JP3380220B2 - 分岐掘進可能なシールド掘進機 - Google Patents

分岐掘進可能なシールド掘進機

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JP3380220B2
JP3380220B2 JP2000274885A JP2000274885A JP3380220B2 JP 3380220 B2 JP3380220 B2 JP 3380220B2 JP 2000274885 A JP2000274885 A JP 2000274885A JP 2000274885 A JP2000274885 A JP 2000274885A JP 3380220 B2 JP3380220 B2 JP 3380220B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、分岐掘進可能な
シールド掘進に関し、特に本線シールド掘進機の胴部
材に対する内胴部材のシール性能の低下を解消すると共
に工期を短縮可能にした分岐掘進可能なシールド掘進
に関する。
【0002】
【従来の技術】 上下水道や通信ケーブル用の種々のシ
ールド孔(トンネル)をシールド掘進機で掘進する際
に、トンネルの途中から小径の分岐トンネルを分岐発進
することも多い。分岐発進する場合、通常本線のシール
ド掘進機で本線トンネルを掘進していき、分岐地点に到
着した時に本線用シールド掘進機から分岐線シールド掘
進機を左方または右方へ直角状に分岐発進させ、その分
岐後には本線トンネルを本線用シールド掘進機で分岐ト
ンネルを分岐線シールド掘進機で夫々独立に掘進する。
【0003】例えば、特開平8−165884号公報に
は、分岐掘進可能なシールド掘進機として、カッターデ
ィスク、前胴、中胴、後胴、前胴後端付近の切羽側シー
ルドジャッキ、後胴前端付近に設けた立坑側シールドジ
ャッキ、後胴内に設けたエレクタ装置、中胴に設けた分
岐発進部及び分岐トンネル掘進用の分岐線シールド掘進
機等を備え、中胴を3重構造にしたシールド掘進機が記
載されている。
【0004】このシールド掘進機においては、分岐地点
に到達前は立坑側シールドジャッキにより掘進推力を発
生させつつ掘進し、分岐地点において3重構造の中胴を
伸長させて分岐発進用窓を開口させて分岐線シールド掘
進機を発進させ、その後本線シールド掘進機では、中胴
の内側2重構造と後胴とを前胴から切り離し、切羽側シ
ールドジャッキにより掘進推力を発生させて掘進し、そ
の本線トンネルの掘進と並行して分岐線シールド掘進機
により分岐線トンネルの掘進を行う。
【0005】一方、本願出願人は、特願平11−241
236号において、本線トンネルの複数個所から分岐線
トンネルを分岐可能にする分岐シールド掘進方法を提案
し実用化している。即ち、シールド掘進機には、その胴
部材に対してトンネル軸心方向へ相対的にスライド可能
に内嵌された内胴部材が予め設けられている。本線トン
ネルの掘進を行う際には、内胴部材を胴部材の内面側に
重ね内胴部材を掘進機本体に固定し、胴部材と掘進機本
体と内胴部材とを固定した状態でトンネルの掘進を行
う。
【0006】本線トンネルの掘進途中に、分岐線トンネ
ルを分岐させる分岐地点に達した際には、内胴部材の掘
進機本体に対する固定を解除して内胴部材の後端部を覆
工済みセグメントに例えばピンなどで連結する。次に、
掘進機本体と胴部材とを内胴部材に対して相対的に前進
移動させセグメント1リング分前進した時点で、内胴部
材の内面に1リング分のセグメントを構築する。これを
繰り返して内胴部材の内面に複数リング分のセグメント
を構築し、分岐線シールド掘進機のチャンバー内の空隙
を充填材で充填し、分岐発進口を形成する。
【0007】次に、シールド掘進機を分岐発進口より前
進させた状態で、その分岐発進口から分岐線シールド掘
進機を分岐発進させる。分岐線シールド掘進機を分岐発
進させてから又は分岐発進させながら、複数のシールド
ジャッキにより内胴部材を掘進機本体と胴部材に対して
相対的に前進移動させて胴部材に最大限重ねる。その
後、内胴部材を掘進機本体に固定して本線トンネルの掘
進を行い、以下前記と同様に本線トンネルの複数の分岐
地点から分岐線シールド掘進機を夫々分岐発進させるこ
とができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】 前記特開平8−16
5884号公報のシールド掘進機では、トンネル軸心方
向に前胴と中胴と後胴とを備えているから機長が長くな
る。機長が長くなれば、シールドジャッキの容量が増大
し、シールドジャッキを支持するセグメントの強度が不
足するうえ、曲進性能が低下する等の問題がある。ま
た、分岐線シールド掘進機の分岐発進の為に、中胴を3
重構造に構成しているから、部品点数が増えて構造が複
雑化し、製作コスト的に不利となる。
【0009】本願出願人が提案した分岐シールド掘進方
法では、内胴部材の外周面に土砂が付着したままこの内
胴部材を胴部材に最大限重ねると、内胴部材と胴部材と
の間のシール性能が不十分となり、掘進機本体の内部に
土砂や泥水が侵入するという問題がある。また、内胴部
材を胴部材に重ねる際、内胴部材に止め板の付け替え作
業(ガス溶断と溶接の繰り返し作業)を行わなければな
らず、作業工数が大となるから、工期が長くなるという
問題がある。本発明の目的は、シールド掘進機における
機長の増大を抑制し且つ曲進性能を確保し且つ構造を簡
単化すること、掘進機本体内への土砂や泥水の侵入を防
止すること、作業工数を小さくし工期の短縮を図るこ
と、等である。
【0010】
【課題を解決するための手段】 請求項1の分岐掘進可
能なシールド掘進機は、シールド掘進機で本線トンネル
を掘進していき、本線トンネルの途中の分岐地点におい
て分岐線シールド掘進機を分岐発進させる分岐掘進可能
なシールド掘進機において、前胴部材とこの前胴部材の
後端部に中折れ可能に連結された本体胴部材とを有する
胴部材と、前記本体胴部材の内面側に本体胴部材に対し
てトンネル軸心方向後方へ相対的にスライド可能に内嵌
された内胴部材と、前記本体胴部材と内胴部材の前部の
内側に所定厚さの円筒状環状隙間を空けて配設され且つ
前端の環状フランジ部が本体胴部材に固着された本体中
胴部材と、前記本体中胴部材の後端に固着されて本体胴
部材の内面との間に内胴部材が通過可能な隙間を形成す
るリング部材と、前記リング部材に固定支持された複数
のシールドジャッキとを備えたことを特徴とするもので
ある。
【0011】このシールド掘進機によりトンネルを掘進
する場合、まず、内胴部材を胴部材の内面側に重ね内胴
部材を掘進機本体に固定し、胴部材と掘進機本体と内胴
部材とを固定した状態で本線トンネルの掘進を行う。
、本線トンネルを掘進する途中において、内胴部材の
掘進機本体に対する固定を解除し、内胴部材の内面側の
後端部に、周方向等間隔おきに例えば複数の固定板を溶
接接合してこれら固定板を覆工済みセグメントに連結す
る。
【0012】そして、リング部材に固定支持された複数
のシールドジャッキを伸長させて掘進機本体と胴部材と
を内胴部材に対して相対的に前進移動させ、分岐発進口
を形成する特殊セグメント1リング分前進した時点で、
内胴部材の内面に1リング分の特殊セグメントを構築す
る。このとき、内胴部材は、リング部材と本体胴部材と
の間に形成された隙間を通過することになる。これを複
数回繰り返して内胴部材の内面に複数リング分の特殊セ
グメントを構築し、分岐線シールド掘進機のチャンバー
内を充填材で充填し、分岐発進口を形成する。次に、胴
部材が内胴部材に対して相対的に前進移動した状態で内
胴部材の前端部を胴部材に固定し、前記各固定板を取り
除く。その後、シールド掘進機全体を分岐発進口よりも
前進させ分岐発進口を地山に臨ませる。最後に、分岐発
進口から分岐線シールド掘進機を分岐発進させるととも
に、内胴部材の胴部材に対する固定を解除する。その後
内胴部材を地中に置き去りにする。
【0013】請求項2の分岐掘進可能なシールド掘進
は、請求項1の発明において、前記リング部材の外周部
にフランジ部を設けたことを特徴とするものである。
のフランジ部と本体胴部材との間に、内胴部材が通過可
能な隙間が形成される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。最初に、本線シールド掘進
機の構造について説明する。尚、掘進方向に向かって前
後左右を前後左右として説明する。図1に示すように、
本線シールド掘進機1は、カッターディスク2と、胴部
材3と、この胴部材3の内側の掘進機本体4と、内胴部
材5とを備えている。
【0015】カッターディスク2について説明すると、
図1に示すように、シールド掘進機1の前端部にはカッ
ターディスク2が設けられ、カッターディスク2の背部
にチャンバー6が形成されている。チャンバー6の後端
を仕切る隔壁8は、胴部材3の前端側の前胴部材7の内
側に横断状に設けられて前胴部材7に固定されている。
カッターディスク2は、前胴部材7と同じ直径に形成さ
れ、中心フレーム9と、複数のカッタースポーク10
と、前面部に付設された多数のカッタービット(図示
略)と、隔壁8に回転自在に支持された支持部11とを
有する。隔壁8には後方へ膨らんだ突出壁部12が設け
られ、カッターディスク2は、突出壁部12に取付けら
れた複数のカッター駆動モータ13により正逆回転駆動
するように構成されている。
【0016】胴部材3について説明すると、図1に示す
ように、胴部材3は、前端側の前胴部材7と、前胴部材
7の後端部に中折れ部14を介して連結された本体胴部
材15とを有するとともに、本体胴部材15の前部と協
働してその前部との間に半径方向に所定の厚さのある環
状隙間を形成する本体中胴部材16を備えている。前記
環状隙間内において本体中胴部材16の後端部分の外面
には、リング部材17が溶接接合され、リング部材17
の外縁部にフランジ部17aが溶接接合されている。本
体胴部材15には、円筒状の内胴部材5が本体胴部材1
5に対してトンネル軸心方向後方へ相対的にスライド可
能に内嵌され、リング部材17のフランジ部17aと本
体胴部材15との間には、内胴部材5の前端から前部約
2/3までが通過可能な短筒状隙間が形成されている。
【0017】シールドジャッキ18について説明する
と、図1、図2に示すように、複数(例えば18本)の
シールドジャッキ18は、ジャッキ本体の前端部に取付
用フランジを備えたシールドジャッキであって、各フラ
ンジが本体中胴部材16の前端部のフランジ部16aに
着脱自在に固定され、ジャッキ本体の後端部が本体中胴
部材16のリング部材17に支持されている。尚、フラ
ンジ部16aは本体胴部材15の前端部にリング状に溶
接接合され、前記環状隙間内は略液密状に封鎖されてい
る。中折れジャッキ19等について説明すると、図1、
図2に示すように、中折れ部14の外面には、部分球面
座が形成され、この部分球面座が前胴部材7の後端部内
面の部分球面凹座に回動自在に係合され、本体胴部材1
5に対して前胴部材7が左右に方向変換可能に構成され
ている。中折れ部14の内側の左側部と右側部には、夫
々複数の中折れジャッキ19が設けられ、各中折れジャ
ッキ19のジャッキ本体は隔壁8のブラケット20に鉛
直のピンにて連結されている。
【0018】内胴部材5について説明すると、図1、図
2、図6に示すように、内胴部材5は、本体胴部材15
と略同じ長さで、本体胴部材15の内側に最大限重ね両
胴部材5,15の後端部を接近させた本線トンネル掘進
用の位置(図6(a)参照)から、本体胴部材15の後
端部分から後方へ延ばした分岐発進口形成用の位置(図
6(c)参照)まで位置切換え可能に構成されている。
【0019】図1、図3に示すように、内胴部材5の後
端部(セグメントSaの約1/2リング分)はやや薄肉
に形成され、この後端部には複数列のテールグラウトシ
ール21が配設されている。本体胴部材15の後端部に
は、2列の土砂シール22が前後に適当間隔おいて配設
され常時内胴部材5に圧接している。本体胴部材15の
後端には、複数の板バネ片23が周方向に部分的にラッ
プされて配設され、内胴部材5に当接付勢されている。
【0020】本線トンネルTの内面にセグメントを覆工
する為のエレクタ装置24について説明すると、図1、
図2に示すように、エレクタ装置24は回転ドラム25
とエレクタ本体26と回転ドラム25を回転駆動する電
動式又は油圧式の駆動モータ(図示略)を有し、複数の
ブラケット27には夫々支持ローラ28が設けられ、回
転ドラム25は複数の支持ローラ28で回転可能に支持
されている。トンネルTを1リング分掘進する毎に、エ
レクタ装置24により1リング分のトンネル坑壁の全周
に亙ってセグメントが組付けられる。
【0021】カッターディスク2で掘削した土砂を排出
する排土装置29について説明すると、排土装置29は
スクリューコンベヤ30を有し、スクリューコンベヤ3
0は、分割形式の筒状ケーシング31と、筒状ケーシン
グ31内部に配設されたオーガ32と、オーガ回転駆動
機構33と、筒状ケーシング31内部に設けられたスク
リューゲート(図示略)等を有する。オーガ32は、筒
状ケーシング31の長さ方向略中間部分の屈曲部にて分
割された構造であって、前側の第1オーガと後側の第2
オーガとから構成されている。オーガ回転駆動機構33
は第1駆動モータ33aと第2駆動モータ33bとで構
成され、第1,第2オーガは第1,第2駆動モータ33
a,33bにより夫々回転駆動可能に構成されている。
【0022】次に、分岐線シールド掘進機40の構造に
ついて説明する。尚、掘進方向に向かって前後左右を前
後左右として説明する。図4、図5に示すように、分岐
線シールド掘進機40は、胴部材41とカッターディス
ク42とカッター駆動用モータ43と複数の中折れジャ
ッキ44と複数のシールドジャッキ45と泥水式排土装
置(図示略)または土圧式排土装置46とエレクタ装置
47等を有する。
【0023】胴部材41は、前胴48と前胴48の後端
部に中折れ部49を介して連結された後胴50とからな
る。カッターディスク42の背部にはチャンバー51が
形成され、チャンバー51の後端を仕切る隔壁52は、
前胴48の内側に横断状に設けられて前胴48に固定さ
れている。泥水式排土装置について説明すると、泥水式
排土装置は、分岐線シールド掘進機40の胴部材を逐次
追加しながら分岐発進させる段階において適用され、泥
水通路を開閉可能な開閉バルブと、圧送ポンプと、泥水
通路の大部分を占める泥水ホースと、土砂圧送配管等
(何れも図示略)を有する。隔壁52には、泥水式排土
装置の吸入口53を開閉可能なゲート機構54が予め設
けられている。
【0024】ゲート機構54は、例えば、両開き式の1
対のゲート板と、これらゲート板を上下のガイド部材に
沿って開閉駆動する1対の油圧シリンダと、ゲート板の
開閉部分に土砂が堆積するのを防止するための水噴射用
ノズル等を有し、この水噴射用ノズルには、水を供給す
る供給タンク、ポンプ、ホース、接続金具等が装備され
ている。
【0025】土圧式排土装置46について説明すると、
土圧式排土装置46は、分岐線シールド掘進機40の胴
部材の追加が完了した段階において、泥水式排土装置を
撤去後に泥水式排土装置の排水管を接続していた吸入口
53に接続されるスクリューコンベヤ55を有する。ス
クリューコンベヤ55は、その筒状ケーシング56内部
に配設されたオーガ57と、オーガ回転駆動機構58
と、オーガ57を所定距離進退可能な進退機構等を有す
る。
【0026】以上説明した本線シールド掘進機1で本線
トンネルTを掘進していき、分岐地点において分岐線シ
ールド掘進機40を分岐発進させる場合の工程について
説明する。尚、図6はその概略説明図である。図7〜図
16の図は、本線トンネルTのシールド掘進の各段階に
おける左側部分の要部の横断平面を示す。第1工程で
は、図7に示すように、内胴部材5を本体胴部材15の
内面側に重ね、この内胴部材5を固定ブラケット59に
より本体胴部材15に固定解除可能に固定した状態に保
持して本線トンネルTの掘進を行う。
【0027】第2工程では、図8、図9に示すように、
本線トンネルTを掘進する途中において、固定ブラケッ
ト59を取り外して内胴部材5の本体胴部材15(即ち
掘進機本体4)に対する固定を解除し、覆工済みセグメ
ントSaとシールドジャッキ18との間に、分岐発進口
60(図12参照)を形成する為のスチール製の特殊セ
グメントSb(但し、スチール製以外の例えばコンクリ
ート製のセグメントでもよい)を1リング分構築する。
次に、この特殊セグメントSbとシールドジャッキ18
との間で且つ内胴部材5の内面側の後端部に、周方向適
当間隔おきに複数の固定板61を溶接接合する。その
後、各シールドジャッキ18を伸長させてスプレッダを
固定板61に当接させることにより内胴部材5を固定板
61を介して特殊セグメントSbに一体的に連結する。
【0028】第3工程では、図10に示すように、掘進
機本体4と胴部材3とを内胴部材5に対して相対的に前
進移動させ、特殊セグメントSbの1リング分前進移動
した段階で、各固定板61をガス溶断にて内胴部材5か
ら分離してから特殊セグメントSbを更に1リング分構
築する。この固定板61の溶接接合から始まる一連の作
業を複数回繰り返すことで、内胴部材5が胴部材3の後
端部分から相対的に後方へ延びていき、特殊セグメント
Sbの開口部分である分岐発進口60を形成することが
できる。
【0029】次に、本線トンネルTを掘進しながらシー
ルド掘進機1全体を前進移動させ、覆工済みの特殊セグ
メントSbとロッドを退入させたシールドジャッキ18
との間に1リング分の止水セグメントScを組付ける。
この止水セグメントScは、本体胴部材15との間を止
水する為のセグメントであって、その外周側の環状凹部
にチューブシールが収納され、このチューブシールに加
圧水を供給する加圧水注入管及び加圧水供給源を含む加
圧水注入機構を備え、この加圧水注入機構により、チュ
ーブシールを膨らんだ状態に弾性変形させ本体胴部材1
5との間を液密にシールする。
【0030】次に、図11に示すように、分岐発進口6
0に連なるように鋼製の発進口リング62を組付けて特
殊セグメントSbに例えばボルトや溶接で結合する。発
進口リング62の内面部には、環状の止水シール機構6
3を予め装着しておく。このとき、分岐発進口60は内
胴部材5の内面側に形成されるので、地山の土水がトン
ネルT内に流入するのを防止することができる。その
後、分岐線シールド掘進機40の前端部分(少なくと
も、カッターディスク42と胴部材41の前胴48とそ
の内部機器を含む部分)を外部から搬入して、発進口リ
ング62に部分的に挿入してセットする。次に、止水セ
グメントScのチューブシールを膨らんだ状態に弾性変
形させ本体胴部材15との間を液密にシールすると共
に、発進口リング62の止水シール機構63を作動させ
て封止状態にした後、発進口リング62内に例えば高濃
度泥水などの充填材64を充填する。
【0031】第4工程では、図11、図12に示すよう
に、固定板61をガス溶断にて内胴部材5から分離し、
内胴部材5の前端を本体胴部材15に複数の止め金具6
5でもって周方向等間隔おきに溶接接合する。その後、
本線トンネルTを掘進しながらシールド掘進機1全体を
前進移動させ、止水セグメントScとシールドジャッキ
18との間に所定リング分の特殊セグメントSbを構築
しつつシールド掘進機1を分岐発進口60よりも前進さ
せる。つまり内胴部材5の後端を分岐発進口60よりも
前方へ前進させる。
【0032】第5工程では、図13に示すように、分岐
線シールド掘進機40を分岐発進口60から発進させて
分岐線トンネルTaの掘削を開始し、その後、分岐線シ
ールド掘進機40に後胴50を接続し、反力支持部材を
適宜構築したり移設したりしながら、分岐線トンネルT
aの掘削を実行していく。第5工程の後、シールド掘進
機1の本体胴部材15の後端部にテールシール付きリン
グ部材66を内嵌状に設ける。このテールシール付きリ
ング部材66は、リング部67と、このリング部67の
後端に一体的に連なる薄肉状のテールリング68と、テ
ールリング68の内周面に前後方向に適当間隔おいて配
設された2列のテールシール69等から構成され、前後
方向に摺動自在に配設される。
【0033】その後、図14、図15に示すように、リ
ング部材66の内面側に1リング分の特殊セグメントS
bを構築し、この特殊セグメントSbの前端に複数の止
め板70を配置してリング部材66のリング部67に断
面T字状に溶接接合する。次に、本体中胴部材16のリ
ング部材17を本体胴部材15に補強板71で溶接接合
し、シールドジャッキ18を伸長させた後、各止め板7
0をガス溶断にてリング部材66から順次分離してい
く。これと並行してリング部材66を本体胴部材15に
溶接接合する。次に、図16に示すように、複数のスペ
ーサ72を本体胴部材15に周方向適当間隔おきに且つ
リング部材66のリング部67の前端側に溶接接合し、
以後、コンクリート製のセグメントSaを構築しつつ本
線トンネルTの掘進を再開する。その後、内胴部材5は
地中に埋設される。
【0034】尚、分岐線シールド掘進機40を分岐発進
させて所定距離掘進した後、ゲート機構54の1対の油
圧シリンダにより1対のゲート板を閉じ、その後、泥水
式排土装置を撤去する。次に、その泥水式排土装置の代
わりにスクリューコンベヤ55を含む土圧式排土装置4
6を外部から搬入し、泥水式排土装置の排水管を接続し
ていた吸入口53に土圧式排土装置46を接続し、土砂
を土圧式排土装置46により排出する。
【0035】以上説明した分岐掘進可能なシールド掘進
によれば、第1工程〜第5工程を行うことで、分岐線
シールド掘進機40を分岐発進させることができる。内
胴部材5を胴部材3の内面側に重ね内胴部材5を掘進機
本体4に固定した状態で本線トンネルTの掘進を行うか
ら、シールド掘進機1の機長が増大することもなく、内
胴部材5と胴部材3の剛性の点で有利である。それ故、
シールド掘進機1の曲進性能を確保でき且つシールドジ
ャッキ18の容量の増大を抑制でき、セグメントの強度
不足等も解消できる。前記公報に記載の従来のものと比
べて部品点数を削減でき構造を簡単化でき、製作コスト
的に有利となる。
【0036】特に、分岐線シールド掘進機40の分岐発
進後、内胴部材5を胴部材3に再度重ねる必要がなく地
中に置き去りにすればよいから、前記本願出願人の提案
した分岐シールド掘進方法と比べて、内胴部材5と胴部
材3との間のシール性能を高く保持しておく必要がな
い。内胴部材を胴部材に重ねる際の止め板の内胴部材へ
の付け替え作業を行わなくてもよいから、その分作業工
数を小さくでき、工期を短縮することができる。第5工
程後、胴部材3の後端部にテールシール付きリング部材
66を内嵌状に摺動可能に設け、最終的にリング部材6
6を胴部材3に固着するから、本線トンネルTの掘進再
開後、掘進機本体4内部への土砂の侵入を防止すること
ができる。
【0037】次に、本実施形態を部分的に変更した変更
形態について説明する。 1)第2工程では、固定板61を用いることなく内胴部
材5の後端部を覆工済みセグメントSbの前端部に固定
ピンにて解除可能に連結してもよい。 2)発進口リング62または分岐発進口60に、分岐線
シールド掘進機40のカッターディスク42で切削可能
な繊維補強材を用いたコンクリートセグメント(例えば
カーボン繊維、ガラス繊維またはアラミド繊維等に樹脂
を含浸したものを補強材としてコンクリート中に備えた
もの)を予め設けて封止しておき、後にこのコンクリー
ト素材を切削しつつ分岐発進することも可能である。そ
の他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施形態
に種々の変更を付加した形態で実施することも可能であ
る。
【0038】
【発明の効果】 請求項1の発明によれば、シールド掘
進機は、前胴部材と本体胴部材とを有する胴部材と、本
体胴部材の内面側に本体胴部材に対してトンネル軸心方
向後方へ相対的にスライド可能に内嵌された内胴部材
と、本体胴部材と内胴部材の前部の内側に所定厚さの円
筒状環状隙間を空けて配設され且つ前端の環状フランジ
部が本体胴部材に固着された本体中胴部材と、本体中胴
部材の後端に固着されて本体胴部材の内面との間に内胴
部材が通過可能な隙間を形成するリング部材と、リング
部材に固定支持された複数のシールドジャッキとを備え
ので、分岐線シールド掘進機を分岐発進させることが
できる。内胴部材を胴部材の内面側に重ね内胴部材を掘
進機本体に固定した状態で本線トンネルの掘進を行うか
ら、シールド掘進機の機長が増大することもなく、内胴
部材と胴部材の剛性の点で有利である。それ故、シール
ド掘進機の曲進性能を確保でき且つシールドジャッキの
容量の増大を抑制でき、セグメントの強度不足等も解消
できる。前記公報に記載の従来のものと比べて部品点数
を削減でき構造を簡単化でき、製作コスト的に有利とな
る。
【0039】特に、分岐線シールド掘進機の分岐発進
後、内胴部材を胴部材に再度重ねる必要がなく地中に置
き去りにすればよいから、前記本願出願人の提案した分
岐シールド掘進方法と比べて、内胴部材と胴部材との間
のシール性能を高く保持しておく必要がない。内胴部材
を胴部材に重ねる際の止め板の内胴部材への付け替え作
業を行わなくてもよいから、その分作業工数を小さくで
き、工期を短縮することができる。
【0040】請求項2の発明によれば、リング部材の外
周部にフランジ部を設けたので、このフランジ部と本体
胴部材との間に内胴部材が通過可能な隙間が形成され
る。その他請求項1と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る本線シールド掘進機の
縦断面図である。
【図2】本線シールド掘進機の掘進機本体等の要部縦断
面図である。
【図3】内胴部材と本体胴部材の後端部を示す要部拡大
縦断面図である。
【図4】分岐線シールド掘進機の縦断面図である。
【図5】分岐線シールド掘進機の掘進機本体等の要部縦
断面図である。
【図6】本線トンネルの途中の分岐地点から分岐線シー
ルド掘進機を分岐発進させる段階の説明図であり、
(a)は分岐発進口形成の準備段階を示す図、(b)は
シールド掘進機と発進前の分岐線シールド掘進機を示す
図、(c)は分岐線シールド掘進機の分岐発進直後の状
態を示す図、(d)はシールド掘進機の分岐発進後の状
態を示す図である。
【図7】本体胴部材を前進移動させる準備段階を示す要
部横断平面図である。
【図8】内胴部材と覆工済みセグメントとの関係を示す
要部横断平面図である。
【図9】図8の状態を進展させた状態を示す要部横断平
面図である。
【図10】本体胴部材を前進移動させた状態の要部横断
平面図である。
【図11】分岐線シールド掘進機の発進の為の準備段階
を示すシールド掘進機と分岐線シールド掘進機の一部の
要部横断平面図である。
【図12】シールド掘進機を分岐発進口よりも前進させ
た状態の要部横断平面図である。
【図13】分岐発進直後の分岐線シールド掘進機等の要
部横断平面図である。
【図14】図13の状態を進展させた状態を示す要部横
断平面図である。
【図15】図14の状態を進展させた状態を示す要部横
断平面図である。
【図16】図15の状態を進展させた状態を示す要部横
断平面図である。
【符号の説明】
1 シールド掘進機 3 胴部材 4 掘進機本体 5 内胴部材 40 分岐線シールド掘進機 60 分岐発進口 66 リング部材 Sb 特殊セグメント
フロントページの続き (72)発明者 佐藤 安美 兵庫県加古郡播磨町新島8番地 川崎重 工業株式会社 播磨工場内 (72)発明者 清水 光雄 兵庫県加古郡播磨町新島8番地 川崎重 工業株式会社 播磨工場内 (72)発明者 松下 清一 東京都中央区京橋1丁目7番1号 戸田 建設株式会社内 (72)発明者 請川 誠 東京都中央区京橋1丁目7番1号 戸田 建設株式会社内 (72)発明者 柳楽 毅 東京都中央区京橋1丁目7番1号 戸田 建設株式会社内 (72)発明者 元木 実 東京都中央区京橋1丁目7番1号 戸田 建設株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−317087(JP,A) 特開2001−20660(JP,A) 特許2933279(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 9/06 301

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シールド掘進機で本線トンネルを掘進し
    ていき、本線トンネルの途中の分岐地点において分岐線
    シールド掘進機を分岐発進させる分岐掘進可能なシール
    ド掘進において、前胴部材とこの前胴部材の後端部に中折れ可能に連結さ
    れた本体胴部材とを有する胴部材と、 前記本体胴部材の内面側に本体胴部材に対してトンネル
    軸心方向後方へ相対的にスライド可能に内嵌された内胴
    部材と、 前記本体胴部材と内胴部材の前部の内側に所定厚さの円
    筒状環状隙間を空けて配設され且つ前端の環状フランジ
    部が本体胴部材に固着された本体中胴部材と、 前記本体中胴部材の後端に固着されて本体胴部材の内面
    との間に内胴部材が通過可能な隙間を形成するリング部
    材と、 前記リング部材に固定支持された複数のシールドジャッ
    キと、 を備えたことを特徴とする分岐掘進可能なシールド掘進
    機。
  2. 【請求項2】 前記リング部材の外周部にフランジ部を
    設けたことを特徴とする請求項1に記載の分岐掘進可能
    シールド掘進機。
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