JP3636320B2 - 分岐式推進型掘進機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、分岐式推進型掘進機に関し、特に、立坑の施工が困難な道路下や河川下に、電車の車庫、地下駐車場等を構築する為の幅広トンネルを掘進する際、施工可能な立坑から推進型掘進機で所定距離掘進後、1又は複数の分岐シールド掘進機を左方または右方へ交差状に分岐発進する分岐式推進型掘進機に関する。
【0002】
【従来の技術】
上下水道や通信ケーブル用の種々のシールド孔(トンネル)をシールド掘進機で掘進する際に、トンネルの途中から小径の分岐トンネルを分岐発進することも多い。分岐発進する場合、通常本線のシールド掘進機で本線トンネルを掘進していき、分岐地点に到着した時に本線用シールド掘進機から分岐線シールド掘進機を左方または右方へ直角状に分岐発進させ、その分岐後には本線トンネルを本線シールド掘進機で分岐トンネルを分岐線シールド掘進機で夫々独立に掘進する。
【0003】
例えば、特許第2728641号公報には、分岐掘進可能なシールド掘進機として、大径シールド掘進機の胴部材に形成された小径シールド掘進機用の分岐発進口であって、小径シールド掘進機のカッターディスクで切削可能なコンクリート(閉塞部材)によって閉塞された分岐発進口が形成された分岐掘進可能なシールド掘進機が記載されている。
【0004】
特許第2975568号公報の分岐掘進可能なシールド掘進機では、分岐掘進前、複数のシールドジャッキを前胴内へ移設し、セグメント組立機構を前胴内へ移設する。次に、分岐シールド掘進機を内胴内に搬入して分岐シールド掘進機を分岐用窓孔に対向する所定部位にセットする。その後、第1連結機構の連結を分離してから、本線トンネルの掘進を再開し、前胴内の複数のシールドジャッキにより、後胴と中胴の内胴とを停止させたまま、前胴と中胴の外胴とを前進させて、内胴の分岐用窓孔を地山に望ませ、分岐シールド掘進機により分岐掘進を開始する。
【0005】
他方、特開2001−323774号公報には、本願出願人の片方が提案したシールド機の発進工法が記載されている。この発進工法では、立坑から矩形断面の推進機を推進手段からの推進力で発進させ、立坑内で推進機に分岐シールド掘進機を横向き姿勢にて連結し、推進機を更に前進させてから次の分岐シールド掘進機を連結し、これを順次繰り返し、推進機と、この推進機に後続する4台の分岐シールド掘進機を直列的に立坑外へ前進させ、4台の分岐シールド掘進機を横方向へ水平に分岐発進させ、その掘削した広幅トンネルの鋼製セグメントで覆工していく。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許第2728641号公報に記載のものでは、基本的に円形断面の大径シールド掘進機から円形断面の小径シールド掘進機を分岐発進させる構造であるから、小径シールド掘進機の直径は大径シールド掘進機の直径よりもかなり小径化してしまう。従って、大径シールド掘進機に無駄なスペースが生じるだけでなく、分岐発進口の断面形状が複雑化し、分岐発進の為のエントランスリングの分岐発進口への取付部分も複雑形状となる。
【0007】
更に、大径シールド掘進機の胴部材に前記コンクリートを取付ける際、土水圧を保持するために大量のコンクリートが必要になり製作費が高くなる。大量のコンクリートが必要になるつまりコンクリートが大形化するにも関わらず、このコンクリートを分割して取付けることはできないので、コンクリートの取付け作業自体も困難となる。
【0008】
前記特許2975568号公報に記載のものでは、基本的に円形断面の本線シールド掘進機から円形断面の分岐シールド掘進機を分岐発進させる構造であるから、前記公報のものと同様に、本線シールド掘進機に無駄なスペースが生じ、分岐発進口の断面形状が複雑化し、エントランスリングの取付部分も複雑形状となる。また、中胴の前部が内胴と外胴内筒部と前胴テール部との3重構造となり、中胴の後部が内胴と外胴本体との2重構造となるから、分岐部の構造が複雑化し、製作費が高くなる。
【0009】
ところで、前記各公報に記載のもので、本線(大径)シールド掘進機から複数の分岐(小径)シールド掘進機を分岐発進させるには、分岐させる分岐シールド掘進機の数に応じて、胴部材つまり機長を長くしなければならない。しかし、この状態で本線トンネルを掘進していくには、シールドジャッキの容量を大きくしなければならないし、非現実的である。特に特許第2728641号公報に記載のものでは、隣接する閉塞部材つまりコンクリート同士を接続しなければならず、その接続作業が困難となる。
【0010】
前記特開2001−323774号公報には、推進機の具体的な構造、分岐シールド掘進機の具体的な構造、分岐シールド掘進機を分岐発進させるまで止水する止水構造物などについて何ら提案されていないので、その発進工法を実現するのは簡単ではない。
本発明の目的は、推進型掘進機から分岐式シールド掘進機を分岐発進可能にすること、分岐部の構造を簡単化し製作費を低減すること、立坑の施工が困難な道路下や河川下に幅広トンネルを掘削可能な分岐式推進型掘進機を提供すること、である。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の分岐式推進型掘進機は、後方の推進手段により推進されつつトンネルを掘削可能な推進型掘進機と、この推進型掘進機からその掘進方向と交差する方向向きに分岐発進可能な分岐シールド掘進機を備えた分岐式推進型掘進機であって、前記推進型掘進機の胴部材の側部の胴部分に形成された発進用開口部であって分岐シールド掘進機を分岐発進可能な発進用開口部と、前記発進用開口部を水密状に塞ぎ且つ分岐シールド掘進機の分岐発進時に開放可能に設けられたゲートとを備え、前記推進型掘進機は、掘進機本体と、発進用開口部部分とゲート分割体とを夫々有する複数の胴分割体であって掘進方向に直列的に順次接続される複数の胴分割体とを備えたことを特徴とするものである。
【0012】
トンネルを掘削する際には、推進型掘進機の発進用開口部をゲートで水密状に塞いだ状態で所定長さ掘進した後、1又は複数の分岐シールド掘進機を推進型掘進機の胴部材内の発進用開口部に沿ってセットする。次にゲートを開放し、推進型掘進機の掘進方向と交差する方向向きに1又は複数の分岐シールド掘進機を分岐発進させる。ここで、必要に応じて、前記発進用開口部を広幅に形成し、複数の分岐シールド掘進機を発進させることにより、広幅の大断面トンネルを掘削することができる。
また、トンネルを掘削する際、立坑に掘進機本体と推進手段とをセットし、推進手段により推進しながら掘進機本体を前進させ、複数の胴分割体を掘進方向に直列的に順次接続しつつ掘進していく。このとき、複数の発進用開口部部分を接続することにより広幅の発進用開口部が形成され、複数のゲート分割体を接続することによりゲートが構成される。
【0013】
請求項2の分岐式推進型掘進機は、請求項1の発明において、前記推進型掘進機の胴部材は矩形断面をなし、前記発進用開口部は前記胴部材の側部の平板状胴部分に形成され、この発進用開口部は複数の分岐シールド掘進機を分岐発進可能な大きさに形成されたことを特徴とするものである。
前記胴部材は矩形断面をなし、その側部の平板状胴部分に発進用開口部を形成するため、広幅の発進用開口部をスペース効率よく形成できる。
【0014】
【0015】
請求項3の分岐式推進型掘進機は、請求項1又は2の発明において、前記推進型掘進機の胴部材の内側に発進用開口部を囲繞するエントランスリングを設け、このエントランスリングにエントランスリング内周面と分岐シールド掘進機間をシールする止水シール機構を設けたことを特徴とするものである。それ故、分岐シールド掘進機を分岐発進する際、止水シール機構を作動させてエントランスリング内周面と分岐シールド掘進機間をシールし、矩形シールド掘進機内に水や土砂が流入するのを防止する。
【0016】
請求項4の分岐式推進型掘進機は、請求項3の発明において、前記エントランスリングに複数の分岐シールド掘進機を挿通状に装着し、止水シール機構を作動させた状態で、ゲートを矩形シールド掘進機の掘進方向と反対方向へスライドさせて発進用開口部を開放するように構成したことを特徴とするものである。
複数の分岐シールド掘進機の分岐発進の準備作業としてエントランスリングに複数の分岐シールド掘進機を挿通状に装着し、止水シール機構を作動させる。その後、ゲートをスライドさせて発進用開口部を開放させ、複数の分岐シールド掘進機を、矩形シールド掘進機の掘進方向と直交する方向向きに分岐発進させる。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施形態は、電車の車庫や地下駐車場や地下鉄の駅等を構築する為の幅広トンネルを掘進する分岐式推進型掘進機に本発明を適用した場合の例である。この分岐式推進型掘進機は、後方の推進手段により推進されつつ矩形断面トンネルを掘削可能な推進型掘進機と、この矩形推進型掘進機からその掘進方向と直交する方向向きに分岐発進可能な複数の分岐シールド掘進機を備えている。
【0021】
最初に、推進型掘進機の構造について説明する。尚、掘進方向に向かって前後左右を前後左右として説明する。図1〜図4に示すように、推進型掘進機1は、カッターヘッド2と、掘進機本体3と、掘進方向に直列的に順次接続される複数の胴分割体4と、分岐シールド掘進機5(図6参照)を分岐発進させる為の発進用開口部6と、この発進用開口部6を水密状に塞ぎ且つ分岐シールド掘進機5の分岐発進時に開放可能に設けられたゲート7と、複数の推力伝達管8等を備え、掘進機本体3には、カッターヘッド2の揺動駆動機構9や排土設備10等が設けられている。
【0022】
カッターヘッド2について説明すると、図1、図2に示すように、カッターヘッド2は、センターフレーム11と、センターフレーム11から外周フレーム13まで十字状に延びる4本のカッタースポーク14と、カッタースポーク14の半径方向途中部分に連結されたリングフレーム15とを有する。各カッタースポーク14には、径方向外方に突出するオーバカッター16と、このオーバカッター16を出退駆動する図示外の油圧シリンダが設けられている。尚、カッタースポーク14には多数のカッタービット17が付設されている。
【0023】
胴部材12と隔壁18等について説明すると、図1に示すように、胴部材12内部の前端部には隔壁18が形成され、この隔壁18とカッターヘッド2との間には、掘削された土砂が流入するチャンバー19が形成されている。
次に、揺動駆動機構9について説明する。
図1、図3に示すように、揺動駆動機構9は、4本の揺動ジャッキ20と、揺動支軸21とを有する。即ち、隔壁18の後側で且つ胴部材12内の4隅付近部には、4つの支持ブラケット22が設けられ、各支持ブラケット22に揺動ジャッキ20のジャッキ本体が枢支されている。隔壁18の直ぐ後側には、図3の対角状にある左上と右下の揺動ジャッキ20が夫々ブラケット25,26を介して揺動支軸21に連結され、これら揺動ジャッキ20の直ぐ後側に右上と左下の揺動ジャッキ20が夫々ブラケット23,24を介して揺動支軸21に連結されている。
【0024】
揺動支軸21は、隔壁18に図示外の軸受を介して回動可能に支持されている。図1〜図3に示すように、前側の1対の揺動ジャッキ20を同期駆動し、これら揺動ジャッキ20の駆動に同期して後側の1対の揺動ジャッキ20を同期駆動して、揺動支軸21を正面視±約45度の角度で揺動することにより、カッターヘッド2を揺動するようになっている。
【0025】
この揺動支軸21を介してスイベルジョイント27が連結され、これら揺動支軸21とスイベルジョイント27の内部には、機内の油圧供給源からオーバカッター16用の油圧シリンダに通ずる油路(図示略)と、機内の加泥剤供給ユニットから加泥剤ノズル28(図2参照)に加泥剤を供給する通路(図示略)等が形成されている。
【0026】
次に、排土設備10について説明する。
図1に示すように、隔壁18の下端部から後方上り傾斜状に、スクリューコンベヤ29が設けられている。スクリューコンベヤ29は、隔壁18の下端部に形成された連通穴18aを介してチャンバー19に連通し、チャンバー19内の土砂をこのスクリューコンベヤ29から図示外の搬送コンベヤ等により地上に搬送する。尚、ロータリポンプ30も設けられている。
【0027】
次に、胴分割体4、発進用開口部6、ゲート7等について説明する。
図1、図4、図5、図11、図12に示すように、複数の胴分割体4は、発進用開口部部分6aとゲート分割体7aとを夫々有し、胴部材12の側部の平板状胴部分にも発進用開口部部分6bとゲート分割体7bが設けられている。発進用開口部6はそれら複数の発進用開口部部分6a,6bからなり、ゲート7は複数のゲート分割体7a,7bから構成されている。
【0028】
つまり各胴分割体4は矩形枠形状に形成され、その左側面には全長にわたる矩形状の発進用開口部部分6aが形成されている。但し、複数の胴分割体4のうち最後側の胴分割体4の発進用開口部部分6aは前端開放状の矩形状に形成され、胴部材12の発進用開口部部分6bは後端開放状の矩形状に形成されている。従って、掘進機本体3の胴部材12の後端に胴分割体4が順次溶接接合されて、掘進方向に連なる広幅矩形状の発進用開口部6が形成される。
【0029】
各胴分割体4を溶接接合するのに並行してゲート分割体7aを前側のゲート分割体7b,7aに順々に溶接接合するようになっている。尚、胴部材12と複数の胴分割体4の内側には、前記溶接接合状態において掘進方向に直列状に連なる複数の推力伝達管8が周方向適当間隔おきに配設されている。これら複数の推力伝達管8の大部分はウェブ材31に支持され、一部分がエントランスリング32に貫通状に支持されている。
【0030】
発進用開口部6の開口部前面に沿ってガイド支持部材34が固着され、このガイド支持部材34にゲート7がスライド可能に支持されている。最も後側の胴分割体4には、ガイド支持部材34の鉛直方向部分が除去され、ゲート7をゲートガイド機構33により掘進方向と反対方向へスライドさせて発進用開口部6を開放するように構成されている。このゲートガイド機構33は、ガイド支持部材34と、ゲート7の外周側部分をシールする1対のシール部材等から構成されている。1対のシール部材35は、ガイド支持部材34と、胴分割体4及び胴部材12に配設され、発進用開口部6を水密状に塞ぐようになっている。
【0031】
次に、エントランスリング32と止水シール機構36について説明する。
図1、図4、図5に示すように、胴部材12及び胴分割体4の内側には、発進用開口部6を囲繞するエントランスリング32が接合されている。エントランスリング32には、分岐発進の際にエントランスリング32内周面と分岐シールド掘進機5間をシールする止水シール機構36が装備可能になっている。
【0032】
図5に示すように、止水シール機構36は、エントランスリング32の内面に凹設された環状凹部37と、環状弾性膜部材38と、環状シール部材39と、図示外の加圧水注入手段等で構成されている。環状凹部37には可撓性の環状弾性膜部材38が配設され、環状弾性膜部材38の前端部は環状の止め金具40とボルトによりエントランスリング32に固定され、環状弾性膜部材38の後端部は環状の止め金具41とボルトによりエントランスリング32に固定されている。
【0033】
環状弾性膜部材38の内側には環状シール部材39が設けられ、環状シール部材39の後端部が止め金具41で固定されている。この環状シール部材39は、周方向に所定小幅の多数の薄手の弾性変形可能な弾性金属板であって周方向に部分的にラップさせつつ配列した多数の弾性金属板を弾力性に優れる合成ゴム材又は合成樹脂材で包み込んだ構造のものである。エントランスリング32に複数の分岐シールド掘進機5を挿通状に装着し、止水シール機構36を図5に示すように作動させた状態でゲート7を開放するように構成されている。
【0034】
次に、分岐シールド掘進機5について説明する。
図6〜図8に示すように、分岐シールド掘進機5は、カッターヘッド42と、矩形枠状に形成された胴部材43と、カッターヘッド42の揺動駆動機構44と、中折れジャッキ45と、掘進推力を発生させる為のシールドジャッキ46と、セグメントSを組付ける為のエレクタ47と、排土設備48等を有する。これらのうち揺動駆動機構44と排土設備48については、推進型掘進機1のものと略同一構造であるから、説明を適宜省略する。
【0035】
カッターヘッド42について説明すると、図6、図7に示すように、カッターヘッド42は、センターフレーム49と、センターフレーム49から外周側に十字状に延びる4本のカッタースポーク51と、カッタースポーク51の半径方向略中間部分に連結されたサブフレーム52とを有する。各カッタースポーク51には、径方向外方に突出するオーバカッター53と、このオーバカッター53を出退駆動する図示外の油圧シリンダが設けられている。尚、カッタースポーク51には多数のカッタービット54が付設されている。
【0036】
次に、胴部材43について説明する。
胴部材43は、前胴55と、この前胴55の後端部に中折れ部56及び複数の中折れジャッキ45を介して連結された後胴57と、後胴57の後端に連結されたテールプレート58とを有する。テールプレート58の内周後端部には2列のテールグラウトシール59が取付けられている。尚、分岐発進前には、隣接する胴部材43の側面同士を密着状に溶接接合して複数の分岐シールド掘進機5を一体化し同時に分岐発進するようになっている。前胴55の内部には隔壁60が形成され、この隔壁60とカッターヘッド42との間には、掘削された土砂が流入するチャンバー61が形成されている。
【0037】
図6、図8に示すように、揺動駆動機構44は4本の揺動ジャッキ62と揺動支軸63とを有し、揺動支軸63は、隔壁に図示外の軸受を介して回動可能に支持されている。4本の揺動ジャッキ62を協働駆動して、揺動支軸63を揺動することにより、カッターヘッド42を揺動するようになっている。
【0038】
シールドジャッキ46について説明すると、前胴55及び後胴57の内周側には、複数のシールドジャッキ46が周方向適当間隔おきに後方向きに配設されている。各シールドジャッキ46のジャッキ本体は、後胴57の内周に接合された環状ウェブ材64に固定され、各ジャッキ本体の前端は、前胴55の内周に接合されたフランジ65で受止められている。各シールドジャッキ46のロッドの先端部には、偏心金具66を介してスプレッダ67が連結され、シールドジャッキ46のロッドを伸長させ、スプレッダ67をトンネルの内面に覆工したセグメントSの前端に押圧させることで掘進推力を発生させて掘進する。
【0039】
次に、エレクタ47について説明する。
図6、図8に示すように、エレクタ47は、ガイドフレーム68と、本体支持フレーム69と、エレクタ本体70等からなる。即ち、環状ウェブ材64の前端部には、上下方向に延びる1対の支柱71が左右に適当間隔あけて支持されている。複数の分岐シールド掘進機5を一体化した状態で、これら複数本の支柱71の後端部には、左右方向に延びる1対のガイドフレーム68が上下に所定間隔あけて連結されている。
【0040】
上下方向向きの本体支持フレーム69が、1対のガイドフレーム68にわたって架設され、且つ、左右方向に摺動可能に支持されている。エレクタ本体70は、この本体支持フレーム69に沿って上下動可能に支持され、掘進方向に平行な軸心回りに回転可能に支持されている。
【0041】
次に排土設備48について説明する。
図6、図8に示すように、スクリューコンベヤ72は、隔壁60の下端部に形成された連通穴60aを介してチャンバー61に連通し、チャンバー61内の土砂をこのスクリューコンベヤ72からロータリポンプ73を介して接続されたパイプ等により地上に搬送する。
【0042】
次に、以上説明した分岐式シールド掘進機の作用について説明する。
矩形大断面トンネルを掘削する際には、先ず、図9に示すように、施工可能な仮の立坑74の発進架台(図示略)に推進型掘進機1の掘進機本体3を載置し、複数の推力伝達管8の後方位置に複数の元押ジャッキ75をセットする。 尚、複数の元押ジャッキ75が推進手段に相当するものである。
【0043】
次に、図10に示すように、元押しジャッキ75を伸長させると共に揺動駆動機構9によりカッターヘッド2を揺動させて胴分割体4の長さ分掘進する。その後、退入させた元押しジャッキ75と掘進機本体3との間に胴分割体4を嵌め込み、この胴分割体4を掘進機本体3の後端に溶接接合する。これと略並行してこの胴分割体4のゲート分割体7aを胴部材のゲート分割体7bの後端に溶接接合し、胴分割体4のエントランスリング32の分割体を、掘進機本体3のエントランスリング32の分割体に溶接接合する。以下、この推進型掘進機1により矩形断面トンネルを掘進しつつ、複数の胴分割体4を掘進方向に直列的に順次接続し、元押しジャッキ75に押し輪76を介して所定長さ分掘進した状態で停止する。その後、エントランスリング32に止水シール機構36を装備する。
【0044】
次に、図12(a)に示すように、分岐発進に際してテールプレート58を取外した4機の分岐シールド掘進機5を、4台の発進架台77を兼ねる搬送台車に載置して推進型掘進機1内の発進用開口部6付近に搬入する。次に、図12(b)に示すように、隣接する胴部材43の側面同士を密着状に溶接接合して複数の分岐シールド掘進機5を一体化したうえで、仮セグメント78を構築しこの仮セグメント78に反力をとってこれら分岐シールド掘進機5をエントランスリング32に挿通状に装着する。
【0045】
次に、止水シール機構36を作動させてエントランスリング32内周面と4機の分岐シールド掘進機5間をシールした後、カッターヘッド42とゲート7との間に高濃度泥水を注入する。その後、図12(c)に示すように、ゲート7を、推進型掘進機1の掘進方向と反対方向へ(つまり、立坑74側へ)スライドさせて発進用開口部6を開放する。このゲート7をスライドさせるとき、ゲート分割体7aを1枚分立孔74側へスライドさせた段階で切断し、以下、これを繰り返し行う。
【0046】
4機の分岐シールド掘進機5を所定距離分岐発進させた後、反力受け部材79をエントランスリング32に溶接接合する。次に、図12(d)に示すように、一部の仮セグメント78を撤去し、テールプレート58を後胴57の後端に溶接接合し、以後、4機の分岐シールド掘進機5を並進的に同時に分岐掘進していき、矩形大断面トンネルを掘削する。
【0047】
以上説明した分岐式推進型掘進機によれば、推進型掘進機1の胴部材12の側部の平板状胴部分に矩形状の発進用開口部6が形成されたので、その開口部形状が簡単化するし、発進用開口部6を囲繞するエントランスリング32の取付け部分も平坦な断面形状となる。更に、矩形断面トンネルを掘削している際には、発進用開口部6をゲート7で水密状に塞ぎ、分岐発進時にはこのゲート7をスライドさせて開放するようにしたから、従来のものと比べて分岐シールド掘進機5の為の分岐部の構造が簡単化し、製作費を低減することができる。
【0048】
複数の分岐シールド掘進機5を、推進型掘進機1に形成された矩形状の発進用開口部6から並進的に同時に分岐発進させるように構成したので、矩形大断面トンネルを、全幅もしくは長幅にわたって連続的に掘削することができ、工期を大幅に短縮することができる。立坑の施工が困難な道路下や河川下に、電車の車庫、地下駐車場等を構築する為の幅広大断面トンネルを掘進する際、施工可能な立坑74から推進型掘進機1で所定距離掘進後、複数の分岐シールド掘進機5を左方または右方へ直角状に分岐発進させて大断面トンネルを掘削できる。
【0049】
複数の胴分割体4を掘進方向に直列的に順次接続することで、複数の発進用開口部部分6a,6bを接続して発進用開口部6が形成される。これと並行的に複数のゲート分割体7a,7bを接合することによりゲート7が構成される。エントランスリング32内周面と分岐シールド掘進機5間をシールする止水シール機構36を設けたので、分岐発進時に推進型掘進機1内に水や土砂が流入するのを防止することができる。ゲート7をスライドさせて発進用開口部6を開放させ、複数の分岐シールド掘進機5を分岐発進させることができるから、分岐発進の為の準備作業が軽減する。
【0050】
次に、本実施形態を部分的に変更した変更形態について説明する。
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
)全ての胴分割体を接合した後、エントランスリングを推進型掘進機内に搬入し、発進用開口部を囲繞するように溶接接合する構造にしてもよい。
【0056】
)前記の実施形態では、分岐シールド掘進機を推進型掘進機の掘進方向に対して直交方向へ分岐させる場合を例として説明したが、直交方向とは限らず、エントランスリング等に必要に応じて適宜変更を加えて、直交方向以外の種々の方向へ交差状に分岐させることも可能である。
他方、推進型掘進機の胴部材の断面形状は矩形以外に円形、楕円形、種々の形状であってもよく、その場合ゲートは、平板状のゲートではなく、湾曲状のゲートが採用される。
【0057】
)発進開口部から発進させる分岐シールド掘進機は必ずしも複数とは限らず、1台の分岐シールド掘進機を発進させることもある。また、1台の分岐シールド掘進機の分割体を複数組み合わせて1台の分岐シールド掘進機に連結してから分岐発進させることもある。その他、本願発明の趣旨を逸脱しない範囲において前記実施形態に種々の変更を付加した形態で実施可能である。
【0058】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、推進型掘進機の胴部材の側部の胴部分に分岐シールド掘進機を分岐発進させる発進用開口部が形成され、発進用開口部をゲートで水密状に塞ぎ、分岐発進時にはこのゲートを開放するようにしたから、推進型掘進機で掘進中における止水機能を確保でき、分岐シールド掘進機を分岐させる為の構造が簡単化し、製作費を低減することができる。
例えば、立坑の施工が困難な道路下や河川下など立坑を形成できない場所に、電車の車庫、地下駐車場等を作る為の広幅のトンネルを掘削するような場合には、近隣の立坑形成可能な場所に立坑を形成し、その立坑から推進型掘進機を発進させ、所定位置において広幅の発進用開口部から複数の分岐シールド掘進機を発進させて広幅トンネルを掘削することができる。
更に、複数の胴分割体を掘進方向に直列的に順次接続することで、複数の発進用開口部部分を接続して発進用開口部が形成される。これと並行的に複数のゲート分割体を接合することによりゲートが構成される。
【0059】
請求項2の発明によれば、推進型掘進機の胴部材は矩形断面をなし、発進用開口部が胴部材の側部の平板状胴部分に形成されたため、その開口部形状が簡単化するし、ゲートの構造も簡単化し、例えば、発進用開口部を囲繞するエントランスリングの取付け部分も平坦な断面形状となる可能性がある。
しかも、発進用開口部が複数の分岐シールド掘進機を分岐発進可能な大きさに形成されたため、複数の分岐シールド掘進機を発進させて掘削することで、広幅の大断面トンネルを連続的に能率的に掘削することができ、工期を大幅に短縮することができる。
【0060】
【0061】
請求項3の発明によれば、エントランスリング内周面と分岐シールド掘進機間をシールする止水シール機構を設けたので、分岐発進時にこの止水シール機構を作動させておき推進型掘進機内に水や土砂が流入するのを防止することができる。その他請求項1又は2と同様の効果を奏する。
【0062】
請求項4の発明によれば、ゲートを推進型掘進機の掘進方向と反対側へスライドさせて発進用開口部を開放させ、複数の分岐シールド掘進機を分岐発進させることができるから、分岐発進の為の準備作業が軽減する。つまりゲートの開放操作を立坑等から簡単に行うことができるので、前記準備作業が軽減する。その他請求項3と同様の効果を奏する。
【0063】
【0064】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る分岐式推進型掘進機の縦断面図である。
【図2】カッターヘッドを示す正面図である。
【図3】カッターヘッドの揺動駆動機構等を示す縦断面図である。
【図4】図1のIV−IV線端面図である。
【図5】止水シール機構の作動状態の拡大断面図である。
【図6】分岐シールド掘進機の縦断面図である。
【図7】複数の分岐シールド掘進機を接合した状態の正面図である。
【図8】図7の分岐シールド掘進機の要部断面図を示し、左半部は揺動駆動機構等を示す縦断面図、右半部はエレクタ等を示す縦断面図である。
【図9】推進型掘進機を立坑から発進させる準備段階の説明図である。
【図10】推進型掘進機を立坑から発進させた段階の説明図である。
【図11】推進型掘進機を立坑から所定長さ掘進させた状態の説明図である。
【図12】分岐シールド掘進機の分岐要領の説明図であり、(a)は分岐前の準備段階の説明図、(b)は分岐直前の準備段階の説明図、(c)はゲートを開放して分岐掘進した段階の説明図、(d)は(c)の段階から更に掘進していく為の準備段階の説明図である
【符号の説明】
1 推進型掘進機
3 掘進機本体
4 胴分割体
5 分岐シールド掘進機
6 発進用開口部
6a 発進用開口部部分
7 ゲート
7a ゲート分割体
12 胴部材
32 エントランスリング
36 止水シール機構

Claims (4)

  1. 後方の推進手段により推進されつつトンネルを掘削可能な推進型掘進機と、この推進型掘進機からその掘進方向と交差する方向向きに分岐発進可能な分岐シールド掘進機を備えた分岐式推進型掘進機であって、
    前記推進型掘進機の胴部材の側部の胴部分に形成された発進用開口部であって分岐シールド掘進機を分岐発進可能な発進用開口部と、
    前記発進用開口部を水密状に塞ぎ且つ分岐シールド掘進機の分岐発進時に開放可能に設けられたゲートとを備え、
    前記推進型掘進機は、掘進機本体と、発進用開口部部分とゲート分割体とを夫々有する複数の胴分割体であって掘進方向に直列的に順次接続される複数の胴分割体と、
    を備えたことを特徴とする分岐式推進型掘進機。
  2. 前記推進型掘進機の胴部材は矩形断面をなし、前記発進用開口部は前記胴部材の側部の平板状胴部分に形成され、この発進用開口部は複数の分岐シールド掘進機を分岐発進可能な大きさに形成されたことを特徴とする請求項1に記載の分岐式推進型掘進機。
  3. 前記推進型掘進機の胴部材の内側に発進用開口部を囲繞するエントランスリングを設け、このエントランスリングにエントランスリング内周面と分岐シールド掘進機間をシールする止水シール機構を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の分岐式推進型掘進機。
  4. 前記エントランスリングに複数の分岐シールド掘進機を挿通状に装着し、止水シール機構を作動させた状態で、ゲートを推進型掘進機の掘進方向と反対方向へスライドさせて発進用開口部を開放するように構成したことを特徴とする請求項3に記載の分岐式推進型掘進機。
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