JP2017155435A - トンネル拡幅方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】トンネルの周囲を拡幅できて比較的大きな径の拡幅トンネルを構築可能なトンネル拡幅方法を提供する。【解決手段】トンネルの外側に発進基地Bを施工する発進基地施工ステップと、発進基地からトンネルの延長方向に沿って延長する導坑Cを施工する導坑施工ステップと、導坑からトンネルの周方向に沿って延長するライニングDを施工するライニング施工ステップと、トンネルとライニングとの間の地盤を掘削した後に当該ライニングで囲まれたトンネル部分を解体することにより、トンネルを拡幅する拡幅ステップと、を備え、ライニングDは、管を地中に設置して構築したことを特徴とする。【選択図】図5

Description

本発明は、トンネルの周囲を拡幅可能なトンネル拡幅方法に関する。
トンネルを側方に拡幅して横長断面の拡幅トンネルを施工するトンネル拡幅工法が知られている(例えば特許文献1等参照)。
特開2010−77605号公報
しかしながら、上述したトンネル拡幅方法では、横長断面の拡幅トンネルを施工可能であるが、トンネルの周囲を拡幅した比較的大きな径の拡幅トンネルを構築することができなかった。
本発明は、上記課題に鑑み、トンネルの周囲を拡幅できて比較的大きな径の拡幅トンネルを構築可能なトンネル拡幅方法を提供するものである。
本発明に係るトンネル拡幅方法は、トンネルの外側に発進基地を施工する発進基地施工ステップと、発進基地からトンネルの周方向に沿って延長するライニングを施工するライニング施工ステップと、トンネルとライニングとの間の地盤を掘削した後に当該ライニングで囲まれたトンネル部分を解体することにより、トンネルを拡幅する拡幅ステップと、を備え、ライニングは、管を地中に設置して構築したことを特徴とするので、トンネルの周囲を拡幅できて比較的大きな径の拡幅トンネルを構築できるようになる。
本発明に係る別のトンネル拡幅方法は、トンネルの外側に発進基地を施工する発進基地施工ステップと、発進基地からトンネルの延長方向に沿って延長する導坑を施工する導坑施工ステップと、導坑からトンネルの周方向に沿って延長するライニングを施工するライニング施工ステップと、トンネルとライニングとの間の地盤を掘削した後に当該ライニングで囲まれたトンネル部分を解体することにより、トンネルを拡幅する拡幅ステップと、を備え、ライニングは、管を地中に設置して構築したことを特徴とするので、トンネルの周囲を拡幅できて比較的大きな径の拡幅トンネルを構築できるようになる。
また、前記発進基地施工ステップでは、複数の発進基地をトンネルの周方向に沿って間隔を隔てて構築し、前記ライニング施工ステップでは、トンネルの周方向において隣り合うように構築された複数の発進基地間を繋ぐようにライニングを構築したので、発進基地間を繋ぐライニング構築作業を、複数個所で並行して行うことが可能となるため、施工期間の短縮化が図れる。
また、前記導坑施工ステップでは、トンネルの周方向において間隔を隔てて複数の導坑を構築し、前記ライニング施工ステップでは、トンネルの周方向において隣り合うように構築された導坑間を繋ぐようにライニングを構築したので、導坑間を繋ぐライニング構築作業を、複数個所で並行して行うことが可能となるため、施工期間の短縮化が図れる。
また、前記トンネルの周方向に沿って間隔を隔てて構築された複数の各発進基地からそれぞれ導坑を構築したので、発進基地から導坑をトンネルの延長方向に沿って直線状に構築すればよく、導坑を容易に構築できる。
また、前記トンネルの周方向に沿って隣り合う発進基地同士を、トンネルの延長方向に沿って互いにずれた位置に構築したので、トンネルの強度が小さくなることを抑制できるようになる。
また、前記トンネルは、分岐合流させる第1のトンネル及び第2のトンネルであり、前記発進基地施工ステップでは、第1のトンネル又は第2のトンネルのうちの少なくとも一方のトンネルの外側に発進基地を構築し、前記ライニング施工ステップでは、第1のトンネルと第2のトンネルとの分岐合流部となる第1のトンネル及び第2のトンネルの周方向に沿って延長するライニングを構築したので、大断面のトンネル分岐合流部を構築できるようになる。
また、前記ライニング施工ステップでは、第1のトンネル及び第2のトンネルの周方向に沿って延長するライニングと第1のトンネルの延長方向に連続するように第1のトンネルの周方向に沿って延長するライニングを構築したので、大断面のトンネル分岐合流部を構築できるようになる。
また、前記トンネルとは別のトンネルの端部を、前記ライニング施工ステップで構築されたライニングの内側に接続したので、大断面のトンネル分岐合流部を構築できるようになる。
また、前記ライニング施工ステップにおいて、管を地中に設置する作業は、トンネルの延長方向に沿って複数の工事区域を設定し、2以上の工事区域で並行して管の設置作業を行うので、管の設置作業を並行して行うことが可能となり、ライニング施工ステップにかかる施工期間を短くすることが可能となるので、施工期間の短縮化が図れるようになる。
また、前記発進基地施工ステップでは、トンネルから出発して当該トンネルに到達する発進基地の外殻を構築した後、当該外殻とトンネルの外周面との間の地盤を掘削することにより発進基地を構築し、外殻は、管を地中に設置して構築したので、複数の発進基地を並行して構築することが可能となり、施工期間の短縮化が図れる。
前記管として、断面四角形状で、かつ、側壁が台形状に構築された管を使用し、前記ライニング、又は、前記外殻は、複数の当該管が順次前後で連結されて地中に設置されることによって、地中での進行軌跡が、前の管の後端開口縁と後の管の前端開口縁との連結部で折れ曲がる線状となる折曲管により構築したので、安定したアーチ状のライニング、あるいは、安定したアーチ状の外殻を構築できるようになり、作業を安全に行えるとともに、施工期間の短縮化が可能となり、また、管の製作コストを安価にでき、施工コストを抑えることが可能となる。
トンネル分岐合流部施工区間を示す図。 発進基地施工ステップの説明図。 導坑施工ステップの説明図。 ライニング施工ステップの説明図。 ライニング施工ステップの説明図。 拡幅ステップの説明図。 分岐合流部の内側施工の説明図。 管設置装置の断面図(管設置装置の実施形態1)。 先頭管の先頭部分を示した斜視図(管設置装置の実施形態1)。 案内刃管の刃先側から管の内部の掘削機械を見た図(管設置装置の実施形態1)。 地中への管の設置方法を示す図(管設置装置の実施形態1)。 管設置装置を示す斜視図(管設置装置の実施形態1)。 管設置装置を示す分解斜視図(管設置装置の実施形態1)。 管設置装置を示す分解斜視図(管設置装置の実施形態5)。 管設置装置を示す斜視図(管設置装置の実施形態5)。 管設置装置を示す斜視図(管設置装置の実施形態5)。 掘削機械揺動駆動装置を備えた管設置装置を示す断面図(管設置装置の実施形態6)。 (a)は先頭管の先頭部分を示した斜視図、(b)一対の第2の掘削ビット群の関係を示す断面図(管設置装置の実施形態7)。 (a)は回転掘削体の掘削時の状態を示す図、(b)は回転掘削体の回収時の姿勢状態を示す図(管設置装置の実施形態7)。 側壁が台形状に形成された管を示す斜視図(管の実施形態1)。 地中への管の設置方法を示す図(管の実施形態1)。 側壁が台形状に形成された管を示す斜視図(管の実施形態2)。 地中への管の設置方法を示す図(管の実施形態2)。 管分割体を示す斜視図(管の実施形態4)。 管分割体が連結されて構成された管を示す斜視図(管の実施形態4)。
実施形態1
実施形態1によるトンネル拡幅方法は、発進基地施工ステップと、ライニング施工ステップと、拡幅ステップとを備える。
発進基地施工ステップでは、既設のトンネルの外側に1つの発進基地を構築するか、又は、既設のトンネルの外側に複数の発進基地をトンネルの周囲に沿って間隔を隔てて構築する。
発進基地は、当該トンネルから出発して当該トンネルに到達する発進基地の外殻を構築した後、当該外殻とトンネルの外周面との間の地盤を掘削して構築する(図2参照)。
当該外殻は、管を地中に設置して構築する。例えば、後述するような、管設置装置1を用いて、断面四角形状で、かつ、側壁が台形状に形成された管2(図20,図22,図25参照)を、1つのトンネルの内側から地中に向けて推進させるとともに、当該管2の後ろに後続の管2を順次繋いでいくことにより、1つのトンネルから発進して当該1つのトンネルに到達するように連続して地中に設置される円弧状の連続管である折曲管200(図21,図23参照)を構築する。当該折曲管200は、後述するように、複数の当該管2が順次前後で連結されて地中に設置されることによって、地中での進行軌跡が、前の管2の後端開口縁と後の管2の前端開口縁との連結部で折れ曲がる線状となる。このような折曲管200を、当該トンネルの中心線に沿った方向(当該トンネルの延長方向)に隣り合うように複数列設けることによって外殻を構築する。この場合、互いに隣り合う折曲管200,200の間の地盤に例えば薬液を注入することによって当該地盤を改良しながら作業を行う。尚、地盤が安定していれば、地盤改良は行わなくてもよい。
当該発進基地施工ステップによれば、既設のトンネルに、外殻を形成する管の出発口と到達口を形成するだけでよく、既設のトンネルに対して特別な変更工事を行うことなく、簡単に発進基地を施工できる。
ライニング施工ステップでは、上記発進基地から当該トンネルの周囲を取り囲むライニングを施工する。ライニング施工ステップでは、例えば、1つの発進基地から発進して当該トンネルの周囲を取り囲んで当該1つの発進基地に到達するようにライニングを構築したり、あるいは、トンネルの周方向において隣り合うように構築された複数の発進基地間を繋いで当該トンネルの周囲を取り囲むライニングを構築する。当該ライニングは、上述した発進基地の外殻を構築する場合と同じように、上述した折曲管200を、当該トンネルの中心線に沿った方向に隣り合うように複数列設けることによって構築する。
当該ライニング施工ステップによれば、折曲管200をトンネルの中心線に沿った方向に隣り合うように複数列設けるので、安定なアーチ状のライニングを確実に構築できる。
拡幅ステップでは、当該トンネルと当該トンネルの周囲を取り囲むように構築されたライニングとの間の地盤を掘削した後に当該ライニングで囲まれたトンネル部分を解体することによって、当該トンネルを拡幅する(図6参照)。
実施形態1によるトンネル拡幅方法によれば、後述する実施形態2によるトンネル拡幅方法において構築する導坑を構築することなく、トンネルの周囲を拡幅できて比較的大きな径の拡幅トンネルを構築できるようになる。
また、発進基地施工ステップにおいて、複数の発進基地をトンネルの周囲に沿って間隔を隔てて構築し、ライニング施工ステップにおいて、トンネルの周方向において隣り合うように構築された複数の発進基地間を繋ぐようにライニングを構築し、複数の発進基地及び複数のライニングは、管を地中に設置して構築するようにすれば、複数の発進基地をトンネルの周囲に沿って間隔を隔てて構築する作業を並行して行うことが可能となり、さらに、トンネルを取り囲む円周上において隣り合うように構築された発進基地間を繋ぐライニング構築作業を、上記円周上において、複数個所で並行して行うことが可能となるため、施工期間の短縮化が図れる。
実施形態2
実施形態2によるトンネル拡幅方法は、発進基地施工ステップと、導坑施工ステップと、ライニング施工ステップと、拡幅ステップとを備える。
発進基地施工ステップは、実施形態1で説明した発進基地施工ステップと同じである(図2参照)。
導坑施工ステップでは、発進基地から当該トンネルの延長方向に沿って延長する導坑を構築する。
導坑施工ステップでは、例えば1つの発進基地からシールド機を発進させることにより、1つの導坑(導坑シールド)を構築したり、あるいは、複数の発進基地内から、それぞれシールド機を並行して発進させることにより、トンネルの周方向に間隔を隔てた箇所に設けられる複数の導坑(導坑シールド)を構築する(図3参照)。
当該導坑施工ステップによれば、発進基地から導坑をトンネルの延長方向に沿って直線状に構築すればよく、導坑を容易に構築できる。即ち、トンネルからシールド機を発進させることによって導坑をトンネルの延長方向に沿って構築する方法も考えられるが、このような方法の場合、曲線シールド機などの特殊なシールド機が必要となり、コスト及び施工期間の面での問題がある。これに対し、本願発明の実施形態2では、一般のシールド機を用いて導坑を構築できるので、安価かつ施工期間の短縮化が可能となる。
ライニング施工ステップでは、例えば、1つの導坑から発進してトンネルの周囲を取り囲んで当該1つの導坑に到達するようにライニングを構築したり、あるいは、トンネルの周方向において隣り合うように構築された複数の導坑間を繋いで当該トンネルの周囲を取り囲むライニングを構築する(図5参照)。当該ライニングは、実施形態1で説明したライニング施工ステップと同じように、上述した折曲管200を、当該トンネルの中心線に沿った方向に隣り合うように複数列設けることによって構築する。
拡幅ステップでは、当該トンネルと当該トンネルの周囲を取り囲むように構築されたライニングとの間の地盤を掘削した後に当該ライニングで囲まれたトンネル部分を解体することにより、当該トンネルを拡幅する(図6参照)。
実施形態2によるトンネル拡幅方法によれば、トンネルの周囲を拡幅できて比較的大きな径の拡幅トンネルを構築できるようになる。
また、発進基地施工ステップにおいて、複数の発進基地をトンネルの周囲に沿って間隔を隔てて構築し、導坑施工ステップにおいては、複数の各発進基地からそれぞれ導坑を構築することによって、トンネルの周方向において間隔を隔てた複数の導坑を構築し、ライニング施工ステップにおいて、トンネルの周方向において隣り合うように構築された導坑間を繋ぐようにライニングを構築し、複数の発進基地及び複数のライニングは、管を地中に設置して構築し、複数の導坑は複数のシールド機を用いて構築するようにすれば、複数の発進基地をトンネルの周囲に沿って間隔を隔てて構築する作業を並行して行うことが可能となり、複数の導坑を構築する作業を並行して行うことが可能となり、さらに、トンネルを取り囲む円周上において隣り合うように構築された導坑間を繋ぐライニング構築作業を、上記円周上において、複数個所で並行して行うことが可能となるため、施工期間の短縮化が図れる。
尚、例えば、トンネルの周囲に沿って延長するような1つの発進基地を構築し、当該1つの発進基地からトンネルの周方向において間隔を隔てた複数の導坑を構築し、そして、ライニング施工ステップにおいて、トンネルの周方向において隣り合うように構築された導坑間を繋ぐようにライニングを構築するようにしてもよい。
実施形態3
実施形態1,2における発進基地施工ステップにおいて、トンネルの周囲に沿って隣り合うように構築された発進基地同士が、トンネルの延長方向に沿って互いにずれた位置に構築されていない場合、トンネルの周囲に沿って隣り合うように複数の発進基地が設けられるトンネルの同一円周上の位置において、外殻とトンネルの外周面との間の地盤を掘削した土砂をトンネル内に取り込んだり、発進基地内にシールド機を搬入するための開口を形成する必要があるため、トンネルの同一円周上の位置において欠損部分が多くなって、当該トンネルの強度が小さくなる可能性がある。そこで、実施形態1,2における発進基地施工ステップにおいて、トンネルの周囲に沿って隣り合う発進基地同士を、トンネルの延長方向に沿って互いにずれた位置に構築することで、トンネルの欠損部分がトンネルの延長方向に沿った方向にずれるため、トンネルの強度が小さくなることを抑制できるようになる。言い換えれば、トンネルの周囲に沿って隣り合う発進基地の中心(重心)が、トンネルの延長方向に沿った方向において互いにずれた位置になるように各発進基地を構築することにより、トンネルの強度が小さくなることを抑制できるようになる。
実施形態4
実施形態1,2におけるライニング施工ステップにおいて、トンネルの延長方向に沿って複数の工事区域を設定し、2つ以上の工事区域で平行して管の設置作業を行うようにすることで、管の設置作業を並行して行うことが可能となり、ライニング施工ステップにかかる施工期間を短くすることが可能となるので、施工期間の短縮化が図れるようになる。
実施形態5
次に実施形態1乃至実施形態4で説明したトンネル拡幅方法を使用して、例えば第1のトンネルとしての本線トンネルと第2のトンネルとしてのランプトンネルとの分岐合流部を施工する方法について、図1乃至図6を参照しながら、具体的に説明する。
上述したトンネル拡幅方法を用いて、本線トンネルとランプトンネルとの分岐合流部を施工する方法は、図1に示すように、本線トンネルA1とランプトンネルA2との分岐合流部施工区間Xにおいて、本線トンネルA1及びランプトンネルA2の周囲を取り囲むライニングDを構築し、当該ライニングDと本線トンネルA1との間の地盤、及び、当該ライニングDとランプトンネルA2との間の地盤を掘削することで、大断面の分岐合流部G(図6,図7参照)を施工する方法であり、上述した発進基地施工ステップと、導坑施工ステップと、ライニング施工ステップと、上述した拡幅ステップを利用した分岐合流部施工ステップとを備える。
尚、本線トンネルA1及びランプトンネルA2は、例えば、都市部の地下に構築されたシールドトンネルである。
発進基地施工ステップは、本線トンネルA1の外側に、導坑Cの発進基地Bを施工するステップである。
発進基地施工ステップでは、複数の発進基地B,B…が本線トンネルA1の周囲に沿って間隔を隔てて複数箇所に構築される。
発進基地Bは、例えば、図2に示すように、各発進基地B,B…の中心が本線トンネルA1の中心線を中心とした円周上において互いに90度隔てて位置するように、4つ構築される。
発進基地Bは、本線トンネルA1から出発して本線トンネルA1に到達する発進基地Bの外殻B1を構築した後、当該外殻B1と本線トンネルA1の外周面との間の地盤を掘削して構築する。
この場合、トンネルの周囲に沿って隣り合う発進基地B,B同士を、本線トンネルA1の延長方向に沿って互いにずれた位置に構築して、本線トンネルA1の強度が小さくなることを抑制する。即ち、トンネルの周囲に沿って隣り合う発進基地B,Bの中心(重心)が、トンネルの延長方向に沿った方向において互いにずれた位置になるように各発進基地を構築することにより、本線トンネルA1の強度が小さくなることを抑制する。
外殻B1は、管を地中に設置して構築する。例えば、上述した折曲管200を、本線トンネルA1の中心線に沿った方向(本線トンネルA1の延長方向)に隣り合うように複数列設けることによって外殻B1を構築する。この場合、互いに隣り合う折曲管200,200の間の地盤に例えば薬液を注入することによって当該地盤を改良しながら作業を行う。尚、地盤が安定していれば、地盤改良は行わなくてもよい。
そして、構築された当該外殻B1の内側に位置する本線トンネルA1のセグメントを解体して外殻B1の内側の土砂を本線トンネルA1内に取り込むための開口B2(図2参照)を形成し、当該開口B2を介して外殻B1と本線トンネルA1との間の地盤を掘削して本線トンネルA1内に取り込んだ後に地上に排出することにより、外殻B1と本線トンネルA1との間に基地空間を形成して、当該外殻B1と本線トンネルA1との間で外殻B1に覆われた発進基地Bを構築する。
このように、複数の折曲管200,200…を、本線トンネルA1の中心線に沿った方向に隣り合うように複数列設けて外殻B1を構築することによって、安定したアーチ状の外殻B1を構築することができる。
また、本線トンネルA1の中心線を中心とした円周上において間隔を隔てて位置する複数の発進基地B,B…を構築するための複数の外殻B1,B1…を、後述する管設置装置1を複数使用することによって並行して構築するようにすれば、複数の発進基地B,B…を並行して構築できるので、施工期間の短縮化が図れる。
導坑施工ステップは、図3に示すように、発進基地BからランプトンネルA2側に向けて本線トンネルA1とランプトンネルA2との分岐合流部施工区間Xに亘って延長する導坑(側設導坑)Cを施工するステップである。
導坑施工ステップでは、例えば、開口B2を介して複数の発進基地B,B…内に、それぞれ図外のシールド機を搬入して組み立て、開口B2を図外の補強材などで塞いだ複数の発進基地B,B…内から、それぞれシールド機を並行して発進させることにより、本線トンネルA1及びランプトンネルA2の外側に、本線トンネルA1及びランプトンネルA2の延長方向に沿って延長し、かつ、本線トンネルA1の周方向に間隔を隔てた箇所に設けられる複数の導坑Cを構築する。
当該シールド機で導坑Cを構築すれば、地質に影響を受けることなく、例えば、都市部の地下において周辺環境に悪影響を与えないように導坑Cを構築できるようになる。
また、複数の導坑Cを並行して構築できるので、施工期間の短縮化が図れる。
分岐合流部施工区間Xは、図1に示すように、並行する本線トンネルA1とランプトンネルA2とに沿った部分である並行部分X1と、本線トンネルA1に沿った部分である単独部分X2とがある。
図1に示すように、複数の導坑Cは、並行部分X1では、本線トンネルA1及びランプトンネルA2の外側に本線トンネルA1及びランプトンネルA2の延長方向に沿って延長するように構築され、単独部分X2では、本線トンネルA1の外側に本線トンネルA1の延長方向及びランプトンネルA2の延長方向に沿って延長するように構築される。
ライニング施工ステップは、図1に示すように、本線トンネルA1とランプトンネルA2との分岐合流部施工区間Xに亘り、単独部分X2においては導坑Cから本線トンネルA1の周囲を取り囲むライニングDを施工するステップと、並行部分X1においては導坑Cから本線トンネルA1及びランプトンネルA2の周囲を取り囲むライニングDを施工するステップである。
ライニング施工ステップでは、図1,図5に示すように、単独部分X2間では本線トンネルA1を取り囲む円周上において隣り合うように設けられた2つの導坑C,C間を繋ぐように、発進基地施工ステップで構築した折曲管200と同様の折曲管200を地中に設置することにより、単独部分X2間で本線トンネルA1を周囲を取り囲むライニングDを構築する。
また、図1に示すように、並行部分X1間では本線トンネルA1及びランプトンネルA2を取り囲む円周上において隣り合うように設けられた2つの導坑C,C間を繋ぐように、発進基地施工ステップで構築した折曲管200と同様の折曲管200を地中に設置することによって、並行部分X1間で本線トンネルA1及びランプトンネルA2の周囲を取り囲むライニングDを構築する。
即ち、ライニング施工ステップでは、本線トンネルA1とランプトンネルA2との分岐合流部となる本線トンネルA1及びランプトンネルA2の周方向に沿って延長するライニングを構築する。
このように、複数の折曲管200,200…を、本線トンネルA1及びランプトンネルA2の周方向に沿った方向に隣り合うように複数列設けてライニングDを構築することによって、安定したアーチ状のライニングDを構築することができる。
また、本線トンネルA1を取り囲む円周上において隣り合うように設けられた導坑C,C間を繋ぐライニング構築作業、または、本線トンネルA1及びランプトンネルA2を取り囲む円周上において隣り合うように設けられた導坑C,C間を繋ぐライニング構築作業を、上記円周上において、複数個所で並行して行うことが可能となるため、施工期間の短縮化が図れる。
また、ライニング施工ステップにおいて、2つの導坑C,C間を繋ぐ折曲管200を地中に設置する作業は、図4に示すように、本線トンネルA1及びランプトンネルA2の延長方向に沿って複数の工事区域D1,D2…を設定し、2以上の工事区域D1,D2…で折曲管200を地中に設置する作業を並行して行うことにより、折曲管200の設置作業を並行して行うことが可能となり、ライニング施工ステップにかかる施工期間を短くすることが可能となるので、施工期間の短縮化が図れる。
分岐合流部施工ステップは、図6に示すように、本線トンネルA1と当該本線トンネルA1の周囲を取り囲むライニングDとの間の地盤E1を掘削した後に当該ライニングDで囲まれた本線トンネルA1部分を解体するとともに、本線トンネルA1及びランプトンネルA2と当該本線トンネルA1及びランプトンネルA2の周囲を取り囲むライニングDとの間の地盤E1を掘削した後に当該ライニングDで囲まれた本線トンネルA1部分及びランプトンネルA2部分を解体することにより、本線トンネルA1とランプトンネルA2との分岐合流部Gを構築するステップである。
地盤を掘削する作業は、図6に示すように、ライニングDを構築する折曲管200に図外の貫通孔を形成して、当該貫通孔を介して地盤E1を掘削して折曲管200内に取り込んだ後、導坑Cを経由して地上に排出することで、本線トンネルA1と当該本線トンネルA1の周囲を取り囲むライニングDとの間、さらには、本線トンネルA1及びランプトンネルA2と当該本線トンネルA1及びランプトンネルA2の周囲を取り囲むライニングDとの間を空洞Eにする。
そして、当該空洞Eの内側に位置される当該本線トンネルA1のセグメント及びランプトンネルA2のセグメントをトンネルの内側から解体することにより、本線トンネルA1とランプトンネルA2との分岐合流部Gを構築する(図6(b),図6(c)参照)。
分岐合流部Gを構築した後、外殻B1の内側空間(発進基地B内)、空間Eを除く導坑Cの内側空間を、コンクリートなどで埋める。
そして、図7(a)に示すように分岐合流部Gの内側に土砂Hを埋め戻すか、あるいは、コンクリート打設により、図7(b)に示すように分岐合流部の床版Iを施工する。そして、分岐合流部Gの内壁面(ライニングDの内面)に図外の耐火パネルを取り付ける。
実施形態5によれば、本線トンネルA1の周囲を取り囲むライニングD、及び、本線トンネルA1及びランプトンネルA2の周囲を取り囲むライニングDを構築するようにしたので、本線トンネルA1の周囲を拡幅できるとともに、本線トンネルA1及びランプトンネルA2の周囲を拡幅できて、大断面のトンネル分岐合流部を構築できるようになる。
また、外殻B1、及び、ライニングDを、複数の折曲管200,200…により構築したので、安定したアーチ状の外殻B1、及び、安定したアーチ状のライニングDを構築できるようになり、作業を安全に行えるとともに、施工期間の短縮化が可能となる。
また、断面四角形状で、かつ、側壁が台形状に形成された管2を用いて、折曲管200を構築するようにしたので、管2の製作コストを安価にでき、施工コストを抑えることが可能となる。
実施形態6
実施形態5では、ランプトンネルA2の端部を本線トンネルA1に到達させた後に、本線トンネルA1の周囲を取り囲むライニングD、及び、本線トンネルA1及びランプトンネルA2の周囲を取り囲むライニングDを構築する例を示したが、本線トンネルA1の周囲を取り囲むライニングDを構築した後に、当該ライニングDの内側に、ランプトンネルA2(別のトンネル)の端部を接続するようにしてもよい。
例えば、分岐合流部施工区間Xの単独部分X2となる区間において本線トンネルA1の周囲を取り囲むライニングDを構築し、本線トンネルA1と当該本線トンネルA1の周囲を取り囲むライニングDとの間の地盤を掘削した後に当該ライニングDで囲まれた本線トンネル部分を解体することにより、単独部分X2において本線トンネルA1を拡幅する。そして、拡幅された本線トンネルA1におけるライニングDの内側にランプトンネルA2の端部を接続した後に、並行部分X1となる区間において本線トンネルA1とランプトンネルA2とを囲むライニングDを構築する。そして、当該ライニングDと本線トンネルA1及びランプトンネルA2との間の地盤を掘削し、かつ、当該ライニングDの内側に位置される本線トンネルA1のセグメント及びランプトンネルA2のセグメントをトンネルの内側から解体することにより、本線トンネルA1とランプトンネルA2との分岐合流部Gを構築するようにしてもよい。
また、分岐合流部施工区間Xの単独部分X2となる区間において本線トンネルA1の周囲を取り囲むライニングDを構築し、当該ライニングDの内側にランプトンネルA2の端部を接続した後に、並行部分X1となる区間において本線トンネルA1とランプトンネルA2とを囲むライニングDを構築し、その後、分岐合流部施工区間Xに亘って、ライニングDと本線トンネルA1及びランプトンネルA2との間の地盤を掘削し、かつ、当該ライニングDの内側に位置される本線トンネルA1のセグメント及びランプトンネルA2のセグメントをトンネルの内側から解体することにより、本線トンネルA1とランプトンネルA2との分岐合流部Gを構築するようにしてもよい。
また、単独部分X2において本線トンネルA1を拡幅した後、拡幅された本線トンネルA1におけるライニングDの内側にランプトンネルA2の端部を接続したり、単独部分X2となる区間において本線トンネルA1の周囲を取り囲むライニングDを構築して、当該ライニングDの内側にランプトンネルA2の端部を接続した後に、単独部分X2において本線トンネルA1を拡幅することにより、単独部分X2だけが拡幅された本線トンネルA1とランプトンネルA2との分岐合流部Gを構築するようにしてもよい。即ち、並行部分X1となる区間において本線トンネルA1とランプトンネルA2とを囲むライニングDを構築せずに、本線トンネルA1の拡幅された単独部分X2とランプトンネルA2の端部とを接続した構成の分岐合流部Gを構築するようにしてもよい。
実施形態6によれば、本線トンネルA1の周囲を拡幅できて、大断面のトンネル分岐合流部を構築できるようになる。
尚、上述した各実施形態において、外殻を構築するための断面四角形状の管としては、管の中心線が曲線である曲管を用いるようにしてもよい。
また、ライニングを構築するための断面四角形状の管としては、管の中心線が曲線である曲管、あるいは、真っ直ぐに延長する管(管の中心線が直線である管(直管))を用いるようにしてもよい。
また、管として、断面円形状の管を用いてもよい。例えば、パイプルーフと呼ばれる断面円形状の曲管を専用の管設置装置を用いて設置するようにしてもよい。
また、導坑Cを、TBM工法、機械掘削、発破、矢板工法、NATM工法等の山岳工法で構築してもよい。
また、導坑Cを1つだけ構築する場合、導坑Cから発進して当該導坑Cに到達するようなライニングDを、側壁が台形状に形成された管2、あるいは、曲管を用いて構築すればよい。
また、実施形態では、第1のトンネルの外側に発進基地を構築したが、第2のトンネルの外側に発進基地を構築してもよいし、第1のトンネルの外側と第2のトンネルの外側との両方に発進基地を構築してもよい。即ち、発進基地施工ステップでは、第1のトンネル又は第2のトンネルのうちの少なくとも一方のトンネルの外側に発進基地を構築すればよい。
また、発進基地は、地上からトンネル近くまで届くように設けられた立坑を利用するようにしてもよい。
また、実施形態では、ライニング施工ステップにおいて、発進基地や導坑からトンネルの周囲を取り囲むようにライニングを施工する例を示したが、発進基地や導坑からトンネルの周方向に沿って延長するライニングを施工するようにしてもよい。例えばトンネルの周囲を取り囲まずに、発進基地や導坑からトンネルの周方向に沿って延長する弧状のライニングを施工するようにしてもよい。
本発明のトンネル拡幅方法は、分岐合流部を構築する際に採用されるだけではなく、高速道路のトンネルの車線増設等のためのトンネルを拡幅する際、地下鉄トンネルを拡幅する際、その他のトンネルを拡幅する際にも適用可能である。
管設置装置1の実施形態1
以下、図8乃至図13に基づいて、断面四角形状の管を地中に設置して上述した外殻B1、あるいは、ライニングDを構築するための管設置装置1の一例を説明する。
図8に示すように、管設置装置1は、管2と、掘削装置3と、推進装置4と、推進力伝達装置70と、案内台90と、押さえ部材110とを備える。尚、以下、図8における上側を管2や管設置装置1の先頭あるいは前側と定義し、図8における下側を管2や管設置装置1の後側と定義し、図8における左右側を管2や管設置装置1の左右側と定義し、図8の紙面と直交する方向の上下側を管2や管設置装置1の上下側と定義して説明する。図9に管2や管設置装置1の前側、後側、左側、右側、上側、下側を明記した。
以下、図8乃至図10を参照して管設置装置1の構成について説明する。
先頭管6は、管の先端側に案内刃部を備えた構成であり、例えば、図8に示すように、管6xと、管6xの先端に設けられた案内刃部として機能する案内刃管9とで形成される。案内刃管9は、管の一方の開口端縁13が鋭利に形成された刃部14を備えた管である。
先頭管6は、案内刃管9の他方の開口端部と管6xの先端の開口端部8とが接続されて形成される。この場合、例えば、案内刃管9の管の外径寸法が管6xの管の外径寸法よりも大きく、案内刃管9の他方の開口端面15側には、開口端面15における管の内周面側が削られて、段差が設けられることで、管6xの先端の開口端部8を嵌め込む嵌合孔16が形成された構成とする。そして、案内刃管9の他方の開口部17に設けられた嵌合孔16内に管6xの先端の開口端部8を嵌め込み、かつ、これら両者が、ボルト接合,溶接などの図外の接続手段によって接続されることで、案内刃管9の他方の開口端部と管6xの先端の開口端部8とが接続された構成とする。このように、案内刃管9の他方の開口部17に設けられた嵌合孔16内に管6xの先端の開口端部8を嵌め込んで、案内刃管9が管6xの先端開口端面18を覆うように取付けられた構成としたことで、管6xの推進の際に、管6xの先端開口端面18が地中10の抵抗を受けず、推進抵抗を少なくできる。また、管6xの先端の開口端部8を嵌め込む嵌合孔16が形成された構成としたことで、管6xの先端に容易に案内刃管9を設置でき、先頭管6を形成するための管6xと案内刃管9との組み立てを容易とすることができる。この場合、先頭管6の矩形外周面において管6xと案内刃管9との間で段差が生じるが、この段差は、管2の矩形外周面と出発口の内周面とに設けられる水密性能維持部材により止水性能を維持できるように小さく(例えば、1cm程度)形成される。
尚、案内刃管9と管6xとの外径寸法を同径とし、案内刃管9の他方の開口端面と管6xの先端開口端面18とを突き合わせた状態でこれらの境界部分を全周溶接、又は、点溶接することで先頭管6を形成してもよい。
また、管の先端側が案内刃管9として機能する案内刃部に形成された管を先頭管6として用いてもよい。
このようにすれば、先頭管6の矩形外周面の段差を小さくできるか、段差が生じないので、管2の矩形外周面と出発口の内周面とに設けられる水密性能維持部材による止水性能を良好に維持できる。
先頭管6の管の内面20において、管の延長方向(管の中心線に沿った方向)の中央部よりも先頭側の位置には、管側推進力受け部21が設けられる。管側推進力受け部21は、後述する掘削装置3に設けられた基板25を介して推進装置4からの推進力を受けて先頭管6を推進させる。管側推進力受け部21は、先頭管6の断面(先頭管の中心線と直交する面で先頭管を切断した場合の断面)の内面を一周した矩形形状に対応した矩形枠外周寸法に形成された矩形枠体22により形成され、矩形枠体22の外周面23と先頭管6の管の内周面20aとが対応するように設置された状態で矩形枠体22が先頭管6の管の内周面20aに溶接、ボルト・ナットなどの図外の接続手段により固定される。
掘削装置3は、基板25と、掘削機械26と、駆動源27と、水供給機構75と、排泥機構76とを備える。
基板25は、先頭管6の中心線と基板25の中心線とが一致するように配置されて先頭管6内を前後方向に移動可能に設けられる。基板25は、先頭管6の断面の内面を一周した矩形形状に対応した矩形板30により形成される。当該矩形板30の大きさは、先頭管6の断面の内面を一周した矩形の寸法よりも小さく、かつ、上記管側推進力受け部21を形成する矩形枠体22の矩形枠内周寸法よりも大きい。即ち、基板25を形成する矩形板30の前面39fにおける矩形周縁面33と、上記管側推進力受け部21を形成する矩形枠体22の枠後面32とが対向するように形成される。尚、基板25を形成する矩形板30の前面39fにおける矩形周縁面33と管側推進力受け部21を形成する矩形枠体22の枠後面32との間には例えば弾性体により形成された水密性能維持部材(パッキン)35が設けられる。水密性能維持部材35は、例えば、基板25を形成する矩形板30の前面39fにおける矩形周縁面33、又は、管側推進力受け部21を形成する矩形枠体22の枠後面32に取付けられる矩形枠体36により形成される。したがって、基板25に伝達された推進力が水密性能維持部材35を介して管側推進力受け部21に伝達されることにより、管2と掘削機械26とが一緒に推進する。
基板25の前面39fの中央部には、掘削機械26の支持部40の一端が固定される。
また、基板25の中央部には後述する耐圧ホース56を貫通させる貫通孔38aが形成される。
掘削機械26は、支持部40と、回転部41とを備える。
支持部40は、1つの支柱42と2つの分岐支柱43とが組合されたT字状の中空支柱により形成される。支柱42の一端部には例えば図外の取付フランジが設けられ、この取付フランジがボルト及びナットのような固定具などによって基板25の前面39fの中央に着脱可能に固定されることによって支柱42の一端が基板25の前面39fの中央に固定され、支柱42が基板25の前面39fに対して直交する方向に延長する。2つの分岐支柱43は、支柱42の先端部(他端部)より支柱42の延長方向と直交する一直線上において互いに離れる方向に延長する。即ち、支持部40のT字状の中空路と貫通孔38aとが連通するように支柱42の一端が基板25に固定される。分岐支柱43の先端には、それぞれモータマウント44を備える。
回転部41は、回転機構部45と、回転掘削体46とを備える。
回転機構部45は、例えばモータ47により構成される。各モータマウント44,44には、モータ47のケーシング48が固定される。
2つのモータ47,47の回転軸49,49は、支柱42の先端部より支柱の延長方向と直交する一直線上において互いに離れる方向に延長する。
回転掘削体46は、一端開口他端閉塞の筐体50と、筐体50の外周面51に設けられた複数の掘削ビット(掘削刃)52とを備える。
モータ47は、例えば、流体圧により作動するモータ、あるいは、電気で作動するモータを用いる。例えば油圧モータ(以下、油圧モータ47とする)を用いる場合、駆動源27としての油圧源55と油圧モータ47のケーシング48内とが圧油供給路56a及び油帰還路56bを形成する耐圧ホース56で繋がれる。即ち、耐圧ホース56は貫通孔38a及び支持部40のT字状の中空路を介して油圧モータ47のケーシング48に接続される。油圧モータ47は、耐圧ホース56を介してケーシング48内に供給される圧油によって回転軸49が回転するように構成される。
例えば、回転掘削体46の筐体50の他端閉塞内面(筐体の内底面)53の中心と回転軸49の回転中心とが一致するように、筐体50の他端閉塞内面53と油圧モータ47により回転する回転軸49の先端に設けられた連結板54とがねじ等の連結具57により連結される。
即ち、2つの回転掘削体46が2つの回転軸49,49に共通の1つの回転中心線Lを回転中心として回転するように構成される。つまり、先頭管6の推進方向と直交する回転中心線Lを回転中心として回転する2つの回転掘削体46,46を備える。このような2つの回転掘削体46,46を備えた構成は、ツインヘッダと呼ばれる。先頭管6の推進方向と直交する回転中心線Lを回転中心として回転する2つの回転掘削体46,46を備えた所謂ツインヘッダを用いた場合、推進方向と直交する面内における回転掘削体46の掘削幅を大きくできるので、掘削幅に応じた矩形幅の管2を容易に地中10に設置できるようになる。
尚、回転掘削体46,46の前後位置は、管側推進力受け部21の設置位置を前後に変えることにより適宜調整すればよい。
例えば、図8に示すように、掘削ビット52の先端80と案内刃管9の刃先81とが案内刃管9の中心軸と直交する1つの平面上に位置するように回転掘削体46,46を設置したり、図示しないが、掘削ビット52の先端80が案内刃管9の刃先81よりも前方側に突出するように回転掘削体46,46を設置したり、掘削ビット52の先端80が先頭管6内に位置するように回転掘削体46,46を設置する。
掘削ビット52の先端80を案内刃管9の刃先81よりも前方側に突出させて回転掘削体46,46の掘削動作を行えば、案内刃管9の刃先よりも前方に位置する地盤を掘削ビット52により確実に掘削できるので、案内刃管9の刃先81が硬質の地盤に衝突して先頭管6を推進できなくなるような事態を少なくできる。例えば、回転中心線Lと案内刃管9の刃先81とが同一平面上に位置するように、掘削ビット52の先端80を案内刃管9の刃先81よりも前方側に突出させて回転掘削体46,46による掘削動作を行えば、案内刃管9の刃先よりも前方に位置する地盤を掘削ビット52によりさらに確実に掘削できるようになり、管2をより推進させやすくなるので、管2の設置作業をよりスムーズに行える。
また、掘削ビット52の先端80を先頭管6内に位置させた状態で先頭管6の推進動作及び回転掘削体46,46の掘削動作を行えば、地中10に突刺された案内刃管9の刃先の内側に入り込んだ地中部分のみが掘削ビット52により掘削されるので、地中10の余掘り部分が少なくなり、地盤沈下等、地中10に与える影響を少なくすることができる。
回転掘削体46,46の間には固定掘削体77を備える。
固定掘削体77は、分岐支柱43よりも前方に突出するように2つの分岐支柱43,43の境界部分の前方外周面に溶接又はボルト、ナット等の固定手段によって固定状態に取付けられる。
固定掘削体77は、例えば、上下間の中央部が案内刃管9の刃先81側に膨出する湾曲形状に形成され、この湾曲面の左右幅間の中心が湾曲面の周方向に沿って連続する鋭利な刃形状となるように形成された構成である。
このように、固定掘削体77は、上下間の中央部が案内刃管9の刃先81側に膨出する湾曲形状に形成された構成としたので、先頭管6が推進する際の地盤の抵抗を減らすことができ、先頭管6をよりスムーズに推進させることができるようになる。
上記固定掘削体77が設けられていない場合には、掘削された土砂が回転掘削体46,46の間に詰まってしまう可能性があるが、回転掘削体46,46の間に固定掘削体77を設けた場合には、固定掘削体77が、先頭管6の推進により地盤に衝突することによって、地盤を削ったり、衝突した地盤部分にある土砂や岩を左右に振り分けて左右の回転掘削体46,46に仕向けたりするといった役割を果たすので、先頭管6をよりスムーズに推進させることができるようになる。
例えば、図8に示すように、固定掘削体77の上下間の中央と回転掘削体46の掘削ビット52と案内刃管9の刃先81とが先頭管6の中心軸と直交する同一平面上に位置するように構成される。
このように固定掘削体77の上下間の中央と回転掘削体46の掘削ビット52と案内刃管9の刃先81とが先頭管6の中心軸と直交する同一平面上に位置するように構成した場合は、上述したような、固定掘削体77が掘削に先立って地盤にひび割れを誘発させることにより掘削しやすくなるといった効果が得られるとともに、固定掘削体77が地盤に衝突してしまって先頭管6が推進しなくなるといったことも防止できる。
尚、固定掘削体77の上下間の中央が回転掘削体46の掘削ビット52と案内刃管9の刃先81よりも後方又は前方に位置するように構成してもよい。
固定掘削体77の上下間の中央が回転掘削体46の掘削ビット52と案内刃管9の刃先81よりも前方に位置するように構成された場合、固定掘削体77が掘削に先立って地盤にひび割れを誘発させることにより掘削しやすくなるといった効果も得られる。
逆に、固定掘削体77の上下間の中央が回転掘削体46の掘削ビット52と案内刃管9の刃先81よりも後方に位置するように構成された場合は、地盤が硬質の場合において掘削ビット52や案内刃管9の刃先81よりも先に固定掘削体77が地盤に衝突してしまって先頭管6が推進しなくなるといったことを防止できる。
また、固定掘削体77の先端形状は、先頭管6の推進により地盤に衝突することによって、地盤を削ったり、衝突した地盤部分にある土砂や岩を左右に振り分けて左右の回転掘削体46,46に仕向けたり、掘削に先立って地盤にひび割れを誘発させて掘削しやすいようにするという役割を達成できる形状に形成されていればよい。例えば、上述したように前方先端が鋭利な刃先状に形成されたものでもよいし、前方先端が面状に形成されたものでもよく、地盤の地質によって、地盤を掘削して崩しやすい形状のものを選択すればよい。
また、回転掘削体46の筐体50は案内刃管9の左右の内面と接触しないように案内刃管9の左右の内面から離れて設置されるので、筐体50と案内刃管9の左右の内面との間の地盤が掘削されにくい可能性がある。
そこで、先頭管6の中央側に位置される掘削ビット52を筐体50の中心軸(回転中心線L)と直交する方向に延長するように設け、かつ、図8乃至図10に示すように、先頭管6の左側に位置される掘削ビット52a(52)をできるだけ案内刃管9の左の内面に近付く位置まで先頭管6の左側に延長させて設け、さらに、先頭管6の右側に位置される掘削ビット52b(52)をできるだけ案内刃管9の右の内面に近付く位置まで先頭管6の右側に延長させて設けることによって、先頭管6の左右側に位置される掘削ビット52a,52bで先頭管6の左右の角部に位置する地盤をより効果的に掘削できるようにした。
水供給機構75は、水貯留タンク75aと、基板25の前面39fと後面39とに貫通する水供給孔75bと、例えば蛇腹管や鋼管等により構成された水供給管75cと、送水用のポンプ75d、連結管75eとを備える。
基板25の前面39fと先頭管6の内面20とで囲まれた空間69内に水供給管75cの一端開口が連通するように、例えば、水供給孔75bの内側に水供給管75cの一端がねじ嵌合されることによって水供給孔75bと水供給管75cの一端とが結合される。そして、水供給管75cの他端開口と送水用のポンプ75dの吐出口とが連通可能に連結され、送水用のポンプ75dの吸込口と水貯留タンク75aとが連結管75eにより連通可能に連結される。
排泥機構76は、基板25の前面39fと後面39とに貫通する排泥孔76aと、例えば蛇腹管や鋼管等により構成された排泥管76bと、排泥用のポンプ76cと、排泥タンク76dと、連結管76eとを備える。
空間69内に排泥管76bの一端開口が連通するように、例えば、排泥孔76aの内側に排泥管76bの一端がねじ嵌合されることによって排泥孔76aと排泥管76bの一端とが結合される。そして、排泥管76bの他端開口と排泥用のポンプ76cの吸込口とが連通可能に連結され、排泥用のポンプ76cの吐出口と排泥タンク76dとが連結管76eにより連通可能に連結される。
尚、水貯留タンク75a及び排泥タンク76dは、水貯留タンク75aと排泥タンク76dとが一体となった集合タンク75Xにより構成される。即ち、集合タンク75Xの内部に仕切体75wを設けて集合タンク75Xの内部を2つの領域に区切り、一方の領域を水貯留タンク75aとして使用し、他方の領域を排泥タンク76dとして使用する。
つまり、最初に一定量の水を集合タンク75X内に満たしておき、送水用のポンプ75dを駆動して空間69内に水を圧送すると、空間69内に圧送された水と掘削機械26により掘削された土砂とが混ざって泥水となる。そして、排泥用のポンプ76cを駆動することにより、空間69内の泥水が排泥タンク76dに排出される。排泥タンク76dに排出された泥水中の泥が排泥タンク76dの底に沈殿するとともに、仕切体75wを越えて水貯留タンク75aに入り込んだ泥水が再び送水用のポンプ75dによって空間69内に圧送される。即ち、泥水を循環させて空間69内に供給できるようになるので、水の使用量を減らすことができる。また、水よりも比重が大きい泥水を空間69内に供給できるので、地盤及び地下水の圧力に抵抗できて、地盤及び地下水の圧力と空間69内の圧力とを均等にしやすくなるので、地盤沈下等、地中10に与える影響を少なくすることができる。また、空間69内が泥水化するので、排泥をスムーズに行えるようになり、掘削しやすくなる。
また、水供給孔75bと水供給管75cの一端との結合構造、排泥孔76aと排泥管76bの一端との結合構造は、次のような結合構造であってもよい。基板の後面39に孔(水供給孔75b、排泥孔76a)に連通する図外の管部を形成しておいて、当該管部の開口端面と管(水供給管75c、排泥管76b)の一端開口端面とを互いに突き合わせた状態で環状ジョイント部材を当該突合せ部分に被せることにより管部と管とを結合したり、管の一端開口を介して管内に管部を嵌め込んだ状態で管の一端開口部の外周面を環状クリップ部材で締め付けることにより管部と管とを結合する。
尚、最初から泥水を集合タンク75X内に満たしておき、送水用のポンプ75dを駆動して空間69内と集合タンク75X内との間で泥水を循環させるようにしてもよい。
推進装置4は、例えば、発進基地Bとしての空洞部100に設けられた案内台90上に設置された断面四角形状の管2の互いに平行に対向する一方の一対の外側面6a,6bのうちの一方の外側面である左外側面6aの外側の横に管2の延長方向と同方向にシリンダー66及びピストンロッド63が延長するように配置される左の油圧ジャッキ62と、当該管2の互いに平行に対向する一方の一対の外側面6a,6bのうちの他方の外側面である右外側面6bの外側の横に管2の延長方向と同方向にシリンダー66及びピストンロッド63が延長するように配置される右の油圧ジャッキ62と、を備える。油圧ジャッキ62のピストンロッド63の先端には押圧板64が設けられる。
発進基地Bに設置された管2の外側面の横位置で推進装置4からの押圧力を受けて当該押圧力を管2に伝達する推進力伝達装置70は、例えば、一対の推進力伝達部材85,85と、推進力伝達棒状体710と、上述の基板25と、上述の水密性能維持部材35と、上述の管側推進力受け部21とを備える。
一方の推進力伝達部材としての左の推進力伝達部材85は、発進基地Bとしての空洞部100に設けられた案内台90上に設置された断面四角形状の管2の左外側面6aの外側に当該左外側面6aと平行に対向するように配置された伝達体71と、当該伝達体71の一端側において管2の左外側面6aより離れる方向に延長するように設けられて左の油圧ジャッキ62からの押圧力を受ける力受部72と、伝達体71の他端側において後述する左の推進力伝達棒状体71Aの棒状体71xの他端71fに接触するように設けられて、力受部72及び伝達体71を介して伝達された力を棒状体71xに伝達する押圧部73とを備える。
他方の推進力伝達部材としての右の推進力伝達部材85は、発進基地Bとしての空洞部100に設けられた案内台90上に設置された断面四角形状の管2の右外側面6bの外側に当該右外側面6bと平行に対向するように配置された伝達体71と、当該伝達体71の一端側において管2の右外側面6bより離れる方向に延長するように設けられて右の油圧ジャッキ62からの押圧力を受ける力受部72と、伝達体71の他端側において後述する右の推進力伝達棒状体71Bの棒状体71xの他端71fに接触するように設けられて、力受部72及び伝達体71を介して伝達された力を棒状体71xに伝達する押圧部73とを備える。
左の推進力伝達部材85及び右の推進力伝達部材85は、例えば同一構成である。このように、同一構成とすることで、左の推進力伝達部材85を右の推進力伝達部材85として使用したり、右の推進力伝達部材85を左の推進力伝達部材85として使用することが可能となり、使い方が容易となる。また、一種類の推進力伝達部材85を製作するだけでよいので、量産性に優れる。
推進力伝達棒状体710は、一端71eから他端71fまでの長さが基板25の後面39と先頭管6の後端6eとの間の最短距離よりも長い寸法の棒状体71xと、棒状体71xの他端71f側より突出させた傾き防止部71cとを備える。棒状体71xは例えばH形鋼を用い、傾き防止部71cは例えば棒状体71xを形成するH形鋼に溶接又はボルトなどの接続手段で結合された鋼材を用いる。尚、傾き防止部71cは、先頭管6の左内側面や右内側面に面接触する面を有した面体71dを備える。
推進力伝達棒状体710は、棒状体71xの中心線が先頭管6の中心線と同一方向を向くように設置され、かつ、面体71dの面と先頭管6の左内側面や右内側面とが面接触するように、一端71eと基板25の後面39とが溶接又はボルトなどの接続手段で結合される。
即ち、左の推進力伝達棒状体71Aの棒状体71xの中心線が先頭管6の中心線と同一方向を向くように設置され、かつ、左の推進力伝達棒状体71Aの面体71dの面と先頭管6の左内側面とが面接触するように、左の推進力伝達棒状体71Aの棒状体71xの一端71eと基板25の後面39とが溶接又はボルトなどの接続手段で結合される。また、右の推進力伝達棒状体71Bの棒状体71xの中心線が先頭管6の中心線と同一方向を向くように設置され、かつ、右の推進力伝達棒状体71Bの面体71dの面と先頭管6の右内側面とが面接触するように、右の推進力伝達棒状体71Bの棒状体71xの一端71eと基板25の後面39とが溶接又はボルトなどの接続手段で結合される。
左右の推進力伝達棒状体71A,71Bの一端71e,71eは、基板25の上下縁間の中央部に結合される。
以上の構成の推進力伝達装置70によれば、推進装置4としての油圧ジャッキ62による押圧力を、左右の推進力伝達部材85,85、左右の推進力伝達棒状体71A,71B、基板25、水密性能維持部材35、管側推進力受け部21を介して管2に伝達して管2を推進させる構成としたので、管2の左右に均等に押圧力を加えることができるようになる。
案内台90は、発進基地Bとしての空洞部100内において、左右の油圧ジャッキ62,62で管2を押圧した際に管2から油圧ジャッキ62,62に伝わる反力を受けるために設けられた反力受け壁74と空洞部100から地中10への図外の出発口(エントランス口呼ばれる)との間に設置される。
管2を出入させる出発口は、管2を通過させる開口を有した枠体と、枠体の開口の内周縁に設けられて管2の外周面と接触することで当該開口を通過する管の外周面との水密性能を維持するための水密性能維持部材とを備えた構成である。
案内台90は、管2が載置されて管2を発進基地Bの出発口に案内するための案内面91と、案内面91の左右の側部に設けられた左右の設置台92,92とを備える。設置台92は、案内面91の側部より立ち上がるように設けられた台により構成される。
左右の設置台92,92を形成する各台の互いに向かい合う内側面92a,92aにより当該案内面91上の当該内側面92a,92a間に載置された管2の左右方向への移動が規制される。
左の設置台92の台上面の後側には左の油圧ジャッキ62が固定具67等によって固定されるとともに、右の設置台92の台上面の後側には右の油圧ジャッキ62が固定具67等によって固定される。尚、油圧ジャッキ62は管2の地中10への進入角度に合わせて傾斜した状態で設置台92の台上面に設置されるため、油圧ジャッキ62のシリンダー66の底面は反力受け壁74の前面に対して傾斜した状態となる。そこで、反力受け壁74の前面には、シリンダー66の底面に接触する接触板79,79が設けられる。
左の推進力伝達部材85の力受部72が、左の設置台92の台上面の後側における左の油圧ジャッキ62の前方に位置され、かつ、左の推進力伝達部材85の押圧部73が、左の推進力伝達棒状体71Aの棒状体71xの他端71fに接触するように、左の推進力伝達部材85が設置される。
また、右の推進力伝達部材85の力受部72が、右の設置台92の台上面の後側における右の油圧ジャッキ62の前方に位置され、かつ、右の推進力伝達部材85の押圧部73が、右の推進力伝達棒状体71Bの棒状体71xの他端71fに接触するように、右の推進力伝達部材85が設置される。
尚、案内台90は、管2として直管を載せる場合には、案内面91と左右の設置台92,92の上面とが平面に形成され、凹溝が設置台92の延長方向に沿って真っ直ぐに延長する構成のものを用い、管2として曲管又は折曲管を載せる場合には、図13に示すように、案内面91と左右の設置台92,92の上面とが曲管の曲率に合わせた湾曲面に形成され、凹溝93が設置台92の延長方向に沿って湾曲して延長する構成のものを用いる。また、管2の地中10への進入角度に合わせて案内面91の設置傾斜角度を決めるための管進入角度設定手段95(図12,図13参照)を備える。例えば、管進入角度設定手段95は、案内台90の下面に着脱可能に設けられたり、あるいは、案内台90の下面に一体に形成された構成の、支持台や支持枠等により構成される。案内台90の下面に一体に形成された構成の、支持台や支持枠等により構成される。
さらに、左右の設置台92,92の各外側面92b,92b(内側面92aと平行に対向する側面であって案内台90の左右の側面)には、外側面92bに開口する断面凹形状で設置台92の延長方向(前後方向)に延長する凹溝93を備える。案内台90の各凹溝93,93の前端に相当する設置台92の前端面は開口93aに形成されており、この開口93aを介して後述する押さえ部材110の走行手段114が凹溝93内に挿入される。
尚、後述する押さえ部材110の走行手段114を備えた各支柱111,111と梁材112とを分解可能に構成しておいて、各支柱111の走行手段114を凹溝93内に挿入して各支柱111,111を立設した状態で各支柱111,111の上端部同士を梁材112で連結して押さえ部材110を組み立てる構成としてもよく、この場合、各案内台90の各凹溝93,93の前端に相当する設置台92の前端面及び案内台90の各凹溝93,93の後端に相当する設置台92の後端面が閉塞された構成であってもよい。
図12,図13に示すように、推進力伝達部材85は、例えば、鋼材により別々に構成された伝達体71、力受部72、押圧部73を組み合わせて構成される。
伝達体71は、例えば、形鋼を組み合わせて構成される。そして、力受部72が、伝達体71の互いに対向する一対の外側面のうちの一方の外側面71aにおける伝達体71の延長方向の一端側より当該一方の外側面と直交する方向に延長するように設けられ、押圧部73が、伝達体71の互いに対向する一対の外側面のうちの他方の外側面71bにおける伝達体71の延長方向の他端側より当該他方の外側面71bと直交する方向に延長するように設けられる。即ち、力受部72及び押圧部73は、伝達体71の各外側面71a,71bから互いに離れる方向に延長するように設けられている。
力受部72は、伝達体71の一方の外側面71aの一端側とボルト及びナット又は溶接等の連結手段で連結される連結板72aと、油圧ジャッキ62の押圧力を受ける力受板72bと、連結板72aと力受板72bとを連結する補強板72cとを備える。連結板72aは、伝達体71の延長方向に平行な一方の外側面71aに面接触して当該一方の外側面71aの一端側に連結される平板により形成される。力受板72bは、伝達体71の延長方向に平行な一方の外側面71aと直交する面を形成する平板により形成される。
押圧部73は、伝達体71の他方の外側面71bの他端側とボルト及びナット又は溶接等の連結手段で連結される連結板73aと、推進力伝達棒状体710の棒状体71xの他端71fに接触する押圧板73bと、連結板73aと押圧板73bとを連結する補強板73cとを備える。連結板73aは、伝達体71の延長方向に平行な他方の外側面71bに面接触して当該他方の外側面71bの他端側に連結される平板により形成される。押圧板73bは、伝達体71の延長方向に平行な他方の外側面71bと直交する面を形成する平板により形成される。
尚、最初に地中10に設置する先頭管6の内部には掘削機械26が設置されるので、先頭管6としては管の長さが後続管7の管の長さよりも長いものを用いることが多いが、従来、このような管長の長い先頭管6を推進させる場合、先頭管6の管長が長いために、発進基地Bに設置された先頭管6の後方に油圧ジャッキ62を設置できずに先頭管6を推進させることができなかったり、また、先頭管6の後方にピストンロッドの伸長ストロークの短い小型の油圧ジャッキしか設置できない場合があり、先頭管6の後方にピストンロッドの伸長ストロークの短い小型の油圧ジャッキしか設置できない場合には、油圧ジャッキのピストンロッドの1回の最大伸長動作で先頭管6を少ししか推進させることができないため、油圧ジャッキのピストンロッドの先端と棒状体71xの他端71fとの間に図外のスペーサーを介在させて油圧ジャッキの伸長動作を何回も繰り返したり、あるいは、油圧ジャッキの1回の伸長動作が終わる毎に油圧ジャッキ及び油圧ジャッキの反力受け壁74を前方に移動させて油圧ジャッキの伸長動作を何回も繰り返す必要があり、先頭管6を地中10に推進させる際の油圧ジャッキによる作業効率が悪かった。
実施形態1によれば、発進基地Bに設置された先頭管6の左右の外側面6a,6bの横にそれぞれ油圧ジャッキ62,62を設置できるので、発進基地Bに設置された先頭管6の後方に油圧ジャッキ62を設置できない場合であっても先頭管6を推進させることができ、また、油圧ジャッキ62としてピストンロッド63の伸長ストロークの長いものを用いることができるので、ピストンロッド63の1回の最大伸長動作で先頭管6を長距離移動させることができて油圧ジャッキ62による作業効率を良くできる。
図12,図13に示すように、押さえ部材110は、案内台90の左右幅間隔よりも広い間隔を隔てて互いに平行に対向するように設けられた一対の支柱111,111と、一対の支柱111,111の上端部同士を連結する梁材112と、を備えた門形体113と、一対の支柱111,111の下端部にそれぞれ設けられた走行手段114と、連結材120とを備えた構成である。
門形体113は、例えばH形鋼のような形鋼を用いた支柱111及び梁材112を組み合わせて構成される。
走行手段114は、各支柱111,111の下端部における互いに対向する内側面に固定されたベース台115と、ベース台115に回転中心軸を介して回転可能に設けられた車輪116とを備えた。
ベース台115は、例えば長尺板の両方の長辺側縁部に長尺板に対して同方向に垂直に延長する立ち上がり板を備えた断面凹形状の長尺部材により形成され、この長尺部材が支柱111の延長方向と直交する方向であって管2の側面と平行に延長するように凹部の開口を上に向けて取付けられている。
そして、例えば車輪116を備えたキャスターのベース板がベース台115の凹部の底を形成する長尺板に固定され、車輪116が当該凹部の底から凹部の開口を介して立ち上がり板より上方に突出するように設けられる。車輪116は、ベース台115の延長方向に沿って間隔を隔てて例えば2個設けられる。
各支柱111,111の下端部に設けられた走行手段114を案内台90の左右の設置台92,92の凹溝93内に開口93aを介して挿入し、梁材112の下の案内面91上に載置される管2の上面6uと梁材112との間に連結材120を挿入して、凹溝93の走行面としての上壁面93tと車輪116の外周面とを接触させることにより、管2が進行した場合に、走行手段114を備えた門形体113と連結材120とが一緒に連れ立って進行するように構成される。
つまり、管2が先端から地中10に入り込んだ後の発進基地Bとしての空洞部100に残る管2の後端6eが管2の中心軸と交差する方向に動くこと(例えば管2の後端6eが上方に浮き上がること)を規制する管後端移動規制手段200Aを備え、当該管後端移動規制手段200Aが、押さえ部材110の車輪116と係合するとともに車輪116の走行面を形成する凹溝93を備えた案内台90と、車輪116が凹溝93に係合されて車輪116が凹溝93から当該凹溝93の延長方向と直行する方向に外れないように設けられて梁材112が案内面91上に載置される管2の上面6u(管2の外側面)と対向するように管2の上方に位置される門形体113と、門形体113の梁材112と管2の上面6uとの間に挿入されて梁材112を押し上げて車輪116の外周面を凹溝93の上壁面93tに接触させる連結材120とを備えた構成である。
即ち、連結材120は、管2と梁材112との間に楔の如く咬ますように挿入されて管2と梁材112とに密着することにより、管2が進行した場合に、管2が地中10に移動する場合の推進力を押さえ部材110に伝達し、押さえ部材110の車輪116が凹溝93の上壁面93tで形成された走行面を走行できるように車輪116の外周面と上壁面93tとを接触させる部材である。連結材120は、例えば、管2の上面6uに接触させる当て板121と、当て板121と梁材112との間に楔のように咬まされて梁材112を押し上げて当て板121と梁材112とに密着し、車輪116の外周面を凹溝93の上壁面93tに接触させる角材122とにより構成される。
つまり、互いに対向する1対の支柱111,111と支柱111,111の上端部同士を連結する梁材112と各支柱111,111の下端部に設けられた走行手段114,114とを備えた門形体113と、当該押さえ部材110の各支柱111の下端部に設けられた各走行手段114が挿入される凹溝93を備えた案内台90と、案内台90の案内面91に設置された管2と門形体113の梁材112との間に楔の如く咬ますように挿入されて管2と梁材112とを密着させるとともに門形体113の車輪116が走行面を走行できるように車輪116の外周面と上壁面93tとを接触させる連結材120とにより構成された管後端移動規制手段200Aを備えたことにより、管2が先端から地中10に入り込んだ場合、発進基地Bである空洞部100に残る管2の後端6eが管後端移動規制手段200Aによって案内面91から離れる方向に移動しないように押さえ込まれた状態で管2が地中10に推進する。即ち、管2を先端から地中10に設置する場合に、発進基地Bに残る管2の後端の浮き上がりが管後端移動規制手段200Aによって防止される。
即ち、実施形態1においては、管2の一の外側面である下面(外面)と接触して管2を発進基地Bの出発口に案内するための案内面91を有した案内台90と、管2が先端から出発口を経由して地中10に入り込んだ後の発進基地Bに残る管2の後端6eが管2の中心線と交差する方向に移動することを規制する管後端移動規制手段200Aと、を備え、管後端移動規制手段200Aは、案内面91に設置された管2を案内面91に押し当てるように管2を押圧しながら管2とともに移動可能でかつ案内台90に対して移動可能なように設けられた押さえ部材110により構成される。
次に、図11を参照して管設置装置1による地中10への管2の設置方法を説明する。
尚、ここでは、先頭管6として管長が後続管7の管長よりも長いものを用いるものとし、後続管7として管長が先頭管6の管長のほぼ半分の長さの後続管7を用いる場合を例にして説明する。
掘削機械26と推進力伝達棒状体71と水供給管75cと排泥管76bとが取付けられた基板25を先頭管6の内側に設置する。つまり、基板25を形成する矩形板30の前面39fにおける矩形周縁面33が、先頭管6の内側に管側推進力受け部21を形成する矩形枠体22の枠後面32に水密性能維持部材35を介して突き付けられた状態となるように設置する。これにより、管2を、地中10に形成された空洞部100から地中10に設置する場合に、先に地中10に入れる先頭管6の先端開口6t側の内側に掘削機械26が設置される。
図11(a)に示すように、発進基地Bとしての空洞部100において、先頭管6の地中10への出発口(エントランス口)の手前側に案内台90を設置し、掘削機械26と水供給管75cと排泥管76bとが取付けられた基板25を内側に設置した先頭管6の先端開口6tを出発口に向けて当該先頭管6を案内面91上に設置する。
尚、案内台90は、案内面91に設置された管2が案内面91上を移動する際に動かないように、発進基地Bの地盤にアンカー等で固定しておくか、あるいは、自重を増やすために、案内台90に錘を付加するか、重量を増した大重量の案内台90を用いる。
そして、押さえ部材110の走行手段114を左右の設置台92,92の凹溝93内に開口93aから挿入して、梁材112の下の案内面91上に載置される先頭管6の上面6uと梁材112との間に連結材120を挿入し、凹溝93の走行面としての上壁面93tと車輪116の外周面とを接触させる。
また、左の設置台92の台上面の後側に左の油圧ジャッキ62を固定するともに、右の設置台92の台上面の後側に右の油圧ジャッキ62を固定する。さらに、伝達体71が先頭管6の左外側面6aの後側と平行に対向するように左の推進力伝達部材85を設置し、伝達体71が先頭管6の右外側面6bの後側と平行に対向するように右の推進力伝達部材85を設置する。
そして、図11(b)に示すように、掘削機械26及び左右の油圧ジャッキ62,62を作動させることで、ピストンロッド63の先端の押圧板64が推進力伝達部材85の力受板72bに接触するとともに、推進力伝達部材85の押圧板73bが棒状体71xの他端71fに接触した状態となり、ピストンロッド63が伸びるにしたがって先頭管6が地中10へと進行する。即ち、図8の送水用のポンプ75dを駆動して空間69内に泥水を供給し、空間69内と集合タンク75X内との間で泥水を循環させるとともに、制御装置65による制御によって、油圧源55から油圧モータ47に圧油を供給して回転掘削体46を回転させながら、油圧ジャッキ62のピストンロッド63を伸ばすことで、推進力伝達装置70を介して先頭管6に伝達される推進力と回転掘削体46の回転に伴う地盤掘削とによって先頭管6が前方に推進し、先頭管6が地中10に設置される。尚、回転掘削体46,46が地中10を掘削した土砂は空間69内で水と混ざって泥水となって排泥タンク76dに排出される。先頭管6が進行した場合に、連結材120と押さえ部材110とが一緒に連れ立って進行し、連結材120と押さえ部材110とによって発進基地Bに残る先頭管6の後端6eの浮き上がりが防止される。
次に、左右の油圧ジャッキ62,62のピストンロッド63,63を最大限伸長させた後、図11(c)に示すように、ピストンロッド63,63を戻すとともに、左右の推進力伝達部材85,85を外した後、先頭管6の後方に後続管7を設置し、先頭管6の後端開口縁と後続管7の前端開口縁とを水密状態に連結する。即ち、先頭管6の後端6eに後続管7を溶接、又は、ボルト等の固定具により接続し、図11(d)に示すように、先頭の推進力伝達棒状体710の他端71fと後続の推進力伝達棒状体71の一端71eとをボルト、又は、溶接により結合することにより、先頭の推進力伝達棒状体71の後ろに後続の推進力伝達棒状体710を継ぎ足すとともに、さらに、耐圧ホース56の他端に図外の延長耐圧ホースを継ぎ足し、水供給管75cの他端に図外の延長水供給管を継ぎ足し、排泥管76bの他端に図外の延長排泥管を継ぎ足していく。
そして、図11(d)に示すように、伝達体71が後続管7の左側面と平行に対向するように左の推進力伝達部材85を設置し、伝達体71が後続管7の右側面と平行に対向するように右の推進力伝達部材85を設置した後、掘削機械26及び左右の油圧ジャッキ62,62を作動させることで、ピストンロッド63,63の先端の押圧板64,64が推進力伝達部材85の力受板72bに接触するとともに、推進力伝達部材85の押圧板73bが棒状体71xの他端71fに接触した状態となり、ピストンロッド63が伸びるにしたがって先頭管6がさらに地中10へと推進するとともに後続管7が前方に移動する。
以後、同様に、前の後続管7に後の後続管7を順次連結して地中10に設置していくことで、外殻、あるいは、ライニングを構築できる。尚、後続管7を地中10に推進させる際において後続管7の後端6eが浮き上がるようであれば、押さえ部材110の走行手段114を左右の設置台92,92の凹溝93内に開口93aから挿入して、梁材112の下の案内面91上に載置される後続管7の上面と梁材112との間に連結材120を挿入し、凹溝93の走行面としての上壁面93tと車輪116の外周面とを接触させた後に、後続管7を推進させれば、発進基地Bに残る後続管7の後端6eの浮き上がりが防止される。即ち、先頭管6を地中10に設置する際には、必ず、管後端移動規制手段200Aを用いるが、後続管7を地中10に推進させる際において、後続管7の後端6eの浮き上がり現象が生じる場合には管後端移動規制手段200Aを用いればよく、後続管7の後端6eの浮き上がり現象が生じない場合には管後端移動規制手段200Aを用いる必要はない。
外殻B1、あるいは、ライニングDを構築した後は、掘削始点となった出発側の空洞部100内に掘削機械26を引き戻して回収する。尚、到達側の空洞部100内に掘削機械26を押し出して回収するようにしてもよい。
上述した管設置装置1を用いれば、先頭管6の先端開口6t側の内側に、先頭管6の推進方向と交差する回転中心線Lを回転中心として回転する回転掘削体46を有した掘削機械26を設置し、管2を押圧するとともに掘削機械26で地中を掘削することにより、管2を推進させて地中10に設置したので、地中10が、硬質・レキ混じりである場合でも、断面矩形状の管2の内側の角部付近の地中部分を2つの回転掘削体46,46で掘削できるようになるので、管2を地中10においてスムーズに推進させることができるようになり、外殻B1、あるいは、ライニングDを容易に構築できるようになる。
管設置装置1の実施形態1によれば、推進力伝達装置70を備えたので、管設置装置1が設置される空洞部100等の発進基地Bが狭小であり、発進基地Bにおいて管2の後ろ側に油圧ジャッキ62を設置するための設置スペースが無い場合にあっても、油圧ジャッキ62,62を管2の左右の外側面6a,6bの横に沿った状態に設置することが可能となり、油圧ジャッキ62,62を管2の後ろ側に設置できない場合であっても管2を推進させて地中10に進行させることができるようになる。
また、油圧ジャッキ62,62を管2の左右の外側面6a,6bの横に沿った状態に設置することが可能となることから、油圧ジャッキ62としてピストンロッド63の伸長ストロークの長いものを用いることができるようになり、ピストンロッド63の1回の最大伸長動作で管2を長距離移動させることができて油圧ジャッキ62による作業効率を良くできる。
また、後続管7として管の長さが先頭管6の管の長さと同じ長さのものを用いる場合においては、図11(c)の状態において、左右の推進力伝達部材85,85の代わりに、左右の油圧ジャッキ62,62の押圧板64,64に跨って設けられて左右の推進力伝達棒状体71A,71Bの他端71f,71fに接触させる図外の横架部材を設ける。この状態で掘削機械26及び左右の油圧ジャッキ62,62を作動させると、左右の油圧ジャッキ62,62による押圧力が横架部材を介して先頭管6に伝達されて先頭管6が前方に移動するので、先頭管6の後端6eと反力受け壁74との間に後続管7の設置スペースが形成される。
尚、先頭管6の後端に順次後続管7を接続していく際、発進基地Bにおいて後続管7の後ろ側に油圧ジャッキ62を設置するための設置スペースが確保される場合には、発進基地Bにおいて当該後続管7の後ろ側に油圧ジャッキ62を設置して、左右の推進力伝達棒状体71A,71Bの他端71f,71f又は左右の推進力伝達棒状体71A,71Bの他端71f,71fに跨るように設けられた図外の横架部材を油圧ジャッキ62で押圧することにより、後続管7及び先頭管6を推進させるようにしてもよい。
管設置装置1の実施形態1によれば、管2が先端から地中に入り込んだ後の発進基地Bに残る管2の後端6eが管2の中心線と交差する方向に移動することを規制する管後端移動規制手段200Aを備えたことにより、管2を先端から地中10に設置する場合に、例えば発進基地Bに残る管2の後端6eが浮き上がる等のように、発進基地Bに残る管2の後端6eが管2の中心線と交差する方向に移動する現象(以下、管後端移動現象という)を抑制できるので、地中10に入り込んだ管2の進行方向ずれを防止でき、管2を予定の地中位置に正確に設置できるようになる。また、管2の後端6eが管2の中心線と交差する方向に移動すると、出発口の枠体の開口の内周縁に設けられた水密性能維持部材と管2の外周面との水密性能が維持されなくなるばかりか、出発口の枠体に負荷が加わって出発口の枠体が損傷してしまう等の問題があったが、実施形態1では、出発口とは別に、管2を発進基地Bの出発口に案内するための案内面91を有した案内台90と、管2が先端から出発口を経由して地中10に入り込んだ後の発進基地Bに残る管2の後端6eが管2の中心線と交差する方向に移動することを規制する管後端移動規制手段200Aと、を備えたので、上述した問題を解消できる。
尚、上述した管後端移動現象が発生する原因としては、先頭管6の内側に設けられた掘削機械26の重量が重いことや、先頭管6の地中10に設置された管の先端側の長さに比べて発進基地Bに残る管の長さが長い場合等において、先頭管6の重量バランスが崩れることが考えられる。また、上記管後端移動現象は、管2として、曲管、直管、折曲管のいずれを用いる場合でも起こり得るが、特に、折曲管を地中10に設置する場合には、折曲管を構成する管と管との連結部が角部になり、湾曲面に形成された案内面91に載置された折曲管の連結部の角部のみが案内面91の湾曲面に接触するため、この折曲管の連結部の角部が回転支点となって回転しやすくなるので、上述した管後端移動現象が顕著となる傾向がある。実施形態1によれば、当該管後端移動現象を確実に抑制できるようになる。
また、管後端移動規制手段200Aは、案内面91に設置された管2を案内面91に押し当てるように管2を押圧しながら管2とともに移動可能でかつ案内台90に対して移動可能なように設けられた押さえ部材110により構成されたので、管2を案内面91に押し当てて上述した管後端移動現象を抑制しながら管2を地中10に推進させることができる。
さらに、押さえ部材110は、案内面91に設置された管2の左右幅間隔よりも広い間隔を隔てて当該管2の両側に配置された一対の支柱111,111と、一対の支柱111,111の上端部(一端部)同士を連結して案内面91に設置された管2の上面6u(外面)と対向する梁材112とを備えた門形体113に形成され、かつ、当該門形体113の梁材112と管2の上面6uとを密着させる連結材120を備えたので、門形体113の梁材112と連結材120とによって、管2を案内面91に押し当てて上述した管後端移動現象を抑制しながら管2を地中10に推進させることができる。
案内台90の左右の設置台92,92が走行面を形成する凹溝93を備え、押さえ部材110が走行面を走行するとともに凹溝93内に係合される走行手段114を備えたことにより、押さえ部材110をスムーズに移動させることができて、推進作業を効率的に行える。
管設置装置1の実施形態2
管後端移動規制手段としては、押さえ部材110の支柱111の下端部が推進力伝達部材85に着脱自在に取付けられた構成としてもよい。この場合、押さえ部材110で管2の後端部上面を押さえながら、管2を推進させることで、管2と一緒に押さえ部材110も移動するので、実施形態1と同様に、管後端移動現象を防止できる。即ち、実施形態2による管後端移動規制手段200Aは、案内台90に設置された管2を案内面91に押し当てるように管2を押圧しながら管2とともに移動可能でかつ案内台90に対して移動可能なように推進力伝達部材85に着脱可能に取付けられた押さえ部材110により構成される。実施形態2の場合、走行手段114と走行面とを備えない構成とできる。
管設置装置1の実施形態3
管後端移動規制手段としては、案内面91上に載置される管2の外周面を囲むトンネル筒状に形成されて出発口の手前に固定される構成のものを用いてもよい。
管設置装置1の実施形態4
管後端移動規制手段としては、案内面91上に載置された管2の上面6uに載せる図外の錘を用いてもよい。
管設置装置1の実施形態5
図14,図15に示すように、左右の設置台92,92を形成する各台の互いに向かい合う内側面92a,92aに、当該内側面92aに開口する断面凹形状で設置台92の延長方向に延長する凹部としての凹溝94,94を設けるとともに、管2の左右の外側面6a,6bに、左右の凹溝94,94に挿入されて係合する凸部96を設け、凸部96が凹溝94に係合されて凸部96が凹溝94から当該凹溝94の延長方向と直行する方向に外れないように設けられた構成とする。即ち、案内面91上に載置される管2の左右の外側面6a,6bに設けられた凸部96と、当該左右の外側面6a,6bと対向する左右の設置台92,92の左右の内側面92a,92aに設けられた凹部としての凹溝94と、の凹凸係合、又は、案内面91上に載置される管2の左右の外側面6a,6bに設けられた凹部と、当該左右の外側面6a,6bと対向する左右の設置台92,92の左右の内側面92a,92aに設けられた凸部と、の凹凸係合により、管2が先端から地中10に入り込んだ後の発進基地Bに残る管2の後端が管2の中心軸と交差する方向に移動することを規制する管後端移動規制手段が構成される。尚、案内台90の各凹溝94,94の前端に相当する設置台92の前端面は開口94aに形成されており、管2が推進して凸部96が当該開口94aを超えて地中10に入る前に、当該凸部96を除去する。
実施形態5の場合、図14乃至図16に示すように、管2の左右の外側面6a,6bに溶接やボルト及びナット等で取付けられた凸部96を案内面91の上方から凹溝94内に挿入できるように、凹溝94の上壁を切欠いた挿入穴97を形成しておく。
尚、挿入穴97を設けない場合には、管2を案内面91上に設置した後、凹溝94内に入り込ませた凸部96を形成する突起物を管2の左右の外側面6a,6bに溶接やボルト及びナット等で取付けてもよい。
管設置装置1の実施形態5によれば、管後端移動規制手段が、管2の外面と接触して管2を地中に入れる際の案内面91と当該案内面91に設置された管2の両横に位置する壁体としての左右の設置台92,92の内側面92a,92aを備えた案内台90と、案内面91に設置された管2の外面としての管2の左右の外側面6a,6bと当該左右の外側面6a,6bに対向する左右の設置台92,92の内側面92a,92a(壁体)とに設けられて凹凸係合を形成する凹部及び凸部とからなる凹凸係合体とを備えたので、凹凸係合体によって、管後端移動現象を防止できる。
尚、管設置装置1の実施形態1乃至5で述べた管後端移動規制手段を1つ以上併用してもよい。
また、上記では、窪んだ湾曲面である案内面91上に管2を載置して当該管2を地中に設置する例を示したが、案内台90の隆起した湾曲面である案内面上に管2を載置して当該管2を地中に設置するようにしてもよい。
また、管設置装置1の実施形態1,2の押さえ部材として、連結材120を備えない構成の押さえ部材を用いてもよい。例えば、門形体113の梁材112と管2の上面6uとを接触させた状態で使用したり、門形体113の梁材112と管2の上面6uとを着脱可能に連結した構成としてもよい。
また、凹溝93の走行面としての下壁面と車輪116の外周面とを接触させる構成としてもよい。また、左右の設置台92,92を形成する各台の互いに向かい合う内側面92a,92aに形成された凹溝94,94内に門形体113の走行手段114を係合させ、凹溝94,94内に形成された走行面を走行手段114の車輪116が走行可能なように構成してもよい。
走行手段114と走行面とを備えない構成としてもよい。
実施形態1,2,4において、左右の設置台92,92を備えない案内面を有した案内台を用いてもよい。
管設置装置1の実施形態6
図17に示すように、回転掘削体46の回転中心線Lを、先頭管6の互いに平行に対向する一対の外側面と平行で、かつ、先頭管6の推進方向と直交する面と直交以外の状態で交差する状態に設定する掘削機械揺動駆動装置250を備えたことによって、先頭管6の進行に先立って先頭管6の前方において先頭管6の断面積よりも幅の広い断面積を掘削でき、先頭管6の前方での余堀が可能な管設置装置1Xを用いてもよい。例えば、図17(a),(b)に示すように、回転掘削体46が掘削進行方向の左右に揺動可能な構成を備える。
以下、管設置装置1Xの一例について説明するが、実施形態1の管設置装置1で説明した構成と同一構成部分については同一符号を付し、詳説を省略する。
実施形態6の管設置装置1Xは、実施形態1で説明した管設置装置1の掘削装置3の構成である基板25、管側推進力受け部21の代わりに掘削機械揺動駆動装置250を備えた構成である。
掘削機械揺動駆動装置250は、揺動基板300と、揺動基板300の案内部材310と、揺動基板駆動手段320とを備える。
管設置装置1Xは、筒状の案内部材310の筒の中心線と先頭管6の管の中心線とが一致するように案内部材310が先頭管6の先端開口6t側の内側に設置されて案内部材310の筒の外周面330と先頭管6の内周面6sとの間の水密性がゴムパッキン等の水密性能維持部材340によって保たれ、かつ、揺動基板300は先頭管6の互いに平行に対向する一対の外側面間の中心を回転中心としての左右の側壁301,302側が前後に揺動可能なように案内部材310に取付けられて揺動基板300の外周面390と案内部材310の筒の内周面350との間の水密性がゴムパッキン等の水密性能維持部材125によって保たれた構成とされる。先頭管6の先端開口6t側の内側における案内部材310の前方には推進力受け部630が設けられ、当該推進力受け部630は、先頭管6の先端開口6t側の内側に設置された案内部材310の筒の前端面311に接触して案内部材310の前方への移動を規制するとともに推進力伝達装置70を介して案内部材310に伝達された推進力を先頭管6に伝達することができるように、先頭管6の先端開口6t側の内周面6sに溶接、ボルト・ナット等の固定手段で固定されている。また、揺動基板300には、揺動基板300の平板を前後に貫通する支柱保持貫通孔130、排泥管保持貫通孔140、水供給管保持貫通孔150が形成され、支柱保持貫通孔130には、掘削機械26の支持部40の支柱42が貫通した状態で固定状態に保持され、排泥管保持貫通孔140には、排泥管76bの先端部が貫通した状態で固定状態に保持され、水供給管保持貫通孔150には、水供給管75cの先端部が貫通した状態で固定状態に保持される。そして、複数の掘削ビット(掘削刃)52を備えた掘削機械26の回転掘削体46が先頭管6の先端開口6tよりも前方に位置されて回転掘削体46を支持する支柱42が揺動基板300に支持されている。
管設置装置1の実施形態6の管設置装置1Xによれば、先頭管6の前方の地中10を回転掘削体46で掘削する際に、油圧ジャッキのような揺動基板駆動手段320が揺動基板300における一対の側壁301,302側の後面を押圧及び引き戻して前後に移動させることで、回転掘削体46の回転中心線Lが、先頭管6の推進方向と直交する面及び先頭管6の互いに平行に対向する一対の外側面(例えば先頭管6の上下の外側面)と平行な第1の状態、及び、先頭管6の互いに平行に対向する一対の外側面(例えば先頭管6の上下の外側面)と平行で、かつ、先頭管6の推進方向と直交する面と直交以外の状態で交差する第2の状態(図17(a),図17(b)参照)に設定される。
即ち、管設置装置1Xは、先頭管6の前方において回転掘削体46を先頭管6の左右方向に揺動させるための掘削機械揺動駆動装置250を備えるので、先頭管6の前方の地中10を回転掘削体46で掘削する際に揺動基板駆動手段320により揺動基板300を駆動して回転掘削体46を例えば左右方向に揺動させることができ、回転掘削体46が左右方向に揺動しない場合と比べて、掘削可能な左右幅を大きくできる。つまり、管設置装置1Xを用いれば、先頭管6の進行に先立って先頭管6の前方において先頭管6の例えば左右幅間隔よりも幅の広い左右幅間隔で地中10を掘削でき、先頭管6の前方において先頭管6の左右幅方向での余堀が可能となるので、先頭管6の前方の硬質地盤層を掘削でき、地中10が硬質地盤層である場合でも管2を地中10においてスムーズに推進させることができる。
掘削機械揺動駆動装置250を備えた管設置装置1Xを用いて管を地中10に設置する場合においては、先頭管6の前方において先頭管6の断面積よりも幅の広い断面積を掘削できる。即ち、先頭管6の前方の地中10において先頭管6の例えば左右側の地中10の余堀が可能となるので、管2を地中10においてスムーズに推進させることができる。
管設置装置1の実施形態7
図18及び図19に示すように、回転掘削体は、筐体50の外周面51より突出するように設けられた掘削刃としての第1の掘削ビット8e及び第2の掘削ビット8fとを備えた構成の回転掘削体46Aを用いてもよい。
複数個の第2の掘削ビット8fが筐体50の回転中心線Lに沿った方向に並べられて第2の掘削ビット群810が構成される。
筐体50の外周面51には複数のビット取付部83が点在するように設けられる。第1の掘削ビット8eは、筐体50の外周面51に設けられた個々のビット取付部83に1つ1つ個別に着脱可能に取り付けられる。第2の掘削ビット8fは、筐体50の外周面に設けられた複数のビット取付部83に着脱可能に取り付けられるビット設置板84に設けられる。即ち、第2の掘削ビット群810は、ビット取付部83に取り付けられて筐体50の回転中心線Lに沿って筐体50の外周面51の周面幅(回転中心線Lに沿った方向の幅、即ち、筐体50の回転中心線Lに沿った方向の両方の端面)に渡って延長するビット設置板84のビット設置面84aに、複数の第2の掘削ビット8fが回転中心線Lに沿った方向に並ぶように着脱可能又は固定的に設けられた構成である。
1つ1つの回転掘削体46Aにおいて、第1の掘削ビット8eは、筐体50の外周面51の周方向に互いに180°離れた位置にそれぞれ設けられる。第2の掘削ビット群810は、筐体50の外周面51上において第1の掘削ビット8eが設けられていない部分に設けられる。
図18(b)に示すように、筐体50の外周面51上で周方向に互いに180°離れた位置に設けられた各第2の掘削ビット群810,810の各掘削ビット8fの先端は、筐体50の回転中心線Lと直交する同一の面85e上に位置しないように設定されている。つまり、一方の第2の掘削ビット群810において互いに隣り合う各掘削ビット8f間で掘削されない地盤部分を他方の第2の掘削ビット群810の各掘削ビット8fで掘削できるように構成されている。要するに、1つ1つの回転掘削体46Aは、一方の第2の掘削ビット群810で掘削できない地盤部分を他方の第2の掘削ビット群810で掘削できるようにした相補的な一対の第2の掘削ビット群810,810を備えた構成である。
そして、図19(a)に示すように、筐体50の回転中心線Lから回転中心線Lと直交する線上を経由した第1の掘削ビット8eの先端までの第1距離80x(即ち、第1の掘削ビット8eによる掘削半径)と筐体50の回転中心線Lから回転中心線Lと直交する線上を経由した第2の掘削ビット8fの先端までの第2距離81x(即ち、第2の掘削ビットによる掘削半径)とが異なる。
つまり、第1距離80xを掘削半径とした第1の掘削ビット8eによる掘削径が、先頭管6の上下の内壁面6c,6d間(先頭管6の一方の一対の壁面の内壁面間)の寸法9xよりも小さく設定され、かつ、第2距離81xを掘削半径とした第2の掘削ビット8fによる掘削径が、先頭管6の先頭管6の上下の内壁面6c,6d間の寸法9xよりも大きく設定されていることにより、回転掘削体46Aが先頭管6の先端開口6tを介して先頭管6の前方及び先頭管6の内側に移動可能に構成されている。
即ち、第1距離80xは、回転掘削体46Aが先頭管6の内側で回転中心線Lを回転中心として回転可能な回転半径寸法に設定されたことによって、回転掘削体46Aが管2内を通過可能となり、掘削機械26を出発側の空洞部100に引き戻して回収できる。
また、第2距離81xは、回転掘削体46Aが先頭管6の内側で回転中心線Lを回転中心として回転不可能で、かつ、回転掘削体46Aが先頭管6の先端開口6tの前方に位置された場合に回転可能な回転半径に設定される。
即ち、回転掘削体46Aが先頭管6の先端開口6tの前方に位置された状態で回転駆動されることによって第1の掘削ビット8e及び第2の掘削ビット8fが先頭管6の先端開口6tの前方位置の地盤を掘削可能であり、かつ、回転掘削体46Aが管2(先頭管6及び後続管7)内を通過して管2を出発させた空洞部100に回収可能に構成される。
以上のような回転掘削体46Aを備えたことにより、先頭管6の先端開口6tの前方において先端開口6tの断面よりも例えば上下幅の大きい断面積の孔を掘削できるので、先頭管6の先端開口縁が地盤に衝突する前に地盤を掘削できて、管2をよりスムーズに推進させることができる。
また、掘削機械26の回収時には、図19(b)に示すように、第2の掘削ビット群810の第2の掘削ビット8fの先端が、先頭管6の上下の内壁面6c,6dと同一平面を示す位置より上方に位置しない状態にしてから、回転掘削体46Aを管2内に引き戻して掘削機械26を出発側の空洞部100に回収する。
即ち、管設置装置1の実施形態7によれば、筐体50の回転中心線Lから回転中心線Lと直交する線上を経由した第1の掘削ビット8eの先端までの第1距離80x(即ち、第1の掘削ビット8eによる掘削半径)と筐体50の回転中心線Lから回転中心線Lと直交する線上を経由した第2の掘削ビット8fの先端までの第2距離81x(即ち、第2の掘削ビットによる掘削半径)とが異なるように設定され、第1距離80xを掘削半径とした第1の掘削ビット8eによる掘削径が、先頭管6の案内刃管9(図9参照)の上下の内壁面6c,6d間の寸法9xよりも小さく、第2距離81xを掘削半径とした第2の掘削ビット8fによる掘削径が、先頭管6の上下の内壁面6c,6d間の寸法9xよりも大きく設定された回転掘削体46Aを備えた。このため、先頭管6の先端開口6tより前方に位置する回転掘削体46Aを回転させて掘削ビット8e,8fが地盤を掘削することにより、先頭管6の先端開口6tの前方において、先頭管6の管の中心を中心とした四角断面であって先頭管6の先端開口6tの四角断面の幅寸法(回転掘削体46Aの径方向に対応する幅寸法、例えば、先頭管6の上下の内壁面6c,6d間の寸法9x)より幅寸法の大きい四角断面の孔を掘削できる。よって、先頭管6の先端開口縁が地盤に衝突する前に、先頭管6の先端開口6tよりも前方に位置する地盤を掘削ビット8e,8fにより確実に掘削できるので、先頭管6の先端開口縁が硬質の地盤に衝突して先頭管6を推進できなくなるような事態を防止でき、地山が硬質地盤である場合でも、管2をよりスムーズに推進させることができる。
また、筐体50の外周面51上で周方向に互いに180°離れた位置に設けられた各第2の掘削ビット群810,810の各掘削ビット8fの先端位置が、筐体50の回転中心線Lと直交する同一の面85e上に位置しないように設定されている。つまり、筐体50の外周面51上で周方向に互いに180°離れた位置に設けられた一対の第2の掘削ビット群810,810は、回転掘削体46Aの回転により一方の第2の掘削ビット群810で掘削できない地盤部分を他方の第2の掘削ビット群810で掘削できるように構成されているので、先頭管6の先端開口6tの四角断面の幅寸法より幅寸法の大きい四角断面の孔を効率的に掘削でき、管2をよりスムーズに推進させることができる。
また、各第2の掘削ビット群810を、回転中心線Lを中心として筐体50の外周面51上で例えば等間隔に配置することで、回転掘削体46Aの回転重心を一定に保てるようになり、回転掘削体46Aの回転がスムーズになって効率的に掘削できて、管2をよりスムーズに推進させることができる。
また、第2の掘削ビット8f及び第1の掘削ビット8eを備えたので、第2距離81xを掘削半径とした掘削径の孔を第2の掘削ビット8f及び第1の掘削ビット8eによってより効率的に掘削できるようになる。
尚、第2の掘削ビット群810は、筐体50の外周面51に設けられた個々のビット取付部83に個々に取付けられた第2の掘削ビット8fの集合体により構成されてもよい。
また、筐体50の外周面51上において筐体50の回転中心線Lに沿った方向の両方の端面に跨って回転中心線Lに沿った方向に直線状又は非直線状に個々の第2の掘削ビット8fが個々に並ぶように配置されていたり、筐体50の外周面51上において筐体50の回転中心線Lに沿った方向の両方の端面に跨って回転中心線Lに沿った方向に直線状又は非直線状に延長する1つの掘削刃を有した第2の掘削ビットを備えた構成の回転掘削体46Aであって、回転掘削体46Aが管2の内側で回転中心線Lを中心として回転不可能で、かつ、先頭管6の先端開口6tの前方位置で回転可能なように構成されていればよい。
また、第2の掘削ビット群810,810が筐体50の外周面51上で周方向に互いに180°離れた位置に設けられていなくてもよい。
要するに、回転掘削体46Aは、回転中心線Lから回転中心線Lと直交する線上を経由した第1の掘削ビット8eの先端までの第1距離80xが、回転掘削体46Aが先頭管6の内側で回転中心線Lを中心として回転可能な回転半径に設定され、回転中心線Lから回転中心線Lと直交する線上を経由した第2の掘削ビット8fの先端までの第2距離81xが、回転掘削体46Aが管2の内側で回転中心線Lを中心として回転不可能で、かつ、回転掘削体46Aが先頭管6の先端開口6tの前方に位置された場合に回転中心線Lを中心として回転可能な回転半径に設定されればよい。
また、回転掘削体は、第1の掘削ビット8eを備えない構成としてもよい。即ち、掘削ビットとして第2の掘削ビット8fのみを有した回転掘削体を用いてもよい。
要するに、回転掘削体が第1の掘削ビット8eを備えない構成の場合において、回転中心線Lから回転中心線Lと直交する線上を経由した回転掘削体の筐体50の外周面51までの最短距離である第1距離が、回転掘削体が先頭管6の内側で回転中心線Lを中心として回転可能な回転半径に設定され、回転中心線Lから回転中心線Lと直交する線上を経由した第2の掘削ビット8f(掘削ビット)の先端までの第2距離81xが、回転掘削体が管2の内側で回転中心線Lを中心として回転不可能で、かつ、回転掘削体が先頭管6の先端開口6tの前方に位置された場合に回転中心線Lを中心として回転可能な回転半径に設定されればよい。
つまり、第1距離を半径とした筐体50の直径が、先頭管6の上下の内壁面6c,6d間の寸法よりも小さく設定され、かつ、第2距離81xを掘削半径とした第2の掘削ビット8fによる掘削径が、先頭管6の先頭管6の上下の内壁面6c,6d間の寸法9xよりも大きく設定されていることにより、回転掘削体46Aが先頭管6の先端開口6tを介して先頭管6の前方及び先頭管6の内側に移動可能に構成される。
管設置装置1の実施形態7によれば、第2の掘削ビット8fによる掘削によって、先頭管6の前方において先頭管6の例えば上下の内壁面6c,6d(先頭管6の一方の一対の壁面)と直交する方向である先頭管6の上下幅間隔よりも広い上下幅間隔で地中10を掘削できるようになり、先頭管6の前方において先頭管6の上下幅方向での余堀が可能となるので、地山が硬質地盤である場合でも管2をよりスムーズに推進させることが可能となる。
当該回転掘削体46Aを備えた管設置装置を用いて管2を地中10に設置する場合においては、先頭管6の前方において先頭管6の断面積よりも幅の広い断面積を掘削できる。即ち、先頭管6の前方の地中10において先頭管6の例えば上下側の地中10の余堀が可能となることから、上述した管後端移動現象が発生しやすくなる。したがって、実施形態7の管設置装置を用いて管2を地中10に設置する場合に、上述した管後端移動規制手段を用いて、上述した管後端移動現象を抑制することが効果的である。
管設置装置1の実施形態8
上述した回転掘削体46Aと上述した掘削機械揺動駆動装置250とを備えた管設置装置を用いれば、先頭管6の前方の地中10において先頭管6の上下左右側の地中10の余堀が可能となることから、上述した管後端移動現象がより発生しやすくなる。したがって、実施形態8の管設置装置を用いて管2を地中10に設置する場合に、上述した管後端移動規制手段を用いて、上述した管後端移動現象を抑制することが効果的である。
尚、油圧ジャッキ62等の推進装置の推進力を管2に伝達する方法としては、管2の後端開口より後方に突出する図外の推進力伝達部材を設けてもよいし、推進装置で管2の後端面を直接押圧するようにしてもよい。
管2の実施形態1
上述した管設置装置1を用いて地中10に設置される管2は、断面四角形状の管であって、管の中心線(中心軸)=(管の延長方向と直交する断面の中心点を管の延長方向に沿って連続して繋いだ線)と直交する面で管を切断した場合の断面形状が四角形状のであって、円弧を描くように曲がって延長するように形成された曲管(管の中心線が曲線である管)、あるいは、真っ直ぐに延長する管(管の中心線が直線である管(以下、直管という))である。
そして、図20に示すように、直管として、管2の互いに平行に対向する一方の一対の側壁2a,2aが合同な台形に形成され、当該側壁2aの台形の互いに平行な辺縁2s,2sが管2の中心線2Cと平行である側壁2aが台形状に形成された管2を使用し、当該複数の管2が順次連結されて地中10に設置されることによって、地中10での進行軌跡2Zが、前の管2の後端開口縁2xと後の管2の前端開口縁2yとの連結部で折れ曲がる線状(湾曲に近似した線状)になる折曲管200による、上述した外殻B1、あるいは、ライニングDを構築できる。
側壁2aが台形状の管2として、図20,図21(a)に示すように、管2の互いに平行に対向する一方の一対の側壁2a,2aが合同な台形に形成され、当該側壁2aの台形の各脚2t,2tと台形の互いに平行な上底及び下底である辺縁2s,2sとのなす角が直角でない構成のものを用いる。当該管2は、管が真っ直ぐに延長する直管の両端開口縁をそれぞれ斜めに切断することにより簡単かつ安価に製作できる。
前の管2の後端開口縁2xと後の管2の前端開口縁2yとの連結部は、前の管2の後端開口縁2xと後の管2の前端開口縁2yとの間を介して管2の内外に水が流通しない状態に連結される。つまり、後述する管設置装置1により管2を地中10に設置する際、前の管2の一対の台形状の側壁2aの他方の脚2tである辺縁で開口する後端開口縁2xと後の管2の一対の台形状の側壁2aの一方の脚2tである辺縁で開口する前端開口縁2yとを溶接で連結していくことで、管2,2…の地中10での進行軌跡2Zが前の管2の後端開口縁2xと後の管2の前端開口縁2yとの連結部で折れ曲がる線状になる。言い換えれば、2つ以上の管2が連結されることで、管2の中心線(中心軸)2Cが連結部で折れ曲がる折曲線を描くように延長する図21(b),図21(c)に示すような折曲管200が形成され、当該折曲管200が地中10に設置されていくことになる。尚、連結部で連結される前の管2の一対の台形状の側壁2aの他方の脚2t及び後の管2の一対の台形状の側壁2aの一方の脚2tの長さは同じである。本明細書では、管の互いに平行な一方の一対の側壁のそれぞれが連結部を境界とした複数の平面で形成された構成の管を折曲管と言い、管の互いに平行な一方の一対の側壁のそれぞれが湾曲面で形成された構成の管を曲管という。
尚、進行軌跡2Zの折れ曲がり角度(折曲管200の管の中心線2Cの折曲線の折れ曲がり角度)は、前の管2の後端開口縁2xと後の管2の前端開口縁2yとの連結部における管2の台形状の側壁2aの脚2tと台形の互いに平行な上底及び下底である辺縁2s,2sとのなす角αが直角に近付くほど緩やかになり、前記なす角αが直角から遠くなるほど急になる。言い換えれば、なす角αが直角に近付くほど連結部で折れ曲がる中心線2Cと中心線Cとのなす角度が180度に近くなり、なす角αが直角から遠くなるほど連結部で折れ曲がる中心線2Cと中心線Cとのなす角度が90度に近くなる。したがって、管2の予定進行軌跡に応じて管2に台形状の側壁2aの前記なす角αを決めればよい。
このように、管が真っ直ぐに延長する直管の両端開口縁をそれぞれ斜めに切断することにより簡単かつ安価に製作できる側壁台形状の管2を使用することで、地中10において曲がって延長するような外殻B1、あるいは、ライニングDを安価に構築できるようになる。即ち、前の管2の一対の台形状の側壁2aの他方の脚2tである辺縁で開口する後端開口縁2xと後の管2の一対の台形状の側壁2aの一方の脚2tである辺縁で開口する前端開口縁2yとを溶接で連結していくことで、管2の中心線2Cが連結部で折れ曲がる折曲線を描くように延長する折曲管200を形成でき、当該折曲管200が地中10に設置されることによって、地中10において折れ曲がって延長するような外殻B1、あるいは、ライニングDを安価に構築できる。また、同一の側壁台形状の管2を用いて外殻B1、あるいは、ライニングDを構築するので、複数の管2の製作コストを安価にできる。
管2の実施形態2
側壁台形状の管2として、図22に示すように、管2の互いに平行に対向する一方の一対の側壁2a,2aが合同な台形に形成され、当該側壁2aの台形の互いに平行な上底及び下底である辺縁2s,2sの一端同士を連結する一方の脚2tが互いに平行な辺縁2s,2sと直角をなす辺縁2fにより形成され、かつ、当該側壁2aの台形の互いに平行な辺縁2s,2sの他端同士を連結する他方の脚2tが辺縁2s,2sと直角をなさない辺縁2gにより形成された構成の管2を用いてもよい。
この場合、図23に示すように、前の管2の後端開口縁2xが辺縁2fにより形成された開口縁である場合には、当該前の管2の後端開口縁2xと後の管2の辺縁2fにより形成された前端開口縁2yとを連結する。また、図示しないが、前の管2の後端開口縁2xが辺縁2gにより形成された開口縁である場合には、当該前の管2の後端開口縁2xと後の管2の辺縁2gにより形成された前端開口縁2yとを連結する。
即ち、管2,2…の地中10での進行軌跡2Zが、辺縁2fにより形成された後端開口縁2xと辺縁2fにより形成された前端開口縁2yとの連結部で折れ曲がる湾曲状になる。言い換えれば、少なくとも、辺縁2gにより形成された前の管2の後側開口縁2xと辺縁2gにより形成された後の管2の前端開口縁2yとが連結された構成の2つの以上の管により形成され、管の中心線2Cが連結部で折れ曲がる折曲線を描くように曲がって延長する図23(b),図23(c)に示すような折曲管200が形成され、当該折曲管200が地中10に設置されていくことになる。
このように、管が真っ直ぐに延長する直管の一端端開口縁を斜めに切断することにより簡単かつ安価に製作できる側壁台形状の管2を使用することで、地中10において曲がって延長するような外殻B1、あるいは、ライニングDを安価に構築できるようになる。
また、同一の側壁台形状の管2を用いて外殻B1、あるいは、ライニングDを構築するので、複数の管2の製作コストを安価にできる。
管2の実施形態3
2つ以上の側壁台形状の管2が連結されることで管の中心線2Cが円弧に近似した折曲線を描くように曲がって延長する折曲管200(例えば図21(b),図21(c),図23(b),図23(c)に示したような複数の管2が連結された構成の折曲管200)を予め製作しておいて、当該折曲管200を順次連結していって地中10に設置することで外殻B1、あるいは、ライニングDを構築してもよい。
当該折曲管200は、2つ以上の側壁台形状の管2を連結することで簡単かつ安価に製作でき、このような安価な折曲管200を使用することで、地中10において曲がって延長するような外殻B1、あるいは、ライニングDを安価に構築できるようになる。
管2の実施形態4
例えば図20に示すような4つの側壁で囲まれた中空断面四角形状の管2において、側壁台形状の管2の互いに平行に対向する他方の一対の側壁(例えば図20の上壁及び下壁)のうちの一方の側壁(例えば図20の四角形状の上壁)を形成する基板2bと当該基板2bの互いに平行な一対の両側部より同じ方向に立ち上がる台形状の立ち上がり板2m,2mとを備えた断面凹状の一方の管分割体2Aと、側壁台形状の管2の互いに平行に対向する他方の一対の側壁のうちの他方の側壁(例えば図20の四角形状の下壁)を形成する基板2bと当該基板2bの互いに平行な一対の両側部より同じ方向に立ち上がる台形状の立ち上がり板2m,2mとを備えた断面凹状の他方の管分割体2Bとを備え(以上、図24参照)、一方の管分割体2Aの立ち上がり板2m,2mの先端と他方の管分割体2Bの立ち上がり板2m,2mの先端とが溶接等の連結手段によって連結されて構成された図25に示すような側壁台形状の管2を用いてもよい。
一方の管分割体2Aの立ち上がり板2mと他方の管分割体2Bの立ち上がり板2mとで側壁台形状の管2の側壁2a(例えば図20の台形状の左壁及び右壁)が形成される。
言い換えれば、一方の管分割体2A,他方の管分割体2Bは、側壁台形状の管2の一対の台形の側壁2a,2aが当該各台形の互いに平行な辺縁2s,2sに沿った切断部(辺縁2s,2sと平行な切断部又は辺縁2s,2sと平行でない切断部)で切断された断面凹状の管分割体と同じ構成である。
当該管分割体2A,2Bは、1枚の板材の両側縁部を同じ方向に折曲げて断面凹状に形成することで簡単に製作できるので、管2を簡単かつ安価に製作できる。
また、2種類の管分割体2A,2Bを複数組製作することで、同一の側壁台形状の管2を複数製作できるので、2種類の管分割体2A,2B、同一の側壁台形状の管2の製作コストを安価にできる。
また、管分割体2A,2Bは、側壁台形状の管2を分割した大きさであり、小型化するので、運搬や扱いが容易となる。
さらに、現場にて管分割体2A,2Bを溶接で連結することができ、前の管2の後端開口縁2xに後の管2の前端開口縁2yを溶接で連結する場合、前の管2の後端に連結される後の管2を形成する一方の分割体を当該一方の分割体の内側からも溶接できるようになり、当該一方の分割体を前の管2の後側開口縁2xに簡単かつ強固に連結できるようになる。
また、管分割体2A,2Bにより形成された管2を使用することで、地中10において曲がって延長するような外殻B1、あるいは、ライニングDを安価に構築できるようになる。
A1 本線トンネル(第1のトンネル)、
A2 ランプトンネル(第2のトンネル、別のトンネル)、B 発進基地、B1 外殻、C 導坑、D ライニング、D1,D2… 工事区域、E1 地盤、G 分岐合流部、
2 管、200 折曲管。

Claims (12)

  1. トンネルの外側に発進基地を施工する発進基地施工ステップと、
    発進基地からトンネルの周方向に沿って延長するライニングを施工するライニング施工ステップと、
    トンネルとライニングとの間の地盤を掘削した後に当該ライニングで囲まれたトンネル部分を解体することにより、トンネルを拡幅する拡幅ステップと、を備え、
    ライニングは、管を地中に設置して構築したことを特徴とするトンネル拡幅方法。
  2. トンネルの外側に発進基地を施工する発進基地施工ステップと、
    発進基地からトンネルの延長方向に沿って延長する導坑を施工する導坑施工ステップと、
    導坑からトンネルの周方向に沿って延長するライニングを施工するライニング施工ステップと、
    トンネルとライニングとの間の地盤を掘削した後に当該ライニングで囲まれたトンネル部分を解体することにより、トンネルを拡幅する拡幅ステップと、を備え、
    ライニングは、管を地中に設置して構築したことを特徴とするトンネル拡幅方法。
  3. 前記発進基地施工ステップでは、複数の発進基地をトンネルの周方向に沿って間隔を隔てて構築し、
    前記ライニング施工ステップでは、トンネルの周方向において隣り合うように構築された複数の発進基地間を繋ぐようにライニングを構築したことを特徴とする請求項1に記載のトンネル拡幅方法。
  4. 前記導坑施工ステップでは、トンネルの周方向において間隔を隔てて複数の導坑を構築し、
    前記ライニング施工ステップでは、トンネルの周方向において隣り合うように構築された導坑間を繋ぐようにライニングを構築したことを特徴とする請求項2に記載のトンネル拡幅方法。
  5. 前記トンネルの周方向に沿って間隔を隔てて構築された複数の各発進基地からそれぞれ導坑を構築したことを特徴とする請求項4に記載のトンネル拡幅方法。
  6. 前記トンネルの周方向に沿って隣り合う発進基地同士を、トンネルの延長方向に沿って互いにずれた位置に構築したことを特徴とする請求項3又は請求項5に記載のトンネル拡幅方法。
  7. 前記トンネルは、分岐合流させる第1のトンネル及び第2のトンネルであり、
    前記発進基地施工ステップでは、第1のトンネル又は第2のトンネルのうちの少なくとも一方のトンネルの外側に発進基地を構築し、
    前記ライニング施工ステップでは、第1のトンネルと第2のトンネルとの分岐合流部となる第1のトンネル及び第2のトンネルの周方向に沿って延長するライニングを構築したことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のトンネル拡幅方法。
  8. 前記ライニング施工ステップでは、第1のトンネル及び第2のトンネルの周方向に沿って延長するライニングと第1のトンネルの延長方向に連続するように第1のトンネルの周方向に沿って延長するライニングを構築したことを特徴とする請求項7に記載のトンネル拡幅方法。
  9. 前記トンネルとは別のトンネルの端部を、前記ライニング施工ステップで構築されたライニングの内側に接続したことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のトンネル拡幅方法。
  10. 前記ライニング施工ステップにおいて、管を地中に設置する作業は、トンネルの延長方向に沿って複数の工事区域を設定し、2以上の工事区域で並行して管の設置作業を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載のトンネル拡幅方法。
  11. 前記発進基地施工ステップでは、トンネルから出発して当該トンネルに到達する発進基地の外殻を構築した後、当該外殻とトンネルの外周面との間の地盤を掘削することにより発進基地を構築し、
    外殻は、管を地中に設置して構築したことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載のトンネル拡幅方法。
  12. 前記管として、断面四角形状で、かつ、側壁が台形状に構築された管を使用し、請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載のライニング、又は、請求項11に記載の外殻は、複数の当該管が順次前後で連結されて地中に設置されることによって、地中での進行軌跡が、前の管の後端開口縁と後の管の前端開口縁との連結部で折れ曲がる線状となる折曲管により構築したことを特徴とするトンネル拡幅方法。
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