JP3285560B2 - 分岐シールド掘進方法 - Google Patents

分岐シールド掘進方法

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JP3285560B2
JP3285560B2 JP19583299A JP19583299A JP3285560B2 JP 3285560 B2 JP3285560 B2 JP 3285560B2 JP 19583299 A JP19583299 A JP 19583299A JP 19583299 A JP19583299 A JP 19583299A JP 3285560 B2 JP3285560 B2 JP 3285560B2
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  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、分岐シールド掘
進方法に関し、特に本線トンネルの分岐地点において左
右両側へ分岐線シールド掘進機を分岐発進可能にし且つ
本線トンネルの複数個所から分岐発進可能にした技術に
関する。
【0002】
【従来の技術】 上下水道や通信ケーブル用の種々のシ
ールド坑(トンネル)をシールド掘進機で掘進する際
に、トンネルの途中から小径の分岐トンネルを分岐掘進
することも多い。分岐掘進する場合、通常、本線のシー
ルド掘進機で本線トンネルを掘進していき、分岐地点に
到着した時に、本線用シールド掘進機から分岐線シール
ド掘進機を左方または右方へ直角状に分岐発進させ、そ
の分岐後には本線トンネルを本線用シールド掘進機で分
岐トンネルを分岐線シールド掘進機で夫々独立に掘進す
る。
【0003】例えば、特開平8−165884号公報に
は、分岐掘進可能なシールド掘進機として、カッターデ
ィスク、前胴、中胴、後胴、前胴後端付近の複数の切羽
側シールドジャッキ、後胴前端付近に設けた複数の立坑
側シールドジャッキ、後胴内に設けたエレクタ装置、中
胴に設けた分岐発進部及び分岐トンネル掘進用の分岐線
シールド掘進機等を備え、中胴を3重構造にしたシール
ド掘進機が記載されている。
【0004】このシールド掘進機においては、分岐地点
に到達前は立坑側シールドジャッキにより掘進推力を発
生させつつ掘進し、分岐地点において、3重構造の中胴
を伸長させて分岐発進用窓を開口させて分岐線シールド
掘進機を発進させ、その後本線シールド掘進機では、中
胴の内側2重構造と後胴とを前胴から切り離し、切羽側
シールドジャッキにより掘進推力を発生させて掘進し、
その本線トンネルの掘進と並行して分岐線シールド掘進
機により分岐線トンネルの掘進を行う。
【0005】特願平9−356176号には、分岐掘進
可能なシールド掘進機として、カッターディスク、前
胴、中胴、後胴、複数の前側シールドジャッキ、複数の
後側シールドジャッキ等を備え、中胴と後胴前端部分の
内側に内胴部材を設け、この内胴部材の左右両側部に、
新素材コンクリートで封鎖した状態の分岐発進口を形成
する1対の分岐発進用封鎖部を設け、後胴前端部分に左
右1対の分岐発進用封鎖部の外側を封鎖する切欠き部を
形成したシールド掘進機が記載されている。
【0006】このシールド掘進機においては、分岐地点
で前胴及び中胴を、内胴部材と後胴に対して分離して左
右1対の分岐発進用封鎖部の外側を開放する位置により
も前進させた状態で、これら左右1対の分岐発進用封鎖
部から順々に分岐線シールド掘進機を分岐発進する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】 前記特開平8−16
5884号公報のシールド掘進機では、分岐発進の際
に、中胴の内側2重構造と後胴とを分離して地中に残し
ていくため、基本的に本線トンネルから1つの分岐線ト
ンネルしか分岐させることができない。特願平9−35
6176号のシールド掘進機では、中胴と分岐線シール
ド掘進機用のセグメントとを一体化するため、1対の分
岐発進用封鎖部から順々に分岐線シールド掘進機を分岐
発進した後は、分岐線シールド掘進機を分岐発進させる
ことができない。尤も中胴を複数組装備しておけば、複
数個所からの分岐発進も不可能ではないが、その場合、
機長が長くなり、シールドジャッキの容量が増大し、シ
ールドジャッキの反力を支持するセグメントの強度が不
足し、曲進性能が低下する等の実用化の面で種々の問題
がある。
【0008】本線トンネルの分岐地点において左右両側
へ夫々分岐シールド掘進機を分岐発進させる場合に、分
岐シールドの台数の制約や本線トンネル内のスペースの
制約から、両方の分岐発進口から同時に分岐発進させる
ことは無理であり、片方の分岐発進口から分岐発進させ
てから他方の分岐発進口から分岐発進させることが必要
である。分岐シールド掘進の為にシールド掘進機の胴部
材に外胴部材を前後方向にスライド可能に外嵌させ、分
岐発進口を形成する為、その外胴部材を伸長させた状態
でその内面付近に分岐発進口形成用セグメントを組付け
ることも提案されているが、この技術では外胴部材を伸
長させるとその厚さの分だけ地山が不安定になるとか、
外胴部材を掘進機本体側胴部材に相対的に前進させて原
位置に復帰させる際に、土砂が邪魔して復帰させるのが
容易でないとかの問題もある。
【0009】本発明の目的は、本線トンネルの途中の分
岐地点において左右両側へ分岐線シールド掘進機を分岐
発進可能にすること、複数個所から分岐可能にするこ
と、各分岐地点において左右両方あるいは少なくとも左
右何れか一方の分岐発進口からの分岐発進の時期を自由
に選択可能にすること、シールド掘進機における機長の
増大を抑制し曲進性能を確保し掘進機の構造を簡単化す
ること、等である。
【0010】
【課題を解決するための手段】 請求項1の分岐シール
ド掘進方法は、シールド掘進機で本線トンネルを掘進し
ていき、本線トンネルの途中の分岐地点において分岐線
シールド掘進機を分岐発進させる分岐シールド掘進方法
において、前記シールド掘進機の胴部材にトンネル軸心
方向へ相対的にスライド可能に内嵌された内胴部材を予
め設け、前記内胴部材を胴部材の内面側に重ね内胴部材
を掘進機本体に固定解除可能に固定した状態で本線トン
ネルの掘進を行う第1の工程と、前記本線トンネルを掘
進する途中において、内胴部材の掘進機本体に対する固
定を解除して内胴部材の後端部を覆工済みセグメントに
連結し、シールド掘進機の内胴部材以外の部分を内胴部
材に対して相対的に前進移動させ、内胴部材の内面付近
にセグメントをリング状に構築し且つ左右の両側部に新
素材コンクリートで封鎖した状態の分岐発進口を形成す
る第2の工程と、複数のシールドジャッキにより内胴部
材をシールド掘進機の内胴部材以外の部分に対して相対
的に前進移動させて胴部材に最大限重ねる第3の工程
と、前記シールド掘進機を封鎖状態の分岐発進口よりも
前進させた状態で、左右の何れか一方の封鎖状態の分岐
発進口を分岐線シールド掘進機で掘削しながら分岐発進
させる第4の工程と、前記左右何れか他方の封鎖状態の
分岐発進口を分岐線シールド掘進機で掘削しながら分岐
発進させる第5の工程とを備えたことを特徴とするもの
である。
【0011】シールド掘進機には、その胴部材にトンネ
ル軸心方向へ相対的にスライド可能に内嵌された内胴部
材が予め設けられている。第1の工程では、内胴部材を
胴部材の内面側に重ね内胴部材を掘進機本体に固定し、
胴部材と掘進機本体と内胴部材とを固定した状態で本線
トンネルの掘進を行う。第2の工程では、本線トンネル
を掘進する途中において、内胴部材の掘進機本体に対す
る固定を解除して内胴部材の後端部を覆工済みセグメン
トに例えばピンなどで連結し、シールド掘進機の内胴部
材以外の部分を内胴部材に対して相対的に前進移動さ
せ、内胴部材の内面付近にセグメントをリング状に構築
し且つ左右の両側部に新素材コンクリートで封鎖した状
態の分岐発進口を形成する。
【0012】第3の工程では、複数のシールドジャッキ
により内胴部材をシールド掘進機の内胴部材以外の部分
に対して相対的に前進移動させて胴部材に最大限重ね
る。第4の工程では、内胴部材の覆工済みセグメントに
対する連結を解除し、シールド掘進機を、封鎖状態の分
岐発進口より前進させる。この状態で左右の何れか一方
(例えば左側)の封鎖状態の分岐発進口を分岐線シール
ド掘進機で掘削しながら分岐発進させる。第5の工程で
は、左右何れか他方(例えば右側)の封鎖状態の分岐発
進口を分岐線シールド掘進機で掘削しながら分岐発進さ
せる。
【0013】前記のように新素材コンクリートで封鎖し
た状態の分岐発進口を形成しておくので、第4,第5の
工程を残した状態で、第3の工程に引き続いてシールド
掘進機により本線トンネルを掘進していき、都合のよい
時期に第4,第5の工程を行なうことができる。
【0014】請求項2の分岐シールド掘進方法は、請求
項1の発明において、前記第1〜第5の工程の後に、第
1〜第5の工程を1又は複数回繰り返すことを特徴とす
るものである。それ故、複数の異なる分岐発進地点から
複数の分岐線シールド掘進機を発進させることができ
る。
【0015】請求項3の分岐シールド掘進方法は、シー
ルド掘進機で本線トンネルを掘進していき、本線トンネ
ルの途中の分岐地点において分岐線シールド掘進機を分
岐発進させる分岐シールド掘進方法において、前記シー
ルド掘進機の胴部材にトンネル軸心方向へ相対的にスラ
イド可能に内嵌された内胴部材を予め設け、前記内胴部
材を胴部材の内面側に重ね内胴部材を掘進機本体に固定
解除可能に固定した状態で本線トンネルの掘進を行う第
1の工程と、前記本線トンネルを掘進する途中におい
て、内胴部材の掘進機本体に対する固定を解除して内胴
部材の後端部を覆工済みセグメントに連結し、シールド
掘進機の内胴部材以外の部分を内胴部材に対して相対的
に前進移動させ、内胴部材の内面付近にセグメントをリ
ング状に構築し且つ左右の両側部の一方に開放状態の分
岐発進口を形成するとともに他方に新素材コンクリート
で封鎖した状態の分岐発進口を形成する第2の工程と
数のシールドジャッキにより内胴部材をシールド掘進
機の内胴部材以外の部分に対して相対的に前進移動させ
て胴部材に最大限重ねる第3の工程と、前記シールド掘
進機を分岐発進口よりも前進させた状態で、開放状態の
分岐発進口から分岐線シールド掘進機を分岐発進させる
第4の工程と、前記封鎖状態の分岐発進口を分岐線シー
ルド掘進機で掘削しながら分岐発進させる第5の工程と
を備えたことを特徴とするものである。
【0016】この分岐シールド掘進方法は、基本的に請
求項1の第2の工程において、左右の何れか一方の封鎖
状態の分岐発進口を開放状態の分岐発進口に変更し、第
4の工程において、先にこの開放状態の分岐発進口から
分岐線シールド掘進機を分岐発進させるようにした点で
相違するだけであるので、請求項1の発明とほぼ同様の
作用を奏する。但し、第4の工程において、内胴部材以
外の部分を内胴部材に対して相対的に前進移動させた時
点で一方の分岐発進口は開放状態となるので、この前進
移動前に分岐線シールド掘進機を発進可能に準備してお
き、止水対策等を講じておく必要がある。
【0017】第3、第4の工程の後、第5の工程を残し
た状態で、シールド掘進機を前進させて本線トンネルを
掘進していき、都合のよい時期に、第5の工程を行うよ
うにしてもよい。このシールド掘進方法では、第2の工
程において左右両側部の一方に開放状態の分岐発進口を
形成するため、請求項1の発明の場合と比較し、開放状
態の分岐発進口を含むセグメントの構造が簡単化し、開
放状態の分岐発進口からの分岐線シールド掘進機の発進
が簡単になる。
【0018】請求項4の分岐シールド掘進方法は、請求
項3の発明において、前記第1〜第5の工程の後に、第
1〜第5の工程を1又は複数回繰り返すことを特徴とす
るものである。それ故、複数の異なる分岐発進地点から
複数の分岐線シールド掘進機を発進させることができ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。最初に、本線シールド掘進
機の構造について説明する。尚、掘進方向に向かって前
後左右を前後左右として説明する。図1に示すように、
本線シールド掘進機1は、カッターディスク2と、胴部
材3と、この胴部材3の内側の掘進機本体4と、内胴部
材5とを備えている。
【0020】図1に示すように、胴部材3は、前端側の
前胴部材6と、この前胴部材6の後端部に中折れ部7を
介して連結された本体胴部材8とを有するとともに、本
体胴部材8の前部約1/2と協働してその前部約1/2
との間に筒状隙間を形成する本体内側胴部材9を備えて
いる。本体胴部材8には、円筒状の内胴部材5が本体胴
部材8に対してトンネル軸心方向へ相対的にスライド可
能に内嵌され、且つ、内胴部材5の前部約2/3までが
筒状隙間に導入可能になっている。
【0021】本体内側胴部材9には環状ウェブ10と、
環状フレーム11とが溶接接合されている。中折れ部7
の外面には部分球面座が形成され、この部分球面座が前
胴部材6の後端部内面の部分球面凹座に回動自在に係合
され、本体胴部材8に対して前胴部材6を左右に方向変
換可能である。この中折れ部7の内側の左側部と右側部
には、夫々複数の中折れジャッキ12が設けられ、各中
折れジャッキ12のロッド先端部は隔壁13のブラケッ
トに鉛直のピンにて連結され且つジャッキ本体は環状ウ
ェブ10に固着のブラケットに鉛直のピンにて連結され
ている。それら中折れジャッキ12により通常のシール
ド掘進機と同様に、本線トンネルTの掘進方向を左方ま
たは右方へ方向変換可能である。
【0022】内胴部材5は、本体胴部材8と略同じ長さ
で、図1、図5(a)に示すように、本体胴部材8の内
側に最大限重ね両胴部材5,8の後端部を接近させた本
線トンネル掘進用の退入位置と、図5(b),(c)に
示すように、本体胴部材8の後端部分から後方へ延ばし
た分岐発進口形成用の伸長位置とにわたって位置切換え
可能になっている。本線トンネルTを掘進する際には、
内胴部材5を図1に示す退入位置に切換え、この内胴部
材5と環状フレーム11とを複数の固定ブラケット14
により固定解除可能に固定した状態に保持する。尚、分
岐発進の準備段階で内胴部材5の後端部と覆工済みセグ
メントSaの前端部とを固定ピン(図示略)にて連結す
る。尚、符号15は、テールグラウトシールを示す。
【0023】本体内側胴部材9の前端部の内面には、周
方向適当間隔おきに例えば4個の洗浄管16が取付けら
れ、各洗浄管16はバルブを備え且つ洗浄水供給源(貯
水タンク、ポンプ等から成る)にホース等で接続され、
各洗浄管16から本体胴部材8と本体内側胴部材9間の
筒状隙間に洗浄水を供給して洗浄できるようになってい
る。尚、図示しないが、中折れ部7の後端部と、本体内
側胴部材9には、複数のグリース供給部が周方向適当間
隔おきに形成され、各グリース供給部にはグリースニッ
プル等が螺合され、本体胴部材8及び本体内側胴部材9
と内胴部材5とが摺接する摺接部にグリースを供給可能
になっている。
【0024】図1に示すように、シールド掘進機1の前
端部には、カッターディスク2が設けられ、カッターデ
ィスク2の背部にチャンバー17が形成され、チャンバ
ー17の後端は前胴部材6の内側に横断状に設けられ前
胴部材6に固定された隔壁13により液密に仕切られて
いる。その他、公知の部材として、符号18はカッター
ビット、符号19はカッタースポーク、符号20は中心
フレーム、符号21は支持部、符号13aは突出壁部、
符号22はカッター駆動モータを示す。
【0025】シールドジャッキ23について説明する。
図1に示すように、トンネル掘進時に掘進推力を発生さ
せる複数(例えば20本)のシールドジャッキ23が本
体内側胴部材9の内面付近に前後方向向きに且つロッド
を後方向きに配設され、ジャッキ本体は環状フレーム1
1に固定されている。各シールドジャッキ23のロッド
の後端部には偏心金具24が連結され、その偏心金具2
4の半球凸部にはスプレッダー25がルーズにピン連結
されている。本線トンネルTの掘進の際には本線トンネ
ルTの内面に覆工されたセグメントSaの前端に複数の
スプレッダー25で反力をとり掘進推力を発生させる。
【0026】チャンバー17内の泥水を排出する為の排
泥設備26について説明する。図1に示すように、排泥
設備26は送水管27と排泥管28とバイパス管29等
を有する。送水管27は地上から本線トンネルT内に導
入された送水系に接続され、この送水管27は隔壁13
を貫通して隔壁13に固定され、トンネル内を後方へ延
び地上へ導出された排泥系に接続されている。送水管2
7と排泥管28には夫々開閉弁が介装され、バイパス管
29にも開閉弁が介装されている。尚、符号30は攪拌
装置を示す。
【0027】エレクタ装置31について説明する。本線
トンネルTの内面を覆工するセグメントSaを組付ける
エレクタ装置31であって、一般的なエレクタ装置と同
様のエレクタ装置31が設けられている。このエレクタ
装置31は、複数の遊転ローラに回動自在に支持された
可動フレーム32と、この可動フレーム32に取付けら
れたエレクタ本体33と、可動フレーム32を回転駆動
する電動式または油圧式の駆動モータ34等を有する。
【0028】本線トンネルTを掘進する際には、カッタ
ー駆動モータ34によりカッターディスク2を回転駆動
しながら、本線トンネルTの内面に覆工したセグメント
Saの前端に反力をとり、複数のシールドジャッキ23
で掘進推力を発生させて掘進し、シールドジャッキ23
の1ストローク分の掘進毎に、エレクタ装置31により
1リング分のセグメントSaを内胴部材5の内面付近に
組付け、このような動作を繰り返して本線トンネルTを
掘進していく。
【0029】尚、掘削した土砂は泥水となってチャンバ
ー17内に収容され、排泥設備26により排出される。
尚、この実施形態のシールド掘進機1は泥水シールドを
適用しているが、土圧シールドを適用することも可能で
あり、その場合排泥設備26に代えて排土設備が設けら
れる。
【0030】次に、分岐線シールド掘進機40の構造に
ついて、図2を参照して説明する。尚、掘進方向に向か
って前後左右を前後左右として説明する。図2に示すよ
うに、分岐線シールド掘進機40は、胴部材41と、カ
ッターディスク42と、カッター駆動用の複数の油圧モ
ータ43(電動モータでもよい)と、複数のシールドジ
ャッキ44と、排泥設備45と、エレクタ装置46等を
有する。
【0031】カッターディスク42の背部にはチャンバ
ー47が形成され、そのチャンバー47の後端が隔壁4
8で仕切られ、隔壁48は胴部材41の前端付近部の内
側に横断状に配設されて胴部材41に溶接接合され、カ
ッターディスク42が隔壁48に回転自在に支持されて
いる。カッターディスク42は、その前面部の多数のカ
ッタービット49と、複数のカッタースポーク50と中
心フレーム51と回転支持部52とを有する。複数のカ
ッタースポーク50のうちの1つには余掘りの為のコピ
ーカッター53が径方向に出退自在に装着されている。
このカッターディスク42は油圧モータ43により正逆
回転駆動される。
【0032】シールドジャッキ44について説明する。
胴部材41の長さ方向略中央部の内面付近には、複数
(例えば12本)のシールドジャッキ44が、前後方向
向きに且つロッドを後方向きにして配設され、それらシ
ールドジャッキ44のジャッキ本体は、胴部材41の内
面側に溶接接合された環状フレーム54に固定されてい
る。各シールドジャッキ44のロッドの先端部には偏心
金具55が連結され、その偏心金具55の半球状凸部に
はスプレッダー56がルーズにピン連結されている。
【0033】排泥設備45とエレクタ装置46について
説明する。排泥設備45は、送水管57と排泥管58と
バイパス管と開閉弁などを有し、前記の排泥設備26と
同様のものである。エレクタ装置46は、可動フレーム
59とエレクタ本体60と油圧モータ61(電動モータ
でもよい)等を有し、可動フレーム59は、胴部材41
の内面側に固定のフレームに複数の遊転ローラにて回動
可能に支持されている。尚、符号62はテールグラウト
シールを示す。
【0034】以上の分岐線シールド掘進機40により、
分岐線トンネルTaを掘進する際には、油圧モータ43
によりカッターディスク42を回転駆動しながら、分岐
線トンネルTaの内面に覆工したセグメントSbの前端
に反力をとり、複数のシールドジャッキ44で掘進推力
を発生させて掘進し、シールドジャッキ44の1ストロ
ーク分の掘進毎に1リング分のセグメントSbを胴部材
41の内面に組付け、このような動作を繰り返して分岐
線トンネルTaを掘進していく。
【0035】次に、分岐発進口63を形成する特殊セグ
メントScについて説明する。図3、図4に示すよう
に、特殊セグメントScは、スチール製のセグメントで
あり、エレクタ装置31により、複数種類のセグメント
ピースをリング状に組立ててボルトにより連結される。
この特殊セグメントScの左右の両側部には分岐発進口
63が夫々形成される。これら分岐発進口63は、新素
材コンクリート66で封鎖した状態になっている。新素
材コンクリート66は、分岐線シールド掘進機40のカ
ッターディスク42によって切削可能なコンクリートで
あって、例えばカーボン繊維、ガラス繊維またはアラミ
ド繊維等に樹脂を含浸したものを補強材としてコンクリ
ート中に加えたものである。
【0036】この特殊セグメントScには、分岐発進口
63に連なるように、予め又は分岐発進前に鋼製の発進
口リング64をボルトや溶接でもって結合し、発進口リ
ング64の内面部には、周知の環状のエントランスパッ
キン65を予め装着しておく。尚、符号67は、分岐線
シールド掘進機40の為の発進架台を示す。符号68は
反力支持部材を示し、符号69は仮セグメントを示す。
【0037】次に、以上の分岐掘進可能なシールド掘進
機1の作用について説明する。但し、以下の説明は、分
岐シールド掘進方法についての説明も含む。最初に、左
右の分岐発進口63が新素材コンクリート66で封鎖さ
れている場合の分岐シールド掘進方法について説明す
る。
【0038】本線トンネルTのシールド掘進を行う際に
は、図1、図5(a)に示すように、内胴部材5を本体
胴部材8の内側に最大限重ね両胴部材5,8の後端部を
接近させた本線トンネル掘進用の退入位置に切換えてお
き、この内胴部材5と環状フレーム11とを固定ブラケ
ット14により固定解除可能に固定した状態に保持す
る。本線トンネルTを1リング分掘進する毎に、内胴部
材5の後端部分の内面に、エレクタ装置31により、例
えばコンクリート製のセグメントSaをリング状に組付
け、そのセグメントSaに反力をとり複数のシールドジ
ャッキ23により掘進推力を発生させながら本線トンネ
ルTを掘進していく。このとき、掘削した土砂は、チャ
ンバー17内へ流れ込み、そこで攪拌装置30により、
送水管27から供給される水と攪拌されて泥水となって
排泥管28から排出される。
【0039】本線トンネルTの掘進の際、内胴部材5を
本体胴部材8に最大限重ねた退入位置に保持した状態で
は、シールド掘進機1の機長が比較的短いため、掘進抵
抗が大きくならずシールドジャッキ23の容量も比較的
小容量で済み、セグメントSaの強度も普通の強度でよ
く、中折れ部7と中折れジャッキ12を介して掘進方向
の方向変換も容易である。しかも、内胴部材5と本体胴
部材8の両後端部が接近し、内胴部材5と本体胴部材8
で2重構造になるため、内胴部材5と本体胴部材8の強
度面で有利となる。
【0040】次に、本線トンネルTの掘進途中に、分岐
線トンネルTaを分岐させる分岐地点に達した際には、
図5(b)に示すように、固定ブラケット14を取外し
て内胴部材5の環状フレーム11に対する固定を解除す
ると共に内胴部材5の後端部と覆工済みセグメントSa
の前端部とを複数のピンなどで連結する。次に、本線ト
ンネルTを掘進しながら、シールド掘進機1の内胴部材
5以外の部分を内胴部材5に対して前進移動させ、内胴
部材5の内面付近に且つ覆工済みセグメントSaとロッ
ドを退入させた状態のシールドジャッキ23との間に、
特殊セグメントScのセグメントピースを順次組付けて
いき複数リング分の範囲に亙って特殊セグメントScを
構築する。
【0041】このとき、特殊セグメントScの左右の両
側部には、新素材コンクリートを外部より取込み、夫々
新素材コンクリート66で封鎖状態の1対の分岐発進口
63が形成されている。次に、内胴部材5を本体胴部材
8に固定解除可能に固定し、内胴部材5の後端部と覆工
済みセグメントSaの前端部との連結を解除し、その
後、本線トンネルTを掘進しながらスチール製の特殊セ
グメントSdを例えば5リング分構築し、シールド掘進
機1を分岐発進口63よりも前進させる。この場合、ト
ンネル軸心方向長さの大きなセグメントを搬入するのが
難しいため、トンネル軸心長さの小さなスチール製の特
殊セグメントSdを構築していくが、コンクリート製の
セグメントを適用してもよい。尚、各分岐発進口63は
新素材コンクリート66で封鎖した状態であるので、地
山の土水がトンネル内へ流入することはない。
【0042】次に、図5(c)に示すように、内胴部材
5の本体胴部材8に対する固定を解除し、その後、20
本のシールドジャッキ23のうち、1つおきの10本の
シールドジャッキ23のロッドと内胴部材5の途中部と
を連結し、残りの10本のシールドジャッキ23にて切
羽からの荷重を支持する。次に、図5(d)に示すよう
に、10本のシールドジャッキ23にて荷重支持したま
ま、それら以外の10本のシールドジャッキ23を収縮
状態にして内胴部材5を前方へ引張り駆動し、その後そ
れら10本のシールドジャッキ23を元の伸長状態にす
る。次に、それら10本のシールドジャッキ23のロッ
ドと内胴部材5の前端から所定長さの個所とを連結し、
残りの10本のシールドジャッキ23にて切羽からの荷
重を支持する。
【0043】以下、前記と同様に10本のシールドジャ
ッキ23を収縮状態にして内胴部材5を前方へ引張り駆
動する。このように、シールドジャッキ23のロッドと
内胴部材5との付替え作業を繰り返し行いその度に引張
り駆動することで、内胴部材5を徐々に前進移動させ、
本体胴部材8と本体内側胴部材9間の筒状隙間に挿入
し、最終的に本線トンネル掘進用の所期の退入位置に復
帰させる。その後、内胴部材5と環状フレーム11とを
固定ブラケット14により固定解除可能に固定した状態
に保持する。そして、シールド掘進機1による本線トン
ネルTの掘進を再開する。
【0044】次に、図3、図4、図6(e)に示すよう
に、本線トンネルTを掘進しながら、特殊セグメントS
cの左側の分岐発進口63に連なるように発進口リング
64をボルトや溶接にてフランジ部63aに結合する。
次に、分岐線シールド掘進機40を外部から搬入し、発
進口リング64に左側向きに部分的に挿入して発進架台
67にセットし、その後この分岐線シールド掘進機40
における掘進の反力をとる為のスチール製の反力支持部
材68を右側の分岐発進口63側に装着する。
【0045】尚、反力支持部材68は、新素材コンクリ
ート66に荷重がかからないように、右側の分岐発進口
63の開口周縁部に沿って形成されたフランジ部63a
にて荷重を支持するように取付けられる。その後、図
3、図4、図6(f)に示すように、本線トンネルTの
掘進を続けながら、エントランスパッキン65を膨張さ
せて封止状態にし、反力支持部材68に反力をとりカッ
ターディスク42で左側の新素材コンクリート66を切
削しながら、分岐線シールド掘進機40を左側の分岐発
進口63から分岐発進する。
【0046】次に、図3、図4、図6(g)に示すよう
に、本線トンネルTと左側の分岐線トンネルTaを掘進
しながら、分岐線トンネルTaの内面に例えばヒューム
管を輪切りにしたコンクリート製セグメントSbを組付
け、発進口リング64を左側の分岐発進口63から取外
し、反力支持部材68を右側の分岐発進口63側から取
外す。その後、発進口リング64を特殊セグメントSc
の右側の分岐発進口63に連なるように付替え、反力支
持部材68を左側の分岐発進口63側に付替える。これ
と並行的に右側の分岐線トンネルTaの為の分岐線シー
ルド掘進機40を発進口リング64に右側向きに部分的
に挿入して発進架台67にセットし、エントランスパッ
キン65を膨張させて封止状態にする。
【0047】その後、反力支持部材68に反力をとり仮
セグメント69を構築しつつカッターディスク42で右
側の新素材コンクリート66を切削しながら、この分岐
線シールド掘進機40を右側の分岐発進口63から分岐
発進する。その後、図6(h)に示すように、発進口リ
ング64、反力支持部材68、仮セグメント69等を撤
去し、次回の分岐発進の為に使用する。尚、仮セグメン
ト69の代わりにパイプ等の支持部材を適用する場合も
ある。先ず分岐線シールド掘進機40を右側の分岐発進
口63から分岐発進し、次の分岐線シールド掘進機40
を左側の分岐発進口63から分岐発進する場合もある。
【0048】再び、分岐線トンネルTaを分岐させる次
の分岐地点に到達した際には、前述したのと同様にして
前記の分岐線シールド掘進機40とは別の分岐線ールド
掘進機を左右両側へ発進させることができる。こうし
て、必要に応じて何回でも分岐線シールド掘進機を左右
両側へ発進させることができる。以上、説明した分岐シ
ールド掘進方法によれば、特殊セグメントSc及び左右
の分岐発進口63を形成後、分岐発進の有無によらず、
本線トンネルTの掘進を進めることができるから、本線
トンネルTの掘進が制約されない。また、本線トンネル
Tの掘進の進行具合、分岐線シールド掘進機40の調達
・準備状態、掘進工事の負荷の調整具合に応じて、左右
の分岐発進口63からの分岐発進の時期を自由に選択し
て設定できる。
【0049】特に、内胴部材5の内面付近に特殊セグメ
ントScを構築し且つ左右の両側部に新素材コンクリー
ト66で封鎖した状態の分岐発進口63を形成するの
で、シールド掘進機1をこれら分岐発進口63よりも前
進させた状態にした場合でも、地山の土水がトンネル内
へ流入することはない。
【0050】複数のシールドジャッキ23により内胴部
材5をシールド掘進機1の内胴部材以外の部分に対して
相対的に前進移動させて胴部材に最大限重ねるので、こ
の後、内胴部材5を掘進機本体4に再度固定すれば、本
線トンネルTの掘進に供することができ、その後、分岐
線シールド掘進機40の分岐発進を行うことができる。
分岐発進の為の各工程の後に、同じ工程を1又は複数回
繰り返すので、複数の異なる分岐発進地点から複数の分
岐線シールド掘進機40を夫々左右両側に発進させるこ
とができる。
【0051】内胴部材5が本体胴部材8の内側にスライ
ド可能に内嵌されているため、この内胴部材5を伸長位
置に切換えても、地山が不安定になることもなく、伸長
状態の内胴部材5を退入位置に切換える際に土砂で邪魔
されることもないから円滑に切換えることができる。し
かも、内胴部材5を複数のシールドジャッキ23を用い
て伸長位置から退入位置に切換えるように構成してある
から、内胴部材5の位置切換えの為に特別の手段を設け
る必要もない。
【0052】別実施形態・・・図7、図8参照 次に、前記の分岐シールド掘進方法を部分的に変更した
分岐シールド掘進方法について説明する。但し、本線ト
ンネルTのシールド掘進を行う際には、前記と同様の作
用、効果を奏するので、この記載を省略する。以下、本
線トンネルTの掘進途中に、分岐線トンネルTaを分岐
させる分岐地点に達した際には、図7(a),(b)に
示すように、本線トンネルTを掘進しながら、前記と同
様に1リング分の特殊セグメントScを構築する。
【0053】但し、この特殊セグメントScは、左右の
分岐発進口63のうち、例えば右側(又は左側)の発進
口が開放状態でありまた左側(又は右側)の発進口が、
外部より新素材コンクリートを取込み、新素材コンクリ
ート66で封鎖されている。その後、内胴部材5を本体
胴部材8に固定解除可能に固定しておく。尚、右側の開
放状態の分岐発進口63は、このとき内胴部材5の内面
側に位置するので、地山の土水がトンネル内へ流入する
ことはない。次に、特殊セグメントScの右側の分岐発
進口63に連なるように発進口リング64を取付け、分
岐線シールド掘進機40を外部から搬入して、この発進
口リング64に右側向きに部分的に挿入して発進架台6
7にセットし、反力支持部材68を左側の分岐発進口6
3側に装着する。
【0054】次に、図7(c)に示すように、エントラ
ンスパッキン65を膨張させて封止状態にした後、内胴
部材5の後端部と覆工済みセグメントSaの前端部との
連結を解除し、内胴部材5を掘進機本体4に固定解除可
能に連結した状態で、その後、本線トンネルTを掘進し
ながらスチール製の特殊セグメントSdを例えば5リン
グ分構築し、右側の分岐発進口63に分岐線シールド掘
進機40を発進口リング64に封止状態にセットしてか
ら、シールド掘進機1を分岐発進口63よりも前進させ
る。次に、分岐線シールド掘進機40を右側の分岐発進
口63から分岐発進させる。尚、左側の分岐発進口63
は新素材コンクリート66で封鎖した状態であるので、
地山の土水がトンネル内へ流入することはない。
【0055】次に、図7(d)に示すように、分岐線シ
ールド掘進40で掘進しつつ、分岐線トンネルTaの内
面に前記と同様のセグメントSbを組付けていく。そし
て、シールド掘進機1側では、内胴部材5の本体胴部材
8に対する固定を解除し、その後、20本のシールドジ
ャッキ23のうち、1つおきの10本のシールドジャッ
キ23のロッドと内胴部材5の途中部とを連結し、残り
の10本のシールドジャッキ23にて切羽からの荷重を
支持する。以下、前記と同様に、内胴部材5の引張り駆
動を繰り返し行って内胴部材5を徐々に前進移動させ、
内胴部材5を最終的に本線トンネル掘進用の所期の退入
位置に復帰させる。その後、内胴部材5と環状フレーム
11とを固定ブラケット14により固定解除可能に固定
した状態に保持する。
【0056】次に、図8(e)に示すように、本線トン
ネルTを掘進しながら、発進口リング64を右側の分岐
発進口63から取外すとともに反力支持部材68を左側
の分岐発進口63側から取外す。その後、発進口リング
64を特殊セグメントScの左側の分岐発進口63に連
なるように付替え、反力支持部材68を右側の分岐発進
口63側に取付ける。
【0057】次に、図8(f)に示すように、次の左側
の分岐線トンネルTaの為の分岐線シールド掘進機40
を発進口リング64に左側向きに部分的に挿入して発進
架台67にセットし、エントランスパッキン65を膨張
させて封止状態にする。その後、図8(g)に示すよう
に、反力支持部材68に反力をとり仮セグメント69ま
たはパイプ等の支持部材を構築しつつカッターディスク
42で左側の分岐発進口63の新素材コンクリート66
を切削しながら、この分岐線シールド掘進機40を左側
の分岐発進口63から分岐発進する。
【0058】その後、図8(h)に示すように、発進口
リング64、反力支持部材68、仮セグメント69等を
撤去し、次回の分岐発進の為に使用する。そして、再
度、分岐線トンネルTaを分岐させる次の分岐地点に到
達した際には、前述したのと同様にして次の分岐線ール
ド掘進機40を左右両側へ発進させることができる。こ
うして、必要に応じて何回でも分岐線シールド掘進機4
0を左右両側へ発進させることができる。尚、特殊セグ
メントScの左右の分岐発進口63は、左側のものが開
放状態で右側のものが新素材コンクリート66で封鎖さ
れる場合もある。
【0059】この分岐シールド掘進方法によれば、開放
状態の分岐発進口63に分岐線シールド掘進機40を分
岐発進可能に準備しておけば、シールド掘進機1をこれ
ら分岐発進口63よりも前進させても、地山の土水がト
ンネル内に流入することはない。特に新素材コンクリー
ト66を左右両側の分岐発進口63のいずれか一方にの
み設ければよいので、その特殊セグメントScの構造が
簡単化し製作費を低減できるうえ、分岐発進口63が開
放状態であるので分岐発進も容易になる。また、新素材
コンクリート66で封鎖した方の分岐線トンネルは、都
合の良い適当な時期に分岐発進すればよい。その他前記
分岐シールド掘進方法と同様の作用、効果を奏する。
尚、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施形態に
種々の変更を付加した形態で実施することも可能であ
る。
【0060】
【発明の効果】 請求項1の発明によれば、シールド掘
進機に、前記のような内胴部材を予め設け、第1〜第5
の工程を行うことで、本線トンネルの途中の分岐地点に
おいて左右両側の分岐発進口から分岐線シールド掘進機
を夫々分岐発進させることができ、第1〜第5の工程の
複数回繰り返すことで、本線トンネルの複数の分岐発進
地点から左右両方へ分岐発進させることができる。内胴
部材が胴部材にスライド可能に内嵌されて前記のような
構成を有するため、内胴部材の伸長の際に地山が不安定
になることもなく、伸長状態の内胴部材を第3の工程に
おいて原位置に復帰させる際に土砂に邪魔されることも
なく容易に復帰させることができ、シールド掘進機の機
長が増大せず、内胴部材と胴部材の剛性を高め易く、シ
ールドジャッキの小型化も可能で、セグメントの強度不
足等も生じない。
【0061】第2の工程において左右の両側部に新素材
コンクリートで封鎖した状態の分岐発進口を形成するの
で、シールド掘進機をこれら分岐発進口よりも前進させ
た状態にしても、地山の土水がトンネル内へ流入するこ
とはない。それ故、シールド掘進機に特別な止水対策や
止水機構を設ける必要がなく、第3の工程では、複数の
シールドジャッキにより内胴部材をシールド掘進機の内
胴部材以外の部分に対して相対的に前進移動させて胴部
材に最大限重ねるので、その後内胴部材を掘進機本体に
再度固定すれば、本線トンネルの掘進に供することがで
き、特に複数のシールドジャッキを有効活用して内胴部
材を胴部材に最大限重ねるので、内胴部材の位置切換え
の為の特別な手段を設ける必要がない。
【0062】第4、第5の工程では、封鎖状態の分岐発
進口を分岐線シールド掘進機で掘削しながら分岐発進さ
せるので、シールド掘進機を分岐発進口よりも前進させ
る前に、分岐線シールド掘進機を分岐発進口に準備して
おく必要がなく、分岐発進前にシールド掘進機を前進さ
せて本線トンネルを掘進していくことができ、都合の良
い時期に左右の分岐発進口の夫々から分岐線シールド掘
進機を分岐発進させることができる。それ故分岐発進の
時期を自由に選択可能なる。このことは、分岐線シール
ド掘進機の調達や、工事負荷の調整等の面で有利であ
る。
【0063】請求項2の発明によれば、第1〜第5の工
程の後に、第1〜第5の工程を1又は複数回繰り返すの
で、複数の異なる分岐発進地点から複数の分岐線シール
ド掘進機を夫々左右両側に発進させることができる。そ
の他請求項1と同様の効果を奏する。
【0064】請求項3の発明によれば、基本的に請求項
1と同様の効果を奏する。但し、第2の工程において、
セグメントを構築し且つ左右の両側部の一方に開放状態
の分岐発進口を形成するとともに他方に新素材コンクリ
ートで封鎖した状態の分岐発進口を形成するので、その
開放状態の分岐発進口に分岐線シールド掘進機を分岐発
進可能に準備してその分岐発進口を封鎖しておけば、シ
ールド掘進機をこれら分岐発進口よりも前進させて、本
線トンネルの掘進を進めることができる。特に新素材コ
ンクリートで封鎖した分岐発進口を左右両側部のうちの
いずれか一方にのみ設ければよいので、その封鎖した分
岐発進口付きの特殊セグメントの製作費を低減できる。
【0065】請求項4の発明によれば、第1〜第5の工
程の後に、第1〜第5の工程を1又は複数回繰り返すの
で、複数の異なる分岐発進地点から複数の分岐線シール
ド掘進機を夫々左右両側に発進させることができる。そ
の他請求項3と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るシールド掘進機の縦断
側面図である。
【図2】分岐線シールド掘進機の縦断側面図である。
【図3】分岐線シールド掘進機と特殊セグメントの断面
図である。
【図4】分岐発進口と発進口リングとの要部拡大図であ
る。
【図5】本線トンネル掘進の途中の分岐地点から分岐線
シールド掘進機を分岐発進させる各段階の説明図であ
り、(a)は分岐発進口形成の準備段階を示す図、
(b)は特殊セグメントを構築し且つ左右の両側部に封
鎖状態の分岐発進口を形成した状態を示す図、(c)は
複数リング分のセグメントを構築しつつシールド掘進機
を分岐発進口よりも前進させた状態を示す図、(d)は
内胴部材を退入位置に切換えた状態を示す図である。
【図6】分岐線シールド掘進機を分岐発進させる各段階
(図5(d)に続く各段階)の説明図であり、(e)は
分岐線シールド掘進機をセットした準備段階を示す図、
(f)は分岐線シールド掘進機を左側の分岐発進口から
発進させた状態を示す図、(g)は分岐線シールド掘進
機を右側の分岐発進口から発進させた状態を示す図、
(h)は(g)の分岐発進後の状態を示す図である。
【図7】本線トンネル掘進の途中の分岐地点から分岐線
シールド掘進機を分岐発進させる各段階の説明図であ
り、(a)は分岐発進口形成の準備段階を示す図、
(b)は開放状態の分岐発進口に分岐線シールド掘進機
をセットした準備段階を示す図、(c)は分岐線シール
ド掘進機を右側の分岐発進口から発進させた状態を示す
図、(d)は内胴部材を退入位置に切換えた状態を示す
図である。
【図8】分岐線シールド掘進機を分岐発進させる各段階
(図7(d)に続く各段階)の説明図であり、(e)は
左側の閉鎖状態の分岐発進口から分岐線シールド掘進機
を発進させる準備段階を示す図、(f)は分岐線シール
ド掘進機をセットした状態を示す図、(g)は分岐線シ
ールド掘進機を左側の分岐発進口から発進させた状態を
示す図、(h)は(g)の分岐発進後の状態を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 シールド掘進機 3 胴部材 4 掘進機本体 5 内胴部材 23 シールドジャッキ 40 分岐線シールド掘進機 63 分岐発進口 66 新素材コンクリート Sa セグメント Sc 特殊セグメント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−165884(JP,A) 特開 平11−173068(JP,A) 特開 平8−218788(JP,A) 特開 平9−49392(JP,A) 特開 平4−140400(JP,A) 特許3001867(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 9/06 301

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シールド掘進機で本線トンネルを掘進し
    ていき、本線トンネルの途中の分岐地点において分岐線
    シールド掘進機を分岐発進させる分岐シールド掘進方法
    において、 前記シールド掘進機の胴部材にトンネル軸心方向へ相対
    的にスライド可能に内嵌された内胴部材を予め設け、 前記内胴部材を胴部材の内面側に重ね内胴部材を掘進機
    本体に固定解除可能に固定した状態で本線トンネルの掘
    進を行う第1の工程と、 前記本線トンネルを掘進する途中において、内胴部材の
    掘進機本体に対する固定を解除して内胴部材の後端部を
    覆工済みセグメントに連結し、シールド掘進機の内胴部
    材以外の部分を内胴部材に対して相対的に前進移動さ
    せ、内胴部材の内面付近にセグメントをリング状に構築
    し且つ左右の両側部に新素材コンクリートで封鎖した状
    態の分岐発進口を形成する第2の工程と 数のシールドジャッキにより内胴部材をシールド掘進
    機の内胴部材以外の部分に対して相対的に前進移動させ
    て胴部材に最大限重ねる第3の工程と、 前記シールド掘進機を封鎖状態の分岐発進口よりも前進
    させた状態で、左右の何れか一方の封鎖状態の分岐発進
    口を分岐線シールド掘進機で掘削しながら分岐発進させ
    る第4の工程と、 前記左右何れか他方の封鎖状態の分岐発進口を分岐線シ
    ールド掘進機で掘削しながら分岐発進させる第5の工程
    と、 を備えたことを特徴とする分岐シールド掘進方法。
  2. 【請求項2】 前記第1〜第5の工程の後に、第1〜第
    5の工程を1又は複数回繰り返すことを特徴とする請求
    項1に記載の分岐シールド掘進方法。
  3. 【請求項3】 シールド掘進機で本線トンネルを掘進し
    ていき、本線トンネルの途中の分岐地点において分岐線
    シールド掘進機を分岐発進させる分岐シールド掘進方法
    において、 前記シールド掘進機の胴部材にトンネル軸心方向へ相対
    的にスライド可能に内嵌された内胴部材を予め設け、 前記内胴部材を胴部材の内面側に重ね内胴部材を掘進機
    本体に固定解除可能に固定した状態で本線トンネルの掘
    進を行う第1の工程と、 前記本線トンネルを掘進する途中において、内胴部材の
    掘進機本体に対する固定を解除して内胴部材の後端部を
    覆工済みセグメントに連結し、シールド掘進機の内胴部
    材以外の部分を内胴部材に対して相対的に前進移動さ
    せ、内胴部材の内面付近にセグメントをリング状に構築
    し且つ左右の両側部の一方に開放状態の分岐発進口を形
    成するとともに他方に新素材コンクリートで封鎖した状
    態の分岐発進口を形成する第2の工程と 数のシールドジャッキにより内胴部材をシールド掘進
    機の内胴部材以外の部分に対して相対的に前進移動させ
    て胴部材に最大限重ねる第3の工程と、 前記シールド掘進機を分岐発進口よりも前進させた状態
    で、開放状態の分岐発進口から分岐線シールド掘進機を
    分岐発進させる第4の工程と、 前記封鎖状態の分岐発進口を分岐線シールド掘進機で掘
    削しながら分岐発進させる第5の工程と、 を備えたことを特徴とする分岐シールド掘進方法。
  4. 【請求項4】 前記第1〜第5の工程の後に、第1〜第
    5の工程を1又は複数回繰り返すことを特徴とする請求
    項3に記載の分岐シールド掘進方法。
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