JP6006571B2 - 管設置方法 - Google Patents
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Description
また、管の先端が硬質地盤に衝突して進行しなくなることを防止するために、管の先頭開口の前方に上記回転掘削体を設置するとともに、当該回転掘削体の回転中心線を、管の互いに平行に対向する一方の一対の外側面と平行でかつ管の推進方向と直交する面と直交以外の状態で交差する状態に設定して、回転掘削体を管の互いに平行に対向する他方の一対の外側面よりも外側に移動させることが可能な掘削機械揺動駆動装置を備え、管の進行に先立って管の前方において回転掘削体を揺動させて管の断面積よりも幅の広い断面積を掘削(余掘り)できるようにして、地山が硬質地盤である場合でも管を地中においてスムーズに推進させることができるようにした管設置装置が本出願人により出願されている(特願2011−244272号)。
従来、この地中間隙に薬液等の注入材を注入して止水処理部を形成するようにしていたが、このような地中間隙に注入材を注入した場合、注入材が逸走してしまう可能性が高く、注入材の注入量が多くなって、施工コストが高くなるという課題があった。
本発明は、間隔を隔てて互いに隣り合うように地中に設置される一方の管の外側面と他方の管の外側面との間の止水処理を確実に行えるとともに当該止水処理に必要な注入材の注入量を少なくでき、施工コストを低減できる管設置方法を提供する。
互いに向かい合う一方の管の外側面と他方の管の外側面のうちの他の外側面に、一対の中空管をガイドする一対のガイド手段が設けられ、一対の中空管が一対のガイド手段の間に位置されるように一の外側面に設けられたので、管が地中に設置される際にガイド手段によって当該管の進行方向が的確にガイドされる。
中空管が、地中に設置された管の外周囲に注入材を充填するための注入口を備えたので、管の外周囲の地中に薬液やセメント系注入材を注入する裏込処理を行うことが可能となる。
先に地中に設置される管の外側面にガイド手段を設けるとともに、先に地中に設置された管の外側面に並ぶように地中に設置される次の管の外側面に中空管を設けるか、あるいは、先に地中に設置される管の外側面に中空管を設けるとともに、先に地中に設置された管の外側面に並ぶように地中に設置される次の管の外側面にガイド手段を設けることによって、地中に設置された先の管に並ぶように地中に設置される次の管の地中での進行方向を中空管とガイド手段とでガイドするようにしたので、地中に設置しようとする管の地中での推進方向が中空管及びガイド手段とによって的確にガイドされる。
実施形態1では、断面四角状の管2を地中10に設置するために後述する揺動可能な回転掘削体46を有した管設置装置1(図6乃至図10参照)を用い、図1乃至図4に示すように、管2を地中10に設置した後、当該地中10に設置された先の管2の横に並ぶように次の管2を地中10に設置する場合において、先に地中10に設置された管2の互いに対向する一対の外側面2a;2bのうちの一方の外側面2aの横に並ぶように地中10に設置される次の管2の他方の外側面2bに、突起100としての一対の中空管101;101を設け、間隔を隔てて互いに隣り合うように地中に設置されることになる前記先の管2の一方の外側面2aと前記次の管2の他方の外側面2bとの間に、突起100と先の管2の一方の外側面2aと次の管2の他方の外側面2bとで囲まれた地中領域150を形成し、当該地中領域150に、先の管2の一方の外側面2aと次の管2の他方の外側面2bとの間の止水処理のための薬液やセメント系注入材等の注入材200を充填して止水処理部を形成する。
即ち、間隔を隔てて互いに隣り合うように地中10に設置される一方の管2及び他方の管2において、互いに向かい合う一方の管2の外側面と他方の管2の外側面のうちの、一方の管2の外側面2b(一の外側面)に、管2の延長方向の全長に渡って管路が延長するように設けられるとともに一定の間隔を隔てて配置された突起100としての一対の中空管101;101を設け、一対の中空管101;101の外側面106;106と他方の管2の外側面2a(他の外側面)とを接触又は近接させて、一対の中空管101;101と一方の管2の外側面2bと他方の管2の外側面2aとで囲まれた密封性の高い地中領域150を形成し、この地中領域150に注入材200を充填して止水処理部を形成するようにした。
さらに、先に地中10に設置される管2の一方の外側面2aには、先に地中10に設置される管2の横に並ぶように地中10に設置される次の管2の他方の外側面2aに設けられた一対の中空管101;101をガイドして次の管2の地中10での進行方向をガイドするためにガイド手段120を設けるようにした。
管2としては例えば鋼製の管が用いられる。管2の大きさは、例えば、管2が断面形状長方形の管である場合、管の長さ(管の中心軸に沿った方向の長さ)が1500mm、管の左右幅(断面長方形の長辺の長さ)が1240mm、管の上下幅(断面長方形の短辺の長さ)が690mm、管の肉厚が16mmである。
当該長尺部材121の長辺縁側の面122;123の短手方向の長さは、管路形成体としての中空管101の外径寸法と同じ寸法か、あるいは、中空管101の外径寸法よりも短い寸法に形成される。
各長尺部材121は、例えば、各長尺部材121の他方の長辺側の面123;123同士が互いに一定の間隔H1を隔てて向かい合い、各長尺部材121の一方の長辺側の面122;122が互いに離れるように管2の一方の外側面2aの各長辺縁2f;2f側に延長する状態に、当該一方の長辺側の面122;122が管2の一方の外側面2aに固定されている。
各中空管101は、例えば、各中空管101における管2の他方の外側面2bの長辺縁2g;2gに近い位置の外側面103;103同士が一定の間隔H2を隔てて対向し、かつ、各中空管101における管2の他方の外側面2bの長辺縁2gと長辺縁2gとの間の中心に近い位置の外側面104;104同士が一定の間隔H3を隔てて対向するように、一の外側面102が管2の他方の外側面2bに固定されている。中空管101が固定された管2は、中空管101の一の外側面102と平行に対向する外側面106が、先に地中10に設置された管2の外側面2aに接触又は近接した状態で管設置装置1により地中10に設置される。
管2の他方の外側面2bに固定された各中空管101;101の互いに向かい合って対向する前記外側面104;104を形成する各管壁には、当該管壁を貫通して中空管101の内外に連通する孔部に中空管101の外部から中空管101の内部への物の流入を防止する逆止弁が取付けられて構成された逆止弁付きの注入口105を備え、当該逆止弁付きの注入口105を介して中空管101の内側から前述した地中領域150に注入材200を注入することが可能な構成となっている。
尚、逆止弁付きの注入口105は、1つの管2に設けられる中空管101に1つ、又は、1つの管2に設けられる中空管101の管の延長方向に沿って間隔を隔てて複数設けられている。
また、各中空管101における管2の他方の外側面2bの長辺縁2g;2gに近い位置の外側面103;103を形成する各管壁に上述した逆止弁付きの注入口を設ければ、管2の外周囲の地中10に薬液やセメント系注入材を注入する裏込処理が可能となる。
具体的には、H2はH1よりも数cm程度小さく設定され、各中空管101における管2の他方の外側面2bの長辺縁2g;2gに近い位置の外側面103;103が、それぞれ、各長尺部材121の他方の長辺側の面123;123に接触可能に構成されることで、地中10での次の管2の推進方向が突起100及びガイド手段120によって的確にガイドされることになる。
尚、突起100を構成する一対の中空管101;101は、揺動可能な回転掘削体46を有した管設置装置1を用いて次の管2を地中10に設置する場合において、回転掘削体46を揺動させ当該回転掘削体46が管2の前方において当該管2の一対の外側面2a;2bより外側に移動した場合(正確には、当該回転掘削体46が当該管2の一対の外側面2a;2bの進行予定面よりも管2の外側に移動した場合)に当該回転掘削体46が先に地中10に設置された管2の一方の外側面2aに衝突しないように、先に地中10に設置された管2の一方の外側面2aと当該先の管2の横に並ぶように地中10に設置される次の管2の他方の外側面2bとの間に必要な間隔を設定するための衝突防止手段としても機能する。
支保工11としては、複数の曲管が順次連結されて地中10に設置されることによって円弧を描くように曲がって延長する支保工11が地中10に構築されたり、複数の直管が順次連結されて地中10に設置されることによって真っ直ぐに延長する支保工11が地中10に構築される。
支保工11としては、地中10に形成された図外の一方の空洞部と他方の空洞部との間に跨るように複数の管2を連続させて構築される支保工11や、地中10に形成された図外の空洞部から出発して当該空洞部に戻るように複数の管2を連続させて構築される支保工11、地中10に形成された図外の空洞部から出発して地中10で止まるように構築される支保工11等がある。
第2の支保工11Bを構築する際、既に地中10に構築されている第1の支保工11の管2の一方の外側面2aに設けられたガイド手段120を形成する断面L字状の各長尺部材121;121の間に、1つの空洞部から地中10に入れようとする第2の支保工11を構築するための先頭管6の他方の外側面2bに設けられた突起100としての各中空管101;101を挿入してかつ各中空管101;101の外側面106;106を第1の支保工11の管2の一方の外側面2aに接触又は近接させるように当該先頭管6の位置決めを行ってから当該管2を地中10に設置し、さらに、当該先頭管6の内部空間と後続管7の内部空間とが連通するように当該先頭管6に後方に後続管7を順次継ぎ足すとともに前記各中空管101;101の内部空間と後続の各中空管101;101の内部空間とが連通するように前記各中空管101;101の後方に後続の各中空管101;101を継ぎ足していって上記と同様に地中10に設置して、第2の支保工11Bを構築することによって、第1の支保工11Aと第2の支保工11Bとの間に、中空管101;101と一対の長尺部材121;121と第1の支保工11Aを構築した一方の各管2の外側面2aと第2の支保工11Bを構築した他方の各管2の外側面2bとで囲まれた密封性の高い地中領域150が形成される。
同様に、図2(c)に示すように、第2の支保工11Bを形成した管2(先頭管6及び複数の後続管7)の横に並ぶように次の管2(先頭管6及び複数の後続管7)を地中10に設置して第3の支保工11Cを構築することにより、第2の支保工11Bと第3の支保工11Cとの間に、中空管101;101と一対の長尺部材121;121と第2の支保工11Bを構築した一方の各管2の外側面2aと第3の支保工11Cを構築した他方の各管2の外側面2bとで囲まれた地中領域150が形成される。
尚、実施形態1では、最初に地中に構築される支保工11Aを形成する管2としては、管2の一方の外側面2aにガイド手段120を備えるが、管2の他方の外側面2bには突起100としての一対の中空管101;101を備えない構成のものを用いた。
実施形態1では、突起100としての一対の中空管101;101とガイド手段120とを設けたことにより、地中10において互いに隣り合う一方の支保工11と他方の支保工11との間に、各中空管101;101の外側面106;106と支保工11の管2の一方の外側面2aとが接触又は近接した密封性の高い地中領域150が形成され、そして、中空管101及び中空管101に設けられた逆止弁付きの注入口105を介して当該地中領域150に注入材200(図11参照)を注入することによって、地中領域150に注入された注入材200が地中領域150外に流出する可能性が低くなる。従って、地中10において互いに隣り合う一方の支保工11と他方の支保工11との間に止水性能の高い止水処理部を確実に形成でき、かつ、止水処理部を形成するための注入材の注入量を少なくできて、施工コストを低減できるようになる。
図6に示すように、管設置装置1は、管2と、掘削装置3と、制御装置65とを備える。尚、以下、図6における上側を管2や管設置装置1の先頭あるいは前側と定義し、図6における下側を管2や管設置装置1の後側と定義し、図6における左右側を管2や管設置装置1の左右側と定義し、図6の紙面と直交する方向の上下側を管2や管設置装置1の上下側と定義して説明する。
掘削機械揺動駆動装置25は、揺動基板30と、揺動基板30の案内部材31と、揺動基板駆動手段32とを備える。
即ち、管設置装置1は、先頭管6の前方において回転掘削体46を先頭管6の左右方向に揺動させるための掘削機械揺動駆動装置25を備えるので、先頭管6の前方の地山99を回転掘削体46で掘削する際に揺動基板駆動手段32により揺動基板30を駆動して回転掘削体46を左右方向に揺動させることができ、回転掘削体46が左右方向に揺動しない場合と比べて、掘削可能な左右幅を大きくできる。即ち、先頭管6の進行に先立って先頭管6の前方において先頭管6の左右幅間隔(先頭管6の他方の一対の壁面と直交する方向である管の幅間隔)よりも幅の広い左右幅間隔で地山99を掘削でき、先頭管6の前方において先頭管6の左右幅方向での余堀が可能となるので、先頭管6が推進する際に先頭管6の先頭開口6tが地山99の硬質層に衝突する可能性が少なくなり、先頭管6をスムーズに推進させることができるようになる。
案内部材31は、断面四角形状の筒により形成され、当該案内部材31の筒の中心線と先頭管6の管の中心線とが同じとなるように先頭管6の先端側の内側に設置される。案内部材31は、案内部材31の筒体の中心線と直交する面で案内部材31を切断した場合の断面の外周形状が先頭管6の中心線と直交する面で先頭管6を切断した場合の断面の内周形状と同じで、かつ、揺動案内部材31の断面の外周寸法が先頭管6の断面の内周寸法とほぼ同じ寸法に形成される。
案内部材31の筒の外周面33には外周面33を一周するようにゴムパッキン等の水密性能維持部材34が設けられており、案内部材31の筒体の外周面33と先頭管6の内周面6xとが数mm程度(例えば5mm)の僅かな隙間を介して対向した状態で、かつ、水密性能維持部材34と先頭管6の内周面6xとが接触して、案内部材31の筒の外周面33と先頭管6の内周面6xとの間の水密性が維持されるように、案内部材31が先頭管6の先頭開口6t側の内側に設置される。
案内部材31の内周面35の左右の側壁面35a;35bは、先頭管6の前後方向に沿って前後の中間部が凹状に一定の曲率で湾曲する湾曲面に形成される。
揺動基板30の平板の外周面39には外周面39を一周するようにゴムパッキン等の水密性能維持部材12が設けられ、揺動基板30の平板の外周面39と案内部材31の内周面35とが数mm程度(例えば5mm)の僅かな隙間を介して対向した状態で、かつ、水密性能維持部材12と案内部材31の内周面35とが接触することにより、揺動基板30の平板の外周面39と案内部材31の筒体の内周面35との間の水密性が維持される。水密性能維持部材12は、揺動基板30の平板の外周面39を一周するように外周面39には形成された溝39h内に収容されて外周面39より突出するように設けられることにより、水密性能を十分に発揮できるよう揺動基板30の平板の外周面39に安定に設置できる。また、水密性能維持部材12は、揺動基板30の平板の外周面39の前後側の両方に設けることが好ましい。
揺動基板駆動用ジャッキ16は、例えば、油圧ジャッキにより構成される。
揺動基板駆動用ジャッキ16は、2個設けられ、揺動基板30の後方における左右側にそれぞれ1つずつ配置される。
左側の揺動基板駆動用ジャッキ16Aは、シリンダ16aがジャッキ載置台17上に載置されてジャッキ載置台17に固定され、シリンダ16aの後端面がジャッキ反力受部材18の前面の左部に固定され、揺動基板30の後面30xにおける左端側の上下中央側を押圧かつ引き戻すことが可能なようにピストンロッド16bの先端と揺動基板30の後面30xとがピン接合のような接続手段22により接続されている。
右側の揺動基板駆動用ジャッキ16Bは、シリンダ16aがジャッキ載置台17上に載置されてジャッキ載置台17に固定され、シリンダ16aの後端面がジャッキ反力受部材18の前面に右部に固定され、揺動基板30の後面30xにおける右端側の上下中央側を押圧かつ引き戻すことが可能なようにピストンロッド16bの先端と揺動基板30の後面30xとがピン接合のような接続手段22により接続されている。
支持部40は、1つの支柱42と2つの分岐支柱43とが組合されたT字状の中空支柱により形成される。2つの分岐支柱43は、支柱42の先端部より支柱42の延長方向と直交する一直線上において互いに離れる方向に延長する。
回転部41は、回転機構部45と、回転掘削体46とを備える。回転機構部45は、例えばモータ47により構成される。分岐支柱43の両方の先端には、それぞれモータマウント44が設けられ、各モータマウント44;44には、モータ47のケーシング48が固定される。2つのモータ47;47の回転軸49;49は、支柱42の先端部より支柱の延長方向と直交する一直線上(即ち、分岐支柱43の中心線線上)において互いに離れる方向に延長する。
回転掘削体46は、例えば円筒部50aと円筒部50aの他端を閉塞する底板50bとを有した一端開口他端閉塞の円形箱状の回転体50と、回転体50の円筒部50aの外周面51に設けられた複数の掘削ビット52とを備えた構成である。
例えば、回転掘削体46の回転体50の底板50bの内面53の円中心と回転軸49の回転中心とが一致するように、回転体50の底板50bの内面53と油圧モータ47により回転する回転軸49の先端に設けられた連結板54とがねじ等の連結具57により連結される。即ち、2つの回転掘削体46;46が先頭管6の先頭開口6tよりも前方に位置され、2つの回転掘削体46;46が2つの回転軸49;49に共通の1つの回転中心線Lを回転中心として回転するように構成される。このような2つの回転掘削体46;46を備えた構成は、ツインヘッダと呼ばれる。
実施形態1では、上述したように、2つの回転掘削体46;46の回転中心線Lが先頭管6の推進方向と直交する面と平行な状態及び先頭管6の上下の内壁面と平行な第1の状態で地山99を掘削した場合、推進方向と直交する面内における回転掘削体46の掘削幅を大きくでき、さらに、断面四角形状に掘削できるので、掘削幅に応じた四角幅の管2を容易に地中10に設置できるようになる。
さらに、実施形態1では、掘削機械揺動駆動装置25を作動させ、図10に示すように、2つの回転掘削体46;46の回転中心線Lが先頭管6の推進方向と直交する面と交差しかつ先頭管6の上下の内壁面と平行な第2の状態で地山99を掘削した場合、先頭管6の前方において先頭管6の左右幅間隔よりも広い左右幅間隔で地山99を掘削できるので、先頭管6が推進する際に先頭管6の先頭開口6tが地山99の硬質層に衝突する可能性が少なくなり、先頭管6をスムーズに推進させることができるようになる。
推進力受け部63は、先頭管6の先頭開口6t側の内側に設置された案内部材31の筒の前端面31aに接触して案内部材31の前方への移動を規制するとともに案内部材31に伝達された推進力を先頭管6に伝達することができるように、先頭管6の先頭開口6t側の内面に溶接、ボルト・ナット等の固定手段で固定されている。
推進力伝達手段62は、推進力伝達構成部64と、推進力伝達棒状体71と、推進力伝達用の当て材72とを備える。
推進力伝達構成部64は、例えば、H形鋼を組み合わせて形成される。例えば、案内部材31の筒の左端後端面と連結されて上下に延長するよう設けられた前左側上下延長柱部64aと、案内部材31の筒の右端後端面と連結されて上下に延長するよう設けられた前右側上下延長柱部64bと、ジャッキ反力受部材18の左端部と連結されて上下に延長するよう設けられた後左側上下延長柱部64cと、ジャッキ反力受部材18の右端部と連結されて上下に延長するよう設けられた後右側上下延長柱部64dと、前後方向に延長して先端と前左側上下延長柱部64aとが連結され後端と後左側上下延長柱部64cとが連結された左連結部64eと、前後方向に延長して先端と前右側上下延長柱部64bとが連結され後端と後右側上下延長柱部64dとが連結された右連結部64fとを備える。
推進力伝達棒状体71は、中心線が先頭管6の中心線と同一方向を向くように設置される。左側の推進力伝達棒状体71Aの先端面と後左側上下延長柱部64cの後面における上下の中央位置とが連結され、右側の推進力伝達棒状体71Bの先端面と後右側上下延長柱部64dの後面における上下の中央位置とが連結される。
この場合、後右側上下延長柱部64dの後面における上下の中央位置に連結された右側の推進力伝達棒状体71Bと後左側上下延長柱部64cの後面における上下の中央位置に連結された左側の推進力伝達棒状体71Aとを介して推進力伝達構成部64に伝達された推進力が案内部材31の後端面31xの四隅部に伝達される構成としたので(図6参照)、案内部材31に推進力を均等に伝達でき、案内部材31の姿勢を安定に維持することができ、しかも、掘削機械揺動駆動装置25の揺動動作の安定化が図れる。
水供給管75cは、水供給管保持貫通孔15に保持される前側部分75xと当該前側部分75xの後端に連結されて先頭管6の後端開口より外部に延長する主部分75yとを備える。例えば、前側部分75xは鋼管により形成され、主部分75yは硬質ビニル製の蛇腹管により形成される。揺動基板30の前面30fの前方の地山99に水を放出することが可能なように前側部分75xの前端開口側が揺動基板30の水供給管保持貫通孔15に固定され、前側部分75xの後端開口側が揺動基板30の後面30xより後方に突出するように設けられる。前側部分75xの後端開口と主部分75yの前端開口とが連通可能に連結され、主部分75yの後端開口と送水用のポンプ75bの吐出口とが連通可能に連結される。そして、送水用のポンプ75bの吸込口と水貯留タンク75aとが図外の連結管により連通可能に連結される。水供給装置75は、先頭管6の上部内側の左右側に2系統設けられる。尚、揺動基板30が揺動した場合に水供給管75cが先頭管6の左右の内側面に接触しないように、前側部分75xは、前端開口が先頭管6の内側面側に位置されて後端開口が先頭管6の中央側に位置するように設けられる。換言すれば、前側部分75xは、管の中心線が先頭管6の内側面6a;6b側から先頭管6の中央側に傾斜して延長するように設けられる。
排泥管76cは、排泥管保持貫通孔14に保持される前側部分76xと当該前側部分76xの後端に連結されて先頭管6の後端開口より外部に延長する主部分76yとを備える。例えば、前側部分76xは鋼管により形成され、主部分76yは硬質ビニル製の蛇腹管により形成される。揺動基板30の前面30fより前方に集まった掘削土を前端開口を介して取り込むことが可能なように前側部分76xの前端開口側が揺動基板30の排泥管保持貫通孔14に固定され、前側部分76xの後端開口側が揺動基板30の後面30xより後方に突出するように設けられる。前側部分76xの後端開口と主部分76yの前端開口とが連通可能に連結され、主部分76yの後端開口と排泥用のポンプ76bの吸込口とが連通可能に連結される。そして、排泥用のポンプ76bの吐出口と排泥タンク76aとが図外の連結管により連通可能に連結される。排泥装置76は、先頭管6の下部内側の左右側に2系統設けられる。尚、揺動基板30が揺動した場合に排泥管76cが先頭管6の左右の内側面に接触しないように、前側部分76xは、前端開口が先頭管6の内側面側に位置されて後端開口が先頭管6の中央側に位置するように設けられる。換言すれば、前側部分76xは、管の中心線が先頭管6の内側面6a;6b側から先頭管6の中央側に傾斜して延長するように設けられる。
つまり、最初に一定量の水を集合タンク75X内に満たしておき、送水用のポンプ75bを駆動して揺動基板30の前方に水を圧送すると、揺動基板30の前方に圧送された水と回転掘削体46;46により掘削された土砂とが混ざって泥水となる。そして、排泥用のポンプ76bを駆動することにより、揺動基板30の前方の泥水が排泥タンク76aに排出される。排泥タンク76aに排出された泥水中の泥が排泥タンク76aの底に沈殿するとともに、仕切体75wを越えて水貯留タンク75aに入り込んだ泥水が再び送水用のポンプ75bによって揺動基板30の前方に圧送される。即ち、泥水を循環させて揺動基板30の前方に供給できるようになるので、水の使用量を減らすことができる。また、水よりも比重が大きい泥水を揺動基板30の前方に供給できるので、地盤及び地下水の圧力に抵抗できて、地盤及び地下水の圧力と揺動基板30の前方に供給した圧力とを均等にしやすくなるので、地盤沈下等、地中10に与える影響を少なくすることができる。また、揺動基板30の前方が泥水化するので、排泥をスムーズに行えるようになり、掘削しやすくなる。
尚、最初から泥水を集合タンク75X内に満たしておき、送水用のポンプ75bを駆動して揺動基板30の前方と集合タンク75X内との間で泥水を循環させてもよい。
掘削機械26と、掘削機械揺動駆動装置25と、当て材72を除いた推進装置70と、水供給管75cと、排泥管76cとが組立てられた組立体を、回転掘削体46側から先頭管6の後端開口を介して先頭管6内に入れていき、案内部材31の前端面31aと先頭管の内側に固定された推進力受け部63とを接触させる。そして、先頭管6の後端面102eより後方に突出する左右の推進力伝達棒状体71A;71Bの他端間に跨るように当て材72を設置して当て材72を左右の推進力伝達棒状体71A;71Bの他端に図外のボルトや万力装置などで連結する。そして、送水用のポンプ75bを駆動して揺動基板30の前方に泥水を供給し、揺動基板30の前方と集合タンク75X内との間で泥水を循環させるとともに、制御装置65による制御によって、油圧源55から油圧モータ47に圧油を供給して回転掘削体46を回転させながら、推進駆動源61を作動させて当て材72に推進力を加えることで、推進力が、推進力伝達棒状体71、推進力伝達構成部64、案内部材31、推進力受け部63を介して先頭管6及び回転掘削体46;46に伝達され、先頭管6が前方に推進するとともに回転掘削体46;46が前方に推進する。この際、揺動基板駆動用ジャッキ16を作動させて揺動基板30の左右壁30a;30b側を前後に揺動させることで、回転掘削体46が先頭管6の左右方向に首振りのように揺動して地山99を掘削する。これにより、先頭管6の前方において先頭管6の左右幅間隔よりも広い左右間隔幅で地山99が掘削されるので、先頭管6が推進する際に先頭管6の先端が硬質地盤の地山99に衝突する可能性が少なくなり、先頭管6をスムーズに推進させることができる。
先頭管6の後端面102eを残して先頭管6が地中10に設置された後、先頭管6の後端面102eに後続管7を溶接、又は、ボルト等の固定具により接続し、さらに、先頭の推進力伝達棒状体71の他端と後続の推進力伝達棒状体71の一端とをボルト、又は、溶接により結合することにより、先頭の推進力伝達棒状体71の後ろに後続の推進力伝達棒状体71を継ぎ足すとともに、また、耐圧ホース56の他端に図外の延長耐圧ホースを継ぎ足し、水供給管75cの他端に図外の延長水供給管を継ぎ足し、排泥管76cの他端に図外の延長排泥管を継ぎ足していく。そして、当て材72を、後続管7の後端縁より後方に突出する左右の推進力伝達棒状体71A;71Bの他端間に跨るように設置して、当て材72を油圧ジャッキ61Aのピストンロッド61aで押圧しながら、回転掘削体46;46を回転駆動させることにより、回転掘削体46が掘削を行いながら先頭管6が推進し、後続管7が地中に設置される。
以後、同様に、前の後続管7の後端縁に後の後続管7を順次連結して地中10に設置していくことで、支保工11を構築できる。
尚、到達側の空洞部内に掘削機械26等を押し出して回収するようにしてもよい。
例えば、先頭管6を到達側の空洞部に押し出して推進力受け部63を除去してから、到達側の空洞部内に掘削機械26等を押し出して回収する。この場合、掘削機械26等を掘削始点となった空洞部内に引き戻す作業よりも掘削機械26等を到達側の空洞部内に押し出す作業の方が容易となるので、掘削機械26等の回収作業が容易となる。
地中10に形成された1つの空洞部から出発して当該空洞部に戻るように支保工11を構築する場合には、掘削機械26等が1つの空洞部の到達口に到達したならば掘削機械26等を到達口から当該空洞部内に押し出すようにして回収すれば、掘削機械26等の回収作業が容易となるとともに、油圧ジャッキ61Aを当該1つの空洞部内にのみ設置すればよいので装置コストも低減できる。
尚、必要に応じて、支保工11の管2内に、コンクリート300を充填したり、鉄筋を配置してコンクリート300を充填することによって、管2の強度を上げた支保工11を構築する(図11参照)。
この場合、地中領域150は密閉性が高く、かつ、余掘りされた空隙の多い領域となるので、注入材200が空隙に充填されるとともに、地中領域150に注入された注入材200が地中領域150外に流出する可能性が低くなるので、止水処理を確実に行えるとともに注入材200の注入量を少なくできて、施工コストを低減できるようになる。
注入処理は、例えば図外のパッカーと呼ばれる注入装置を用いて逆止弁付きの注入口105と連通する注入口付近の中空管101の管内空間を密閉し、当該密閉空間内に注入材200を供給すればよい。
また、先に地中10に設置された管2の一方の外側面2aには、先に地中10に設置される管2の横に並ぶように地中10に設置される管2の他方の外側面2aに設けられた突起100としての一対の中空管101;101をガイドして次の管2の地中10での進行方向をガイドするためにガイド手段120としての断面L字状の一対の長尺部材121;121を設けたので、地中10に設置しようとする管2の地中10での推進方向が一対の中空管101;101及び一対の長尺部材121;121によって的確にガイドされる。即ち、次の管2を地中に設置する際、一対の突起としての一対の各中空管101;101が一対のガイド手段120;120としての一対の長尺部材121;121の間に位置されて、一対の長尺部材121;121が各中空管101;101の外側面103;103に接触して各中空管101;101を挟むようにして各中空管101;101をガイドするので、地中領域150が一対の長尺部材121;121と各中空管101;101とによって確実に囲まれるので、地中領域150外への注入材の流出を防げ、地中領域150に対する注入を確実に行えることから、止水処理を確実に行えるとともに、次の管2が地中10に設置される際に一対の長尺部材121;121によって当該次の管2の進行方向がより的確にガイドされる。
また、ガイド手段120としての断面L字状の一対の長尺部材121;121を設けたので、地中10に設置しようとする管2の地中10での推進方向を的確にガイドできるとともに、一対の中空管101;101と一対の長尺部材121;121と一方の管2の外側面2aと他方の管2の外側面2bとで囲まれたより密封性の高い地中領域150を形成できるようになる。
また、実施形態1によれば、突起100として逆止弁付きの注入口105を有した中空管101を用いたので、地中10において互いに隣り合う一方の支保工11と他方の支保工11との間に形成された密閉性の高い地中領域150に、中空管101の中空空間及び逆止弁付きの注入口105を介して中空管101の内側から注入材200を注入することができる。また、突起100として逆止弁付きの注入口105を有した中空管101を用いたので、後述するように、管2内にコンクリート300を埋めた後においても、中空管101の中空空間及び逆止弁付きの注入口105を介して中空管101の内側から地中領域150に注入材200を注入することができるようになる。
また、中空管101が、地中10に設置された管2の外周囲に注入材を充填するための注入口を備えた構成とすれば、管2の外周囲の地中10に薬液やセメント系注入材を注入する裏込処理を行うことが可能となる。
尚、突起100は、間隔を隔てて互いに隣り合うように地中10に設置される一方の管2の外側面と他方の管2の外側面との間に密閉性の高い地中領域150を形成できるものであればよいので、突起100としては、必ずしも中空管101を用いる必要は無く、例えば、次の管2の他方の外側面2bより突出するように設けられて、次の管2を地中10に設置する場合に先に地中10に設置した管2の一方の外側面2aに接触又は近接することによって、間隔を隔てて互いに隣り合うように地中10に設置される一方の管2の外側面と他方の管2の外側面との間に地中領域を形成できる単なる長尺板状の突出物でもよい。
実施形態2の場合でも、一方の支保工11と他方の支保工11との間に、一方の支保工11を構成する一方の各管2の一方の外側面2aと他方の支保工11を構成する他方の管2の他方の外側面2bと突起100を構成する図外の各突出物とで囲まれた密閉性の高い地中領域150を形成することができるようになる。この場合、次の管2の他方の外側面2bを貫通する孔部に取付けられた図外の逆止弁付きの注入口を介して、当該地中領域に注入材を注入することによって、一方の支保工11と他方の支保工11との間に止水性能の高い止水処理部を形成することが可能となる。止水処理部を形成した後、必要に応じて、管2内に、図11に示すように、コンクリート300を充填したり、鉄筋を配置してコンクリート300を充填することによって、管2の強度を上げた支保工11を構築すればよい。
一方、実施形態1のように、突起100として、注入管として利用可能な中空管101を用いた場合には、上述のように管2内にコンクリート300が埋められた後であっても、当該中空管101を注入管として利用して地中領域150に注入材200を注入することが可能となる。
従って、上述のように、管2の到達側の空洞部が無い場合で掘削機械26等を引き戻して回収する際に管2内にコンクリート300を埋める必要がある場合においては、実施形態1のような中空管101を用いた方法で管2を設置することが有効である。
先に地中10に設置される管2の互いに対向する一対の外側面のうちの一方の外側面2aに突起100を設け、当該管2の一方の外側面2bの横に並ぶように地中10に設置される次の管2の他方の外側面2bにガイド手段120を設けるようにしてもよい。
さらに、ガイド手段120は無くてもよい。即ち、管2の互いに対向する一対の外側面のうちの一の外側面に突起100のみを備えた構成の管を用いてもよい。
回転体50の外周面51より突出するように設けられた掘削刃としての掘削ビットによる掘削半径が、先頭管6の一対の内壁面間(例えば先頭管6の上下の内壁面間)の寸法よりも大きく設定され、かつ、回収時には、先頭管6の内側空間を通過させることが可能に構成された図外の回転掘削体を用い、先頭管6の前方において先頭管6の一方の一対の壁面(例えば上下の内壁面6c;6d)と直交する方向である先頭管6の幅間隔(例えば先頭管6の上下幅間隔)よりも広い幅間隔で地中10を掘削できるように構成された管設置装置を用いてもよい。
実施形態5の回転掘削体と実施形態1の掘削機械揺動駆動装置25とを備えた管設置装置を用いれば、先頭管6の前方の地中10において先頭管6の上下左右側の地中10の余堀が可能となることから、先頭管6の先頭開口縁が硬質の地盤に衝突して先頭管6を推進できなくなるような事態を防止でき、地山が硬質地盤である場合でも、地中10において管2をよりスムーズに推進させることができる。
さらに、間隔を隔てて互いに隣り合うように地中10に設置される一方の管2の外側面に設けられた突起100としての突起物を他方の管2の外側面に接触させるとともに、他方の管2の外側面に設けられた突起100としての突起物を一方の管2の外側面に接触させることにより、これら一対の突起物と一方の管2の外側面と他方の管2の外側面とで囲まれた地中領域を形成するようにしてもよい。
また、本発明でいう断面形状が四角形状とは、四角の角部が面取りされた形状のものも含む。
2b 管の他方の外側面(他の外側面)、
6 先頭管(管)、6t 先頭開口、7 後続管(管)、10 地中、100 突起、
101 中空管(突起)、105 逆止弁付きの注入口、120 ガイド手段、
150 地中領域、200 注入材。
Claims (4)
- 断面四角形状の管を地中に設置する管設置方法において、
一方の管及び他方の管を間隔を隔てて互いに隣り合うように地中に設置する場合に、互いに向かい合う一方の管の外側面と他方の管の外側面のうちの一の外側面に管の延長方向の全長に渡って管路が延長するように設けられるとともに一定の間隔を隔てて配置された一対の中空管を設けて、間隔を隔てて互いに隣り合うように地中に設置される一方の管の外側面と他方の管の外側面との間に、各中空管と一方の管の外側面と他方の管の外側面とで囲まれた地中領域を形成し、各中空管の互いに向かい合って対向する各管壁にそれぞれ設けられた各注入口を介して地中領域に注入材を充填して止水処理部を形成したことを特徴とする管設置方法。 - 互いに向かい合う一方の管の外側面と他方の管の外側面のうちの他の外側面に、一対の中空管をガイドする一対のガイド手段が設けられ、一対の中空管が一対のガイド手段の間に位置されるように一の外側面に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の管設置方法。
- 中空管が、地中に設置された管の外周囲に注入材を充填するための注入口を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の管設置方法。
- 先に地中に設置される管の外側面にガイド手段を設けるとともに、先に地中に設置された管の外側面に並ぶように地中に設置される次の管の外側面に中空管を設けるか、あるいは、先に地中に設置される管の外側面に中空管を設けるとともに、先に地中に設置された管の外側面に並ぶように地中に設置される次の管の外側面にガイド手段を設けることによって、地中に設置された先の管に並ぶように地中に設置される次の管の地中での進行方向を中空管とガイド手段とでガイドするようにしたことを特徴とする請求項1に記載の管設置方法。
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