JP4502164B2 - 合成梁構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、I形鉄骨(H形鉄骨も含む)梁を中心に構成された合成梁構造に係り、特に床スラブとの一体化を図った合成梁構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
I形鉄骨梁と床スラブの一体化を図った構造として、特開平5−86674号公報や特開平11−166294号公報に記載のものが知られている。
【0003】
図18は前者の公報に記載の構造を示すもので、1はI形鉄骨梁である。このI形鉄骨梁1は、上下フランジ1a、1bと、それらをつなぐウェブ1cとからなる。図示例の構造は、I形鉄骨梁1に型枠(図示略)を設けると共に、この型枠に床版101を設け、床版101上に床スラブコンクリート102を打設する際に、I形鉄骨梁1の上下フランジ1a、1b間の空間にも同時に梁コンクリート103を打設して、I形鉄骨梁1を中心とした合成梁104と床スラブ105とを一体化することで、I形鉄骨梁1の横座屈に対する変形性能を向上させ、I形鉄骨梁1に発生するおそれのある局部座屈を防止するようにしたものである。
【0004】
図19は後者の公報に記載の構造を示すもので、110は予め工場製作された合成梁である。この合成梁110は、上下フランジ1a、1b及びウェブ1cよりなるI形鉄骨梁1を、上フランジ1a及びこの上フランジ1a寄りのウェブ1c部分を残してコンクリートブロック111中に埋設し、ウェブ1cのコンクリートブロック111上への露出部分に、ウェブ1cの延在方向に間隔をおいて貫通孔112を複数形成したものである。
【0005】
図示例の構造は、この合成梁110における露出部分の下方でコンクリートブロック111の上部に床型枠(図示略)を設置し、上フランジ1aの上側と下側にスラブ上端筋5と下端筋6を配すると共に、スラブ下端筋6をウェブ1cの貫通孔112に通し、その上で床型枠上に床スラブコンクリート113を打設することにより、合成梁110と床スラブ114とを一体化したものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図18の構造は、I形鉄骨梁1の上フランジ1aの上側と下側に配筋を施していない上、上フランジ1aを完全に床スラブコンクリート102中に埋没させていないので、床スラブ105の厚さが薄い場合に、床スラブ105と合成梁104の一体性が弱まるおそれがある。
【0007】
その点、図19の構造は、I形鉄骨梁1の上フランジ1aの上側と下側にスラブ上端筋5と下端筋6を設置し、上フランジ1aを完全に床スラブコンクリート113中に埋没させているので、床スラブ114の厚さが薄い場合にも、床スラブ114と合成梁110の一体性を確保することができる。
【0008】
しかしながら、この構造の場合、ウェブ1cの貫通孔112にスラブ下端筋6を貫通させるようにしているので、スラブ厚を変える場合に、それに応じてスラブ下端筋6の配筋位置を変えることができない。つまり、スラブ厚の変化に柔軟に対応することができないおそれがある。また、I形鉄骨梁1の下フランジ1bが完全にコンクリートブロック111中に埋没しているので、この下フランジ1bを利用しての型枠の組立が困難である。
【0009】
本発明は、上記事情を考慮し、床スラブとの一体性を高めることができると共に、スラブ厚の変化に柔軟に対応することができ、しかも、コンクリート打設のための型枠組立が容易にできる合成梁構造を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の合成梁構造は、上下フランジ及びウェブを有するI形鉄骨梁の下フランジの下面を露出させた状態で、下フランジから上フランジの近くまでの空間を梁コンクリートで充填すると共に、上フランジをその上側及び下側に配したスラブ上端筋及びスラブ下端筋と共に床スラブコンクリート中に埋設し、スラブ下端筋の端部を上フランジの下側の床スラブコンクリート中に定着させ、一端部および他端部が折り曲げられてコ字状に形成された折り曲げ鉄筋の一端部を前記ウェブの一方の側面近くに配置し、該一端部と連続する中央部を前記上フランジの上側を巡るように配置し、該中央部に連続する他端部を前記ウェブの他方の側面近くに至るように配置して、該折り曲げ鉄筋の一端部および他端部を前記梁コンクリート内に定着するとともに中央部を前記床スラブコンクリート内に定着させてなることを特徴とする。
【0011】
この発明の合成梁構造では、I形鉄骨梁の下フランジから上フランジの近くまでの空間を梁コンクリートで充填すると共に、上フランジの上側と下側にスラブ上端筋と下端筋を配し、上フランジをこれらスラブ上端筋及び下端筋と共に床スラブコンクリート中に埋設しているので、床スラブと合成梁の一体性を高めることができる。また、I形鉄骨梁の下フランジの下面を露出させているので、下フランジを利用してコンクリート打設のための型枠を組み立てることができる。また、スラブ下端筋の端部は上フランジの下側の床スラブコンクリート中に定着させているだけであるから、要求されるスラブ厚に応じてスラブ下端筋の配筋位置を自由に変えることができ、柔軟にスラブ厚の変更に対応することができる。 しかも、コ字状に形成された折り曲げ鉄筋により、梁コンクリートおよび床スラブコンクリートとを一体化することができ、地震時等における構造安定性を確保することができる。
【0012】
請求項2の発明の合成梁構造は、請求項1記載の合成梁構造であって、前記I形鉄骨梁のウェブにスタッドを溶接するとともに、該スタッドにメッシュ筋を配して、該スタッドおよび該メッシュ筋を介して前記I形鉄骨梁と前記梁コンクリートとを一体化させてなることを特徴としている。
この発明の合成梁構造では、梁コンクリートとI形鉄骨梁の一体性を一層高めることができる。
【0013】
請求項3の発明の合成梁構造は、請求項1または2記載の合成梁構造であって、前記I形鉄骨梁に対して、該I形鉄骨梁と交差するようにI形鉄骨小梁が取り付けられ、該I形鉄骨小梁は、その上面が、前記床スラブコンクリートの下面と一致するような位置に設けられていることを特徴としている。
この発明の合成梁構造では、小梁の上面を床スラブコンクリートに埋設する必要がない。
【0014】
請求項4の発明の合成梁構造は、請求項3記載の合成梁構造であって、前記I形鉄骨小梁には、前記I形鉄骨梁に対して接合される端部を除いた部分に対して、その上下フランジ間にあらかじめ小梁コンクリートが充填されていることを特徴としている。
【0015】
この発明の合成梁構造では、小梁の耐火性能および強度を向上させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下ではまず本発明の基本構成と構成要素について説明し、しかる後に本来の実施形態(図13〜14、図16〜17)を説明するが、便宜的に全てを実施の形態として説明する。
[第一の実施の形態]
図1(a)は第一の実施形態の合成梁構造の完成状態の断面図、(b)はコンクリート打設前の状態を示す断面図である。
【0017】
この実施の形態の合成梁構造は、図1(a)に上下フランジ1a、1b及びウェブ1cを有するI形鉄骨梁1の下フランジ1bの下面を露出させた状態で、下フランジ1bから上フランジ1aの近くまでの空間を梁コンクリート10Aで充填すると共に、上フランジ1aを、その上側及び下側に配したスラブ上端筋5及びスラブ下端筋6と共に床スラブコンクリート10B中に埋設し、スラブ下端筋6の端部を上フランジ1aの下側の床スラブコンクリート10B中に定着させたものである。
【0018】
この構造を得るには、まず、I形鉄骨梁1の下フランジ1bを利用して、下フランジ1bの幅方向外縁から上フランジ1aの幅方向外縁の近傍位置までウェブ1cと平行に梁型枠21を設ける。同時に、この梁型枠21の上端に床型枠22を設ける。この際、床型枠22の上面が、上フランジ1aの下側に間隔をおいて位置するように設定する。また、上フランジ1aの上側にスラブ上端筋5を配筋すると共に、上フランジ1bの下側にスラブ下端筋6を配筋する。ここで、スラブ下端筋6の端部は、単にウェブ1cの近傍まで接近させるだけにしておく。
【0019】
次いで、梁型枠21の内側の空間7と床型枠22の上側の空間にコンクリート10を打設することにより、図1(a)に示すような、床スラブ3と合成梁2が一体化した合成梁構造が出来上がる。この場合、床スラブ3の上面3aは上フランジ1aの上側に位置し、床スラブ3の下面3bは上フランジ1aの下側に位置する。
【0020】
このような構成の合成梁構造では、上フランジ1aの上側と下側にスラブ上端筋5と下端筋6が配されており、上フランジ1aがこれらスラブ上端筋5及び下端筋6と共に床スラブコンクリート10Bの中に埋設されているので、床スラブ3と合成梁2の一体性が高い。しかも、上下フランジ1a、1b間の空間には梁コンクリート10Aが充填されているので、耐火性能が高い上に、梁の剛性及び横座屈性能が高い。
【0021】
また、スラブ下端筋6の端部は、単に上フランジ1aの下側の床スラブコンクリート10B中に定着させているだけであるから、要求されるスラブ厚T1に応じて、スラブ下端筋6の配筋位置を自由に変えることができる。この場合、スラブ下端筋6及び床型枠22を上下させることにより、階高と梁高さHを一定とした状態でスラブ厚さを変えることができる。図2はスラブ厚さをT2に変更した場合の例を示している。
【0022】
なお、図3の例に示すように、I形鉄骨梁1のウェブ1cにスタッド11を溶接し、スタッド11にメッシュ筋12を配した上で、コンクリート10を打設するようにしてもよい。そうした場合は、梁コンクリート10A〔図1(a)参照〕とI形鉄骨梁1の一体性を一層高めることができる。
【0023】
また、図4の例に示すように、梁型枠や床型枠に捨て型枠を使用してもよい。図4の符号23は捨て型枠仕様の鋼板、24は捨て型枠仕様のデッキプレートを示す。
【0024】
また、上記実施形態では、梁コンクリート10Aと床スラブコンクリート10B〔図1(a)参照〕を一緒に打設する場合を説明したが、予め梁コンクリート10Aを打設しておいてから、床スラブコンクリート10Bを打設するようにしてもよい。
【0025】
図5の例では、予め工場(現場でもよい)で一部の梁コンクリート10Bを打設した合成梁20を作っておき、この合成梁20のコンクリート10B上面に床型枠24を取り付けて、床スラブコンクリート10Bを打設するようにしている。
【0026】
また、I形鉄骨梁1と他の部材の接合部についても、溶接や高力ボルト等による梁の接合後に、床スラブコンクリートの打設と同時に接合部にコンクリートを充填する方法で容易に施工することができる。
【0027】
図6は合成梁2と円形鋼管柱30の十字型柱梁接合部の例を示しており、(a)はコンクリート充填前、(b)はコンクリート充填後の状態を示す。この例では、I形鉄骨梁1の端部を円形鋼管柱30に溶接や高力ボルト等によって接合した後、型枠を組み立ててコンクリート10を打設している。
【0028】
図7は合成梁2と角形鋼管柱40のト字形柱梁接合部の例を示しており、(a)はコンクリート充填前、(b)はコンクリート充填後の状態を示す。この例では、I形鉄骨梁1の端部を角形鋼管柱40のブラケット41に溶接や高力ボルト等によって接合した後、型枠を組み立ててコンクリート10を打設している。
【0029】
[第二の実施の形態]
次に、本発明の第二の実施の形態について説明する。
図8は、第二の実施の形態の合成梁構造50の完成状態の断面図、図9は、図8におけるI−I線矢視断面図である。
この実施の形態の合成梁構造50は、図1に示したものと同様の合成梁構造に対して小梁51を取り付けたものである。ここで、小梁51は、I形鉄骨梁1に交差するように設けられたI形鉄骨小梁52と、このI形鉄骨小梁52の上フランジ52aおよび下フランジ52b間に充填された小梁コンクリート53とにより構成されている。I形鉄骨小梁52は、その上フランジ52aの上面が床スラブコンクリート10Bの下面(床スラブ3の下面3b)と一致するような位置に配置されている。
【0030】
この小梁51は、I形鉄骨小梁52のうち、合成梁2に対して接合される端部を除いた部分に対して、その上下フランジ間52a,52bにあらかじめ小梁コンクリート53が充填された状態で使用されるものである。図10は、小梁51をI形鉄骨梁1に取り付ける際の状況を示す断面図であり、図11は、図10のII−II線矢視断面図である。
【0031】
これらの図中に示すように、小梁51は、その端部51aが、小梁コンクリート53から露出するとともにI形鉄骨小梁52のウェブ52cに連続する接合端部54として形成されたものとされ、この接合端部54が、I形鉄骨梁1の上下フランジ1a,1b間にウェブ1cと直交するように設けられたリブプレート55に対して接合されることによって、梁コンクリート10A打設前のI形鉄骨梁1に対して取り付けられる。このとき、形成すべき床スラブ3の下面とI形鉄骨小梁52の上フランジ52aの上面の位置が一致するように、I形鉄骨小梁52は、その上面がI形鉄骨梁1の上面よりも若干低い位置となるように設けられる。
【0032】
そして、このように小梁51をI形鉄骨梁1に取り付けた後に、上記第一の実施の形態と同様の手順で、I形鉄骨梁1の上フランジ1a,1bの上下にスラブ上端筋5およびスラブ下端筋6を配置し、さらに、I形鉄骨梁1の周囲の梁コンクリート10Aの打設対象位置と床スラブコンクリート10Bの打設対象位置位置とにコンクリート10を打設する。これにより、図8,図9に示したような構造を得ることができる。
【0033】
このような構成の合成梁構造50では、上記第一の実施の形態と同様の効果を得ることができるほか、I形鉄骨小梁52が、その上面が、床スラブコンクリート10Bの下面と一致するように設けられているため、小梁51の上面を床スラブコンクリート10Bに埋設する必要がない。これにより、施工性に優れるとともに、小梁51に過度な構造性能を付与することが無く、合理的な構造を実現することができる。
【0034】
さらに、この合成梁構造50は、I形鉄骨小梁52に、その接合端部54を除いた部分に対して、その上下フランジ52a,52b間にあらかじめ小梁コンクリート53が充填されているために、小梁51をあらかじめ製作しておくことができ、施工性の向上に寄与することができるだけでなく、小梁51の耐火性能および強度を向上させることができる。特に、小梁51を床スラブコンクリート10Bと一体化していないに関わらず、このようにI形鉄骨小梁52に対して小梁コンクリート53を打設しておくことにより、床スラブ3を支持するのに十分な耐力と高い剛性とを得ることができる。
【0035】
なお、この合成梁構造50において、図12の例に示すように、梁コンクリート10Aのうち、床スラブコンクリート10Bの下方の一定部分の幅寸法が拡大するようにし、これにより、梁コンクリート10Aのうち、床スラブコンクリート10Bに接する一部をハンチ56として形成してもよい。
【0036】
このような構成とすれば、梁コンクリート10Aの幅寸法が床スラブコンクリート10B近くで拡大するため、床スラブコンクリート10Bと梁コンクリート10Aとを一体打設する際に、特に上フランジ1a近くの位置における梁コンクリート10Aの充填性を確保しやすい。これによって、施工性が向上するとともに、梁の剛性および横座屈性能を確保することができる。
【0037】
また、図12の構成に加えて、図13の例のように、折り曲げ鉄筋57をI形鉄骨梁1の上側および両側方を囲むように配置し、これを床スラブコンクリート10Bと梁コンクリート10Aとを一体化するのに用いてもよい。この場合、折り曲げ鉄筋57としては、一端部57aおよび他端部57bが折り曲げられてコ字状に形成されたものを用い。折り曲げ鉄筋57の一端部57aをウェブ1cの一方の側面近くに配置し、一端部57aと連続する中央部57cを上フランジ1aの上側を巡るように配置する。そして、中央部57cに連続する他端部57bをウェブ1cの他方の側面近くに至るように配置する。さらに、折り曲げ鉄筋57の一端部57aおよび他端部57bを梁コンクリート10A内に定着し、中央部57cを床スラブコンクリート10B内に定着させる。これにより、梁コンクリート10Aおよび床スラブコンクリート10Bを折り曲げ鉄筋57により一体化することができ、地震時等における構造安定性を確保することができる。
【0038】
この場合、図14(a)に示すように、折り曲げ鉄筋57の折り曲げ部57d,57dを、I形鉄骨梁1に沿って上フランジ1aの上側に配置された一対のスラブ補強筋58,58に定着させた状態で配置すると、折り曲げ鉄筋57の位置決めが容易となり、この図のように、折り曲げ鉄筋57をI形鉄骨梁1の延在方向に沿って複数設置するような場合の施工性がよい。また、図14(a)の構造に対して、折り曲げ鉄筋57の一端部57aおよび他端部57bに対して交差するように補強筋59を配置することによって、図14(b)のように、折り曲げ鉄筋の一端部57aおよび他端部57bと補強筋59とからなるメッシュ補強体60を形成してもよい。このメッシュ補強体60を、梁コンクリート10Aに埋設するようにすれば、梁コンクリート10Aを強固に補強することができ、その剥落を防止することができる。
【0039】
また、この他にも、図15に示す合成梁構造61のように、I形鉄骨梁1’における上フランジ1a’の幅寸法Waが下フランジ1bの幅寸法Wbに比較して小となるような構成を採用するようにしてもよい。ここで、上フランジ1a’の厚さ寸法Daは、下フランジ1bの厚さ寸法Dbに比較して大とされている。
【0040】
このような構成の合成梁構造61は、上フランジ1a’の幅寸法Waが、下フランジ1bの幅寸法Wbに比較して小とされているために、梁コンクリート10Aを打設するためにI形鉄骨梁1’の側方に配置される梁型枠(図示略)や、床スラブコンクリート10Bを打設するために床スラブコンクリート10Bの下面に配置される床型枠(図示略)と、上フランジ1a’の端部との空間を拡大することができる。これによって、梁コンクリート10Aの充填性を確保しやすく、施工性がよいだけでなく、合成梁構造61形成時における梁の剛性および横座屈性能を確保することができる。また、この場合、上フランジ1a’の厚さ寸法Daを下フランジ1bの厚さ寸法Dbに比較して大としたので、上フランジ1a’の断面積を確保することができ、上フランジ1a’の強度が低下することが無く、構造安定性を確保できる。
【0041】
なおこの場合、図16のように、折り曲げ鉄筋62をI形鉄骨梁1’の上側および両側方を囲むように配置し、これを床スラブコンクリート10Bと梁コンクリート10Aとを一体化するのに用いてもよい。この場合、折り曲げ鉄筋62としては、一端部62aおよび他端部62bが折り曲げられてコ字状に形成されるとともに、一端部62aと他端部62bとの間の中央部62cの長さ寸法が、上フランジ1a’の幅寸法Waと略同一のものを用いるようにする。そして、折り曲げ鉄筋62の一端部62aをウェブ1cの一方の側面近くに配置し、中央部62cを上フランジ1a’の上側を巡るように配置し、他端部62bをウェブ1cの他方の側面近くに至るように配置する。さらに、折り曲げ鉄筋62の一端部62aおよび他端部62bを梁コンクリート10A内に定着し、中央部62cを床スラブコンクリート10B内に定着させる。これにより、梁コンクリート10Aおよび床スラブコンクリート10Bを折り曲げ鉄筋62により一体化することができ、地震時等における構造安定性を確保することができる。
【0042】
さらに、この場合、図17(a)に示すように、折り曲げ鉄筋62の折り曲げ部62d,62dを、I形鉄骨梁1’に沿って上フランジ1a’の上側に配置された一対のスラブ補強筋58,58に定着させた状態で配置すると、折り曲げ鉄筋62の位置決めが容易となり、特に、図示のように、折り曲げ鉄筋62をI形鉄骨梁1’の延在方向に沿って複数設置するような場合の施工性がよい。また、図17(a)の構造に対して、折り曲げ鉄筋62の一端部62aおよび他端部62bに対して交差するように補強筋59を配置することによって、図17(b)のように、折り曲げ鉄筋の一端部62aおよび他端部62bと補強筋59とからなるメッシュ補強体63を形成してもよい。このメッシュ補強体63を、梁コンクリート10Aに埋設するようにすれば、梁コンクリート10Aを強固に補強することができ、その剥落を防止することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、I形鉄骨梁の上フランジをスラブ上端筋及び下端筋と共に床スラブコンクリート中に埋設しているので、床スラブとの一体性を高めることができる。また、下フランジの下面を露出させているので、下フランジを利用してコンクリート打設のための型枠組立が容易にできる。また、スラブ下端筋の端部を上フランジの下側の床スラブコンクリート中に定着させているので、スラブ下端筋の配筋位置を自由に変えることができ、スラブ厚の変更に柔軟に対応することができる。さらに、コ字状に形成された折り曲げ鉄筋により、梁コンクリートおよび床スラブコンクリートとを一体化することができ、地震時等における構造安定性を確保することができる。
請求項2の発明によれば、I形鉄骨梁のウェブにスタッドを溶接するとともに、該スタッドにメッシュ筋を配して、該スタッドおよび該メッシュ筋を介して前記I形鉄骨梁と前記梁コンクリートとを一体化させるので、梁コンクリートとI形鉄骨梁の一体性を一層高めることができる。
【0044】
請求項3の発明によれば、I形鉄骨小梁の上面が、床スラブコンクリートの下面と一致するような位置に設けられているため、小梁の上面を床スラブコンクリートに埋設する必要がない。これにより、施工性が優れているとともに、小梁に過度な構造性能を付与することが無く、合理的な構造を実現することができる。
【0045】
請求項4の発明によれば、I形鉄骨小梁に、その端部を除いた部分に対して、その上下フランジ間にあらかじめ小梁コンクリートが充填されているために、小梁をあらかじめ製作しておくことができ、施工性の向上に寄与することができるだけでなく、小梁の耐火性能および強度を向上させることができる。特に、小梁を床スラブコンクリートと一体化していないに関わらず、このようにI形鉄骨小梁に対して小梁コンクリートを打設しておくことにより、床スラブを支持するのに十分な耐力と高い剛性とを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明の第一の実施の形態の合成梁構造の完成状態の断面図、(b)はコンクリート打設前の状態を示す断面図である。
【図2】 スラブ厚さを変えた例を示す断面図である。
【図3】 ウェブにスタッド及びメッシュ筋を配した例を示す断面図である。
【図4】 型枠に捨て型枠を使用した例を示す断面図である。
【図5】 予め梁コンクリートを打設した上で床スラブコンクリートを打設する場合の例を示す断面図である。
【図6】 合成梁と円形鋼管柱の十字型柱梁接合部の例を示し、(a)はコンクリート充填前、(b)はコンクリート充填後の状態を示す図である。
【図7】 合成梁と角形鋼管柱のト型柱梁接合部の例を示し、(a)はコンクリート充填前、(b)はコンクリート充填後の状態を示す図である。
【図8】 本発明の第二の実施の形態の合成梁構造の立断面図である。
【図9】 図8におけるI−I線矢視断面図である。
【図10】 図8の合成梁構造を構築する際に、I形鉄骨梁に小梁を取り付けた際の状態を示す立断面図である。
【図11】 図10におけるII−II線矢視断面図である。
【図12】 本発明の第二の実施の形態の他の例を示す合成梁構造の立断面図である。
【図13】 本発明の第二の実施の形態のさらに他の例を示す合成梁構造の立断面図である。
【図14】 (a)図13に示した合成梁構造における折り曲げ鉄筋の配置状況の一例、および(b)他の例を表す斜視図である。
【図15】 本発明の第二の実施の形態のさらに他の例を示す合成梁構造の立断面図である。
【図16】 同、さらに他の例を示す合成梁構造の立断面図である。
【図17】 (a)図16に示した合成梁構造における折り曲げ鉄筋の配置状況の一例、および(b)他の例を表す斜視図である。
【図18】 従来例の断面図である。
【図19】 別の従来例の断面図である。
【符号の説明】
1 I形鉄骨梁
1a 上フランジ
1b 下フランジ
1c ウェブ
2 合成梁
3 床スラブ
5 スラブ上端筋
6 スラブ下端筋
10 コンクリート
10A 梁コンクリート
10B 床スラブコンクリート
50,61 合成梁構造
51 小梁
52 I形鉄骨小梁
53 小梁コンクリート
54 接合端部

Claims (4)

  1. 上下フランジ及びウェブを有するI形鉄骨梁の下フランジの下面を露出させた状態で、下フランジから上フランジの近くまでの空間を梁コンクリートで充填すると共に、上フランジをその上側及び下側に配したスラブ上端筋及びスラブ下端筋と共に床スラブコンクリート中に埋設し、スラブ下端筋の端部を上フランジの下側の床スラブコンクリート中に定着させ、一端部および他端部が折り曲げられてコ字状に形成された折り曲げ鉄筋の一端部を前記ウェブの一方の側面近くに配置し、該一端部と連続する中央部を前記上フランジの上側を巡るように配置し、該中央部に連続する他端部を前記ウェブの他方の側面近くに至るように配置して、該折り曲げ鉄筋の一端部および他端部を前記梁コンクリート内に定着するとともに中央部を前記床スラブコンクリート内に定着させてなることを特徴とする合成梁構造。
  2. 請求項1記載の合成梁構造であって、
    前記I形鉄骨梁のウェブにスタッドを溶接するとともに、該スタッドにメッシュ筋を配して、該スタッドおよび該メッシュ筋を介して前記I形鉄骨梁と前記梁コンクリートとを一体化させてなることを特徴とする合成梁構造。
  3. 請求項1または2記載の合成梁構造であって、前記I形鉄骨梁に対して、該I形鉄骨梁と交差するようにI形鉄骨小梁が取り付けられ、該I形鉄骨小梁は、その上面が、前記床スラブコンクリートの下面と一致するような位置に設けられていることを特徴とする合成梁構造。
  4. 請求項3記載の合成梁構造であって、前記I形鉄骨小梁には、前記I形鉄骨梁に対して接合される端部を除いた部分に対して、その上下フランジ間にあらかじめ小梁コンクリートが充填されていることを特徴とする合成梁構造。
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