JP6249620B2 - 拡幅トンネルの構築方法と拡幅シールド機 - Google Patents

拡幅トンネルの構築方法と拡幅シールド機

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Description

本発明は、並行トンネル間を掘削してトンネル領域を拡幅するトンネルの拡幅方法とそれに用いる拡幅トンネルのシールド機に関する。
本線トンネルとランプトンネルとを拡幅する方法、又は複数の並行トンネルを駅舎などで分岐又は集合する場合の拡幅方法として、既に多くの技術が用いられている。その技術の一つとして特許第4471521号が提示されている。
また、本願の出願人も特願2012−225434として出願している。
しかしながら、前者のシールド工法による発明は二本の導孔間の拡幅部における掘削断面が多数のカッターやカッタービットを着設し、しかもその掘削断面の両端部に支保構造(セグメント)の一部を切削する破砕ロータを設けることで、設備が大掛かりになり工費が嵩むという欠点がある。
また、後者のトンネル拡幅部構築方法では、トンネル間の地山を先行区間と後行区間に分け、それぞれを交互に掘削して行く地山の掘削方法に関するものである。
特許第4471521号 特願2012−225434
本発明は、並行するトンネル間を拡幅する方法として、特許文献1の発明のようにシールド機の両側にある破砕ローラが複雑で高価な構造を用いず、シールド機の前部で地山を掘削し、その後部で拡幅する連結セグメントを巻装する簡素な構造でスピーディな仕上げを行なうことができる拡幅トンネルの構築方法とその施工に使用する拡幅シールド機を提供せんとする。
本発明の請求項1は、前記課題を解決したものであり、その要旨は、並行するトンネル間を掘削してトンネル領域を拡幅する方法において、前記並行トンネルの上部間に設置した拡幅シールド機を前記並行トンネルの軸方向に沿って掘進する工程と、前記拡幅シールド機の下に位置する前記並行トンネルの上部セグメントを取り外す工程と、前記取り外し後に残された各並行トンネルの残置セグメント間に連結セグメントを組み立てる工程と、前記拡幅シールド機の掘進とともに、そのシールド機下部の地山を掘削する工程と、前記掘進下部の地山を掘削した後、次段階として前記拡幅シールド機を前記並行トンネルの軸方向に沿って掘進するに当たり、前記拡幅シールド機の両端部が前記並行トンネルの既設セグメントを跨いで載置して掘進する工程と、により、拡幅トンネルの上部を構築する。
請求項2の発明は、並行トンネル間にある拡幅シールド機の掘進とともに、その掘進下部の地山掘削に先行して、その下方に先行トンネルを設置することで、拡幅前の地山からの地下水や掘削による掘削土を前記先行トンネルの後方に搬送することができるようにしている。
請求項3の発明は、拡幅トンネルの上部構築の工程の前又は後に、並行トンネルの下部を拡幅する工程を付加することで、拡幅トンネルを構築していく。
請求項4の発明の拡幅シールド機は、拡幅シールド機の前進方向前部に形成され、略弧状の上板と、前記並行トンネルの上部に沿った形状の下板と、前端部において前記上板及び下板の間に接続された隔壁とを含む、略弓形断面の掘進部と、前記掘進部の後方において、前記拡幅シールド機の下部位置に設けられた作業床上に設置され、トンネル軸方向とトンネル軸と交差する方向に移動可能なセグメント組立装置と、により形成され、前記隔壁の略中央下部に配設され排土を隔壁後方へ搬送する排土装置と、前記隔壁の後部と前記セグメント組立装置により組み付けられた先端のセグメントとの間に設けられたジャッキと、を備え、
前記隔壁の後部に設けられたジャッキは、複数個が前記上板の弧状に沿って、拡幅シールド機の両端部まで配置されていることを要旨とする。
請求項5の発明は、前記請求項4に付加して略弓形状断面を掘削するために、前記掘進部には、前記拡幅シールド機の両端に設けられ、前記略弧状の上板と、前記並行トンネルの上部に沿った形状の下板とを接続する側板と、略弧状の上板の下部位置に配置され、回転軸をトンネル軸方向に合致されたカッタヘッドと、前記カッタヘッドの両側において、トンネル軸側からトンネル直径方向外方へ向けて整列して延設された複数のスクリュー掘削装置であって、前記トンネル軸側の一スクリュー掘削装置のトンネル直径方向外端部と、このスクリュー掘削装置のトンネル直径方向外方に隣接して延びる他のスクリュー掘削装置のトンネル直径方向内端部とが一部重合して延長するスクリュー掘削装置とが設けられ、前記隔壁は前記カッタヘッドと前記スクリュー掘削装置の背面に設けられて推進部を形成しており、前記掘進部に設けられたスクリュー掘削装置は拡幅シールド機の両端部まで配置されていることを要旨とする。
本発明の請求項1乃至3は、並行トンネルの上部間に拡幅シールド機を設置してトンネル軸方向に掘進し、当該拡幅シールド機直下の並行トンネルの上部セグメントを取り外してから、その取り外しにより残された残置セグメント間に新たな連結セグメントを組み立てるとともに、前記拡幅シールド機の下部の地山を掘削する。これにより、その前部で安定した状態で地山を掘削し、後部では新たな連結セグメントを安全で正確に、かつ拡幅トンネルを施工できる。
本発明の請求項4は、拡幅シールド機の前部に、略弧状の上板と、前記並行トンネルの上部に沿った形状の下板とを含む、略弓形断面の掘進部を形成し、その後部上板内に複数のジャッキを備えた拡幅シールド機であり、そのジャッキを伸縮して既設の連結セグメントからの反力をとり、拡幅シールドの推進と地山の掘削により、短期間で拡幅トンネルを構築することができる拡幅シールド機を提供できるようにしたものである。
本発明の請求項5は、前記請求項4の掘進部には、隔壁に備えた中央位置にカッタヘッドと、その両側に平面から見て一部重合させて延長したスクリュー掘削装置とを備え、その後部には掘進用のジャッキを複数設置した、拡幅シールド機により、比較的堅固な地盤においても施工できるようにした拡幅シールド機であるので、地下水のある地盤でも掘進が可能である。シールドの切羽掘削を人力を用いずに機械で行なうことで、安全に掘削が可能で、又地盤改良区間も少なくできるので経済性に優れ、工期短縮が可能である。
第1実施例における本発明の拡幅シールド機を用いたトンネルの拡幅状態を示す概略斜視図である。 図1のA−A断面図である。 図1のB−B断面図である。 図1のC−C断面図である。 図4の縦断面図である。 図5のD−D断面図で、拡幅シールド機の側板付近の上板後方において、連結セグメントの上方と地盤間に裏込材を注入した説明図である。 拡幅シールド機の断面中央部付近における連結セグメントの側部外側と上板間の説明図である。 本発明の拡幅セグメントと、下部のトンネル固定部の構築を示す断面図である。 図3とは別の実施例2であり、連結セグメントの組立装置の説明図である。 図2とは別の実施例3であり、左半部は正面より視たカッタヘッドとスクリュー掘削装置を備えたもので、右半分は後面より視た図である。 図9の右半部を左半部と同じにしたE−E断面図である。 実施例3の縦断面を示す図である。 図9〜図11におけるスクリュー掘削装置の掘削ビットの説明図である。 図2の並行トンネルにおける一方のトンネル径を他方のそれより小さくしたものである。
本発明の特徴として、その拡幅シールド機は、略弧状の上板と下板とにより、略弓形断面を形成し、又は、前記略弓形断面にカッタヘッドの両側にスクリュー掘削装置を付けた、略弧状断面の掘進部を備え、その後方に複数設置したジャッキにより、既設の並行するトンネル間を拡幅シールド機でトンネル軸方向に掘削し、拡幅シールド機の後部において既存の連結セグメントに沿って新たな連結セグメントを組み立てる拡幅トンネルの掘進機と、それを用いたトンネルの拡幅方法とがある。
以下、各種実施例のシールド機と、それを用いたトンネルの拡幅方法について説明する。
〔実施例1〕
図1乃至図6−1,6−2における、既設の並行トンネル50,60の上部を跨いで載置する拡幅シールド機Aは、いわゆる開放型シールド機である。この拡幅シールド機Aは、切羽の自立性の高い地盤又は地盤改良された地盤34など、切羽の安定が保たれる地盤で用いられ、その切羽を直接、あるいは小型の掘削具を用いて人力で掘削し、推進する。そして拡幅シールド機Aには、略弧状の上板1と、両端部をトンネル50,60の既設セグメント14の上部の外径に沿う形状を有する下板2に、また、必要により両端の側板21を含む複数の仕切フレーム3を介在し、拡幅シールド機Aの前部に上板1、下板2、側板21及び仕切りフレーム3で形成された隔壁8前方フード4内の掘進部に掘削室10を形成する。また、フード4にある上板、下板、あるいは側板の先端に、切削刃4’を取り付けることもできる。このシールド機Aの横断面は略弓形である。この例では、上板と下板を仕切フレーム3と、これらの後部にある隔壁8で掘削室10を仕切っているが、上板、下板の構造によっては、仕切フレーム3が不要な場合もある。図1と2では、上板1と下板2の両端に側板を21を設けているが、上板の端部を湾曲させて、下板と接合して、弓形状断面を形成しても良い。掘削室10の前面の地盤34における切羽5は、掘削室10において人力あるいは、ビックハンマーなどの掘削具を用いて掘削する。前記した掘削室10の後部の隔壁8とその後方にある補強リブ11間の作業室12にジャッキ9を設置して拡幅シールドを推進させる。
図4に示すように、前記掘削室10の下部には、断面水平方向両端から中央に掘削土砂を運ぶ1対のベルトコンベア20と、それとクロスした前中央にトンネル軸方向のベルトコンベア6とにより、掘削土砂を後方へ搬送する。ベルトコンベア6は、隔壁8の下部に設けた開口部7を通り、作業室12の下部に設けた土砂ホッパー12’に掘削土砂を落すようにしている。土砂ホッパー12’の下部には、開口12−1があり、前記拡幅シールド機Aの掘進と併行して、シールド機の下部の地山40を既知の掘削手段により掘削して形成した下部掘削部16へ掘削土砂を落す。このために、土砂ホッパー12’の下部に、開口蓋を設けると好適である(図示せず)。下部掘削部16に落された掘削土砂は、既往の土砂積込・運搬装置により、後方へ搬出される(図示せず)。
隔壁8とその後方にある補強リブ11間の作業室12にあるシールドジャッキ9を多数本設置し(図3と図4では1本の連結セグメント13間に2本づつ14本記載されている)、ジャッキ9のスプレッダー9−1を補強リブ11の後方にある連結セグメント13に当接して、ジャッキ9を伸長しながら、拡幅シールド機Aを推進させ、ジャッキ9を収縮することで、できたスペースに新たな連結セグメント13を拡幅トンネルの天井部として組立てて、拡幅シールド機Aを推進する。
また、前記拡幅シールド機Aの下板2は、前記したように、トンネル50,60の上部にある既設セグメント14の外径(外周面)に沿った形状を有することにより、既設セグメント14を跨いで接触載置して掘進するか、下板2をわずかな未切削土砂を介して載置することにより、拡幅シールド機Aを掘進する。このため、少なくとも2箇所当該並列トンネルのセグメントに支持されるので、拡幅シールドを正しい姿勢で掘進することができ、正確かつ容易に連結セグメントを組立てることができる。なお、拡幅シールド機がトンネル50,60の上部セグメント14から離脱しないように、セグメント14上と下板2下に軌道(図示せず)を設けておくこともできる。
下板2は、掘進する周囲の地盤が自立性が高く、地下水も少なく、漏水もない地盤の場合、全面板状である必要はなく、橇のように部分的に隙間を有する部分板状のものであっても良い。
図1乃至図4に示される、拡幅トンネルの拡幅シールド機Aの下方にある既設トンネル50,60間の下部地盤40に、それより径の小さい先行トンネル15を、拡幅トンネルに先行して設置しておき、この先行トンネル15は、例えば当初実施された地盤改良の効果を確認したり、地盤改良の結果残留した溜り水などを排水するために、図2に示す地盤40からの出水を導管17で導く。またトンネル内にレールを敷設して掘削土を排出する台車18を設置しておくこともできる(図3)。
先行トンネル15は、既知のシールド工法あるいは推進工法で、築造しても良い。なお、地盤が自立性が高い場合には、先行トンネルを設けなくても良い。
拡幅シールド機Aの前部にある下板2は、図2に示すように、既設の並行トンネル50,60間に跨いで設置し、後部の下板2下側では、図3に示すように、並行トンネル50,60のセグメント14にある上部セグメント14−1を取り外し、地盤16を掘削してからセグメント組立装置22で、上部セグメント14−1より大径の連結セグメント13を例えば周知のボルト、ナットによって並行トンネル間に拡幅したトンネルとして架け渡して組立てるようにしている。
並行トンネル50,60内には、それぞれのトンネルの両側に縦桁23が予め設置され、又トンネル内の水平方向上下に横桁25、26が設けられている。これらは、連結トンネルを築造するにあたり、並行トンネルのセグメントの取り外しに伴いトンネル形状を維持するための補強材である。また、上側の横桁26上部には作業床版24を取り付ける。
間隔を置いて設置した下側横桁25の直角方向(つまりトンネル軸方向)に、2本のレール28を敷設する。このレール28の上に移動可能な移動台車29をそれぞれ設置する。また、各並行トンネル50,60内には、下側横桁25と間隔を置いて、横桁25と併行する作業床24上に2本づつレール36をトンネル軸方向に敷設して、各並行トンネル50,60に2台の移動台車35を載置する。この移動台車35上には、前記上部セグメント14−1を取り外して並行セグメント50,60間の地盤40を掘削してから、並行トンネル50,60間にレール桁27(レールが設けられた桁)を据えつける。この移動台車35は、レール桁27上に移動可能なセグメント組立装置22を設置する。既存のセグメント組立装置22は、連結セグメント13を把持し、所定の組立位置へ持ち上げて、連結セグメント13を並行トンネル間に組立てることを可能にしたものである。
前記並行トンネル50,60間の地盤40を掘削した掘削土砂は、横桁25上のレール28上を走行する鋼車29により、トンネル後方に搬送されるようにしている。
なお、図6−1、図6−2に示すように、拡幅シールド機Aの後部における上板1と下板2間のトンネル軸方向に設置した裏込注入管30により、連結セグメント13と地盤16間の空隙へコンクリートの裏込材31が注入される。
裏込材を注入する時、連結セグメント13とシールドテール部の内板(2−1)の間から、シールド機内に漏出するのを防止するためにテールシール(31−1)が設けられる。なお、31−2は、テール部の妻板であり、空隙高さが大きい場合に設ける。
図7は、本発明の拡幅シールド機Aを用いてトンネル50,60間を拡幅したものである。トンネル50,60間の下部に地盤改良材32を施してから、セグメント14−2を取り外し、トンネル50,60の外周部の掘削区域を既往の手段で掘削する。そして場所打ちコンクリート33を打設してトンネル固定部を築造する。
〔実施例2〕
図8は、実施例1の拡幅シールド機Aとは別のセグメント組立体39の後部機構(図3とは別の実施例)を用いた拡幅トンネルA’の横断面図である。
本発明の拡幅シールド機A’の後部は、上板1と同心円的に形成されたレール36と、これと同心円でやや小径に形成されたレール37を一定間隔で敷設し、その間をセグメント組立装置39の移動空間38とし、この空間38内の前記レール36とレール37に沿って移動自在なセグメント組立装置22’により、連結セグメント13を連結して組立てる。
〔実施例3〕
図9乃至図12は、実施例1の前部機構に掘削装置を付加した、更に別の拡幅シールド機Bの前部機構である。ここでの拡幅シールド機Bに配設された回転型掘削装置により、比較的硬い地盤、あるいは、そこで地下水の多い地盤34の切羽を掘削する。
図9は、実施例1の拡幅シールド機Aに後述する前部機構を付加した拡幅シールド機Bの上板1と下板2間の隔壁8の前部中央に、掘削するトンネル軸方向の前面に多数のカッター刃42を設置したカッタヘッド43を回転させる回転軸41を駆動部としてのモーター44で回転させる。このカッタヘッド43の両側には、複数のスクリュー掘削装置46を配置する。このスクリュー掘削装置46は、駆動モーター45で回転し、スクリュー掘削ビット48で地盤を掘削する。そして、スクリュー掘削装置46のスクリュー羽根47の回転により、掘削ズリをシールド断面の中央へ移動させる。図10は、隣接する左右4個ずつのスクリュー掘削装置46を平面から見て一部重合して並設し(図10)、これを正面から見ると左右に各3台のスクリュー掘削装置を重合して設置している(図9)。
このスクリュー掘削装置46は、その一部が重合して設置されているので、両端部からの掘削ズリをスクリュー装置46で中央へ移動させながら掘削が可能である。
図11は、前記図9、図10の拡幅シールド機Bを用いて地盤40を掘削している状態の縦断面図(実施例1の図5に対応)である。なお、スクリューコンベア49は、前記実施例のベルトコンベア6に代わるもので、掘削ズリは掘進部と作業室を仕切る隔壁8に取り付けられたスクリューコンベア49から作業室12内に取り込むようにしている。この例では、スクリュー掘削装置46及びカッタヘッド43で掘削した掘削ズリは、添加材の注入と攪拌により、塑性流動性のある泥土に変換されるため、圧力を持っていても水と異なり地山とシールド下板2の間から、前記下部掘削部16へ侵入しない。特に、通常のカッタヘッド43の両側の弧状にしたスクリュー掘削装置46は、図9のように、下から横方に3台(図10では4台)を一部重複して支持台48に枢着して設置され、これらにより切羽を掘削する。
なお、図12は前記スクリュー掘削装置46を横断したもので、スクリュー掘削装置46の外縁に多数のビット48を配置する。このようにして、スクリューの回転と拡幅シールド機の前進によって、切羽を掘削することができる。そして、拡幅シールド機の中央下部には、トンネル軸方向に平行して排土用スクリューコンベア49を配置している。回転モーター49−1の回転により、掘削された掘削ズリは、拡幅シールド機Bの後方へ送られ、下板2に設けた排土口49−2より下方に形成された下部掘削部16へ落下する(図11)。
これより以降は、実施例1と同様である。
図13は、並行トンネルのうち径の大きい方が、道路トンネルにおける本線トンネル300で、径の小さい方がランプトンネル400であり、それぞれのトンネル上部に拡幅する拡幅シールド機Bは、その下板200を各トンネルの上形に沿って載置される。そして拡幅シールド機Bは、6本の仕切フレーム301と両端の側板201を下板2と上板1との間に配置されている。その他は、実施例1と同じである。
以下に、実施例1乃至3の拡幅シールド機を用いたトンネルの拡幅方法について説明する。
まず、図5に示すように、従来技術を用いて、拡幅区間の始点又は終点の端部にある並行トンネル50,60の上部14−1を取り外して、手掘りあるいは掘削重機で地山を掘削し、トンネル拡幅部の発進基地70、反力壁71、周壁71−1、及び坑口コンクリート72を構築して発進基地70が築造される。ついで、拡幅シールド工法の地中発進と同様に、発進基地70内に発進架台を設置し、拡幅シールドA,A’,Bの部品を順次地上より並列シールド内に運搬し、発進架台上で組み立てて連結シールドを製作する(図示せず)。拡幅シールド機後方で連結セグメントを1リング以上組立て、その後方と反力壁に推力伝達枠を組立てる。次いで、坑口コンクリートを研り、地山を露出させて、拡幅シールド機を掘進する。
拡幅シールド機は、地山34を掘削しつつ、シールドジャッキ9を伸長することにより推進される。それと併行して、拡幅シールド機の下方の地山40を掘削して、上記シールド掘削土砂が排出されて下部掘削部16を形成し、かつ、各セグメントを搬入、組立てる作業空間が確保される。
この際、拡幅シールド機A,A’,Bの前部は地山34中にあるが(図2)、その後部の下方は、前記したように別に併行して掘削されており、並行トンネル50と60、100と200、又は300と400の上部セグメント14−1を取り外して、連結セグメント13を組み立てる。
上部セグメント14−1を取り外してからは、前記伸長したシールドジャッキ9を収縮し、図3、図8に見られるように、トンネル拡幅用の連結セグメント13の一端を、セグメント14−1の取り外しにより残された方の残置セグメント14の一端に継合し、上板1に沿って並行トンネル間に連結セグメント13を組立てる。詳しくは、各並行トンネルの後方からレール28上のセグメント台車で搬送された個々の連結セグメント13を、作業床24上にあるトンネル軸方向のレール26上を走行する移動台車35によりセグメント組立装置22、22’まで移動し、セグメント組立装置22、22’で連結セグメント13を持ち上げ、連結セグメント13を弧状に組み立てる。
本実施例において、切羽を掘削する回転型掘削装置は、いずれも回転モーター部分を密閉型にしておくことにより、切羽部分と隔壁8,8’によってシールド後部と区画することで既往の土圧式(泥土圧を含む)拡幅シールド機として使うことができる。これによれば、切羽の安定性も良くなるため、より地盤改良区間を低減することが可能となり、工期短縮、工費低減に資することができる。
拡幅シールド機の掘進→下部地盤掘削→並行トンネル上部セグメント取外し→連結セグメント組立→拡幅シールド掘進と順次工程が所要の連結トンネル区間において終了すると、拡幅トンネルの上部を完成するが、その後は両トンネル下方の地盤を改良し、図7に示すように並行トンネル50と60、100と200、又は300と400との相対する側の上部セグメント14−1を取り外して、両トンネル間の地山16,40を掘削し、場所打ちコンクリート33を打設してトンネル下部固定部を築造する。
本発明は、道路用の本線トンネルとランプトンネルの他に、鉄道用の上下線トンネルなどの拡幅工事にも適用することができる。
1 拡幅シールド機の上板
2 拡幅シールド機の下板
3 拡幅シールド機の仕切フレーム
8 先部隔壁
9,45 伸縮ジャッキ
11 後方隔壁
13 連結セグメント
14 並行トンネルの残置セグメント
14’ 並行トンネルの上部セグメント
34、40 地盤
21 拡幅シールド機の側板
43 カッタヘッド
46 スクリュー掘進機
50,60,100,200,300,400・・・ 並行トンネル

Claims (5)

  1. 並行するトンネル間を掘削してトンネル領域を拡幅する方法において、
    前記並行トンネルの上部間に設置した拡幅シールド機を前記並行トンネルの軸方向に沿って掘進する工程と、
    前記拡幅シールド機の下に位置する前記並行トンネルの上部セグメントを取り外す工程と、
    前記取り外し後に残された各並行トンネルの残置セグメント間に連結セグメントを組み立てる工程と、
    前記拡幅シールド機の掘進とともに、その掘進下部の地山を掘削する工程と、
    前記掘進下部の地山を掘削した後、次段階として前記拡幅シールド機を前記並行トンネルの軸方向に沿って掘進するに当たり、前記拡幅シールド機の両端部が前記並行トンネルの既設セグメントを跨いで載置して掘進する工程と、
    よりなることを特徴とする拡幅トンネルの構築方法。
  2. 前記並行トンネル間にある拡幅シールド機の掘進下部の地山掘削に先行して、先行トンネルを設置する工程を付加することにより、拡幅前の地山からの地下水や掘進機の掘削により生じる掘削土を並行トンネルの後方に搬送するようにした請求項1に記載の拡幅トンネルの構築方法。
  3. 上記請求項1又は2の拡幅トンネルの上部構築の工程の前又は後に、並行トンネルの下部を拡幅していく工程を付加する拡幅トンネルの構築方法。
  4. 並行トンネルの上部間を掘進する拡幅シールド機であって、
    該拡幅シールド機の前進方向前部に形成され、略弧状の上板と、前記並行トンネルの上部に沿った形状の下板と、前端部において前記上板及び下板の間に接続された隔壁とを含む、略弓形断面の掘進部と、
    前記掘進部の後方において、前記拡幅シールド機の下部位置に設けられた作業床上に設置され、トンネル軸方向とトンネル軸と交差する方向に移動可能なセグメント組立装置と、により形成され、
    前記隔壁の略中央下部に配設され排土を隔壁後方へ搬送する排土装置と、
    前記隔壁の後部と前記セグメント組立装置により組み付けられた先端のセグメントとの間に設けられたジャッキと、を備え、
    前記隔壁の後部に設けられたジャッキは、複数個が前記上板の弧状に沿って、拡幅シールド機の両端部まで配置されていることを特徴とする拡幅シールド機。
  5. 前記掘進部には、前記拡幅シールド機の両端に設けられ、前記略弧状の上板と、前記並行トンネルの上部に沿った形状の下板とを接続する側板(21)と、
    略弧状の上板の下部位置に配置され、回転軸をトンネル軸方向に合致されたカッタヘッドと、
    前記カッタヘッドの両側において、トンネル軸側からトンネル直径方向外方へ向けて整列して延設された複数のスクリュー掘削装置であって、前記トンネル軸側の一スクリュー掘削装置のトンネル直径方向外端部と、このスクリュー掘削装置のトンネル直径方向外方に隣接して延びる他のスクリュー掘削装置のトンネル直径方向内端部とが一部重合して延長するスクリュー掘削装置とが設けられ、
    前記隔壁は前記カッタヘッドと前記スクリュー掘削装置の背面に設けられて推進部を形成しており、
    前記掘進部に設けられたスクリュー掘削装置は拡幅シールド機の両端部まで配置されていることを特徴とする請求項4に記載の拡幅シールド機。

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