JP3001884B1 - 分岐シ―ルド掘進方法及び分岐シ―ルド用仕切り装置 - Google Patents

分岐シ―ルド掘進方法及び分岐シ―ルド用仕切り装置

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JP3001884B1
JP3001884B1 JP5726899A JP5726899A JP3001884B1 JP 3001884 B1 JP3001884 B1 JP 3001884B1 JP 5726899 A JP5726899 A JP 5726899A JP 5726899 A JP5726899 A JP 5726899A JP 3001884 B1 JP3001884 B1 JP 3001884B1
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  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)

Abstract

【要約】 【課題】分岐シールド掘進機内に裏込め材が侵入するの
を防止して分岐掘進を好適に行い、裏込め材が泥水ある
いは加泥材内に侵入するのを確実に防止することが可能
な分岐シールド掘進方法及び分岐シールド用仕切り装置
を提供する。 【解決手段】発進口リング32のトンネル周面側の開口
周縁部に複数の板バネ33を環状に配設してなる仕切り
装置34を予め設け、分岐シールド掘進機30の分岐発
進に際して、前記複数の板バネ33を発進口リング32
から分岐線トンネルTaの分岐方向にトンネル周面の地
山まで弾性的に突出させて発進口リング32の内部と外
部とを仕切るようにしたので、分岐シールド掘進機30
内に裏込め材57が侵入するのを防止することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、分岐シールド掘
進方法及び分岐シールド用仕切り装置に関し、特に、分
岐シールド掘進機内への裏込め材の侵入を防止して分岐
掘進を好適に行うことが可能なシールド掘進技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】 本願出願人は、特開平8−16588
3号〜165885号公報に示すように、前記のような
分岐掘進可能なシールド掘進機を提案した。特に、特開
平8−165884号公報に示すシールド掘進機は、前
胴と中胴と後胴とを有し、前胴にはカッターディスクと
カッター駆動手段が装備され、後胴の内部にはセグメン
ト組立装置が装備され、前胴の後部および中胴と後胴と
の接続部には夫々中折れ部が設けられている。中胴は、
その全長に亙って3重構造で、最も内側の分岐用窓孔が
形成された内胴(内側スキンプレート)と、その外側の
外胴とからなる。外胴は、内胴に摺動可能に外嵌され小
径連結胴部材と、この小径連結胴部材の後部の外面側に
固定された後胴部材と、前胴に中折れ部を介して連結さ
れた前胴テール部(前胴部材)であって小径連結胴部材
に摺動自在に外嵌された前胴テール部とで構成されてい
る。
【0003】前後の中折れ部には夫々1対の中折れジャ
ッキが装備され、前胴の後部の内側には複数の切羽側シ
ールドジャッキが装備されるとともに、後側の中折れ部
の内側には複数の立坑側シールドジャッキが装備されて
いる。内胴の内側には、分岐用窓孔に通ずるエントラン
ス通路を形成する短筒状の発進口リングが固着され、こ
の発進口リングに分岐シールド掘進機が予め装備されて
おり、掘削した土砂を泥水化して本線トンネルの基端の
立坑側へ排出する泥水式排土装置も設けられている。
【0004】前記各公報のシールド掘進機においては、
本線トンネルの掘進時には、既設のセグメントを反力受
けとして複数の立坑側シールドジャッキのピストンロッ
ドから中胴の内胴に推力を伝達し、内胴を介して前胴に
推力を伝達して本線トンネルのシールド掘進を行う。本
線トンネルの途中の分岐地点において、立坑側シールド
ジャッキの駆動を停止し切羽側シールドジャッキを駆動
させて本線トンネルの掘削を続ける。即ち、内胴を反力
受けとして切羽側シールドジャッキにより前胴と外胴と
を推進し、外胴の推進によりこの外胴の後端が分岐用窓
孔を通り越して分岐用窓孔を開口する。
【0005】分岐用窓孔の開口時には、分岐用窓孔に臨
む地山が本線トンネル内へ崩壊するのを防止するため、
分岐用窓孔の内側に発進口リングを取付け、発進口リン
グ内に分岐シールド掘進機の先端を嵌入して設置し発進
口リング内の先端部には、エントランスパッキンを予め
取り付けておき、発進口リングの内側空間のうちの分岐
シールド掘進機よりも分岐方向前進側に泥水あるいは加
泥材を充填しておく。本線トンネルにおいて、シールド
掘進機の胴部材の外側と地山との間には、裏込め材が注
入され、この裏込め材により本線トンネルの地山の沈下
を防止し、且つ、分岐発進の際の反力受けに利用され
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】 前記公報のシールド
掘進機においては、分岐用窓孔の開口時に、前記裏込め
材が発進口リングの内側空間に侵入して泥水あるいは加
泥材に混入する。ところで、この裏込め材は強固で且つ
付着性を有するため、裏込め材が分岐シールド掘進機の
カッターディスク内とチャンバー内に侵入すると、分岐
発進時の土砂の流れが停滞し停滞した土砂がカッターデ
ィスク内等を閉塞してしまう。それ故、カッタートルク
が異常に大きくなったり、分岐掘進時の推力が過大にな
ってしまう。更にカッターディスクの面板等を損傷して
しまう慮があった。
【0007】尚、裏込め材が泥水あるいは加泥材内に侵
入するのを防止するため、泥水あるいは加泥材の圧力を
裏込め材の圧力よりも高くする方法等が採用されている
が、実質的に双方の境界線上にて、泥水あるいは加泥材
の圧力を裏込め材の圧力よりも高く保持するのは困難で
あり、忽ち圧力バランスが崩れて裏込め材が泥水あるい
は加泥材内に侵入してしまう。
【0008】本発明の目的は、分岐シールド掘進機内に
裏込め材が侵入するのを防止して分岐掘進を好適に行う
こと、裏込め材が泥水あるいは加泥材内に侵入するのを
確実に防止すること、等である。
【0009】
【課題を解決するための手段】 請求項1の分岐シール
ド掘進方法は、シールド掘進機で本線トンネルを掘進し
ていき、本線トンネルの途中の分岐地点においてシール
ド掘進機の発進口リングから分岐シールド掘進機を分岐
発進させる分岐シールド掘進方法において、前記発進口
リングのトンネル周面側の開口周縁部に複数の板バネを
環状に配設してなる仕切り装置を予め設け、分岐シール
ド掘進機の分岐発進に際して、前記複数の板バネを発進
口リングから分岐線トンネルの分岐方向にトンネル周面
の地山まで弾性的に突出させて発進口リングの内部と外
部とを仕切ることを特徴とするものである。
【0010】本線トンネルを掘進していき、本線トンネ
ルの途中の分岐地点において、発進口リングを開口させ
て、仕切り装置の複数の板バネを、発進口リングから分
岐線トンネルの分岐方向にトンネル周面の地山まで弾性
的に突出させる。その後分岐シールド掘進機と、反力支
持や排土の為の分岐発進用設備等を設置し、発進口リン
グの内部と外部とを複数の板バネでもって仕切った状態
で分岐線トンネルを掘進することができる。
【0011】請求項2の分岐シールド掘進方法は、請求
項1の発明において、前記分岐シールド掘進機の分岐発
進に際して、前記発進口リングの内側空間のうちの分岐
シールド掘進機よりも分岐方向前進側に泥水あるいは加
泥材を充填し、前記シールド掘進機の胴部材の外側に裏
込め材を注入し、前記泥水又は加泥材の圧力を裏込め材
の圧力よりも高く保持することを特徴とするものであ
る。
【0012】分岐線トンネルの掘進に際し、前記仕切り
装置の複数の板バネでもって発進口リングの内部と外部
とが仕切られ、内部の泥水又は加泥材により地山が本線
トンネル内へ崩壊するのを防止することができ、外部の
裏込め材により本線トンネルの地山の沈下を防止するこ
とができる。また、裏込め材は、分岐発進の際の反力受
けに利用される。しかも、内部の泥水又は加泥材の圧力
が、外部の裏込め材の圧力よりも高く保持されるので、
裏込め材が発進口リングの内部に殆ど侵入することはな
く、分岐シールド掘進機内にも殆ど侵入しない。また、
仕切り装置により泥水又は加泥材と、裏込め材との境界
線上の圧力バランスが崩れにくくなり圧力差が長く保持
される。尚、加泥材は、地山から流入する水と協働して
泥水状流動体を発生させるものである。
【0013】請求項3の分岐シールド用仕切り装置は、
シールド掘進機で本線トンネルを掘進していき、本線ト
ンネルの途中の分岐地点においてシールド掘進機の発進
口リングから分岐シールド掘進機を分岐発進させる分岐
掘進可能なシールド掘進機において、前記発進口リング
のトンネル周面側の開口周縁部に複数の板バネを環状に
配設してなる仕切り装置を設け、分岐シールド掘進機の
分岐発進に際して、前記仕切り装置の複数の板バネを発
進口リングから分岐線トンネルの分岐方向にトンネル周
面の地山まで弾性的に突出させて発進口リングの内部と
外部とを仕切るように構成したことを特徴とするもので
ある。
【0014】本線トンネルの途中の分岐地点において、
発進口リングを開口させて仕切り装置の複数の板バネ
を、この発進口リングから前記分岐方向にトンネル周面
の地山まで弾性的に突出させる。複数の板バネにより発
進口リングの内部と外部とが遮断されて外部の裏込め材
が発進口リングの内部に侵入するのを極力防止すること
ができる。
【0015】請求項4の分岐シールド用仕切り装置は、
請求項3の発明において、前記仕切り装置の複数の板バ
ネ同士が周方向に部分的にラップする状態に設けられた
ことを特徴とするものである。それ故、仕切り装置の遮
断効果が一層高まり、隣接する板バネ間から裏込め材が
漏れにくくなる。
【0016】請求項5の分岐シールド用仕切り装置は、
請求項4の発明において、前記発進口リングの開口部が
開口されない状態では前記複数の板バネの各々はL形に
弾性変形した状態に設けられたことを特徴とするもので
ある。複数の板バネの各々は、前記開口部が開口された
状態で、弾性復元力でストレートに形状を復帰させ地山
まで突出させることができる。
【0017】請求項6の分岐シールド掘進方法は、シー
ルド掘進機で本線トンネルを掘進していき、本線トンネ
ルの途中の分岐地点においてシールド掘進機の発進口リ
ングから分岐シールド掘進機を分岐発進させる分岐シー
ルド掘進方法において、前記発進口リングのトンネル周
面側の開口周縁部の付近に流体圧で膨張可能な環状のシ
ール部材を配置してなる仕切り装置を予め設け、分岐シ
ールド掘進機の分岐発進に際して、前記仕切り装置のシ
ール部材を流体圧でトンネル周面の地山まで膨張させて
発進口リングの内部と外部とを仕切ることを特徴とする
ものである。
【0018】本線トンネルを掘進していき、本線トンネ
ルの途中の分岐地点において、発進口リングを開口させ
ると共に、仕切り装置のシール部材を流体圧でトンネル
周面の地山まで膨張させる。その後分岐シールド掘進機
と、反力支持や排土の為の分岐発進用設備等を設置し、
発進口リングの内部と外部とをシール部材でもって仕切
った状態で分岐線トンネルを掘進することができる。
【0019】請求項7の分岐シールド用仕切り装置は、
シールド掘進機で本線トンネルを掘進していき、本線ト
ンネルの途中の分岐地点においてシールド掘進機の発進
口リングから分岐シールド掘進機を分岐発進させる分岐
掘進可能なシールド掘進機において、前記発進口リング
のトンネル周面側の開口周縁部の付近に流体圧で膨張可
能な環状のシール部材を配置してなる仕切り装置を設
け、分岐シールド掘進機の分岐発進に際して、前記仕切
り装置のシール部材を流体圧でトンネル周面の地山まで
膨張させて発進口リングの内部と外部とを仕切るように
構成したことを特徴とするものである。
【0020】本線トンネルの途中の分岐地点において、
発進口リングを開口させつつ仕切り装置のシール部材
を、流体圧でトンネル周面の地山まで膨張させる。この
シール部材により発進口リングの内部と外部とが遮断さ
れて外部の裏込め材が発進口リングの内部に侵入するの
を極力防止することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。最初に、本線シールド掘進
機について説明し、その後、分岐シールド用仕切り装置
について説明する。但し、以下の説明は分岐シールド掘
進方法についての説明をも含む。
【0022】この実施形態に係る分岐掘進可能なシール
ド掘進機は、種々のトンネル(上水用のトンネル、下水
用トンネル、ケーブル用トンネル、その他種々のトンネ
ル)の本線トンネルを本線シールド掘進機で掘進してい
き、所定の分岐地点に到達したときに、中胴の分岐用窓
孔から分岐シールド掘進機を分岐発進させて分岐線トン
ネルを掘進し、それと並行して本線トンネルを本線シー
ルド掘進機で掘進していくシールド掘進機である。尚、
本実施形態における本線シールド掘進機と分岐シールド
掘進機は、共に土圧式シールド方式でトンネルを掘削し
ていくが、泥水式シールド方式でトンネルを掘削してい
く分岐掘進可能なシールド掘進機にも本発明を略同様に
適用可能である。
【0023】図1、図2に示すように、本線シールド掘
進機1は、前胴2と、この前胴2に連結された中胴3
と、中胴3の後端部に連結された後胴4とを備え、前胴
2の前端部にはカッターディスク5が装備され、前胴2
の内部にはカッターディスク5を駆動するカッター駆動
機構6が装備されている。カッターディスク5とカッタ
ー駆動機構6としては従来公知のものを適用でき、カッ
ター駆動機構6の複数のモータ6aでカッターディスク
5を正逆回転駆動し、本線トンネルTの切羽の地盤を掘
削する。
【0024】図1、図2に示すように、前胴2の後端部
内にはエレクター装置用のエレクタフレーム7が固着さ
れ、後胴4の前端部内にはエレクター装置8(エレクタ
ドラム8aとエレクタ本体8bとを有する)が装備さ
れ、分岐線トンネルの分岐後にはエレクター装置8のエ
レクタ本体8bを前側のエレクタフレーム7に取付ける
ことでエレクター装置8として使用する。尚、後胴4内
には、トンネル内面に組付けたセグメントSを真円状に
保形する真円保持装置9が装備され、この真円保持装置
9は分岐線トンネルの分岐後に前側の所定位置へ移設さ
れる。
【0025】本線シールド掘進機1には、カッターディ
スク5で掘削したズリと称される掘削土砂を地上まで搬
出する排土装置10が設けられ、この排土装置10は、
本線シールド掘進機1内に装備されたスクリューコンベ
ヤ10aとゲート10bとスクリューコンベヤ10c
と、その後方に連なり既設の本線トンネルT内をその掘
進開始端側の立坑まで延びる排土コンベヤ(図示略)と
を備えている。本実施形態において土圧式シールド方式
が適用されている関係上、排土装置10は、掘削土砂を
泥水化することなく土砂のまま搬送するものである。但
し、泥水式シールド方式を適用する場合には、掘削土砂
を泥水状態にして搬送する排土装置が適用される。
【0026】図1〜図4に示すように、前胴2の内周側
には複数(例えば、20本)のシールドジャッキ11が
装備され、中胴3の後部の内周側には複数(例えば、1
0本)のシールドジャッキ12が取外し可能に装備さ
れ、中胴3の前部の内周側には複数(例えば、20本)
の推力伝達管13が取外し可能に装備されている。各組
の推力伝達管13とシールドジャッキ12とは直列状に
配設され、この各組の推力伝達管13とシールドジャッ
キ12に対して、それに対応する前側のシールドジャッ
キ11もほぼ直列状に配設されている。
【0027】分岐線トンネルの分岐前に本線トンネルT
を掘進していく際には、後側のシールドジャッキ12に
より発生させた推力を、推力伝達管13と前側のシール
ドジャッキ11を介して前胴2に伝達して本線シールド
掘進機1を掘進させる。また、分岐線トンネルの分岐
後、所定距離だけ本線トンネルTを掘削した後は、推力
伝達管13とシールドジャッキ12とを取外し、前側の
シールドジャッキ11で発生させた推力で本線シールド
掘進機1を掘進させる。
【0028】次に、中胴3とそれに関連する構造につい
て説明する。図1〜図5に示すように、中胴3は、内胴
14と、この内胴14の外側に2重筒状に摺動可能に外
装された外胴15と、前胴2の後端に一体的に連結され
た前胴テール部16とを主体として構成されている。外
胴15は、その後部約1/2部分を形成する厚肉の外胴
本体17と、この外胴本体17の前端部から前方へ延び
前胴テール部16の内側に2重筒状に摺動可能に内嵌さ
れた外胴内筒部18とを主体として構成されている。前
胴テール部16の後端部分の内面側にはテールシール1
9が設けられ、内胴14の前端部と外胴内筒部18との
間には2つの環状のシール20が設けられ、内胴14の
後端部と外胴内筒部18との間には2つの環状のシール
21が設けられている。
【0029】図5に示すように、前胴2の後端付近部に
は、シールドジャッキ11を取付ける為の環状リブ22
が設けられ、この環状リブ22には、内胴14を連結す
る為の環状接続体23が設けられている。内胴14の前
端部には環状の接続フランジ24が設けられ、この接続
フランジ24を環状接続体23に分離可能に連結する第
1連結機構25は、環状接続体23と接続フランジ24
との間に配設された複数の連結ブラケット25aと、こ
れら連結ブラケット25aを介して環状接続体23と接
続フランジ24とを連結する複数のボルト・ナット(図
示略)とで構成されている。外胴15の外胴内筒部18
の前端付近部を前胴テール部16の内面に分離可能に連
結する第2連結機構26は、外胴内筒部18の外周面に
環状溝を形成して薄肉化した薄肉部からなり、この薄肉
部を内側から溶断することで第2連結機構26の連結が
解除される。
【0030】図5に示すように、後胴4の前端部には環
状の接続フランジ27が設けられ、内胴14の後端部に
は断面略L形の環状のフランジ部材28が設けられ、フ
ランジ部材28と接続フランジ27とを当接させ、これ
らにシールドジャッキ12のジャッキ本体が挿通されて
取付けフランジ12aにより固定され、接続フランジ2
7とフランジ部材28はシールドジャッキ12とその取
付けフランジ12aを介して複数のボルト・ナットによ
り分離可能に連結されている。シールドジャッキ12の
ピストンロッドの先端には、本線トンネルTの内面のセ
グメントSの前端を後方へ押すスプレッダー29が設け
られている。
【0031】次に、分岐シールド掘進機を分岐発進させ
る為の構造と、分岐シールド用仕切り装置について説明
する。図1〜図5に示すように、中胴3の内胴14の掘
進方向に向かって右側の側壁部には、分岐シールド掘進
機30(図23参照)を発進させるための分岐用窓孔3
1が形成されており、内胴14の内面には、分岐用窓孔
31に連通する水平なエントランス通路32aを形成す
る短筒状の発進口リング32が直角状に溶接接合されて
いる。この発進口リング32は、本線シールド掘進機1
内に配設される排土装置10等と干渉しないように、中
胴3内の右側1/3の幅部分内に納まるように短く形成
されている。
【0032】分岐線トンネルを本線トンネルTの右側以
外の側部から発進させる場合もあり、その場合には分岐
用窓孔31も発進口リング32も分岐発進する部位に対
応する側部に設けられる。尚、複数組の推力伝達管13
とシールドジャッキ12のうちの一部の複数組の推力伝
達管13とシールドジャッキ12とは、発進口リング3
2を貫通する状態に配設されている。
【0033】図3、図8〜図11に示すように、発進口
リング32には、複数の板バネ33を有する仕切り装置
34が設けられており、これら板バネ33は、短冊状に
形成されて発進口リング32のトンネル周面側の開口周
縁部に環状に配設されている。すなわち、各板バネ33
は、その長さ方向の外側部分約2/3がやや幅広に形成
され長さ方向の内側部分約1/3がやや幅狭に形成され
この幅狭部分が1対の板体35で挟持され、この状態で
1対の板体35と板バネ33とが共に複数のビス36で
もって固定されている。板バネ33の長さ方向の外側部
分約1/2が、発進口リング32の開口周縁部から突出
するように、且つ、周方向に隣接する板バネ33同士が
周方向に部分的にラップする状態になるように、板体3
5の下端が発進口リング32の内周面に溶接接合されて
いる。
【0034】図8〜図10に示すように、複数の板バネ
33の各々は、発進口リング32の開口部が開口されな
い状態ではL形に弾性変形した状態に設けられている。
複数の板バネ33の各々は、発進口リング32の開口部
が開口された状態では分岐線トンネルの分岐方向にトン
ネル周面の地山まで弾性的に突出させて発進口リング3
2の内部と外部とを仕切るようになっている(図10参
照)。
【0035】図8、図10に示すように、発進口リング
32の内周面には環状凹部32bが形成され、この環状
凹部32bに環状のエントランスパッキン37が装着さ
れている。エントランスパッキン37は、環状凹部32
bの奥側に配設された可撓性の環状弾性膜部材38と、
この環状弾性膜部材38の内周側に位置して環状凹部3
2bに配設された環状シール部材39と、環状弾性膜部
材38の先端部と基端部とを夫々環状凹部32bに固定
する環状の止め金具40,41及び連結具とを有し、環
状シール部材39の基端部は止め金具40で環状弾性膜
部材38に固定されている。
【0036】図8、図10に示すように、環状凹部32
bと環状弾性膜部材38との間に加圧水を供給する加圧
水注入管及び加圧水注入源を含む加圧水注入機構(図示
略)を備え、この加圧水注入機構により、環状凹部32
bと環状弾性膜部材38の間に加圧水を注入して環状弾
性膜部材38と環状シール部材39とを外側に膨らんだ
状態に弾性変形させ、発進口リング32の内周面と、分
岐シールド掘進機30の前胴42の外周面との間を液密
にシールする。
【0037】ここで、分岐用窓孔31を開いて本線トン
ネルTの地山に臨ませる機構について説明する。本線ト
ンネルTを掘進していき、分岐用窓孔31が分岐地点に
到達した際に、第1連結機構25を分離して本線シール
ド掘進機1を掘進させると、図6に示すように、内胴1
4と後胴4とが分岐地点に停止したまま、本線シールド
掘進機1の前中部シールド掘進機(前胴2とその付帯設
備と前胴テール部16と外胴15とを含む)が前進し
て、分岐用窓孔31が開き地山に臨んだ状態になる。そ
の後、第2連結機構26を分離してシールド掘進機を掘
進させると、図7に示すように、外胴15が停止したま
ま、本線シールド掘進機1の前部シールド掘進機(前胴
2とその付帯設備と前胴テール部16とを含む)が前進
していく。分岐線トンネルについては、以上と並行的に
分岐シールド掘進機30による分岐掘進が実行される。
【0038】以上説明した本線シールド掘進機1で本線
トンネルTを掘進していき分岐地点から分岐シールド掘
進機30で分岐掘進する場合の工程と、分岐シールド用
仕切り装置34の作用について説明する。図12に示す
ように、第1工程において、分岐用窓孔31が分岐地点
に到達した時点で、本線シールド掘進機1を停止させ、
この本線シールド掘進機1の胴部材と地山との間に裏込
め材57(モルタル等)を注入する。
【0039】図13、図14に示すように、第2工程に
おいて、スクリューコンベヤ10a,10c間のゲート
10bを遮断後、後部スクリューコンベヤ10cを取り
外す。本線シールド掘進機1の後退を防止する為に、複
数の反力受け43を、後胴4の内側のセグメントSの前
端と後胴4の接続フランジ27との間に装着すると共
に、例えば6本の反力伝達管44を、推力伝達管13と
シールドジャッキ12とを直列化した直列体の間に位置
するように取付ける。
【0040】このように、複数の反力受け43と6本の
反力伝達管44とで、本線シールド掘進機1の後退を防
止してから、全部の推力伝達管13と後側のシールドジ
ャッキ12を取外し、後部作業デッキ用支柱45(図1
参照)等を取外す。更に、後部のエレクタ本体8bを取
外して前部のエレクタフレーム7に移設する。また、発
進口リング32には、推力伝達管13とシールドジャッ
キ12を取外した複数の穴が空くので、それらの穴に盲
板32cを溶接することで穴を塞ぐ。以上の準備作業の
後、受け台46を外部から搬入して発進口リング32の
入口側の所定位置にセットしてから、分岐シールド掘進
機30の先端側の第1分割体30A(前部胴47とその
カッターディスク48とカッター駆動機構49とを含
む)(図20参照)を外部より搬入して受け台46上に
セットし、発進口リング32に対向状に配置する。
【0041】図15、図16に示すように、第3工程に
おいて、本線シールド掘進側では、本線トンネルTの内
面を覆工する特殊セグメントSa(図18参照)を搬入
する為の搬送設備(これは、ホイストレール50とホイ
スト等からなる)を取付け、本線シールド掘進機1で掘
削した土砂を既設の本線トンネルT内の排土コンベヤま
で搬送する仮排土設備(スクリューコンベヤやベルトコ
ンベヤ)を取付ける。一方、分岐シールド掘進側では、
分岐シールド掘進機30の第1分割体30Aを複数の仮
シールドジャッキ51により発進口リング32の方へ移
動させ、その前端部分を発進口リング32に挿入し、固
定機構52(複数の連結金物と複数のボルト・ナット
等)により発進口リング32に分離可能に固定する。こ
の状態において、発進口リング32の本線トンネル中心
側端部の内面に予め装備されたエントランスパッキン3
7を作動させ、発進口リング32の内周面と、分岐シー
ルド掘進機30の前胴42の外周面との間を液密にシー
ルする。
【0042】次に、発進口リング32の内側空間のうち
の内胴14と第1分割体30Aとの間のチャンバーに加
泥材53(これは、地山から流入する水と協働して泥水
状流動体を発生させるものである。但し、泥水式シール
ド方式を適用する場合には、泥水)を充填し、分岐シー
ルド掘進機30の排土装置の一部分であるスクリューコ
ンベヤ54の先端部に固結剤55(後に加水等により流
動化可能な封止剤である)を注入する。但し、図17に
示すように、分岐シールド掘進機30の排土装置のスク
リューコンベヤ54Aがゲート56を有する場合には、
固結剤を注入せずにゲート56を遮断するだけでよい。
【0043】図18、図19に示すように、第4工程に
おいて、本線シールド掘進側では、第1連結機構25の
連結を解除し、前側のシールドジャッキ11を作動さ
せ、6本の推力伝達管13と特殊セグメントSaとで反
力を受けながら掘進を進め、本線シールド掘進機1の前
中部シールド掘進機(前胴2とその付帯設備と前胴テー
ル部16と外胴15を含む)を後胴4と内胴14を停止
させたまま前進させ、分岐用窓孔31を地山に開口させ
る。
【0044】図10、図11に示すように、L形に弾性
変形した状態に設けられた複数の板バネ33は、分岐用
窓孔31の開口により発進口リング32から分岐線トン
ネルの分岐方向にトンネル周面の地山まで弾性的に突出
し、これら板バネ33により発進口リング32の内部と
外部とを仕切る。次に、先に発進口リング32の内側空
間に充填した加泥材53の圧力を、本線シールド掘進機
1の胴部材と地山との間に注入済の裏込め材57の圧力
よりも高く保持する。つまり、発進口リング32の内部
と外部とを複数の板バネ33により仕切っているので、
加泥材53の圧力を裏込め材57の圧力よりも高く保持
することができる。尚、この状態において、前中部シー
ルド掘進機は外胴15の内面に覆工された特殊セグメン
トSaで受け止められて後退しない。
【0045】図20に示すように、第5工程において、
分岐シールド掘進側では、スクリューコンベヤ54にそ
の駆動部58を取付け、その駆動部58に続くように、
仮排土装置(駆動部58に接続されるゴムホースとロー
タリポンプ)を接続する。但し、図17に示すゲート付
きのスクリューコンベヤ54Aの場合はゲート56を開
く。また、分岐シールド掘進機30の反力を受ける複数
の反力受け台59を内胴14の内面に取付ける。
【0046】図21に示すように、第6工程において、
分岐シールド掘進側では、固定機構52の固定を解除す
ると共に、仮シールドジャッキ51の反力を反力受け台
59で受けつつ、分岐シールド掘進機30の第1分割体
30Aを仮発進させて分岐線トンネルの掘進を開始し、
所定距離掘進してから停止させ、前部胴47を固定機構
52により発進口リング32に固定する。次に、分岐シ
ールド掘進機30の第2分割体30Bである中折れ部6
0を外部から搬入して前部胴47に部分球面状の球面係
合を介して連結する。尚、中折れ部60の内面側には複
数のシールドジャッキ61と1対の中折れ部(図示略)
が装備されている。
【0047】分岐線トンネルTaの掘進に際し、仕切り
装置34でもって発進口リング32の内部と外部とが仕
切られ、しかも、この内部の加泥材53の圧力が、外部
の裏込め材57の圧力よりも高く保持されているので、
裏込め材57が発進口リング32の内部に殆ど侵入する
ことはなく、分岐シールド掘進機30内にも侵入しな
い。それ故、分岐掘進時の土砂の流れが停滞することも
なく、以下の工程においても同様、好適に分岐線トンネ
ルTaの掘進を行うことができる。
【0048】図22に示すように、第7工程において、
分岐シールド掘進側では、前部胴47の固定を解除し、
分岐シールド掘進機30の第1,第2分割体30A,3
0Bを仮発進させて分岐線トンネルTaを掘削し、所定
距離掘進してから停止させ、中折れ部60を固定機構5
2により発進口リング32に固定する。次に、仮シール
ドジャッキ51を取外して、正規のシールドジャッキ6
1を作動可能状態に切換える。そして、分岐シールド掘
進機30の第3分割体30Cである後胴部62を外部か
ら搬入し、その後胴部62を中折れ部60の後端に溶接
接合する。
【0049】次に、エレクター装置63を外部から搬入
して後胴部62内に装着し、必要に応じてこのエレクタ
ー装置63により、内胴14内に仮セグメントSbを組
付ける。但し、仮セグメントSbの一部には、交通や器
材搬送や排土搬送の為のアクセス開口64が形成され
る。尚、内胴14内に仮セグメントSbを組付けるのに
代えて、反力受け部材を暫定的に設けてもよい。
【0050】図23に示すように、第8工程において、
分岐シールド掘進側では、中折れ部60の固定を解除し
て分岐シールド掘進機30を仮発進させて分岐線トンネ
ルTaを掘進し、掘進と並行して仮セグメントSbを組
付け、所定距離掘進してから、仮セグメントSbを解体
し、仮の反力受け部材(図示略)を取付ける。また、仮
排土装置を取外して正規のスクリューコンベヤ54Bを
接続し、分岐シールド用の後方設備を分岐線トンネルT
a内に連結し、分岐シールドの本掘進前のその他の準備
作業を完了する。尚、図26には、分岐シールド本掘進
状態における分岐シールド掘進機30が示されている。
【0051】図6、図24に示すように、第9工程にお
いて、外胴内筒部18の前端付近部の内面側に環状止め
板65を溶接接合し、その環状止め板65により特殊セ
グメントSaの前端側を規制する。次に、外胴内筒部1
8の前端付近部を前胴テール部16に連結している第2
連結機構26の薄肉部を溶断することで、前胴テール部
16と外胴内筒部18とを分離する。また、前部のシー
ルドジャッキ11のピストンロッドの先端部に、後側の
シールドジャッキ12に装備していた正規のスプレッダ
ー29を取付ける。
【0052】図25に示すように、第10工程におい
て、本線シールド掘進側では、本線シールド掘進機1の
前部シールド掘進機1A(前胴2とその付帯設備と前胴
テール部16を含む)を仮発進させ、エレクター装置8
で正規のセグメントSを組付けながら前側のシールドジ
ャッキ11で推進しつつ掘進を行い、外胴15を分離し
て停止位置に残した状態にする。その後、本線シールド
用の後方設備を本線トンネルT内に連絡し、本線シール
ドの本掘進前のその他の準備作業を完了する。尚、前記
後方設備には、排土装置10の一部であるスクリューコ
ンベヤ10c(図26参照)も含む。尚、図26、図2
7には、本線シールド本掘進状態における前部シールド
掘進機1Aが示されている。
【0053】次に、分岐シールド用仕切り装置の別実施
形態について説明する(図28〜図30)。但し、分岐
シールド掘進機を分岐発進させる為の構造については同
一構造であるので省略し、且つ前記実施形態と同じ部材
には同符合を付して適宜説明を省略する。図28、図2
9に示すように、発進口リング32のトンネル周面側の
開口周縁部付近には、環状の分岐シールド用仕切り装置
34Aが設けられ、仕切り装置34Aは環状のシール部
材70と凹溝71と加圧水とを有する。即ち、中胴3の
内胴14には、発進口リング32の前記開口周縁部から
外側に適当長さおいて環状に連なる凹溝71が形成さ
れ、この凹溝71にシール部材70が固定され収容され
ている。
【0054】凹溝71の幅方向の両側には、長さ方向適
当間隔置きにボルト72が配設され、これらボルト72
でもってシール部材70が凹溝71に固定され、シール
部材70と凹溝71との間には、環状に連なる加圧水収
容室を成している。凹溝71の底部には孔部71aが形
成され、ポンプ、モータなどを含む加圧水供給源は、管
路73を介してこの孔部71aに接続されており、シー
ル部材70と凹溝71との間の加圧水収容室内に加圧水
を供給し、シール部材70をトンネル周面の地山まで膨
張させる。尚、シール部材70は、常時は凹溝71に収
縮状態にて収容されている。74はバルブ、75は圧力
計である。
【0055】以上説明した仕切り装置34Aによれば、
図30に示すように、本線トンネルの途中の分岐地点に
おいて、発進口リング32を開口させると共に、加圧水
供給源からシール部材70と凹溝71との間の加圧水収
容室内に加圧水を供給し、シール部材70をトンネル周
面の地山まで膨張させる。その後分岐シールド掘進機3
0と、反力支持や排土の為の分岐発進用設備等を設置
し、発進口リング32の内部と外部とをシール部材70
でもって仕切った状態で分岐線トンネルTaを掘進する
ことができる。このとき、特にシール部材70が地山の
凹凸を埋めるように圧接して発進口リング32の内部と
外部とを確実に仕切ることができる。
【0056】分岐線トンネルTaの掘進に際し、前記実
施形態と同様に、仕切り装置34Aでもって発進口リン
グ32の内部と外部とが仕切られ、しかも、この内部の
加泥材53の圧力が、外部の裏込め材57の圧力よりも
高く保持されるので、裏込め材57が発進口リング32
の内部に殆ど侵入することはなく、分岐シールド掘進機
30内にも侵入しない。それ故、分岐掘進時の土砂の流
れが停滞することもなく、以下の工程においても同様、
好適に分岐線トンネルTaの掘進を行うことができる。
【0057】次に、本実施形態を部分的に変更する変更
形態について説明する。 1)分岐用窓孔31すなわち発進口リング32の開口構
造は、前記実施形態に限定されるものではなく、特開平
8−165884号公報に記載の構造など種々の開口構
造を適用可能である。 2)仕切り装置34を備えた発進口リング32を、例え
ば、分岐地点において組付けてもよい。その他分岐線ト
ンネルTaの分岐方向すなわち発進口リング32の配設
方向及び配設位置は、種々の配設方向、配設位置があ
り、前記実施形態に何ら限定されるものではない。
【0058】3)分岐シールド掘進機30の第1分割体
30Aを小型化し、その小型化した第1分割体30Aを
予め内胴14内の発進口リング32に挿入状態に装備し
ておくことも可能である。この場合、カッター駆動機構
49を後付けにて組付けるようにしてもよい。 4)仕切り装置34Aのシール部材70は、通常ゴム製
であるがゴム製以外の例えば布製でもよい。 その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施形
態に種々の変更を付加した形態で実施することも可能で
ある。
【0059】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、仕切り装置を
発進口リングに予め設けたので、裏込め材が、発進口リ
ングの内部と分岐シールド掘進機内に侵入することがな
く、これにより分岐シールド掘進前の準備作業の時間を
短縮できる。仕切り装置の複数の板バネを弾性的に突出
させて発進口リングの内部と外部とを仕切るようにした
ので、仕切り装置には特別な駆動源を必要とせず、その
構造を簡単化でき発進口リングの内部と外部とを確実に
仕切ることができる。
【0060】請求項2の発明によれば、泥水あるいは加
泥材を、発進口リングの内側空間のうちの分岐シールド
掘進機よりも分岐方向前進側に充填したので、分岐掘進
時、地山が本線トンネル内へ崩壊するのを防止すること
ができる。裏込め材を、シールド掘進機の胴部材の外側
に注入したので、本線トンネルの地山の沈下を防止し、
且つ、分岐掘進の際の反力受けを好適に行える。
【0061】前記泥水あるいは加泥材と、裏込め材とが
仕切り装置によって仕切られた状態で、内部の泥水又は
加泥材の圧力が、外部の裏込め材の圧力よりも高く保持
されるので、両者の圧力バランスが崩れにくい。仮に多
少圧力バランスが崩れたとしても発進口リングの内部の
泥水又は加泥材が外部へ流出することになり、裏込め材
は発進口リングの内部に殆ど侵入しない。それ故、分岐
シールド掘進機内にも裏込め材は殆ど侵入しなくなり、
カッタートルクの異常やカッターディスクの損傷等の不
具合が無くなる。よって、分岐シールド掘進機を好適に
稼働させることができ、工期を短縮できると共に分岐シ
ールド掘進機の部品の寿命を著しく延ばすことができ
る。その他請求項1と同様の効果を奏する。
【0062】請求項3の発明によれば、発進口リングを
開口させて仕切り装置の複数の板バネを、この発進口リ
ングから前記分岐方向にトンネル周面の地山まで弾性的
に突出させることで、複数の板バネにより発進口リング
の内部と外部とが遮断されることになり、泥水又は加泥
材と、裏込め材との混入が阻止されることになる。それ
故、泥水又は加泥材と裏込め材の双方を、夫々の特性・
効果を劣化させることなく効果的に使用することができ
る。また、分岐シールド掘進機を好適に稼働させること
ができる。
【0063】請求項4の発明によれば、前記仕切り装置
の複数の板バネ同士が周方向に部分的にラップする状態
に設けられたことで、仕切り装置の遮断効果が一層高ま
り、隣接する板バネ間から裏込め材が漏れにくくなる。
それ故、裏込め材は発進口リングの内部に殆ど侵入せ
ず、分岐シールド掘進機を好適に稼働させることができ
る。その他請求項3と同様の効果を奏する。
【0064】請求項5の発明によれば、前記仕切り装置
の複数の板バネの各々は、発進口リングの開口部が開口
されない状態では、L形に弾性変形した状態に設けられ
ているので、複数の板バネを発進口リングに予め設けて
おくことができ、分岐シールド掘進前の準備作業の時間
を短縮できる。前記開口部が開口された状態で、複数の
板バネの形状を復帰させ地山まで突出させることができ
るので、開口部の開口動作に並行して発進口リングの内
部と外部とを仕切ることができ、前記準備作業を能率的
に行うことができる。その他請求項4と同様の効果を奏
する。
【0065】請求項6の発明によれば、仕切り装置を発
進口リングに予め設けたので、裏込め材が、発進口リン
グの内部と分岐シールド掘進機内に侵入することがな
く、これにより分岐シールド掘進前の準備作業の時間を
短縮できる。仕切り装置のシール部材を流体圧でトンネ
ル周面の地山まで膨張させて発進口リングの内部と外部
とを仕切るようにしたので、シール部材が地山の凹凸を
埋めるように圧接して発進口リングの内部と外部とを確
実に仕切ることができる。
【0066】請求項7の発明によれば、発進口リングを
開口させつつ仕切り装置のシール部材をトンネル周面の
地山まで膨張させることで、このシール部材により発進
口リングの内部と外部とが遮断されることになり、泥水
又は加泥材と、裏込め材との混入が阻止されることにな
る。その他請求項3又は6と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る本線シールド掘進機の
縦断側面図である。
【図2】本線シールド掘進機の縦断平面図である。
【図3】仕切り装置を含む本線シールド掘進機の縦断平
面図である。
【図4】本線シールド掘進機の要部縦断面図である。
【図5】本線シールド掘進機の中胴の要部断面図であ
る。
【図6】中胴の内胴の分岐用窓孔を空けた状態を示す中
胴の要部断面図である。
【図7】前胴テール部と外胴との連結を解いて掘進した
状態における中胴の要部断面図である。
【図8】分岐シールド用仕切り装置を示す本線シールド
掘進機の要部縦断平面図である。
【図9】図8の仕切り装置の要部拡大図である。
【図10】中胴の内胴の分岐用窓孔を空けた状態を示す
仕切り装置の図8相当図である。
【図11】仕切り装置の板バネ配設状態を示す図7のA
−A線端面図である。
【図12】第1工程における本線シールド掘進機の横断
平面図である。
【図13】第2工程における本線シールド掘進機の横断
平面図である。
【図14】第2工程における図3相当図である。
【図15】第3工程における本線シールド掘進機等の横
断平面図である。
【図16】第3工程における第1分割体等の要部縦断面
図である。
【図17】変更例に係る図16相当図である。
【図18】第4工程における本線シールド掘進機等の横
断平面図である。
【図19】第4工程における第1分割体等の要部縦断面
図である。
【図20】第5工程における第1分割体等の要部縦断面
図である。
【図21】第6工程における第1,第2分割体等の要部
縦断面図である。
【図22】第7工程における分岐シールド掘進機等の要
部縦断面図である。
【図23】第8工程における分岐シールド掘進機等の要
部縦断面図である。
【図24】第9工程における前部シールド掘進機等の横
断平面図である。
【図25】第10工程における前部シールドシールド掘
進機等の横断平面図である。
【図26】分岐シールド掘進機の縦断面図である。
【図27】前部シールド掘進機の縦断側面図である。
【図28】別実施形態に係る分岐シールド用仕切り装置
の要部断面図である。
【図29】図28の仕切り装置の拡大図である。
【図30】仕切り装置の作動状態を示す図28相当図で
ある。
【符号の説明】
1 本線シールド掘進機 30 分岐シールド掘進機 32 発進口リング 33 板バネ 34、34A 仕切り装置 53 加泥材 57 裏込め材 70 シール部材 T 本線トンネル Ta 分岐線トンネル
フロントページの続き (72)発明者 別府 恵三 神戸市中央区東川崎町1丁目1番3号 川崎重工業株式会社 神戸本社内 (72)発明者 松本 憲 東京都千代田区三番町2番地 飛島建設 株式会社内 (72)発明者 鈴木 英之 東京都千代田区三崎町2丁目5番3号 鉄建建設株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−165992(JP,A) 特開 平8−165885(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 9/06 301

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シールド掘進機で本線トンネルを掘進し
    ていき、本線トンネルの途中の分岐地点においてシール
    ド掘進機の発進口リングから分岐シールド掘進機を分岐
    発進させる分岐シールド掘進方法において、 前記発進口リングのトンネル周面側の開口周縁部に複数
    の板バネを環状に配設してなる仕切り装置を予め設け、 分岐シールド掘進機の分岐発進に際して、前記複数の板
    バネを発進口リングから分岐線トンネルの分岐方向にト
    ンネル周面の地山まで弾性的に突出させて発進口リング
    の内部と外部とを仕切ることを特徴とする分岐シールド
    掘進方法。
  2. 【請求項2】 前記分岐シールド掘進機の分岐発進に際
    して、前記発進口リングの内側空間のうちの分岐シール
    ド掘進機よりも分岐方向前進側に泥水あるいは加泥材を
    充填し、前記シールド掘進機の胴部材の外側に裏込め材
    を注入し、 前記泥水又は加泥材の圧力を裏込め材の圧力よりも高く
    保持することを特徴とする請求項1に記載の分岐シール
    ド掘進方法。
  3. 【請求項3】 シールド掘進機で本線トンネルを掘進し
    ていき、本線トンネルの途中の分岐地点においてシール
    ド掘進機の発進口リングから分岐シールド掘進機の分岐
    発進させる分岐掘進可能なシールド掘進機において、 前胴発進口リングのトンネル周面側の開口周縁部に複数
    の板バネを環状に配設してなる仕切り装置を設け、 分岐シールド掘進機の分岐発進に際して、前記仕切り装
    置の複数の板バネを発進口リングから分岐線トンネルの
    分岐方向にトンネル周面の地山まで弾性的に突出させて
    発進口リングの内部と外部とを仕切るように構成したこ
    とを特徴とする分岐シールド用仕切り装置。
  4. 【請求項4】 前記仕切り装置の複数の板バネは、周方
    向に隣接する板バネ同士が周方向に部分的にラップする
    状態に設けられたことを特徴とする請求項3に記載の分
    岐シールド用仕切り装置。
  5. 【請求項5】 前記発進口リングの開口部が開口されな
    い状態では前記複数の板バネの各々はL形に弾性変形し
    た状態に設けられたことを特徴とする請求項4に記載の
    分岐シールド用仕切り装置。
  6. 【請求項6】 シールド掘進機で本線トンネルを掘進し
    ていき、本線トンネルの途中の分岐地点においてシール
    ド掘進機の発進口リングから分岐シールド掘進機を分岐
    発進させる分岐シールド掘進方法において、 前記発進口リングのトンネル周面側の開口周縁部の付近
    に流体圧で膨張可能な環状のシール部材を配置してなる
    仕切り装置を予め設け、 分岐シールド掘進機の分岐発進に際して、前記仕切り装
    置のシール部材を流体圧でトンネル周面の地山まで膨張
    させて発進口リングの内部と外部とを仕切ることを特徴
    とする分岐シールド掘進方法。
  7. 【請求項7】 シールド掘進機で本線トンネルを掘進し
    ていき、本線トンネルの途中の分岐地点においてシール
    ド掘進機の発進口リングから分岐シールド掘進機を分岐
    発進させる分岐掘進可能なシールド掘進機において、 前記発進口リングのトンネル周面側の開口周縁部の付近
    に流体圧で膨張可能な環状のシール部材を配置してなる
    仕切り装置を設け、 分岐シールド掘進機の分岐発進に際して、前記仕切り装
    置のシール部材を流体圧でトンネル周面の地山まで膨張
    させて発進口リングの内部と外部とを仕切るように構成
    したことを特徴とする分岐シールド用仕切り装置。
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