JP3207817B2 - 分岐シールド掘進方法及び分岐掘進可能なシールド掘進機 - Google Patents

分岐シールド掘進方法及び分岐掘進可能なシールド掘進機

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JP3207817B2
JP3207817B2 JP05737999A JP5737999A JP3207817B2 JP 3207817 B2 JP3207817 B2 JP 3207817B2 JP 05737999 A JP05737999 A JP 05737999A JP 5737999 A JP5737999 A JP 5737999A JP 3207817 B2 JP3207817 B2 JP 3207817B2
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恵三 別府
憲 松本
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  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、分岐シールド掘
進方法及び分岐掘進可能なシールド掘進機に関し、本線
トンネルの途中の分岐地点において、分岐シールド掘進
機を安全に且つ好適に掘進させ、工期を短縮可能なシー
ルド掘進技術に関する。
【0002】
【従来の技術】 本願出願人は、特開平10−2667
68号公報に示すように、本線トンネルの途中の分岐地
点において、分岐線トンネルを分岐掘進可能なシールド
掘進機を提案した。この分岐掘進可能なシールド掘進機
について簡単に説明すると、シールド掘進機は、土圧式
シールド方式が適用され、前胴と中胴と後胴とを有し、
前胴にはカッターディスクとカッター駆動手段が装備さ
れ、前胴の後端部内にはエレクター装置のエレクタフレ
ームが装備され、後胴の前端部内には、前記エレクタフ
レームに取付可能なエレクター装置が装備されている。
【0003】中胴は、内胴と、この内胴の外側に2重筒
状に摺動可能に外嵌された外胴と、前胴の後端に連結さ
れた前胴テール部とを主体として構成され、外胴は、そ
の後部を形成する外胴本体と、この外胴本体の前端部か
ら前方へ延び前胴テール部の内側に2重筒状に摺動可能
に内嵌された外胴内筒部とを主体として構成されてい
る。内胴には、分岐シールド掘進機を発進させるための
分岐用窓孔が形成されており、内胴の内面には、分岐用
窓孔に連通する発進口リングが溶接接合されている。ま
た、分岐シールド掘進機には、土圧式シールド方式が適
用されている。
【0004】分岐シールド掘進機を分岐発進させる際に
は、発進口リングの内側空間のうちの内胴と分岐シール
ド掘進機の第1分割体との間のチャンバーに加泥材を充
填し、分岐シールド掘進機の排土装置の一部分であるス
クリューコンベヤの先端部に固結剤(後に加水等により
流動化可能な封止剤である)を注入し、その後、分岐用
窓孔を地山に開口させて、分岐シールド掘進機の第1分
割体を仮発進させて分岐トンネルの掘進を開始し、所定
距離掘進してから停止させ、前部胴を発進口リングに固
定する。次に、分岐シールド掘進機の第2分割体である
中折れ部を外部から搬入して第1分割体の前部胴に部分
球面状の球面係合を介して連結する。以後、スクリュー
コンベヤを、所定距離掘進する度に順次長さ方向に長く
組立てていき、正規のスクリューコンベヤにする。その
後、分岐シールド掘進機で掘削した土砂を、このスクリ
ューコンベヤにより排出することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 前記公報の分岐掘進
可能なシールド掘進機においては、本線シールド掘進機
と分岐シールド掘進機双方の胴部材の外径寸法が比較的
近似しており、且つ、分岐シールド掘進機には土圧式シ
ールド方式が適用されているので、分岐掘進時において
排土装置であるスクリューコンベヤの後端部が本線シー
ルド掘進機の中胴に干渉しないように、予めスクリュー
コンベヤを細かく分割しておき、所定距離掘進する毎に
スクリューコンベヤを順次組立てなければならずこの組
立作業に手間がかかる。
【0006】更に、スクリューコンベヤの組立作業時
に、スクリューコンベヤの先端部に、地山から流入する
水に対する止水材として固結剤を封入し、掘削土を排土
する際には、この固結剤をスクリューコンベヤから除去
しなければならず、スクリューコンベヤの追加組立毎に
この固結剤の封入・除去を繰り返し行わなければならな
い。また、この固結剤だけでは完全な止水ができないた
め、地山からの水が分岐シールド掘進機内に侵入する。
そのため、固結剤の封入・除去作業とスクリューコンベ
ヤの組立作業時の作業負荷が多くなり、それらの作業の
作業能率が低く、安全性にも問題がある。
【0007】本発明の目的は、排土用の設備の組立の作
業負荷を格段に軽減でき、作業の安全性を確保し得る分
岐シールド掘進方法及び分岐掘進可能なシールド掘進機
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】 請求項1の分岐シール
ド掘進方法は、シールド掘進機で本線トンネルを掘進し
ていき、本線トンネルの途中の分岐地点においてシール
ド掘進機から分岐シールド掘進機を分岐発進させる分岐
シールド掘進方法において、分岐シールド掘進機を分岐
発進させる際に、分岐シールド掘進機の胴部材を逐次追
加しながら分岐発進させる段階においては、分岐シール
ド掘進機で掘削した土砂をチャンバー内で泥水化して泥
水式排土装置により排出し、分岐シールド掘進機の胴部
材の追加が完了した段階においては、泥水式排土装置を
撤去し、その泥水式排土装置の代わりに土圧式排土装置
を取り付け、泥水式排土装置の排水用泥水ホースを接続
していた吸入口に土圧式排土装置を接続し、土砂を土圧
式排土装置により排出することを特徴とするものであ
る。
【0009】本線トンネルを掘進していき、本線トンネ
ルの途中の分岐地点において、例えば分岐用窓孔を地山
に臨ませて分岐シールド掘進機を分岐発進させる。分岐
シールド掘進側において、この分岐シールド掘進機の胴
部材を逐次追加しながら分岐発進させる段階では、分岐
シールド掘進機で掘削した土砂をチャンバー内で泥水化
して泥水式排土装置により排出する。泥水式排土装置の
泥水通路の大部分を泥水ホース等で構成することができ
るので、スクリューコンベヤに比べて泥水通路配管の自
由度が高くなり、分岐シールド掘進機の胴部材を追加す
るに際し、泥水ホースの分離・接続を介して泥水式排土
装置と干渉することなく簡単に行うことができる。
【0010】分岐シールド掘進機の胴部材の追加が完了
した段階では、泥水式排土装置を撤去し、その泥水式排
土装置の代わりに土圧式排土装置を取り付けるので、土
圧式排土装置のほぼ全体を一挙に組立てることができる
から、細分化したスクリューコンベヤを組立てながら掘
進する必要もなく、土圧式排土装置を簡単に能率良く組
立てることができる。
【0011】請求項2の分岐シールド掘進方法は、請求
項1の発明において、前記分岐シールド掘進機のチャン
バーを画成する仕切壁に、泥水式排土装置の吸入口を開
閉可能なゲート機構を予め設けておき、前記泥水式排土
装置を土圧式排土装置に付け換える際には、前記ゲート
機構を閉状態にしてから付け換えることを特徴とするも
のである。付け換え作業時に、地山からの水がチャンバ
ーを介して分岐シールド掘進機内に侵入しなくなるの
で、止水性が高まり作業を好適に行うことができ、安全
性も高くなる。
【0012】請求項3の分岐シールド掘進方法は、請求
項2の発明において、前記ゲート機構を閉状態にした状
態において土圧式排土装置に付け換え、次に前記ゲート
機構を開状態にしてから土圧式排土装置のスクリューコ
ンベヤのオーガをチャンバー側へ移動させてオーガの先
端部をチャンバー内に突出させることを特徴とするもの
である。前記ゲート機構を開状態にしてから、オーガの
先端部をチャンバー内に突出させるので、流動性の乏し
い掘削土でもスクリューコンベヤ内へ確実に流入させる
ことができる。それ故、種々の土質の掘削土をチャンバ
ー内に停滞させることなくスムースに排出することがで
きる。
【0013】請求項4の分岐掘進可能なシールド掘進機
は、シールド掘進機で本線トンネルを掘進していき、本
線トンネルの途中の分岐地点においてシールド掘進機か
ら分岐シールド掘進機を分岐発進させる分岐掘進可能な
シールド掘進機において、分岐シールド掘進機を分岐発
進させる際に、分岐シールド掘進機の胴部材を逐次追加
しながら分岐発進させる段階において分岐シールド掘進
機に装備される泥水式排土装置、及び、分岐シールド掘
進機の胴部材の追加が完了した段階において泥水式排土
装置を撤去後に泥水式排土装置の排水用泥水ホースを接
続していた吸入口に接続される土圧式排土装置と、分岐
シールド掘進機のチャンバーを画成する仕切壁に泥水式
排土装置の吸入口を開閉可能に設けられたゲート機構と
を備えたことを特徴とするものである。
【0014】本線トンネルを掘進していき、本線トンネ
ルの途中の分岐地点において、例えば分岐用窓孔を地山
に臨ませて分岐シールド掘進機を分岐発進させる。分岐
シールド掘進側において、分岐シールド掘進機の胴部材
を逐次追加しながら分岐発進させる段階では、泥水式排
土装置を適用し、分岐シールド掘進機の胴部材の追加が
完了した段階では、前記ゲート機構により泥水式排土装
置の吸入口を一旦閉じておいて、泥水式排土装置に代え
て土圧式排土装置を適用する。土圧式排土装置への付け
換え時にゲート機構でもって吸入口を閉じ、地山からの
土砂や水の流入を防止できるので、付け換え作業を簡単
に安全に能率的に行うことができる。その他請求項1と
同様の作用を奏する
【0015】求項の分岐掘進可能なシールド掘進機
は、請求項4の発明において、前記土圧式排土装置は、
泥水式排土装置の撤去後に前記吸入口に接続されるスク
リューコンベヤを有することを特徴とするものである。
土圧式排土装置の吸入口を設ける必要もなく、スクリュ
ーコンベヤを吸入口に接続するので、掘削した土砂の流
動性が高まり、土砂をチャンバー内に停滞させることな
くスムースに排出することができる。
【0016】請求項の分岐掘進可能なシールド掘進機
は、請求項の発明において、前記スクリューコンベヤ
に、そのオーガの先端部をチャンバー内へ突出させる為
にオーガを所定距離進退可能にした進退機構を設けたこ
とを特徴とするものである。オーガの先端部を進退機構
によりチャンバー内へ突出させるので、流動性の乏しい
土砂でも、突出したオーガから直接的にスクリューコン
ベヤ内へ確実に流入させることができる。
【0017】請求項の分岐掘進可能なシールド掘進機
は、請求項4〜の何れかの発明において、前記ゲート
機構は、両開き式の1対のゲート板と、これらゲート板
を開閉駆動する1対の油圧シリンダとを有することを特
徴とするものである。1対の油圧シリンダにより1対の
ゲート板を閉じておいて、泥水式排土装置を土圧式排土
装置に付け換えることができる。それ故、土砂や水の侵
入に煩わされることなく安全に付け換え作業を行える。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。最初に、本線シールド掘進
機について説明し、その後、分岐シールド掘進機につい
て説明する。但し、以下の説明は分岐シールド掘進方法
についての説明をも含む。
【0019】この実施形態に係る分岐掘進可能なシール
ド掘進機は、種々のトンネル(上水用のトンネル、下水
用トンネル、ケーブル用トンネル、その他種々のトンネ
ル)の本線トンネルを本線シールド掘進機で掘削してい
き、所定の分岐地点に到達したときに、中胴の分岐用窓
坑から分岐シールド掘進機を分岐発進させて分岐線トン
ネルを掘進し、それと並行して本線トンネルを本線シー
ルド掘進機で掘進していくシールド掘進機である。尚、
本実施形態における本線シールド掘進機は、土圧式シー
ルド方式でトンネルを掘削していくが、泥水式シールド
方式でトンネルを掘削していく分岐掘進可能なシールド
掘進機にも本発明を略同様に適用可能である。
【0020】図1、図2に示すように、本線シールド掘
進機1は、前胴2と、この前胴2に連結された中胴3
と、中胴3の後端部に連結された後胴4とを備え、前胴
2の前端部にはカッターディスク5が装備され、前胴2
の内部にはカッターディスク5を駆動するカッター駆動
機構6が装備されている。カッターディスク5とカッタ
ー駆動機構6としては従来公知のものを適用でき、カッ
ターディスク5には余掘りの為のコピーカッター7等が
設けられている。カッター駆動機構6の複数のモータ6
aを正逆回転駆動することで、カッターディスク5を回
転させ、本線トンネルTの切羽の地盤を掘削する。
【0021】図1、図3に示すように、前胴2の後端部
内には、エレクター装置用の支柱8が固着され、この支
柱8には、エレクタドラム8aが設けられている。後胴
4の前端部内にはエレクター装置9(エレクタドラム9
aとエレクタ本体9bとを有する)が装備され、分岐線
トンネルの分岐後にはエレクター装置9のエレクタ本体
9bを前側のエレクタドラム8aに取付けることでエレ
クター装置9として使用する。後胴4内には、トンネル
内面に組付けたセグメントSを真円状に保形する真円保
持装置10が装備され、真円保持装置10は分岐線トン
ネルの分岐後に前側の所定位置へ移設される。
【0022】本線シールド掘進機1には、カッターディ
スク5で掘削した掘削土砂を地上まで搬出する排土装置
11が設けられ、この排土装置11は、本線シールド掘
進機1内に装備されたスクリューコンベヤ11aとゲー
ト11bとスクリューコンベヤ11cと、その後方に連
なり既設の本線トンネルT内をその掘進開始端側の立坑
まで延びる排土コンベヤ(図示略)とを備えている。こ
の排土装置11は、掘削土砂を泥水化することなく土砂
のまま搬送する土圧式である。但し、本線シールド掘進
機に泥水式シールド方式を適用する場合には、掘削土砂
を泥水状態にして搬送する泥水式排土装置が適用され
る。
【0023】図1、図3に示すように、前胴2の内周側
には複数(例えば、20本)のシールドジャッキ12が
装備され、中胴3の後部の内周側には複数(例えば、1
0本)のシールドジャッキ13が取外し可能に装備さ
れ、中胴3の前部の内周側には複数(例えば、20本)
の推力伝達管14が取外し可能に装備されている。各組
の推力伝達管14とシールドジャッキ13とは直列状に
配設され、この各組の推力伝達管14とシールドジャッ
キ13に対して、それに対応する前側のシールドジャッ
キ12もほぼ直列状に配設されている。
【0024】分岐線トンネルの分岐前に本線トンネルT
を掘進していく際には、後側のシールドジャッキ13に
より発生させた推力を、推力伝達管14と前側のシール
ドジャッキ12を介して前胴2に伝達して本線シールド
掘進機1を掘進させる。また、分岐線トンネルの分岐
後、所定距離だけ本線トンネルTを掘削した後は、推力
伝達管14とシールドジャッキ13とを取外し、前側の
シールドジャッキ12で発生させた推力で本線シールド
掘進機1を掘進させる。
【0025】次に、中胴3とそれに関連する構造につい
て説明する。図1、図4(a)に示すように、中胴3
は、内胴15と、この内胴15の外側に2重筒状に摺動
可能に外装された外胴16と、前胴2の後端に一体的に
連結された前胴テール部17とを主体として構成されて
いる。外胴16は、その後部約1/2部分を形成する厚
肉の外胴本体18と、この外胴本体18の前端部から前
方へ延び前胴テール部17の内側に2重筒状に摺動可能
に内嵌された外胴内筒部19とを主体として構成されて
いる。前胴テール部17の後端部分の内面側にはテール
シール20が設けられ、内胴15の前端部と外胴内筒部
19との間には2つの環状のシール21が設けられ、内
胴15の後端部と外胴内筒部19との間には2つの環状
のシール22が設けられている。
【0026】図4(a)に示すように、前胴2の後端付
近部には、シールドジャッキ12を取付ける為の環状リ
ブ23が設けられ、この環状リブ23には、内胴15を
連結する為の環状接続体24が設けられている。内胴1
5の前端部には環状の接続フランジ25が設けられ、こ
の接続フランジ25を環状接続体24に分離可能に連結
する第1連結機構26は、環状接続体24と接続フラン
ジ25との間に配設された複数の連結ブラケット26a
と、これら連結ブラケット26aを介して環状接続体2
4と接続フランジ25とを連結する複数のボルト・ナッ
ト(図示略)とで構成されている。
【0027】図4(a)に示すように、外胴16の外胴
内筒部19の前端付近部を前胴テール部17の内面に分
離可能に連結する第2連結機構27は、外胴内筒部19
の外周面に環状溝を形成して薄肉化した薄肉部からな
り、この薄肉部を内側から溶断することで第2連結機構
27の連結が解除される。
【0028】図1、図4(a)に示すように、後胴4の
前端部には環状の接続フランジ28が設けられ、内胴1
5の後端部には断面略L形の環状のフランジ部材29が
設けられ、フランジ部材29と接続フランジ28とを当
接させ、これらにシールドジャッキ13のジャッキ本体
が挿通されて取付けフランジ13aにより固定され、接
続フランジ28とフランジ部材29はシールドジャッキ
13とその取付けフランジ13aを介して複数のボルト
・ナットにより分離可能に連結されている。シールドジ
ャッキ13のピストンロッドの先端には、本線トンネル
Tの内面のセグメントSの前端を後方へ押すスプレッダ
ー30が設けられている。
【0029】次に、分岐シールド掘進機を分岐発進させ
る為の構造について説明する。図5、図6に示すよう
に、中胴3の内胴15の掘進方向に向かって右側の側壁
部には、分岐シールド掘進機40(図7参照)を発進さ
せるための分岐用窓孔41が形成されており、内胴15
の内面には、分岐用窓孔41に連通する水平なエントラ
ンス通路42aを形成する短筒状の発進口リング42が
直角状に溶接接合されている。この発進口リング42
は、本線シールド掘進機1内に配設される排土装置11
等と干渉しないように、中胴3内の右側1/3の幅部分
内に納まるように短く形成されている。
【0030】分岐線トンネルを本線トンネルTの右側以
外の側部から発進させる場合もあり、その場合には分岐
用窓孔41も発進口リング42も分岐発進する部位に対
応する側部に設けられる。尚、複数組の推力伝達管14
とシールドジャッキ13のうちの一部の複数組の推力伝
達管14とシールドジャッキ13とは、発進口リング4
2を貫通する状態に配設されている。
【0031】図4(b)に示すように、発進口リング4
2の内周面には環状凹部42bが形成され、この環状凹
部42bに環状のエントランスパッキン43が装着され
ている。エントランスパッキン43は、環状凹部42b
の奥側に配設された可撓性の環状弾性膜部材44と、環
状弾性膜部材44の内周側に位置して環状凹部42bに
配設された環状シール部材45と、環状弾性膜部材44
の先端部と基端部とを夫々環状凹部42bに固定する環
状の止め金具44a,44b及び連結具とを有し、環状
シール部材45の基端部は一方の止め金具44aで環状
弾性膜部材44に固定されている。
【0032】環状凹部42bと環状弾性膜部材44との
間に加圧水を供給する加圧水注入管P及び加圧水注入源
を含む加圧水注入機構(図示略)を備え、この加圧水注
入機構により、環状凹部42bと環状弾性膜部材45の
間に加圧水を注入して環状弾性膜部材44と環状シール
部材45とを外側に膨らんだ状態に弾性変形させ、発進
口リング42の内周面と、分岐シールド掘進機40の前
胴46の外周面との間を液密にシールする。
【0033】ここで、分岐用窓孔41を開いて本線トン
ネルTの地山に臨ませる機構について説明する。本線ト
ンネルTを掘進していき、分岐用窓孔41が分岐地点に
到達した際に、第1連結機構26を分離して本線シール
ド掘進機1を掘進させると、図5に示すように、内胴1
5と後胴4とが分岐地点に停止したまま、本線シールド
掘進機1の前中部シールド掘進機(前胴2とその付帯設
備と前胴テール部17と外胴16とを含む)が前進し
て、分岐用窓孔41が開き地山に臨んだ状態になる。そ
の後、第2連結機構27を分離してシールド掘進機を掘
進させると、図6に示すように、外胴16が停止したま
ま、本線シールド掘進機1の前部シールド掘進機(前胴
2とその付帯設備と前胴テール部17とを含む)が前進
していく。分岐線トンネルについては、以上と並行的に
分岐シールド掘進機40による分岐掘進が実行される。
【0034】次に、分岐シールド掘進機40の構造につ
いて説明する。図7〜図9に示すように、分岐シールド
掘進機40は、前胴47と、前胴47の後端部に中折れ
部48を介して連結された後胴49と、カッターディス
ク50と、カッター駆動モータ51と、複数の中折れジ
ャッキ52と、複数のシールドジャッキ53と、泥水式
排土装置54(図18参照)または土圧式排土装置55
と、エレクター装置56等を有する。
【0035】図7〜図9に示すように、カッターディス
ク50の背部には、チャンバー57が形成され、このチ
ャンバー57を画成する仕切壁58には、泥水式排土装
置54の吸入口を開閉可能なゲート機構59が予め設け
られている。尚、仕切壁58は前胴47の前端付近部の
内側に横断状に配設されて前胴47に溶接接合され、カ
ッターディスク50は仕切壁58に回転自在に支持され
ている。カッターディスク50には、正面視にて十字状
の複数のカッタースポーク60が配設され、これらカッ
タースポーク60の前端縁部に沿って多数のカッタービ
ット61が設けられている。各カッタースポーク60の
うち、図8に示す上下1対のカッタースポーク60に
は、1対のコピーカッター62が径方向の外方へ突出可
能に装備されている。
【0036】図8に示すように、左右1対のカッタース
ポーク60には、地盤を泥水化させるための1対の加泥
材吐出用ノズル63が装備され、加泥材は胴部材内部の
供給源からセンター部材64内部のホース64aを経由
しカッターディスク50の中心フレーム65内部を通っ
て供給される。尚、コピーカッター62用の油路もこれ
らセンター部材64,中心フレーム65内部に配設され
ている。図18に示すように、泥水式排土装置54は、
分岐シールド掘進機40の胴部材を逐次追加しながら分
岐発進させる段階において適用され、泥水通路を開閉可
能な開閉バルブ66と、圧送ポンプ67と、泥水通路の
大部分を占める泥水ホース68と、土砂圧送配管69を
有する。
【0037】図14、図15に示すように、この泥水式
排土装置54の吸入口を開閉可能なゲート機構59は、
両開き式の1対のゲート板70と、これらゲート板70
を上下のガイド部材70a,70bに沿って開閉駆動す
る1対の油圧シリンダ71と、複数の水噴射用ノズル7
2等を有し、これら油圧シリンダ71及びその油路71
aは、ケーシング73内に収納されケーシング73内に
は土砂や水等が侵入しないようになっている。尚、複数
の水噴射用ノズル72は、1対のゲート板70の開閉部
分に土砂が堆積するのを防止するために設けられ、水噴
射用ノズル72に水を供給する供給タンク,ポンプ,ホ
ース,接続金具等が装備されている。
【0038】図7、図10に示すように、土圧式排土装
置55は、分岐シールド掘進機40の胴部材の追加が完
了した段階において適用され、前記吸入口に接続される
スクリューコンベヤ74を有する。図10〜図13に示
すように、スクリューコンベヤ74は、その筒状ケーシ
ング75内部に配設されたオーガ76と、オーガ回転駆
動機構77と、進退機構78とを有する。オーガ76
は、軸部を含む複数の中実オーガ76aと、中空オーガ
76bとから成り、これら複数の中実オーガ76aと中
空オーガ76bとが長さ方向に連結されて構成されてい
る。尚、中実オーガ76a同士または中実オーガ76a
と中空オーガ76bとは、各端部においてピン79接合
並びに溶接接合することで連結されている。
【0039】図12、図13に示すように、筒状ケーシ
ング75の長さ方向の後部には、オーガ回転駆動機構7
7を固定する為の環状の接続フレーム80が外装固定さ
れている。オーガ回転駆動機構77は、筒状ケーシング
75の一部を成すリング部材81と、接続フレーム80
の上部に固定され且つこのリング部材81を回転駆動す
る回転駆動モータ82とを有する。リング部材81の内
部には、中空オーガ76bが一体的に溶接接合され、回
転駆動モータ82のモータ軸にはピニオンギヤ83が固
着され、回転駆動モータ82の駆動力は、このピニオン
ギヤ83に噛合するリングギヤ84を介してリング部材
81のフランジ部81aに伝達されてリング部材81を
回転させ、中空オーガ76bと中実オーガ76aを回転
させる。
【0040】尚、リング部材81は、その前後の筒状ケ
ーシング75に対して横断面内において摺動自在に係合
され、接続フレーム80とリング部材81との間には複
数のシール部材85が配設され、接続フレーム80に
は、これらシール部材85にグリースを適宜供給する為
のグリース供給孔80aが複数形成されている。
【0041】図11に示すように、筒状ケーシング75
の長さ方向のやや前部には進退機構78が設けられ、こ
の進退機構78は、オーガ76の先端部をチャンバー5
7内へ突出させる為にオーガ76を所定距離進退可能に
構成してある。即ち、進退機構78は複数の油圧シリン
ダ86を備え、これら油圧シリンダ86は、筒状ケーシ
ング75のうち、仕切壁58に固定された外筒ケーシン
グ75aと、中空オーガ76bに一体的に固定された内
筒ケーシング75bとに亙り前記長さ方向向きに外装固
定されている。
【0042】内筒ケーシング75bは、軸受メタル87
を介して外筒ケーシング75a内部で長さ方向に摺動可
能に配設され、外筒ケーシング75aの後側の開口周縁
部には、内筒ケーシング75bとの間にゴミや異物が侵
入するのを防止する為のシール部材88が設けられてい
る。従って、複数の油圧シリンダ86の駆動により内筒
ケーシング75bが外筒ケーシング75a内部で長さ方
向に摺動することで、オーガ76が所定距離進退する。
【0043】以上説明した本線シールド掘進機1で本線
トンネルTを掘進していき分岐地点において分岐シール
ド掘進機40で分岐掘進する場合の工程について説明す
る。分岐用窓孔41が分岐地点に到達した時点で、本線
シールド掘進機1を停止させ、まず、第1段階におい
て、スクリューコンベヤ11a,11c間のゲート11
bを遮断後、後部スクリューコンベヤ11cを取外す。
本線シールド掘進機1の後退を防止する為に、複数の反
力受けを、後胴4の内側のセグメントSの前端と後胴4
の接続フランジ28との間に装着すると共に、例えば6
本の反力伝達管を、推力伝達管14とシールドジャッキ
13とを直列化した直列体の間に位置するように取付け
る。
【0044】次に、図16に示すように、第2段階にお
いて、全部の推力伝達管14と後側のシールドジャッキ
13を取外し、後部作業デッキ用支柱89(図1参照)
等を取外す。更に、後部のエレクタ本体9bを取外して
前部のエレクタドラム8aに移設する。発進口リング4
2には、推力伝達管14とシールドジャッキ13を取外
した複数の穴が空くので、それらの穴に盲板を溶接する
ことで穴を塞ぐ。以上の準備作業の後、発進架台90を
外部から搬入して発進口リング42の入口側の所定位置
にセットしてから、分岐シールド掘進機40の先端側の
第1分割体40A(前部胴91とそのカッターディスク
92とカッター駆動機構93とを含む)を外部より搬入
して発進架台90上にセットし、発進口リング42に対
向状に配置する。
【0045】図17に示すように、第3段階において、
複数の仮シールドジャッキ94を搬入して組込み、これ
ら仮シールドジャッキ94により第1分割体40Aを、
発進口リング42の方へ移動させ、その前端部分を発進
口リング42に挿入する。後退防止ブラケット95を第
1分割体40Aの前部胴91の外周上部と発進口リング
42とに亙り取付け、この後退防止ブラケット95によ
り第1分割体40Aを発進口リング42に分離可能に溶
接接合する。次に、前部胴91Aを外部より搬入して前
部胴91の後端に溶接接合し、その後、第1分割体40
Aの前傾防止のため、分岐シールド掘進機40の仕切壁
58と、本線シールド掘進機1の内胴15とに亙ってテ
ンションジャッキ96を取付ける。
【0046】図18に示すように、第4段階において、
複数のカッター駆動モータ51を搬入して組込み、泥水
式排土装置54の土砂圧送配管69,開閉バルブ66,
泥水ホース68,圧送ポンプ67を搬入して夫々接続す
る。図19に示すように、第5段階において、発進口リ
ング42に装備されたエントランスパッキン43を作動
させ、発進口リング42の内周面と、分岐シールド掘進
機40の前胴47の外周面との間を液密にシールする。
次に、反力受け台97と仮シールドジャッキ94との間
に反力受け98を構築して分岐線トンネルTaの掘進準
備を整え、後退防止ブラケット95を前部胴91から撤
去する。
【0047】一方、本線シールド掘進側では、本線トン
ネルTの内面を覆工する特殊セグメントSaを搬入する
為の搬送設備(ホイストレール99とホイスト等から成
る)を取付ける。その後、第1連結機構26の連結を解
除し、前側のシールドジャッキ12を作動させ、6本の
推力伝達管14と特殊セグメントSaとで反力を受けな
がら掘進を進め、本線シールド掘進機1の前中部シール
ド掘進機(前胴2とその付帯設備と前胴テール部17と
外胴16を含む)を、後胴4と内胴15を停止させたま
ま前進させ、分岐用窓孔41を開いて地山に開口させ
る。
【0048】図20に示すように、第6段階において、
仮シールドジャッキ94の反力を反力受け98を介して
反力受け台97で受けつつ、分岐シールド掘進機40の
第1分割体40Aを仮発進させて分岐線トンネルTaの
掘進を開始し、所定距離掘進してから停止させる。次
に、反力受け98を増築しテンションジャッキ96によ
り第1分割体40Aの姿勢を制御する。
【0049】図21に示すように、第7段階において、
後退防止ブラケット95Aを前部胴91A後端部と発進
口リング42とに亙って周方向適当間隔置きに溶接接合
し、第1分割体40Aの後退を防止した後、全ての反力
受け98を撤去する。仮シールドジャッキ94も撤去し
た後、分岐シールド掘進機40の第2分割体40Bであ
る後部胴100を外部から搬入する。後部胴100の内
部には、エレクター装置56のエレクタードラム56a
およびドラム回転駆動機構と複数のシールドジャッキ5
3が取付けられている。
【0050】図22、図23に示すように、第8段階に
おいて、後部胴100を前部胴91Aに部分球面状の球
面係合を介して連結する。次に、中折れ部48の内面側
に複数の中折れジャッキ52を組込み、複数のシールド
ジャッキ53用の反力受け101を本線シールド掘進機
1の内胴15に構築する。その後、後退防止ブラケット
95Aを撤去し、第1,第2分割体40A,40Bを仮
発進させて分岐線トンネルTaの掘進を再開し(図23
参照)、所定距離掘進してから停止させる。尚、中折れ
部48の外周には粘土48aが貼り付けられ、この粘土
48aにより、中折れ部48の外表面の凹凸を無くして
エントランスパッキン43のシール性を向上させること
ができる。
【0051】図24〜図26に示すように、第9段階に
おいて、後退防止ブラケット95Bを後部胴100後端
部と発進口リング42とに亙って周方向適当間隔置きに
溶接接合し、全ての反力受け101を撤去した後、テー
ルシール102を含む後部胴100Aを外部から搬入す
る。次に、後部胴100Aを後部胴100の後端に溶接
接合し(図25参照)、エレクター装置56のエレクタ
ー本体56bを、エレクター梁56cを介してエレクタ
ードラム56aに取付ける(図26参照)。図27に示
すように、第10段階において、複数のシールドジャッ
キ53用の反力受け103を本線シールド掘進機1の内
胴15に構築し、その後、後退防止ブラケット95Bを
撤去する。
【0052】図28、図29に示すように、第11段階
において、第1,第2分割体40A,40Bを仮発進さ
せて分岐線トンネルTaを掘進しつつ、エレクター装置
56により仮セグメントSbを、後部胴100A内に且
つシールドジャッキ53と反力受け103との間に組立
てる。複数のシールドジャッキ53により第1,第2分
割体40A,40Bを仮発進させて分岐線トンネルTa
の掘進を再開しつつ、エレクター装置56によりセグメ
ントScを、シールドジャッキ53と仮セグメントSb
との間に組立てる(図29参照)。
【0053】図30、図31に示すように、セグメント
Scの追加組立てが完了した後、第12段階において、
ゲート機構59の1対の油圧シリンダ71により1対の
ゲート板70を閉じ、その後、土砂圧送配管69を含む
泥水式排土装置54を撤去する。次に、スクリューコン
ベヤ74を含む土圧式排土装置55を外部から搬入し前
記の如く所定位置に組付ける(図31参照)。
【0054】図32に示すように、第13段階におい
て、ゲート機構59の1対の油圧シリンダ71により1
対のゲート板70を開き(図14、図15参照)、進退
機構78の複数の油圧シリンダ86によりオーガ76を
所定距離前進させる(図10、図11参照)。その後、
分岐シールド掘進機40を発進させ、スクリューコンベ
ヤ74のオーガ回転駆動機構77によりオーガ76を回
転させる。オーガ76の先端部をチャンバー57内に突
出させて回転させるので、流動性の乏しい土砂でも、突
出したオーガ76から直接的にスクリューコンベヤ74
内へ確実に流入させることができる。
【0055】このように、前部胴91,91Aと後部胴
100,100Aを追加しながら分岐シールド掘進機4
0を分岐発進させる段階においては、泥水式排土装置5
4を適用し、この泥水式排土装置54の大部分を泥水ホ
ース68等で構成することができるので、スクリューコ
ンベヤ74に比べて泥水通路配管の自由度が高くなり、
前部胴91,91A、後部胴100,100Aの搬入、
溶接接合の際、泥水ホース68の分離・接続を介して泥
水式排土装置54と干渉することなく簡単に行うことが
できる。分岐シールド掘進機40の胴部材の追加が完了
した段階においては、泥水式排土装置54を土圧式排土
装置55に切換えるので、土圧式排土装置55のほぼ全
体を一挙に組立てることができるから、細分化したスク
リューコンベヤを組立てながら掘進する必要もなく、土
圧式排土装置55を簡単に能率よく組立てることができ
る。
【0056】次に、本実施形態を一部変更した変更形態
について説明する。 1)分岐用窓孔41すなわち発進口リング42の開口構
造は、前記実施形態に限定されるものではなく、特開平
8−165884号公報に記載の構造など種々の開口構
造を適用可能である。 2)本線トンネルTの口径に対する分岐線トンネルTa
の口径の比率は、任意の比率でよいが、この比率が大き
い程、より大きな効果を奏する。 3)泥水式排土装置54に必要に応じて配管を継ぎ足す
場合もあり得る。 4)中折れ部48に貼り付けた粘土48a以外にも、エ
ントランスパッキン43のシール性を向上させる手段を
設けてもよい。 その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施形
態に種々の変更を付加した形態で実施することも可能で
ある。
【0057】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、分岐シールド
掘進機の胴部材を逐次追加しながら分岐発進させる段階
では、分岐シールド掘進機で掘削した土砂を泥水式排土
装置により排出するので、前記胴部材を追加するに際
し、排水用泥水ホースの分離・接続を介して泥水式排土
装置の一部と干渉することなく簡単に行うことができ
る。それ故、胴部材の追加作業を迅速に行うことがで
き、この作業時間を短縮することができる。分岐シール
ド掘進機の胴部材の追加が終了した段階では、泥水式排
土装置を撤去し、その泥水式排土装置の代わりに土圧式
排土装置を取り付け、泥水式排土装置の排水用泥水ホー
スを接続していた吸入口に土圧式排土装置を接続するの
で、土圧式排土装置のほぼ全体を一挙に組立てることが
できる。それ故、排土用の設備の組立の作業負荷を格段
に軽減でき、スクリューコンベヤを細かく分割しておき
順次組立てる必要もない。更に、スクリューコンベヤ
に、止水材として固結剤を封入したり除去したりする手
間も省略でき掘削費を低減できる。
【0058】請求項2の発明によれば、ゲート機構を閉
状態にしてから泥水式排土装置を土圧式排土装置に付け
換えるので、付け換え作業時に完全な止水を行うことが
でき、地山からの水や土砂が分岐シールド掘進機内に侵
入しない。それ故、安全且つ好適に付け換え作業を行う
ことができる。その他請求項1と同様の効果を奏する。
請求項3の発明によれば、ゲート機構を開状態にしてか
ら、オーガの先端部をチャンバー内に突出させて回転さ
せるので、流動性の乏しい掘削土でも突出したオーガか
ら直接的にスクリューコンベヤ内へ流入させることがで
きる。それ故、種々の土質の掘削土をチャンバー内に停
滞させることなくスムースに排出することができ、工期
を短縮することができる。
【0059】請求項4の発明によれば、分岐シールド掘
進機に装備される泥水式排土装置と、この泥水式排土装
置に代えて装備される土圧式排土装置と、ゲート機構と
を備えたので、分岐シールド掘進機に追加する胴部材の
追加・搬入の際、泥水式排土装置の一部即ち排水用泥水
ホースを自在に分離・接続してこれら胴部材の追加・搬
入をスムースに行うことができる。分岐シールド掘進機
の胴部材の追加が完了した段階においては、ゲート機構
を作動させて地山からの土砂や水の流入を防止しておい
て、泥水式排土装置を土圧式排土装置に付け換えるの
で、地山からの水や土砂に煩わされることなく安全にこ
の付け換え作業を行うことができる。その他請求項1と
同様の効果を奏する
【0060】求項の発明によれば、泥水式排土装置
の撤去後に、土圧式排土装置のスクリューコンベヤを、
泥水式排土装置の排水用泥水ホースを接続していた吸入
口に接続するので、ゲート機構を作動させることができ
ると共に新たに土圧式排土装置の吸入口を設ける必要も
ない。その他請求項4と同様の効果を奏する。
【0061】請求項の発明によれば、オーガの先端部
をチャンバー内へ突出させるので、流動性の乏しい掘削
土でも、突出したオーガでもって直接的に土砂をスクリ
ューコンベヤ内へ流入させることができ、土砂をチャン
バー内に停滞させることなくスムースに排出することが
できる。それ故、分岐シールド掘進機の停止時間が短く
なり工期を短縮することができる。その他請求項と同
様の効果を奏する。請求項の発明によれば、1対の油
圧シリンダにより1対のゲート板を閉じておいて、泥水
式排土装置を土圧式排土装置に付け換えることができ
る。それ故、土砂や水の侵入に煩わされることなく安全
に付け換え作業を行える。その他請求項4〜と同様の
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る本線シールド掘進機の
縦断側面図である。
【図2】本線シールド掘進機の正面図である。
【図3】本線シールド掘進機の内部構造を示し、図1の
A−A線端面図及びB−B線断面図である。
【図4】本線シールド掘進機の中胴の要部断面図であ
る。
【図5】中胴の内胴の分岐用窓孔を空けた状態を示す中
胴の要部断面図である。
【図6】前胴テール部と外胴との連結を解いて掘進した
状態における中胴の要部断面図である。
【図7】土圧式排土装置を装備した分岐シールド掘進機
の縦断側面図である。
【図8】分岐シールド掘進機の正面図である。
【図9】分岐シールド掘進機の内部構造を示し、図7の
C−C線端面図及びD−D線断面図である。
【図10】土圧式排土装置を示し、図7の一部破断した
要部拡大図である。
【図11】オーガとオーガの進退機構を示し、図10の
要部拡大図である。
【図12】オーガの回転駆動機構を示す縦断側面図であ
る。
【図13】図12の要部拡大図である。
【図14】ゲート機構の正面図である。
【図15】図14のE−E線断面図である。
【図16】第2段階における第1分割体等の要部縦断面
図である。
【図17】第3段階における第1分割体等の要部縦断面
図である。
【図18】第4段階における第1分割体等の要部縦断面
図である。
【図19】第5段階における第1分割体等の要部縦断面
図である。
【図20】第6段階における第1分割体等の要部縦断面
図である。
【図21】第7段階における第1,第2分割体等の要部
縦断面図である。
【図22】第8段階における反力受け等の構築状態を示
す第1,第2分割体等の要部縦断面図である。
【図23】第8段階における分岐線トンネルの掘進再開
状態を示す第1,第2分割体等の要部縦断面図である。
【図24】第9段階における反力受け等の撤去状態を示
す第1,第2分割体等の要部縦断面図である。
【図25】第9段階における後部胴の追加状態を示す第
1,第2分割体等の要部縦断面図である。
【図26】第9段階におけるエレクター装置の組付状態
を示す第1,第2分割体等の要部縦断面図である。
【図27】第10段階における第1,第2分割体等の要
部縦断面図である。
【図28】第11段階における仮セグメントの組立状態
を示す第1,第2分割体等の要部縦断面図である。
【図29】第11段階におけるセグメントの組立状態を
示す第1,第2分割体等の要部縦断面図である。
【図30】第12段階におけるゲート機構の閉状態及び
泥水式排土装置の撤去状態を示す分岐シールド掘進機の
要部縦断面図である。
【図31】第12段階における土圧式排土装置の組付状
態を示す分岐シールド掘進機の要部縦断面図である。
【図32】第13段階におけるゲート機構の開状態及び
オーガの前進状態を示す分岐シールド掘進機の要部縦断
面図である。
【符号の説明】
1 本線シールド掘進機 40 分岐シールド掘進機 54 泥水式排土装置 55 土圧式排土装置 57 チャンバー 58 仕切壁 59 ゲート機構 66 開閉バルブ 67 圧送ポンプ 68 泥水ホース 70 ゲート板 71 油圧シリンダ 74 スクリューコンベヤ 76 オーガ 78 進退機構 T 本線トンネル Ta 分岐線トンネル
フロントページの続き (72)発明者 別府 恵三 神戸市中央区東川崎町1丁目1番3号 川崎重工業株式会社 神戸本社内 (72)発明者 松本 憲 東京都千代田区三番町2番地 飛島建設 株式会社内 (72)発明者 鈴木 英之 東京都千代田区三崎町2丁目5番3号 鉄建建設株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−165885(JP,A) 実開 昭58−194288(JP,U) 特公 平7−11239(JP,B2) 特公 平4−2159(JP,B2) 実公 平1−44632(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 9/06 301 E21D 9/12

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シールド掘進機で本線トンネルを掘進し
    ていき、本線トンネルの途中の分岐地点においてシール
    ド掘進機から分岐シールド掘進機を分岐発進させる分岐
    シールド掘進方法において、 分岐シールド掘進機を分岐発進させる際に、分岐シール
    ド掘進機の胴部材を逐次追加しながら分岐発進させる段
    階においては、分岐シールド掘進機で掘削した土砂をチ
    ャンバー内で泥水化して泥水式排土装置により排出し、 分岐シールド掘進機の胴部材の追加が完了した段階にお
    いては、泥水式排土装置を撤去し、その泥水式排土装置
    の代わりに土圧式排土装置を取り付け、泥水式排土装置
    の排水用泥水ホースを接続していた吸入口に土圧式排土
    装置を接続し、土砂を土圧式排土装置により排出する、 ことを特徴とする分岐シールド掘進方法。
  2. 【請求項2】 前記分岐シールド掘進機のチャンバーを
    画成する仕切壁に、泥水式排土装置の吸入口を開閉可能
    なゲート機構を予め設けておき、 前記泥水式排土装置を土圧式排土装置に付け換える際に
    は、前記ゲート機構を閉状態にしてから付け換えること
    を特徴とする請求項1に記載の分岐シールド掘進方法。
  3. 【請求項3】 前記ゲート機構を閉状態にした状態にお
    いて土圧式排土装置に付け換え、次に前記ゲート機構を
    開状態にしてから土圧式排土装置のスクリューコンベヤ
    のオーガをチャンバー側へ移動させてオーガの先端部を
    チャンバー内に突出させることを特徴とする請求項2に
    記載の分岐シールド掘進方法。
  4. 【請求項4】 シールド掘進機で本線トンネルを掘進し
    ていき、本線トンネルの途中の分岐地点においてシール
    ド掘進機から分岐シールド掘進機を分岐発進させる分岐
    掘進可能なシールド掘進機において、 分岐シールド掘進機を分岐発進させる際に、分岐シール
    ド掘進機の胴部材を逐次追加しながら分岐発進させる段
    階において分岐シールド掘進機に装備される泥水式排土
    装置、及び、分岐シールド掘進機の胴部材の追加が完了
    した段階において泥水式排土装置を撤去後に泥水式排土
    装置の排水用泥水ホースを接続していた吸入口に接続さ
    れる土圧式排土装置と、分岐シールド掘進機のチャンバ
    ーを画成する仕切壁に泥水式排土装置の吸入口を開閉可
    能に設けられたゲート機構と、 を備えたことを特徴とする分岐掘進可能なシールド掘進
  5. 【請求項5】 記土圧式排土装置は、泥水式排土装置
    の撤去後に前記吸入口に接続されるスクリューコンベヤ
    を有することを特徴とする請求項4に記載の分岐掘進可
    能なシールド掘進機。
  6. 【請求項6】 前記スクリューコンベヤに、そのオーガ
    の先端部をチャンバー内へ突出させる為にオーガを所定
    距離進退可能にした進退機構を設けたことを特徴とする
    請求項に記載の分岐掘進可能なシールド掘進機。
  7. 【請求項7】 前記ゲート機構は、両開き式の1対のゲ
    ート板と、これらゲート板を開閉駆動する1対の油圧シ
    リンダとを有することを特徴とする請求項4〜の何れ
    かに記載の分岐掘進可能なシールド掘進機。
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