られる本
発明のポリイミドは、主として式(1)の繰り返し構造
単位を有するポリイミドであり、また主として式(1)
の繰り返し構造単位を有するポリイミドが、そのポリマ
ー分子末端が未置換あるいはアミンまたはジカルボン酸
無水物と反応性を有しない基で置換された芳香族環を有
するポリイミドまたはこれらのポリイミドを含有する組
成物も含まれる。この末端に未置換あるいはアミンまた
はジカルボン酸無水物と反応性を有しない基で置換され
た芳香族環を有するポリイミドは、前記式(2)の4,
4’−ビス〔3(または4)−アミノベンゾイルオキ
シ〕ビフェニルを主体とする芳香族ジアミンと、主とし
て前記式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物化
合物を、式(4)(化21)
【0021】
【化21】 (式中、Zは炭素数6〜15の単環式芳香族基、縮合多
環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互
に連結された非縮合多環式芳香族基から成る群より選ば
れた2価の基を示す)で表される芳香族ジカルボン酸無
水物または式(5) Z−NH2 (5) (式中、Zは炭素数6〜15の単環式芳香族基、縮合多
環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互
に連結された非縮合多環式芳香族基から成る群より選ば
れた1価の基を示す)で表される芳香族モノアミンの存
在下に反応させ、得られるポリアミド酸を熱的または化
学的にイミド化することにより得られる。これらの方法
で使用されるジカルボン酸無水物としては2,3−ベン
ゾフェノンジカルボン酸無水物、3,4−ベンゾフェノ
ンジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニル
フェニルエーテル無水物、3,4−ジカルボキシフェニ
ルフェニルエーテル無水物、2,3−ビフェニルジカル
ボン酸無水物、3,4−ビフェニルジカルボン酸無水
物、2,3−ジカルボン酸フェニルフェニルスルホン無
水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン
無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルフ
ィド無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルス
ルフィド無水物、1,2−ナフタレンジカルボン酸無水
物、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,8−
ナフタレンジカルボン酸無水物、1,2−アントラセン
ジカルボン酸無水物、2,3−アントラセンジカルボン
酸無水物、1,9−アントラセンジカルボン酸無水物等
が挙げられる。これらのジカルボン酸無水物はアミンま
たはジカルボン酸無水物と反応を有しない基で置換され
ていても差し支えない。
【0022】これらのジカルボン酸無水物の中で無水フ
タル酸が、得られるポリイミドの性能面および実用面か
ら最も好ましい。すなわち、高温成形時における成形安
定性の優れたポリイミドであり、優れた耐薬品性を有し
ており、前記の優れた加工性を考え合わせると、宇宙・
航空機用基材、電気・電子部品用基材として、極めて有
用なポリイミドである。また、無水フタル酸を使用する
場合、その一部をポリイミドの良好な物性を損なわない
範囲で、他のジカルボン酸無水物で代替して用いること
は何ら差し支えない。
【0023】用いられるジカルボン酸無水物の量は式
(2)で表される4,4’−ビス〔3(または4)−ア
ミノベンゾイルオキシ〕ビフェニル1モル当たり0.0
01〜1.0モルの割合である。0.001モル未満で
は高温成形時に粘度の上昇が見られ成形加工性低下の原
因となる。また、1.0モルを越えると機械的特性が低
下する。好ましい使用量は0.01〜0.5モルの割合
である。
【0024】また、芳香族モノアミンを使用する場合、
芳香族モノアミンとしては、例えばアニリン、o−トル
イジン、m−トルイジン、p−トルイジン、2,3−キ
シリジン、2,6−キシリジン、3,4−キシリジン、
3,5−キシリジン、o−クロロアニリン、m−クロロ
アニリン、p−クロロアニリン、o−ブロモアニリン、
m−ブロモアニリン、p−ブロモアニリン、o−ニトロ
アニリン、m−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、
o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−ア
ミノフェノール、o−アニシジン、m−アニシジン、p
−アニシジン、o−フェネチジン、m−フェネチジン、
p−フェネチジン、o−アミノベンツアルデヒドm−ア
ミノベンツアルデヒド、p−アミノベンツアルデヒド、
o−アミノベンゾニトリル、m−アミノベンゾニトリ
ル、p−アミノベンゾニトリル、2−アミノビフェニ
ル、3−アミノビフェニル、4−アミノビフェニル、2
−アミノフェニルフェニルエーテル、3−アミノフェニ
ルフェニルエーテル、4−アミノフェニルフェニルエー
テル、2−アミノベンゾフェノン、3−アミノベンゾフ
ェノン、4−アミノベンゾフェノン、2−アミノフェニ
ルフェニルスルフィド、3−アミノフェニルフェニルス
ルフィド、4−アミノフェニルフェニルスルフィド、2
−アミノフェニルフェニルスルホン、3−アミノフェニ
ルフェニルスルホン、4−アミノフェニルフェニルスル
ホン、α−ナフチルアミン、β−ナフチルアミン、1−
アミノ−2−ナフトール、2−アミノ−1−ナフトー
ル、4−アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−1−ナ
フトール、5−アミノ−2−ナフトール、7−アミノ−
2−ナフトール、8−アミノ−1−ナフトール、8−ア
ミノ−2−ナフトール、1−アミノアントラセン、2−
アミノアントラセン、9−アミノアントラセン等が挙げ
られる。これらの芳香族モノアミンは、アミンまたはジ
カルボン酸無水物と反応性を有しない基で置換されてい
ても差し支えない。
【0025】用いられる芳香族モノアミンの量は、式
(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物1モル当た
り、0.001〜0.1モルの割合である。0.001
モル未満では、高温成形時に粘度の上昇が見られ成形加
工性低下の原因となる。また1.0モルを越えると機械
的特性が低下する。好ましい使用量は、0.01〜0.
5モルの割合である。従って、このように本発明のポリ
イミドの末端が未置換または置換芳香環であるポリイミ
ドを製造する場合は、テトラカルボン酸二無水物、芳香
族ジアミン、およびジカルボン酸無水物または芳香族モ
ノアミンのモル比は、テトラカルボン酸二無水物1モル
当たり、芳香族ジアミンは0.9〜1.0モル、ジカル
ボン酸無水物または芳香族モノアミンは0.001〜
1.0モルである。ポリイミドの製造にあたって、生成
ポリイミドの分子量を調節するために、テトラカルボン
酸二無水物と芳香族ジアミンの量比を調節することは通
常行われている。本発明の方法においては、溶融流動性
の良好なポリイミドを得るために適切なテトラカルボン
酸二無水物に対する芳香族ジアミンのモル比は0.9〜
1.0の範囲である。
【0026】本発明のポリイミドの製造方法としては、
ポリイミドを製造可能な方法が公知の方法を含めて全て
適用できるが、中でも、有機溶剤中で反応を行うのが特
に好ましい方法である。このような反応に用いる有機溶
媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセ
トアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、N
−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イ
ミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、1,2−
ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテ
ル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン、ビ
ス{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}エーテル、
テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジ
オキサン、ピリジン、ピコリン、ジメチルスルホキシ
ド、ジメチルスルホン、テトラメチル尿素、ヘキサメチ
ルホスホルアミド、フェノール、o−クレゾール、m−
クレゾール、p−クレゾール、p−クロロフェノール、
アニソール等が挙げられる。また、これらの有機溶剤は
単独でもまたは2種以上混合して用いても差し支えな
い。
【0027】本発明の方法で有機溶媒に4,4’−ビス
〔3(または4)−アミノベンゾイルオキシ〕ビフェニ
ル、テトラカルボン酸二無水物、芳香族ジカルボン酸無
水物または芳香族モノアミンを添加反応させる方法とし
ては、(イ)テトラカルボン酸二無水物と、4,4’−
ビス〔3(または4)−アミノベンゾイルオキシ〕ビフ
ェニルを反応させた後に、芳香族ジカルボン酸無水物ま
たは芳香族モノアミンを添加して反応を続ける方法、
(ロ)4,4’−ビス〔3(または4)−アミノベンゾ
イルオキシ〕ビフェニルに芳香族ジカルボン酸無水物を
加えて反応させた後、テトラカルボン酸二無水物を添加
し、更に反応を続ける方法、(ハ)テトラカルボン酸二
無水物に芳香族モノアミンを加えて反応させた後、4,
4’−ビス〔3(または4)−アミノベンゾイルオキ
シ〕ビフェニルを添加し、更に反応を続ける方法、
(ニ)テトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス〔3
(または4)−アミノベンゾイルオキシ〕ビフェニル、
芳香族ジカルボン酸無水物または芳香族モノアミンを同
時に添加し、反応させる方法等が挙げられ、いずれの添
加方法をとっても差し支えない。 反応温度は通常25
0℃以下、好ましくは50℃以下である。反応圧力は特
に限定されず、常圧で充分実施できる。反応時間はテト
ラカルボン酸二無水物の種類、溶剤の種類および反応温
度により異なり、通常4〜24時間で十分である。更に
得られたポリアミド酸を100〜400℃に加熱してイ
ミド化するか、また無水酢酸等のイミド化剤を用いて化
学イミド化することにより、ポリアミド酸に対応する繰
り返し単位を有するポリイミドが得られる。
【0028】また、4,4’−ビス〔3(または4)−
アミノベンゾイルオキシ〕ビフェニルとテトラカルボン
酸二無水物、さらにはポリイミドの末端を芳香環とする
場合は芳香族ジカルボン酸無水物または芳香族モノアミ
ンとを、有機溶媒中に懸濁または溶解させた後、加熱
し、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の生成と同
時にイミド化を行うことにより目的のポリイミドを得る
ことも可能である。すなわち、従来公知の手法を用い
て、フィルム状もしくは粉末状のポリイミドを得ること
ができる。
【0029】また、本発明のポリイミドは、溶融成形に
供する場合、本発明の目的を損なわない範囲で他の熱可
塑性樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リカーボネート、ポリアリレート、ポリアミド、ポリス
ルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、
ポリフェニルスルフィド、ポリアミドイミド、ポリエー
テルイミド、変成ポリフェニレンオキシド等を目的に応
じて適当量を配合することも可能である。
【0030】また、更に通常の樹脂組成物に使用する次
のような充填剤等を、発明の目的を損なわない程度で用
いてもよい。すなわち、グラファイト、カーボランダ
ム、ケイ石粉、二硫化モリブデン、フッ素樹脂などの耐
磨耗性向上材、ガラス繊維、カーボン繊維等の補強材、
三酸化アンチモン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム
等の難燃性向上材、クレー、マイカ等の電気的特性向上
材、アスベスト、シリカ、グラファイト等の耐トラッキ
ング向上材、硫酸バリウム、シリカ、メタケイ酸カルシ
ウム等の耐酸性向上材、鉄粉、亜鉛粉、アルミニウム
粉、銅粉等の熱電導度向上材、その他ガラスビーズ、ガ
ラス球、タルク、ケイ藻土、アルミナ、シラスバルン、
水和アルミナ、金属酸化物、着色料等である。
【0031】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。なお、実施例中のポリイミドの物性は以下の方法に
より測定した。 Tg、Tc、Tm;(島津DT−40シリーズ、DSC
−41M)により測定。 5%重量減少温度:空気中にてDTG(島津DT−40
シリーズ、DTG−40M)により測定。 溶融粘度:島津高化式フローテスター(CFT500
A)により荷重100Kgで測定。
【0032】合成例1 攪拌器、温度計および還流冷却器を備えたガラス製反応
容器に、4,4’−ジヒドロキシビフェニル93.0g
(0.5モル)、3−ニトロベンゾイルクロリド23
2.0g(1.25モル)、およびN,N−ジメチルホ
ルムアミド1210gを装入し、内温を15℃に保ち攪
拌した。次いで152.5g(1.5モル)のトリエチ
ルアミンを2時間で滴下した。この間内温は15〜35
℃であった。さらに同温度で3時間攪拌を続けた。反応
終了後、内温を25℃まで冷却し、析出した結晶を濾過
した。これを洗浄、乾燥して粗4,4’−ビス(3−ニ
トロベンゾイルオキシ)ビフェニル230.0gを得
た。これをN,N−ジメチルホルムアミドで再結晶し
て、精4,4’−ビス(3−ニトロベンゾイルオキシ)
ビフェニル218.0g(収率90.0%)を得た。高
速液体クロマトグラフィーによる純度は、99.3%で
あった。 融点 260.0〜260.9℃ 次に、攪拌器、温度計および還流冷却器を備えたガラス
製密閉容器に、上記の4,4’−ビス(3−ニトロベン
ゾイルオキシ)ビフェニル48.4g(0.1モル)、
5%パラジウム/アルミナ触媒(エヌ・イー・ケムキャ
ット社)1.0gおよびN,N−ジメチルホルムアミド
480gを装入し、25〜45℃の温度において、攪拌
しながら水素を導入すると約8時間で12.9Lの水素
を吸収した。反応終了後、同温度で反応溶液を濾過して
触媒を除去した。次にこの溶液温度を80℃まで昇温
し、206gの水を加えて25℃まで徐冷すると、結晶
が析出した。これを濾過、洗浄後乾燥して4,4’−ビ
ス(3−アミノベンゾイルオキシ)ビフェニル40.2
g(収率94.8%)を得た。高速液体クロマトグラフ
ィーによる純度は99.3%であった。 融点 226.7〜227.9℃ 合成例2 撹拌機、温度計および還流冷却器を備えたガラス製容器
に4,4’−ジヒドロキシビフェニル3.7g(0.0
2モル)、4−ニトロベンゾイルクロリド903g
(0.05モル)およびトルエン90gを装入し、内温
を10℃に保ちつつ撹拌した。続いて6.1g(0.0
6モル)のトリエチルアミンを7gのトルエンに溶解し
たものを30分間で滴下した。この時内温は25℃であ
った。滴下終了後さらに6時間撹拌を続けて反応を終了
した。析出している結晶を濾過、洗浄、乾燥して粗4,
4’−ビス(4−ニトロベンゾイルオキシ)ビフェニル
9.4gを得た。これをN,N−ジメチルホルムアミド
で再結晶して8.6g(収率89.6%)の精4,4’
−ビス(4−ニトロベンゾイルオキシ)ビフェニルを得
た。高速液体クロマトグラフィーによる純度は99.4
%であった。 融点 250.1〜251.2℃ 次に、撹拌器、温度計および還流冷却器を備えたガラス
製密閉容器に上記の4,4’−ビス(4−ニトロベンゾ
イルオキシ)ビフェニル4.8g(0.01モル)、5
%パラジウム/アルミナ触媒(エヌ・イー・ケムキャッ
ト社)01.gおよびN,N−ジメチルホルムアミド4
80gを装入し内温を136℃まで昇温した。4,4’
−ビス(ニトロベンゾイルオキシ)ビフェニルが溶解し
た後に、136〜152℃で水素を導入したところ10
時間で1.3lの水素を吸収した。反応終了後、内温1
30℃で反応溶液を濾過し、25℃まで徐冷したとこ
ろ、結晶が析出した。これを濾過、洗浄、乾燥して4,
4’−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)ビフェニル
3.0g(収率70.7%)を得た。高速液体クロマト
グラフィーによる純度は、98.2%であった。
【0033】融点 300℃以上 実施例1 攪拌機、還流冷却器、水分離器および窒素導入管を備え
た容器に4,4’−ビス(3−アミノベンゾイルオキ
シ)ビフェニル12.7g(0.03モル)、3,
3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸
二無水物8.75g(0.028モル)、無水フタル酸
0.53g(3.6×10-3モル)、γ−ピコリン0.
42g、m−クレゾール70.9gを装入し、窒素雰囲
気下において攪拌しながら140℃まで加熱昇温した。
さらに4時間反応を行った。その後室温まで冷却し、約
300mlのメチルエチルケトンに排出した後、濾別し
た。このポリイミド粉をメチルエチルケトンで洗浄した
後、180℃で24時間減圧乾燥して20.2g(収率
96.4%)のポリイミド粉を得た。
【0034】かくして得られたポリイミド粉の対数粘度
は0.45dl/gであった。なお、対数粘度はポリイ
ミド0.50gをp−クロルフェノール/フェノール
(重量比9/1)混合溶媒100mlに加熱溶解した
後、35℃において測定した値である。このポリイミド
のガラス転移温度(Tg)は230℃であった。また空
気中での5%重量減少温度は481℃であった。このポ
リイミド粉の赤外線スペクトル図を図1に示す。このス
ペクトル図では、イミドの特性吸収帯である1780c
-1と1720cm-1付近の吸収が顕著に認められた。
また、得られたポリイミド粉の元素分析値は以下の通り
であった。 元素分析値 C H N 計算値(%) 72.21 3.17 4.01 測定値(%) 72.91 3.32 3.67 更に、このポリイミドの溶融粘度は高化式フローテスタ
ーを使用し、100Kgの荷重および直径0.1cmの
オリフィスを用いて測定した。400℃における溶融粘
度は7500ポイズであった。
【0035】実施例2 攪拌機、還流冷却器および窒素導入管を備えた容器に、
4,4’−ビス(3−アミノベンゾイルオキシ)ビフェ
ニル6.36g(0.015モル)、N,N−ジメチル
アセトアミド63.45gを装入し、窒素雰囲気下にお
いて、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物4.834g(0.15モル)を溶液温
度の上昇に注意しながら分割して加え、室温で約20時
間かきまぜた。かくして得られたポリアミド酸の対数粘
度は1.3dl/gであった。なお、ポリアミド酸の対
数粘度は、N,N−ジメチルアセトアミドを溶媒とし、
0.5g/100 溶液、35℃で測定した値である。
このポリアミド酸溶液の一部をガラス板上にキャストし
た後、100℃、200℃、300℃で各々1時間加熱
して厚さ約50μmのポリイミドフィルムを得た。この
ポリイミドフィルムの引っ張り強さは12.5Kg/m
2 、引っ張り弾性率は300Kg/mm2、引っ張り
伸び率は20%であった。
【0036】実施例3〜4 実施例2と同様な手法により表1、2に示したテトラカ
ルボン酸二無水物を表1、2に示した量を用いて各々ポ
リアミド酸を重合した。また、これらのポリアミド酸溶
液を用いて実施例2と同様にして、それぞれ対応するポ
リイミドフィルムを得た。これら、ポリアミド酸の対数
粘度および得られたポリイミドフィルムの物性を表1に
まとめて示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明は、ポリイミドが本来有する優れ
た耐熱性に加え、優れた加工性を有し、耐薬品性が良好
な新規な熱可塑性ポリイミドおよびその製造方法を提供
するものであり、産業上極めて有用な発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のポリイミド化合物のKBr錠剤法の
IRスペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片岡 利之 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 山口 彰宏 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1)(化1) 【化1】 (式中、Rは炭素数2〜27の脂肪族基、環式脂肪族
    基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が
    直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式
    芳香族基からなる群より選ばれた4価の基を示し、また
    nは1〜1000の整数を示す)で表される繰り返し構
    造単位を有するポリイミド。
  2. 【請求項2】 式(1)(化2) 【化2】 (式中、Rは炭素数2〜27の脂肪族基、環式脂肪族
    基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が
    直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式
    芳香族基からなる群より選ばれた4価の基を示し、また
    nは1〜1000の整数を示す)で表される繰り返し構
    造単位を有し、そのポリマー分子の末端が本質的に未置
    換あるいはアミンまたはジカルボン酸無水物と反応性を
    有しない基で置換された芳香族環であるポリイミド。
  3. 【請求項3】 式(2)(化3) 【化3】 で表される4,4’−ビス〔3(または4)−アミノベ
    ンゾイルオキシ〕ビフェニルを主体とする芳香族ジアミ
    ンと、主として式(3)(化4) 【化4】 (式中、Rは炭素数2〜27の脂肪族基、環式脂肪族
    基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が
    直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式
    芳香族基からなる群より選ばれた4価の基を示す)で表
    されるテトラカルボン酸二無水物を反応させ、得られる
    ポリアミド酸を熱的または化学的にイミド化することを
    特徴とする請求項1記載のポリイミドの製造方法。
  4. 【請求項4】 式(2)(化5) 【化5】 で表される4,4’−ビス〔3(または4)−アミノベ
    ンゾイルオキシ〕ビフェニルを主体とする芳香族ジアミ
    ンと主として式(3)(化6) 【化6】 (式中、Rは炭素数2〜27の脂肪族基、環式脂肪族
    基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が
    直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式
    芳香族基からなる群より選ばれた4価の基を示す)で表
    されるテトラカルボン酸二無水物を、式(4)(化7) 【化7】 (式中、Zは炭素数6〜15の単環式芳香族基、縮合多
    環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互
    に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群より選ば
    れた2価の基を示す)で表される芳香族ジカルボン酸無
    水物の存在下に反応させ、得られるポリアミド酸を熱的
    または化学的にイミド化することを特徴とする請求項2
    記載のポリイミドの製造方法。
  5. 【請求項5】 式(2)(化8) 【化8】 で表される4,4’−ビス〔3(または4)−アミノベ
    ンゾイルオキシ〕ビフェニルを主体とする芳香族ジアミ
    ンと主として式(3)(化9) 【化9】 (式中、Rは炭素数2〜27の脂肪族基、環式脂肪族
    基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が
    直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式
    芳香族基からなる群より選ばれた4価の基を示す)で表
    されるテトラカルボン酸二無水物を式(5) Z−NH2 (5) (式中、Zは炭素数6〜15の単環式芳香族基、縮合多
    環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互
    に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群より選ば
    れた1価の基を示す)で表される芳香族モノアミンの存
    在下に反応させ、得られるポリアミド酸を熱的または化
    学的にイミド化することを特徴とする請求項2記載のポ
    リイミドの製造方法。
  6. 【請求項6】 芳香族ジカルボン酸無水物が、無水フタ
    ル酸である請求項4記載のポリイミドの製造方法。
  7. 【請求項7】 芳香族モノアミンが、アニリンである請
    求項5記載のポリイミドの製造方法。
  8. 【請求項8】 芳香族ジカルボン酸無水物の使用量が、
    式(2)で表される芳香族ジアミン1モルに対して0.
    001〜1.0モルの割合である請求項4記載のポリイ
    ミドの製造方法。
  9. 【請求項9】 無水フタル酸の使用量が、式(2)で表
    される芳香族ジアミン1モルに対して0.001〜0.
    1モルの割合である請求項6記載のポリイミドの製造方
    法。
  10. 【請求項10】 芳香族モノアミンの使用量が、式
    (3)で表されるテトラカルボン酸二無水物1モルに対
    して、0.001〜1.0モルの割合である請求項5記
    載のポリイミドの製造方法。
  11. 【請求項11】 アニリンの使用量が、式(3)で表さ
    れるテトラカルボン酸二無水物1モルに対して、0.0
    01〜0.1モルの割合である請求項7記載のポリイミ
    ドの製造方法。
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