JP4497589B2 - 親子シールド機およびこれを用いた親子シールド工法 - Google Patents

親子シールド機およびこれを用いた親子シールド工法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外径の大きい親シールド機の内部に子シールド機を収納した親子シールド機に関し、さらに詳しくは親シールド機用カッターヘッドに子シールド機本体の通過用の開閉部を設けた親子シールド機およびこれを用いた親子シールド工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、地下鉄などをシールド工法で建設する場合、先ず駅部を開削工法などによって築造した後、駅部端部に構築した発進基地よりシールド機を発進させて線路部のトンネルを掘削することが一般的に行われていたが、近年は都市の過密化によって開削工法を採用すること自体、困難になりつつある。すなわち、開削工法の場合には、道路下で大規模な覆工を必要とするが、道路交通規制上の制約が大きく、また地下埋設物に与える影響を抑制しながらの工事となるため、その完成までには多くの工程と時間を要し、当然に工費も嵩むことになる。
【0003】
このような問題に答えるものとして近年、開発が進められているのが親子シールド機である。この親子シールド機は、相対的に大径のトンネルを掘削した後、これに連続して小径のトンネルを掘削できるように親子シールド機を分離可能としたもので、従来より多くの構造のものが提案されている。しかし、そのほとんどは、図27に示されるように、円筒状の親シールド機50の内部に、同軸的にすなわち中心位置に子シールド機51を収納する構造であり、子シールド機51のカッターヘッド52を油圧モータ等の駆動源により回転させ、子シールド機51のカッターヘッド52と係合関係にある外周の親シールド機50のカッターヘッド53を従動的に回転させるようにしている。
【0004】
しかしながら、駅部のトンネル中心線と線路部のトンネル中心線とが一致していない場合がある。仮に上記従来構造の発想の下で子シールド機を偏心位置に配置した場合には、図28に示されるように、あくまで子シールド機51のカッターヘッド52の中心Oがカッターヘッド全体の回転中心となるため、親シールド機50のカッターヘッド53が同図の鎖線で示す軌跡で回転することになるためこの方法は採用できない。したがって、線路部のトンネル中心位置にシールド機の中心を合わせ、駅部の構造が収容できるまで親シールド機の径を拡大して対応せざるを得ないものとなっていた。
【0005】
近年、前記のような問題に対処するための方法がいくつか提案されている。たとえば特開平2−210194号公報においては、図29に示されるように、子シールド機55を親シールド機54に対して偏心させるスライド機構を備えた親子シールド機が提案されている。かかる親子シールド機によれば、駅部掘削に当たっては、子シールド機55が親シールド機54の中心位置に定位している状態で掘削を行い、線路部に突入する際に、子シールド機55を偏心位置にスライドさせた後発進させることができ、親シールド機54による無駄な掘削を必要としない。
【0006】
また、特開平2−210189号公報においては、図30および図31に示されるように、子シールド機57の軸心L1を親シールド機56の軸心Lから偏心した位置として子シールド機57を配置するとともに、親シールド機56側には夫々独立的に回転するカッター58,58…を多数配置するようにして親シールド機56による無駄な掘削を無くした親子シールド機が提案されている。
【0007】
さらに、特開平2−88883号公報においては、図32および図33に示されるように、親カッターヘッド61に子シールド機が通過する通過孔61a,61aを形成しておき、一方、子シールド機60はそのカッターヘッド62を親カッターヘッド61の回転を阻害しないように親カッターヘッド61位置から後退した位置とした親子シールド機が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
確かに、上記従来シールド機によれば、親子シールド機によって大径のトンネルを掘削した後、掘削されたトンネル中心より偏心した位置から子シールド機を発進させることができるが、これら従来シールド機にはそれぞれ次記のような問題がある。
【0009】
先ず、特開平2−210194号公報記載の親子シールド機の場合には、スライド機構のためにシールド機の構造が複雑になるとともに、子シールド機のスライド時にサイドの余堀方法が問題になる。また、実質的に1つの子シールド機の場合に限定され、たとえば上下二段にまたは左右並んで配置するなどのケースに柔軟に対応し得るものではない。
【0010】
次いで、特開平2−210189号公報記載の親子シールド機の場合には、子シールド機の配置位置や台数を任意とし得る点で優れている。しかし、子カッターヘッド以外の部分に対して、その間を埋めるように大小多数の円形カッターを配置しなければならず、当然に装置構造が複雑化するとともに、円形カッターの隣接間に無切削部分が必ず存在することとなるため掘削効率の点からは望ましいものではない。また、各カッター毎にカッターチャンバを設ける必要があり、これらに各カッターチャンバに接続される送泥管や排泥管の配置が非常に複雑となるなどの問題もある。
【0011】
最後の特開平2−88883号公報記載の親子シールド機の場合にも、子シールド機の配置位置や台数を任意とし得る点で優れている。しかし、親カッターヘッドに子シールド機が通過する大きな通孔が形成されたままであるため、掘削効率も確実に低下する。また、切羽の安定が保たれず、この通孔から径の大きな玉石や礫が砕かれないままカッターチャンバ内に流入されることになり、送泥管および排泥管を通じての掘削土砂の排出が円滑に行われないなどの問題があり、現実的に採用し得ない。
【0012】
他方、本出願人は、特願平8−338549号において、これら諸問題を解決する親子シールド機および子シールド機の発進方法を提案している。この親子シールド機は、親シールド機の内部に、子シールド機用カッターヘッドを除く子シールド機本体を配するとともに、子シールド機用カッターヘッドは子シールド機本体から分離して親シールド機用カッターヘッドに一体的に設けられており、親子一体時には子シールド機用カッターヘッドを親シールド機用カッターヘッドの一部として回転させ、子シールド機の発進時に初めて子シールド機本体と子シールド機用カッターヘッドとを連結させて原位置より発進させるようにしたものである。
【0013】
しかしながら、この親子シールド機は、子シールド機の発進準備に当たり子シールド機本体と子シールド機用カッターヘッドとの連結等のために、短時間ではあるが親シールドカッターチャンバの中に作業員が入り作業しなければならず危険かつ不便であった。特に、河川・海底下等の掘削において地下水位が高い場合には、事前に止水目的の補助工法を行う必要があり、掘削効率は自然低下せざるを得ない。また、子カッターヘッドの組み立てに多少の時間を要する点、親カッターヘッド内に着脱自在の子カッターヘッドを設けるために、親カッターヘッドの全体形状を理想的なものとできず親シールド機の掘進効率が多少低い点などの問題点があり、施工能率および施工コストの観点からは好ましいものではなかった。
【0014】
そこで、本発明の主たる課題は、シールド構造が簡単でかつ子シールド機の配置や台数を任意に設定でき、掘進効率および掘削土砂の処理も容易であるとともに、子シールド機の発進を効率良くかつ安全に行い得る親子シールド機およびこれを用いた親子シールド工法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明は、相対的に大径の親シールド機の内部に、これより小径の子シールド機が配された親子シールド機であって、
前記子シールド機は、前記親シールド機の軸心に対して同軸的または異軸的に1機または複数機配置されるとともに、少なくとも親シールド機用カッターヘッドとは別体の子シールド機用カッターヘッドが回転可能に連結された状態で前記親シールド機の内部に収容されており、
一方、親シールド機用カッターヘッドに、前記子シールド機本体の通過用の開閉部が設けられ、この開閉部を開閉する開閉面板が前記子シールド機用カッターヘッドとは別体で且つ閉状態で前記親シールド機用カッターヘッドの一部をなすように装備されており、この開閉面板により、親シールド機の掘進時において前記開閉部が閉状態とされ、且つ少なくとも前記子シールド機の発進の際に前記開閉部が開状態となるよう構成したことを特徴とする親子シールド機である。
【0016】
本発明において、前記開閉面板は、シールド機の内部側に後退可能とされるとともに、側部に設けられた支軸回りに回動自在とされ、前記閉状態時においては親シールド機用カッターヘッドと面一に配置され、前記開状態時において親シールド機内に収納されるよう構成するのは好ましい。また、前記開閉面板を開閉移動するための駆動源を有するのも好ましい。
【0017】
本発明における親子シールド機は、親シールド機の内部に子シールド機用カッターヘッドを備えた子シールド機本体が配されるものである。この種の親子シールド機は、例えば前記特開平2−88883号公報記載の親子シールド機と同様に、子シールド機の配置位置や台数を任意とし得る点で優れているものの、親カッターヘッドに子シールド機が通過するための何らかの手段を講ずる必要がある。そこで本発明では、親シールド機用カッターヘッドに子シールド機本体の通過用の開閉部を設け、前記特開平2−88883号公報記載の親子シールド機において生ずる問題点を解決した。
すなわち、この子シールド機本体通過用の開閉部は、親シールド機による掘進時において閉状態とされ、少なくとも子シールド機の発進に際して開状態とされるものであるため、親シールド機の掘進効率が高く、切羽の安定性に優れるとともに、親シールド機のカッターチャンバ内に、大きい玉石や礫が砕かれないままで進入することがなく掘削土砂の排出を円滑に行うことができるものである。
【0018】
また本発明では、親シールド機内には子シールド機用カッターヘッドを備えた子シールド機本体を配置しておくため、子シールド機の発進のために子シールド機本体と子シールド機用カッターヘッドとの連結等の作業を行う必要が無い。このため、子シールド機の発進作業を大幅に簡略化することができる。
さらに、本発明において、開閉部を開閉移動するための駆動源を設けた場合には、親シールドカッターチャンバの中に作業員が入り作業する必要が無く、安全である。またこのため、地下水位が高い場合の掘削において、事前に止水目的の補助工法を行う必要が無く、掘削効率を高いものとできる。
一方、前記請求項1乃至3のいずれか1項に記載の親子シールド機を用い、前記開閉面板により前記開閉部を閉状態として親シールド機による掘進を行い、親シールド機と子シールド機の分離予定位置に到達したならば、前記開閉面板により前記開閉部を開状態とするとともに、子シールド機を発進させることを特徴とする親子シールド工法も提案される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳述する。
図1は本発明に係る親子シールド機Mの縦断面図であり、図2は正面図、図3は図1のIII−III線矢視図、図4は図1のIV−IV線矢視図、図5は図1のV−V線矢視図である。
親子シールド機Mは、円筒状の親スキンプレート4の内部に、図4に示される配置態様で、すなわち親シールド機1の軸心位置から左右方向に夫々偏心させた位置に左右2つの子シールド機本体2,2を備えたシールド機である。なお、本図では説明の簡略化のために送泥管および排泥管による土砂排出機構、アジテータ等の細部構造は省略してある。
【0020】
親スキンプレート4の内部には、子シールド機本体2,2を収納する円筒状空間を形成するために子シールド機2の子スキンプレート8,8の径より若干大径の収容リング3,3がそれぞれ配置され、この収容リング3,3内に子シールド機本体2,2が収納されている。
【0021】
親シールド機1のバルクヘッド5Aには、図9の要部拡大図に示されるように、予め子シールド機本体2,2のための通過孔が形成されている。また、親シールド機1の収容リング3,3と子シールド機2,2の子スキンプレート8,8との間の間隙部Aに対してリング状のバルクヘッドシール9,9…が配設され水密性が確保されるようになっている。また、図10に示されるように、子シールド機本体2,2の下面側においては、収容リング3,3の内面側にガイドレール32,32…が固定され、これを台座として子シールド機本体2,2が収納リング3,3の中心位置に位置決めされており、子シールド機本体2,2が収容リング3より抜け出る際の摺動を円滑なものとしている。
【0022】
親子シールド機Mの前部には、バルクヘッド5Aとの間に土砂取り込み用のカッターチャンバ16Aを有しながら、親シールド機1の軸心位置に配置された親ロータリージョイント15によって回転可能に支持された、ほぼ親スキンプレート4とほぼ同径の親カッターヘッド12が設けられている。この親カッターヘッド12には、子シールド機本体2,2の配設位置に対応する位置に子シールド機2の通過用の開閉面板12A,12Aが設けられている。この開閉面板12A,12Aは、親カッターヘッド12の一部を嵌脱自在としたものであり、少なくとも子シールド機本体2,2が通過可能な形状・サイズとされる。
【0023】
また、開閉面板12A,12Aを開閉するための駆動源として、開閉面板12A,12Aをカッターチャンバ16A内に後退させるための後退用ジャッキ6A,6Aおよび6B,6B…と、後退した開閉面板12A,12Aをこの後退用ジャッキの取付位置を中心に回動させるための回動用駆動源7とが設けられる。
【0024】
より詳しくは、図6(要部拡大図)および図7(そのVII−VII線矢視図)に示すように、親カッターヘッド12と親バルクヘッド5Aとに軸部材T,T…により親ロータリージョイント15に略平行となるように回転自在に軸支され、親カッターヘッド12側端部にギアg,g…を有するケースC1,C1…の内に、後退用ジャッキ6A,6AがそのジャッキポールP1,P1をバルクヘッド5A側に向けかつケースC1,C1…に同軸的に内装されている。
【0025】
ケースC1,C1…は、図7にも示すように、開閉面板12A,12Aの略中心に臨む側に長手方向に延在するスリット部(図示せず)が設けられている。このスリット部を通ってケースC1,C1…内外に延在するブラケットB1,B1により、後退用ジャッキ6A,6AのジャッキポールP1,P1先端と開閉面板12A,12Aのスリット部側端部とが連結される。スリット部には、その先端が内面(ブラケットB1,B1側)に向かって互いに対向する凸部S,Sが形成される一方で、ブラケットの前記凸部S,Sに対応する位置に凹部L,Lが設けられており、これら凸部S,Sと凹部L,Lとが摺動自在に嵌合している。また、ケースC1,C1内側に位置するブラケットB1,B1の端部はケースC1,C1内面全体に接する形状とされている。つまり、ブラケットB1,B1はケースC1,C1軸方向にだけ移動することが可能なようにケースC1,C1に握持されている。ケースC1,C1…は、その親カッターヘッド12側端部にギアg,g…が固定されており、このギアg,g…を介して回動用駆動源7に連結される。
後退用ジャッキ6B,6B…は、開閉面板12A,12Aを回動させるために後退用ジャッキ6A,6Aとは異なる構成とされる。すなわち、図8にも示すように、後退用ジャッキ6B,6B…は、そのジャッキポールP2,P2…側がバルクヘッド5Aに向かい、かつそのジャッキ伸縮方向が親ロータリージョイント15に略平行となるように親カッターヘッド12に取り付けられ(図示の例では間接的に取り付けられている)る。そして、そのジャッキポールP2,P2…先端にケースC2,C2…が固定されており、このケースC2,C2…が開閉面板12A,12Aの後退用ジャッキ6B,6B…側端部に一端側を連結したブラケットB2,B2…の他端側に対して当接するように構成されている。
したがって、閉状態時においては親カッターヘッド12と面一に配置されている開閉面板12A,12Aは、後退用ジャッキ6A,6Aおよび6B,6B…を伸長させると、それぞれブラケットB1,B1およびB2,B2…を介して親シールド機1のバルクヘッド5A側に後退する。そして、後退用ジャッキ6B,6B…のケースC2,C2…は開閉面板12A,12Aに連結したブラケットB2,B2…に接しているだけであるため、この状態でも良いが、好ましくは後退用ジャッキ6A,6A…を収縮させてケースC1,C1…を親カッターヘッド12側に戻した後に、回動用駆動源7を動作させてケースC1,C1を回動させる。これによって、開閉面板12A,12Aは、ブラケットB1,B1を介してケースC1,C1を支軸として回動し、親カッターチャンバ16A内に収納されて開状態とされる(図21参照)。
【0026】
親カッターヘッド12と開閉面板12A,12Aとは、図11に示されるように、少なくとも掘削前面をほぼ一致させた状態で開閉面板12A,12A側に設けられたピンジャッキ20のピン20aが親カッターヘッド12側に挿入係合することにより、分離可能に一体化するのが好ましい。尚、ピンジャッキ20は親カッターヘッド12側に設けることもできる。
【0027】
親カッターヘッド12の背面側周囲には、リング状の親カッター支持アーム10,10…が固定されており、親シールド機1の親スキンプレート4の内側近傍位置に円周方向に沿って適宜の間隔でカッター駆動用モータ14A,14A…が配置され、親カッター支持アーム10,10…のカッターベアリング10a,10a…に対してカッター駆動用モータ14A,14A…のギアが噛合し、親カッターヘッド12が親ロータリージョイント15を回転中心として回転駆動され、この親カッターヘッド12の回転に伴ってその一部である開閉面板12A,12Aも回転するようになっている。
【0028】
なお、図2において、親カッターヘッド12の半径方向に形成された12aは土砂取り込み用のスリット孔であり、図示されていないが、このスリット孔12a,12a隣接位置には多数のカッタービットが固定されている。
【0029】
親シールド機1の後方側には、サポートフレーム17A,17A…に支持されて円周方向に沿って適宜の間隔で多数のシールドジャッキ18A,18A…が配置されるとともに、親エレクター19Aが設けられている。親エレクター19AによってセグメントSが外周に配設され、シールドジャッキ18A,18A…により押出しによって親子シールド機Mが推進する。
【0030】
一方、子シールド機2,2は、図4および図5にも示すように、将来の発進に備えて親シールド機1と略同様の構成とされる。すなわち、子シールド機2,2前方は、そのバルクヘッド5B,5Bとの間に土砂取り込み用のカッターチャンバ16Bを有しながら、子シールド機2,2の軸心位置に配置された子ロータリージョイント21,21によって回転可能に支持された、ほぼ子スキンプレート8とほぼ同径の子カッターヘッド13,13が設けられている。
また、子カッターヘッド13の背面側周囲には、リング状の子カッター支持アーム22,22…が固定されており、子スキンプレート8の内側近傍位置に円周方向に沿って適宜の間隔で子カッター駆動用モータ14B,14B…が配置される。22a,22a…は、子カッター支持アーム22,22…のカッターベアリングである。
子シールド機2,2の後方側には、サポートフレームに支持されて円周方向に沿って適宜の間隔で多数のシールドジャッキ18B,18B…が配置されるとともに、子エレクター19Bが設けられている。
【0031】
さて、次に前述の親子シールド機Mによる標準的掘削方法について説明する。先ず図12に示されるように、駅部のトンネル掘進のためにシールド機組立用立坑71を構築した後、この坑内で親子シールド機Mの組立を行い、しかる後に図13に示されるように、親子シールド機Mによる掘削によって駅部72のトンネル掘削を行う。また、この駅部トンネル掘削に併行して駅部72の端部相当位置に地上側からの工事によって地盤改良部73を造成しておく。次いで、図14に示されるように、親子シールド機Mが地盤改良部73に到達したならば、子シールド機2の発進のために後述する準備作業を行い、図15に示されるように、親シールド機1を原位置に残したままで子シールド機2’のみが発進し線路部74をトンネル掘進する。
【0032】
上記子シールド機2’発進のための準備作業は概ね下記の手順により行う。尚、この準備作業が行われている間は親シールド機1のバルクヘッド5A内は、切羽の地山安定のため泥水等が充満されている状態である。
《第1ステップ》
先ず親カッターヘッド12のスリット孔12a,12a…を閉じた後(または塞いだ後)、図16に示されるように、親シールド機1のエレクター19A、およびシールドジャッキ18A,18A…の取り外しを行う。図示の例では、子シールド機2はカッター駆動用モータ14B,14B…およびシールドジャッキ18B,18B…を予め備えているものであるが、親シールド機1のカッター駆動用モータ14A,14A…およびシールドジャッキ18A,18A…を子シールド機2に転用することもでき、この場合には、親シールド機1のカッター駆動用モータ14A,14A…の取り外しも行う。
親シールド機1のシールドジャッキ18A,18A…およびカッター駆動用モータ14A,14A…を子シールド機2に用いる場合には、続いて盛り代えを行う。親エレクター19Aは子シールド機2に転用できないので撤去する。
【0033】
《第2ステップ》
図17に示されるように、子機テール25の後部に子シールド機本体2が前進する際の反力受けとなるバックアンカー31,31…を取付け、このバックアンカー31,31…から仮セグメントS1,S1 …を順次連ねて設ける。
【0034】
《第3ステップ》
(1)図11に示す固定用ピンジャッキ20を設けている場合には、親カッターヘッド12に固定されている開閉面板12A,12Aを固定用ピンジャッキ20を引き抜いて親カッターヘッド12との連結を解除する。
(2)図18に示すように、後退用ジャッキ6A,6Aおよび6B,6B…を伸長させて開閉面板12A,12Aを親シールド機1のバルクヘッド5A側に後退させる。
(3)図19に示すように、後退用ジャッキ6B,6B…を収縮させる。この場合、後退用ジャッキ6B,6B…のケースC2,C2…は、ブラケットB2,B2…に連結していないので、ブラケットとともに開閉面板12A,12Aを現位置に留めたまま後退用ジャッキ6B,6B…のジャッキポールP2,P2…およびケースC2,C2…だけが親カッターヘッド12側に戻される。
(4)次に、図20および図21に示すように、回動用駆動源7を動作させて開閉面板12A,12AをケースC1,C1を中心に図21中反時計回りに回動させて開状態とし、子カッターヘッド13,13を含む子シールド機2,2を発進可能とする。
【0035】
《第4ステップ》
開閉面板12A,12Aが開状態とされたならば、図22に示されるように、さらに仮セグメントS1,S1…を設け、これをシールドジャッキ18B,18B…の反力受けとして子シールド機本体2を前進させる。そして、子シールド機2が地山に到達したならば、カッター駆動用モータ14B,14B…を駆動させ子シールド機2の子カッターヘッド13を回転させて、親シールド機1を原位置に残したままで子シールド機2,2のみを掘進させる(図14参照)。
【0036】
なお、上記発進準備作業においては、ステップ2とステップ3を順番に行うように説明したが、これらを併行して行うこともできる。
【0037】
以上、本発明の実施形態の一例として、左右並列で2つの子シールド機を備えた親子シールド機Mの例について詳述したが、本発明の場合には他に種々のトンネル形態に対応することができる。
【0038】
たとえば、図23に示される、駅部トンネル40の中心部に対して同軸的に線路トンネル42が構築された一般例はもちろんのこと、図24に示されるように、上り線トンネル43と下り線トンネル44が上下二段に構築するケース、図25に示す駅部トンネル40の中心部から偏心した位置に、上り線トンネル43と下り線トンネル44とを上下二段に構築するケース、さらには図26に示されるように、上り線トンネル43と下り線トンネル44とをそれぞれ逆側に偏心させて上下二段に構築するケース等任意のケースに対して柔軟に対応することが可能となる。
【0039】
また、上記実施の形態では、開閉面板を親シールド機内部側に後退させるとともに回動させて親シールド機内に収納するようにしたが、本発明は親シールド機内に開閉面板を収納できる範囲であれば開閉面板の移動態様には限定されるものではない。上記実施の形態と異なる例としては、開閉面板を親シールド機内部側に後退させるとともに回動させずにスライドさせたり、開閉面板を回動させて親カッターヘッドに収納する等が考えられる。一方、子シールド機を親シールド機の中心に配置した親子シールド機等においては、開閉面板をその完全な開状態が得られるように移動することができない場合がある。この場合には、開閉面板を適宜の形状・サイズとなるように分割して親シールド機内に移動・収納することも考えられる。
【0040】
さらに、本明細書では、地下鉄などのトンネル掘削について説明したが、本発明は他に、道路トンネル、下水道、共同溝などの種々のトンネル掘削に対して適用可能である。
【0041】
【発明の効果】
以上詳説のとおり本発明によれば、シールド構造を簡単としながら子シールド機の配置や台数を任意に設定できるようになる。また、掘削効率および掘削土砂の処理にも優れた構造となる。さらに、子シールド機の発進を効率良くかつ安全に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る親子シールド機Mの縦断面図である。
【図2】 その正面図である。
【図3】 図1のIII−III線矢視図である。
【図4】 図1のIV−IV線矢視図である。
【図5】 図1のV−V線矢視図である。
【図6】 図1のVI部拡大詳細図である。
【図7】 図6のVII−VII線矢視図である。
【図8】 図1のX部拡大詳細図である。
【図9】 図1のVII部拡大詳細図である。
【図10】 子シールド機の下面側支持構造の要部拡大図である。
【図11】 親カッターヘッドと開閉面板との連結態様を示す要部拡大縦断面図である。
【図12】 本親子シールド機による掘削工程図である。
【図13】 本親子シールド機による掘削工程図である。
【図14】 本親子シールド機による掘削工程図である。
【図15】 本親子シールド機による掘削工程図である。
【図16】 子シールド機の発進準備工程図である。
【図17】 子シールド機の発進準備工程図である。
【図18】 子シールド機の発進準備工程図である。
【図19】 子シールド機の発進準備工程図である。
【図20】 子シールド機の発進準備工程図である。
【図21】 子シールド機の発進準備工程図である。
【図22】 子シールド機の発進準備工程図である。
【図23】 本親子シールド機による地下鉄トンネルの形成例図である。
【図24】 本親子シールド機による地下鉄トンネルの形成例図である。
【図25】 本親子シールド機による地下鉄トンネルの形成例図である。
【図26】 本親子シールド機による地下鉄トンネルの形成例図である。
【図27】 従来の一般的な親子シールド機の正面図である。
【図28】 子シールド機を偏心配置した場合の問題点説明図である。
【図29】 従来の偏心親子シールド機の第1例に係る正面図である。
【図30】 従来の偏心親子シールド機の第2例に係る縦断面図である。
【図31】 従来の偏心親子シールド機の第2例に係る正面図である。
【図32】 従来の偏心親子シールド機の第3例に係る縦断面図である。
【図33】 従来の偏心親子シールド機の第3例に係る正面図である。
【符号の説明】
1…親シールド機、2…子シールド機本体、3…収容リング、4…親スキンプレート、6A,6B…後退用ジャッキ、7…回動用駆動源、8…子スキンプレート、9…バルクヘッドシール、10…親カッター支持アーム、12…親カッターヘッド、12A…開閉面板、13…子カッターヘッド、14A,14B…カッター駆動用モータ、15…親ロータリージョイント、18A,18B…シールドジャッキ、19A…親エレクター、19B…子エレクター、21…子ロータリージョイント、22…子カッター支持アーム、31…バックアンカー、32…ガイドレール、M…親子シールド機。

Claims (4)

  1. 相対的に大径の親シールド機の内部に、これより小径の子シールド機が配された親子シールド機であって、
    前記子シールド機は、前記親シールド機の軸心に対して同軸的または異軸的に1機または複数機配置されるとともに、少なくとも親シールド機用カッターヘッドとは別体の子シールド機用カッターヘッドが回転可能に連結された状態で前記親シールド機の内部に収容されており、
    一方、親シールド機用カッターヘッドに、前記子シールド機本体の通過用の開閉部が設けられ、この開閉部を開閉する開閉面板が前記子シールド機用カッターヘッドとは別体で且つ閉状態で前記親シールド機用カッターヘッドの一部をなすように装備されており、この開閉面板により、親シールド機の掘進時において前記開閉部が閉状態とされ、且つ少なくとも前記子シールド機の発進の際に前記開閉部が開状態となるよう構成したことを特徴とする親子シールド機。
  2. 前記開閉面板は、シールド機の内部側に後退可能とされるとともに、側部に設けられた支軸回りに回動自在とされ、前記閉状態時においては親シールド機用カッターヘッドと面一に配置され、前記開状態時において親シールド機内に収納されるよう構成してある請求項1記載の親子シールド機。
  3. 前記開閉面板を開閉移動するための駆動源を有する請求項1または2記載の親子シールド機。
  4. 前記請求項1乃至3のいずれか1項に記載の親子シールド機を用い、前記開閉面板により前記開閉部を閉状態として親シールド機による掘進を行い、親シールド機と子シールド機の分離予定位置に到達したならば、前記開閉面板により前記開閉部を開状態とするとともに、子シールド機を発進させることを特徴とする親子シールド工法。
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