JP3471457B2 - 異径トンネル掘削用シールド機 - Google Patents

異径トンネル掘削用シールド機

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JP3471457B2
JP3471457B2 JP32967494A JP32967494A JP3471457B2 JP 3471457 B2 JP3471457 B2 JP 3471457B2 JP 32967494 A JP32967494 A JP 32967494A JP 32967494 A JP32967494 A JP 32967494A JP 3471457 B2 JP3471457 B2 JP 3471457B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、口径の異なるトンネ
ルを両側から対向して掘削するとともに、地中で接合す
るための異径トンネル掘削用シールド機に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、鉄道、道路等を地層内に設ける、
いわゆる地下鉄、地下道等の需要が増大し、また、一方
では完成された道路等の地下に新たに上下水道や電気、
電話線等を新設する需要も増大している。とくに、都市
整備等にあっては上記した下水道や電気、電話線等の新
設工事が急増しており、これらを地層内に設けるための
トンネルを掘削する機械としてシールド機(シールド掘
進機ともいう)が多用されている。このシールド機によ
るトンネル形成は、シールド機には掘削できる距離に限
界があるので、掘削可能な距離の接合地点に複数の立坑
を設け、この立坑間をそれぞれシールド機により掘削し
て連続したトンネルを形成している。
【0003】また、上記種類のシールド機によりトンネ
ルを掘削する場合においても、たとえば下水道工事にあ
っては、上流側に小径のいわゆる枝管を設け、下流側に
大径のいわゆる主管を設けてこれらを連結させることに
より連続した下水道を形成したり、電気、電話線等の工
事にあっては、供給源に大径のいわゆる主管を設け、需
要先に小径のいわゆる枝管を設けてこれらを連結させる
ことにより連続した配線道を形成したりすることがあ
る。したがって、上記のような下水道や配線道を設ける
ためのトンネルは、直径の異なった、いわゆる異径のト
ンネルにする必要があるが、この径差は、通常、数十c
m〜150cm前後であるが、それ以上の径差がある場
合もある。
【0004】しかし、上記したように接合地点には複数
の立坑を設ける必要があるため、シールド機の掘削可能
な距離に設ける接合地点や直径の異なる接合地点の用地
を確保しようとすると、その用地確保に多額の費用を要
し、しかも、その用地に立坑を設けてそれぞれのシール
ド機により掘削して行く工事には非常に長い工期と費用
が必要になる。また、海底にトンネルを設ける場合、接
合地点の上部が海中の場合には埋め立て工事を行って陸
部を形成し、その陸部に上記立坑を設けることとなり、
非常に長い工期と多額の費用が必要となる。そこで、多
くの立坑を必要とせず、短い工期でトンネルを形成する
工法として地中接合工法が提案されている。
【0005】この地中接合工法に関する従来技術とし
て、特開昭63−47499号公報に記載の発明がある
が、この発明は、同径の2機のシールド機をトンネル接
合部に向けて対向するように掘進させて接合部で対峙さ
せ、両シールド機の接合部近傍に固化剤を注入した後カ
ッターディスク等を解体してトンネルを接合するように
したものであり、同径のシールド機を接合させる場合に
しか適用することができない。
【0006】また、他のシールド機の接合方法として特
開平5−248170号公報に記載の発明があるが、こ
の発明も同径の2機のシールド機を接合するものであ
り、この出願に係る発明が対象とする直径の大きく異な
るシールド機の接合は不可能である。
【0007】さらに、直径の異なるトンネルの地中接合
工法の従来技術として、特公平6−6865号公報に記
載の発明がある。この発明は、大径と小径の2機のシー
ルド機を、ドッキング地点において大径シールド機の前
方に設けた移動外殻を小径シールド機の外周に位置する
ように移動させ、この移動外殻と小径シールド機の外殻
との間を凍結もしくは薬液注入により固化した後、シー
ルド機を解体するようにしたものである。
【0008】なお、直径の異なるトンネルの地中接合装
置に関する本出願人による先願の特許出願(特願平6−
167116号)に、小径シールド機に、スキンプレー
トの軸方向に相対移動可能なシールド機本体を設けると
ともに、該スキンプレートの先端部内側にチューブシー
ルを設け、前記大径シールド機に、カッターディスクの
後面とシールド機本体をの間をシールする止水手段を設
けるとともに、該カッターディスクの前面から軸方向に
前面小径シールド機のスキンプレートの内径よりも小径
でほぼ一致した外径のシール面を有する円形の接合部を
偏心させて凹設した構造の発明がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
公告公報に記載の異径トンネルの地中接合工法にあって
は、地盤が堅い箇所では移動外殻を前方へ張り出させる
ことが非常に困難で、しかも、接合部を凍結させたり薬
液注入により地下水も通過しないような地盤を改良した
りする必要があるため、大規模な補助工法を必要とし、
多大な工費と長い工期を要する。また、広大な範囲を凍
結したり地盤改良したりしなければならないが、凍結す
る場合には、凍結時の凍土拡張および解凍時の地盤沈下
等を生じるおそれがあり、一方、地盤を改良する場合
は、長時間の薬液注入を必要とする。さらに接合部を凍
結のみによってシールする場合には、凍結後のシールド
機解体作業時に生じる解体部の溶断熱により凍土が解凍
されて漏水を生じるため、解体作業時の凍土の管理が難
しいという問題がある。したがって、上記の地中接合工
法法では、掘削した異径トンネル同士を地中接合するこ
とが極めて難しい。
【0010】また、上記の先願にかかる地中接合装置
は、地中接合時に大径シールド機のカッターディスクを
挟んで前後2箇所の機械的接合部を環状にシールして止
水する必要があり、シールド機の構造が複雑になる。
【0011】この発明は上述の点に鑑みなされたもの
で、地盤の凍結や薬液注入などの補助工法を必要とせ
ず、トンネル接合部の止水を機械的構造により確実に実
施でき、シールド機の構造も先願のものに比べて簡略化
できる異径トンネル掘削用シールド機を提供することを
目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために本発明にかかる異径トンネル掘削用シールド機
は、a)小径シールド機と大径シールド機を用いてトンネ
ルの両側から掘削を開始して地中接合する異径トンネル
掘削用シールド機において、b)前記小径シールド機のカ
ッターディスクおよびその回転駆動装置を含むカッター
チャンバー部を、その外周の円環状スキンプレートに沿
って前後方向に摺動自在に配設し、前記カッターチャン
バー部を摺動させるためのスライドジャッキを設け、c)
前記大径シールド機は、円形カッターディスク本体の外
周縁部から半径方向外方へ出没自在なオーバーカッター
を備えるとともに、d)そのカッターディスク本体の外径
を、前記スキンプレートの内径よりわずかに小さく形成
し、e)前記大径シールド機のバルクヘッドに、前記スキ
ンプレートの内周面を嵌合可能な接合リングを前方へ突
設し、f)前記カッターディスクは、その回転中心位置が
前記大径シールド機本体の中心軸線に一致する位置と前
記小径シールド機のカッターディスクの回転中心位置に
一致する位置との間で移動可能に構成している。
【0013】また請求項2記載のように、a)小径シール
ド機と大径シールド機を用いてトンネルの両側から掘削
を開始して地中接合する異径トンネル掘削用シールド機
において、b')前記小径シールド機の円環状スキンプレ
ート外周面の先端部分に、スライドリングプレートを前
後方向に摺動自在に配設し、前記スライドリングプレー
トを摺動させるためのスライドジャッキを設け、c)前記
大径シールド機は、円形カッターディスク本体の外周縁
部から半径方向外方へ出没自在なオーバーカッターを備
えるとともに、d)そのカッターディスク本体の外径を、
前記スライドリングプレートの内径よりわずかに小さく
形成し、e)前記大径シールド機のバルクヘッドに、前記
スライドリングプレートの内周面を嵌合可能な接合リン
グを前方へ突設し、f)前記カッターディスクは、その回
転中心位置が前記大径シールド機本体の中心軸線に一致
する位置と前記小径シールド機のカッターディスクの回
転中心位置に一致する位置との間で移動可能に構成して
もよい。
【0014】請求項3記載のように、g)前記小径シール
ド機のスキンプレートの先端部内周面に、流体圧により
膨出可能なチューブシールを設けることができる。
【0015】請求項4記載のように、h)前記小径シール
ド機のスライドリングプレートの先端部内周面に、流体
圧により膨出可能なチューブシールを設けることもでき
る。
【0016】請求項5記載のように、i)前記接合リング
の周面に沿って地盤凍結用の凍結管を配設することがで
きる。
【0017】
【作用】上記の構成を有する請求項1の異径トンネル掘
削用シールド機によれば、大径シールド機のカッターデ
ィスクをオーバーカッターを半径方向外方に張り出して
回転することにより大口径のトンネルの掘削作業が開始
されるとともに、対向して小径シールド機のカッターデ
ィスクを回転することにより小口径のトンネルの掘削作
業が開始される。そして、両トンネルの接合地点に各シ
ールド機が到達した状態で、大径シールド機のカッター
ディスクのオーバーカッターをカッターディスク本体内
に引き込んだのち、大径シールド機のカッターディスク
を、その回転中心が小径シールド機のカッターディスク
の回転中心に一致するように移動させる。この状態で、
小径シールド機のカッターチャンバー部を、スライドジ
ャッキによりスキンプレートに沿って摺動、後退させ
て、シールド機本体内に引き込む。それから、小径シー
ルド機をシールドジャッキ等により前進させ、そのスキ
ンプレート先端部を、大径シールド機のカッターディス
クの周囲を越えてバルクヘッドの接合リング外周面上に
嵌合させる。これにより、大径シールド機と小径シール
ド機とが機械的に接合されると同時に、大口径トンネル
と小口径トンネルとが連通状態になる。
【0018】上記の構成を有する請求項2の異径トンネ
ル掘削用シールド機によれば、上記請求項1のシールド
機と同様に両トンネルの接合地点に各シールド機が到達
した状態で、大径シールド機のカッターディスクを小径
シールド機のカッターディスクと各回転中心位置が一致
するように移動させる。この状態で、小径シールド機の
スキンプレート外周面上のスライドリングプレートを、
スライドジャッキにより前方へ張り出させて、その先端
部を大径シールド機のカッターディスクの周囲を越えて
バルクヘッドの接合リング外周面上に嵌合させる。これ
により、大径シールド機と小径シールド機とが機械的に
接合されると同時に、大口径トンネルと小口径トンネル
とが連通状態になる。
【0019】請求項3記載のシールド機では、小径シー
ルド機のスキンプレート先端部を大径シールド機の接合
リング上に嵌合した状態で、スキンプレート先端部内周
に設けたチューブシールを流体圧によって膨出させるこ
とにより、両者の接合部間が確実に密封されるから、シ
ールド機の接合部間からの浸水などが阻止される。
【0020】請求項4記載のシールド機では、小径シー
ルド機のスライドリングプレート先端部を大径シールド
機の接合リング上に嵌合した状態で、スライドリングプ
レート先端部内周に設けたチューブシールを膨出させる
ことにより、両者の接合部間が確実に密封されるから、
シールド機の接合部間からの浸水などが阻止される。
【0021】請求項5記載のシールド機では、大径シー
ルド機の接合リングの周面に設けた凍結管に冷媒を導入
することにより、スキンプレート又はスライドリングプ
レートの先端部と接合リングとの間の土砂等が凍結して
シール作用を発揮する。
【0022】
【実施例】以下、この発明の異径トンネル掘削用シール
ド機の実施例を図面に基づいて説明する。
【0023】図1は本実施例にかかる2台の異径トンネ
ル掘削用シールド機のうち大径シールド機の通常の掘削
作業状態をを示すもので、同図(a)は側方中央断面図、
同図(b)は右半分を省略した図1(a)のA−A方向半矢
視図、同図(c)は図1(a)のB−B線半断面図である。
図2(a)は2台の異径トンネル掘削用シールド機の地中
接合状態における側方中央断面図、同図(b)は右半分を
省略した図2(a)のA−A方向半矢視図、同図(c)は図
2(a)のB−B線半断面図である。
【0024】図1および図2に示すように、本例のシー
ルド機(掘進機)は、大径シールド機1と小径シールド
機3とからなる。大径シールド機1は、シールド機本体
11の先端に、正面より見て円形のカッターディスク1
2を備えている。このカッターディスク12は、中心部
から放射状に延設された複数のビットフレーム13aと
これらのビットフレーム13aに沿って多数のカッター
ビット13bを固着したディスク本体13と、図1(b)
のように各ビットフレーム13aの先端外周部から半径
方向外方へ張出自在に配設されたオーバーカッター14
とからなる。オーバーカッター14の前面には、半径方
向に複数のカッタービット14aが固着され、図2(b)
のようにオーバーカッター14がビットフレーム13a
内に引き込まれた状態で、それらのカッタービット14
aがビットフレーム13aの先端部に開設された細長の
開口13cから前方へ露出するようになっている。
【0025】カッターディスク12は、軸受装置15を
介して支持フレーム16に回動自在に軸支され、減速装
置17aおよび駆動装置17もその支持フレーム16に
支持されている。支持フレーム16は、シールド機本体
11のバルクヘッド18の中心部位に設けられたU形フ
レーム18a内に、本例では上方に移動可能に配置さ
れ、通常の掘削作業時には固定ボルト19aによってバ
ルクヘッド18に固定されるとともに、図1(c)のよう
にU形フレーム18aの上端枠から吊持された支持ボル
ト19によって吊設されている。この構成により、固定
ボルト19aを外し、支持ボルト19を一方向に回転し
て締め付けることで、カッターディスク12は上方に移
動する。つまり、通常の掘削作業時には、図1(a)のよ
うにカッターディスク12の回転中心はシールド機本体
11の中心軸線と一致する位置にあるが、地中接合時に
は、図2(a)のようにカッターディスク12の回転中心
はシールド機本体11の中心軸線から上方へ偏心した位
置に移動し、固定ボルト19aで固定することにより、
小径シールド機3のカッターディスクの回転中心位置と
一致する。切羽側からの土砂や泥水の浸入は、フランジ
48に設けたシールリング48a、48bによって防止
される。
【0026】大径シールド機1には、本例では土圧式シ
ールド掘進機が使用されており、バルクヘッド18の前
方でカッターディスク12との間に形成されるカッター
チャンバー20内に臨ませて、後方より前方にかけて下
向きに傾斜したスクリューコンベヤ21の先端が連設さ
れている。カッターディスク12の半径方向に張出され
たオーバーカッター14との干渉を防ぐため、シールド
機本体11のスキンプレート(シールドともいう)11
aの先端との間に、わずかに隙間が生じるようにしてあ
る。バルクヘッド18には、カッターディスク12を上
方へ移動したときの回転中心位置を中心にして、円環状
の接合リング22が前方へ向けて突設されている。この
接合リング22の外周面は、小径シールド機3との接合
時に一種のシール面を構成する。
【0027】なお、図1(a)中の符号23はシールドジ
ャッキ、24はエレクタ装置、25は真円保持装置、S
はセグメントピースである。
【0028】図2に示すように、小径シールド機3の本
体31は、オーバーカッター14を引き込んだ状態のカ
ッターディスク12、つまりディスク本体13の外径よ
りもわずかに内径の大きいスキンプレート(シールド)
31aを備えている。このスキンプレート31a内の先
端部に、サイドオーバーカッター32cをカッターディ
スク32の本体内に引き込んだ正面より見て円形のカッ
ターディスク32を備えたカッターチャンバー部33が
前後方向に摺動自在に配設されている。
【0029】なお、ここでカッターチャンバー部33
は、カッターディスク32およびその回転駆動装置を含
む円筒固定台35に組混まれた連結ビーム32a、リン
グ体32b、サイドオーバーカッター32c、バルクヘ
ッド34、駆動装置36、旋回ベアリング36a、後端
支持体39、配管41、配管42の全体を意味する。カ
ッターディスク32は後面の連結ビーム32a、リング
体32bに一体に固設され、旋回ベアリング36aに回
動自在に支持され、この旋回ベアリング36aを介して
円筒固定台35の後面に装備された駆動装置36により
カッターディスク32が回転する。カッターチャンバー
部33を前後方向に移動させるスライドジャッキ37
が、スキンプレート31a内の後部に固設されたフレー
ム31bとの間に介設され、その伸縮動作によりカッタ
ーチャンバー部33が前後方向に移動する。スキンプレ
ート31a内の中間部にフレーム31cが固設され、こ
のフレーム31cから後方に向けてシールドジャッキ3
8が配設されている。またフレーム31cとカッターチ
ャンバー部33の後端支持体39との間に、スペーサ4
0を着脱自在に介装できるようになっており、カッター
チャンバー部33はスライドジャッキ37とスペーサ4
0とにより、シールド機本体31に対し掘削作業位置に
保持される。
【0030】小径シールド機3には、本例では泥水式シ
ールド掘進機が使用されており、泥水導入用の配管41
と排出用の配管42とが、それぞれカッターチャンバー
35内に臨ませてバルクヘッド34に接続されている。
なお各配管41・42には、カッターチャンバー部33
の移動を許容できるように、たとえば二重管構造の伸縮
可能な配管(図示せず)を介在させている。なお、図2
中の符号43はエレクタ装置である。
【0031】以上のように構成された本実施例の異径ト
ンネル掘削用シールド機による地中接合動作について、
図3および図4に基づいて説明する。図3(a)〜図4
(b)はそれぞれ地中接合の動作(手順)を順に説明する
側方中央断面図である。
【0032】 図3(a)のように、大径シールド機1
のカッターディスク12をオーバーカッター14を半径
方向外方に張り出した状態で、回転させることにより大
口径のトンネルの掘削作業を、接合位置まで継続する。
一方、これに対向して、小径シールド機3のカッターデ
ィスク32を回転させることにより、小口径のトンネル
の掘削作業を、接合位置まで継続する。下水道の場合
は、一般的に、上流側トンネルと下流側トンネルとを、
垂直方向の中心線の上端側が一致するように接合する。
【0033】 図3(b)のように、両トンネルの接合
位置に各シールド機1・3が到達した状態で、大径シー
ルド機1のカッターディスク12のオーバーカッター1
4をカッターディスク本体13内に引き込む。それか
ら、複数の固定ボルト19a(図1、図2参照)を外
し、複数の支持ボルト19を回転して締め付けることに
より、カッターディスク12を支持フレーム16ととも
に上方へ移動させ、カッターディスク12の回転中心を
小径シールド機3のカッターディスク32の回転中心に
一致させる。
【0034】 図4(a)のように、小径シールド機3
においてスペーサ40を取り外したのち、スライドジャ
ッキ37を収縮することにより、カッターチャンバー部
33を中間のフレーム31cに後端支持体39が当接す
るまで後退させ、スキンプレート31a内に引き込む。
この間、シールドジャッキ23を収縮し、セグメントピ
ースSを組み立てる。
【0035】 図4(b)のように、組み立てたグメン
トピースSに対しシールドジャッキ23の後端を押し当
て、伸長することによりシールド機3を前進させる。図
3(a)に示したように、あらかじめカッターディスク3
2により、大径シールド機1のカッターディスク12の
前面までトンネルを掘削しているので、小径シールド機
3はスムーズに前進する。そして、小径シールド機3の
スキンプレート31aの先端が、大径シールド機1のカ
ッターディスク12を越え、接合リング22の外周面上
に嵌合されることにより、大径シールド機1と小径シー
ルド機3とが機械的に接合され、同時に小径シールド機
3と大径シールド機1のトンネルが連通状態になる。な
お、大径シールド機1の突出した接合リング22の外周
側基部に洗浄ノズル(図示せず)を設けておき、接合時
に接合リング22の外周面を洗浄するようにすれば、ス
キンプレート31aの先端部と接合リング22とのシー
ル性が向上する。
【0036】図5および図6は本発明の異径トンネル掘
削用シールド機の他の実施例を示すもので、図5(a)は
小径シールド機と大径シールド機とが接合位置まで掘進
した状態を示す側方中央断面図、図5(b)は小径シール
ド機と大径シールド機と接合した状態を示す側方中央断
面図、図6は図5(b)の機械的接合部分の拡大断面図で
ある。
【0037】本実施例のシールド機が上記実施例と異な
るところは、下記の点である。すなわち、図5に示すよ
うに、小径シールド機3のスキンプレート31aの外周
面の先端部分に、スライドリングプレート45を前後方
向に摺動自在に配設し、このスライドリングプレート4
5をスライドジャッキ46により摺動させるようにして
いる。スライドリングプレート45の内径は、大径シー
ルド機1のカッターディスク本体13の外径よりわずか
に大きく、また小径シールド機3のカッターディスク3
2の外径よりも大きく形成されている。
【0038】また、スライドリングプレート45の内周
面の先端部には、図6のように、環状の溝45aを形成
して流体圧を流入することにより膨出するゴム製のチュ
ーブシール47を装着している。このチューブシール4
7は、流体圧を排出した状態では収縮して溝45a内に
収まる。後述の接合動作で説明するように、接合時には
スライドリングプレート45を前進させることにより大
径シールド機1の接合リング22に接合するので、カッ
ターチャンバー部33はシールド機本体31に固定さ
れ、移動できるようになっていない。このため、カッタ
ーチャンバー部33を摺動するためのスライドジャッキ
37がなく、またスペーサ40も使用されない。なお、
図6中の符号47aは流体通路である。
【0039】一方、大径シールド機1の接合リング22
は、図6に示すように、その外径がスライドリングプレ
ート45の内径より小さく、チューブシール47を流体
圧により膨出させた状態で、接合リング22の外周面に
密着する。接合リング22の内周面基端部に、環状の溝
22cが形成され、この溝22c内に凍結管26が本例
では平行に3列並べて配装されている。凍結管26は大
径シールド機本体11内に装備された冷却媒体源(図示
せず)に接続され、循環ポンプ(図示せず)を介して冷
却媒体を凍結管26に流通させるようになっている。こ
れにより、スライドリングプレート45の先端と接合リ
ング22の外周面との隙間に介在する土砂中の水分を凍
結し、その隙間を完全に密封することができる。その他
の構成については、上記実施例のシールド機と共通する
ので、図5において共通部分をおおむね省いて示し、共
通部分の一部を同一の符号を用いて図示している。
【0040】以上のように構成された第2実施例の異径
トンネル掘削用シールド機による地中接合動作を、図5
に基づいて説明する。
【0041】 両トンネルの接合位置に各シールド機
1・3が到達した状態で、大径シールド機1のカッター
ディスク12のオーバーカッター14をカッターディス
ク本体13内に引き込む。それから、固定ボルト19a
を外し、支持ボルト19を回転して締め付けることによ
り、カッターディスク12を支持フレーム16とともに
上方へ移動させ、カッターディスク12の回転中心を小
径シールド機3のカッターディスク32の回転中心に一
致させる。ここまでの動作は、上記実施例と共通してい
る(図5(a))。
【0042】 本例のシールド機では、図5(b)のよ
うに、接合位置で小径シールド機3を前進させる代わり
に、スライドジャッキ46を伸長することにより、スラ
イドリングプレート45を、大径シールド機1のカッタ
ーディスク12を越え、接合リング22の外周面上に嵌
合させることにより、大径シールド機1と小径シールド
機3とを機械的に接合する。なお接合後に、スライドリ
ングプレート45の先端部のチューブシール47を流体
圧により膨出させた状態で、接合リング22の外周面に
密着すると同時に、冷却媒体を凍結管26に流通させる
ことにより、スライドリングプレート45の先端と接合
リング22の外周面との隙間に介在する土砂中の水分を
凍結して完全に密封することができる。
【0043】上記に本発明のシールド機の二つの実施例
を示したが、本発明のシールド機は次のように実施する
ことができる。
【0044】(a) 大径シールド機1に泥水式シールド掘
進機を用い、小径シールド機3に土圧式シールド機3を
用いる。
【0045】(b) 上記第1実施例において、スキンプレ
ート31aの先端部に、第2実施例のスライドリングプ
レート45に設けたチューブシール47を装着する。
【0046】(c) 上記第1実施例において、接合リング
22の内周面あるいは外周面に、第2実施例の接合リン
グ22に設けた凍結管26を装着する。
【0047】(d) 大径シールド機1のカッターディスク
12の移動範囲は、シールド機本体11の中心軸線にカ
ッターディスク12の回転中心が一致する基準位置と、
対向する小径シールド機3のカッターディスク32の回
転中心位置にカッターディスク12の回転中心が一致す
る位置であり、上記二つの実施例ではカッターディスク
12を垂直方向へのみ移動させればよいために、垂直方
向に配置した複数の支持ボルト19の回転により位置の
調整を行うようにしている。しかし、垂直方向に限らず
水平方向を含む垂直面内での移動が必要な場合は、垂直
方向および水平方向に支持ボルトを配置したり、カッタ
ーディスク12の支持フレーム16を摺動自在に案内す
るガイド部材を設け、その移動方向に油圧シリンダを装
備したりする。
【0048】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
この発明の異径トンネル掘削用シールド機には、下記の
ような効果がある。
【0049】(1) 請求項1および請求項2記載のシール
ド機では、地盤の凍結や薬液注入などの補助工法を必要
とせず、トンネル接合部の止水を機械的構造により確実
に実施でき、接合作業が容易で作業時間が大幅に短縮さ
れ、また機械的接合部分が一箇所で済むので、シールド
機の構造が先願のものに比べてかなり簡略化される。
【0050】(2) 請求項2記載のシールド機では、接合
時の動作が請求項1のシールド機に比べて簡単になる。
【0051】(3) 請求項3および請求項4記載のシール
ド機では、スキンプレート又はスライドリングプレート
の先端部のチューブシールを膨出させることにより、両
者の接合部間を確実に密封してシールド機の接合部間か
らの浸水などを阻止できる。
【0052】(4) 請求項5記載のシールド機では、凍結
管に冷媒を導入することにより、スキンプレート又はス
ライドリングプレートの先端部と接合リングとの間の土
砂等を凍結して隙間を密封してシールド機の接合部間か
らの浸水などを阻止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の異径トンネル掘削用シールド機の実施
例にかかる2台の異径トンネル掘削用シールド機のうち
大径シールド機の通常の掘削作業状態をを示すもので、
同図(a)は側方中央断面図、同図(b)は右半分を省略し
た図1(a)のA−A方向半矢視図、同図(c)は図1(a)
のB−B線半断面図である。
【図2】図2(a)は2台の異径トンネル掘削用シールド
機の地中接合状態における側方中央断面図、同図(b)は
右半分を省略した図2(a)のA−A方向半矢視図、同図
(c)は図2(a)のB−B線半断面図である。
【図3】図3(a)および(b)はそれぞれ地中接合の動作
(手順)を順に説明する側方中央断面図である。
【図4】図4(a)および(b)はそれぞれ地中接合の動作
(手順)を順に説明する側方中央断面図である。
【図5】本発明の異径トンネル掘削用シールド機の他の
実施例を示すもので、図5(a)は小径シールド機と大径
シールド機とが接合位置まで掘進した状態を示す側方中
央断面図、図5(b)は小径シールド機と大径シールド機
と接合した状態を示す側方中央断面図である。
【図6】図5(b)の機械的接合部分の拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
1 大径シールド機 3 小径シールド機 11・31 シールド機本体 12・32 カッターディスク 13 ディスク本体 14 オーバーカッター 15 軸受装置 16 支持フレーム 17・36 駆動装置 18・34 バルクヘッド 19 支持ボルト 19a 固定ボルト 22 接合リング 26 凍結管 31a スキンプレート3 33 カッターチャンバー部 37・46 スライドジャッキ 40 スペーサ 45 スライドリングプレート 47 チューブシール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 9/06 E21D 9/087

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小径シールド機と大径シールド機を用い
    てトンネルの両側から掘削を開始して地中接合する異径
    トンネル掘削用シールド機において、 前記小径シールド機のカッターディスクおよびその回転
    駆動装置を含むカッターチャンバー部を、その外周の円
    環状スキンプレートに沿って前後方向に摺動自在に配設
    し、前記カッターチャンバー部を摺動するためのスライ
    ドジャッキを設け、 前記大径シールド機は、円形カッターディスク本体の外
    周縁部から半径方向外方へ出没自在なオーバーカッター
    を備えるとともに、 そのカッターディスク本体の外径を、前記スキンプレー
    トの内径よりわずかに小さく形成し、 前記大径シールド機のバルクヘッドに、前記スキンプレ
    ートの内周面を嵌合可能な接合リングを前方へ突設し、 前記カッターディスクは、その回転中心位置が前記大径
    シールド機本体の中心軸線に一致する位置と前記小径シ
    ールド機のカッターディスクの回転中心位置に一致する
    位置との間で移動可能に構成したことを特徴とする異径
    トンネル掘削用シールド機。
  2. 【請求項2】 小径シールド機と大径シールド機を用い
    てトンネルの両側から掘削を開始して地中接合する異径
    トンネル掘削用シールド機において、 前記小径シールド機の円環状スキンプレート外周面の先
    端部分に、スライドリングプレートを前後方向に摺動自
    在に配設し、前記スライドリングプレートを摺動するた
    めのスライドジャッキを設け、 前記大径シールド機は、円形カッターディスク本体の外
    周縁部から半径方向外方へ出没自在なオーバーカッター
    を備えるとともに、 そのカッターディスク本体の外径を、前記スライドリン
    グプレートの内径よりわずかに小さく形成し、 前記大径シールド機のバルクヘッドに、前記スライドリ
    ングプレートの内周面を嵌合可能な接合リングを前方へ
    突設し、 前記カッターディスクは、その回転中心位置が前記大径
    シールド機本体の中心軸線に一致する位置と前記小径シ
    ールド機のカッターディスクの回転中心位置に一致する
    位置との間で移動可能に構成したことを特徴とする異径
    トンネル掘削用シールド機。
  3. 【請求項3】 前記小径シールド機のスキンプレートの
    先端部内周面に、流体圧により膨出可能なチューブシー
    ルを設けた請求項1記載の異径トンネル掘削用シールド
    機。
  4. 【請求項4】 前記小径シールド機のスライドリングプ
    レートの先端部内周面に、流体圧により膨出可能なチュ
    ーブシールを設けた請求項2記載の異径トンネル掘削用
    シールド機。
  5. 【請求項5】 前記接合リングの周面に沿って地盤凍結
    用の凍結管を配設した請求項1〜4のいずれかに記載の
    異径トンネル掘削用シールド機。
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